1: ◆foQczOBlAI[sage saga]
2018/11/05(月) 23:59:01.07 ID:sPWKFtJo0
常になにかしらの隠し事を抱えているのが美貌の秘訣だなんて、私と同じ17歳のアイドルは言っていた。
ならば私は絶世の美女だ。
2: ◆foQczOBlAI[sage saga]
2018/11/06(火) 00:01:10.12 ID:niQZSR1N0
SS速報から転送されてきたのでそのまま書かせていただきます。
3: ◆foQczOBlAI[sage saga]
2018/11/06(火) 00:02:54.66 ID:niQZSR1N0
人は誰しも隠し事を抱えているものだし、嘘をつく。私は人よりそれが多いだけ。一人煙草を吸いながら思う。
こんな姿は流石にファンには見せられないな。同僚のみんなにも。今の私はウサミン星人のナナではなく、ただの安部菜々なのだから。
ため息と共に吐かれた煙は空へと昇っていく。
4: ◆foQczOBlAI[sage saga]
2018/11/06(火) 01:22:36.87 ID:niQZSR1N0
「Pさんと同じ匂いがしたので……、来てみたら菜々さんがいました……」
5: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:23:58.13 ID:niQZSR1N0
「どうして頼子ちゃんはこの時間に事務所に?」
6: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:25:37.15 ID:niQZSR1N0
「煙草……、美味しいですか……?」
「美味しい……、うーん、まあ美味しいです。煙草に興味あるんですか?」
7: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:27:00.94 ID:niQZSR1N0
フィルターギリギリまで吸って短くなった煙草を灰皿に叩き込む。ジュッと音が鳴るのが実は好き。
箱から二本目を取り出す。煙草はやめるべきなんてつい先程言った口でそれを咥える。こういうのは悪い見本なのだろう。
8: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:28:31.86 ID:niQZSR1N0
「菜々さんは……どうして煙草を吸い始めたのですか……?」
9: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:31:42.54 ID:niQZSR1N0
「さて、どこから話始めましょうか。私が煙草を吸い始めたのは元カレの影響です。ただ彼に吸わされたわけではありません。
彼との別れ話まで遡ります。ご多分に漏れず、私たちは喧嘩をして別れました。原因は覚えていません。
10: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:33:56.46 ID:niQZSR1N0
「今思い返してもひどい話でしたね。あんなにも好きだったのに、終わってしまえば呆気ないものです。
泣いて、泣いて、泣き疲れて。その日はそのままテーブルに突っ伏すようにして眠りました。
11: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:37:09.12 ID:niQZSR1N0
頼子ちゃんが不安そうな顔でこちらを見ている。予想していた話と違ったのだろう。たしかに多感な高校生が喜ぶような話ではない。
「そんな顔しないでくださいよ。私まで悲しくなってしまいます」
12: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:39:42.50 ID:niQZSR1N0
「仲直りをされたのですか……?」
「はい、しました」
13: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:42:11.07 ID:niQZSR1N0
どれくらい涙流せばあなたを忘れられるの?「愛してる」もうあなたには伝えられないなんて、私と同じ17歳のアイドルは歌っていた。
「愛していた」と私は言葉に出来たのだろうか。
14: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:44:18.84 ID:niQZSR1N0
昨日あんな話をしてしまったから今日は一日中過去のことを考えていた。もちろん答えは出ていない。
15: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:48:06.25 ID:niQZSR1N0
彼は煙草を咥えたが火をつけようとしない。パタパタポケットを叩いている。概ね、ライターを探しているのだろう。
「昨日、頼子ちゃんに煙草を吸っている所を見られちゃいました」
16: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:50:28.81 ID:niQZSR1N0
暫く、沈黙が続いていた。二人の間を揺れる煙だけが時が止まってないことを教えてくれた。
今回のジッポのこともそう。わかりきっていたことだが、なんとなくお互いに明言を避けてきた。この喫煙所で一緒になることを二人とも拒んでいた。
17: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:53:45.28 ID:niQZSR1N0
「プロデューサーさん、二本目吸いたいのでライター返してください」
「はいよ。俺のだけどね」
18: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:57:35.05 ID:niQZSR1N0
「俺ももう一本吸いたいんですけど」
「ん」
19: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:58:56.01 ID:niQZSR1N0
「どんな心境の変化だ」
「頼子ちゃんとガールズトークをしたもので」
20: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 02:01:45.42 ID:niQZSR1N0
以上で終わりです。
元カノ菜々さんは最高だと思うのでぜひはやってください。
21: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 02:05:11.22 ID:niQZSR1N0
大昔に書いた菜々さんが元カノのSSです。
モバP「元カノのプロデューサーになった。」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427127218/
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