35: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 19:07:57.98 ID:7BtxinLWO
「当時は、言われるまま、気が付いたら彼女とホテルに入ってる自分がいて、不思議ですね」
「あ、危ないなあ……何してるのさ」
さすがに、それはどうかなと。
36: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 19:15:46.66 ID:7BtxinLWO
着きました、と車が停車したのは繁華街の裏手の酒屋の前だった。
ひっそりとした裏通り。
酒屋のシャッターはすでに降りていた。
タクシーが野良犬のようにのっそりと端に停止している。
闇夜と一体化したホストっぽい人達。
37: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 19:25:50.71 ID:7BtxinLWO
彼女の腕に寄り添いながら、夜道を歩く。
ただ、途中彼女の性癖のことを思い出してぱっと離れた。
彼女はきょとんとしていた。
「あのね、私の事なんて言ってあるの?」
38: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 19:32:48.13 ID:7BtxinLWO
「裏から入ります」
赤やピンクのイルミネーションが彩るお店の入り口を横切る。
配管や室外機でごちゃごちゃした印象の裏路地に入ると、普通の扉があった。
彼女がドアノブに手を伸ばす。
39: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 19:38:39.92 ID:7BtxinLWO
「私も、一番最初は緊張しました」
昔の事でしょ。
「……す、スーツでいいの?」
40: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 19:46:32.48 ID:7BtxinLWO
「紺野さん」
俯いていた顔を上げる。
「うん?」
41: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 19:52:20.99 ID:7BtxinLWO
お店のバックヤードに通されると、そこで控えていた何人かの女性に好奇の目で見られた。
「見学の子?」
睫毛がバッサバサの30代くらいの女性が言った。
42: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 20:03:26.24 ID:7BtxinLWO
脳内が混乱する中、あれよあれよと服を着替えさせられた。
化粧も濃くされて、髪にはウィッグをつけさせられてしまった。
そして、ものの数分で私は全く別の人間にされてしまったのだった。
「こんなの似合わないよ……」
43: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 20:09:00.00 ID:7BtxinLWO
「違う自分にドキドキしてみませんか?」
「生憎だけど、流されやすいように見えて、新興宗教の勧誘も新聞の契約もちゃんと断れる人間だからね」
「残念です」
44: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 20:30:28.30 ID:7BtxinLWO
店内はどっかのバーで見たような光景だった。
違うのは、客も店員もみんな女性ということくらいか。
食事を運ぶ人。
お酒を注ぐ人。
45: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/13(日) 20:46:09.46 ID:7BtxinLWO
「キスとタッチまでならいいよ?」
「え」
「冗談冗談」
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