過去ログ - いろ鬼 (オリジナル百合)
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13: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 15:20:51.90 ID:ibuo0eth0
部屋に入ると、一人では広すぎるんじゃないかと突っ込みたくなるくらい簡素だった。
ソファに座り、じわりと噴き出した汗を手のひらで拭って、私は彼の持ってきてくれた紅茶に口づける。

「あ、お菓子もあるからね」

以下略



14: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 16:04:01.47 ID:ibuo0eth0
なんでだろう。
この子が言うと、本当にそんな気さえしてしまう。
そんな訳がないのに。
けど、こんな風に人に優しい彼がどうして閉じこもっているんだろうか。
特に、彼の性格に問題があるようにも思えない。
以下略



15: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 16:06:02.97 ID:ibuo0eth0
いったんここまで


16: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 21:29:16.73 ID:ArEOG84Z0
それが彼との最初の出会い。
次の日。高校の正門の前で、

「やあやあ、ミラちゃんおはよう」

以下略



17: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 21:39:14.51 ID:ArEOG84Z0
少し驚いて、先生の話に耳が傾いた。
先生やっと話を聞いてくれると思ったのか、

「彼、とっても愛らしい容姿だっただろ? 周囲からね、その、色々あるんだなあこれが」

以下略



18: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 21:55:03.05 ID:ArEOG84Z0
1限目、クラスメイトの一人が遅刻したので、遅刻届を提出するように促さなければならなかった。
斜め隣の席にいたので、懇切丁寧に紙にしたためて放り投げてやった。
そいつは、紙を開いて、坊主頭をぐるぐる回し、私と目が合うや、『めんどくさい』と口パクで教えてくれた。
私は切れ気味に、舌打ちして、前の席の男子生徒の椅子を蹴り上げる。

以下略



19: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 22:14:05.91 ID:ArEOG84Z0
3限目前の小休憩。

「おい、宿題やったか?」

「やってねえよ」
以下略



20: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 22:21:28.23 ID:ArEOG84Z0
もう一度『いや』とお伝えした。

「あ、あー、そっか、はいはいはーい、ごめんねー」

なんだ、それ。
以下略



21: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 22:44:19.87 ID:ArEOG84Z0
どこまでも、可愛くない生き物。
そして、醜くて、どんな色も私を着飾ってはくれない。
自分に一番似合う色なんて、この世にはない。
探したって見つけられない。
いつまでも、逃げ続けるのも窮屈な生き方。
以下略



22: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 23:06:26.42 ID:ArEOG84Z0
やたら息の荒い授業が始まり、なぜかいつもよりもノートを書き写す音が多く感じた。
気のせいかもしれないけど。
急に、授業中に話し出す奴もおらず、いたって平穏な3限が終わった。
お昼休み、うっかり、クラス一可愛い女の子――井原とトイレが一緒になってしまった。
鏡に向かって、井原が話しかける。
以下略



23: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 23:13:34.43 ID:ArEOG84Z0
彼女は黙ってしまう。
追いつめたような気分になった。

「井原さん?」

以下略



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