過去ログ - 花丸「はなまるぴっぴは善い子だけずら」
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:23:30.91 ID:O8fGFwM8o
「綺麗な景色ずらね。沼津じゃまずお目にかかれないずら。
降雪に立ち会えなかったのは残念だけど、雪積もってるだけでもロマンずらー」

 善男と二人きりになって間の持たない花丸は、必死に燥いでみせた。
景色に夢中になっていないと、善男に口説かれてしまう。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:24:29.38 ID:O8fGFwM8o
「言っただろ、口説くって」

 善男の指が花丸の顎を掴んで、無理矢理に正面を向かせた。
顔の動かせない花丸は、目だけ逸らして抗議する。

以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:25:09.82 ID:O8fGFwM8o

*

 一変した景色が花丸を一瞬だけ混乱させた。
だが、すぐに状況を飲み込んだ。善子言う所の寝落ち、というものをしていたらしい。
以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:25:52.65 ID:O8fGFwM8o
 冷静になって目を凝らせば分かる。そもそも遠方には雪も何も降っていないのだ、と。
花丸の部屋の窓の直前にだけ、白い粉が落ちてきているようにしか見えない。

「いたずら?」

以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:26:44.92 ID:O8fGFwM8o
「へっ?」

 屋根の上に立つ善子から間の抜けた声が返ってくる。
大きな頭陀袋を背負う善子の姿は、遠目にはサンタクロースに見えないこともない。
その手から白い粉が零れ落ちていった。
以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:27:36.37 ID:O8fGFwM8o
「何久しぶりに話したみたいに言ってんのよ。って、こうして話すのは久しぶりなのかしら。
その、今までごめん」

 善子が顔を伏せて詫びた。花丸も善子に倣って頭を下げる。
聞きたい言葉なら聞けた。
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:28:28.17 ID:O8fGFwM8o
「あー、あんた、雪に憧れてるみたいだったし。
それでまぁ、お詫びって訳じゃないけど。その、演出みたいなものよ」

「堕天使ヨハネに付き物の演出ずらね」

以下略



22:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:29:22.32 ID:O8fGFwM8o
「大丈夫ずら?」

 常備しているポケットティッシュで鼻を拭ってやりながら、花丸は問う。

「んー、大丈夫、だと思う。ちょっと屋外に居すぎたかしら」
以下略



23:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:30:09.71 ID:O8fGFwM8o
「こっちは病人なんだから、優しく看病しなさいよ」

 花丸のベッドに身を横たえた善子が恥じらいながら言う。
これからは看病という語が、二人の間で褥のサインとなりそうな予感がした。

以下略



24:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:31:03.13 ID:O8fGFwM8o
>>2-23
以上で終了です。
お目汚し失礼しました。メリークリスマス。


25:名無しNIPPER[sage]
2016/12/26(月) 02:17:50.39 ID:sDD6BVqwo
おつおつ


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