過去ログ - 鷺沢文香「燃える彼女がくれるもの」
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8: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:18:37.11 ID:xxHx5Jku0

しかし、昨日今日と、全ての会話において茜から話を振ってもらっている気がする。流石に話題提供の一つでもするべきか。
そう感じた結果、適当な話題を振ることにした。

「茜さんは、昨日、あの後は何をされていたのですか?」
以下略



9: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:19:26.52 ID:xxHx5Jku0
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ある日の午後、レッスン後にいつものように事務所で読書をしていると、ふいに声が掛かった。

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10: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:20:04.91 ID:xxHx5Jku0

「まあいいわ。あの娘、昨日から本格的にダンスレッスンが始まったらしいんだけど」

「はい」

以下略



11: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:20:45.23 ID:xxHx5Jku0

「しかも、それだけじゃないの」

「え?」

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12: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:21:19.57 ID:xxHx5Jku0

多少の不安を抱えたまま迎えたダンスレッスン。
レッスン室に行くと、既に茜はウォーミングアップを開始していた。

「! 鷺沢さん! よろしくお願いします!!!」
以下略



13: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:21:53.99 ID:xxHx5Jku0

彼女のステップはとにかく速く、豪快で、そのセンスを感じずにはいられないものだった。
トレーナーさんも、時折"走ってますよ"という声はかけるが、おおむね満足気だ。

そこから、簡単な手の振りや、様々なステップを組み合わせたレッスンが始まった。
以下略



14: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:22:44.47 ID:xxHx5Jku0

そうして茜のステップを眺めていると、すぐに休憩の終わる時間が来てしまった。
重い体に鞭打って立ち上がろうとするが、思いの外疲れていたようだ。

「……っ!」
以下略



15: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:23:44.36 ID:xxHx5Jku0

レッスンを終え、着替えを済まし、さて帰ろうかと考えていると、茜が目の前にいた。

"お疲れ様でした"と声をかけようとしたその刹那。

以下略



16: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:24:37.00 ID:xxHx5Jku0

一瞬の驚き、しかし、すぐに真意に気がついた。茜は、疲れている自分を気遣っているのだ。

「……お気持ちは有難いのですが、茜さんの家とは方向が違いますし」

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17: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:25:40.76 ID:xxHx5Jku0
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それから何日か経過したある日。

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18: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:26:21.59 ID:xxHx5Jku0

そういえば、茜にボーカルレッスンの光景を見せるのは初めてだ。聞くと、まだレッスン自体をやっていないという。
なるほど、詳しくはわからないが、ボーカルや表現力は一旦見ずにダンスを鍛え上げて、バックダンサーなどのポジションからデビューを狙っていくのかもしれない。

自信がある。とは口が裂けても言えないが、ダンスに比べれば、いくらかは見苦しくないものだとは思っている。
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