325:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:08:27.16 ID:sKfYX8RPo
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イオリの襲撃により、地球における束の間の平和が終わりを告げたその頃。
時を同じくし、地球から遠く離れた地では
326:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:09:50.04 ID:sKfYX8RPo
唖然として円盤を見上げ続けるヒビキを囲んで、
アニマルロボたちも唸り声を発しながら上空を睨みつける。
タカネの声以外は一切の音もなく、円盤は空中で静止するように浮遊していた。
と、その円盤に動きがあり、ヒビキは反射的に片足を引いて警戒の構えを取る。
円盤はやはり音もなく、ゆっくりと高度を下げ、
327:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:11:14.70 ID:sKfYX8RPo
しかしヒビキの逡巡は、耳元で発せられた鳴き声によって終わる。
ヒビキ「……ハム蔵……」
鳴き声の主の名を、ヒビキは呟いた。
328:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:13:30.76 ID:sKfYX8RPo
向かう先は、秘宝の眠る神殿。
覚悟はたった今決まった。
自分の役目は、宝を守ること。
それがアニマの巫女の使命なのだから。
329:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:16:16.36 ID:sKfYX8RPo
そのあまりの巨大さに、ヒビキは僅かの間ながら息をするのも忘れた。
しかしすぐに再び踵を返し、全速力で森の中を駆ける。
それと同時に、後方からヒビキの耳に不吉な音が届いた。
見れば以前タカネが来訪した際にも現れたロボット群が、
森の中に炎をまき散らしながら侵攻している。
330:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:19:04.27 ID:sKfYX8RPo
瞬間、ひんやりとした空気と同時が流れ出ると同時に、
異質な空間が目の前に広がったのをヒビキは感じ取った。
ヒビキは息を呑み、扉をくぐる。
星の光も月の光も届かぬ神殿内部はもちろん深い闇に包まれ、
狭い入口から僅かに入り込む光を頼りにしても十歩と進めないほどである。
331:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:22:30.52 ID:sKfYX8RPo
とその時、ヒビキは弾かれたように顔を後ろへ向ける。
その先に広がるのは闇ばかりであるが、
ヒビキは希照石を掴み、駆け出した。
アニマルロボたちの吠える声……。
ヒビキの耳に届いた切迫した家族たちの鳴き声が、ヒビキを神殿の出口へと走らせた。
332:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:24:52.60 ID:sKfYX8RPo
タカネ「その石が、アニマの至宝ですか?」
囁くような声であるにもかかわらず、
それは巨大ロボの頭部に立つタカネから、地上のヒビキへはっきりと届いた。
ヒビキは手に持った希照石をタカネから隠すように胸元に抱き、
333:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:26:37.80 ID:sKfYX8RPo
怒りを顕にして抵抗の意志を持ち続けるヒビキではあったが、
宝を守るための手段は既に皆無と言って良かった。
アニマには巨大ロボと戦えるだけの戦力も無ければ、
逃げるための術もヒビキは持ち合わせていない。
つまり降参しようとしなかろうと、至宝は奪われることはほぼ確定している。
334:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:29:11.79 ID:sKfYX8RPo
タカネ「良いでしょう。それならば、永遠にここに居なさい。
お望み通り貴女の愛するこの星に……穴掘って、埋めて差し上げます!」
瞬間、耳をつんざくような轟音が大気を切り裂き、震わせる。
まだ炎の侵食を受けていない森へと逃げ込もうとしたヒビキだが、
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