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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その17 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 22:30:00.22 ID:xC1Oju.o
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
    幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士…。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
結成から一年以上が過ぎ、四人はそれぞれ修行の道を進むが…?


◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆専用あぷろだ(絵の支援など大変ありがたいです!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆前スレ(その16)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/

◆過去ログ(その1〜15)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/07/08(木) 22:30:50.56 ID:1z5sx2DO
2
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:11:22.47 ID:bJvNTsY0
新スレおめでとうございます!
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:15:07.13 ID:hSTJbD60
1乙
思うんだが・・・盗賊だけ、最終技死亡フラグたってないよな
召喚士には5属性召喚の可能性があるし、魔道士には五行出せる可能性もあるし
戦士は何とかの槍あつめて死ぬかもしれんし。盗賊は?
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:30:09.86 ID:YW2vw6SO
>>1乙!
新スレおめ
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:37:52.63 ID:Yai./.SO
>>1新スレおめ〜
オマケ良かったです
次回はお盆イベントを勝手に期待します!
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 01:03:45.03 ID:NyDYefg0
>>1乙!
前スレ>>1000ナイス!
前スレのオマケ見て思ったが魔法剣士は影薄いな、最後登場するまで忘れてたわ
位置付けはクール?
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 01:09:05.61 ID:Tz40FMwo
>>1乙&新スレおめでとう
>>1000やるじゃん
俺は>>1の描く話なら、どれだけ続こうが読み続けるぞ!
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 01:10:09.35 ID:PaSiEf.0
勢揃いのオマケはキャラの個性が出てて面白いな。
描き分けられる>>1の才能のおかげか。

とにかく>>1乙!!
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 01:30:00.28 ID:7es1xUDO
>>1乙!
新スレおめでとーございまーす!
今までで16000レスとか胸が暑くなるな…

前スレのおまけ面白かった!!
弓使いさんも剣士、幼女と仲良く暮らしてるようで良かったぜ

眼鏡と魔法剣士は海峡で相性よさ気な雰囲気だったけれどボッチ同士で惹かれ合ってたのかなww
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 01:55:05.70 ID:dKtb3EAO
>>1

前スレ>>1000争奪戦に参加すら出来んかった…でもまぁそれは仕方ないよね
魔道士ちゃんを想う気持ちに変わりはないし、別に気にしない悔しくない

とりあえず王子には何かしら不幸が訪れますように!
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 01:56:09.19 ID:1unMpG2o
>>1おちゅ
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 02:15:26.10 ID:I4u3RoDO
>>1乙!!
そしてシルフは俺の嫁
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/09(金) 03:09:29.63 ID:kxbkoIAO
>>1超電磁乙
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 07:12:51.42 ID:CM20QwDO
>>1
じゃあウンディーネは俺の嫁
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 11:13:52.99 ID:r5GCdf60
>>1乙!!
オマケ面白かったww

vipの頃からコカトリスを読むのが日課
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 15:51:42.36 ID:3A6ZdO60
やっと追いついた・・・
面白くて一日で読みきったぜ!



あれ?時計が二周してる・・・?
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 16:45:08.08 ID:WmExugso
>>17
1周12時間時計なら確かに1日で読み切ってるな
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/09(金) 17:41:51.12 ID:/msWKOEo
〜バーテンの店〜

魔道士「おはようございます!」

バーテン「おう、おはよう。よく眠れたか?」

魔道士「はいっ!バッチリです!!」

バーテン「んで、今日はアイツの別荘だかってとこへ行くのか?」

魔道士「はい。何か手掛かりがあるかもしれませんから…」

バーテン「……付いていこうか?」

魔道士「大丈夫ですよ。そんな遠くもありませんし…ふふっ!」

バーテン「そうか。くれぐれも気を付けてな」

魔道士「ありがとうございますっ!さぁて…支度支度っ!」

タッタッタッタ…

バーテン「必要なモン以外はここに置いて行って構わないからなー」

魔道士「はーいっ!」

タッタッタ…トントントンッ…

バーテン「…さーて、俺も買い出しにでも行ってくるかねぇ」
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/09(金) 17:42:57.44 ID:Wf3tz86o
きましたわぁ
21 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:47:37.44 ID:/msWKOEo
>>19
酉忘れてました。ごめんなさい!

>>2-18
ありがとうございます〜。こちらこそ乙ですよ
あと前スレ>>1000は999なので無効ですよね…?ね?
盗賊の五行はあれですよあれ。お盆把握です!
魔法剣士はクール、眼鏡はぼっちが好きって感じですかね…
最後まで頑張って書き続けます!
キャラはなんとか個性つけてカブらないように頑張ってます!
追い付いて頂いたり、日課にして頂いたりで…感激の極みでございます!
22 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:48:22.58 ID:/msWKOEo


魔道士「お待たせしましたー!」

バーテン「鍵は開けっ放しにしておくから、勝手に入っていいぞ」

魔道士「…分かりました!」

バーテン「んじゃ、俺はこっち」

魔道士「はいっ!行ってきます!」

バーテン「おう」

テクテクテクテクテク

魔道士「よーし…頑張るぞっ!」

テクテクテク

娘「あーっ!お姉ちゃーん!!」

魔道士「あっ、おはよ〜!昨日はありがとうね!」

母親「お出かけ?気を付けてね」

魔道士「はいっ!ありがとうございます!」

魔道士は笑顔で手を振り、マジシャンの別荘へと向かった。
23 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:48:50.01 ID:/msWKOEo
〜南方、南の街〜

青龍先生「ようやく着いたわい…。おぉ、腰が痛い…」

青年兵「ここが南方の……」

召喚士「青年兵くんは初めて?」

青年兵「ええ。初めて訪れます」

青龍先生「まずは南方司令部にでも、挨拶がてら顔を出すかのう…」

腰を擦りながら司令部へ向かう青龍先生。二人がそれを追う。

テクテクテク

門兵「…?」

青龍先生「青龍じゃ。すまんが通してくれ」

青龍先生は懐より紋章を取り出し、門兵に見せる。

門兵「こ、これは…!どうぞ、お通り下さい!!」

青龍先生「すまんの…。ひょっひょ」

二人は司令室へと向かう青龍先生の後に続き、足を進める。

青龍先生「…元気にやっとるか?ひょひょひょ!」
24 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:49:17.36 ID:/msWKOEo
南方参謀「あらぁーっ!珍しいお客様ねっ!」

南方副司令「青龍先生か…!お元気そうで何より…!」

南方参謀「……あら!?」

召喚士「ど、どうも…。お久しぶりです」

南方弓長「珍しい組み合わせね」

南方参謀「朱雀先生も一緒だったの!……んっ!?」

ガバッ!!

南方参謀「この…キュートな青年はどなた?」

青年兵「は、始めまして!青年兵と申します!」

青龍先生「儂の自慢の弟子じゃ」

南方参謀「何てこと…っ!」

青年兵「え…っ?あ、あの……」

南方副司令「早くその握った手を離さんか」

南方参謀「スキンシップよ!スキンシップ!うふふっ」

青龍先生「相変わらず賑やかじゃの…。ひょっひょっひょ!」
25 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:49:44.31 ID:/msWKOEo


南方参謀「ふぅん…。修行をねぇ……」

南方副司令「…すまんな。先生」

青龍先生「…?」

南方副司令「南も魔物は少ないと言えど、何たって魔王三人だ…」

南方弓長「アンラ・マンユの動きにもっと早く気付いていれば…」

青龍先生「構わぬよ。お主等のせいでもあるまいて」

召喚士「司令は相変わらず…赤壁ですか?」

南方弓長「ええ。もう…いたくお気に入りでね、最近はほぼ常駐よ」

召喚士「そ、そうですか…」

青年兵「赤壁と言うと、現在南方で進められているという…」

南方参謀「そっ。関…と言うか、軍事要塞よ」

青龍先生「後ほど立ち寄ってみようかのう…」

召喚士「そうですね!」

青年兵「是非、お願い致します!」
26 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:50:35.32 ID:/msWKOEo
南方副司令「それで、これからどちらへ?」

青龍先生「本当は南西の鉱山にでも行きたいところじゃが…」

南方参謀「ちょっと…やめてよ、先生」

青龍先生「分かっておるわい。このまま南下してみようかのう…」

召喚士「……」

青龍先生「さて、邪魔したの…」

南方参謀「ちょーっと待った!」

青龍先生「いつまでいるの?」

青龍先生「一ヶ月以内を予定しとるが…?」

南方弓長「…なるほど」

南方参謀「ふっふっふ。先生、いい考えが…」

青龍先生「…ふむ?」

青年兵「な、何でしょうか…?」

召喚士「分からないけど…イヤな予感が……」

召喚士と青年兵は顔を見合わせ、苦笑する。
27 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:51:14.70 ID:/msWKOEo
〜南東国、分かれ道〜

隊長「ここが中間地点」

戦士「ですね」

女隊員「綺麗に十字路になってるッスね」

隊長「ここを左に行くと北の街、右へ行くと南へ抜ける」

男隊員「真っ直ぐ正面が、東の街ってわけだ!ヒャハッ」

隊長「そういう事。んじゃ真っ直ぐ進むぞ」

戦士「うっす!」

テクテクテク…ピタッ

戦士「……」

隊長「おーい、どしたー?」

立ち止まり北の街を見つめる戦士に、隊長が声をかける。

隊長「小便かー?」

戦士「ち、ちがっ!何でも…ねぇっす!」

先へ進む三人を、戦士は笑顔で追いかける。
28 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:51:41.59 ID:/msWKOEo
〜遺跡〜

盗賊「……」

ザッザッザ

盗賊「…入り口が…開けられてる」

盗賊は粉々に砕けた入り口の破片を拾い上げ、真っ暗な奥を覗き込む。

盗賊「…兄様が…?」

テクテクテク

盗賊(…よし、目は慣れてきた。これなら灯りなしで大丈夫)

ザッザッザッザッザ

盗賊(目指すは…地下八階)

盗賊はゆっくりとした足取りで、警戒しながら遺跡内を進む。

盗賊(前回の様子から見ても…おそらく魔物は出ないだろうな)

ザッザッザ

盗賊(少し、急ぐか…)

盗賊は駆け出し、階段を降って行った。
29 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:52:08.74 ID:/msWKOEo
〜遺跡、地下八階〜

二手に分かれている回廊の一つから、盗賊が姿を現す。

盗賊「…ここだ」

見覚えのある王宮のような作り。この下にネクロマンサーのラボがあった。

それを思い出しながら、盗賊は細く暗い階段の前で足を止める。

盗賊「……」

テクテク…ピタッ

盗賊「…行けば死ぬ、か」

盗賊は途中で足を止め、占い師の言葉を思い出す。

盗賊「――っ!?」

ザザッ…コソッ

盗賊「……!!」

突然の気配に盗賊は慌てて物影に身を潜める。

盗賊(…い、今の気配は…!?)

階段の下から、ゆっくりと物影が近づいてくる。
30 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:52:34.17 ID:/msWKOEo
カツ…カツカツ…ザッザッザ

盗賊「……っ」

ザッザッザッザッザ

盗賊(…!?)

影忍「……」

盗賊(…いたっ!!)

階段から姿を現した影忍は、周囲を見渡し、前進する。

ザッザッザッザッザ

盗賊「……」

チャキッ

影忍「……」

ザッザッザ…ザッ

盗賊「……っ!!」

通り過ぎる影忍を、盗賊は蜘蛛切を振りかぶり襲い掛かる。

ヒュオンッ!!……キィンッ!!
31 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:53:01.86 ID:/msWKOEo
盗賊「……!?」

キョロキョロッ

盗賊(いない…っ!しまった…!?)

チャキッ

影忍「……藤蔵の姫、か」

盗賊「――っ!!」

背後から首筋に当てられたつめたい刀身に、盗賊の額から一つ汗が零れる。

盗賊「…お見それ…しました」

影忍「……」

盗賊「……」

スッ

影忍「何のようだ?」

影忍は刀を納め、盗賊へ問いかける。

盗賊「……」

影忍「ここへは足を踏み入れるな。死にたくなくば…」
32 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:53:28.30 ID:/msWKOEo
盗賊「…あ、あの」

影忍「……」

盗賊「貴方は…何者なんだ?」

影忍「……」

盗賊「以前、南東国で会った時…」

影忍「…出るぞ」

盗賊「……?」

影忍「ここを出る、と申したのだ。それとも何か用があるのか?」

盗賊「いや、私は貴方に……」

テクテクテク

盗賊「あ…っ」

無言で先を進む影忍を、盗賊は慌てて追いかける。

ザッザッザッザッザ

影忍「眼を瞑れ。焦点を調節しろ」

盗賊「…え…っ?」
33 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:53:59.63 ID:/msWKOEo
入り口からは日光の明るい日差しが飛び込み、盗賊は顔を腕で遮る。

盗賊「……っ!」

影忍「だから言ったであろう」

盗賊「…ごめんなさい」

テクテクテク

盗賊(やっぱり…兄様だ…!)

二人は遺跡より外へ出て、向かい合う。

影忍「それで…?」

盗賊「あ、あの…兄様……?」

影忍「兄…。お前のか?あぁ、藤蔵の裏切り者か」

盗賊「違うっ!兄様はそんな…」

影忍「……」

シュルシュルッ

盗賊「……!?」

影忍「正体が見たいのであろう?」
34 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:54:32.40 ID:/msWKOEo
影忍は顔を覆う布を解き、下から素顔を曝け出す。

影忍「……これで満足か?」

盗賊「…や、やっぱり…兄様だ…っ」

ゆっくりとした足取りで近づく盗賊を、影忍は左手で遮る。

盗賊「……!?」

影忍「馬鹿か…貴様は」

バリッ…パサッ

盗賊「…っ!!」

影忍「この顔はただの変装だ。忍の基本であろうが」

盗賊「……っ」

影忍「貴様の兄、つまりは藤蔵の裏切り者。此奴の顔は何かと便利でな」

盗賊の兄であった顔は引き剥がされ、無残にも地面へと放られる。

その下からは火傷のような傷を負った、お世辞にも普通とは言い難い顔が現れる。

盗賊「…そん…な」

影忍「満足か?」
35 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 17:55:09.72 ID:/msWKOEo
盗賊「で、でもっ…占い師さんは…」

影忍「…ふー。何やら面倒な事まで存じておるのか」

盗賊は俯き、唇を尖らせる。

影忍「……お前の兄は死んだ」

盗賊「……」

影忍「その身体を拝借し、操っているのがこの私だという事だ」

盗賊「……」

影忍「……分かったか?これでもう用はないだろう」

盗賊「…そんなの…って」

影忍「…山を降るぞ。そこまでは送ってやる」

盗賊「……」

影忍「早くしろ!荷物を拾えっ」

盗賊「……っ」

盗賊は慌てて荷物を取りに戻り、身支度を整える。

影忍は火傷にただれた顔の変装を剥ぎ取り、布を巻き直した。
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/09(金) 18:17:28.00 ID:/msWKOEo
短いですがキリいいところで。所用の為失礼します!
また後ほど。ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/09(金) 18:46:48.42 ID:qbvWBYDO
乙です!
ヾ(・∀・)ノ゙
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 19:00:16.58 ID:7es1xUDO
>>1乙!
そういえば東方に行った時に盗賊は全属性使えるっていう話があったな
そんな時から伏線があったとは…お見それしました
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 19:51:21.31 ID:FSsNRsDO
>>1乙です!

なんだろう、この前の格付け?から占い師が可愛く思えてきた。
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 20:11:50.53 ID:uU8aKwAO
前スレ999は実に良くやってくれた
褒美を取らそうぞ
誰か、これと>>1へ上等の酒を持ってまいれ パンパン
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/09(金) 20:46:00.66 ID:1N76scAO
>>40
畏まりました、すぐにお餅致します故
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 20:47:09.31 ID:Tz40FMwo
>>26
>青龍先生「いつまでいるの?」

>青龍先生「一ヶ月以内を予定しとるが…?」

噴いちまったぞ
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 20:54:45.20 ID:uU8aKwAO
>>41
えっ
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 20:57:18.77 ID:Ll3ZYvw0
えっ
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 21:08:53.15 ID:uU8aKwAO
なにそれこわい
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 22:38:24.16 ID:BSIuuwSO
>>40

てめぇ王子だな。
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 03:10:24.03 ID:UewDtMDO
>>1
今日は所用って言ってたし深夜更新は無いかな?
楽しんできてゆっくり休んでるといいな
最近更新量が多くて嬉しいけれど、無理しすぎて体調崩さないように気をつけてなー
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 03:19:54.78 ID:2pvdAGk0
>>1
てかまだ王子許されてないのか
49 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 03:33:03.13 ID:7vLzP3Eo
〜マジシャンの別荘〜

魔道士「着いたー!」

テクテクテク

魔道士「この辺りも魔物は出なくなったんだぁ…」

テクテクテク

魔道士「お陰で、お昼のうちに着いちゃった。えへへっ」

テクテク…コンコンコン

魔道士「やっぱりいないかぁ……」

カチャッ…キイィ

魔道士「あれ…?開いてる……」

魔道士は開いた扉の隙間から、別荘の中を覗き込む。

魔道士「お、お邪魔しまーす…!」

テクテクテク…ボフッ

魔道士「…凄い埃」

魔道士は右手で口元を塞ぎ上がら、左でをパタパタと扇ぐ。
50 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 03:33:56.18 ID:7vLzP3Eo


魔道士「らんららら〜、るるる〜ん」

パタパタッ…サッサッ

魔道士「……ふーっ。よし…っ!」

魔道士は腰に手を当て、頭に巻いた布を取る。

魔道士「綺麗になったかな…!」

テクテクテク

魔道士「……ここも汚いなぁ」

食器棚の上を雑巾で拭き始める魔道士。上に置かれている小物を丁寧に片付ける。

魔道士「……?」

その奥より、一つの小さなキャンバスを手に取る。

魔道士「……ふっ」

ボフッ

魔道士「……マジシャン…さん?」

埃の下からは、若かりし頃のマジシャンと思われる肖像画が姿を現す。
51 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 03:34:31.28 ID:7vLzP3Eo
魔道士「…あれ?これ…手にしてるのって…っ!?」

ゴシゴシ

魔道士「……赤ん坊…?マジシャンさんのお子さん…!?」

マジシャンの両腕に抱きかかえられた赤ん坊の姿。

魔道士「……」

テクテクテク…コトッ

魔道士「……よし、あともう少し!」

魔道士は絵をテーブルの上に置くと、ひとまず掃除の続きを始める。

魔道士「これが終わったら、一度戻ろうかなぁ……」

フキフキ

魔道士「どこに行けば分かるかなぁ…。やっぱり国軍に聞いてみた方がいいかなぁ…」

ゴシゴシ…キュッキュ

魔道士「ここはおしまい…っと」

テクテクテク…ジャーッ

魔道士「……さぁ、もう少し。頑張るぞっ!」
52 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 03:34:58.29 ID:7vLzP3Eo
〜南方、東の街〜

隊長「おーし、着いた。今日はここで一泊……」

戦士「……」

隊長「……何してんだ?」

戟を布で巻き始める戦士を見つめ、、隊長が声をかける。

戦士「ん、ああ…。ちょっと……」

女隊員「南東国って刃先が出てると駄目なんスか?」

男隊員「……さぁ」

戦士「いやっ…そういうわけじゃいんだが……」

隊長「……」

戦士「色々問題あってな……っと。よし、オッケー。お待たせしました」

隊長「……んじゃ行くぞ」

女隊員「ういッス」

男隊員「へぇ。この街も綺麗に区画整備されてんのな!ヒャハッ」

四人は城門をくぐり、東の街内部へと進む。
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 03:36:02.82 ID:XptcO6AO
寝ようと思ったら更新キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
54 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 03:49:44.58 ID:7vLzP3Eo


隊長「宿はここでいいだろ。荷物預けて自由行動でいいぞ。18時にここで待ち合わせだ」

女隊員「ういッス!さーて観光観光!」

男隊員「なーんか旨いモンでも売ってっかなぁ…?」

戦士「……」

テクテクテク

隊長「どこ行くんだ?」

戦士「……ちょっと」

テクテクテク…

隊長「……」

戦士は城門から再び外へ出て、側面にあたる岩壁へと向かう。

ザッザッザ

戦士「……」

戦士が足を止めた場所。目の前には石碑が立ち、瓢箪がぶら下がる。

石碑には騎都尉の名が刻まれ、周囲には雑草が生えていた。
55 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 03:52:33.62 ID:7vLzP3Eo
ブチッ…グイッ…

戦士「……全く、誰も手入れしてねぇのかよ…」

ザッザッザ

隊長「知り合いの墓か?」

戦士「隊長…!?」

隊長「なーんか気になってな。お前の行動がよ…」

戦士「…すんんません」

隊長「別に謝る事じゃねぇさ」

戦士「……騎都尉…っつって、かつて南東国一の将軍だった男っす」

隊長「……ほぉ」

戦士「あの戟も…騎都尉の形見のモンで……」

隊長「なるほどな。だから布で覆って、隠したってわけか」

戦士「……」

隊長「大そう腕の立つ男だったんだろうなぁ…」

戦士「……はい。そりゃあもう…」
56 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 03:55:43.66 ID:7vLzP3Eo


隊長「なーるほど。その内乱でか……」

戦士「ええ…」

隊長「己の信念を貫いて…。すげぇ男じゃねぇか」

戦士「はい。騎都尉から威圧なんかも教わったんす」

隊長「そうか、あの手の技術は南東国発祥だもんな」

戦士「ええ」

隊長「騎都尉の為にも、お前はまだまだ強くならなきゃいかん

戦士「……うっす」

隊長「そんで、南東国だけじゃない。世界中の人々が安心して暮らせる世を築くためにな」

戦士「……はい」

隊長「……さて、戻るか。腹減っちまったわ」

戦士「……ははっ、そうすね」

隊長「どこか案内しろ。美味い店」

戦士「…了解っす!!」
57 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 03:59:01.69 ID:7vLzP3Eo
〜南方司令部〜

青龍先生「では、またな」

南方参謀「お待ちしてますよ。セーンセ!」

召喚士「では…!」

南方副司令「おう、またな!」

南方弓長「修行、頑張ってね」

青年兵「それでは、失礼します」

南方参謀「青年兵くんは居てもいいのよ〜?」

青年兵「いえ…あの…っ、失礼します!」

タッタッタッタッタ

南方参謀「ふふっ。照れちゃって…カワイイ」

南方副司令「それじゃあ準備、進めないとな」

南方弓長「断然面白くなってきたじゃない…!」

南方参謀「楽しみねぇ…。一ヶ月後のカーニバルが…!」

南方参謀は腕を組み、不敵な笑みを浮かべる。
58 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 04:01:55.91 ID:7vLzP3Eo
〜遺跡付近、岩場〜

影忍「成程。修行か…」

盗賊「……うん」

テクテクテク

盗賊「…そ、それで…兄様にと…思って」

影忍「残念だったな」

盗賊「……」

影忍「……着いたぞ。港まではここを真っ直ぐ……」

盗賊「あ、あの…っ!」

影忍「…?」

盗賊「…貴方は…これからどちらに?」」

影忍「聞いてどうする?」

盗賊「稽古をつけてくれとは言わない。言わないけど…」

影忍「……」

盗賊「…傍で…見て学びたい…っ」
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/10(土) 04:02:24.87 ID:K/VcvsDO
みてるよー
60 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 04:04:57.53 ID:7vLzP3Eo
影忍「……足手まといだ」

盗賊「……」

影忍「……」

盗賊「……っ」

影忍「何故、俺にこだわる?俺は人間ではないのだぞ?」

盗賊「…分かってる。分かってる…けど」

影忍「……」

盗賊「…やぱり、他人とは…思えない」

影忍「……」

盗賊「…だから、どうか!しばらくでいい…から」

影忍「……東方」

盗賊「……?」

影忍「俺はこれより東方へ向かう」

盗賊「…東方…っ」

影忍「……付いて来たくば勝手にするがいい。但し、面倒は見んぞ」
61 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/10(土) 04:09:07.62 ID:7vLzP3Eo
盗賊「……分かってる!」

影忍「邪魔なようであれば、その場で捨て置く。構わんな?」

盗賊「……はい」

影忍「……」

盗賊はただ無言で、じっと影忍を見つめる。

影忍「夜の船に潜り込み、東方を目指す。それまで仮眠でも取っておけ」

盗賊「……はいっ」

影忍「…行くぞ」

ザッザッザ…

盗賊(…兄様。私はこの人が兄様にしか見えない)

ザッザッザ

盗賊(だから、少しでも傍にいて…聞かなくちゃ!)

ザッザッザ

盗賊(真実を…。兄様の目指すものが何なのか…を!)

盗賊と影忍は港町を目指し、岩場を進んだ。
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/10(土) 04:13:40.41 ID:7vLzP3Eo
ここいらで失礼します!ご支援ありがとうございましたー!
それでは、おやすみなさいです!ノシ

〜オマケ〜

盗賊「兄様!?」

バリバリッ

影忍「違う。見ろこの火傷を…」

バリバリッ

盗賊「…いや違う!ほら、やっぱり兄様…」

バリバリッ

影忍「バカめ。それも変装だ」

バリバリッ

盗賊「…なんの!やっぱりそれも変装!!」

バリバリッ

影忍「などと言いつつ、それも変装」

バリバリッ

盗賊「…まだ変装してる!!」

バリバリッ

影忍「それもまた変装…。はははっ」

盗賊「あぁ!?兄様がこんなに小さく…っ!?」

影忍「これぞ忍法、マトリョーシカの術!!」

盗賊「手のひらサイズの兄様…かわいい」

ガバッ!!

盗賊「……夢…か…!!」
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/10(土) 04:21:01.81 ID:DI.p0ewo
     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) 変装は任せろー
 バリバリC□l丶l丶
     /  (   ) やめて!
     (ノ ̄と、 i
        しーJ
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 06:28:03.26 ID:RJp3tASO
乙〜
オマケのように変装の変装だと思ってたわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 07:50:44.40 ID:cS1RfgSO
1乙

電車の中でふいちまったじゃねーか!

影忍の人脈が気になるなぁ
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 10:15:43.62 ID:dYSDZkDO
盗賊の夢が毎回おかしいww
愛してる
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 10:56:41.09 ID:rlBRtyA0
乙です。

魔道士は一人だけ違う修行をしてるね。
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 11:13:20.74 ID:F9bQEW2o
花嫁修業だな
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/10(土) 14:07:37.98 ID:nHVsxQYo
やっと追い付いた〜

女隊員かわいいよいやマジでもうどうにかなっちゃいそうだわ


これが恋・・・?
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 15:41:09.18 ID:E0c7qRU0
最初から読み返しているうちに前スレ終わってたwwwwww
何度読んでも面白いしこのフラグはここだったんだ!って発見が楽しい。
>>1さんの他の作品があったらぜひ読んでみたいです!
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 16:19:57.77 ID:XptcO6AO
>>70
あっちのスレでは違うベクトルの才能を遺憾無く発揮しておられます
あっ、あっちは同一IDだった…
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 16:22:26.97 ID:1ww.u92o
あっちはあっちで面白いよなwwwwwwwwww
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 17:21:28.48 ID:M8/TP2DO
最初からいるのにあっちがいつぞやからか見つからないものの聞けない俺に謝れ
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/10(土) 17:33:35.54 ID:6FIp6I.o
お前人の話聞いてないだろ
前スレの790から795あたり読め
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 18:11:00.86 ID:BvOtQZko
>>74
調べないからURL貼られないと到達できない人がいるんだよ。
なのでスルーしてあげる優しさも必要なのさ。
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 18:35:17.02 ID:6/vOw.DO
まああっちは嫌う人もいるかもしれないので探したかったら自分で探してくださいってことで
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 19:20:05.52 ID:ZUMlKY2o
つうか親切なつもりか知らんが
それぐらい分からない人を誘導されても
読み取れない察せれない空気読めない分からない教えてで邪魔
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 19:35:28.29 ID:iav8lV2o
喧嘩してあんま同一IDに迷惑かけんなよ
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 20:52:41.70 ID:mLW0ZDMo
★教えてクソ五大要素★

1 読まない
2 調べない
3 試さない
4 理解力が足りない
5 人を利用することしか頭にない

           YES → 【見つかった?】 ─ YES → じゃあ聞くな[ピーーー]
         /                  \
【探した?】                        NO → なら、ねぇよ
         \
            NO → [ピーーー]
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 21:26:25.39 ID:xYirUbg0
せめてスレタイぐらい教えてやれよ・・・・


俺たちに。
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 22:06:01.11 ID:r3Z9Aa60
◯◯ス「行けっ!◯◯トリス!」
後は頑張れ
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 22:06:58.51 ID:r3Z9Aa60
トリスのあとに!が1個足りなかった
すまぬ
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 22:20:21.98 ID:.se2d9Io
トリスを飲んでハワイへ行こう
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 22:35:30.87 ID:1ww.u92o
前スレで俺がフルで名前書いてただろうが
もう一回読み返してこいボケ!!!

























今度は書かないよ?
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 23:14:53.82 ID:XptcO6AO
なんか俺のせいで変なふいんき(←なぜか変換できない)に…
正直、スマンかった
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/10(土) 23:17:02.10 ID:oh/pOQ.0
790/1001(2):VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/07/06(火) 06:37:20.98 ID:037YvO.o(2)
>>788
そ、そんな恥ずかしいこと口にできるわけ無いでしょ!!!!////

ペニス「行けっ!クリトリス!!」

794/1001(1):VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/07/06(火) 08:34:09.15 ID:7P2uUoAO
>>790はパー速な。たしかvipから移る時に3つくらい立って、おふざけすぎるスレタイだったから放置だったんだよな。
んでそれを>>1がリサイクルした。こんな感じだっけ?
内容が内容だけにみんなあっちとか言ってるんだと思う。
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 23:19:17.99 ID:mLW0ZDMo
わざわざ教えてクソに教えてご苦労様です

前スレぐらい自分でやらせろよ・・・
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 23:31:15.27 ID:UewDtMDO
>>87
すまん…あまりにも話が長く続くのでスルー出来なかったんだ、申し訳ない

>>1乙!
修行編も承に入った所な感じで面白そうなフラグがドンドン出てきてるな。
転に入った時の絡み方が今から楽しみだぜ!
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 01:11:44.46 ID:.40moKMo
自分で自分の首を絞めるのを分かってないのかな
お前みたいな奴がVIPで教えてクソ誘導して、伝言板にされたスレの住人の反感買ったり
平和にやってたスレをぶち壊されるのを何度見たか
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 01:24:45.64 ID:A/LT7EAO
今日は珍しく淡々と変態な事ばっかり口走ってるお前らが、ヒートアップしてるな
まぁ、もうわからんやつは諦めろってバッサリ切り捨てることも大事なんじゃないかな
長く続くパートスレなんかは特に古参に空気を合わせなきゃ潰れちゃうパターンが多い気もするし


まぁそれはそれとして、魔道士ちゃんの花嫁修行ってやっぱり俺の為なのかな…?だとしたらもう魔道士ちゃんの炊事洗濯スキルは充分だから
あとは俺と夜の相性を合わせてくれれば間違いないんだが…
僕は魔道士ちゃんにボロ雑巾のようにカピカピになるまで酷使してもらうのが夢です*^^*
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 01:40:29.63 ID:XYRdQBYo
とりあえず荒らすのはやめようぜ
次荒れたら魔道士は俺の嫁になるからな
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 01:43:38.04 ID:YjqUeS.0
すべては我らが>>1様のご意思のままに
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 01:43:49.77 ID:LuoDHqko
>>91
おい、夢見るならベッドの中で見てろ
94 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:53:20.91 ID:ctGG7lko
〜マジシャンの別荘〜

魔道士「終わったーっ!」

魔道士は額の汗を拭い、息を大きく吐き出す。

魔道士「あ…。もうすっかり暗くなっちゃった…」

テクテクテク

魔道士「一旦、バーテンさんのお店に帰ろうかな」

ゴソゴソッ…

魔道士「ゴミはこっちにまとめて…と

テクテクテク

魔道士「……あ…っ」

テクテクテク…ピタッ

魔道士「…………」

テーブルの上へ置かれたマジシャンと子供の肖像画。魔道士はじっと見つめる。

魔道士「……うんっ!」

テクテクテク…カチャッ…パタン
95 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:54:04.55 ID:ctGG7lko
〜バーテンの店〜

バーテン「……よっと」

カチャッ…

バーテン「ん…?お嬢の奴…もう帰ってたのか」

チリチリン…テクテクテク

バーテン「おーい…。あれ……?」

ドサッ…テクテクテク

バーテン「……誰だ!?」

バーテンは厨房で食糧を貪る人影に声をかける。

バーテン「……何だ。テメーか」

マジシャン「……おう」

バーテン「なーにが…おう、だ。このコソ泥ヤローが!」

マジシャン「悪りぃな…!全然メシ食ってねぇんだ」

バーテン「……随分、疲れてんなぁ」

マジシャン「……ちょっと、な」
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 01:54:17.71 ID:LuoDHqko
キタッ!?
97 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:55:01.63 ID:ctGG7lko


バーテン「んで、何だってんだよ」

バーテンはタバコをくゆらし、マジシャンに問い詰める。

マジシャン「……北で動きがあってな」

バーテン「!?……ほぅ」

マジシャン「国軍本部所属の伝令が内通者だった」

バーテン「!?」

マジシャン「そいつがようやく尻尾を出してな、追跡してたってわけよ」

バーテン「……」

マジシャン「ま、所詮下っ端。そこから何か分かるわけじゃねーんだが…」

バーテン「…どうすんだ?」

マジシャン「…しばらく泳がす」

バーテン「大丈夫なのか?」

マジシャン「知るか。俺は言われた事を全うするだけさ…」

バーテン「……そうか」
98 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:55:35.78 ID:ctGG7lko
マジシャン「少し日を空けて、動きを探る。必ず士官クラスと連絡を取るはずだ」

バーテン「士官…?」

マジシャン「奴らも馬鹿じゃない。直に上層部の奴は出てこないさ」

バーテン「……」

マジシャン「人間も…魔物もな」

バーテン「そりゃあ…そうだわな」

マジシャン「さて、メシ…あんがとな」

バーテン「おっ、ちょっと待て」

マジシャン「…?お代はツケといてくれよ」

バーテン「そうじゃない。お前を探してる奴がいるんだ」

マジシャン「あん?」

バーテン「お嬢……」

カチャッ…チリチリン

魔道士「ただい……あーっ!!」

バーテン「……探し人のご到着だ」
99 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:56:04.49 ID:ctGG7lko


魔道士「良かったです!会えて…!」

マジシャン「ハッハッハ!こりゃ運命かな!」

バーテン「なーに調子のいい事言ってんだ」

マジシャン「事情は分かった」

魔道士「…お願い…出来ませんでしょうか?」

マジシャン「……お安い御用だ、任せなさいっ!ハッハ!」

魔道士「本当ですかっ!?ありがとうございます!えへへ!」

バーテン「良かったな…!」

魔道士「はいっ!!」

マジシャン「よーし!そんじゃあ今日は、パーッと前祝いだ!」

バーテン「何の前祝いだよ…」

魔道士「あっ、じゃあ私…ご飯作りますね!」

マジシャン「じゃあ大好物の、ビーフシチューお願いっ!」

魔道士「はーいっ!エヘヘッ!!」
100 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:56:33.92 ID:ctGG7lko
〜港町〜

ササッ…タタタッ

影忍「……あの船だ」

盗賊「……ん」

影忍「今宵、東方へ向け出発する。あれに潜り込む」

盗賊「……うん」

影忍「……行くぞ」

盗賊「……ん」

タタッ…シュバッ…

二人は東方へ行くの船の貨物室めがけ、一気に走り抜ける。

タタタッ…キョrキョロ…スタッ

影忍「出港までここでやり過ごす。気配を消せ」

盗賊は意識を集中し、気配を絶つ。

影忍「それでは駄目だ。もっとだ」

盗賊「……!?」
101 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:56:59.27 ID:ctGG7lko
影忍「もっと気配を消せ、と申したのだ。やってみろ」

盗賊「……っ」

影忍「……情けない。そんなものか」

盗賊「……」

影忍は手本とばかりに、己の気配を絶つ。

スゥ

盗賊「……っ!?」

影忍「ただ意識を集中するだけではない。深く…静かに集中するのだ」

盗賊「…深く…静かに」

スゥ

影忍「そうだ。心を無にし、己の存在自体を消すつもりで…」

盗賊「……」

影忍「……まぁ良しとしよう。そのまましばらく続けよ」

盗賊「…はい」

盗賊は目を瞑ったまま、気配を絶ち、身を潜める。
102 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:57:25.42 ID:ctGG7lko
〜南方、東の町〜

青龍先生「ここで一泊し、明日よりいよいよ修行じゃ」

青年兵「はい…!」

青龍先生「魔力もぼちぼち戻りつつあるじゃろ」

召喚士「…ええ、大丈夫です」

青龍先生「お主らはまだ若い。故に魔力お絶対量には限りがある」

召喚士「……」

青龍先生「絶対量を上げる事も大切じゃが、それをいかに抑えるか。それが重要じゃ」

青年兵「仰る通りだと思います」

青龍先生「まずはそれをうまくコントロール出来るようにするかの」

召喚士「よろしくお願いします…!」

青龍先生「ひょっひょ。それではゆっくり休むとするかの…」

青年兵「はいっ!」

召喚士「…いよいよ…明日から」

青龍先生「…楽ではないぞ?ひょっひょっひょ!」
103 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:57:52.31 ID:ctGG7lko
〜南東国、東の街〜

隊長「分かったか?もう一度言うぞ。日の出前にここを発つ」

戦士「了解!!」

男隊員「えぇー?もっとゆっくり寝てぇよ…」

隊長「テメェらは勝手に付いて来たんだろうが!文句言うなら来んじゃねぇ!」

女隊員「それを言われたら…返す言葉もないッス……」

戦士「どんな…修行するんです?」

隊長「それはやってみてのお楽しみだ」

戦士「……」

女隊員「隊長の特訓はキツイッスよぉ〜?」

隊長「うるせぇ!!つべこべ言うな!」

男隊員「ま、頑張れよ?ヒャハハ!」

隊長「来るからには…テメェらも鍛え直しだ!」

男隊員「マジかよ!?……うへぇ…」

女隊員「こうなったら…望むところッス!」
104 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:58:18.26 ID:ctGG7lko
〜バーテンの店〜

魔道士「ありがとうございましたー!」

男「…まま、また明日くるから…っ!」

魔道士「お待ちしてますー!エヘヘ!」

バーテン「ほれ、お前らもだよ。店仕舞いだ」

ワーカー「ちぇ…。最近早くねーか?」

酒飲み「まあいいや。んじゃ魔道士ちゃん。また明日なー!」

魔道士「おやすみなさーい!!」

マジシャン「……すんげぇ繁盛振り」

バーテン「…な。10日は何もしなくていいくらいだよ」

魔道士「ふーっ…」

バーテン「お疲れさん」

魔道士「いえいえっ!」

マジシャン「ビーシチュー美味かったぜ!今回ちょっと味変えたな?」

魔道士「あっ、分かります?そうなんですよ!」
105 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:59:29.80 ID:ctGG7lko
マジシャン「ハッハ!お見通しお見通し!……あれ?」

マジシャンは椅子に置かれた肖像画を手に取る。

マジシャン「!?」

バーテン「あん?……こ、これ…っ!」

魔道士「あっ、マジシャンさんの別荘にあったので…つい……」

マジシャン「……」

魔道士「この赤ん坊、マジシャンさんのお子さんですか…?」

バーテン「…ああ」

マジシャン「お前は黙ってろ」

バーテン「……」

マジシャン「……古い話さ」

魔道士「今は…一緒に暮らしてないんですか?」

マジシャン「…ああ」

バーテン「甲斐性の無さに呆れて、逃げられちまったんだよ」

マジシャン「黙ってろって言ってんだろ!」
106 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 01:59:58.61 ID:ctGG7lko
バーテン「おーこわこわ…」

バーテンはこそこそとカウンターへと逃げ、酒を注ぐ。

魔道士「そうなんですかぁ……」

マジシャン「俺も若かったからなぁ…。色々とあるんだよ…ハッハ」

魔道士「……元気だと…いいですね」

マジシャン「まぁ、元気でやってるみたいよ」

バーテン「知ってんのか?」

マジシャン「ワーカーとして働いてるんだとさ」

バーテン「…ふぅん。血は争えないねぇ…」

マジシャン「俺は反対だがな」

魔道士「そうなんですか?」

マジシャン「危険が伴うからな。もし何かあったら……」

バーテン「元カミさん、一人になっちまうもんなぁ…」

マジシャン「あのなぁ……」

バーテン「元、と言えど…やっぱり心配なもんは心配だよな?はははっ」
107 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 02:00:33.18 ID:ctGG7lko
マジシャン「いい加減に…・・」

魔道士「ワーカーかぁ…。今、おいくつなんですか?」

マジシャン「あー…28かな?」

魔道士「28…?という事はマジシャンさんが……」

バーテン「21ん時の子供だ」

魔道士「!?」

バーテン「んで23の時に逃げられた…と」

ガタッ

マジシャン「……」

バーテン「事実だろうが」

マジシャン「……くっ!」

魔道士「全然…知らなかった…!」

マジシャン「そんなわけでもう垢の他人同然。向こうも分からんだろ」

魔道士「……そっかぁ。せっかくの家族なのに……」

無言のマジシャンは、曇り顔の魔道士をじっと見つめる。
108 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 02:01:13.61 ID:ctGG7lko
マジシャン「そこの家族にだって、悩みはあるだろ…?」

魔道士「…!!」

マジシャン「だから、いーの!」

魔道士「……はい」

マジシャン「さ、明日からは忙しくなるぞ?風呂入って早く寝なさい。ハッハ!」

魔道士「…そうします!」

テクテクテクテク

マジシャン「……あんだよ?」

バーテン「何だかんだ言って、ちゃっかりチェックしてんのな」

マジシャン「…風の噂だよ!う・わ・さ!」

バーテン「噂でワーカーってか?はっはっは。便利なモンだ」

マジシャン「……けっ!」

バーテン「おめぇも休んだらどうだ?疲れてんだろ?」

マジシャン「……」

無言のマジシャンは奥のソファーに寝そべり、腕を組んで天井を見上げた。
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 02:03:31.79 ID:LuoDHqko
マジシャンの子供=魔道士じゃなかったか…
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/11(日) 02:08:55.92 ID:ctGG7lko
こんばんは!バタバタしてて遅くなり、申し訳ありません!

なんだか荒れる原因を作ってしまい、重ね重ねお詫び致します…
一応、18禁の描写などがある為、貼るのを控えておりましたが、
最初から貼っておけば良かったんですよね。ほんとすみません…

不快な思いをする場合もありますので、閲覧には充分ご注意を…!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257262778/
同一IDが書いてます!18禁です!ご注意を!!

雑談とか予想とか、声のキャスティングとか。そういうものにもご活用下さい!
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 02:10:32.75 ID:OxiU66AO
>>1の優しさに全米が泣いた
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 02:12:32.86 ID:LuoDHqko
>>1優しいな

教えて君「教えろよ!!」

古参「調べろボケ!!」

>>1「わたしの為に争うのはやめて〜!!!」
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/11(日) 03:17:52.51 ID:ctGG7lko
続きは日中に致しますね!それではおやすみなさい!ノシ
ななばつ様、設定項目ぼ追加、ありがとうございます!非常に役立ちます!

〜オマケ〜

ゴブリン「えぇい!殺せ殺せー!」

ザザッ

マーマン「静まれ静まれぃ!!」

ハヌマーン「この紋所が目に入らぬか…!!」

ゴブリン「げぇっ!!」

ハヌマーン「此方におわす方をどなたと心得る!」

法師「……えーと」

ハヌマーン「南東国、先の副将軍…次男様にあらせられるぞ!」

ゴブリン「最近…魔物の世直しをしているというウワサの…っ!」

マーマン「頭が高い!控えおろぉー!!」

ゴブリン「ははーっ!!」

法師「……あのー」

オーク「……もぐもぐ。これ美味いなぁ」
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 03:24:27.15 ID:LuoDHqko
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 04:54:12.94 ID:8HQJ/6DO
28歳・・・だと・・・


116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 06:17:54.80 ID:MMwI2MSO
今回のオマケいいなww
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 07:08:55.87 ID:Kqfvkb20
>>1乙です。

オークはうっかり的なポジションですね。
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 09:58:52.86 ID:A/LT7EAO
>>1

マジシャンってそんなに歳いってたのか…って事は師匠やバーテン、戦士父も実はもうそろそろ年金暮らしが始まるくらいオッサンなのか……?

てか魔道士ちゃんの手料理を食べるなんて、一般mobのくせに生意気な…おいちょっと俺と代われ
俺なら間違いなくスプーン落として、自分で拾う際に超絶下アングルから魔道士ちゃんの秘密の花園を覗き込み
更にスプーンを落として、魔道士ちゃんの自重気味のオッパオや、あれば谷間を凝視して、その晩は一人で果てるわ
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 11:09:20.26 ID:s6hgfHA0
kimotiwaru
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 11:45:10.83 ID:nVSn2Fg0
>>118
なんで毎日挽き肉が散らばっているのだろうか
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 15:26:15.72 ID:QnBl6JY0
>>118
物語の最終戦あたりにやっと定年退職意識するヤツがいる程度の年だろ。
さすがにマジシャンだと年金は16年も先だぞ。

と挽き肉にコメントしても無駄か
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 15:28:59.69 ID:hGMh2MSO
返事がない。ただの石ころのようだ。
123 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 17:13:39.57 ID:ctGG7lko
霧がかった朝もやの、その向こう側。緑の木々に覆われた陸地が見え始める。

〜東方、南の島〜

影忍「……よし、降りるぞ」

盗賊「……」

スタスタスタ

盗賊「…あの?」

影忍「早くしろ。港へ到着しています」

影忍は甲板の手すりより下を指差す。

盗賊「……海へ?」

影忍「何だ?何も準備していなかったのか…?」

スタスタスタ…ゴソゴソッ

影忍「これを使え」

盗賊「……?」

影忍「蝋を塗り込んだ防水の袋だ。必要な物を仕舞っておけ」

盗賊「……あ、ありがとう」
124 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 17:14:30.01 ID:ctGG7lko


盗賊「……っ」

タンッ………バシャッ!!

影忍「このまま裏手の浜辺まで泳ぐっ!」

盗賊「…承知っ!」

ザバッ…バシャバシャッ…

盗賊(…そっか。…こういう準備もしておけないといけないよなぁ)

ザバッ…ザ゙バッ…

盗賊(本物の忍は…やっぱり全然違う。私なんて……)

ザバァッ……ピチャ…ピチャッ

盗賊「……ふー」

影忍「これに着換えろ」

盗賊「……着物?」

影忍「髪を整えて化粧もだ。急げ」

盗賊「……へ…っ?」
125 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 17:15:26.22 ID:ctGG7lko


テクテクテク

盗賊「…あ、あの…っ。これで…いいかな?」

影忍「……」

スタスタスタ…ガシッ

影忍「俺とお前は今から夫婦だ」

盗賊「えっ!?」

影忍は無言で盗賊の頬を撫でる。

盗賊「あ…あのっ、ちょ……っ!?」

影忍「それにしても酷い化粧だ。した事ないのか?」

盗賊「…あ、あまり」

影忍「道具を貸せ。それでは素顔が丸わかりではないか」

盗賊「あ…っ」

影忍「仮にもお前は藤蔵の姫なのだ。素性を晒してどうする?」

盗賊「……」
126 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 17:16:38.03 ID:ctGG7lko


影忍「…ま、こんなものでいいか」

影忍は化粧道具と鏡を盗賊へ手渡す。

盗賊「!?……すご…っ」

影忍は気にも留めず、今度は自分の顔に肉付けや化粧を施し、変装を始める。

盗賊「……」

影忍「先程も申したが、設定上は夫婦だ。忘れるなよ?」

盗賊「…夫婦?あ…っ、はい」

影忍「南の島からは、渡し賃を払い、そこらの小舟に乗せて行って貰う」

盗賊「…はい」

影忍「その後はひとまず都まで一気に進み……その後は、北だ」

盗賊「……北?」

影忍「なんなら、途中で藤蔵へ帰っても良いぞ?」

盗賊「……まさか」

影忍「……よし、待たせたな。行くぞ」
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 17:17:02.17 ID:LuoDHqko
盗賊「ロリ…浴衣?」

影忍「…////」ぽっ
128 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 17:17:50.18 ID:ctGG7lko
〜南東国、南の山〜

ググッ…ガシッ

戦士「ぐく…っ!」

女隊員「ファイトーっ!!」

男隊員「イッパーツ!!」

隊長「いやー…、予想以上に険しいなぁ。こりゃ…」

戦士「来た事あるんじゃないんですか!?」

隊長「あるわけないじゃん。こんな山奥」

戦士「……」

女隊員「普通の山と違って…っ、傾斜が厳しいッス…!」

男隊員「聞いてねーぞぉ!ザイル持ってくりゃあ良かった…」

隊長「うるせぇ!こんぐらいフリークライミングしてみせろ!」

戦士「おおっしゃあぁ!!」

女隊員「気合い…入ってるッスねぇ〜」

男隊員「…ああ」
129 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 17:18:59.05 ID:ctGG7lko
ガシッ

戦士「もう…すぐでっ……頂上ぉ!」

隊長「よいしょおぉ!」

グイッ

隊長「……!?」

戦士「あと…一歩ぉ!」

隊長「おーい!早く来てみろっ!!」

男隊員「!?」

ガシッ…ググッ

戦士「着い……たぁ!!」

女隊員「はぁー!しんどいッスー…!」

男隊員「んで、何があったんだよ!?」

隊長「あー、何もねぇ」

男隊員「はぁー!?…なんだよそりゃっ!」

女隊員「早く来いっていうから…何かあったのかと思ったッス…」
130 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 17:20:06.99 ID:ctGG7lko
隊長「何もねぇ。何もねぇからこそ…よく見渡せる…!」

戦士「…?」

隊長「景色を見てみろ…。地平の向こうまで、ずーっと見えるぞ!」

隊長の一言で、三人は頂上より景色をぐるりと見渡す。

戦士「……本当だ…すっげぇ…っ!」

女隊員「絶景ッス!うわぁ…南東国もあんなに小さく…」

男隊員「…ま、確かにすげぇわな」

隊長「……さ、休んでる暇はねぇ。まずは寝床の確保だ」

女隊員「おっ、そうッス。隊長、テント……」

隊長「ねぇよ」

女隊員「……はい?

隊長「自給自足っつったろ。早く作れ」

男隊員「アンタ頭沸いてんのか!?」

隊長「てめぇ!誰に向かって口聞いてやがるっ!!」

戦士「……前途多難だな。こりゃ」
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 18:22:31.35 ID:5GWrwIAO
男女隊員がいいアクセントになってるな。
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 19:04:34.96 ID:u9cNo9s0
いつもの誤字なのはわかっているんだが
影忍の「港へ到着しています」があまりにミスマッチすぎて吹いてしまった
133 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 22:40:41.40 ID:ctGG7lko
〜南方、南の山〜

青龍先生「ふむ。ここらで良いかの…」

召喚士「見晴らしも良くて、なかなか良いと思いますよ」

青龍先生「朝からずーっと登山で…しんどいわい…」

青龍先生は腰を摩りながら、気怠そうに呟く。

青龍先生「かと言って、休んでおるわけにもいかんからの」

青年兵「…はい。お願いします」

青龍先生「二人共、向い合って並べ」

召喚士「……?」

ザッ…テクテクテク

青年兵「並び…ました」

青龍先生「そのまま力を抜いて、しばらく立っとれ」

召喚士「…?」

青龍先生「腕を上げたり、重心を傾けてはいかんぞ?あくまで垂直に…じゃ」

青年兵「…は、はい」
134 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 22:41:17.79 ID:ctGG7lko
〜バーテンの店〜

魔道士「そろえでは、行ってきます!」

バーテン「おう。気をつけてな」

マジシャン「んじゃ、行ってくるわ」

バーテン「あっそ」

マジシャン「……何だよ。その差は」

バーテン「いいから早く行け…」

マジシャン「まーったく」

テクテクテクテクテク

魔道士「まずは…どちらに?」

マジシャン「どこ行こっかね?北でも行こうか」

魔道士「はいっ。お任せ致します!」

マジシャン「そう?じゃあ、任されちゃおうかな〜?」

魔道士「えへへっ!」

マジシャン「それじゃ、まずは北にでも向かいましょうかねぇ」
135 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 22:41:56.78 ID:ctGG7lko
〜東方、南の島〜

ザッザッザ

影忍「あのー、すいません」

村人「あんだぁ?」

影忍「実は都から来たものなのですが…」

村人「へぇ、都からねぇ…。確かにベッピンさん連れてるもんなぁ…!」

影忍「しかし、妻が体調をくずしてしまい…都に戻りたいのです…」

村人「確かに…。無表情で口数も少ない…。船酔いか疲労かもなぁ…」

盗賊「……」

影忍「船は既に出てしまい…途方に暮れております…」

村人「なるほどなぁ…。それでオラんとこ来たわけかぁ」

影忍「港のお役人様に、こちらなら小舟を出せるかも…と、聞きまして…」

村人「事情が事情だぁ。おし…乗っけてってやる!付いてきなぁ」

影忍「……ありがとうございます!」

影忍は目を細め、笑顔で村人へ返答した後、真顔に戻り盗賊を見て頷く。
136 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 22:42:40.34 ID:ctGG7lko


村人「ちょーっと揺れるから、しっかり掴まっててくんなぁ!」

影忍「…は、はいっ!」

盗賊「……」

ギシッ……ユラユラ…

村人「そっかぁ。新婚旅行に行く途中で…」

影忍「ええ…」

村人「まぁ、こればっかりは仕方ないよなぁ」

盗賊「……」

村人「しっかしお兄さんも羨ましいもんだぁ!」

影忍「……?」

村人「こーんな、べっぴんの嫁さん貰えるたぁ…幸せモンだなぁ!」

影忍「ははっ。ありがとうございます」

村人「さぁ、もうちっとで本島のちっちぇぇ漁村に着くかんなぁ」

影忍「助かります…」
137 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 22:43:50.36 ID:ctGG7lko
ユラユラ…ゴトン

村人「よぉし、降りてもいいぞぉ!」

グッ…スタッ

影忍「ありがとうございました…。助かりました」

盗賊「…ありがとう…ございます」

村人「なぁに、人助けだぁ。気にする事ぁない!」

盗賊「……」

村人「んじゃな!立派な子…生むだぞぉ?がっははは!」

ゴトン…ユラユラユラッ……

影忍「……行くぞ」

村人の船が小さくなると、影忍はゆっくり山側へと歩き出す。

影忍「ここから北へ峠を越えれば、都は眼と鼻の先だ」

盗賊「……はい」

影忍「動き辛いだろうが、しばしその格好で辛抱せよ」

盗賊「…大丈夫」
138 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/11(日) 23:58:36.16 ID:ctGG7lko
〜南東国、南の山〜

男隊員「よーし、そこで下ろせーっ!」

戦士「おい…っしょ!」

女隊員「こっちはオッケーッス!」

ガンガンガンッ!!…トントンッ

女隊員「ふいーっ。出来たッスー!!」

戦士「これなら問題ないだろ…」

男隊員「おーい隊長〜。出来たぞぉー!!」

隊長「…ぐおぉ……むにゃ…っ」

戦士「隊長、出来ましたぜ」

隊長「…ん、んんーっ」

女隊員「隊長!出来たッスよぉ!」

ノソッ

隊長「……な、何じゃあこりゃあ!?」

戦士「何って…寝床っすけど…」
139 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 00:00:00.41 ID:jIHpEBgo
隊長「寝床って……」

女隊長「どうスか?どうスか…!?」

男隊員「俺っちが本気を出しゃあ、こんなもんよ!」

隊長「誰がこんな立派なモン作れって行った!テントどころかコテージじゃねぇか!」

戦士「いや…一ヶ月もいるわけですし…」

女隊員「広いにこしたことはないッスよ?」

隊長「そういう事を言いたいんじゃねぇ!!」

男「何でそんなご立腹なんだよ…」

隊長「まぁいい。さっさと荷物まとめて準備しろっ!」

戦士「ういっす!!」

タッタッタッタッタ

隊長「お前らもだ!!」

女隊員「ういッス!!」

男隊員「何だよ…。自分は寝てたくせに……」

隊長「あぁ!?いいから早くしろ!!」
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 00:04:05.17 ID:I1suQiYo
男隊員が男になっとるよー
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 00:08:41.11 ID:Q6tQKwDO
コテージワロタwwwwwwwwwwww
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 00:13:45.71 ID:OHe9GrEo
>>140
誤字は生暖かい目で見ながら、あえて触れないでやろうぜ
酷いものでなければ
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/07/12(月) 00:17:25.60 ID:Q9DgXgDO
>>141-142
お前ら結婚しちゃいなYO☆
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/07/12(月) 00:18:49.37 ID:Q9DgXgDO
すまん。なんでもない…
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/12(月) 00:33:22.91 ID:jIHpEBgo
毎度の誤字、申し訳ないッス…。では、ここらで失礼致します!
ご支援ありがとうございました!!ノシ

〜オマケ〜

男「今晩も魔道士さんの料理を食べに行くぞ……!」

ウロウロ

男「あ…っ、やはり何かプレゼントを持って行くべきだな。うん」

ウロウロ

男「ここはベタだが、花束なんか……」

ホワンホワン

男『魔道士さん。貴方の為にこれを…』

魔道士『まぁ!素敵な花…。これは…チューリップですね!』

男『はい。花言葉は……永遠の愛…です』

魔道士『っ!?……す、素敵…っ!』

ホワンホワン

男「なんちゃってなんちゃって!くふふっ!!」

ウロウロ…ピタッ

男「こうしちゃいられない!は、早く買いに行かなくちゃ…っ!」
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 00:41:37.23 ID:I1suQiYo
>>142
これはあれだ
誰かがその間違いを面白おかしく取り上げるのを
前もってさらっと触れることで防ぐという
人間関係の「こーとーてくにっく」なはずだ
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 00:59:20.63 ID:YW4zfsDO
>>1
話が膨らみすぎてネギまみたいにならないことを祈ってるお
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 01:43:09.42 ID:FcBVFQAO
>>1

やっと全員が修行を積める状態になったな
ここからどれだけ強くなれるか期待 もう普通の鍛錬じゃ伸びそうにもないからな、どんだけスパルタになることやら…

それにしてもバーテンやらマジシャンやらは毎度毎度魔道士ちゃんと仲良さそうにくっちゃべりやがって…
俺の眼鏡、僕っ娘、メイド、ナース、セーラー服の5行を発動して奴らを葬り去りたい…
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 03:33:44.39 ID:8ZIDWkAO
まーたミンチがあるぞ
お前ら散らかすの好きだなまったく
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 04:10:26.98 ID:lgVYU7s0
ハンバーグにしようと思ってね
だっきみたいに
151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 04:10:55.86 ID:iIyol.wP
伯邑考…
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 08:02:47.55 ID:FcBVFQAO
封神演技懐かしいな
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 11:36:05.98 ID:IwcACoDO
まとめ乙!
一番下のGAMEって何だ?
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 15:38:58.36 ID:ZBv4JoSO
ちょっと封神してくる
封神演義ネタは携帯だと漢字がキツイ
155 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:40:02.16 ID:pO1JaTEo


戦士「用意出来ました」

隊長「おう、お前らは周辺の見回りして来い」

男隊員「了解ー。まぁこんな辺鄙な所…人はおろか魔物もいねーだろうなぁ」

女隊員「とにかく食料が採取出来そうな所を探さなきゃッスよ?」

テクテクテク

隊長「まず、お前の得意武器を聞いておこう」

戦士「得意武器…?何だろうなぁ…」

隊長「考えた事ねーのか?」

戦士「え、ええ…。まぁ多分…剣、かな?」

隊長「剣か……」

戦士「えっ?何か…マズかったですか?」

隊長「いや、一番槍の息子にしちゃ意外だなって思っただけだ」

戦士「あんまり…関係ないんじゃ…」

隊長「いーや、そうでもないぞ?」
156 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:40:42.94 ID:pO1JaTEo
戦士「……?」

隊長「何事にも遺伝ってのは関連してくるもんだ」

戦士「…ふぅん」

隊長「はっはっは。槍術は苦手か?」

戦士「あんまし経験がないもんで…」

隊長「学べば隠れた才能が発揮されっかもな」

戦士「…あんま…実感ないっすけど」

隊長「まぁいいや。んじゃ、まずは剣術から始めっか」

戦士「おす!お願いします!」

隊長「教えるっていっても、既に修羅場ぁ潜ってんだ。今更、基礎的な事はしねぇ」

戦士「…?」

隊長「構えてみ?」

戦士「おう…あ、はい」

チャキッ

戦士「こ、これでいいですか?」
157 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:41:10.75 ID:pO1JaTEo
隊長「じゃあゆっくりでいい。俺に斬りかかってみろ」

戦士「はい」

戦士は前進し、ゆっくりと隊長の前に剣を降り構える。

隊長「ストップ」

ピタッ

戦士「……」

隊長「ここで俺が反撃に移る。お前は左右どちらに動く?」

戦士「えっと、左…かな?」

隊長「俺の右手側だな?」

戦士「はい」

隊長「うーん…残念」

戦士「…?」

隊長「一度しか言わん。よく聞け」

戦士「…はい」

隊長は手にした剣を腰の鞘に納める。
158 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:41:50.09 ID:pO1JaTEo
隊長「わずか一瞬。刹那の一瞬だが、状況判断で見極めろ」

戦士「…はい」

隊長「もし、相手が抜刀していない状態。これならお前から見て左が正解」

戦士「抜刀していない状態…」

隊長「何故だと思う?」

戦士「……え、えぇと」

隊長「間合いの問題だ。いいか、見とけよ?」

隊長は雷切を軸に、戦士の右側に回りこむ。

隊長「この状態だと、お前が剣を振ると同時に、俺も反撃に出る」

戦士「…はい」

隊長「ところがだ、左腰に帯びた剣を右側に振るまで、タイムロスがある」

戦士「あ…っ」

隊長「カウンターを放つ前にお前の一振りが、俺に到達しておしまいってわけだ」

戦士「な、なるほど…!」

隊長「今度は逆。俺がお前の右側に位置する」
159 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:43:14.46 ID:pO1JaTEo
ザッ

隊長「この状態だと、左腰の剣はすぐにお前を薙ぎる事が出来る」

戦士「確かに…!」

隊長「威力は二の次。カウンターで次の…後の先を取れる」

戦士「すげぇ…!」

隊長「ちなみにだ。腰に剣を携えた奴と対峙した瞬間、抜刀しねぇのは馬鹿か達人だ」

戦士「…そうなんすか?」

隊長「居合いとか立ち合いって聞いた事あるか?」

戦士「…!!」

隊長「剣術でも一撃必殺の部類に入るアレだ」

戦士「なるほど…っ!」

隊長「ついでに。背中に鞘を背負って抜刀しない奴はただのアホか罠だ」

戦士「…?」

隊長「背から抜刀するまでのタイムラグがどんだけあると思ってんだって話さ」

戦士「…勉強になります」
160 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:44:44.61 ID:pO1JaTEo
隊長「んじゃ次ね。相手が抜刀している状態…」

チャキッ

隊長「この時、お前はさっき…俺の右手側に斬りかかったよな?」

戦士「…間違いっすね」

隊長「…ほう、何でだ?」

戦士「同じ原理です。右手にした剣を薙ぎるまでの時間…」

隊長「正解。右手に構えた剣を左に振るか、右に薙ぎるか…」

ブンッ

隊長「どちらの時間が長いか、それを踏まえて斬りかかるのさ」

戦士「……」

隊長「当然、相手が左手に剣を持ってたら左右逆になる」

戦士「そ、それを一瞬で判断して…仕掛けなきゃいけないってわけか…」

隊長「意識して出来るもんじゃない。身体で覚えるしかねぇな」

戦士「……」

隊長「次は更に難易度高いぞ?」
161 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:45:38.40 ID:pO1JaTEo
戦士「……うっす」

隊長「次は、お前みたいに片手に盾持ってる奴」

戦士「…!?」

隊長「仕掛けるにはどちら側から斬りかかる?」

戦士「……盾のない方から」

隊長「当然だよな。盾に行きゃあ防がれて終わりだもんな」

戦士「はい」

隊長「そこで左手の盾を避け、右手側に斬りかかる…」

ヒュンッ

隊長「しかし…右手にはさっきと同様、剣を携えている」

戦士「…ど、どうすんすか?」

隊長「ん?…気合」

戦士「…はい?」

隊長「気合でなんとかする」

戦士「……はい?」
162 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:46:19.18 ID:pO1JaTEo
隊長「詳しく言うと、気合で間合いをどうにかする」

戦士「あの…全然詳しくないんですけど…」

隊長「あぁん?あーめんどくせぇなぁ…」

隊長は頭を掻きながら、先程と同様、戦士から向かって右側に立つ。

隊長「はい。じゃあ剣で振り払って下さい」

戦士「……」

ヒュオッ

隊長「刀身が迫ります。ここで間合いを取ります」

戦士「…はい」

隊長「前に出れば、密着状態となり、相手の刀身が当たる事はありません」

戦士「おぉ…本当だ」

隊長「厳密に言うと、ありませんって事はないけど軽症で済む…」

戦士「…確かに、これじゃあ振り抜けないし、致命傷には…ならんすね」

隊長「逆に下がって間合いを取るのも手だ」

戦士「下がるのか…」
163 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:47:40.47 ID:pO1JaTEo
隊長「いや、そうしたら反撃の機を無駄にしちまう。つまり…」

タンッ

隊長「前進から一瞬ブレーキをかけ、再び前進…」

戦士「相手の剣だけかわして、懐に潜り込むのか」

隊長「そういう事」

戦士「はぁ〜。奥が深い……」

隊長「ま、これもあくまで手段の一つだ。囚われる事はねぇ」

戦士「…え?」

隊長「頭の片隅にだけ入れとけって事だ」

戦士「……」

隊長「剣術なんて所詮、形はねぇんだ。ありとあらゆる流派がある」

戦士「…確かに」

隊長「その良いところだけを集めて、自分なりの型にしちまえって事さ」

戦士「自分だけの…流派を作れ…って事?」

隊長「ま…簡単に言や、そういうこった。まぁゆっくりやっていこうや!」
164 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:48:55.61 ID:pO1JaTEo
〜北方、山中〜

テクテクテク

魔道士「ずいぶん山奥まで来ましたね…」

マジシャン「んー、もうちょいだよ。頑張れ〜!」

魔道士「はいっ!頑張りますー!!」

マジシャン「この辺はね、なかなかいい環境なんだよ」

魔道士「そうなんですかぁ?」

マジシャン「適度な魔物、適度な食料…そんで…」

魔道士「そんで…?」

マジシャン「温泉やら泉やら…環境も抜群!」

魔道士「おぉーっ!……あ…っ」

マジシャン「…?」

魔道士(そういえば…戦士さんの村も…。そっかぁ…)

マジシャン「さぁ、頑張りましょう!」

魔道士「はいっ!えへへ!!」
165 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:49:48.52 ID:pO1JaTEo
ザッザッザ

魔道士「なかなか…険しくなってきましたね…」

マジシャン「だいじょぶ?」

魔道士「は、はいっ」

マジシャン「ハッハ!偉い偉い!」

魔道士「標高も高いから…涼しくなってきましたね!」

マジシャン「おう、もうじき…あ、見えてきたかな?」

マジシャンは木々を掻い潜り、奥を覗き込む。

マジシャン「ほれ、あそこに泉がある。見えるか?」

魔道士「よ…っと……わぁっ!凄い!!」

マジシャンに続き、覗き込む魔道士の眼前に、

花々が咲き乱れる、美しい泉が広がる。

魔道士「こんな山奥に…素敵……」

マジシャン「二人だけの秘密場所だぞ?ハッハ!!」

魔道士「はいっ!!」
166 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:50:32.24 ID:pO1JaTEo
テクテクテク…チャポッ

魔道士「……んっ。美味しい…っ!」

マジシャン「この先に巨大な滝があってな、その地下水脈がここに沸いてるみたいだ」

魔道士「綺麗な水だから…花も沢山、咲いているんですねぇ…」

マジシャン「魔物も出ないしな!んで、しばらくここで修行をする」

魔道士「ここで…ですか!?」

マジシャン「ああ。ここでだよ」

魔道士「一体…どんな…?」

マジシャン「おっ…!あれは鹿か…?」

魔道士「えっ!?あ…っ!かわいい〜っ!」

マジシャン「あっちにはリス…。それにウサギも…!」

魔道士「なんだか…絵本の世界みたいですね…っ!」

マジシャン「ここで…泉や花や動物と遊びましょう」

魔道士「はーい!……え?あの…っ、修行…は?」

マジシャン「ハッハ!……それが修行でーっす!」
167 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:51:50.49 ID:pO1JaTEo
魔道士「あの…遊ぶのが修行なんですか?」

マジシャン「そう!その通り!」

魔道士「…えっと」

マジシャン「何その冷たい目…?ちゃんと理由もあるんだよ?」

魔道士「でもぉ…遊んでいるだけで修行だなんて…」

マジシャン「ただ、はしゃぐだけじゃダメ。ちゃんと遊ぶ事!」

魔道士「ちゃんと…遊ぶ?」

マジシャン「そう。自然と一体化し、摂理ってモンを体感しなさい」

魔道士「一体化…ですかぁ」

マジシャン「人間もまた、自然の一部なり…ってな!」

魔道士「よく分からないけど…頑張って遊びますっ!」

マジシャン「おうっ!頑張れ!ハッハッハ!!」

ザッ

マジシャン「んじゃー、ちょっくら見回り行って来まーす!」

魔道士「はいっ!お気をつけて!」
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 17:52:20.76 ID:9.PLpdso
おお!剣術は勉強になるな。
今度襲われたら使ってみよう。
169 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:53:42.08 ID:pO1JaTEo
〜南方、南の山〜

召喚士「……」

青年兵「……」

召喚士「……」

青年兵「……」

青龍先生「……くぁ」

召喚士「あの…先生……」

青龍先生「んー?」

召喚士「これ…何時間続ければ良いのですか?」

青龍先生「別に何時間でも良いぞい」

青年兵「……」

青龍先生「何じゃ…。もう飽きてしまったかの…?」

召喚士「そ、そういうわけでは……」

青年兵「こ、これにはどういう効果が…?」

青龍先生「効果?特にないよ。ひょっひょっひょ!」
170 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:55:03.10 ID:pO1JaTEo
召喚士「えぇ!?」

青年兵「特にない…って…」

青龍先生「ただ突っ立ってるだけじゃあ、何の意味もないぞよ?」

召喚士「…!?」

青龍先生「雑念を取り除き…互いを理解し合うように続けるのじゃよ」

青年兵「互いを…理解……」

青龍先生「ほれ、やってみ」

召喚士「は、はいっ!」

二人は目を合わせ、心を落ち着かせる。

召喚士(…雑念を…取り除き……)

青年兵(互いを…理解し合う……)

召喚士(ははっ…。青年兵くんも同じ事を考えていたんだ…)

青年兵(ええ…。一体何の意味があるのかな…って…)

召喚士「……えっ!?」

青年兵「っ!!」
171 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:56:28.63 ID:pO1JaTEo
青龍先生「ん?どうかしたかの?」

召喚士「い、いえ…っ!」

青年兵「別に…何でもないです…っ」

青龍先生「…?」

召喚士(俺…今、喋ってたっけ…?)

青年兵(しまった…。言葉で発していたか…。集中しすぎたかな?)

召喚士「……」

青年兵「……」

青龍先生(ひょっひょ。どうやら思ったより…早そうじゃのう…)

スッ…テクテクテク

青龍先生「……」

じっと立ち尽くす二人の間に、青龍先生が割り込む。

青龍先生(微動だになし…。だいぶ集中力が高まっておるのぅ…)

召喚士(……集中…集中)

青年兵(雑念を…取り除く……)
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 17:56:41.79 ID:9.PLpdso
ぎゃああああああ!!
一番持ちたくない力だあああああああ!!
173 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 17:57:39.46 ID:pO1JaTEo


青年兵(…召喚士さんの考えが…なんとなく分かる)

召喚士(これって…洞察に似ているなぁ)

青年兵(不思議な感じだ…。何だろう…?)

召喚士(本当に不思議だ…。魔力の流れも……)

青龍先生「……目を開けよ」

パチッ

召喚士「……っ」

青年兵「……ふー」

青龍先生「どうじゃ?何か掴めたかの?」

召喚士「…なんとなく…ですが」

青年兵「はい…。集中しながらも自然体になれた…というか…」

青龍先生「しばらくは朝から昼まで、これを毎日行うぞい」

召喚士「…はい!」

青年兵「畏まりましたっ」
174 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 18:00:43.40 ID:pO1JaTEo
青龍先生「では、次の修行じゃ」

召喚士「…はい」

青龍先生「次は…互いの召喚獣で戦ってもらうかの」

召喚士「えっ!?」

青年兵「僕らが…ですか!?」

青龍先生「うむ」

青年兵「僕と…召喚士さんが…!?」

青龍先生「当然じゃが、互いを攻撃する事は禁止じゃ」

青年兵「召喚獣同士そ戦わせるという事ですね」

青龍先生「その通りじゃ」

召喚士「召喚フェスみたいだな…」

青年兵「実践授業以来だなぁ…」

青龍先生「但し、最初は基本精霊のみで戦ってもらう」

召喚士「……へ…っ!?」

青年兵「基本精霊…ですか?」
175 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 18:01:42.07 ID:pO1JaTEo


召喚士「行けっ!シルフ!!」

青年兵「出でよ!サラマンダー!!」

シュイィィン

シルフ「ふっふっふ!アンタなんかコテンパンにしてやるんだから!」

サラマンダー「ほう、この俺様を?貴様程度に出来るかな…?」

青龍先生「よーし…。では、始めぇ!!」

シルフ「見てなさいよっ?はあぁ〜!!」

サラマンダー「くっくっく!死ねえぇーっ!!」

召喚士「あっ!ちょ、ちょっと…!?」

青年兵「勝手に…っ!!」

ゴウッ!!…ポカポカポカッ

シルフ「このっ!このっ、えいっ!!」

サラマンダー「ぬはははっ!やるな!とおおりゃああぁぁ!!」

ゲシゲシッ…ポカポカポカッ!!
176 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 18:02:29.24 ID:pO1JaTEo
シルフ「いったぁーっ!何すんのよっ!」

グサッ

サラマンダー「め、目潰しとは卑怯な…!目がぁ〜!」

召喚士「……」

青年兵「……あ、あの…先生…?」

青龍先生「儂は知らんぞ?お主等の召喚獣じゃろう?」

召喚士「…あのーシルフさん?」

シルフ「何よ、ウルサイわねぇ!もっと魔力よこしなさいっ!」

サラマンダー「下手に出ておれば…ツケ上がりおってぇ!」

青年兵「……」

シルフ「ひっさぁーつ!スーパービンタアアァァーッ!!」

サラマンダー「喰らえっ!フルファイアデコピイイィィン!!」

バシィンッ!!…バチイィンッ!!

シルフ「…ふっ、やるじゃ…な…い……っ」

サラマンダー「この…俺様……が……」
177 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 18:03:07.03 ID:pO1JaTEo
パタッ…ポトッ

青龍先生「ふむ。ダブルノックアウトで引き分けかの…」

召喚士「……」

青年兵「……」

青龍先生「さて、昼食にするかの。ひょっひょっひょ」

召喚士「え…えーと……」

青年兵「い、一体…何の意味が…?」

青龍先生「ほれ、つべこべ言っとらんで昼食の準備をせんかっ」

召喚士「は、はいっ!」

青年兵「行ってきます!!」

タッタッタッタッタ

青龍先生「……ふむ」

青龍先生は二人の立ち位置を見つめ、髭を撫でる。

青龍先生「基本精霊をあそこまで…。こりゃあ楽しみじゃのう…ひょっひょ」

目線を上空へ移すと、大きく背伸びし微笑んだ。
178 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 18:17:17.41 ID:pO1JaTEo
〜東方、都〜

スタスタスタ

香具師「さぁ、見てって見てって!」

露天商「豆腐〜、豆腐〜」

盗賊「……」

影忍「あまりキョロキョロするな。不審がられるぞ」

盗賊「…あっ…ごめんなさい」

影忍「…クナイや手裏剣はあるか?」

盗賊「…多少なら」

影忍「ならば良い。食料のみ買い揃え、このまま北へ向う」

盗賊「…はい」

影忍「俺は手裏剣の補充をしてくる。食料は頼むぞ」

盗賊「…ん」

影忍「待ち合わせは正面お大橋で良かろう。一刻後に…」

盗賊「……はい」
179 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 18:23:25.00 ID:pO1JaTEo
テクテクテク

盗賊「…食料…食料」

店員「いらっしゃい!さぁ、どうぞどうぞ。見てって頂戴っ!」

盗賊「……」

店員「お嬢ちゃん、良かったら味見してってよ!」

盗賊「…じゃあ…一つ」

ポリポリポリッ

店員「こっちはどうだい?」

盗賊「…あ…じゃあ」

モグモグモグ

店員「これも美味しいよぉ〜!」

盗賊「…へぇ」

パクッ…モグモグモグ

店員「どうだい、美味しいだろう!今なら安くしとくよぉ?」

盗賊「……下さい」
180 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 18:25:52.57 ID:pO1JaTEo


テクテクテク

影忍「遅いっ」

盗賊「…ごめんなさい」

影忍「食料は?」

ゴソッ

盗賊「…ん」

影忍「…良し。ならば参るぞ」

盗賊「……はい」

テクテクテクテク…ピタッ

盗賊「……?」

影忍「……」

立ち止まる影忍の前に、一人の大男が立ちはだかる。

影忍「あの…な、何かご用でしょうか…?」

鬼丸「真っ昼間から…。アンタ、プンプン臭ってるぜぇ?」
181 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 18:29:26.06 ID:pO1JaTEo
盗賊「あ…っ!」

鬼丸「あん…?」

盗賊「…い、いえ・・・っ」

影忍「う、うちの女房脅かさないで下さいよ…。ははっ」

鬼丸「…うーむ。どうも怪しい」

ザッ

鬼丸「…ちょっと来て貰おうか」

影忍「…怪しいのは貴様もであろう?」

鬼丸「……!?」

ババッ!!

影忍「そう身構えるな。敵ではない」

鬼丸「…その女は…人間か」

影忍「貴様と同類よ。安心せい」

鬼丸「……ふぅん。本当だろうなぁ?」

影忍「おいおい…。なんならその布剥いで、白日の下に晒すかね…?」
182 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/12(月) 18:31:52.04 ID:pO1JaTEo
鬼丸「……がっははは!!」

盗賊「…?」

鬼丸「通れ。悪い奴じゃないらしいな!」

影忍「……」

スッ…テクテクテク

鬼丸「おい…!」

ビクッ

盗賊「…!?」

鬼丸「アンタ…どっかで会った事、あるかぁ…?」

盗賊「……さ、さぁ…?」

鬼丸「…ふぅん。ま、いいや。行っていいぞ」

盗賊「……」

タッタッタッタッタ

鬼丸「なーんか嗅いだ事のある臭いなんだよなぁ…」

鬼丸は首を傾げ、都を去る二人の姿を見送った。
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/12(月) 18:40:24.53 ID:pO1JaTEo
日没もだいぶ遅くなりましたね!こんばんは!
明るいうちに失礼致します!ご支援ありがとうございました〜!ノシ

>>153
同じく乙です!本当に早くてありがたいです!
あと…GAME!?すっごい嬉しいんですけど!
これは一体誰が…?ななばつさん…かな?
藤蔵のお宝ダンジョン、めちゃくちゃやってみたいんですけどww

>>168
本当の剣術とは違いがありますのでご注意下さい!
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 19:08:18.74 ID:y7wbSJMo
鬼丸きた!
そしてその後>>168を見たものはいない。
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 19:11:48.77 ID:T2m.Hywo
>>168は犠牲となったのだ・・・
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 19:12:53.94 ID:oem1o.DO
乙!
シルフが可愛すぎる
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 20:06:33.55 ID:4PHzPsAO
おい、GAMEてなんだよ!もしもしから開けないんだが
もしや待望の行けコカゲーム化なのか?そうなのか?
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 20:14:42.89 ID:jQNk/EU0
乙!!

召喚士達の心を読むのと、戦士がやってる威圧のやつは同じなんだろうか
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 20:15:36.00 ID:Uf/cpp20
SFC2持ってるやつは勝ち組
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 21:31:14.38 ID:aiJ1q/s0
     _______
三 (^o^ ) アンフィスバエナ ( ^o^)
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 22:08:42.87 ID:BfafKgso
にてる
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/13(火) 01:32:05.85 ID:rm5IWsAO
>>1

とうとうゲーム化まで…今後もいけコカに目が離せない…!?


それはそうと、僕と魔道士ちゃんのときめきメモリアルはまだですか?
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/13(火) 01:53:27.18 ID:qLF2Efko
くせえ
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 13:12:09.01 ID:DvX0jU6o
復活!
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 13:17:02.35 ID:DSFZsKI0
昨日はコカトリス見れなくて寂しかったよぉ・・・
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 15:03:49.96 ID:8UsbzkA0
今月は払ったんじゃないのか?
197 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:27:01.46 ID:iZPyroko
〜南東国、南の山〜

ザッザッザ

女隊員「たっだいまーッス!」

隊長「おーう、どうだった?」

男隊員「なーんもねぇ。こりゃあヤバイかもな!ヒャハハ!」

隊長「ヒャハハ!……じゃねぇよ!ちゃんと探したんだろうなぁ?」

女隊員「あっ、山ウドがあったッス!」

隊長「おぉ!どの程度だ!?」

女隊員「こーんな大きな、大木ッス!!」

両手を広げ、はしゃぐ女隊員を見て、隊長は頭を抱えながら大きな溜息をつく。

女隊員「あっ!あとはなんとビックリ…ブナの木もあったッス!」

隊長「……はぁ」

女隊員「凄くないッスか!?こんな高地に――」

隊長「凄くねぇよ。ドングリでも食えってのか…?」

戦士「……」
198 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:28:02.66 ID:iZPyroko
女隊員「昆虫もいっぱい集まるッスよ!」

隊長「食えってのかよ!お前は食えんのか?あぁ?」

女隊員「うーん…。食べた事ないから、分かんないッスねぇ…」

隊長「……っ」

ゴチンッ

隊長「本当に何もなかったのか?」

男隊員「ムギとエンドウマメみてぇのはあったが…収穫時期は外れてるな」

隊長「そうなると…狩猟かはたまた…」

戦士「…下山して、買い出し?」

隊長「そういう事になるな」

男「俺、行きたくねーぞ…!」

隊長「んじゃ、初日の買い出しは平等に決めるか」

戦士「……?」

女隊員「ジャンケンスか?自信あるッスよぉ〜?」

隊長「アホか。早くこっちに集まれ」
199 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:28:39.30 ID:iZPyroko


隊長「今からジャンケンをする」

女隊員「なーんだ。結局ジャンケンじゃないスか!」

隊長「グーとパーに分かれて、居合いで勝負しようじゃねぇか」

戦士「…居合い…勝負?」

隊長「方法は簡単。お互い後ろ向きに正座して、合図と同時に斬りかかる」

男「なんか…面白そうだな」

女隊員「やるッス!!」

隊長「そんじゃ、ジャンケンで分かれるぞー」

戦士「買い出しはどうやって…?」

隊長「負け同士でドベになった奴が買い出しって事だ」

戦士「…なるほど。負けらんねぇな…!」

男隊員「そんじゃー行くぞー。ジャーンケーン……」

女隊員「ほいッス!!」

戦士「あーいこーで……」
200 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:29:15.98 ID:iZPyroko


女隊員「…いきなり隊長とは…ツイてないッス」

隊長「間合いが近いから、念の為…木の枝で行うぞ」

ザッ

男隊員「合図はこの石を投げるから、落下の音が合図だ。オッケー?」

隊長「いつでもいーぞ」

女隊員「こちらもッス!」

男隊員「ほんじゃ……」

スッ

戦士「……」

男「いいか?隊長の動き…よく見てろよ」

戦士「…?」

ブンッ!!

女隊員「……」

隊長「…………」
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 17:29:32.04 ID:3vlyzc6o
まさかPCをつけて早速このスレを開いたら、調度1が来てるとはな
久々のリアルタイム支援だ
202 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:29:58.59 ID:iZPyroko
ヒューン……カツンッ!!

女隊員「はぁっ!!」

女隊員が右に反転し、木の枝を振りぬく。

隊長「……」

隊長は立ち合い僅かに遅れ、左に反転し、枝を取る。

女隊員「…っ!!」

隊長「…しっ!」

女隊員の振りぬいた居合い斬り。それを掬い上げるように、隊長の枝が潜り込む。

トーンッ

男隊員「勝負ありだ」

女隊員の身体は、振りぬいた所作の慣性で横に流れる。

隊長はゆっくりと頭を上げ、女隊員の懐に潜り込んだ。

隊長「じゃーん!」

女隊員「…ッ!?」

隊長の放つするどいデコピンが、女隊員の額に直撃した。
203 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:30:50.48 ID:iZPyroko
バチンッ!!

女隊員「いったあぁーっ!!」

隊長「はい、俺の勝ち。いぇーい」

額を擦りながら蹲る女隊員に向けて、隊長が笑顔でVサインを作る。

戦士「……」

男隊員「一瞬の勝負だが、分かったか?」

戦士「隊長の初手…。あれは様子見…?」

男隊員「んー、まぁそうだな。左右どちらから仕掛けてくるか見極めた…」

戦士「…やっぱり」

男隊員「後手にはなるが、あのクソアマの得物は小剣だ」

戦士「…ええ」

男隊員「小剣の基本は突き。突きに有利なのは当然……」

戦士「振り向いて、左側に反転…」

男隊員「そゆこと。でも居合いの基本は右反転だ。それを見極めた…」

戦士「…なるほど…!」
204 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:31:37.78 ID:iZPyroko
男隊員「まぁ、あんな芸当…隊長にしか出来ねーけどな…ヒャハハ!」

戦士「……」

男隊員「信じられっか?音に反応してんだぜ?」

戦士「…お、音!?」

男隊員「そ。聴覚のみに意識を集中させ、クソアマが動いた音に反応した」

戦士「…す…げ」

男隊員「右に動いたから自分は左に動く…。分かってもあんな一瞬で出来るかってんだ」

戦士「…レベル高すぎんぜ…っ」

男隊員「分かったろ?並大抵の方法じゃ隊長は倒せねぇ」

戦士「……」

男隊員「まぁ、その前に…次は俺が相手だ」

戦士「…うっす!胸お借りします!」

男隊員「素直な奴は割と好きだぜ!ヒャハハ!!」

隊長「おーい、次はてめぇらだぞー」

呼び声と同時に、戦士と男隊員が前進し、背を向け座り込む。
205 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:34:08.23 ID:iZPyroko


隊長「いいかー?」

男隊員「ういー」

戦士「…いつでも!」

隊長「よい…っしょっと」

ブンッ…ヒューン……

女隊員「……」

カツーンッ!!

男隊員「…っらぁ!!」

男隊員が枝を手に立ち上がり、右側へ反転する。

戦士「……っ!!」

それにやや遅れながら、戦士は左反転し、枝を拾い上げる。

男隊員(…こ、こいつ…っ!?)

戦士「りゃあぁ!!」

ブンッ!!
206 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:35:20.90 ID:iZPyroko
男隊員の振り上げた右手を掻い潜り、戦士が懐へと間合いを詰める。

トンッ

戦士「……!?」

男隊員「…はい。俺の勝ち」

戦士「……え…っ?」

胸元に突きつけられた、男隊員の左手より伸びた枝を見つめる。

戦士「…な、何で…っ!?」

男隊員「ふいー。まっさか初見で隊長の真似するたぁな…!ヒャハッ!」

戦士「右手に…あれ…!?まさか……」

男隊員「そ。初撃の途中で持ち替えたのよ。右手から左手に…な!」

男隊員は枝をくるくると振り回し、笑顔を見せる。

戦士「……や、やられた…っ」

男隊員「いーや、いい勝負だったぜ!俺も咄嗟でうまくいくか自信なかったし!」

隊長「そんじゃ戦士はそのまま居残り。次はコイツとだ」

女隊員「戦士さんっ!負けないッスよぉ!?」
207 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:37:11.85 ID:iZPyroko


ザッザッザ…トスッ

隊長「これで負けたほうが、買い出しな」

男隊員「下山登山だけで気が滅入るわな。ヒャハハ」

隊長「んじゃー始めっぞぉ」

戦士「おうっ!」

女隊員「いいッス!!」

ブンッ!!

男隊員「高…っ」

ヒューン……カツンッ!!

戦士「だりゃっ!!」

女隊員「たあぁっ!!」

石の落下音と同時に、二人は右反転し、枝を打ちつける。

男隊員「…初撃は互角っ!」

戦士と女隊員は、弾かれた枝を、再び対面する相手へと振る。
208 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:37:58.85 ID:iZPyroko
隊長「女隊員の勝ちだな…」

男隊員「そっすね」

女隊員の振り上げる枝と、戦士の振り下ろす枝が再びぶつかり合う。

バチィンッ!!

三撃目、両者の放つ枝の速度にズレが生じる。

戦士「…っ!!」

女隊員「貰ったッス!!」

戦士が枝を振り下ろす前に、女隊員の枝が戦士の脇腹へと到達する。

ドグォッ!!…ドシャァッ!!

女隊員「ひゃあぁ!当てちゃったッス!大丈夫ッスかぁ!?」

戦士「…いち…ちっ!」

テクテクテク

隊長「ドベは戦士。んじゃ、買い出し行ってらっしゃい」

戦士「くっそー…。やっぱり強えぇな…っ!」

男隊員「お気の毒様!ヒャハハ!あ…俺、トマトジュース飲みたい!」
209 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:39:02.53 ID:iZPyroko


戦士「じゃあ…行って来ます」

大袋を背負った戦士が、崖へと向う。

女隊員「お気をつけてッス!」

隊長「あ、まとめ買いしなくていいからな」

戦士「え…?一日分でいいんすか?」

隊長「毎日やりゃあ修行になんだろ?」

女隊員「おぉー!確かに!凄いッス!これは大発見ッス!」

男隊員「はぁ!?聞いてねーぞ!おい戦士、1か月分まとめて…ぐえぇっ!」

隊長「ゴチャゴチャうるせぇ!お前はさっさと行って来い!」

戦士「な、何買ってくれば…」

隊長「任せるっ!!」

女隊員「ギブッスか?ギブッスかぁー!?」

男隊員「お、落ち…る…!ギブギブッ!!」

戦士「…ダメだこりゃ。……行って来ます」
210 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:40:30.84 ID:iZPyroko
〜北方、泉〜

小鳥「チチュンッ…!ピピッ!」

魔道士「うふふっ」

スリスリ

小鹿「……」

魔道士「えへへへ…っ!!」

サラサラサラ…パシャッ

魔道士「…マジシャンさん…遅いなぁ」

魔道士は肩にに乗る小鳥に餌を与えながら、青い空を見上げる。

魔道士「本当に修行なのかな…これ…」

小鳥「チチッ…」

魔道士「ふふっ、でも…楽しいからいっか!」

〜北方、山脈〜

タタッ…ズザァッ…

マジシャン「……」
211 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:41:33.68 ID:iZPyroko
木陰から下を覗き込むマジシャン。その先に人影が見える。

伝令「――」

北方兵「――」

マジシャン「…流石に聞き取れねぇか」

二人の兵は何度か言葉を交わし、その場を後にする。

マジシャン「……」

カサッ

マジシャン「北方の兵と…本部の伝令か…」

マジシャンは伝令の姿を見送り、その場でしばし無言で考える。

マジシャン「…おっと、もうこんな時間か」

タタッ

マジシャン「…近々動きがある、と踏んでいいな」

タッタッタッタッタ

マジシャン「全く…。難儀なモンだよ」

マジシャンは険しい表情のまま、その場を離れ泉を目指した。
212 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:42:41.65 ID:iZPyroko
〜南方、南の山〜

パクッ

青龍先生「ん〜っ、美味い!」

青年兵「凄いですね…!」

召喚士「そ、そうですか…?師匠にみっちり鍛えられましたから…」

青龍先生「料理の出来る男はモテるぞい」

召喚士「は、はぁ…」

青龍先生「青年兵、お主も習うとよい…ひょっひょっひょ!」

青年兵「……よろしくお願いします!」

召喚士「えっ!?あ…ははっ」

青龍先生「食後は講義じゃ。居眠りするでないぞぉ〜?」

青年兵「うぅ…っ」

召喚士「講義…というのは一体何を…?」

青龍先生「うむ。召喚獣についての勉強を、改めて…な」

召喚士「……なるほど」
213 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:44:17.68 ID:iZPyroko


青龍先生「腹も膨れたところで、早速始めるかの…」

召喚士「よろしくお願いします!」

青龍先生「基礎的なおさらいは……要る?」

青年兵「一応…出来れば…」

青龍先生「では、簡単に流すぞい。まず召喚術について…」

青龍先生の言葉を、二人は真剣に聞き、手帳に書き込み始める。

青龍先生「召喚術、すなわち己の魔力を餌に、召喚獣を呼び出す術じゃ」

召喚士「はい」

青龍先生「それを司るのが召喚士。つまりはお主等じゃ」

青年兵「……」

青龍先生「召喚士になる為の方法は二つ…」

青年兵「…?」

青龍先生「一つは魔道士として基礎を固め、召喚士を目指す」

青年兵「僕のようなケースですね」
214 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:45:12.63 ID:iZPyroko
青龍先生「そう。国軍の者なんぞが主流じゃの」

召喚士「魔道学校がありますからね…」

青龍先生「もう一つは、魔道士を介さず自力で召喚士になる方法」

召喚士「あ、俺ですね……」

青龍先生「これは正直、資質の問題じゃ」

召喚士「資質……」

青龍先生「師である者の資質が高ければ、弟子の潜在能力も大いに引き出せる」

青年兵「なるほど…」

青龍先生「弟子は弟子で、己の秘めたる魔力が無くては、力を使いこなせぬ」

召喚士「……秘めたる魔力」

青龍先生「一番は遺伝かの。無論、環境や成長過程で変化もあるがの…」

召喚士「じゃあ…俺の場合、両親の遺伝という事も…?」

青龍先生「……ふむ。それは次の議題に移ってからとするか」

召喚士「あ、はい…っ」

召喚士と青年兵の真剣な眼差しに、青龍先生は目を細める。
215 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:47:25.43 ID:iZPyroko
青龍先生「では早速、次の議題じゃ」

青年兵「…はい」

青龍先生「さて、晴れて召喚士となった者は、次のステップがある」

召喚士「……」

青龍先生「なんじゃと思う?」

召喚士「…属性選び…ですか?」

青龍先生「その通り。ま、今はほとんど決まっていると言っても過言じゃないがの」

青年兵「僕は先生にサラマンダーを伝授して頂いたんですよね」

青龍先生「そうじゃの。つまり、師から弟子へ、基本精霊の伝授が始まりじゃ」

召喚士「俺も師匠からシルフを伝授されて、朱雀になりました」

青龍先生「正確には…基本精霊を得て、晴れて召喚士になった事になるかの」

召喚士「自力での会得は無理なんですよね?」

青龍先生「うむ。外見や能力の把握が重要となるからの…」

青年兵「なるほど…」

青龍先生「そういう意味では、どんな召喚士にも師匠がおる、という事じゃ」
216 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:48:38.26 ID:iZPyroko
召喚士「確かにそうですね…」

青龍先生「しかも召喚術の場合、魔術と違い…一系統しか会得出来ん」

青年兵「ええ。基本精霊を召喚した時点で決まってしまうわけですもんね」

青龍先生「まぁ…この世でおそらく一人を除いて、じゃがの」

召喚士「……」

青年兵「召喚士さんは全属性の召喚出来る…」

青龍先生「皆が全属性召喚士出来れば、召喚術も大いに活性したじゃろうがの…」

召喚士「…ええ」

青龍先生「召喚士が少ない理由のひとつはそこじゃ」

青年兵「…と、言いますと?」

青龍先生「会得が難しい挙句、生涯一つの属性しか召喚出来ん…」

召喚士「はい…」

青龍先生「やはり使い勝手としては、五行全て伸ばせる魔道士になるのじゃ」

青年兵「そうか…!それが召喚士と魔道士の割合に比例しているんですね…」

青龍先生「うむ。召喚士としては悲しい事実よの…ひょっひょ」
217 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:49:50.04 ID:iZPyroko
召喚士「魔道士と召喚士を兼ねる事は出来るんですか?」

青龍先生「正直難しいじゃろうな。魔力の使い方が違う」

青年兵「……?」

青龍先生「最初に己の基礎魔力を作り上げるじゃろ?」

青年兵「え、ええ…」

青龍先生「魔術はそれを放出し、五行と化す。それが魔道士…」

召喚士「……」

青龍先生「召喚士は魔力を餌とし、召喚獣を呼び出す。使い方が違うのじゃ」

召喚士「…なるほど」

青龍先生「一度作り上げた魔力は、そのようにしか生まれてこん。だから…」

青年兵「共存は難しい…と?」

青龍先生「左様。但し魔道士から召喚士だけは例外じゃ」

召喚士「…?」

青龍先生「魔術も体内で魔力を作り上げ、それを放出する」

青年兵「はい…」
218 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:50:58.23 ID:iZPyroko
青龍先生「その過程は召喚術と変わらぬからの。魔道士から召喚士へはなれるのじゃ」

召喚士「召喚士は一度なればそれっきり…」

青年兵「魔道士は将来、召喚士にもなれる…のか」

青龍先生「そう。それが魔道士の多い理由…二つ目じゃ」

召喚士「そういう事か…」

青龍先生「まぁ魔道士として最大魔力を増幅した方が、召喚士になるにも楽じゃからの」

青年兵「…先生も…そうなんですか?」

青龍先生「うむ。儂も30半ばまでは魔道士じゃった」

召喚士「!?」

青龍先生「それから召喚士になった。お陰でいきなり高等召喚獣を扱えたわい」

青年兵「それも一つの手、という事ですね」

青龍先生「若いうちになるのも、年老いてからなるのも互いにメリットもデメリットもある」

召喚士「……」

青龍先生「ま、それは追々話すとするかの…」

召喚士「…はい」
219 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:51:45.52 ID:iZPyroko
青龍先生「まぁ、ほとんどの魔道士は召喚士なんぞならんのが現状じゃ」

青年兵「そうなんですか?」

青龍先生「若いうちは、そう思う輩も数多くおる」

召喚士「……」

青龍先生「じゃがな、実際魔道士としてワーカーなんかになると…」

召喚士「そうか…!パーティーの兼ね合いでなれなかったり…」

青龍先生「それもあるし、魔道士として成功しているのに、わざわざ召喚士になんぞ…」

青年兵「なる者は…いない…ですね」

青龍先生「そういう事じゃ。その辺は仕事に似ておるかのう」

召喚士「…仕事…ですか?」

青龍先生「若いうちはなりたい夢があっても、大金貰って仕事しおれば転職し辛かろうて」

青年兵「余程、好きでない限りは…難しいですよね…」

召喚士「先生は…夢を追ったんですか?」

青龍先生「……ま、そういう事にしておいて貰おうかの。ひょっひょっひょ!」

青年兵「……」
220 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:52:25.47 ID:iZPyroko
青龍先生「本日最後の議題じゃ。属性について」

青年兵「お願いします」

青龍先生「今更…属性についての説明は不要かの。…では、朱雀先生」

召喚士「…はい?」

青龍先生「朱雀の特徴は?」

召喚士「えぇと…飛行系が多く、特殊攻撃を主とする…」

青龍先生「うむ、正解。それじゃ青年兵…青龍は?」

青年兵「はい。竜系統がメインで五行に基づく火力に優れるかと…」

青龍先生「そうじゃな。残る白虎と玄武じゃが…分かるか?」

青年兵「白虎は獣系が主体で物理攻撃に優れてます」

召喚士「玄武属性は…水棲召喚獣主体で、回復などが得意…かな」

青龍先生「ひょっひょっひょ!よく把握しておるわい。その通りじゃ」

召喚士「まぁ…そのぐらいは何とか…」

青龍先生「それを踏まえた上で、召喚獣個別の能力もしっかり把握せねばならん」

青年兵「大切ですね」
221 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:53:30.62 ID:iZPyroko
青龍先生「朱雀先生よ、お主確か…荒地で考えておったよな?」

召喚士「え…っ!?」

青龍先生「ありゃあ、どういう考えでおったのかの?」

青年兵「……?」

召喚士「毒…ですか?」

青龍先生「そうじゃ。儂がその話を振った後に、何か考えておったじゃろ?」

召喚士「……コカトリスで解毒出来るけど・・・魔力がない、と」

青龍先生「…やはりな」

召喚士「あ、あの…。それが何か…?」

青龍先生「それが能力の把握、というものじゃ」

青年兵「……」

青龍先生「通常、コカトリスには石化と毒撃の尾という攻撃しかない…と思うておる」

青年兵「え…っ!?ち、違うんですか…?」

青龍先生「…な?皆、そう思うておるじゃろ」

召喚士「実は…解毒の力もあるんだ」
222 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:55:41.22 ID:iZPyroko
青年兵「…な、なんと…!」

召喚士「これは俺も、最近知ったんですけど…」

召喚士は懐より一冊の本を取り出す。

召喚士「師匠の家で見つけたんです。朱雀召喚獣の…図鑑です」

青龍先生「一見、攻撃のみにしか思えないコカトリスでもそのような力を持っておる」

召喚士「毒を受けた際に、毒尾を刺す事で中和するそうです」

青年兵「毒を持って毒を制する…というわけか…っ!」

青龍先生「召喚獣達には、己の知らぬ能力がまだまだあるかもしれんのじゃ」

青年兵「それを正しく把握し、活用する事で…戦闘も有利になりますね」

召喚士「でも…能力を把握していないと、召喚出来ないのでは…」

青龍先生「その能力が使えぬだけで、出来ない事はないと思うぞ?」

青年兵「あとは魔力次第って事ですか…」

召喚士「……」

青龍先生「どうかしたか?」

召喚士「あ、いえ…っ…」
223 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 17:57:35.45 ID:iZPyroko
青龍先生「はぁー、随分と話しこんでしもうたな。今日はこの辺で終わりとするか」

召喚士「ありがとうございました!」

青年兵「明日も…是非!」

青龍先生「ひょっひょっひょ!無論じゃ」

召喚士「青年兵くん、今日のうちにおさらいしておこうか!」

青年兵「あっ、僕もちょうど思っていたところです!」

青龍先生「…素直な弟子は手間がかからなくていいわい…。ひょっひょ!」

青年兵「何か言いましたか…?」

青龍先生「なーんでもないわい。ひょっひょっひょ」

召喚士「じゃあ先に、夕飯の支度を済ませてきます」

スタスタスタ

青年兵「僕は薪と水を汲んできます!」

タッタッタッタッタ

青龍先生「しかもよく働く…。行く末も…安泰かの」

青龍先生は微笑みながら、右手で髭を撫でた。
224 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 18:02:36.36 ID:iZPyroko
〜南東国、南の山〜

戦士「…っく!!」

ガラガラッ

戦士「登りもキツイが…下りはもっとキツイ…っ!!」

ググッ…トスッ

戦士「こりゃ確かに…修行になんぜ…」

しばらくの後、這う這うの体で戦士は下山を終えた。

ザッ……スタッ

戦士「ふいぃ…!やっと着いた…」

テクテクテク

戦士「こっから更に東の街…。急がねぇとな…!!」

戦士は両手で頬を叩き、一気に走り出す。

戦士「これを毎日かぁ…。確かにハードな修行だ…!」

タッタッタッタッタ

戦士「でも…こんぐれぇやり遂げないと、強くなれねぇもんな!」
225 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 18:04:07.02 ID:iZPyroko
〜南東国、東の街〜

戦士「えぇと…この辺に店が並んで…」

町人「本当だって…!噂になってんだぜ!?」

店員「まっさかぁ!騎都尉に似た男だろぉ?」

戦士「…騎都尉?」

テクテクテク

戦士「なぁなぁ、騎都尉がどうしたって?」

町人「おう、最近この辺りで騎都尉の亡霊が出るって噂なんだよ!」

戦士「亡霊…!?」

店員「なーにが亡霊だよ。御伽噺でもあるまい」

町人「でもよぉ…騎都尉っつったら、最後まで反逆者の長兄を庇ったんだろ?」

店員「…人間に恨みでもあるのかもなぁ」

町人「だろだろ?きっと魔物に魂売って…地獄から…」

グイッ

町人「……!?」
226 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 18:05:10.27 ID:iZPyroko
戦士「……」

町人「な…なんだ…っ!?離せ…っ」

戦士「……っ」

バッ…ドサッ

町人「ごほごほ…っ!な、何なんだよ急に…!!」

店員「おいおい、店先で揉め事は止めてくれよ!」

戦士「……ちっ」

スタスタスタ

町人「何なんだよアイツ…!!」

店員「……さ、さぁ」

テクテクテク

戦士「…てめぇらに…何が分かるってんだ…!」

テクテクテク…ピタッ

戦士「…騎都尉の亡霊。何なんだ…?」

戦士は首を捻り、再び足を進め始めた。
227 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 18:05:38.45 ID:iZPyroko
〜北方、泉〜

魔道士「…ふふんふ〜ん、ふふふ〜ふふ〜」

ガサッ

魔道士「!?」

マジシャン「たっだいまー!」

魔道士「マジシャンさん!どこ行ってたんですかぁ?」

マジシャン「見回り。大丈夫、魔物は全然いねぇみたいだ」

魔道士「良かった!」

マジシャン「修行の方はどうだ?」

魔道士「…うーん、どうだ…と言われましてもぉ」

マジシャン「何してるか分からないってか?」

魔道士「なんだか…遊んでいるだけのような気がして…」

マジシャン「ハッハ!まぁ、遊ぶ事が修行かな!」

魔道士「遊ぶ事が…修行ですか…?」

魔道士はきょとんとして顔で、マジシャンを見つめる。
228 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 18:06:23.21 ID:iZPyroko
テクテクテク

マジシャン「ここ…どう思う?」

魔道士「えっ…?そうですね……」

マジシャン「……」

魔道士「自然が沢山だし、動物も楽しそうだし…それから…」

マジシャン「……」

魔道士「風も気持ちよくて…泉も穏やかな流れで…草もふわふわ気持ちいい…」

マジシャン「……」

魔道士「あ、あの…それが何か?」

マジシャン「…ハッハ!まぁ最初でそれだけ分かれば充分か」

魔道士「……?」

マジシャン「ここでの目的。それは自然を感じる事だ」

魔道士「自然を…感じる…?」

マジシャン「そう。自然…即ちそれは、五行に通ずるものだ」

魔道士「……!!」
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 18:08:31.06 ID:YZvH5/s0
いつも楽しく読んでいます。
焦らず急がず更新を待ってますねb

支援!
230 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 18:09:32.01 ID:iZPyroko
マジシャン「例えば…今、吹いている風」

魔道士「はい…」

マジシャン「どのぐらいの強さで、何処から来て何処へ向っているのか…」

魔道士「…はいっ」

マジシャン「自分の身体に触れて…どう変化しているのか…」

魔道士「なるほどですねぇ〜」

マジシャン「泉の水もそう。どういう動きをして、流れて行くのか…」

魔道士「はいっ」

マジシャン「自然の摂理、在り方を肌で感じて…五行に活かすんだ」

魔道士「…頑張ります!」

マジシャン「ま、しばらくは自然と触れ合って、一体になりなさいな」

魔道士「ちゃんと意味があったんですね!えへへ!」

マジシャン「そりゃモチロンよ!ただ遊んでるだけじゃ修行にならんからな!」

魔道士「そうですよね…っ!ふふっ!」

マジシャン「さぁ、この調子で夜まで自然と戯れなさい!ハッハ」
231 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 18:11:23.68 ID:iZPyroko
〜南東国、東の街〜

戦士「これでよし…っと」

ゴソゴソ…グイッ

戦士「結構重いな…。買いすぎたか?」

戦士は再び、南の山へと向う。

テクテクテク

戦士「さぁて…。暗くなってきたし、ちゃっちゃと登るかねぇ」

ガシッ…トンッ…グイッ

戦士「一度登ってるから多少は楽だな…」

ググッ…スタッ

戦士「そっか…ただ次の足場を確保してもダメなんだな…」

ググッ…ストッ…ググッ…

戦士「二手三手…いや、もっと先のルートまで見据えて登らないと…っ」

ググッ

戦士「途中で詰んじまう…。勉強になるぜ…ははっ!」
232 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 18:12:43.25 ID:iZPyroko


戦士「よいっしょお!!」

グイッ…ガシッ!!

戦士「着いたーっ!!」

男隊員「…おっ!?戻ったみてぇだぞ!おっそ…」

女隊員「おかえりッス!」

戦士「遅くなりましたぁ!すんませんっ!!」

隊長「……ったく。手間取りやがって」

戦士「…すんません」

男隊員「トマトジュースは?」

戦士「あ、これっす」

男隊員「おう!ご苦労!!」

隊長「…ま、初めてにしちゃ早い方か」

戦士「…はい?」

隊長「何でもねぇ……あん…?」
233 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/14(水) 18:16:34.43 ID:iZPyroko
ゴソッ

戦士「……」

隊長「てめぇ!誰が酒買ってこいって言ったぁ!?」

戦士「いや…だって任せるって……」

隊長「阿呆!んなモン屁理屈だ!」

男隊員「買っちまったのは仕方ない。飲みましょう!ヒャハハ!」

女隊員「隊長だって飲みたいんじゃないスかぁ?」

隊長「飲みたいに決まってんだろ!ほら、早く準備しろっ!」

戦士「…!?……はははっ!了解っす!」

隊長「…ったくよぉ」

男隊員「嬉しいくせに…」

隊長「……」

ゴスッ!!

男隊員「ぶふっ!!あぁ…!?トマトジュースウウゥゥ!!」

戦士「あはははっ!!」
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/14(水) 18:39:27.89 ID:iZPyroko
ふっかつー。すっかり忘れてましたwwでもお陰様でバッチリ睡眠取れました!
本日もご支援ありがとうございます!感謝感謝!
それでは、失礼致します!ノシ


あの…召喚三国志ってめっちゃやってみたいんですけど…
i-modeだけですかね…?AUは出来ませんか?
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 21:02:36.23 ID:Dwav6y.o
世界初の召還師はどうやって会得したんだろうな・・・
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 21:06:27.33 ID:MYwoKISO
>>1乙!
復活したと思ったら怒涛の更新…凄い!
応援してます。
特に盗賊を応援してます!
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 21:09:20.62 ID:eqTeJc2o
魔物を見る
   ↓
出せたらすごいな。やってみよう。
   ↓
破ァっ!
   ↓
寺生まれってすごい、改めてそう思った
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 21:31:52.46 ID:RhfaTuso
今日は2日分一気に読めるの?
やったー!
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 23:08:51.22 ID:LN/QTHw0
>>1

いつも楽しく読ませてもらってるが、
睡眠もしっかりとってくれ。
まだまだ先は長いわけだしなw
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 23:15:34.38 ID:joqidho0
1乙&おかえりー

>>235
たぶんそこが物語の核心じゃん?5行とか東方とか、からめての
241 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 00:16:33.07 ID:xqyb2hUo
〜北方、泉〜

テクテクテク

マジシャン「どうだ?何か変化はあったかい?」

魔道士「うぅん…まだよく分からないです…」

マジシャン「ま、初日だしな。ノンビリやっていこう」

魔道士「あ、、でも…以前より風を身近で感じるというか…」

マジシャン「……」

魔道士「こう…風が自分の身体を巡って、すぅっと抜けていく…というか…」

マジシャン「…ほぉ」

魔道士「ま、まださっぱりですけどね…!えへへ…っ」

マジシャン「とにかくこれを、毎日ここでずーっと繰り返す」

魔道士「はいっ。頑張ります!」

マジシャン「ちょーっと退屈かもしれないけど、我慢してな!」

魔道士「全然です!楽しいですよ、えへへっ!」

マジシャン「ハッハ!それならよし!修行も楽しくやらないとな!」
242 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 00:18:02.03 ID:xqyb2hUo


魔道士「出来ましたー!!」

マジシャン「おぉっ、美味そう!」

魔道士「簡単な料理ですが…」

マジシャン「ぜーんぜん!充分だよ!いっただきまーす!」

魔道士「どうぞっ」

マジシャン「……んーっ!美味いっ!生姜焼き?」

魔道士「はいっ!豚肉です!」

マジシャン「良い味付け。そうだ、これも自然の恵みだからな。大事に食べるんだぞ?」

魔道士「…あ、そうか。豚さんも…そうですよね」

マジシャン「そう。食べ物一つ取ったって、自然の摂理が働いてるわけだ」

魔道士「そうですよね…!忘れがちですけど…大切な事ですよね…」

マジシャン「そ。今日からはしっかり感謝しながら食べましょう!」

魔道士「はいっ!」

マジシャン「それにしても…美味いな…!」
243 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 00:18:44.13 ID:xqyb2hUo


魔道士「あの…マジシャンさん?」

マジシャン「んー?」

魔道士「ご飯食べ終えたのはいいんですが…あの……」

マジシャン「……?」

魔道士「お風呂は…どうしたら…」

マジシャン「あぁ、泉で……そうですよねぇ…見回りしてくるわ!」

魔道士「す、すみません…っ」

マジシャン「いーえっ。ハッハッハ!」

テクテクテク

マジシャン「さて…覗きたいのは山々だが、今のうちに済ませておくか…」

ザッ…タッタッタッタッタ

魔道士「お湯はないけど…身体が洗えるだけマシ…かな」

チャポッ

魔道士「ひあぁ…っ!冷たいぃーっ!!」
244 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 00:19:40.15 ID:xqyb2hUo
〜東方、山脈〜

影忍「……」

ザザッ…スタッ

影忍「……問題なさそうだな」

盗賊「……」

ザッザッザ…ドサッ

影忍「今夜はここで野宿を致そう」

盗賊「……うん」

影忍「…薪を集めてきてくれ」

盗賊「…ん」

タタッ

盗賊(何だか…思い出すなぁ……)

タタッ…シュバッ

盗賊(小さい頃も、兄様とこうして…野宿したっけ…)

盗賊は薪を集め、再び影忍の待つ森の一角へと戻る。
245 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 00:20:21.80 ID:xqyb2hUo
パチパチッ…バチッ

影忍「…どうした?食わんのか?」

盗賊「…あの、兄様…は?」

影忍「死人だぞ?食事など取ると思うか?」

盗賊「……そ、そっか」

ゴソッ

影忍「……何だ、それは?」

盗賊「…え?……かりんとう」

影忍「見れば分かる。何でそんな物を…」

盗賊「…買った…から」

影忍「…まさか、食糧を…?なんというたわけか…」

盗賊「…だって……兄様の好物だった…から」

影忍「……」

盗賊「…ごめん…なさい」

影忍「い、いや…。早よう…食せ」
246 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 00:21:17.15 ID:xqyb2hUo
ポリポリポリッ

盗賊「……」

影忍「……」

ポリポリ…

影忍「…腹…膨れるか?」

盗賊「…う、うん…っ」

影忍「……そうか」

盗賊「…あ、あの…これもあるし」

ガサッ

影忍「何だそれは…?」

盗賊「……きなこ餅」

影忍「……」

盗賊「……モグモグ」

影忍「…固く…ないのか?」

盗賊「……固い」
247 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 00:22:13.08 ID:xqyb2hUo
メラメラッ…パチッ

影忍「……」

盗賊「……」

影忍「仮眠を取っておけ。明日は一気にこの山脈を越える」

盗賊「…う、うん」

影忍「……」

盗賊「…じゃあ…おやすみ…なさい」

盗賊は端の木に寄りかかり、目を瞑る。

テクテクテク…ゴソッ

盗賊「……」

……――

盗賊兄「いいか?身体を垂直にして…投げる」

盗賊「う、うんっ!!」

盗賊兄「違う違う、もっとまっすぐ。でないクナイがときちんと飛ばないぞ?」

盗賊「……えいっ!!」
248 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 00:23:07.27 ID:xqyb2hUo
盗賊兄「あーあ」

盗賊「……ごめんなさぁい」

盗賊兄「だから言ったであろう?」

盗賊「うぅ…」

盗賊兄「身体を垂直にして…投げる!」

盗賊「投げるっ!あ…出来た!!」

盗賊兄「な?やれば出来るではないか!」

盗賊「兄様の言った事、守ったら出来た!兄様やっぱり凄いっ!」

盗賊兄「盗賊、お前は女子だ。しかし才能がある」

盗賊「うんっ!」

盗賊兄「この先の道は、自分自身で決めるのだ」

盗賊「うんっ!」

盗賊兄「父上や叔父上達の申す事は気にするな。己の道を行け」

盗賊「私は…兄様のような、立派な忍になりたいっ!」

盗賊兄「ん……いい子だ」
249 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 00:23:44.27 ID:xqyb2hUo
――……

盗賊「……ん」

ガバッ!!

盗賊「……!?」

影忍「…どうした?」

盗賊「…あ、いや…っ」

影忍「……」

盗賊「…あ、あの」

影忍「……?」

盗賊「兄様は…どうして……」

影忍「……」

盗賊「……どうして……亡くなったの…ですか?」

影忍「…知らぬ。俺は所詮…影。お前の言う兄様という男の事は何も知らぬ」

盗賊「……そう」

盗賊は影忍から目を逸らすようにやや俯き、しばし静寂の刻が流れる。
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/15(木) 00:34:30.00 ID:xqyb2hUo
それではこの辺にて…ご支援ありがとうございました〜
それでは、おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

召喚士「料理は…師匠に鍛えられましたから…」

戦士「料理?まぁ、米炊いて…野菜炒めくらいなら…」

皇太子「そうそう!豪快に切って炒めて、塩コショウ振って盛りつければおk!!」

エリート「殿下…。…え?私ですか?まぁ…人並みですかね…」

青年兵「いや、エリート様は凄腕ですよ!僕ですか?これから…頑張ります!」

大軍師「カレーですか?ふふふ…もちろん香辛料集めから始めますよ…ふふふ…」

マジシャン「TKGで充分!!ハッハ!!」

バーテン「ひでぇ…。俺?まぁ…一応店やってるくらいだし…」

サモナー「多分バーテンさんがトップですね。僕は自炊程度なら…マーメイドは作れませんし…ははっ」

剣士「うーん…。弓使いの手伝いぐらいかな?この前なんて二人でオムライス作ってさ…それで弓使(ry」

天才「メシ?………外食!!」

魔法剣士「……同じく」

眼鏡「え?ドッグフードくらい、ちゃんとあげられるよ?」
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 00:46:15.92 ID:tAuOV62o
乙!
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 00:56:32.45 ID:2O8ygkDO
大量更新乙でござる
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 01:04:06.43 ID:gttgwsSO

それにしても女隊員はあれだけ
クソアマ呼ばわりされてるのにスルーとは

言われ慣れてるのだろうか…
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 01:31:49.31 ID:9hhNNoAO
>>1

おまけの天才め…金のあるやつはやっぱり違うぜ!!!


てか、魔道士ちゃんの泉での入浴シーンて…
やっぱり彼女は俺の心のマーメイドだ天使だ
俺のキカンボーもいつもに増して力強く天を仰いでいる
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/15(木) 01:55:18.12 ID:7jMYtxQo
きめえ
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 07:07:05.92 ID:4Z6lGkSO
>>254

てめぇやっぱり王子だろ
257 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:21:18.91 ID:nS.1fnco
盗賊「……あの」

影忍「……」

盗賊「じゃあ何故…兄様の身体を……?」

影忍「…さぁ。気がつけばこのような状態であった」

盗賊「……」

影忍「お前の兄が死んだ事は間違いない」

盗賊「……」

影忍「その後で反魂の禁呪を施されたのであろう」

盗賊「……っ」

影忍「お前の言う、兄の思念体…それがおそらくは俺だ」

盗賊「……え、えっと」

影忍「もういいだろう。これ以上深入りするな」

盗賊「……」

影忍「この先もだ。足手纏いと判断すれば、すぐに切るぞ」

盗賊「……うん」
258 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:21:51.15 ID:nS.1fnco
〜北方、泉〜

魔道士「おかえりなさいっ」

マジシャン「うーい。済んだか?」

魔道士「はいっ。すみません…気を遣わせてしまって…」

マジシャン「いいのいいの。レディには優しくしないとね。ハッハ!」

魔道士「…ふふっ」

マジシャン「とりあえず、しばらくは今日と同じでいく」

魔道士「はいっ!」

マジシャン「一週間を目処に様子見て、次のメニューを考えるから」

魔道士「はいっ!頑張りますっ!」

マジシャン「たまーにいなくなるけど、ま…気にせず続けてて」

魔道士「…?……はい」

マジシャン「魔物も出ないし、危険はないから安心してくれ」

魔道士「何か…任務ですか?」

マジシャン「…んーまぁな」
259 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:22:23.18 ID:nS.1fnco
魔道士「実は…私達も国軍付になったんですよ」

マジシャン「そうなのか!?」

魔道士「はいっ」

マジシャン「……難儀なモンだな」

魔道士「え…っ?」

マジシャン「いやいや、何でもない。ま…そういうわけだから」

魔道士「はいっ!マジシャンさんも頑張って下さいね!」

マジシャン「はいはい。頑張っちゃいますよー?ハッハ!」

魔道士「えへへっ!」

マジシャン「今日は休むとすっかね?寝袋なんかはあっちにあるから使ってくれ」

魔道士「はいっ。もう用意しておきました!…マジシャンさんの分も!」

マジシャン「?!……いやはや、気が利くねぇ!ハッハ!」

魔道士「修行して頂くんだから、当然ですっ」

マジシャン「偉いっ!……さぁて、寝ようか」

魔道士「はいっ。おやすみなさい!」
260 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:22:59.57 ID:nS.1fnco
〜南東国、南の山〜

隊長「〜っかぁ!!うめぇ!!」

男隊員「結局…一番飲んでるし…」

女隊員「飲みすぎはよくないッスよ?」

隊長「お前らも充分飲んでるだろうが」

戦士「…まぁ」

隊長「明日寝坊すんなよ?あ、そうだ…」

戦士「…?」

隊長「明日は寝坊した奴が買い出しな!せいぜい頑張れよ!」

女隊員「うえぇ…。今日はこの辺にしておくッス…」

戦士「…お、俺も」

男隊員「余裕余裕!隊長こそ自爆すんなよ?ヒャハハ!」

隊長「阿呆か。俺が寝坊する事あっか?自分にお心配してろ」

女隊員「もう寝ようかな…?自信なくなってきたッス…」

戦士「まぁ修行になるし…最悪諦めるか…」
261 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:23:26.12 ID:nS.1fnco
〜次の日〜

戦士「……ふんっ!」

テクテクテク

男隊員「朝っぱらから剣振って…。元気だなぁ…」

戦士「おはようっす!」

男隊員「寝坊は免れたみたいだな!ヒャハハ!」

テクテクテク

女隊員「あ、おはようッス」

男隊員「おう。あれ…?隊長は…?」

戦士「さぁ?…見てないけど…」



隊長「ぐおぉーっ……があぁー……」

男隊員「……どうする?コレ?」

女隊員「馬鹿ッス。思いっきり自爆してるッス」

戦士「……」
262 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:23:56.43 ID:nS.1fnco
ゲシッ

男隊員「おらっ、起きろ!!」

隊長「ん…んー……っ」

女隊員「隊長ー。思いっきり寝坊ッスよぉ」

ガバッ

隊長「……!?」

戦士「……おはようございます」

隊長「…な、何だ。まだこんな時間か」

男隊員「おいおい…。しらばっくれてんじゃないですよ?お?」

隊長「……いやいや!何時に起きるとか言ってねーし」

女隊員「往生際悪いッスね…」

男隊員「さっさと買い出し行って来い!この野郎っ!」

隊長「てんめぇ…隊長に向かって何だ、その口の利き方は!」

男隊員「つべこべ言ってんじゃないですよ!このネボスケ野郎様!」

戦士「……はは…っ」
263 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:24:39.93 ID:nS.1fnco


隊長「……サボんなよ?」

男隊員「はよ行け」

女隊員「お気をつけてッス!」

隊長「……ちっ」

隊長は大袋を担ぎ、崖を飛び降りる。

戦士「…!?」

タンッ…ヒュッ……スタッ…タンッ

戦士「は、はえぇ…っ!」

男隊員「ちょっとしたコツを掴めば、誰でも出来るって」

女隊員「高いと思うから恐怖心が沸くッス。平常心ッス」

戦士「簡単に言ってくれるぜ…」

テクテクテク

男隊員「さぁて…一眠りするかな」

戦士「……?」
264 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:25:06.14 ID:nS.1fnco
男隊員「夜更かししちまったからな…ふあぁ。ちょっくら仮眠取るわ」

女隊員「寝てないんスか?」

男隊員「買い出し行くくらいなら夜通し起きてたほうがマシよ。ヒャハハ」

戦士「…ずるい」

男隊員「ま、隊長が自爆ったのはラッキーだったけどな。ヒャハッ!」

テクテクテク

男隊員「二人で適当に稽古してな。んじゃ、おやすみ〜」

男隊員は岩に寄りかかり、寝始める。

戦士「…うーん」

女隊員「それじゃあ二人で、昨日のやつでもやるッスか」」

戦士「うっす!お願いします!」

女隊員「合図は平等に交代で出すッス」

戦士「了解っ!」

女隊員「今日も負けないッスよぉ?」

戦士「今日こそは一本取ってやる…!」
265 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:25:32.02 ID:nS.1fnco
〜南方、南の山〜

召喚士「おはようございますっ」

青年兵「おはようございます!」

青龍先生「二人して早いのう…」

召喚士「なんだか…あまり眠れなくて……」

青龍先生「初日からそんなに気張ると、息切れしてしまうぞい?」

青年兵「分かってはいるんですが…」

青龍先生「まぁよい。では…昨日のおさらいじゃ」

召喚士「はい」

青龍先生「まずは早朝…何をするかの?」

青年兵「二人で立ち、精神を研ぎ澄ます…瞑想ですか?」

青龍先生「そうじゃ。その後に…?」

召喚士「基本精霊同士での組み手を…」

青龍先生「うむ。して…?」

青年兵「午後は先生のご講義を…」
266 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:25:58.04 ID:nS.1fnco
青龍先生「…左様。しばらくはこのメニューでいくからの」

召喚士「分かりました」

青龍先生「余裕が出てきたら、夕食後にもめにゅーを加えるぞい」

青年兵「はいっ。お願いします!」

青龍先生「ひょっひょ!熱心な事よ。さて…では始めるとするか」

召喚士「青年兵くん」

青年兵「はいっ、早速始めましょう」

テクテクテク…ザッ

召喚士「……」

青年兵「……」

青龍先生「心を落ち着かせて…己の魔力の流れを感じるのじゃ」

召喚士「……」

青年兵「……」

青龍先生「…全く。可愛げのないくらい優秀な奴らじゃの。ひょっひょっひょ!」

集中して立ち続ける二人を見て、青龍先生は小声で呟いた。
267 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:26:25.40 ID:nS.1fnco
〜北方、山脈〜

ジャリッ

影忍「…準備は終えたか?」

盗賊「…うん」

影忍「では行くぞ。今日のうちに北の城へと向かう」

盗賊「…北の城?」

影忍「ああ。お前も覚えにあるだろう?」

盗賊「……」

影忍「安心しろ。今や魔物はおらぬ」

盗賊「…そう」

影忍「では……」

盗賊「…あの」

影忍「……?」

盗賊「…北の城に…何が?」

影忍「…北の城自体に意味は無い」
268 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:26:52.77 ID:nS.1fnco
盗賊「…?」

影忍「……龍脈」

盗賊「…へ…っ?」

影忍「龍脈。知っておるか?」

盗賊「い、いや…っ」

影忍「なんだ、知らんのか」

盗賊「…ご、ごめんなさい」

影忍「龍脈とは接点と接点を繋ぐ線…」

盗賊「……」

影忍「接点…。それ即ち……魔王也」

盗賊「――っ!!」

影忍「接点が結ばれれば、魔王の力は強大なものとなる…」

盗賊「……っ」

影忍「しかしだ、龍脈を断ち切る事が出来れば…」

盗賊「魔王の力は……弱くなる…!?」
269 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:27:18.59 ID:nS.1fnco
影忍「……そういう事だ」

盗賊「……そんな…事が…」

影忍「中でも、この東方は少々厄介でな…」

盗賊「……?」

影忍「国土がそのまま龍脈となっておる」

盗賊「!?」

影忍「北から南へ…竜脈が走っているのだ」

盗賊「つ…つまり…?」

影忍「分からんか?東方はな、南北を魔王に挟まれ、常に危険にさらされていたのだ」

盗賊「な…なるほど…っ」

ピタッ

盗賊「さらされて…いた…?」

影忍「かつてはな…。今は違う」

盗賊「…どういう…事?」

影忍「……」
270 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:27:56.52 ID:nS.1fnco
影忍は立ち止まり、懐より地図を広げる。

影忍「いいか?当方の国土を走る龍脈は…そのまま南へ抜け…」

トントンッ

影忍「どこだ?」

盗賊「…な、南東国…っ!!」

影忍「左様。更に龍脈は南東国を抜け……」

ススーッ

影忍「南の果て…。ここに魔王がいた」

盗賊「…今は…いないの?」

影忍「魔王の名はパズズ。最南の果てにて50年程前に打ち倒された」

盗賊「っ!!」

影忍「彼らは魔王をとてつもなく大きな結界石に封じ込めた」

盗賊「……」

影忍「倒した、と言っても…消滅したわけではない」

盗賊「…うん」
271 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:28:26.99 ID:nS.1fnco
影忍「魔王のコア…魂のようなものを封じたのだ」

盗賊「…なる…ほど」

影忍「更にそれを…数年かけて、あの地へと移動させた」

盗賊「……ま…さか」

影忍「お前が遺跡と呼んでいた所。あれがパズズの封印場所だ」

盗賊「…そんな…経緯が…!」

影忍「勿論、国民に知られれば大問題となる。表向きは築城として処理された」

盗賊「……!?」

影忍「お前も見たであろう?…城の残骸を」

盗賊「あれはっ…つまり……」

影忍「結界石を地中に埋めた後、その上に城を築いた」

盗賊「……」

影忍「そこまでは良かったが、当然魔物とて奪還を試みる」

盗賊「…うん」

影忍「城はあっと言う間に陥落し、人間も魔物も多大な被害であったそうだ」
272 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:29:01.20 ID:nS.1fnco
盗賊「……」

影忍「やむなく本国の連中は、城ごと覆い隠し、今の状態というわけだ」

盗賊「…そうだったんだ」

影忍「まぁ真実は迷信へと摩り替えられ、今や夢中なのは邪教の連中くらいだがな」

盗賊「……邪教って…まさか…っ」

影忍「城の上にあったであろう?あれは邪教徒が作り上げた祠や祭壇だ」

盗賊「……」

影忍「城が陥落し、今のような山の状態となった後に作り上げられたのだろう」

盗賊「…だから…城の上に」

影忍「そういう事だ」

盗賊「邪教徒は…魔王を崇拝しているの…?」

影忍「そこまでは知らぬ。だが、魔王よりなのは間違いない」

盗賊「そう…か……」

影忍「魔王こそが神だと考えるもの…。魔王こそが破壊と想像の主だと信ずる者…」

盗賊「……」
273 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:29:35.83 ID:nS.1fnco
影忍「そして、魔王に取り入り永遠の命を願うもの…」

盗賊「……」

影忍「そういう輩が魔物と通じ、こちらの手の内を明かしているのさ」

盗賊「…内通者」

影忍「…多少は分かってであろう?龍脈の事」

盗賊「う、うん…っ」

影忍「パズズは依然、動きはない。問題は……」

盗賊「…北?」

影忍「……その通りだ」

盗賊「兄さ…あ、貴方は龍脈を断ち切る為に…?」

影忍「俺一人の力ではどうしようもないさ。だが、出来るだけの事はする」

盗賊「……」

影忍「目指すは北の地だ。その為にまず…北の城を目指す」

盗賊「…うん」

盗賊は力強く頷き、走り出す影忍の後を懸命に追った。
274 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:30:27.09 ID:nS.1fnco
〜国軍本部〜

コンコン

司令官「…んー」

秘書官「大軍師様がお見えです」

司令官「どうぞ」

カチャッ

大軍師「失礼致します」

司令官「…ん」

大軍師「此度はどちらへ…?」

司令官「別にいいじゃないの。それで…?」

大軍師「三日月島の件……」

司令官「書類には全てサインしたよ。持って行って」

大軍師「はっ」

司令官「特殊遊撃が一人やられたんだって?」

大軍師「…実際は内通者のようで、隊長が始末致しました」
275 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:30:53.99 ID:nS.1fnco
司令官「…ふぅん。聞き出せなかったの?」

大軍師「みたいですね…。もしくは口封じかも…ふふっ」

司令官「物騒な事言うと、君も危ないよ?」

大軍師「これは失言でした…。ふふふっ」

司令官「補充要員…用意してあるから」

大軍師「ほう?」

司令官「まぁ…なかなか使えるみたいだよ。隊長は?」

大軍師「しばらく休暇を取っておられます」

司令官「……そう。それは残念」

大軍師「それと、もう一つ…」

司令官「んー?」

大軍師「本国にて、左大臣がお戻りとか…」

司令官「……」

大軍師「各地の視察を終え、昨晩戻られたそうです」

司令官「…このタイミングで…どうなのかねぇ」
276 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:31:38.02 ID:nS.1fnco
大軍師「左の連中は共和制思想ですからね。一悶着ありそうですよ」

司令官「国王が病に伏せ、右大臣も保守派だしねぇ」

大軍師「それぞれの二世が、いかに頑張れるか…ですかね」

司令官「手伝ってあげれば?」

大軍師「私が…ですか?」

司令官「左の連中に好き勝手やられると、国軍も無くなっちゃうよ?」

大軍師「予算案も迫ってますしね…」

司令官「これ以上軍事予算を削られたら…国軍もいよいよ終わりかな」

大軍師「…司令もお人が悪い」

司令官「…そうかな?」

大軍師「畏まりました。この大軍師…殿下のお力になって参ります」

司令官「君の口に、この世界の命運が掛かっているよ」

大軍師「命運は掛けて頂いて結構ですが、プレッシャーは掛けないで下さいませ」

司令官「…それもそうだね。はーっはっは」

大軍師「早速、手筈を整えて参ります」
277 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:32:17.23 ID:nS.1fnco
〜本国、宮殿〜

エリート「……」

皇太子「……」

エリート「…どう…なさるのですか?」

皇太子「…どう…しようかね」

エリート「そんな悠長な…っ」

皇太子「そうカリカリしても仕方あるまい…」

エリート「それはそうですが…」

皇太子「左の連中とやりあうのは今に始まった事ではないだろう?」

エリート「……」

皇太子「今までは国王や君のお父上が行ってきた事だ」

エリート「あの…殿下……」

皇太子「……?」

エリート「その…左大臣一派が…魔物と通じているなどという事は…」

皇太子「…滅多な事を口にするものではない」
278 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:33:15.69 ID:nS.1fnco
エリート「しかし…っ、あの連中は特権を持ち…各地を視察など…」

皇太子「実態は疑わしいと言いたいのかな?」

エリート「……」

皇太子「確かに彼らは廃位と国軍の解体を理想に掲げている…」

エリート「なれば…っ」

皇太子「しかしだ、それはこの国を思っての事…」

エリート「……っ」

皇太子「力に力で対抗しても何も生まれない…という彼らの思想の上で、だ」

エリート「そんなものは戦場に出た事のない者が述べる机上の空論ですよ!」

皇太子「そうだ。その通りだが…そういう切り口もある、という事だ」

エリート「……っ!」

皇太子「とにかくだ。左大臣の帰還は来年度の予算案だろう」

エリート「…当然です」

皇太子「彼らの思想は二の次。抑えるべきは軍事予算、そして研究予算だ」

エリート「……どうします?」
279 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:33:49.97 ID:nS.1fnco
皇太子「君のお父上に仕えている、右の連中をありったけ招集してくれ」

エリート「…畏まりました」

皇太子「まずは数だ。人数で押されては元も子もない…」

エリート「早速…手配致します」

皇太子「……」

エリート「…殿下?」

皇太子「…この国の行く末が…見えてきたかな」

エリート「……?」

皇太子「その為には…魔王討伐を成し遂げねばならない…か」

エリート「…魔王を倒すには、力が必要です」

皇太子「君の言う通りだ。来年度からは国軍にも今以上に力を入れて貰う」

エリート「目標は…?」

皇太子「予算倍増…。難しいかな…はっはっは!」

エリート「……」

大声で笑い飛ばす皇太子を、エリートは呆れ顔で見つめた。
280 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:34:18.02 ID:nS.1fnco
〜南東国、南の山〜

バキィンッ!!

女隊員「……参ったッス…!」

戦士「…勝ったぁ!!」

女隊員「ついに負けてしまったッスね」

戦士「そうは言っても、1勝26敗ですけどね…」

男隊員「…むにゃむにゃ……」

女隊員「よーし、もう一丁いくッスよぉ?」

戦士「うっす!!」

〜南東国、東の街〜

隊長「……」

テクテクテク

町人「昨晩も出たらしいぜ?」

店員「本当かよ!?」

町人「分かれ道付近で見たって奴が多数いるんだよっ」
281 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:36:17.72 ID:nS.1fnco
店員「ふぅん…。夜は出歩かない方がいいかもなぁ…」

隊長「……?」

テクテクテク

隊長「おい、これくれ」

店員「あい、らっしゃい!毎度ーっ!!」

ゴソゴソッ

店員「はいお待たせっ。……はい、丁度だね!ありがとよっ!」

隊長「……さて、と」

食料を大袋へと詰め込み、隊長は再び南の山へと戻る。

テクテクテク

隊長「よいっしょ」

ググッ…タンッ…タンッ…タタンッ

隊長「…ちゃんとやってんだろうな、アイツら」

隊長は物凄い勢いで、崖をするするとよじ登っていく。

その姿は猿か獣のように、岩や崖を飛び交い、あっと言う間に頂上付近へ迫る。
282 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:37:03.60 ID:nS.1fnco


男隊員「……!?」

ガバッ

女隊員「どうしたッスか?急に座禅なんか組んで…」

男隊員「話しかけるな」

戦士「…?」

グイッ……スタッ

隊長「いよぉ、ちゃんとやってっかぁ?」

女隊員「隊長!おかえりなさいッス!」

戦士「え…?も、もう行ってきたんですかい?」

隊長「ああ。ほらよっ」

ドサッ

戦士「早すぎんだろ……マジかよ…っ」

隊長「あん…?何だ?座禅なんか組んじまって……」

男隊員「…雑念を取り払い…何事にも…集中力が肝心」
283 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/15(木) 18:38:55.89 ID:nS.1fnco
隊長「…ふぅん。ま、そりゃそうだが。……変な奴」

戦士(……恐るべし)

隊長「今日の修行も昨日と一緒。前半は居合いをひたすら続ける」

女隊員「さっき、ついに負けちゃったッスよ」

隊長「ほぉ…!」

戦士「いや・・・30回程度のうちの…1回きりですけど…」

隊長「上等じゃねぇの?国軍の特殊遊撃が相手だぞ?」

戦士「…まぁ…そうですけど」

隊長「これでこいつら二人のしちまったわけだ…!大したもんだわ」

ピクッ

男隊員「…あのなぁ、操られてなきゃお前なんかに…」

隊長「おいおい、雑念だらけだぞ?」

男隊員「!?…ぐっ……むぅ…っ」

隊長「さぁて、腹ごしらえして…さっさと修行始めるぞ!」

戦士「おっす!!」
284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/15(木) 18:43:22.41 ID:nS.1fnco
広げた風呂敷に綻びが出ないよう頑張ります…
それでは失礼致します!ありがとうございました!ノシ
285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 19:27:44.30 ID:8w9HScDO
乙乙!

修行パートはいいなあ
wwktkが止まらないww
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/15(木) 19:43:47.17 ID:zjrGFIDO
うおお!ビックリした
何ヵ月ぶりだろ、ひっさびさに追い付いたぜ
>>1乙!今回の修業ヘンはいつにもまして面白いぜ
特殊遊撃隊が最高すぎる
職業的なものがいまいちわからんけど勇者タイプの集まりって感じだろうか
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 20:02:51.97 ID:eQgq0Jco
最近やっと女隊員の可愛さが分かってきたよ
なんで分からなかったんだよ…俺…
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/15(木) 20:11:44.50 ID:lgeve6AO
おい、この中に何人も絵師いるんだろ?




女隊員お願いします!!!
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 20:18:05.58 ID:iFyd/pM0
>>288
ほい
http://beebee2see.appspot.com/i/agpiZWViZWUyc2VlchULEgxJbWFnZUFuZFRleHQY68rDAQw.jpg
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 20:19:09.09 ID:jFW18FYo
保存した

専ブラだから踏むこと無いけど
291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/15(木) 20:34:25.66 ID:lgeve6AO
>>289
保存した!!
早過ぎるもんねーそうですよねー
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 20:36:02.84 ID:eQgq0Jco
>>289
保存した!
やっちまったぜ…
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 20:55:51.78 ID:BOXjQXo0
>>289

保存した!
最近、気がゆるんでたぜ
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 22:34:22.86 ID:6yLSo1k0
こうゆう事は向こうでやろうぜ
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 23:04:37.15 ID:Ig4w1mQ0
蝉の鳴き声が聞こえなくても自治ってるのが沸いたら夏を実感できる
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 23:07:10.19 ID:b9Vk3Jw0
男隊員すげえww

>>289
保存した!
久しぶりだな
297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/16(金) 00:14:05.90 ID:mFfttcSO
保存した

お兄様…
298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/16(金) 00:54:10.29 ID:jEAHjMAO
え、なに?見ていいの?
ブラクラだったら泣いちゃうよ?いいの?
299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/16(金) 01:05:55.24 ID:qRng0b2o
どーぞどーぞ
300 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:00:46.25 ID:Da0ld8Eo
数刻の後、紅くそまった夕焼けの光が、盗賊の身体を照らし包む。

鴉の鳴き声の中、盗賊と影忍の二人は、北の城へと辿り着いた。

〜東方、北の城〜

ザッザッザ

影忍「かつては難攻不落と謳われた堅城も、無残なものだ」

盗賊「……」

影忍「お前も知っているように、先の戦いにてこの城は機能を失った…」

盗賊「…うん」

影忍「それと同時に、付近の魔物の気配も消え、一見平和に見える」

盗賊「…違うの?」

影忍「実際は更に北の地へ落ち延び、再起を図っているのであろう」

盗賊「そういえば…老中が…っ」

影忍「老中、北の大名…そして影。彼奴らが魔物と結託しておった張本人だ」

盗賊「……」

影忍「この地だけではなく、パズズの復活にも心血注いでおったようだしな」
301 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:01:20.85 ID:Da0ld8Eo
盗賊「……そうか!」

影忍「……」

盗賊「…あの地の調査を依頼した…東方の奴らって」

影忍「…おそらくそうであろう」

盗賊「……っ」

影忍「別に利用されたわけではない。気に病む事もあるまい」

盗賊「……」

影忍「ん…?そうか。それでお前らはあの城に潜っていたわけか…」

盗賊「…うん」

影忍「……あの地にいた…ネクロマンサーなる者」

盗賊「…!?」

影忍「奴には気を付けろ」

盗賊「…え…っ?」

影忍「他の魔物と違い、何か企んでおる…。魔王復活だけではない何かを…」

盗賊「……」
302 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:02:15.20 ID:Da0ld8Eo
影忍「それに……いや、上へ上がるぞ」

盗賊「…?……うん」

〜北の城、本丸〜

ザッザッザ…ザッ

影忍「……」

盗賊「……」

二人の前には、半壊した本丸の景色が広がる。

その中央部、句の刻まれた岩と、黄色く染まった菊の花が添えられている。

盗賊「――っ!!」

影忍「拝んだらどうだ?かつての同胞であろう?」

盗賊は頷き、岩の前にしゃがみこみ、両手を合わせ黙祷する。

盗賊「…………」

スッ

影忍「……良いか?」

盗賊「…うん」
303 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:03:14.55 ID:Da0ld8Eo
影忍「菊もまだ新しい。何者かが手入れを施しているようだな」

盗賊「……うん」



影忍「今宵はここで寝泊りし、日の出とともに最北へ向かう」

盗賊「…うん」

影忍「これより北は、更に寒さも厳しくなる。身支度を整えておけ」

盗賊「…分かった」

影忍「…万が一に備え、お前は上の天守で寝ろ」

盗賊「…?」

影忍「俺はここで休む。良いな?」

盗賊「う、うん……」

影忍「……食事は…他に何かないのか?」

盗賊「…え、えっと…っ」

ゴソゴソッ

盗賊「…こ、これっ」

影忍「何だ。米があるではないか」

盗賊「…あ、あのぉ」
304 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:04:08.27 ID:Da0ld8Eo


影忍「まさか自炊も出来ぬとは……」

影忍は米を研ぎながら、盗賊にぼやく。

盗賊「…ごめんなさい」

影忍「…さて」

器を薪木の上へ吊るし、影忍は印を結び始める。

盗賊「……!?」

影忍「言ったであろう?お前の兄の思念体だ。この程度は出来る」

シュイィンッ…ボウッ!!…メラメラッ

影忍「あとは…」

影忍は岩の前に立つと、両手を合わせ、菊を一本拝借する。

盗賊「…食べれるの?」

影忍「食べられる、だ。正しい言葉を使え」

盗賊「……ごめんなさい」

菊を千切り、器の中へ放る影忍へ、申し訳無さそうに盗賊が謝罪する。
305 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:04:35.84 ID:Da0ld8Eo
グツグツグツ…

影忍「…ふむ。もういいだろう」

ゴソゴソッ…パッパッ

盗賊「…それは?」

影忍「…塩だ。ほれ、食べよ」

盗賊「…ありがとう。いただきます」

パクッ…モグモグ

盗賊「……」

影忍「…どうだ?」

盗賊「…味が…しない」

影忍「仕方あるまい。暖かい物を食えるだけマシと思え」

盗賊「…うん…ありがとう」

影忍「……」

盗賊「ふーっ、ふーっ……モグモグ」

粥を食す盗賊を、影忍はただじっと見つめた。
306 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:05:06.33 ID:Da0ld8Eo


影忍「…どうした?」

盗賊「…何だか…眠く……っ」

影忍「疲れておるのだ。上で休め」

盗賊「…う、うん……ごめんなさい」

テクテクテク…

影忍「…ほれ、しっかりせぬか」

盗賊「…う……ん…」

影忍は肩を貸し、盗賊を天守へ誘導し、横にする。

盗賊「…すーっ…すー…っ……」

影忍「……」

ザッ

影忍「すまんな。盗賊…」

盗賊「…すーっ…すーっ…すーっ……」

盗賊の寝顔を見つめ、影忍はそのまま天守を後にした。
307 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:05:52.27 ID:Da0ld8Eo
〜南東国、南の山〜

バキィッ!!…ドシャアァッ

男隊員「ヒャハハ!俺の勝ち〜!!」

戦士「くっそぉ……」

隊長「悪かねぇが動きに無駄があるな。そこを徹底的に狙われてる」

男隊員「まぁ、本当にわずかな隙だけどな」

戦士「……」

隊長「…ま、ぶっ通しやり続けても身に付くモンでもねぇ。ゆっくりやっていこうや」

戦士「でも……」

隊長「動き足りないってか?そんなら別のモンで気持ちを切り替えようかね」

戦士「……?」

ゴソッ

隊長「これにすっか…」

戦士「……弓?」

隊長「そ。弓だ」
308 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:06:26.36 ID:Da0ld8Eo
戦士「弓なら親父に鍛えられたし…多少は…」

隊長「ほぉ、そいつは楽しみだな」

男隊員「んじゃ、先に戻ってまっせ」

戦士「でも、こう暗くっちゃ弓なんて…」

隊長「やるんだよ」

戦士「……はい?」

隊長「暗い中でやるんだっての」

戦士「……マジ…すか?」

隊長「よーく目を凝らしてみろ。いるだろ」

戦士「……鳥の一匹もいませんぜ?」

隊長「鳥なんているわけねーだろ…。よーく見てみろ」

戦士「……?」

隊長「ほら、そこに飛んでんじゃん。蛾とか…」

戦士「はぁ!?」

隊長「だからよぉ、そこらにいるだろ?蛾とか虫とか…」
309 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:07:38.03 ID:Da0ld8Eo
戦士「そんなもん当たるわけっ……」

隊長「当たったらどうする?」

隊長は真顔に戻り、弓を威勢良く引く。

ググッ……

戦士「え…っ!?ま、まさか……」

隊長「……」

ヒュオッ…

戦士「……っ!!」

隊長「ま、当たるわけねーか…。ブハハッ!!」

戦士「……」

隊長「当てる必要はねぇ。感覚だ、感覚」

戦士「感覚……」

隊長「暗闇の中…目が利く奴らは、コッチの動きをどう見て動いているのか…」

戦士「……」

隊長「捉える為にコッチはどう動けばいいのか…」
310 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:08:46.82 ID:Da0ld8Eo
戦士「……なるほど…!」

隊長「やってみ」

戦士「……」

ググッ……ヒュンッ!!

戦士「……」

隊長「闇雲に狙っても駄目だ。軌道を予測して狙え」

戦士「なるほど…」

隊長「ま、しばらく頑張ってみ」

戦士「うっす…」

隊長「…次はもっとギリギリまで絞って、軌道を予測して」

戦士「……射る…っ!」

ググッ…ギリギリッ……ヒュンッ!!

隊長「もう一丁!」

戦士「うっす!!」

戦士は再び弓を構え、矢をあてがい、飛来する小さな蛾を狙いすます。
311 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:09:21.22 ID:Da0ld8Eo


戦士「駄目だぁ…」

隊長「ま、しばらく頑張りな」

戦士「あの…隊長。矢がもうないんすけど…」

隊長「……拾い集めてリサイクルしろ」

戦士「えぇ!?この暗闇の中……」

隊長「それも修行だ。つべこべ言わず拾って来い!」

戦士「……うっす」

隊長「俺は先に戻ってるぞー。キリいいところでお前も上がれよ?」

戦士「ういーっす」

タッタッタッタッタ

戦士「くっそぉ…。暗くて……おっ、あったあった」

テクテクテク…スッ

戦士「ん…?あれは……東方か…」

崖の上からうっすら暗闇に浮かぶ東方の陸地。戦士はそれを無言で見つめた。
312 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:09:56.34 ID:Da0ld8Eo
〜東方、北の城〜

盗賊「……すーっ…すーっ」

ホーホーホー

盗賊「……ん…っ」

モゾッ……ガバッ!!

盗賊「……!?」

飛び置き目覚めた盗賊は、辺りをきょろきょろと見つめ、起き上がる。

盗賊「……」

テクテクテクテク…

盗賊「兄……えぇと影…さん?」

本丸へ降りた盗賊は静寂の城内を見渡す。

盗賊「……荷物が…ない…っ!?」

盗賊の目先には、自分の荷物だけ置かれ、影忍の荷物は消えている。

盗賊「……しまった…っ!!」

荷物を拾い上げ、盗賊は慌てて北の城を後にする。
313 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/16(金) 17:10:26.62 ID:Da0ld8Eo


タタタッ…タッタッタッタッタ

盗賊「…くそ…っ!!」

ガサッ…タタタッ

盗賊(ハナっから私を…あの城で置き去りにするつもりだったのか…!)

タタッ…ストッ……タッタッタッタ

盗賊(今思えば…食も摂らぬ者が、塩など持ち歩くはずもない…っ)

盗賊は木々を縫うように走り抜け、山を駆け下りる。

盗賊「最北…。とにかく進むしかない…っ!」

盗賊は自分に言い聞かせるように声を発する。

しばらく進むと、やがて山あいに小さな村が見え始める。

盗賊「…村?」

タンッ

盗賊(最北への道…分かるかもしれない…)

盗賊は方向を変え、小さな村へと突き進んだ。
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/16(金) 18:02:21.26 ID:HLhZp1oo
今まとめを最初から読んでる。
すげー面白い。
がんばれ>>1
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/16(金) 18:27:04.16 ID:Da0ld8Eo
本日もご支援ありがとうございます!

>>285-286
ありがとうございます!日常シーンは
波がないので本当にいいのか不安で不安で…力量不足ですね

>>287-288
女隊員がなぜか人気急上昇ッスね!何がいいんでスかね?
とりあえず出番あるうちに活躍させておきます!

>>289
保存した!

うわーん!!

>>314
ありがとうございます!頑張ります!
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/16(金) 18:36:14.88 ID:jEAHjMAO
塩かけて味がしないとか舌肥えすぎだろってつっこもうとした矢先の眠り薬

ねむりぐすりで グッスリ ってか?

ねむり"グスリ"で"グッスリ"ってか?


爆笑
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/16(金) 18:43:23.20 ID:2nwJ1UAO
>>316
この石像の笑い顔が面白すぎてつられ笑いしてまうわwwwwww
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/16(金) 22:01:14.98 ID:3R//KgDO
20部はまだまだ話の展開が読めないな。
wwktkだぜ!
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/16(金) 22:19:16.31 ID:U17iSmA0
>>318
プロローグが終わるまであと80部あるしな
320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/16(金) 23:20:53.67 ID:t8TZNAAO
>>319
ちげーよまだ予告の段階だろ
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 00:33:02.15 ID:ZRZQQCk0
言いたい事はわかるけど誇張しすぎてて逆に駄目になってる
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 01:48:05.77 ID:7s1kYuko
スキュラ
ttp://livedoor.blogimg.jp/nizimoero/imgs/d/a/dad38f15.jpg
323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 01:57:18.96 ID:4tXtwT60
今回の修行は盗賊だけ一歩以上出遅れてるな
今のところ、甘える事しかしていないな
そんなに甘えたいならお兄ちゃんの代わりになってあげても良いんだよ、と言いながら色んな事を教えてあげたい
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 02:04:07.00 ID:jaCcMPco
>>323
誰だこんなとこに手裏剣のカタマリ置いたのは
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 02:11:11.07 ID:HjkQBmo0
>>1乙ッス
修行編面白いッス
支援
>>324
今片づけるわ
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 03:25:29.66 ID:G/8/pgDO
>>1
俺も修業編楽しんでるぜ−!
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 04:04:32.74 ID:7s1kYuko
ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201007170401040005.jpg
328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 09:46:47.70 ID:m890BwAO
>>1

魔道士ちゃんと召還チームの修行が同じことしてるように見えるな

でも魔道士ちゃんは一体化する対象を間違えてないか?
俺は既に準備万端で、いつでも一体化OKなんだが…そろそろ気付いてくれないと風邪ひいちゃう
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 10:51:36.55 ID:JhHFEsSO
おーい腐った死体がいたから埋めといたぞ。

1乙♪
楽しんでるぜ〜
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 16:50:34.79 ID:qRDoXUgo
実際弓であてるのって結構むずかしいよな。アーチェリーは別として。
331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 16:56:23.68 ID:sj6qnQAO
弓の種類もいろいろあるしな
332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/17(土) 21:09:11.67 ID:jb5Fayg0
そうじ h
333 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:30:06.77 ID:XQVlyIgo
〜北の村〜

テクテクテク

盗賊「……」

閑散とした村の大通り。道端には時折、座りこんだ人影がちらつく。

老人「…………」

盗賊「……」

テクテクテク

子供「……」

子供はただ黙って、盗賊の目の前に手を突き出す。

盗賊「……?」

子供「……頂戴」

盗賊「…え…っ?」

子供「お菓子…頂戴…」

盗賊「…!?」

子供「……お菓子」
334 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:30:36.60 ID:XQVlyIgo
タッタッタッタッタ

母親「…す、すみません」

盗賊「……いえっ」 

母親「ほら、来なさい!……駄目でしょうに」

子供「……」

スタスタスタ

盗賊「……あ、あのっ」

母親「……?」

ゴソゴソッ

盗賊「…良かったら…これ」

パッ…ゴソゴソッ

子供「…わぁ、かりんとうだ」

盗賊「……」

子供「ありがとうっ!」

盗賊「……うん」
335 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:31:04.65 ID:XQVlyIgo
母親「す、すみません…。本当に…」

盗賊「…いえ」

母親と子供は深々と頭を下げ、その場を後にする。

盗賊「……」

老人「……すまんのう」

道端に座り込む老人が、盗賊へ声をかける。

老人「見ての通り、この村は餓えと苦しみに満ちておる…」

盗賊「……」

老人「全ては北の大名…そして、妖怪の仕業じゃ…」

盗賊「……」

老人「都の者らも…なーんもしてくれん……」

盗賊「…そん…な」

老人「お役人なんぞ、そんなものじゃよ…」

盗賊「……」

老人「考えておる事は…己の保身ばかりじゃ…」
336 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:31:32.83 ID:XQVlyIgo
盗賊「…でも…もう少し待って」

老人「……?」

盗賊「…この国は…もうすぐ、変わる…から」

老人「…そうだと…良いがのう…」

盗賊「…だから…頑張って…っ」

老人「そうじゃな…。頑張らないといかんなぁ」

盗賊「……」

老人「引き留めてしもうて、すまんのう…」

盗賊「…あ、あの」

老人「……?」

盗賊「…最北へ行きたいの…ですが」

老人「最北…?それまた奇特な……」

盗賊「……」

老人「ここより東の山を越え、谷沿いをずっと北へ向かいなさい」

盗賊「……!?」
337 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:32:16.87 ID:XQVlyIgo
老人「谷を真っ直ぐ進めば、そこが最北じゃ」

盗賊「…ありがとう」

老人「じゃが、気を付けるんじゃぞ?」

盗賊「……?」

老人「海を渡れば妖怪の棲み処じゃ……」

盗賊「…うん」

老人「何かあったら、灯台代わりである最北の砦に行くと良い」

盗賊「……」

老人「お役人もおるはずじゃて……」

盗賊「……分かった」

老人「すまんのう…」

盗賊「……?」

老人「かりんとうなんて…大層な物を頂いて…」

盗賊「…いえ、お気にせず」

盗賊は会釈し、北の村から東の山へと進んだ。
338 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:32:49.22 ID:XQVlyIgo


ザッザッザ

盗賊「……少し…冷えてきたか」

盗賊は防寒具代わりに長袖のシャツを着込み、山の峠を越える。

しばらく歩き続けると、谷間に流れる川が見え始める。

盗賊「……ここを…北に」

テクテクテク

盗賊(兄様……。最北の地には…何が…)

ふう、と一つ呼吸をし、日が落ち始める空を見上げる盗賊。

盗賊「…確かめなきゃ」

テクテクテク

盗賊(この国の……未来。平和な…世の為に)

テクテクテク

盗賊(私も…この国の人間として…。みんなの…為に)

やがて日は落ち、夜を迎える。
339 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 23:34:25.87 ID:7yIfHDQo
最北に居そうな魔物………なまはげ?
340 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:36:22.06 ID:XQVlyIgo
〜南方、南の山〜

テクテクテク

青年兵「今日もお疲れ様でした」

青年兵は手にした水を召喚士へ渡す。

召喚士「ありがとう」

青年兵「何…読んでるんですか?」

召喚士「これはね、師匠が残してくれた朱雀召喚獣に関する物だよ」

青年兵「……凄い…っ!こんな事まで…」

召喚士「実はこれで、コカトリスの隠された能力も見つけたんだ」

青年兵「…石化解除も可能なんですか…!?」

召喚士「…うん。そうみたいだね」

青年兵「コカトリスの嘴で…。なるほど…っ」

召喚士「毒や石化に関してはコカトシルはトップクラスの性能みたいなんだ」

青年兵「そうか…。それで免疫のような作用が…」

召喚士「そういう事になるかな」
341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 23:36:34.70 ID:qRDoXUgo
え・・・えっと・・・座敷わらし・・・・とか・・・
342 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:40:06.86 ID:XQVlyIgo
青年兵「ワイバーンにも、隠された力があるのかも……」

召喚士「可能性はあるね」

青年兵「でも…どうやって……」

テクテクテク

青龍先生「それはな、召喚獣に直接聞き出すのじゃよ」

召喚士「先生…」

青年兵「しかし、聞きだすと言っても……」

青龍先生「召喚獣の世界、それは存じておるか?」

召喚士「あ…っ、何度か行った事があります」

青龍先生「そうか。召喚獣の世界に行き、直接聞きだせば良いのじゃ」

青年兵「……」

青龍先生「お主が密かに、召喚獣と会話をしておるのは知っておるよ」

青年兵「…っ!?」

青龍先生「まぁ、今となっては良い…。良いのじゃ……」

青年兵「申し訳…ありません……」
343 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:43:59.38 ID:XQVlyIgo
召喚士「先生は何故、召喚獣との会話を禁じておられたのですか…?」

青龍先生「……」

青年兵「……」

青龍先生「一つは、情報漏えいを防ぐ為じゃ」

青年兵「……?」

青龍先生「今申しておった通り、召喚獣には隠された力を持つ者もおる…」

召喚士「そうか…っ!それを知られてしまうと…戦いに…」

青龍先生「魔物だけではない…。人間、つまりは他の召喚士に対しても…じゃ」

召喚士「人間…ですか…?」

青龍先生「ワーカーは構わぬ。しかし国軍の人間はそうもいかぬ…」

青年兵「……」

青龍先生「悪用されれば、国軍が把握しておる召喚獣を全て専属などされかねんしな…」

召喚士「た、確かに……」

青龍先生「他の流派に知られたくない、と言うのもあるな…」

青年兵「流派……」
344 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:48:24.16 ID:XQVlyIgo
青龍先生「存じておる通り、召喚士には幾つもの流派がある」

召喚士「……」

青龍先生「例えば朱雀先生…。お主は朱雀本家の流れを組む流派じゃ」

召喚士「分かるんですか……!?」

青龍先生「掛け声じゃよ」

召喚士「……あ…っ」

青龍先生「つまりは『行けっ』の合図で召喚士する流派がそういう事じゃ」

青年兵「僕らは『出でよ』ですから…」

青龍先生「うむ。国軍は、言ってみれば儂の流派じゃ」

召喚士「青龍先生の……!?」

青年兵「流派によって、違いが生じるのですか…?」

青龍先生「申した通り、同じ召喚獣でも使える力が変わってくるのじゃ」

召喚士「……」

青龍先生「召喚獣を会得する場合、視覚的なものと、想像的なもの…その二点が重要となる」

召喚士「…はい」
345 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 23:53:14.05 ID:7s1kYuko
コカトシル?
346 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 23:53:50.38 ID:UjOJ6ggo
なんと、行けっ!にも意味があったのか
347 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:55:08.20 ID:XQVlyIgo
青龍先生「その際に、当然把握しておる能力しか想像出来んわけじゃ」

青年兵「なるほど…!そこでいかに能力を把握しているかによって…」

召喚士「違いが生じるわけですね」

青龍先生「後から身に付けるのと最初から持っているのでは、初期能力に格段の差が出るからの…」

青年兵「そういう事だったんですね…」

召喚士「……他にも…理由があるんですよね?」

青龍先生「……」

青年兵「……先生」

青龍先生「もう一つは、同調召喚を防ぐ為じゃ」

召喚士「……!?」

青龍先生「もし召喚獣との会話から、知ってしまったら、お主らは使わずにいられたか…?」

青年兵「……分かりません。場合によっては、使っていたかも…しれません」

青龍先生「じゃろ…。儂は常に思っておる」

召喚士「……」

青龍先生「いかに魔王を討てる強力な力であっても…その身を犠牲にしてまで、為さねばならぬものなのかのう…」
348 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/17(土) 23:59:43.83 ID:XQVlyIgo
青年兵「先生……っ」

青龍先生「特に、お主らのような若い者が死ぬのは…悲しい事じゃ…」

召喚士「……」

青龍先生「ま、召喚獣の世界に行かぬ限り…知り得ぬ事もないじゃろうがの…ひょっひょ」

青年兵「……?」

青龍先生「何でもないわい。さて…お主らも思った以上によくやっておる…」

召喚士「……」

青龍先生「飽きたりはしとらんか?」

召喚士「まさか…。楽しくて仕方ありませんよ」

青年兵「ええ…。久々に基礎からやらせて頂いて…身が引き締まります!」

青龍先生「ひょっひょっひょ!それではあと三日程度、今までの修行を繰り返すかの…」

召喚士「三日…ですか?」

青龍先生「うむ。そこからは内容を変え、実践メインへと移行しよう」

青年兵「……頑張ります!!」

青龍先生「ひょっひょっひょ!」
349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 00:09:17.49 ID:kzsIBUk0
10年以上旅を続ける彼も同じ流派なんだろうか
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/18(日) 00:13:37.00 ID:MCq8QG.o
こんばんは!修行編不評じゃなくて良かったです!ありがとうございます!
連休中はちょこちょこ進めますので、後でまとめ読みして頂ければ…すみません…

>>318-320
んん…?

>>345
ひゃああ!ごめんなさい!><

>>346
実はあったのです!色々と見てみて下さい!
更に言うと…ドMとドSの流派も……
351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 00:22:08.07 ID:wvOXZaYo
>>1乙ー

召喚獣関連の話が出たら、ちょっと前までなら白虎先生が思い出されたが…
今では>>349を見るまで思い出せないでいた…
他に名前だけ出てるキャラって言ったら、ジュニアか…
早く出て欲しい…本当にwktkするぜ
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 00:43:56.42 ID:cH26grc0
>>351

ジュニアはウザいのが湧く禁句
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 01:11:28.88 ID:0JbXh2wo
ジュニアがジュウザに見えた
354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 01:40:02.39 ID:6KFJc760
名前すらでてないけど、白虎娘。玄武娘、朱雀嬢ときたら、青龍少女くらいでてきてほしいな
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 01:52:50.48 ID:pKjtLXs0
コカトリスの出す石化・毒成分がコカトシルということにすれば解決
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/18(日) 02:00:23.86 ID:MCq8QG.o
〜オマケ>>339

盗賊「……うぅ」

テクテクテク

盗賊「…この村…魔物が出そう…っ」

ガバッ

なまはげ「悪い子はいねがー?」

盗賊「きゃああぁぁ!!」


〜オマケ2>>355

召喚士「…ど、毒が回って…っ!!」

ザツ

召喚士「コカトリス…?」

コカトリス「召喚士、これを飲め」

召喚士「……それ…は…?」

コカトリス「毒を中和する私の免疫…その名もコカトシル、いや…コカト汁!さぁ!飲めっ!」

召喚士「……いやです」
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 02:02:28.04 ID:MX2/mzUo
>>いやです
wwwwww
358 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/18(日) 02:17:55.23 ID:MCq8QG.o
〜本国、宮殿〜

衛兵「左大臣様、ご帰還!左大臣様…ご帰還ーっ!!」

右文官「……大仰な馬車に…私兵の数」

右秘書官「全く…。特権だからとて、己の立場を何だと思うておるか…」

カツカツカツ

エリート「滅多な事を口になさいますな…」

右秘書官「エリート殿…」

右文官「しかしあれは、我らが王を差し置いてだな…」

エリート「止むを得ません…。今の経済は左大臣様方が支えてらっしゃいますから…」

右文官「……うぅむ」

馬車や騎馬が多数並ぶ長蛇の列は、しばらくの後、王宮内へと入っていく」

〜国王の寝室〜

皇太子「では、行って参ります」

右大臣「謁見は、殿下と私で済ませます。宜しいですな?」

国王「…うむ……ごほっ…ごほ…っ!!」
359 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/18(日) 02:23:04.56 ID:MCq8QG.o
皇太子「……それでは」

カチャッ…パタン

右大臣「…さて、どうなる事やら」

皇太子「…父上、思わしくありませんか…?」

右大臣「……殿下には申し上げにくいが…」

皇太子「……」

右大臣「もって、あと一年といったところか…」

皇太子「……そう…ですか」

右大臣「陛下もうすうす感じておられるようじゃ…」

皇太子「……」

右大臣「近いうちに…戴冠式も執り行いたいと…」

皇太子「…!?」

右大臣「陛下自ら、存命中に譲位なされたい…とな」

皇太子「……」

右大臣「……さて、この扉…開けるのが重いわい…」
360 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/18(日) 02:30:49.29 ID:MCq8QG.o
〜王の間〜

右大臣が扉を開き、皇太子は中央の玉座へと足を進める。

玉座に腰を降ろし、目の前で頭を下げる男に声をかける。

皇太子「……ご苦労であった」

左大臣「……これは殿下、ご機嫌麗しく…」

皇太子「…うむ」

左大臣「陛下がお見えではないようですなァ…」

右大臣「陛下は病重く…今なお伏せておられる…」

左大臣「左様でございましたかァ…。それはお気の毒に…」

皇太子「…お主こそ無事であったか?」

左大臣「それはもうご心配なく…。我が私兵は、国軍に勝るとも劣りませぬ故…」

右大臣「……」

左大臣「我が私設魔道隊がおれば、魔物なぞ相手にもなりませんなァ」

皇太子「…そうか」

左大臣「そうでもとも。魔術こそ最強の武器であり兵法。剣や召喚獣など不要そのもの」
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 02:33:42.70 ID:wvOXZaYo
なに!こんなに早く新しい更新が…!
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 02:35:39.47 ID:LTj3bN6o
wwwwwwww
363 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/18(日) 02:36:39.68 ID:MCq8QG.o
右大臣「そんな事はあるまい。力、技、術…全てが揃ってこそ最強の…」

左大臣「殿下も魔術さえあれば、他は不要…そうは思いませぬかァ…?」

皇太子「……」

左大臣「おぉ、これは失礼…。王家でありながら魔術の一切が使えぬ殿下に申しても無駄でしたなァ」

皇太子「……」

右大臣「貴様っ!言葉を慎め!」

左大臣「言葉を慎むのはそちであろう?この数年、貴様は一体何をやってきたァ?」

右大臣「……ぐぬ…っ」

左大臣「貴様や陛下が推進してきた軍備の増強で、どれだけ各地が荒れておると思うてかァ」

右大臣「軍備なくしては、今より酷い惨状であっただろう…!」

皇太子「右大臣、止めよ」

右大臣「…し、しかし…っ」

皇太子「左大臣、ご苦労であった。ゆっくりと休まれるが良い」

左大臣「…ふふっ。ありがたく」

右大臣「……っ」
364 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/18(日) 02:41:08.35 ID:MCq8QG.o
カツカツカツ

左大臣「殿下……」

皇太子「……」

左大臣「近日中に予算案の会議を執り行いまする」

皇太子「…うむ」

左大臣「お忘れなきよう…。そこの金魚の糞もなァ?」

右大臣「――っ!!」

左大臣「ワーッハッハッハァ!!」

カツカツカツカツカツ…バタンッ

右大臣「あ奴…っ!図に乗りおってぇ…っ!!」

皇太子「…落ちつけ」

右大臣「陛下が倒れ、殿下相手と舐めておるのですぞ!」

皇太子「…分かっておる。落ちつけ、と申しておるのだ」

右大臣「……くそっ!!」

皇太子「……ふー」
365 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/18(日) 02:47:46.31 ID:MCq8QG.o
カツカツカツカツカツ

左秘書官「…いかがでした?」

左大臣「いかがも何もない。相手にも不足な連中だァ」

左文官「予算案は五日後程度を目処にしております」

左大臣「五日…?随分と期間があるなァ?」

左文官「右の連中が終結しております」

左秘書官「ならばこそ、早く終わらせた方が良いのでは…?」

左文官「逆です。数を集めさせ、揃ったところで叩きます」

左大臣「成程なァ。さすれば、しばらくは反撃に打って出る手立てもない…わけかァ」

左秘書官「まとめて一挙に殲滅する…というわけですか」

左文官「その通りです。右の意気を消沈させてしまえば……ん?」

カツカツカツ

大軍師「これは左大臣様、ご苦労様でございます…」

左大臣「誰であったかなァ?軍属か…。ご苦労ご苦労」

大軍師「ふふっ…。それでは、失礼致します」
366 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/18(日) 02:52:11.61 ID:MCq8QG.o


右文官「何ですと…!?」

エリート「父上っ!そこまで言われてなぜ言い返さないのです!?」

右大臣「分かっておる。しかしだな……」

皇太子「もう良い。それよりも今考えるべくは……」

コンコン…カチャッ…

大軍師「……予算案の会議について…ですな」

エリート「大軍師…殿…!?」

皇太子「なぜ君がここへ…?」

大軍師「ふっふ…。外にまで声が漏れておりましたぞ…?」

右秘書官「…!?」

大軍師「総司令の命により、殿下のお力となりに参上致しました」

右大臣「なに…!?」

皇太子「そうか…。君が来てくれるのか…!ありがたい」

大軍師「滅相もない…。はたしてお力になれるかどうか…ふふっ」
367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 03:24:56.86 ID:T.Z4OeMo
大軍師なら・・・大軍師ならなんとかしてくれる・・・・!
368 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 03:35:26.13 ID:DCHGGUSO
行けっ!大軍師!!
369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 04:52:03.12 ID:OuVuBQAO
>>349はピカピじゃないのか?
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 07:41:52.85 ID:QTyPBoDO
>>369
だがここで待ってほしい
彼は行けっのほかに君に決めた!も使っている……それはつまり……
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 08:32:55.75 ID:62GHKys0
出ておいで!私のマイメードたち!!
\チョゲプリィィィィィ/
372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 08:54:31.48 ID:u4PS16AO
大軍師!大軍師!大軍師!

左大臣は馬に蹴られて地獄に落ちろ
王子もついでに落ちろ
373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 09:08:46.32 ID:eSdM9sSO
王子ェ〜
左大臣ェ〜
374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 14:02:02.42 ID:5.v3DUSO
魔法が効かないモンスもいるというのにこの左大臣は…
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 14:20:49.37 ID:eSdM9sSO
左大臣などミノタウロスさんで一撃よ
376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 14:45:45.20 ID:Xqe.Xpco
今から左大臣の無様な散り様が楽しみですww
377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 15:03:57.20 ID:ZAjEvjco
魔法が効かない召喚獣がいたらめっちゃ心強いな
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 16:51:42.51 ID:62GHKys0
マーラ様がアップを始めたようです
379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 18:10:04.43 ID:ZvBxHMAO
そうでもとも!
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 19:03:23.28 ID:eSdM9sSO
左大臣「ホゲェー」
381 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 23:00:13.68 ID:w/QMgYDO
>>354
…それは青年兵のハーレムフラグ!!
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 07:15:35.39 ID:XhZF5KY0
ここまでもしもしの自演
ここからは>>1の頑張りどころ
383 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:50:58.31 ID:jKb/tr6o
太陽が沈めば、闇が訪れる。深く暗い闇。

ザッザッザ

盗賊「……」

〜東方、北の谷〜

盗賊「…ここを越えれば…いよいよ」

自分に言い聞かせるように、盗賊は言葉を吐く。

時たま聞こえる梟や野犬の声。気にも留めず盗賊は道を進む。

ザッザッザッザッザ

薄暗く果ての見えぬ漆黒の道。無論、支える仲間など居ない。

盗賊「……」

その道がどこへ続くとも分からぬ、長く苦しい道であっても…。

ザッザッザッザッザ

彼女はただただ進む。その道に終わりがある事を…。

その道に、光り輝く終わりがある事を…。

太陽が沈めば、再び登り、やがて新しい朝が来る。
384 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:51:58.88 ID:jKb/tr6o
ザッザッザ……ザッ

盗賊「…着いた」

〜東方、最北〜

盗賊の立つ高地から、遠方に海が見える。

盗賊「……」

テクテクテク

盗賊(海を渡るには船がいる……)

盗賊は辺りをきょろきょろと見渡し、老人…そして影忍の言葉を思い出す。

盗賊「…最北の…塔」

左方を見つめる盗賊の目が止まる。

盗賊「……あれ…か」

その目先にそびえるは、五つの階層から連なる塔。

盗賊「…五重の…塔か」

テクテクテク

盗賊は、ゆっくりと最北の塔へ足を進める。
385 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:52:35.11 ID:jKb/tr6o
〜最北の塔〜

ザッ…

盗賊「……」

錠はおろか、扉すらない入口の中を、盗賊は横からこっそりと覗き込む。

盗賊(おかしい…。人の気配がない……)

サッ…コソッ

盗賊(…入口もあのような状態。もう使われていないのか…?)

ザッザッザ……ササッ

盗賊「…一体…これは……?」

コトン…

盗賊「!?」

突如背後から聞こえる物音に、盗賊は振り向き、蜘蛛切の柄に手をかける。

右手を背腰の得物へ回したまま、物音のした奥の部屋へとゆっくり進む。

スッ…ザッ…ザッ……サッ!!

盗賊「……階段か」
386 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:53:01.54 ID:jKb/tr6o
〜最北の塔、二階〜

盗賊「……」

テクテクテク…

盗賊(作りは下層と同様か…)

テクテクテク…

盗賊(すると階段は…反対側か)

時折、床の隙間から雑草の生える通路を真っ直ぐ進み、盗賊は更に上の階を目指す。

盗賊「…あった」

カツカツカツ

〜最北の塔、三階〜

盗賊「…ここも一緒か」

テクテクテク…

盗賊「…!!」

盗賊は立ち止まり、天井をきょろきょろと見上げる。

盗賊(一瞬…気配が…!この上に…何かいる…!?)
387 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:53:34.93 ID:jKb/tr6o
スゥッ……チャキッ

蜘蛛切を鞘から抜き、ゆっくりと四階への階段へと近づく。

盗賊(……兄様…っ)

〜最北の塔、四階〜

盗賊「……」

テクテクテク…

盗賊「…なん…だ…ここは!?」

今までの様相と打って変わり、東方風の造りの中、異国の家具や物が並ぶ。

盗賊「……っ!!」

散らばる書物や薬品。その光景に盗賊の脳裏はフラッシュバックを起こし、目を丸くする。

盗賊(……遺跡の時と全く一緒だ…っ!)

ガタッ

盗賊「っ!?」

振り向く盗賊の目先には上り階段。最上階へと続く道である。

盗賊「…………」
388 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:54:01.30 ID:jKb/tr6o
ザッザッ……ザッ…ザッ…

気配を殺し忍び足で階段を上る盗賊の目に、光が差し込む。

階段の先に広がる部屋。その奥にある窓から、かすかな日光が塔の中を照らす。

〜最北の塔、五階〜

ザッザッザ

盗賊「……」

ただ太い柱が立ち並び、何も無い部屋。灯台や見張り台を兼ねたこの塔ゆえである。

奥の柱に見える人影の姿。盗賊はすぐそれに気付く。

盗賊「……っ!!」

ザッ…ザッザッ……ザッザッザ

盗賊「……兄…様」

兄であるその顔を盗賊へ向け、無表情のままの人影。

盗賊「…何で…私を置い……」

カツカツカツ

――「どなたかな…?クク…ッ!!」
389 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:54:46.43 ID:jKb/tr6o
聞き覚えのあるその声。盗賊は背後から発せられたそれに表情を固くする。

と、同時にすばやく背後を振り向き、刀を身体の前へと構え…叫ぶ。

盗賊「貴様…っ!!」

ネクロマンサー「クククッ…!はて、面識がありましたかねぇ…?」

盗賊の振り向いた先に姿はなく、再びその背後よりネクロマンサーの声が聞こえる。

盗賊「…っ!?」

クルッ…チャキッ!!

盗賊「兄様っ!こいつはっ…」

ネクロマンサー「兄様…?あぁ、この人形の事ですか…」

ネクロマンサーは背後に立つ盗賊兄をチラリと見て、笑みを浮かべる。

盗賊「兄様…!二人なら…この者を…っ!!」

兄様「盗賊…?盗賊なのか……?」

ザッザッザッザッザ

盗賊「……!?」

兄様「…久しいな。……盗賊」
390 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:55:21.15 ID:jKb/tr6o
盗賊「…何……言って…!?」

ネクロマンサー「ククッ!兄妹、感動の対面というわけですか…」

盗賊(何なんだ!?一体何がどうなって……!?)

兄様「父上や皆は、元気か…?」

ザッザッザッザッザ

盗賊「…兄…様…!?」

兄様「すまんな。私は最早、帰る事は出来ない…」

ザッザッザ

兄様「盗賊、お前も共に来てくれるか…?」

チャキッ

盗賊「兄様…!?」

ネクロマンサー「……ククッ!」

兄様「とも…に…………死ね!」

盗賊「兄様っ!!」

ヒュンッ!!
391 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:55:52.04 ID:jKb/tr6o
兄様「……」

盗賊「……っ!?」

兄の振り下ろす刀が盗賊の眼前に迫った瞬間、

その身は何者かに抱えられ、右後方へと位置を変えた。

ネクロマンサー「何者です…?」

兄様「……」

盗賊「…な…んで…っ!?」

影忍「何を呆けておるかっ!目の前の者は敵だぞ!油断するな!」

盗賊「…っ!!」

盗賊は己の身を抱きかかえる影忍と、前方に立つ兄の姿を思わず見比べる。

盗賊「…何が…どうな……って」

影忍「…ネクロマンサー」

ネクロマンサー「…?私をご存じとは…これは光栄な限り」

影忍「よく名が知れておるからな。…薄汚い下衆だと」

ネクロマンサー「ククッ!言葉というものは大切ですよ…?」
392 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:56:37.61 ID:jKb/tr6o
カツカツカツ

ネクロマンサー「他者を表現する大切な手段ですからね…」

影忍「……」

ネクロマンサー「…殺しなさい」

兄様「っ!!」

影忍「……!!」

ヒュバッ!!……チュインッ!…キィンッ!!…ヒュンッ!!

盗賊「……!?」

ネクロマンサー「なんと…っ!?全く同じ動き…?」

盗賊(上段袈裟斬りから…中段一文字斬り。刀を返し下段から振り上げる…)

影忍「はあぁっ!!」

ギイィンッ!!…グググッ

盗賊(兄様の得意な連撃だ…。何故……両者とも…)

影忍「…ぬぅ…っ!!」

兄様「……」
393 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:57:19.95 ID:jKb/tr6o
互いに全く均衡した刀捌き。両者は鍔迫り合いの態勢で互いを見つめあう。

ネクロマンサー「……ククッ!!」

盗賊「…!?」

ネクロマンサー「そうか…っ!そういう事でしたか!ククククッ!!」

ネクロマンサーは高らかに笑うと、影忍めがけ鋭い針を飛ばす。

ヒュオッ……サクッ!!

盗賊「兄様っ!?」

針は影忍の横顔をかすめ、顔に巻いた布がはらりと地面へ落ちる。

影忍「……っ」

ネクロマンサー「クハハハッ!やはりそうかっ!!」

盗賊「……兄様が…二人…っ!?」

兄様「……」

影忍「……っ」

ネクロマンサー「とっくに消滅したかと思ってましたよ…。失敗作…!」

影忍「…黙れ…っ」
394 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 14:57:48.88 ID:jKb/tr6o
盗賊「……!?」

ネクロマンサー「まさかまだ存在していたとは…」

影忍「……」

ネクロマンサー「…!?そういえば…一度…私のラボで会いましたね」

影忍「……だから…どうした」

ネクロマンサー「あの時に気づいておくべきでした…。ククッ!」

盗賊「兄様っ!これは一体……」

バッ!!……スタッ

影忍「言ったであろう?私は影。思念体であると…」

盗賊「…!!」

影忍「あれがお前の兄の器だ」

兄様「……」

ネクロマンサー「お嬢さん、そこのは失敗作でね…」

盗賊「……」

ネクロマンサー「そうですね。順を追っ話してあげましょうか…ククッ」
395 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 15:09:16.39 ID:yTapu/oo
これはwwktk
396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 15:16:11.09 ID:UvTZVWko
学園黙示録見てからだと、ネクロマンサーの力が凄く恐ろしい…
だけど、説明してくれるなんて優しいな
397 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 15:21:55.28 ID:DIH1qFQ0
ネクロマンサーの優しさに全俺が惚れた!
398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 16:18:47.45 ID:IPnNCoI0
オレは「あにさま」って読んでるけどいいよな?
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 17:04:15.43 ID:8cWl3kAO
すげぇ…ラボなんてずっとずっと初期の話じゃないか…
あの頃からそんなフラグ構想練ってたのか


ちなみに兄様は『おにいちゃん』に脳内変換してます*^^*
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 17:50:59.97 ID:6/e0WZko
それは報告しなくてもいいです
401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 18:41:21.78 ID:fJ2TCIAO
にいさまじゃないのか
402 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 18:55:28.23 ID:jKb/tr6o
盗賊「…貴様が…っ」

ネクロマンサー「……」

盗賊「貴様が…兄様をっ!!」

ダッ!!…ググッ

盗賊「…!?」

影忍「勝手に動くなっ!死にたいのか!?」

盗賊「……っ」

ネクロマンサー「そうですよぉ?折角…私が話してあげるというのに…」

盗賊「くっ…!!」

ネクロマンサー「それに、私が彼を殺したわけではありませんよ」

盗賊「……」

ネクロマンサー「私はね、殺すのは大嫌いなんです…ククッ」

影忍「……」

ネクロマンサー「殺された者達に再び命を与える…。それが私の使命なのです」

影忍「使命…。神にでもなったつもりか…?」
403 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 18:55:56.65 ID:jKb/tr6o
ネクロマンサー「ククッ…そんな大層な。それに私にとっての神とは・・・…」

影忍「・・・…」

ネクロマンサー「唯一無二の存在ですよ…。ククッ」

影忍「・・・…」

ネクロマンサー「神は全ての命を作り出し、分け与えているのです・・・」

盗賊「・・・…」

ネクロマンサー「しかし命たるもの…永遠ではありません。始まりがあれば終わりもある…」

影忍「戯言だ。耳を貸す必要はない」

盗賊「……うん」

ネクロマンサー「私はね、神の手伝いをしているのですよ…。ククッ」

ザッ

ネクロマンサー「神の作りし命を…再び蘇らす。それこそ私の使命…」

影忍「終わりあるものなんだろう?受け入れろよ」

ネクロマンサー「……」

影忍「それが神とやらのご意思だろう」
404 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 18:56:37.67 ID:jKb/tr6o
ネクロマンサー「……そこの男はね、北の地で転がっていたところを拾ったんですよ…」

盗賊「……っ」

ネクロマンサー「そして私が命を与えてやった…。ククッ」

影忍「……」

ネクロマンサー「私とて完璧な存在…そう、神ではありません…」

クルッ

ネクロマンサー「最初に拾った人形は、いわば試作品」

盗賊「……?」

ネクロマンサー「最初の人形はね、死体をそのまま流用しました…」

ネクロマンサーは背後を向き、天井をみやげ呟く。

ネクロマンサー「空になった器に…残留思念と独自の思考を与えてね」

カツカツカツ…クルッ

ネクロマンサー「アンデッドでありながら、魔物でもなく…人間でもない…」

影忍「……」

ネクロマンサー「つまり結界石で消滅する事も、剣や魔法で死ぬこともない…素晴らしい存在」
405 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 18:57:43.04 ID:jKb/tr6o
盗賊「……」

ネクロマンサー「しかしね、思考を後から植えつけたせいで、思考はおろか感情にも乏しい…」

カツカツカツ…

ネクロマンサー「私がいなくては、何も出来ない…。そう…まさに人形でしかないのっです…」

影忍「……だから何だ」

ネクロマンサー「だから二人目の貴方には…それを植えつけたのですよ…ククッ」

影忍「……」

ネクロマンサー「肉体は使わず、思念と…そう、魂とでも言うのでしょうかねぇ」

盗賊「…魂…?」

ネクロマンサー「しかしどうも人間というものは自分勝手でしてね…」

影忍「……」

ネクロマンサー「結局独自の思考を持って、逃げてしまったのですよ…ククッ」

盗賊「……っ!!」

ネクロマンサー「そう、それがそこにいらっしゃる…失敗作ですよ」

影忍「……」
406 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 18:58:24.76 ID:jKb/tr6o
ネクロマンサー「止むをえなく、私は依然と同様の方法で…これを作り上げました」

兄様「……」

ネクロマンサー「貴方の兄上がお二人の理由…。分かって頂けましたか?ククッ」

盗賊「人の命を…何だと…」

ネクロマンサー「仰る通り。ならばこそ、今ここで出会ったのも運命かもしれません…」

盗賊「……?」

ネクロマンサー「この二人を一つにしてこそ、完全なる命が生まれる。そうは思いませんか?」

盗賊「貴様…っ!!」

ガシッ

盗賊「……!?」

影忍「……下がっておれ」

盗賊「…兄…様っ」

影忍「ご大層な講義だったが、ただの詭弁だな」

ネクロマンサー「……ほぅ?」

影忍「貴様の行いは、神の手伝いどころか、神への冒涜にすぎん!」
407 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 18:59:21.97 ID:jKb/tr6o
ネクロマンサー「…ククッ。貴様なんぞには分かるまい……!」

影忍「分かってたまるか…っ!」

ネクロマンサー「ここで論じていても時間の無駄…。もういいでしょう…」

右手を上げ、ネクロマンサーが合図すると、後方より兄様がゆっくりと歩み寄る。

ネクロマンサー「殺すな。お前の中身となる者だ…」

兄様「……はい」

ネクロマンサー「それにそちらのお嬢さん…」

盗賊「……」

ネクロマンサー「貴方も…充分に価値がある…!」

盗賊「…っ!?」

ネクロマンサー「ヤマタノオロチの…鍵として、ね…!」

影忍「!?……盗賊っ!!」

盗賊「…!?」

影忍「お前は退けっ!早く立ち去るんだ!!」

ネクロマンサー「逃がしはしませんよ…っ!ククッ!」
408 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/19(月) 19:00:02.55 ID:jKb/tr6o
影忍「早くしろーっ!!」

盗賊「で、でも…っ!」

影忍「お前まで捕まってしまってはまずい!」

盗賊「……くっ!」

ネクロマンサー「させませんよっ!!」

パチンッ

兄様「……」

ヒュバッ!!

盗賊「……っ!!」

ネクロマンサーの合図で飛んだ兄様が、盗賊の前へと着地する。

盗賊「兄…っ……」

ブンッ!!…ギキィンッ!!

盗賊「……!?」

影忍「何をしている…っ!早く…行けぇ!!」

両者の間に割って入る影忍。刀身の刺さる左肩から出血はない。
409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 19:13:22.35 ID:2Mn8Nuko
兄様が2人ってことは魂の複製が可能ってこと?
410 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 19:20:27.70 ID:UvTZVWko
ヤマタノオロチとは、こりゃまたwktkする言葉が
411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 19:40:34.40 ID:pmiHVkAO
兄様が誰かに似てるなぁと思ったらあれだ



シュバルツ・ブルーダー(ランタオ島時
412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 19:52:36.92 ID:4AOGrWk0
>>411
思いました
413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 19:55:09.60 ID:vo7xVUgo
>>411
甘い、甘いぞ盗賊!
たしかに忍者だしコピー兄者だし…
414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 19:59:30.42 ID:UvTZVWko
>>411のせいで、俺の中で御館様が東方腐敗になりました
415 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 00:05:49.78 ID:dRY/LaQo
影忍「たわけっ!ここで共に死にたいのかっ!!」

盗賊「でもっ、兄様を置いて…っ」

影忍「何度も言わせるな!お前の兄はもう死んだ!もういないのだ!」

盗賊「……でもっ」

影忍「それにお前の兄は、お前を殺そうとしているあれだぞ!」

兄様「……」

影忍「分かったら早く……」

盗賊「でもぉ…っ!!」

影忍「……!?」

盗賊「…兄様は…兄様で…っ」

影忍「……」

盗賊「兄様は…貴方は、兄様でぇ…っ」

影忍「…盗賊」

ネクロマンサー「美しき…兄妹愛、というやつですかねぇ…」

影忍「……しま…っ!?」
416 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 00:06:24.01 ID:dRY/LaQo
ネクロマンサー「ククッ…!クククッ!!」

背後に立つネクロマンサーの右手が、盗賊へと伸びる。

盗賊「…お…前があぁっ!!」

ネクロマンサー「……っ!?」

ガシィッ!!

ネクロマンサー「く…ぅ…!!」

素早く反転し、ネクロマンサーの顔を掴む盗賊の指に、力が込められ始める。

ミシミシッ…ミリッ…

盗賊「お前が…っ!兄様を!!」

ネクロマンサー「…お…のれぇ!!」

盗賊「ああああぁぁ!!」

シュシュシュッ……ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォ!!

ネクロマンサー「ぐああ…ぁ…っ!!」

右手で院を結び、ネクロマンサーの顔を掴む左手に添えると、

その両手より炎を発し、それはネクロマンサーの顔を火だるまへと化した。
417 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 00:06:51.56 ID:dRY/LaQo
影忍「か…片手印だと!?」

盗賊「ふーっ、ふーっ……」

ネクロマンサー「お…のれぇ…っ」

ググッ…

ネクロマンサー「もうよい…。この女は殺してしまいなさい…!」

兄様「……」

ネクロマンサー「女の人形は…戦闘以外の実用価値もありますからね…ククッ」

兄様「……はい」

タンッ!!

影忍「させるかぁ!!」

ガシッ……グググッ

盗賊「…はぁ…はぁ……はぁ…っ」

影忍「今だっ!今のうちに退けっ!!」

盗賊「…兄…様」

ネクロマンサー「…逃がしませんよ…っ!!」
418 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 00:07:25.07 ID:dRY/LaQo
バッ!!

影忍「……っ!!」

疲労のためか呼吸を乱す盗賊の前に間合いを詰めるネクロマンサー。

それと同時に影忍も、競り合う兄様を蹴り飛ばし、盗賊の元へと駆け寄る。

ネクロマンサー「……ククッ」

キュイイィンッ…

影忍「打たせるかぁ!!」

ネクロマンサーの両手が光り、それが放たれる直前で、

影忍の印が結び終え、爆炎がネクロマンサーを包み込む。

ドゴオオォォンッ!!…ゴシャアァッ…

盗賊「くぅ…っ!!」

ガラガラガラッ…ゴトッ…

盗賊「…兄……様…っ!?」

塔の最上階は爆炎によりその上半分が吹き飛び、頭上には曇り空が広がる。一部を除いて…。

盗賊「…兄…様ぁ!!」
419 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 00:07:52.13 ID:dRY/LaQo
影忍「…怪我は…ないか…?」

盗賊の頭上に広がる、塔の瓦礫。それを影忍は両腕で支え、背負い支える。

盗賊「兄様ぁ…!!」

影忍「早く…っ、今のうちに……」

盗賊「……!?」

ヒュンッ……ドスッ

影忍「……!?」

兄様「……」

盗賊「兄様あぁーっ!!」

影忍「……言ったであろう?俺は死なん…!」

背後から心臓部へ突き刺さる刀を、左手で掴みながら影忍は言葉を続ける。

影忍「この…程度の攻撃で……!!」

ググッ…グイッ

影忍「…ふっ。自分自身と抱き合うというのも…不思議なものだ」

兄様「……」
420 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 00:08:41.04 ID:dRY/LaQo
影忍「…そうだ、盗賊」

盗賊「…え…っ?」

影忍「俺の右背部のポケットを…」

盗賊「……?」

フラッ……ゴソッ

盗賊「…クナイ…?」

影忍「覚えておるか?パズズ封印の地で、俺が使っていたものだ」

盗賊「!?」

影忍「特殊な五行を施してある。藤蔵直伝の物だ」

盗賊「…………」

影忍「ネクロマンサーを葬る事は出来ずとも…多少の傷は負わせられるはずだ…」

盗賊「…なぜ…っ」

影忍「……」

盗賊「なぜ…っ、これを…?」

影忍「…俺は今、この地で…俺を終わらせる…!」
421 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 00:09:27.07 ID:dRY/LaQo
盗賊「――っ!!」

影忍「さぁっ!早く下がれ!!お前も巻き添えを食うぞ!?」

盗賊「兄様…っ!?終わるって…何を……」

影忍「早く行けぇ!!」

盗賊「…そんな…っ!兄様ぁ…っ!!」

ゴトッ

ネクロマンサー「……させま…せんよぉ…っ」

盗賊「!?」

ネクロマンサー「私の大切な人形を……」

兄様「……」

ネクロマンサー「これからも私には使命があるのです…!させませんよっ!」

影忍「……止むを得ん…!!」

盗賊「!?」

バババッ…シュシュッ!!

影忍「盗賊……」
422 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 00:12:32.87 ID:dRY/LaQo
盗賊「兄…様…!?」

影忍「強くなったな…。兄として…誇りに思う…」

盗賊「っ!?」

兄様を抱いたまま、影忍が結んだ印の両手が白く光り輝く。

ネクロマンサー「馬鹿なっ!?五行だと…っ!!」

盗賊「兄様ぁーっ!五輪書もなく奥義なんて…っ!!」

影忍「……」

無言のまま微笑んだ影忍は、兄様とともに崩れゆく瓦礫の中へと消えていく。

ゴシャァッ!!

盗賊「兄様ああぁぁーっ!!」

ネクロマンサー「お…のれぇ!!」

直後、瓦礫の下から巨大な閃光が発せられ、光とともに塔の最上階は吹き飛んだ。

盗賊「きゃああぁぁっ!!

ネクロマンサー「…ぐ…ぬおぉ…っ!!」

ドッグオオオォォッ!!……ゴゴゴゴオオォォ…

盗賊「……兄……様…ぁ」

上空へ舞い上げられた盗賊の、微かな意識の中の瞳に曇り空が広がり、

気を失ったまま、その身は海の中へと消えていった…。
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 00:16:30.43 ID:5TlFt4wo
召喚士「という話が思い浮かんだんだ」

戦士「賞狙える範囲だな」

召喚士「だろ?というわけで芥川賞狙ってみる」
424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 00:16:59.08 ID:9NMhD0Ao
シリアスな所なんだが…
兄様のゲシュタルト崩壊してきた
425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 00:21:36.45 ID:jIZsn9go
>>423てめぇ
人が↓これ思いついたけど自重してたのに、なに書いてんだよ!!

盗賊「!?」

バババッ…シュッシュッ!!

影忍「盗賊……」ウッ

426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 00:30:57.15 ID:EjDeFLg0
>>425
シュババッ…ゴミクズの肉片いっちょあがりぃ!
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/20(火) 00:31:41.83 ID:dRY/LaQo
>>409
影忍は魂、兄様は肉体…といったところでしょうか

>>411-414
正解です!!

>>423

              , -‐;z..__     _丿
        / ゙̄ヽ′ ニ‐- 、\  \   ところがどっこい
       Z´// ,ヘ.∧ ヽ \ヽ ゝ   ヽ   ‥‥‥‥
       /, / ,リ   vヘ lヽ\ヽヽ.|    ノ  夢じゃありません
       /イル_-、ij~  ハにヽ,,\`| <      ‥‥‥‥!
.        N⌒ヽヽ // ̄リ:| l l |   `)
            ト、_e.〉u ' e_ ノノ |.l l |  ∠.   現実です
          |、< 、 ij _,¨、イ||ト、|     ヽ      ‥‥‥!
.           |ドエエエ「-┴''´|.|L八   ノ -、   これが現実‥!
            l.ヒ_ー-r-ー'スソ | l トゝ、.__   | ,. - 、
    _,,. -‐ ''"トヽエエエエ!ゝ'´.イ i l;;;;:::::::::::`::ー/
   ハ:::::::::::::::::::::| l\ー一_v~'´ j ,1;;;;;;:::::::::::::::::::
.  /:::;l::::::::::::::::::::;W1;;;下、 /lル' !;;;;;;;;;::::::::::::::::
  /:::::;;;l:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;|: :X: : : : : |;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::
 /:::::;;;;;;|:::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;|/: : >、: : :|;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::

         ネクロマンサー

連休中はちょこちょこですみませんでした。ご支援感謝です!
それでは失礼致します!!ノシ
428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 00:42:17.48 ID:7wlspT6o
ネ、ネクロマンサーのイメージが・・・
429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 00:48:24.90 ID:yHkqZmQo
>>1

それにしても……盗賊は忍としては未熟っぽいな…精神的に
430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 00:54:24.59 ID:SJOUCn.0
つか最後のシーンがいまいちわからんかった・・・
ネクロマンは五行の攻撃くらったの?兄様だけ?
431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 00:58:46.86 ID:jIZsn9go
一帯が吹き飛んだんじゃない?
わたしのイメージではキノコ雲を遠目に見ながら海で木片にしがみつく盗賊って感じ
432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 01:00:17.10 ID:W8B9e5cP
しかし、こう言ってしまうとアレなんだが盗賊が逃げに徹していれば
影忍は秘奥義まで繰り出さなくてもなんとかなったんじゃないのかな?と思ってしまう。

逃げるのに躊躇するでなく「何故いっしょに戦ってくれと言わないんだ!」
くらい言ってればまた違ったんだが・・・

今回の盗賊は足手まといのヒロインみたいで
ちょっと盗賊の状況判断力に難を感じてしまう一件だった
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 01:05:57.04 ID:5TlFt4wo
じゃぁおまえ、例えば戦場にいるとして、大好きな異性の上官がいたとして、
もう今逃げないと死ぬって場面で上官が時間稼ぎするから逃げろって言って
お前はどうするよ?
どうして一緒に戦ってくれと言わないんだって言ったとして、上官命令だ逃げろって
言われてそれでもお前はそこにいてうんちゃらかんちゃら
要するにそんなこと気にしてたら何事も楽しめなくなるってことだ
434 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 02:58:03.84 ID:alWBloAO
>>1

おかしいな…異性を思い浮かべなきゃいけないのに
俺の中じゃ瓦礫を支えてるのは北斗のライガ、フウガだ…俺男なのに…

とりあえず盗賊ちゃんはこれで内面から前向きに強くなれば良いね
てか魔道士ちゃんは、相変わらず一体化の相手である俺を見つけられないままかい?やれやれ、手間がかかるほど可愛いとはこういうことか
435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 07:21:16.09 ID:HFxCzlI0
魔道士にゃんにゃん!魔道士にゃんにゃん!
436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 08:07:17.22 ID:Nt7EGxU0
ネクロマンサーはニバスのイメージだった。
437 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 09:36:43.45 ID:HT538lQo
ゲマだろ 色違いだし
438 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 10:46:36.19 ID:m1JqZgSO
何か、アレだな。盗賊ちゃんって食わず嫌い王に出演したら
石橋に「兄様っ♪兄様っ♪」って真似されて
真っ赤になってそうなキャラだよね(*´Д`)ハァハァ

あとネクロマンシーは、聖剣3の「死を喰らうモノ」で固定してる。

>>1 毎日wktkさせて頂いてます。蒸し暑い日々が続きますが、身体を冷やし過ぎないよう、お気を付けて下さい。
つΦうちわ
439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 12:23:19.50 ID:Jhsqx2SO
人が情に惑う姿が美しいのだよ

1乙
440 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 12:38:55.13 ID:W8B9e5cP
>>433
その異性の上官がオレより弱いか同等程度の実力なら残るだろそりゃ
残せば間違いなくやられちゃうわけだし

だが今回のケースでは影忍と盗賊には大きな実力差があったからね
自分さえ居なけりゃどうにかなるかもしれないと思わないものか?
逆に自分が居ることで行動が縛られて全滅とか笑えない

あれだ、主人公サイドが必ず正しい判断で行動してるわけでもないし
今回のことで盗賊も成長の機会を得るってことを期待してる

無論影も生死不明なんでイロイロ期待している
441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 13:23:46.38 ID:98DrCgAO
>>440
もうお前が助けに逝っちゃえよ
442 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 15:53:53.96 ID:W8B9e5cP
バカヤロウ!オレが行ったら盗賊がオレを気にして充分に戦えなくなるだろがっ!そういうの嫌なんだよっ!!
443 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 16:31:01.69 ID:idTXk3Yo
>>440
頭のいい意見だな。悪くなってしまえ
444 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 16:45:20.93 ID:HFxCzlI0
にゃんにゃん…
魔道士ちゃんは召喚士との絡みが少なくて寂しがっていると思うのにゃん…
でも大丈夫だよ、なんたって僕がいるからね!

魔道士にゃんにゃん!魔道士にゃんにゃん!
445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 17:11:03.55 ID:H5h110.0
>>434
お前のせいで盗賊がトキになってしまった
どうしてくれる
446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 18:19:24.68 ID:alWBloAO
トキだとか、ケンシロウだとか大切なのはそこじゃない
俺は魔道士ちゃんが大好きだと言う、この事実こそが重要なんだ

今こそ語ろう、あの忌まわしき二次元と三次元の壁物語を…

―――そう、あの時も今日みたいに蒸し暑い日だったな
俺は愛の伝道師として世界を駆け巡っていた、その日もいつものように省略されました全てを読むにはここをクリックしてください
447 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 18:45:20.00 ID:Fu3C01Eo
ガラガラッ…ゴトンッ…

塔の上半分は完全に吹き飛び、周囲と海上には大量の瓦礫が飛び散る。

ドシャッ!!…ザパァンッ…パラパラッ…

ネクロマンサー「……やってくれますね」

ネクロマンサーは目の前の塔を見上げ、呟く。

バサッバサッ…バサッ…

ネクロマンサー「……?」

バサァッ……スタッ

ヤタガラス「なんや、やられたんかいな…」

ネクロマンサー「…ご苦労様です。ええ、やられてしまいました」

ヤタガラス「海に小船が浮いとったが…その人間か?」

ネクロマンサー「いえいえ、痴話喧嘩ですよ…ククッ!」

ヤタガラス「はぁ?まぁええわ。ほんで、どないやねん?」

ネクロマンサー「少しずつ…前進してますよ」」

ヤタガラス「早よせんと、首を長くして待っとるで…」
448 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 18:46:13.26 ID:Fu3C01Eo
ネクロマンサー「……第六天魔王様が…?」

ヤタガラス「せや。マーラ様が…待っとるでぇ」

ネクロマンサー「…そうですか。では、ご期待に沿えるよう頑張りますよ…ククッ」

ヤタガラス「あんさんにはマーラ様も期待しとるでえ」

ネクロマンサー「……」

ヤタガラス「ほんじゃあ、よろしゅう。…あ、小船…どないする?」

ネクロマンサー「漁師か何かでしょう?放っておきましょう」

ヤタガラス「さよか。ほんならこのまま失礼するわ」

ネクロマンサー「ご苦労様でした…」

飛び立つヤタガラスに、ネクロマンサーは頭を下げる。

バサッ……バサッバサッバサッ…

ネクロマンサー「…そうですねぇ。もうそろそろですか…ね」

テクテクテク

ネクロマンサー「その前に、まずは華国の人形を回収しましょうか…ククッ」

飛び去るヤタガラスの姿を見送り、ネクロマンサーは塔より姿を消した。
449 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 18:46:53.50 ID:Fu3C01Eo
〜南方、南の山〜

青龍先生「……さて、今日の講義はここまでじゃ」

召喚士「ありがとうございました」

青年兵「修行ももう五日目ですね…」

青龍先生「そろそろ次のステップへと移るかの…」

召喚士「!?」

青年兵「本当ですか…っ!?」

召喚士「次は何を……」

青龍先生「組み手じゃ」

青年兵「組み手…ですか?それなら今も……」

青龍先生「今は基本精霊のみの組み手じゃろ?」

召喚士「…ま、まさか…っ!?」

青龍先生「…そ。互いの召喚獣で組み手といこうか。…ひょっひょっひょ!」

召喚士「……っ!!」

青年兵(召喚士さんと……本気でっ…!?)
450 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 18:47:24.74 ID:Fu3C01Eo
青龍先生「どうじゃ?それとも止めておくかの…?」

青年兵「……やります!」

召喚士「…もちろんですっ!」

青龍先生「ひょっひょっひょ。それでこそ…じゃ」

召喚士「ならば…早速…っ」

青年兵「ええ…っ!」

ジャリッ

青龍先生「待て待て待て。まぁそう焦るでない…」

召喚士「……」

青龍先生「朱雀先生。お主、青龍召喚獣は何を持っておる?」

召喚士「青龍ですか…?えぇと……サラマンダーのみ…です……」

青年兵「えっ!?」

青龍先生「…なんと、それは意外であったわい」

召喚士「なかなか…機会がなくて。はは…っ」

青年兵「せっかくですし、ワイバーンあたりでも会得されますか?」
451 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 18:48:57.13 ID:Fu3C01Eo
召喚士「そうだなぁ…。確かに炎系の攻撃は持ってないから助かるかも…」

青龍先生「ならば後ほど、会得するとしよう」

召喚士「よろしくお願い致します!」

青年兵「ところで、何故…青龍を…?」

青龍先生「先日、流派の話しをしたじゃろ?」

青年兵「え、ええ…」

青龍先生「せっかくの機会じゃ。違いを比べてみようかと思ってな」

召喚士「…違い?、そうか…っ」

青龍先生「見てみたくはないか?」

青年兵「……やってみましょう」

召喚士「うん…っ!」

二人は距離を取り、召喚獣を呼び出す。

召喚士「行けっ!サラマンダー!!」

青年兵「出でよっ!サラマンダー!!」

シュイイィィンッ
452 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 18:49:47.96 ID:Fu3C01Eo
二匹のサラマンダーが姿を現す。

サラマンダー「……おぉ、同胞がおるやんけ!!」

サラマンダー「何だ貴様…?おぉ、同胞か…!」

サラマンダー「ふぅん…。また何か企んでるっちゅー事か」

サラマンダー「なんと…。一体何をすると言うのやら…やれやれ…」

召喚士「あの…サラマンダー」

青年兵「や、ややこしい…っ」

サラマンダー「だあほっ!ややこしいってお前らが呼んだんじゃろがっ!!」

召喚士「仰るとおり!…お、落ち着いて!」

青龍先生「うーん……」

青年兵「……?」

青龍先生「……サラちゃん」

サラマンダー「はぁ?なんじゃこのジジイは!?」

青龍先生「ひょっひょ。ややこしいからこっちはサラちゃん」

召喚士「…良かったね。サラちゃん!はははっ!」
453 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 18:50:44.13 ID:Fu3C01Eo
ボカッ!!

召喚士「……っつー!!」

サラ「誰がサラちゃんじゃ!おんどりゃああぁぁ!!」

サラマンダー「良いではないか。サラちゃん」

サラ「誰がじゃボケッ!お前が呼ぶな!!」

青年兵「……え、えぇと」

青龍先生「少しは分かったじゃろ?流派によって正確も内容も変わる…」

青年兵「!?」

青龍先生「同じ召喚獣でも…流派や使い手によって、変わってくるのじゃ」

青年兵「なるほど……」

青龍先生「朱雀の流派だからか…あちらはやや荒っぽいようじゃがの…ひょっひょ」

青年兵「で、ですね…っ。ははっ……」

サラ「もう帰る!いるだけ無駄じゃっ!」

シュィィン

召喚士「あっ!?ちょ、ちょっとおぉ…!!」
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 18:53:27.48 ID:6d3nesIo
    /\___/\
   /''''''     ''''''::\
   |(●),    、(●)、.|  サラちゃん
   |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .:|
   |   `-=ニ=- '  .:::::|
   \  `ニニ´  ._/
   (`ー‐--‐‐―/  ).|´
    |       |  ヽ|
    ゝ ノ     ヽ  ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    /\___/\
   /''''''     ''''''::\
   |(へ),    、(へ)、.|  ふふ、呼んでみただけ♪
   |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .:|
   |   `-=ニ=- '  .:::::|
   \  `ニニ´  ._/
   (`ー‐--‐‐―/  ).|´
    |       |  ヽ|
    ゝ ノ     ヽ  ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/20(火) 18:57:16.19 ID:Fu3C01Eo
こんばんは。連休明けは仕事量が……
帰ってから本気出します!すみません!

本日もご支援ありがとうございますです!
レスしたいんですがすみません!ちゃんと読んでおりますのでっ!ノシ
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 19:25:11.95 ID:FKre.A2o
誰かゲイナーくんの大告白のコピペ持ってきてくれ
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 19:25:42.86 ID:yHkqZmQo
そういや、サラちゃんは青年兵が召喚したのを見て会得したんだよな?
458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 19:31:01.90 ID:WIcp.yM0
サラー!!好きだー!!

あのシーンは熱い
459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 19:34:35.79 ID:.4SEiFEo
僕のことはウィザードと呼んでもらおうか
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 20:19:31.11 ID:alWBloAO
サラ「おにいちゃん!おにいちゃん!」

ジャッキー「イェアー」
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 20:51:29.38 ID:r4wWMFYo
>>409
遅レスだけど、魂の複製が可能かどうか一番知りたいのがネクロマンサーじゃないかな
462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 21:25:32.88 ID:HFxCzlI0
というかお前らがマーラ様マーラ様言うから
出てきてしまったぞ
はやく謝るべき死にたくないならそうするべき
463 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 21:34:41.29 ID:SJOUCn.0
なにこれ、ネクロさんが各メンバーの修行場所にあらわれて、毎回五行くらってボコボコになるフラグ?
464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 21:56:28.16 ID:98DrCgAO
>>463
なにそのドM
465 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 22:54:21.96 ID:PAhfRfw0
マーラ様!!!!


さすがご立派でいらっしゃる!
466 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 23:12:14.89 ID:m1JqZgSO
お前ら、勘違いしたらいけないから忠告しておくが…
“第六天魔王”マーラ様だぞ。
つまり、彼のターゲットは女子よりも男子に…ひぎぃッ!!
467 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 23:25:42.92 ID:e6MMeYDO
とうとうマーラ様出やがったwwwwww
468 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 23:26:47.48 ID:5TlFt4wo
そのうちホール様とかでるんじゃね
469 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 23:34:07.20 ID:KkfGQZ.o
        /⌒ヽ⌒ヽ
               Y
            八  ヽ
     (   __//. ヽ,, ,)
      丶1    八.  !/
       ζ,    八.  j
        i    丿 、 j
        |     八   |
        | !    i 、 |
       | i し " i   '|
      |ノ (   i    i|
      ( '~ヽ   !  ‖
        │     i   ‖
      |      !   ||
      |    │    |
      |       |    | |
     |       |   | |
     |        !    | |
470 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 23:53:24.45 ID:dRY/LaQo


青龍先生「とりあえず…分かったかの?」

青年兵「はい…。充分に…っ」

召喚士「……酷い目に遭いましたけどね…」

青龍先生「百聞は一見にしかず…じゃよ!ひょひょひょ!」

召喚士「…はぁ」

青龍先生「さて、本題じゃ……」

青年兵「…はい」

青龍先生「まずは同属性同士でと思ったが…」

召喚士「……」

ザッ

青龍先生「いきなり本領発揮と…いくかのう…」

青年兵「元よりそのつもりです…っ!」

召喚士「……ええ」

青龍先生「ひょっひょっひょ。若さとはすばらしいのう…!」
471 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/20(火) 23:57:12.64 ID:dRY/LaQo
ザッザッザ…

召喚士「じゃあ……」

青年兵「…お願いします!」

青龍先生「良いか?あくまで攻撃は互いの召喚獣のみじゃぞ…?」

召喚士「……」

青年兵「……」

青龍先生「始めっ!!」

青年兵「行けっ!ワイバーン!!」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

シュイィィン

コカトリス「……」

青年兵(対峙して改めて感じる……)

召喚士「……」

青年兵(コカトリスのパワー…。そして…召喚士さんの強さ…っ!)

青年兵は額より汗が垂れ落ちる中、歯を食いしばり…笑う。
472 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 00:13:15.31 ID:a/mgL/co
ワイバーン「……」

召喚士(一筋縄でいくなんて…当然思ってない…)

青年兵「……」

召喚士(青年兵くんの強さは…計り知れない……っ)

両者はほぼ同時に右手を上げる。それを合図に二匹の召喚獣が空高く舞う。

青年兵(制空権…っ!頭を押さえる…っ!!)

召喚士(考える事は…一緒かっ!)

青龍先生「ひょっひょ…。これはなかなか…!」

バシュウッ!!

召喚士「!?」

コカトリス「ほう…っ。早さはあちらが上か…」

青年兵「よしっ!!ワイバーン!!」

ワイバーン「……うむっ!」

ワイバーンは上空で素早く旋回し、コカトリスの背中へと急降下する。

召喚士「……」
473 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 00:17:59.99 ID:a/mgL/co
ゴウッ!!

青年兵「……何…っ?!」

ワイバーン「避けぬなら…このまま…っ!」

ワイバーンは前足を伸ばし、鋭い爪をコカトリスへと向ける。

ゴオオォォッ

青龍先生「さて……どうするのかのぉ」

召喚士「……」

青年兵(まだ避けない…!?一体何を…っ)

ワイバーン「はあぁっ!!」

コカトリス「……」

召喚士「今だっ!!」

ワイバーンが眼前に迫った瞬間、コカトリスの姿が突如その場より消える。

青年兵「……っ!!」

ワイバーン「何だと…っ!?」

青龍先生「…ほぉ。そうきたか…!」
474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 01:30:04.93 ID:kC4ATh2o
どうきたんだよ!?えっ!?いってみろよ!!!
475 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 01:42:11.01 ID:wRG/.6DO
そうきたって言ってんだろ
476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 01:56:02.36 ID:UrdnAZEo
だからその場から消えたって言ってんだろ
477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 02:10:39.28 ID:XQ5kA2SO
    |┃
    |┃三    ,ィ, (fー--─‐- 、、
    |┃.    ,イ/〃        ヾ= 、
    |┃   N {                \
    |┃  ト.l ヽ               l
 ガラッ.|┃ 、ゝ丶         ,..ィ从    |
    |┃  \`.、_    _,. _彡'ノリ__,.ゝ、  |     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃三 `ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ    <  話は聞かせてもらったぞ!
    |┃.    |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ     |   コカトリスは消滅する!
    |┃三  ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐'  ,ン       \____________
    |┃      l     r─‐-、   /:|
    |┃三     ト、  `二¨´  ,.イ |
    |┃     _亅::ヽ、    ./ i :ト、
    |┃  -‐''「 F′::  `:ー '´  ,.'  フ >ー、
    |┃    ト、ヾ;、..__     , '_,./ /l
478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 02:11:43.30 ID:vZRgNESO
要するに俺はとことんドMって事だッッッ

俺を踏んでくれッ盗賊たんっ…!
479 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 02:48:17.97 ID:.T0hs9ko
荒らしがきたから一旦消して再うp…
召喚士ちゃんったらすっかりテクニシャンになっちゃって///
480 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/21(水) 04:10:54.95 ID:C4KpWec0
        録画開始
                ;;-、
                /ヽ;;)
        ∧_∧ /
  ∧_∧_(◎・∀・∩
 ( ・∀|[__|o|_∧つ      ___
  | つ ∩( ・∀・))     | i \ \
 と_)_)( つ|三|O     | i  l =l ←>>473
       と_) ̄)        | |__ノ  ノ
           ̄       | ̄ ̄| ̄ ̄|
481 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/21(水) 07:49:28.17 ID:a/mgL/co
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれはあまりの暑さにダルくてゴロゴロしていたと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにか朝だった』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何が起きたかわからなかった
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    仮眠だとか小休止だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

おはようございます…ほんとすみません…
エアコン欲しいです。仕事行ってきます…
482 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 07:59:31.32 ID:wr8nMgAO
SS職人の朝は早い

>>1乙 今日も頑張ろう
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 08:40:17.84 ID:yBPfo9Ao
>>481
生きろ
484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 13:08:44.74 ID:SPhAIAAO
>>1乙!

>>479
こういう発想が出来るのは天才だと思うわ
485 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:47:29.52 ID:fK73t0Yo
青年兵(コカトリスが消えた…いや、消したっ!!)

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

シュイィィン

一度姿を消したコカトリスが、再びワイバーンの背後に姿を現す。

青龍先生(一旦、召喚解除し…再召喚。魔力を食うのにようやるわい…)

召喚士(何とかうまくいった!修行の成果だ…!)

青年兵「絶妙のタイミング…!さすがですね…っ」

ワイバーン「言ってる場合か青年兵!背後を取られたぞ!」

青年兵「分かってる!!」

三人の頭上を低空飛行で過ぎていくワイバーン。

その上空に、コカトリスがピッタリと並び、その後を追う。

ィィイイ……ゴウッ!!

コカトリス「どうしたっ!?ただ逃げるだけか?」

ワイバーン「安っぽい挑発なんぞには乗らぬよ…!」

コカトリス「……」
486 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:48:03.31 ID:fK73t0Yo
ワイバーン「それに忘れたか…?スピードはこちらが上っ!」

ギュンッ!!……バシュウウゥゥ!!

コカトリス「……ちぃっ!」

青龍先生「さて…どうする気かの…?」

召喚士「…ならばっ!」

鞘から抜いたレイピアを頭上で円を描くように回し、召喚士は合図する。

コカトリス「…うむ!」

それを受けてコカトリスがワイバーンを追いつつ、高度を上げ始める。

青年兵(…何か仕掛ける気だな…っ?)

召喚士「……」

コカトリスは上昇を終えると、今度は前方めがけ急降下を始める。

ゴオオォォッ!!

召喚士「今だっ!!」

コカトリス「はあぁっ!!」

ドンドンドンドンドンッ!!……ドンッ!!
487 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:48:36.19 ID:fK73t0Yo
大きく開いたコカトリスの口から、球状の息の塊が数発、打ち放たれる。

それはワイバーンの前方に位置する地面へ着弾し、その衝撃で地面が舞い上がる。

ワイバーン「目くらましか…!?」

青年兵「違うっ!!旋回だ!!」

ワイバーン「!?」

舞い上げられた地面が徐々に石化を始める。

青龍先生「ただの衝撃波ではない…。石化の息の…衝撃波か!」

召喚士「壁は作った!道は塞いだぞっ!」

ワイバーン「おのれ…!!」

青年兵「左から旋回し、反転っ!!」

ギュオッ!!

コカトリス「逃がすかっ!!」

せり上がる土の壁を背に、沿うように旋回するワイバーン。

Uターンするそのすがたを上からコカトリスが追跡する。

コカトリス「いかに早いと言えど…この距離なら…っ!!」
488 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:49:05.19 ID:fK73t0Yo
召喚士「行っけぇ!!」

コカトリス「おおぉぉっ!!」

再び巨大な嘴を上下に開き、コカトリスは大きく意気を吸い込む。

コカトリス「……」

ワイバーン「……っ」

コカトリス(何だ…っ!?いやに冷静だな…)

青年兵「……」

コカトリスの口から大量の息が吐き出される。

召喚士「…回避…しないっ!?」

コカトリス「ま…さか…!!」

ゴオオォォッ!!

石化の吐息が目の前に迫るその瞬間、

青年兵「はぁっ!!」

シュイィィン

ワイバーンはその姿を消した。
489 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:49:39.91 ID:fK73t0Yo
ゴオオォォッ!!

上空から吹き付ける石化の息は、地面を石へと変える。

コカトリス「先程の召喚士と同様…召喚解除で回避するとは…っ!」

青龍先生「ひょっひょっひょ!やってくれるわい…!」

召喚士「……流石だね…青年兵くん!」

青年兵「…負けていられませんから!」

青年兵は呼吸を整えながら、額の汗を拭う。

青年兵「出でよっ、ワイバーン!!」

シュイィィン

再び姿を見せたワイバーン。それと同時に両者が右手を上げる。

召喚士(これで互いに…小細工は通じない…っ!)

青年兵(いや…ここまでは余興。最後は単純に力比べだっ!!)

ドウンッ!!

二人の右手が同時に振り下ろされ、それを合図に二匹の召喚獣が翼を広げ飛び出す。

二匹の召喚獣は中央でぶつかり合い、きりもみ状で上空へと高度を上げていく。
490 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:50:06.59 ID:fK73t0Yo
ギュオオォォッ……バシュウゥゥ!!

青龍先生「ひょっひょ、まるで竜巻じゃな!」

召喚士「くう…っ!!」

青年兵「まだ…まだ…ぁ!!」

やがて螺旋の渦は小さくなり、コカトリスとワイバーンが衝突を始める。

ワイバーン「はぁーっ!!」

先に仕掛けたのはワイバーン。コカトリスへ覆いかぶさるように絡みつく。

ワイバーン「至近距離ならば…石化も出来まいっ!」

コカトリス「……ならばっ!」

コカトリスは毒撃の尾を大きく振り上げるが、それもワイバーンの尾が絡め取る。

ギュルギュルッ!!

コカトリス「……っ!?」

ワイバーン「ふっふ…!身動き出来まい!」

コカトリス「それは貴様とて…同じ事っ!」

体勢をを無理矢理ひねり、コカトリスはそのまま急降下する。
491 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:50:36.91 ID:fK73t0Yo
ワイバーン「叩きつけようと言うのか!?地面に!!」

コカトリス「はあぁっ!!」

ワイバーン「お主とて逃げられんぞ!」

青龍先生「相打つ気か…!?」

ギュオオオォォッ!!……

コカトリス「……!?」

ワイバーン「……!!」

二匹の召喚獣が地面へぶつかる瞬間。その姿を再び消した。

シュイィンン

召喚士「はぁ…っ、はぁ…はぁ…」

青年兵「……はぁ…はぁ…っ!」

青龍先生「……ふむ。引き分け…かの」

召喚士「…そのようです」

青年兵「……ありがとうございました…っ」

召喚士「こちらこそ…っ!」
492 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:51:02.08 ID:fK73t0Yo


召喚士「はぁー、疲れたぁ……」

青年兵「まさかこんなに負担があるとは……」

青龍先生「精神を集中させておるからの。肉体的な疲労よりシンドイじゃろ」

青年兵「ええ……」

青龍先生「それにしても両者…見事であった」

召喚士「いえっ、まだまだでした…」

青龍先生「そんな事はない。儂の想像以上の出来じゃったぞ?」

青年兵「……」

青龍先生「何より、召喚解除に気付いた事は非常に大きい」

召喚士「…そうですか?」

青龍先生「うむ。召喚士ゆえに召喚し終えたら、それに頼りきる傾向がある…」

青年兵「……」

青龍先生「それを解除し再召喚する…。戦闘中にその発想は、なかなか難しいものよ」

召喚士「……なるほど」
493 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:51:37.26 ID:fK73t0Yo
青龍先生「それに、魔力への負担も大きいしな」

青年兵「一旦…解除して、再び召喚するわけですからね」

青龍先生「その事に自ら気付けたお主等は、上出来…というわけじゃ」

召喚士「……ありがとうございます。全ては修行の成果です」

青龍先生「ただ突っ立っておるわけじゃないのが分かったかの?ひょっひょ」

青年兵「はい。以前より魔力をしっかり溜め込む事が出来ております」

青龍先生「明日からは更に難易度を高めていこうと思うておる」

召喚士「…頑張ります!」

青年兵「覚悟しております…!」

青龍先生「ひょっひょ。逞しいのう!……さて、今日は休むとしようか」

召喚士「はい。もうクタクタです……」

青年兵「ですね……」

青龍先生「ひょっひょっひょ!しっかりと修行しておる証じゃ」

青年兵「…では、失礼します。ありがとうございました…!」

召喚士「うん。おやすみなさい!また明日…!」
494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 17:51:56.53 ID:HUdY9r2o
かっけぇな…なんかガメラ思い出した
495 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:52:10.75 ID:fK73t0Yo


盗賊『兄様っ!!行っちゃやだぁ!!』

兄様『盗賊…盗賊……』

盗賊『兄様あぁーっ!!』

ガバッ!!

盗賊「……ぁ」

ズキッ

盗賊「…っく!!」

スッ…テクテクテク

老人「目が覚めたかね…?まだ起きない方がよい…横になりなさい」

包帯が巻かれた上半身と両腕、頭部。盗賊は擦るように撫で、目を丸くする。

老人は険しい表情で首を横に振り、盗賊を再び布団へ横になるよう促す。

盗賊「……あ…あの…っ」

老人「もう三日も眠っておったのじゃぞ?」

〜東方、北の村〜
496 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:52:58.05 ID:fK73t0Yo


ダンダンダン…バサッ

漁師「おぉ、目が覚めたか!?」

老人「…つい、今しがたじゃ」

盗賊「…あ、あの」

老人「安心せい。ここは北の村じゃ」

盗賊「…北の?……あ…っ!?」

老人「思い出してくれたかの?」

盗賊「…あの…時の」

老人「お主に道を教えた後、やはり心配になってのぉ…」

盗賊「……」

老人「こやつに船を出して貰って、儂も最北の塔へ向かったのじゃよ」

漁師「丁度、漁の後だったし…このジーサンには逆らえないからなぁ」

盗賊「……」

老人「そしたら突如、塔は粉々になるわ…お主は海へ投げ出されてるわで…」
497 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:53:35.64 ID:fK73t0Yo
盗賊「……そう…か」

テクテクテク

海女「ありゃ!目覚めたかいっ!?良かったぁ〜!」

漁師「母ちゃんよ、粥と…なんだ、えぇと…栄養付くモン持ってきな!」

海女「あいよっ!その前に包帯変えるから…アンタとジーサンは出ておくれ」

漁師「おうっと…!すまねぇ…!」

ノソッ…テクテクテクテク…バサッ

海女「安心しとくれ。アンタの身体には触れさせてないからさっ!あはは!」

盗賊「……」

シュルシュルッ…パサッ

海女「……酷い…傷だね」

盗賊「……」

海女「若い娘が駄目だよ?こんな傷だらけじゃあ……」

盗賊「……うん」

海女「…さ、包帯変えるね」
498 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:54:13.57 ID:fK73t0Yo
ギュッ…キュッキュ

海女「はい、おしまい!起きられるかい?」

盗賊「…うん。あ、あの……っ」

海女「…?」

盗賊「……あ、ありがとう…ございます」

海女「…あははっ!気にしなくていいんだよ。そんな事!」

盗賊「…………」

海女「……?」

盗賊「……っ」

海女「……よしよし」

盗賊「…ふ…っ……うぅ…っ!」

海女「泣きたい時は泣けばいいさ…」

海女は優しく盗賊を抱きしめる。

盗賊「…う…ぅ…あぁ…っ…!」

海女の胸に顔を埋めるように、盗賊はただただ泣きじゃくった。
499 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:54:41.28 ID:fK73t0Yo


漁師「……どうだ?」

海女「また寝ちまったよ…」

漁師「そうかぁ…。しっかしあんな大怪我して…何者なんだ?」

老人「さぁのう…。じゃが、放っておくわけにもいくまいて…」

漁師「そりゃあそうだが……」

海女「しばらくはウチで安静にして貰えばいいさ」

老人「スマンのう…。頼んだぞ」

漁師「どうせしばらくは漁にも出られねぇし、構わねぇよ」

海女「…全く。お上やお役人は何を考えてるのかねぇ…」

老人「……」

漁師「こんな現状で挙句、漁まで規制されちゃあ……」

海女「正直…生活出来ないよ。全く……」

漁師「あぁ…。困ったもんだぜ……」

老人「……ほんに…困ったもんじゃのぅ」
500 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:55:07.92 ID:fK73t0Yo
〜最北〜

香具師「なんでだよ、ここを通して貰わにゃ香草や薬草が…」

足軽「駄目だ。ここから先は立ち入り禁止だ!」

男「陸路も海路もって…そんじゃあどうやって狩猟や漁を…」

足軽「あの塔を見ろ!妖怪にやられて死にたいのかっ!?」

香具師「……うぅ」

ザッザッザッザ

足軽「ご、ご苦労様ですっ!!」

名代「……うむ」

男「なぁ、アンタぁ偉い方だろ?何とかならないのかい…?」

名代「……皆様のお気持ち、充分に承知しております」

香具師「……」

名代「しかし、この先は妖怪が出る恐れがあり危険…。そうか分かって頂きたい」

男「でもよぉ…。そんなんじゃ生活が……」

名代「…手は打ちます。今しばし…お待ち下さい」
501 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:55:38.85 ID:fK73t0Yo
ザッザッザ

香具師「ちょいと!しばしってどのぐらい待てば…っ」

足軽「おいコラ!下がれっ!!」

香具師「おいって…ば…っ!!」

激しい口調で言及する庶民を足軽達が必死に食い止める。

名代はその奥の、塔へと続く道をゆっくりと進んで行った。

ザッザッザッザッザ

名代「お疲れ様です。首尾は…?」

火忍「あー、特に何もねぇな…」

名代「……」

風忍「しかし…凄まじい威力だな」

火忍「あれか?」

半壊した塔を見上げながら、火忍は言葉を続ける。

火忍「どこぞの術士か知らねーが、そう簡単にああはいかねぇぞ」

名代「ええ。一体何があったのか…」
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/21(水) 17:57:17.41 ID:fK73t0Yo
>>500
名代「しかし、この先は妖怪が出る恐れがあり危険…。そうか分かって頂きたい」

名代「しかし、この先は妖怪が出る恐れがあり危険…。どうか分かって頂きたい」
503 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:58:35.59 ID:fK73t0Yo
風忍「北の大名家が滅んで以来、この地も未統括だったのですよね?」

名代「はい。ただですら妖怪の多い地です。そこまで手は回りませんでしたから…」

火忍「つー事は…妖怪の仕業か?」

風忍「一体…何の為に…」

名代「……」

テクテクテク…スッ

名代「……?」

拾い上げた紙切れを名代はじっと見つめる。

火忍「なんだ…それ?」

名代「書物…ですかね?東方の物ではなさそうですね…」

風忍「!?」

火忍「ってぇ事は…この国のモンじゃねぇ誰かが……」

風忍「何か…良からぬ事が動き始めているようだな」

火忍「面倒事が多すぎだっつーの…」

名代「…………」
504 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:59:17.91 ID:fK73t0Yo
〜次の日〜

盗賊「……ん」

モゾッ…

海女「おはよう!……どう?」

盗賊「…もう…大丈……」

ゴソゴソッ…ヨロヨロ…

海女「無理しなさんな。食べる物持ってくるから!」

テクテクテク…カチャカチャッ

盗賊「……」

海女「粥だけど…食えるかい?」

盗賊「……ありがとう」

茶碗を受け取り、盗賊は少しずつ粥を口へ運ぶ。

盗賊「……美味しい」

海女「…良かった」

盗賊「…ありがとう…ございます」
505 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 17:59:52.19 ID:fK73t0Yo


漁師「もういいのか?無理して起きなくとも…」

盗賊「…大丈夫」

老人「……」

盗賊「…それに…迷惑かけられない…から」

漁師と海女は顔を見合わせ、大声で笑う。

海女「あっははは!そんなの気にしなくていいのに!」

盗賊「……でも」

漁師「いくら貧しいとはいえ、怪我人の一人くらい面倒見れるって!」

盗賊「い、いやっ…そういう意味では……」

老人「そうじゃよ。まだ傷も癒えておらぬ…」

盗賊「……」

海女「あんまりいい物は食わせてやれないけど…前よりは幾分かマシだしね」

漁師「ああ、そうだ」

盗賊「……?」
506 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 18:00:52.69 ID:fK73t0Yo
漁師「少し前に北の大名家が滅んだろ?お陰で厳しい年貢が無くなってさ!」

海女「今は自給自足だけで済むからね。きついけどあの頃に比べりゃマシさ」

盗賊「……」

老人「昔は自分らの食事さえままならぬ日もあったからのぅ…」

漁師「……お陰で、倅も死んだ」

海女「……」

盗賊「……っ!!」

漁師「この村だけじゃない…。北の至る所で同じ惨状だったさ…」

老人「それでも貧しいに変わりないがの……」

盗賊「……」

海女「さ、暗い話はもう止そう!アンタも食事済ませちまいな!」

漁師「おう、そうだな…!」

老人「……何があったか、聞かせて貰えんかね?」

盗賊「……」

老人「勿論、無理にとは言わん…。じゃが自分らの土地の事…知っておきたいのじゃ」
507 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 18:01:50.62 ID:fK73t0Yo


漁師「……」

海女「……っ」

老人「なんと…っ、そのような事が……」

盗賊「……だから…もう近づかない方がいい」

漁師「それでお役人達は、道を封鎖してるってわけか…」

海女「そうならそうと言ってくれればいいのに…」

老人「そうもいかんじゃろ。妖怪がうろついているなど、公には出来まいて…」

漁師「逆に混乱を招いちまうもんなぁ…」

海女「アンタも…辛かったね……」

盗賊「……」

漁師「お嬢ちゃん、ほんとにアンタは何者なんだい…?」

盗賊「……それは…言えない」

老人「……」

海女「まぁまぁ、深い詮索は無しってもんだよ。ねぇ?」
508 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 18:02:47.38 ID:fK73t0Yo
盗賊「…ごめんなさい」

漁師「…ま、いいか。お嬢ちゃんが悪い奴じゃないってのは、よーく分かった」

海女「そうだよ。こんなボロボロになってまで妖怪と戦ってくれたんだから」

盗賊「……違う」

海女「…?」

盗賊「…私は…何も出来なかった!」

老人「……」

盗賊「…私は…無力だ…っ」

老人「そんな事はない…」

盗賊「……」

老人「妖怪相手に戦おうと、意思があるだけで…儂らなんかより充分強い」

漁師「そうそう。戦おうなんぞ思いもしねぇ…。俺なら逃げる!」

海女「なーにを偉そうにさ……」

老人「強い意思を持っておる。意思はいずれ力へと変わるじゃろうて…」

盗賊「……っ」
509 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 18:03:27.04 ID:fK73t0Yo


海女「傷が癒えるまでここに居ておくれ」

盗賊「……」

海女「生傷のまま出て行かれて…何かあったら、夢見が悪いよっ」

漁師「そうそう。なーんにもないとこだけどな!」

老人「…良いな?」

盗賊「…………」

しばし考えた後、盗賊はこくりと黙って頷いた。

海女「それじゃ早速、あっちの部屋を片付けて…準備しようかね!」

漁師「あ、そうだ…」

盗賊「……?」

テクテクテク…ゴソゴソッ

漁師「これ…海中で拾ったんだが、大事な物なんじゃあないか?」

漁師は一本のクナイを手にし、盗賊へと渡す。

盗賊「!?」
510 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 18:04:16.76 ID:fK73t0Yo
漁師「落ちたのが浅い所だったから…なんとか拾ってこれたよ」

盗賊「……っ」

漁師「あとは……これぐらいしか拾えなかったけどな」

見覚えのある防水加工された布の袋。盗賊は両手でそれを受け取る。

海女「アンタの腰に巻きついてた鎖は、台所の脇に置いてあるからねぇ!」

奥の部屋から海女が顔を出し、声をかける。

盗賊「……蜘蛛切…っ!!」

老人「……?」

盗賊「…刀は…無かった…ですか!?」

漁師「刀…?うぅん、見てないなぁ…」

老人「もしかしたら、塔の瓦礫に埋まってしまっておるかもしれんな…」

海女「傷が治ったら行ってみたら?お役人もいるし見つかるかもよ?」

盗賊「……うん」

老人「まずはなんとか…一件落着かの…」

四人はそれぞれ目を合わせ、にっこりと微笑んだ。
511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 18:25:53.00 ID:t5hF9Y20
蜘蛛切無くしたのか…
512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/21(水) 18:28:59.51 ID:fK73t0Yo
やっぱりエアコン効いてる場所だとはかどりますね!
ご支援ありがとうございました!それでは失礼致します!ノシ

遅レスですが>>438さんのオマケに使わせて頂きます!
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 20:02:00.79 ID:Pdwu3jko
>>1はいったい何の仕事してるんだ…代わってほしいww
514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 21:31:42.65 ID:LvsGEW20
事務に決まってんだろ言わせんな恥ずかしい
515 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 21:53:05.14 ID:BT86p5ko
ワーカーに仕事を手配する責任重大な仕事だよ
516 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 23:20:33.73 ID:a/mgL/co
〜北方、泉〜

魔道士「…………」

チュンッ…チチュンッ!!

魔道士「……ふぅ…っ」

ザッザッザ

マジシャン「おっはよう!どうだい…?」

魔道士「おはようございますっ。……そうですねぇ」

マジシャン「……」

魔道士「段々…風の流れが分かってきました…!」

マジシャン「……そっか!そりゃお見事だ…!」

魔道士「空や雲や…空気の流れがどんな時に、風が吹くのか…」

マジシャン「……」

魔道士「」どこからどこへ…吹くのか。それがなんとなく、分かるようになりましたっ!」

マジシャン「……充分。上等だ!」

魔道士「えへへっ!!」
517 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 23:21:47.79 ID:a/mgL/co


マジシャン「そいつは予知でも魔法でも何でもねぇ」

魔道士「……?」

マジシャン「れっきとした万物の法則。いわば…予測可能な事象さ」

魔道士「…なるほど…っ」

マジシャン「普段は皆、分かっちゃいるが誰も気に留めてない。ただそれだけの事…」

魔道士「……」

マジシャン「ちょっとの努力とコツさえ掴めば、天気の予測だって可能になるさ」

魔道士「本当ですか…!?」

マジシャン「ああ。それをずーっと昔の人間は、予言だ魔法だと持て囃していたのさ…」

魔道士「……」

マジシャン「東方だか南東だかじゃあ『月読』…なんて、ご大層な名前も付いてたっけ…」

魔道士「つくよみ…ですか?」

マジシャン「でも重要なのは、これが魔法と関係してるって事!」

魔道士「……っ!?」
518 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 23:22:24.79 ID:a/mgL/co
マジシャン「んじゃ、分かりやすくいこうか…」

ザッザッザ

マジシャン「例えば…風が背中からの追い風だとしよう…」

魔道士「はいっ」

マジシャン「前方に敵がいて、魔道士ちゃんは炎の魔法を放つ」

魔道士「……はい」

マジシャン「魔物は弱いが、非常にすばしっこい。直撃は難しいかもしれない…」

魔道士「…はいっ」

マジシャン「そんな時、魔物の前後、どちらに向けて炎を放つ?」

魔道士「うーんと……前方ですかね?」

マジシャン「……何で?」

魔道士「やっぱり前方に炎を張る事で、間合いを離せますからね」

マジシャン「うん。それも一つの手…いや、今まではそれでオッケー」

魔道士「……今まで…ですか?」

マジシャン「そ。自分の命を優先的に守る、今までは…ね」
519 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 23:23:16.95 ID:a/mgL/co
魔道士「……っ!!」

マジシャン「でもね、国軍付になった今は違う……」

魔道士「……」

マジシャン「今度からは、命を投げ出す覚悟で…人の為に戦わなきゃいけない」

魔道士「……はい!」

マジシャン「まぁ、あくまで覚悟…だからね?本当に投げだしちゃダメよ?」

魔道士「……は、はい」

マジシャン「…背からの追い風なら、魔物の背後に炎を放つ」

魔道士「……すると…?」

マジシャン「日は魔物の背後に燃え広がるよね?」

魔道士「追い風ですから…そうなりますね」

マジシャン「魔物は退く事が出来なくなり、行動範囲も狭まる…」

魔道士「…!?……な、なるほど…っ!」

マジシャン「魔物は弱いが…非常にすばしっこい、って言ったよね?」

魔道士「……っ」
520 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 23:25:17.67 ID:a/mgL/co
マジシャン「弱いならその足を止めちゃえば…倒せるって事」

魔道士「…その通りです…っ」

マジシャン「でも、その為には…風の動き、流れを計算して……」

魔道士「位置…魔法を放つ箇所を…っ…」

マジシャン「……ハッハ!そういう事!」

魔道士「……な、なるほど…ですね」

マジシャン「もちろん魔道士ちゃんの答えも間違いではないよ?」

魔道士「……」

マジシャン「でも、月読が出来れば…そこまで戦闘の幅が広がるってもんさ」

魔道士「……勉強になります!」

マジシャン「ハッハ!!……んじゃお次はこの水…」

チャポッ…ゴクゴクッ

マジシャン「かぁ〜!!うまいっ!」

魔道士「ほんと綺麗ですよねぇ…!」

湧き出る泉の水を両手で掬い上げ、魔道士はニッコリと微笑む。
521 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 23:32:27.08 ID:a/mgL/co
マジシャン「例えば波紋の広がりが、どういった形で衝突し…力を相殺しているのか…」

ポチャンッ……

マジシャン「そういう事を知れば、敵の水による攻撃を、わずかな水行で相殺出来る……」

魔道士「すごいっ!!」

マジシャン「……ように、なるかもしれない」

魔道士「……」

マジシャン「流石に同魔力以外の相殺は見た事ないからな!夢の話に近いけどな…ハッハ!」

魔道士「そうですかぁ……」

マジシャン「あとは川の流れとかな…」

魔道士「川…ですか…?」

マジシャン「例えば今の場所が上流なのか下流なのか。川の流れや動きで判別も出来る」

魔道士「!!」

マジシャン「そうすりゃ道に迷ったとしても、割と楽に地形の把握も出来るしな…!」

魔道士「す、凄い…!!」

マジシャン「それが自然の摂理…。万物の理…ってやつさ」
522 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/21(水) 23:39:07.65 ID:a/mgL/co
魔道士「勉強になります…っ」

マジシャン「なんとなく分かったかな?この修行の目的…」

魔道士「はいっ!もう…バッチリです!」

マジシャン「ハッハ!そりゃ良かった」

魔道士「ふふっ…エヘヘ!」

マジシャン「でも、ちょっとそろそろ退屈してきたんじゃない?」

魔道士「うーん…退屈ではないですけど……」

マジシャン「あまり面白くない?」

魔道士「なんだか…こんなに楽してしまって良いのかな…って」

マジシャン「……そうか。じゃあ、少し違う事をしようかね!」

魔道士「はいっ!!」

マジシャン「…と言っても、今更…魔道士ちゃんに教えるような事はないんだよね…」

魔道士「……そうなんですか…!?」

マジシャン「だって五行全て使えるようになったし…。付加も補助も出来るし〜」

魔道士「…・・い、一応ですよっ。一応…」
523 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 23:46:45.39 ID:wr8nMgAO
おやおや、魔道士ちゃんの修行シーンに移りましたね

では、私はあちらの部屋で待機しておりますので、一体化の修行の際には呼んで下さい
524 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 23:49:15.55 ID:WWdpUVUo
zutto
ずっと待機してろ
525 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 23:53:19.67 ID:HUdY9r2o
じゃあ部屋に鍵かけて閉じ込めておくか
526 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 00:23:32.20 ID:k22R96k0
パーティーに居ないから物語にはあんま関係無いかもしれないけどプリーストの魔法形態も掘り下げてほしいな
回復魔法は五行には属してなさそうだし
527 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 00:25:29.92 ID:OfX88lEo
プリースト魔法も魔術士ちゃん使えるようになるから我慢しなしあ
528 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 00:30:29.86 ID:fLkfo.Io
ユニコーンやシービショップが居るし、コカちゃんの解毒もあるし
五行の中で回復魔法も可能だとは思うけどな
529 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 00:45:08.48 ID:ZXBPSIAO
逆転の発想でプリーストってのは消毒液や絆創膏、包帯など、更には止血剤や縫い針などの救急道具や、モルヒネなどの麻酔薬?を持ち込んでる職業なのではないだろうか…

これなら5行内にプリーストの話題が挙がらない理由も納得がいくな
530 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 00:49:06.43 ID:HKpImhso
マッサージとか整体も併せてパーティの体調管理とか?
531 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 01:27:43.85 ID:hjdJEoAO
全然関係ないけど、師匠シリーズというのがある事を最近知った
532 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 02:07:55.02 ID:3tBhiao0
さすがにプリーストの治療は即効性のあるものだろ
でないとミノタウロス戦で闘いながらプリースト守ろうとした意味が無い
533 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 02:13:45.20 ID:tOTELJAo
TOP的な魔術と法術で、元になる力が違ったりするんだろうな
534 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 04:31:32.03 ID:2QIDFhAo
本国の王族系で女の人っていないよね
ttp://imgup.me/e/iup1290.jpg
535 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 09:02:51.88 ID:.5CZ.Hso
無属性とかないのかなー
536 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 11:18:37.59 ID:ecAJiIAO
あるけど既存の五行の補助くらいの役割なんじゃね?
マジックザキャザリングとかの赤赤赤を赤無無で撃つみたいにさ
537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 13:41:14.52 ID:utU97sQ0
>>534
王族ではないけど、左大臣の部下の娘って王族系っぽくないか?
ほら、支払いが全部小切手なあたりその画像いけるし
538 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:49:03.48 ID:JbsLYTIo
マジシャン「…まぁ、実際やる事は難しくもないよ。簡単な事」

魔道士「……?」

マジシャン「魔力を溜めて、魔法を放つ!……そんだけ」

魔道士「…そう…なんですか?」

マジシャン「但し、溜める魔力は微弱でいいから、魔法を早く放つ事」

魔道士「…早く」

マジシャン「目的は、制度を落とさず…詠唱時間を早める事」

魔道士「なるほど…っ」

マジシャン「詠唱が早ければ、利点はいーっぱいあるからね!」

魔道士「…お、教えて頂けませんかっ!?」

マジシャン「例えば…敵の魔法を相殺する時なんかにだな…」

魔道士「はいっ」

マジシャン「相殺するにもギリギリじゃなく、余裕も持って相殺出来るでしょ?」

魔道士「な、なるほど…!」

マジシャンの言葉を噛み締めるように、魔道士はこくこくと頷く。
539 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:49:30.23 ID:JbsLYTIo
マジシャン「逆に魔法を放つのが早ければ、相手の相殺時間を潰せるしな」

魔道士「おぉ…っ、やっぱり早いと有利なんですねぇ…!」

マジシャン「そゆ事。そこに更に月読の効果を掛け合わせれば…」

魔道士「……」

マジシャン「魔法の力は、何倍にも跳ね上がるって事!」

魔道士「……凄い」

マジシャン「…ただ魔力を溜めて放つだけじゃない…。魔法も置くが深いのさ」

魔道士「マジシャンさんは…いつも…そこまで考えて…?」

マジシャン「必ずってワケでもねーけど…魔力の節約にもなるしな。ハッハ!」

魔道士「……よぉし!頑張りますっ!」

マジシャン「おうっ。そんじゃ五行の火から順番に行こうか!」

魔道士「はいっ!!」

マジシャン「火の次は水!ローテーションで順番だぞっ!」

魔道士「……はぁっ!!」

マジシャン「よしっ!もっとだ、もっと早く!!」
540 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:50:05.31 ID:JbsLYTIo
〜南東国、南の山〜

バシャバシャッ!!

戦士「……っ!!」

テクテクテク

隊長「ほれっ」

戦士「あ…どうも…」

差し出されたタオルを受け取り、戦士は顔を拭く。

隊長「なかなか男前になってきたじゃねーか」

戦士「……顔洗うだけで沁みるっすよ」

隊長「だっはっは!頑張ってる証拠だ。勲章だよ勲章!」

戦士「…はぁ」

隊長「まだ一週間経ってないぜ?もう止めるか…?」

戦士「……まさか」

隊長「…だよな!」

戦士「もっとだ…。もっと強くなってやるさ…!」
541 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:50:34.57 ID:JbsLYTIo
〜東方、北の村〜

老人「ほんに…大丈夫か?」

盗賊「…うん…ありがとう」

海女「目が覚めてから三日しか経ってないのに……」

盗賊「…本当に…大丈夫だから」

漁師「……」

盗賊「…ありがとう…ございました」

海女「こっちこそすまないね…。怪我人なのに働いて貰っちゃって…」

盗賊「…ううん。あのぐらいは…別に」

老人「最北の塔へ行くのかね…?」

盗賊「……うん」

漁師「よーし…そんなら、途中まで船で送って行ってやらぁ!」

海女「そうだね…そうしておやりよっ!」

盗賊「…で、でも」

漁師「いいからいいから!」
542 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:51:26.06 ID:JbsLYTIo


盗賊「……では」

盗賊はぺこりとお辞儀をし、家の外へ出る。

老人「またの…」

海女「気をつけるんだよー!!」

漁師「おし、行くぞ!」

盗賊「…うん」

テクテクテク

盗賊「……あ…っ」

子供「お姉ちゃーん!」

トットット…

盗賊「……」

子供「この前は、お菓子ありがとぉ〜」

盗賊「…べ、別に…っ」

子供「また遊びにきてねぇ〜!ばいばーい!」
543 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:51:58.95 ID:JbsLYTIo
ザッザッザ

漁師「いい村だろう?なーんもないがな…がっははは!」

盗賊「…うん。…良い村だ」

漁師「俺はこんな村でも、故郷だし…やっぱり好きなんだよなぁ」

盗賊「……」

漁師「…だから、頼む!」

盗賊「……?」

漁師「頼む相手がお門違いかもしれねぇが…妖怪を倒してさ…」

盗賊「……」

漁師「平和な世を…。皆が笑って暮らせる国を作ってくれ…!」

盗賊「……ああ。そのつもりだ」

漁師「……すまん」

盗賊「……いや」

漁師「…着いた。さぁ、船に乗ってくれ」

盗賊「…うん」
544 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:52:37.04 ID:JbsLYTIo
ギコッ…ギコッ…

漁師「北は波が高いっ!しっかり掴まっててなぁ!」

盗賊「…分かった!」

大きく揺れる船を、漁師は器用に楫を取る。

漁師「おそらくはお役人が通行止めしてっから、途中から歩いてもらう事になる」

盗賊「…うん。問題ない」

漁師「それでも歩いて2時間程度のとこまでは行けるだろうから…」

盗賊「…充分」

漁師「デカイぞ!?頭引っ込めろぉー!!」

盗賊「……っ」

ザッパーン!!

盗賊「…ぷあ…っ!」

漁師「大丈夫かぁ!?

盗賊「…うん。……ふふっ」

漁師「さぁ、もう少しの辛抱だぁ!」
545 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:54:20.73 ID:JbsLYTIo


漁師「よい……っしょお」

ギギッ…ゴトンッ

漁師「到着っ!気ぃつけて降りろ。足場悪いから」

盗賊「…うん」

トスッ

盗賊「…本当に…ありがとうございました」

漁師「なぁに、また…来てくれな!」

盗賊「…うん!必ず!」

漁師「ほんじゃ気を付けてなぁ!」

盗賊「皆にも…よろしく」

漁師「おうっ!!」

ゴトンッ……ギコッ…ギコッ…

盗賊「……」

船が小さくなるまで見送ると、盗賊は最北の塔を目指す。
546 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:55:23.90 ID:JbsLYTIo


盗賊(歩いて2時間なら…急げば…)

タタタッ…ザザッ…タッタッタ…

盗賊「……そろそろ」

タタタタタッ……ザザッ

盗賊「…見えた」

山道を下るとその先に、最北の塔が姿を見せる。

テクテクテク

盗賊「……」

足軽「……女?」

テクテクテク

足軽「ここから先は立ち入り禁止だ。引き返……」

ヒュンッ!!

足軽「え…っ!?」

突如、高く飛び上がる盗賊を、仰天顔で足軽が見つめる。
547 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:56:22.33 ID:JbsLYTIo
足軽「あ、あれ…っ!?」

キョロキョロッ

足軽「いない…!?どこにっ……」

ザッザッザ

風忍「…どうした?」

足軽「あ…風忍様!いま怪しげな女が…っ」

風忍「女…?」

足軽「とんだと思ったら…消えてしまい……」

風忍「……忍か?妖怪ではないのだな…?」

足軽「黒装束の女…人間でした!」

風忍「……ここは任せたぞっ!」

足軽「は、はいっ!!」

シュバッ!!…タタタッ

風忍(何者だ…。まさか……影、か?)

風忍は急ぎ、塔へと駆け抜ける。
548 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:57:21.43 ID:JbsLYTIo
〜最北の塔〜

シュタッ

盗賊「……」

キョロキョロッ…テクテクテク

盗賊(あとは……蜘蛛切を…)

盗賊が口元に布を上げると同時に、後方で何かが光る。

盗賊「!?」

タンッ!!……ヒュバッ

盗賊(クナイ…!?)

盗賊「…何者だ」

ザッザッザッザッザ

火忍「そりゃあこっちの台詞だぜ!」

盗賊「……火!?」

火忍「どこの手の者だぁ…?」

盗賊「い、いや…私は…っ」
549 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:58:08.02 ID:JbsLYTIo
火忍「女…か?はんっ!……良い乳してるじゃねぇか!」

盗賊「はぁ!?」

火忍「サラシの上からでも分かる…。お前、好みだぜぇ」

盗賊「……」

火忍「どーれ、ちょっくら痛めつけて…オシオキしちゃうかねぇ!」

火忍は再びクナイを手に取り、盗賊めがけ二本投げ飛ばす。

盗賊「……っ」

ヒュンッ!!

火忍「ただのクナイじゃあねーぞぉ?」

盗賊「分かっておるわ!火薬付きだろうっ!」

火忍「何っ!?」

二本のクナイを潜り抜けた盗賊は、一気に火忍の前へと間合いを詰める。

爆発したクナイの黒煙が、盗賊の身体を飲み込む。

キラッ

火忍「煙に身を隠し背後にってか!?浅すぎんぜ!」
550 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 17:59:32.10 ID:JbsLYTIo
背後に光るクナイを、火忍は小太刀で叩き落とす。

盗賊「……違うな」

火忍「……え…!?」

ジャラッ

背後を向いた火忍の前に、煙の中から盗賊が姿を現す。

火忍「……っ!!」

盗賊「……捕捉」

ジャララッ…ガシィ!!

火忍「…く…さりっ…!?」

盗賊「……」

火忍(煙幕に隠して…鎖だけを背後から…っ!?…コ、コイツ…!)

ギュウゥゥッ

火忍(コイツ…やっぱり!……やわらけぇ〜)

盗賊「……?」

火忍「さ、最高……だ…っ……」
551 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 18:01:25.60 ID:JbsLYTIo
盗賊「はぁ…!?」

背後から鎖で羽交い絞める盗賊が、きょとんとした表情で火忍を見る。

ガサッ

盗賊「……!?」

風忍「火!何をしている!?」

盗賊「……風…?」

背後より飛び出してきた風忍を見て、盗賊は声を上げる。

風忍「お前か…怪しげなおん…おん……おん…な…っ」

盗賊「……」

パッ…ジャラジャラッ…ドサッ

火忍「ゲホッ…!ごほ…ごほっ!!」

風忍「……ひ、姫…!?」

盗賊「……」

盗賊は口元の布を下ろし、照れたように俯き気味で微笑む。

火忍「あ…あのさぁ…。姫って、ねぇ……風さん…?」

風忍「……姫っ!?何故…このような所へ…!!」
552 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 18:02:14.38 ID:JbsLYTIo


盗賊「あ、あの……」

火忍「……」

盗賊「もう…いいから…」

火忍「そうはいきません」

盗賊「そんな土下座されても…えぇと…」

チラッ

風忍「自業自得です。放っておきましょう」

盗賊「……」

風忍「それで、お間違いないのですね?」

盗賊「……」

スッ

風忍「これ…は…?」

盗賊「兄様がくれた…特別なクナイだと…」

差し出されたクナイを、風忍は一礼し拝借する。
553 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 18:03:00.99 ID:JbsLYTIo
風忍「…確かに藤蔵の物ですね。五行を付加した…特殊なクナイです」

盗賊「…そっか」

ドカッ!!

盗賊「……?」

火忍「…ちく…しょぉ……」

地面を拳で叩きつけ、火忍は下唇を噛む。

火忍「若…っ、……俺は…俺は…っ!」

風忍「……っ」

盗賊「兄様は……もう…居ない」

火忍「ちくしょう…っ」

風忍「……姫。一度、藤蔵へ戻りましょう」

盗賊「!?」

風忍「私達だけの問題ではありません…。御館様にも…」

盗賊「……」

――「それは良い考えだと思います…」
554 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/22(木) 18:04:00.75 ID:JbsLYTIo
ザッザッザ

盗賊「っ!?」

名代「ご無沙汰しております…。このような所で会うとは…因果なものですね…」

盗賊「名代…さん…っ」

名代「私にも詳細を聞かせては頂けませんか?」

盗賊「……はい」

盗賊は改めて、塔での出来事を一同へ申し伝える。

名代「……そう…でしたか」

火忍「ネクロマンサーって化物は何を考えてんだぁ!?」

名代「ヤマタノオロチと龍脈ですよ…」

風忍「……!?」

名代「以前、私も御館様から助言頂いて…分かったのですが…」

盗賊「父様が…?」

名代「充分に警戒はしていたつもりですが…甘かったようです」

名代は右手にした扇子を強く握り締め、大きく息を吐いた。
555 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 18:41:04.31 ID:JbsLYTIo
プリーストの魔法形態は…そのうち出てくるかもしれませんね!
回復魔法はセブンセンシズです!!

王族女性そういえば居ませんね…

>>531
こっちの師匠シリーズは怖い話というよりエロイ話に…

ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
556 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 18:47:00.09 ID:AT5on8Io
いちおつ

扇子が、息子に見えた...
557 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 18:53:51.09 ID:utU97sQ0
セブンセンシズってwwプーリストすごすぎだろ
558 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 18:54:12.63 ID:ZXBPSIAO
>>1

>>556
へんたい!
559 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 19:58:12.39 ID:/EcTrADO
火忍め……
ゆるさんぞお
560 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 20:06:09.95 ID:rn87GGco
火忍…主になんという非礼
最低だな
561 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 20:17:27.41 ID:bYs/IUDO
王女、女王「……」
562 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 21:06:37.43 ID:c/NjDJk0
>>561
パーティで組んだことがないタイプってことでは?
563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 22:53:45.83 ID:5GKAXYAO
盗賊は月読を普通に使えてそうだな
564 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 23:17:54.03 ID:pQlr7D60
師匠シリーズってなにかと思ったら怖い話だったのか
これにちなんでというか、おまけのお題は怖い話関係でお願い死体です
毎日本当にお憑かれさまです
565 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 23:42:32.33 ID:k22R96k0
ふと思ったがクナイに五行が付加出来たなら、他の五行使って命落とすより安全かつ効率いいな
やり方わかったらノーベル賞的なもの授与されそうだけど
566 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 00:00:54.99 ID:1UdSASYo


風忍「えぇ…っ!?」

火忍「蜘蛛切を……ですか…!?」

盗賊「……うん」

風忍「参りましたね……」

盗賊「……」

名代「とりあえず塔内を開放しますので、探すだけ探しましょう」

火忍「探索こそ忍の仕事だっ!ぜってぇ見つけ出す…!」

盗賊「…ありがとう」

火忍「い、いやっ…そんな…っ!」

風忍「……」

火忍「姫の為っすから…!こんなモン全然楽勝っつーかその…」

風忍「ほら、行くぞ……」

火忍「お、おうっ!」

盗賊「……?」
567 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 00:01:33.24 ID:1UdSASYo
テクテクテク

火忍「酷い損壊だな…」

名代「これでも、だいぶ整理した方なんですよ」

風忍「若の術は……ここまでの威力であったとは…っ」

盗賊「……」

風忍「それだけに…惜しい……」

盗賊「…うん」

火忍「俺は上を見てくる。こっちは頼むぞ」

風忍「ああ。任されよ」

シュバッ…タタタッ…

風忍「姫はそちらを…。私は南側を探します」

盗賊「うん。すまんな…本当に……」

風忍「気になさいまするな。我ら、姫様の手足でございまするぞ?」

盗賊「私はもう藤蔵の人間ではない…」

風忍「そんな事はありません。誰もそのような事…思ってはおりませぬ」
568 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 00:05:17.19 ID:HL12mQQo
ところで、盗賊が勝手に通行止めしてた場所を通り過ぎたのは、誰も咎めないんだな
ならばここは、俺が自重しないおっぱおを揉むことで…
569 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 00:05:17.21 ID:1UdSASYo
盗賊「風……」

名代「……」

風忍「さて…と……」

テクテクテク

名代「撤去作業を再開して下さい。但し、瓦礫以外はすぐに報告を…」

足軽「ははぁ!」

名代「では、また後ほど……」

名代は頭を下げ、塔のそばを離れる。

盗賊「……」

テクテクテク

盗賊(兄様……私は…信じてる)

ザッザッ…ゴソゴソッ

盗賊(兄様は決して…あれしきの事で……)

ゴソゴソゴソッ…ガサガサッ

盗賊(だから…私は悲しまない…。また…必ず…!)
570 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 00:10:46.31 ID:1UdSASYo
ゴトンッ

盗賊「……?」

テクテクテク

盗賊「……っ!!」

瓦礫から落ち、盗賊の足元に佇む、影忍の手荷物。

防水加工の施された頑丈な布は、多少の解れや穴があるものの、ほぼ無傷である。

盗賊「……」

盗賊はそれを、ゆっくりと拾い上げる。

盗賊「……兄様」

ゴソ…

中に詰められたクナイや手裏剣、着替えの中から、盗賊は一本の筒を手に取る。

盗賊「……?」

ゴソゴソッ…キュポッ

盗賊「――っ!!」

筒の中に広がるは桜の木。大きな紙に描かれた…盗賊の描いた桜の木の絵であった。
571 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 00:15:29.96 ID:1UdSASYo
ギュッ

盗賊「……ふう…ぅ…っ!!」

ドサッ

盗賊「……兄……さま…ぁ…!!」

テクテクテク

火忍「おーい!あった……あん?」

風忍「……しっ」

火忍「……?」

風忍「……」

火忍「あ…っ」

風忍「行こう…。今は…一人に……」

火忍「……だな」

二人の忍は、荷袋を抱きかかえながら涙する盗賊を横目に、その場を去った。

しばしその場には静寂な刻が流れる。ほんのわずかの音…。

風に揺れる葉の音。海をうねんる波の音。盗賊のすすり泣く声を残して…。
572 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/23(金) 00:23:52.38 ID:1UdSASYo
>>561
ごめんなさい…。本国の王族っていう>>534さんの意見でした…

>>564
うへぇ…怖い話ですか!チャレンジしてみます!

〜オマケ〜

漁師「ほらっ」

盗賊「……ありが…っ!!」

バッ!!……ゴソゴソゴソッ!!

盗賊「……良かったぁ!!」

老人「どうした?そんな慌てて……」

盗賊「……」

モゾッ

海女「何代そりゃ?誰かの手形かい…?」

盗賊「……マスク・ド・ジーニアスのだ!」

漁師「なんじゃそりゃ…」

盗賊(兄様!防水加工の袋…ありがとう!死なずに済んだよ!!)

キラキラキラ

老人「なんだか…至福の笑みを浮かべとるのぅ……」
573 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 00:31:27.88 ID:HL12mQQo
>>1
あやうく守ってくれるどころか、殺される原因になりそうなサインって…wwww
574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 12:04:11.09 ID:3xhnowSO
まさか我々が見ない間に
盗賊は魔導士ちゃんの修羅の顔を見たのか…(;´д`)
575 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 17:55:28.22 ID:RlBvWYAO
マスク・ド・ジーニアス倒してマスク被れば盗賊とイチャイチャできんじゃね?
576 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/23(金) 18:00:23.64 ID:BcsEo6DO
え?お前まだマスクつけたことないの?
まだ会員に…うわあああああああ……
577 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:02:20.65 ID:E5gLkEwo


盗賊「……」

テクテクテク

火忍「あぁ!姫っ!!どこにいったかと思いましたよ!ハハハ」

風忍(白々しい……)

盗賊「……ごめん」

火忍「それよりほらっ!ありましたよ!!」

ズイッ

盗賊「!?」

風忍「蜘蛛切も無事で、良かったですね」

盗賊「……うんっ。ありがとう」

火忍「いえいえ…ひっ、姫の…為ですから…」

風忍(……相変わらず…分かりやすい奴)

盗賊「…火は頼りになるな。ふふっ」

火忍「…あ、その…ハ、ハハハ…ッ!!」
578 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:02:46.25 ID:E5gLkEwo


風忍「では、参られますか」

盗賊「うん……」

風忍「大丈夫ですよ。そんなご心配なされまするな」

盗賊「……?」

火忍「みんな待ってます!…もちろん、御館様も…っ」

盗賊「……」

テクテクテク

風忍「名代様、これより藤蔵へ向かいまするが…?」

名代「そうですね…。同行したいところですが…流石に…」

瓦礫の撤去作業を進める足軽達を、振り向き見ながら名代は呟く。

風忍「左様でござすまするか…。それは……」

火忍「……俺、残るよ」

盗賊「…火?」

名代「いえっ、そのようなわけには……」
579 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:03:51.07 ID:E5gLkEwo
火忍「名代様の口から説明して頂いた方が、分かりやすいでしょう」

名代「火忍殿……」

火忍「それに……」

チラリ

盗賊「……?」

テクテクテク…ガシッ

風忍「おい…本当に良いのか?……ボソボソ」

火忍「そりゃ俺だって行きたいさ…!姫様とだって久し振りだし…ボソボソ」

風忍「前回会えなかったんだから…なんなら俺が残……」

火忍「……姫にご無礼を働いた罰だ。俺はここに残る」

風忍「…無礼?」

火忍「……姫の…あのっ。えぇと…何と言うかその…胸を…ボソボソ」

風忍「……はっ?」

火忍「姫とは知らなかったとは言え…顔を押し付け……」

ガシィッ!!
580 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:04:31.37 ID:E5gLkEwo
風忍「…貴様っ!なんという…っ!」

火忍「だ、だから…罰として……」

風忍「……」

火忍「それに…そんな事が御館様に知れてみろ!俺はコレ…だ」

右手で己の首を水平になぞり、打ち首の仕草を真似る火忍。

風忍「……尤も」

火忍「…という事で、ほとぼり冷めるまで留まる」

風忍「……分かった」

盗賊「…あのー」

風忍「火がここに残ります。名代様はぜひご一緒に…」

名代「よ、宜しいので…?」

火忍「もう喜んで!はははっ!」

風忍「では頼んだぞ。……参りましょうか」

名代「…それでは、お言葉に甘えて」

名代は照れる火忍に、深々と頭を下げた。
581 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:05:12.68 ID:E5gLkEwo


火忍「それでは姫、ご武運を!」

盗賊「火…。お前もな…っ!」

火忍「有難き御言葉っ!!」

風忍「戻りましたら宴を催しましょう」

火忍「!?」

風忍「姫様の舞踊など、久し振りにご披露頂けませぬか?」

盗賊「ば、馬鹿者っ!あんなもの幼少の頃の戯れ…」

風忍「いやいや…お上手でしたぞぉ?今はこのようにお美しく…」

盗賊「たわけっ!!」

風忍「はははっ、これは失礼…!では行きましょう!」

チラッ

火忍「――っ!!」

テクテクテクテクテク

火忍「あんのヤロウ…ッ!!次会ったら覚えとけよぉ!!」
582 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:05:42.57 ID:E5gLkEwo
鴉鳴く夕焼け空。その夕日を浴びて、三騎ばかりの馬が山を駆け抜ける。

〜東方、藤蔵家〜

ザッザッザ…

盗賊「……」

風忍「どうしました…?特に…変わりはありませぬぞ?」

きょろきょろと周囲を見回す盗賊に、風忍は声をかける。

盗賊「いやっ…そうではなくて……」

…ッタッタッタッタッタ

盗賊「!?」

タッタッタッタッタンッ!!

盗賊「っ!!」

ガバッ!!…ギュウゥッ!!

侍女「姫ぇ〜!!おかえりなさーいっ!!」

風忍「…ああ。これ…ですか」

盗賊「…うん。……ただいま」
583 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:06:11.52 ID:E5gLkEwo
〜藤蔵家、盗賊の部屋〜

盗賊「……うぅ…っ」

侍女「はいはい。文句言わないの」

盗賊「だってぇ…動き辛い……」

侍女「そういう物なのっ。おしとやかになさい…っな!」

キュッ…ススッ

侍女「はい、おしまい。……胸、苦しくないですか?」

盗賊「うーん…大丈夫かな……」

侍女「立派になっちゃって…。これなら殿方も放っては……」

盗賊「た、たわけ…っ!」

侍女「何を仰います。姫ももう二十一を迎えるのですよ?」

盗賊「……」

侍女「一昔前では行き遅れ、ですわよ?」

盗賊「ふん…。そちこそ行き遅れまくりじゃないかっ」

侍女「っ!?…………姫…うぅ…っ」
584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:06:39.66 ID:E5gLkEwo
〜客間〜

風忍「御館様…お成りで御座いまする」

ザッザッザ…ドスッ

名代「ご無沙汰しておりまする」

御館様「陰陽頭殿…。帝のご様子は如何か?」

名代「はっ。最近はめっきり剣術に没頭しておりまして……」

御館様「左様か」

名代「老中様は逆に安堵なされているようですが…」

御館様「静かになって良いのかもな…」

風忍「早速、最北の件についてですが……」

名代「盗賊様がお見えになられてからに致しましょうか」

御館様「……」

風忍「か、構いませぬか…?」

御館様「…ああ。好きにせい」

腕を組み仏頂面で、御館様は承諾の言葉を述べる。
585 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:07:32.57 ID:E5gLkEwo
〜盗賊の部屋〜

盗賊「……兄様に会ったよ」

侍女「……っ!?」

盗賊の髪を櫛で梳かす侍女の手が、一瞬ぴたりと止まる。

侍女「若様…と…?」

盗賊「うん……」

侍女「今は…どちらに……!?」

盗賊「…もう…いないよ」

侍女「…!?」

盗賊「全部話すから…行こ?」

侍女「…え、ええ…っ!」

盗賊「もう…立っていい?」

侍女「あっ、ごめんなさい…。もう大丈夫よ!」

盗賊「ん…ありがと」

前髪をくるくるといじりながら、盗賊は笑顔で礼を言う。
586 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:08:33.25 ID:E5gLkEwo
〜客間〜

侍女「……失礼致します」

スッ

御館様「……」

名代「……」

スッスッスッ…

盗賊「……お招き、まことに有難う御座いまする」

御館様「……うむ」

名代「最北での一件、詳細は盗賊殿が存じておられます」

御館様「申してみよ」

盗賊「はっ。私はかの地で…魔物と交戦致しました」

風忍「……」

盗賊「魔物の名はネクロマンサー…。不死の…強敵です」

侍女「……」

盗賊「共に戦った者…それは、影忍と名乗る……兄様でした」
587 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:09:01.21 ID:E5gLkEwo
御館様「……続けよ」

盗賊「…ネクロマンサーの狙いはヤマタノオロチと龍脈……」

御館様「……」

盗賊「詳細は分かりません…。ただ……」

名代「…ただ…?」

盗賊「ヤマタノオロチには生娘がどうの…と」

風忍「どういう意味でしょうか…?」

名代「おそらくは贄ですね」

侍女「贄…?」

名代「生贄ですよ。妖怪を蘇らせる為のね…」

御館様「それで、影忍は?」

盗賊「…五行を放ち…両者とも消えました」

風忍「両者?」

御館様「申してみよ」

盗賊「実は……」
588 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:10:07.54 ID:E5gLkEwo


侍女「……っ!!」

名代「そ、そのような事が…有り得るのか…っ!」

風忍「にわかには…信じ難いが……」

御館様「……」

御館様は目を瞑り、ただ黙って話を聞く。

盗賊「兄様はあわよくば…あの場で終わらせようと考えていたに違いありません」

侍女「……」

盗賊「でも…きっと生きていると思います!」

御館様「死んでおるのであろう?」

盗賊「あっ、そ…そうですけど…っ、死んでいるけど生きていると…なんというか…」

名代「……」

盗賊「と、とにかくっ…兄様にはまだ成すべき事があったように感じるのですっ!」

風忍「だから…死んではおらぬ…と?」

盗賊「……はい」
589 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:10:37.79 ID:E5gLkEwo


御館様「ご苦労。この件に関しては、こちらで預かる」

名代「お願い致します。私も微力ながらご協力致します…」

御館様「かたじけない。すまんな」

名代「いえ…」

御館様「そなたらは下がって良いぞ」

風忍「ははっ」

侍女「失礼致します…」

スッ…ススッ

御館様「盗賊っ」

盗賊「……!?」

ピタッ

御館様「…とやら。怪我をしているように見受けるが…?」

盗賊「……軽傷です。兄様に比べればこの程度」

御館様「……ご苦労であった」
590 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:11:13.28 ID:E5gLkEwo
盗賊「――っ!!」

御館様「東方の為に働いてくれたのだ。それなりの持て成しはさせて貰うぞ」

盗賊「……」

御館様「傷が癒えるまで、今しばらく此処へ留まるが良い…」

盗賊「……!!」

御館様「たまには…冒険者の談を聞くのも余興と言うもの…」

盗賊「……はい…っ」

御館様「…下がるが良い」

盗賊「……失礼…しま…す…っ!」

スッスッスッ…パタン

侍女「全く…。素直じゃないんだから。…ねぇ?」

盗賊「ひぐ…っ、ふ…うっ……」

侍女「ちょっと!?着物で拭かないでっ!!」

盗賊「だ…ってぇ……っ!」

侍女「もうっ、これ使って!……早く部屋に戻りましょ!」
591 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 18:11:19.05 ID:HL12mQQo
俺、未だに帝様の性別が分からないんだが…
592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 18:12:06.49 ID:byT2li2o
男の娘だよ帝は
593 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:12:16.90 ID:E5gLkEwo
〜藤蔵家、正門〜

シュバッ…スタッ

水忍「姫が戻られたって?」

土忍「戻ったか。…らしいな」

水忍「他の者は…?」

土忍「風は既に着座。火は最北に居残り。雷は男色だ」

水忍「男色…?あぁ、帝の世話か……」

土忍「御館様もお待ちだ。行くぞ」

水忍「……」

〜広間〜

風忍「遅いぞ。何をしている」

水忍「すまん。それより……」

風忍「姫か?もう間もなく来ると思うぞ」

水忍「…そうか」

土忍「…早く、着座しろ」
594 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:13:18.39 ID:E5gLkEwo


名代「私まで…宜しいのですか?」

御館様「無論。大した持て成しも出来ぬが…」

名代「とんでも御座いません…。光栄です」

侍女「失礼します」

スッ

盗賊「……」

侍女「さぁ、御館様の横へ…」

盗賊「…いいの?」

侍女「もちろんっ。ねぇ、御館様?」

御館様「……大切な『客人』だからな」

侍女「……もうっ」

盗賊「では…失礼します」

水忍「……」

土忍「…どうした?」
595 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:13:55.10 ID:E5gLkEwo


盗賊「…どうぞ」

御館様「うむ」

トクトクトクッ

盗賊「名代様も…」

名代「これはこれは。有難く…」

トクトクトクッ

侍女「姫は駄目ですからね。はい、お茶」

盗賊「う、うん…」

グビッ……コトッ

御館様「……旨い」

名代「ええ…。まことに」

御館様「…ボソッ」

名代「…何か?」

御館様「いや、何でもない。気になさるな」
596 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:14:21.73 ID:E5gLkEwo


侍女「姫、しばらくいるんでしょう?」

盗賊「……多分」

侍女「…そっか。良かった」

盗賊「……」

風忍「久々に藤蔵も明るくなりまするな」

盗賊「あの…さ……」

水忍「……?」

盗賊「……」

土忍「どうなされた?」

盗賊「稽古……つけて欲しいな…って」

侍女「まぁ、稽古嫌いな姫が…どういう風の吹き回し!?」

風忍「それはもう、喜んで」

水忍「昔のように甘くはありませんぞ…?」

土忍「…我らの全て、伝授致す」
597 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:15:43.83 ID:E5gLkEwo
盗賊「……ありがとう」

風忍「では、傷が完治次第…稽古を致しまする」

侍女「宜しいですねっ、御館様?」

御館様「……好きにせい」

土忍「では、初日は某から」

水忍「いやいや、ここは私が……」

風忍「待て待て…。やはりここは任せて貰おうか」

侍女「えぇ…?まずは私が良いんじゃないかしら?」

御館様「……」

盗賊「えっと…あの…」

御館様「……初日は儂が、技量をみて決める」

水忍「どうぞどうぞ」

侍女「どうぞどうぞ!ふふふっ!」

御館様「……ぐむ…ぅ」

盗賊「……父様…ありがとうございます…っ」
598 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:16:24.80 ID:E5gLkEwo


侍女「それでは名代様、ごゆるりと……」

名代「かたじけない」

盗賊「では…失礼致します」

御館様「うむ」

風忍「我らも任務に戻りまする」

水忍「失礼をば…」

スッ…パタンッ

御館様「……」

名代「……」

御館様「さ、飲まれよ」

名代「おぉ、これはどうも…」

トクトクトクッ

名代「先ほどの……」

御館様「……?」
599 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:16:53.12 ID:E5gLkEwo
名代「御館様の御言葉…『あいつもおれば』とは…」

御館様「聞いておられたか」

名代「申し訳ありません。聞こえてしまいました…」

御館様「つい、口に出てしまった」

名代「若君の事で…御座いまするか?」

御館様「……」

グビッ

御館様「まこと……勝手な奴よ」

名代「死してなお、安寧を願い…戦い続けておられるとは…」

御館様「……」

名代「まこと、忠義の士で御座いまするな」

御館様「死んでは何も始まらぬ」

名代「……」

御館様「それよりも此度の件、如何見るか?」

名代「ええ…。近日中に再び…一波乱起きそうですね」
600 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:17:33.18 ID:E5gLkEwo
御館様「……」

名代「まもなく、北の城の改築を行います」

御館様「度々訪れておるようだな」

名代「……ただの視察です」

御館様「別に詮索はせぬ」

名代「……」

御館様「北の城を拠点に、妖怪と戦うつもりか?」

名代「そうなるでしょう。都では遠すぎます」

御館様「間に合うかね…?」

名代「間に合わせます。それに……」

御館様「……」

名代「間に合うと思いますよ」

御館様「断言出来るかね?」

名代「数日経っても再戦なき状況…。あちらも急げぬようですね」

御館様「何を企んでおるのか。得体の知れぬ敵よ…」
601 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:18:40.08 ID:E5gLkEwo


盗賊「……」

ジャリッ

侍女「冷えますよ?」

盗賊「うん…。もう少しだけ……」

侍女「星が綺麗ですねぇ…」

盗賊「ここから見る夜空が…一番好き」

侍女「ふふっ。私もですよ」

盗賊「なぁ、侍女?」

侍女「はい?」

盗賊「兄様の事…好きだったの?」

侍女「……嫌いな人なんているのかしら」

盗賊「そうではない。その…こ、恋心を抱いて…たの?」

侍女「どうでしょうね…。遠すぎて、そんな気にもならなかったのかも…」

盗賊「……そうか」
602 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:19:44.95 ID:E5gLkEwo
侍女「姫ったら…どうしたんですっ?」

盗賊「へっ…?」

侍女「そんな話するなんて…もうっ、すっかり色気付いちゃってぇ〜」

盗賊「たっ、たわけ!違うわ…!」

侍女「もう〜照れちゃってぇ……」

盗賊「違うと言っておるであろうっ!」

侍女「見ましたよ〜?さっき着替える時、猫の…『りすとばんど』って言うんでしたっけ?」

盗賊「――っ!!」

侍女「あんな可愛らしいもの付けてるなんて、どんな心境の変化……」

盗賊「うるさいっうるさいっ!うるさーいっ!」

顔を真っ赤にした盗賊が侍女に詰め寄り、侍女はそれをなだめながら言う。

侍女「若様…、また…会えますよね」

盗賊「……必ず…会えるよ」

侍女「…ふふっ。さぁ戻りましょう。傷に障りますよ?」

盗賊「うん…っ」
603 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:20:23.47 ID:E5gLkEwo
〜本国、王宮〜

コンコン…カチャッ

大軍師「こんばんは。いよいよですね……」

皇太子「ああ…」

エリート「私は胃が痛いですよ…」

右秘書官「今日の予算案会議、なんとか優勢に持ち込みたいですな」

エリート「勿論です。今日の一手で少なくとも、向こう一年の方針が決まりますから」

皇太子「……」

大軍師「殿下、基本方針をお聞かせ頂けませんか?」

皇太子「基本方針は軍備増強、研究費の増大」

大軍師「……ですね」

皇太子「軍事的な事を言えば……」

エリート「……」

皇太子「三年以内の…魔王討伐だ」

皇太子の一言により、会議室内がどよめきだつ。
604 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/23(金) 18:20:55.07 ID:E5gLkEwo
大軍師「左大臣様相手に…強気ですね。ふふふ…」

皇太子「臆してどうする。それが私の志だ」

右文官「だからとて、要らぬ反発を買うような事は…」

皇太子「いずれは提案せねばならぬ事。で…あれば、まとめて片付ける」

大軍師「…ふふふっ、そうですね」

エリート「経済政策はいかがしますか?おそらく最も突付かれますぞ?」

皇太子「研究機関の成果こそ我らの望む経済だ」

右秘書官「……う…むぅ」

皇太子「通信…交通…建築、全ての分野で新たな技術を取り入れねばならん」

大軍師「ほぅ…っ」

皇太子「左大臣らの言う、現状の廉価な技術を増やしたところで…」

大軍師「未来はない…ですか」

皇太子「その通り。我らは革新を以って、この世界を作り上げていかねばならん」

エリート「それをいかに…押し通せるかですね…」

皇太子「……やってやろうではないか。後の世の為に…!」
605 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 18:20:58.78 ID:byT2li2o
御館がダチョウ式にwwww
606 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/23(金) 18:26:23.58 ID:E5gLkEwo
長い…二十部の終わりが見えない…orz
まだ1週間も経っていないというのに…
ほんとごめんなさい。そろそろキンクリしてサクっと進みますので!

それでは失礼致します!ご支援ありがとうございました〜!ノシ
607 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 18:28:37.23 ID:HL12mQQo
>>1
一ヶ月を4人分語るのは流石に長いなwwww
608 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 18:33:22.27 ID:xUkQ446o
キンクリなどせずこのまま続けてくれていいのだy
609 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 18:49:09.63 ID:0LAIr/wo
修行編楽しいお
610 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 18:59:44.21 ID:ns/KmWM0
予算案だけキンクリすればいいとおもうお
611 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 19:36:42.67 ID:YQXxg5E0
パパかわいすぎワロタ
612 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 20:02:05.25 ID:AYzNBk2o
だから御館はいつまで他人ごっこやってんだよおおおおおおおおおおおお
兄様といいよおおおおおお
613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 20:52:22.38 ID:HL12mQQo
御棺様は至高のツンデレ
614 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 22:10:09.53 ID:KQt4fVE0
>>610
そんな事したら大軍師の活躍の場がなくなてしまうじゃないか
作戦ダダ漏れなせいで軍師の癖に裏をかかれて戦闘じゃ強いのにあんまり戦わないし
いままであんまり良い所なかったんだからここぐらい活躍させてあげて!
615 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/23(金) 22:21:09.12 ID:J67y7cDO
御館様可愛いよ可愛い

>>1乙乙
キンクリなんていらないんだぜ
616 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 22:24:00.04 ID:ZCf7XwDO
皇太子とエリートの友情がなんか気持ちいいな。

ちゃんと読むからキンクリはしちゃだめー!
617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 00:31:00.46 ID:og9rYgSO
>>1 乙過ぎる。

翌朝…
御館様「本国から極秘に手に入れた“かめら”の使い方を確かめてるだけだ。盗賊よ、気にするでない。」パシャッ パシャッ
618 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 01:01:21.50 ID:3aa2eEAO
書く労力考えるとキンクリしないでっていうのも言いづらいな
619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 01:02:08.91 ID:xp4w8Mgo
いいかキンクリするなよ?
絶対にするなよ?絶対だぞ?
620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 02:04:40.64 ID:eUsVIT.0
>>617

おまえなかなかやるじゃん
621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 03:28:18.97 ID:yju5nsAO
書いてる側としては分かりにくいかもしれないけど、どれだけ長くなろうともダレるなんて事は無いし、戦闘編も日常編も修業編もどれもwwktkさせて貰ってます
>>1が表現したいように表現して欲しいし、こちらとしてもそれが読みたいです

いいぜ、>>1が“読み手のために”キンクリするってなら、まずはそのふざけた幻想をぶち[ピーーー]

最近クソ暑いけど体調管理しっかりして体壊さないようにして下さい
622 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 03:37:09.69 ID:pfuuTcAO
>>621みたいな奴は流石に気持ち悪い
623 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 04:53:34.85 ID:eUsVIT.0
とうとう夢まで見てしまったよ・・・。

そんな素晴らしいものを作る>>1に乙。
624 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/24(土) 07:58:43.14 ID:grVTZ.DO
>>617
ほら、ケツ貸してやるよ…
ひ、評価してるわけじゃないんだからね!
625 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 08:16:13.44 ID:NoBfqcAO
>>1

暑いな…
だが魔道士ちゃんも頑張っているんだ、俺も頑張らなくてはダメだろう
魔道士ちゃんの体を伝う汗を優しく拭ってやりたい
拭いた布は洗わずに金庫に入れて保管します
626 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 09:25:06.29 ID:XcFm.wSO
>>625

夏休みは変なの湧くな。
627 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/24(土) 11:10:17.46 ID:GxjbNMAO
じゃあおれ魔道師ちゃんが水浴びするときの水の役やるわ
628 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 11:18:03.49 ID:hv7L6ds0
>>627
だれかこの泥水拭いといて
629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/24(土) 11:19:17.11 ID:j8NDdQIo
じゃあ、オレは水浴びした後に拭くタオルになるわ
630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 11:43:07.62 ID:q7wg3gDO
>>629
このタオル、牛乳拭いた雑巾みたいな臭いするから、誰か焼却処分しといて
631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 11:43:44.38 ID:p/6e0DAo
じゃあ俺はその拭いてもまだ少し湿ってる体を体を乾かす風になるわ
632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 11:44:47.29 ID:cePWayMo
マジシャン「泉で水浴びした後新しいタオルで体ふくときもちいいなぁハッハ」
633 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/24(土) 11:49:34.46 ID:GCMO5MAO
扇風機で吹っ飛ばしてやんよ
634 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 11:58:57.48 ID:9W458Uwo
>>931あたりに瘴気が漂ってたから祓っておいた
635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 12:49:46.05 ID:r9wkR6U0
そろそろ黙ってくれ
暑くてしかたがない
636 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 16:18:45.61 ID:Xb8X9EDO
制作で気になったから一気に読んだけど2日かかった

感想としては召喚士は魔導士とくっつかないほうg・・・ゲフンゴフン
637 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 17:19:41.11 ID:gQbYPGoo
ぶっちゃけ盗賊と戦士も相性がいいタイプじゃない気がするけど
現実でも絶対合わないようなのに惹かれることってあるからな
638 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 17:47:58.88 ID:XcFm.wSO
今まで楽しませてくれたんだ
楽しく見守り応援するぜ!

1乙
639 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 20:46:18.72 ID:SnI3SAY0
                _   _   _   _
       +   +   | |   | | | |   | |  +
               | | Π| | | | Π| |     +
     / ̄ ̄ ̄ ̄/三三三三// ̄ ̄ ̄ ̄l ̄ ̄ ̄ ̄l +
   / ̄ ̄ ̄ ̄ /三三三三// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄i、 ̄ ̄ ̄ i、
  / ̄ ̄ ̄ ̄ _/三三三三// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄', ̄ ̄ ̄ ̄l
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/三三三三// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄',三二二ニl   +
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/三三三三// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

           古代都市ワクテカ (B.C.8000年頃)
640 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 20:50:49.58 ID:QdAOrk6o
>>617
これみて真っ先に思いついてのが麻呂だった……死にたいでおじゃる
                               /;:;:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
                                /;:;:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
                             /、;:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
                            ,ィ{;:;:\;:;:/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
                           .i;/\;:;:;X、_________j
     ,....、    ____              リ (ミ、ヾL;:__;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
     /   ヽ..._/二二二ト、 r‐ュ        /_,, `´ .: r=`、` '' ‐r―--==〈
    / r┴┴‐┼──‐弋三三マヽ     / トュミy   `~´  ,ノ::::::::::::::::::::ノ
  j   ̄>──┴─ 、:.:.:.|─‐9|<7|l    ,' ``ラ, ,ィエ二丶、^ヾミ:::::::::::::ィヘ
  f'  7´ ´¨`ヽ`ヽヽ:::::::__ヽ|}}─ j|^:|Yl     !  ,.. / .: 'ヾヒi≧ァミ ,}::::::::::ノクノ
 j  、l::;′   Y:::::l:::l::::{ ヾ!|!ュ:.:.:l|:::V     ゙l,/ (;' ,rぅ、、     ,':::::r'"(.イ
 l  l:::|     ||:::::|:::|::ハ  \_:.:.:ト、::ト__,,.ィ'l ヘ`ニ"´ ヽ  _,. ,':::ク>-ヘ-ゝ、、
 l  `ヽヽ __ノ/.::/::/:::::/ヽ    ̄ヽr‐'´ /l'! lトミ三=ァィ` ,:" , ,ルイ /:.:.:.::/ リ ``t、ー-
  '  / マ=∠∠∠∠ -'"        ∨   {i,ヽ丶-‐ '"ノ ,/,/:::://:.:.:.:.:/ /    ヽ:::
  '     ハ::::「 -r 、               ∨  ヾ.丶.,__,, -‐'"  /ノ:.:._//     }::
   }   ハ::::∨  ヽ           ヽ、  ゝミミ三ニ=≦,,ムニ彡'"      ノ::
  /    ヽ:::ヽ  ヽ           \'"::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::丶、__,,r ''":::::::
641 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/24(土) 22:09:00.78 ID:bwqhRCoo
こんばんは!今日も暑いですね…皆様、体調など崩されぬようご自愛下さいませ!
ご意見ありがとうございます!ではお言葉に甘えて飛ばせるとこだけ飛ばしつつノンビリ…
花火とオールスター。夏ですね〜!↓続き
642 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/24(土) 22:09:30.67 ID:bwqhRCoo
〜本国、議事堂〜

馬車が続々と集結し、議事堂内へ人々が進む。

ガラガラガラッ…ドドォ

エリート「では、参りましょう」

皇太子「ああ」

大軍師「……さて」

カチャッ…カツカツカツ

エリート「……!?」

左大臣「おぉ、これは殿下ァ…」

皇太子「左大臣。貴殿も今、着いたところか」

左大臣「ええ…。では入りましょうかァ」

皇太子「ああ。そうしよう」

議事堂の正面をくぐると、目の前に左右への回廊が分かれる。

左、右と呼ばれる所以は、この議事堂の左右に分かれ陣取るものによる。

それに従い、皇太子陣営は右の回廊。左大臣の陣営は左の回廊へと足を進める。
643 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/24(土) 22:09:57.75 ID:bwqhRCoo
左大臣「それでは、お手柔らかに頼みますぞぉ?」

皇太子「貴殿こそな」

左大臣「ワーッハッハッハァ!!」

ザッザッザッ…カツカツカツ

右文官「余裕をかましおって…」

右秘書官「見ておるがいいさ」

大軍師「ふふふ…っ」

カツカツカツ…ギイイィィッ…バタンッ!!

議事堂内に各々が入り、各席に着座する。

その中央、皇太子が議長に並び着席すると、ざわめいた声がぴたりと止み、緊張が走る。

議長「それでは…これより、来年度の国家予算案会議を執り行います」

皇太子「……うむ」

エリート「…………」

左大臣「……」

議長「まずはお手元の資料をご覧下さいませ」
644 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/24(土) 22:11:14.58 ID:bwqhRCoo
ザワザワ…パラッ

皇太子「本年度の予算についての資料である。意見のあるものは述べよ」

皇太子の呼びかけにまず反応したのは左翼。左文官が手を上げる。

議長「左文官殿」

左文官「こちらに記述の軍事費用。はたして必要経費なのでしょうか?」

エリート(いきなり核心か…。策も何もあったものではないな…)

左大臣「……フッ」

これに対し、右手に位置する陣営…右文官が挙手する。

議長「右文官殿、どうぞ」

右文官「当然でしょう。だからこそ予算も通り、運用されたであろう?」

左文官「それは承知です。私が申したいのは、それが正しく運用されておるのかどうか」

右文官「!?」

左文官「ここ最近の国軍の働き…この経費程の戦績とは思えませぬが…?」

右文官「充分に我が国の治安を維持したと考えるが…?」

左文官「維持するだけであれば、このような予算は不要ではないでしょうか?」
645 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/24(土) 22:11:59.99 ID:bwqhRCoo
右文官「むむむ…っ」

左文官「何が、むむむ…だ!これだけの予算で大した戦果も上げられぬとはっ!」

右文官「…ぬ…うぅ…っ!」

左大臣「…ふっふ。まずはァ……一人」

スッ

議長「……えぇと、大軍師…?殿」

大軍師「それについては、私から説明させて頂きます」

ザワザワザワッ

左大臣「……何者だァ?」

左秘書官「さて…大方、国軍の者ではないかと…」

左大臣「国軍…。まァこの場に参加させる程の者だァ。お手並み拝見といこうじゃないかァ」

大軍師「確かに、皆さまのご想像される戦果はあげられてないかもしれません」

エリート「!?」

ザワザワッ…ザワッ

右秘書官「な、何を言って…っ!?」
646 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/24(土) 22:12:33.03 ID:bwqhRCoo
左大臣「なんだァ?自ら非を認めおったぞ…?」

大軍師「しかし…ご存じの通り、我らは五ヶ年計画で常に動いております」

左文官「それは勿論、存じておる」

大軍師「此度の五ヶ年計画において、まだ三年目。判断は時期尚早かと…」

左文官「それは毎度の事だ。その上での判断材料を問うておる」

大軍師「判断材料ですか……」

左文官「そう。現状維持では盛り込んだ予算では理に適わぬ…と、申しておる」

大軍師「現状維持では何がご不満なのでしょう?」

左文官「不満を言っているわけではありません。あくまで予算の…」

大軍師「ではお伺いしますが、現状維持では予算の増加は難しいのですね?」

左文官「何度も言いますが、むしろ削減しても宜しいかと…」

大軍師「ほう…?ならば、現状維持は成果ではないのですね?」

左文官「何度も言わせないで頂きたい」

大軍師「……経済」

左文官「…は…っ?」
647 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/24(土) 22:14:37.16 ID:bwqhRCoo
大軍師「経済においても、現状維持…ですよね?」

左文官「…っ!!」

大軍師「つまり来年度の予算については、基本…全てにおいて削減と?」

左文官「い、いやっ…経済においてはだな…っ」

大軍師「経済においては?…同じ国政であるにも関わらず、相違があると…?」

左文官「も、勿論…それはそうであろう…!」

大軍師「何故です…?」

左文官「そっ、それはそうであろう!経済は一概に国の力のみでは成り立たぬ!」

大軍師「それは国民の力が足りぬ…と?」

左文官「言い方を変えればそうなる」

大軍師「では、何故…国民は力が足りぬと?」

左文官「未だ魔物の数も多く、商いに支障をきたしておるからだ!」

大軍師「何ですと…?」

左文官「だからっ!今だ魔物……はっ!!」

大軍師「魔物…ですか」
648 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/24(土) 22:15:06.16 ID:bwqhRCoo
左文官「…つ、つまりだな…っ!」

大軍師「つまり魔物が減れば、経済は上昇すると?」

左文官「……そっ、そうだ」

大軍師「しかし…今の軍事力では、現状維持が精一杯……」

皇太子「……」

大軍師「経済の維持を保つには、軍事費用の維持も当然…と言う事ですよね?」

左文官「それは…だなっ……」

大軍師「今しがた、ご自身で仰られましたよね?そのように」

左文官「そんなものは詭弁だ!」

大軍師「おや?詭弁ですか…。ここはそういった発言をする場なのでは…?」

左文官「えぇい!!何者かしらんが、貴様は現状をっ……」

議長「静粛にっ!」

左文官「……ちぃ…っ!」

左大臣「……ほぉ。やるではないかァ…あの男」

エリート「…よし!あちらも一人陥落…!」
649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 23:22:09.51 ID:Azc9D6AO
左文官ちょろいな
そしてさりげない蒼天航路ネタ
650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 23:38:42.26 ID:72ZVxsAO
はっΣ( ゚д゚ )
651 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 23:53:21.79 ID:3aa2eEAO
盗賊「おっぱい揉ませてあげるから軍事費上げてください」
652 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 23:59:49.88 ID:9W458Uwo
>>651
完全な軍事国家ひとつ出来上がり
653 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/25(日) 00:15:24.13 ID:WuevG2wo
横山三国志ネタも
654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/25(日) 01:28:56.89 ID:2VvnKcAO
左文官、かたるにおちたり!
655 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 01:38:44.55 ID:fb1e9b20
二十部って…このままじゃ終わるのリアルで一月以上かかるよね

話の中じゃまだ一週間経ってないんだぜ?これ…

更新速度上げるか、キンクリするかを本気で考えたほうがいいと思う
656 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 01:50:41.40 ID:LzvA2kAO
刑道栄まだー?
657 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 01:51:53.13 ID:GuNeEMAO
これ以上更新速度あげたら>>1が爆発しちゃう
658 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 01:54:07.40 ID:Sxm5NDYo
議長「意見のある者は…?」

左秘書官「はっ」

議長「左秘書官殿」

左秘書官「軍事費の件、成程…言い分はよく分かりました」

大軍師「光栄です」

左秘書官「ところでこの研究費、これはそんなに必要なのですか?」

大軍師「おや、軍事費の話はお終いですか…残念…」

エリート(話題を変えて、仕切り直すつもりだな…?)

左秘書官「研究こそ成果が生まれて、初めて検討項目となるのではないでしょうか?」

大軍師「……」

エリート(…さて、大軍師殿……どう出る?)

大軍師「……だ、そうですよ?」

右秘書官「へっ…?」

大軍師「だって私…研究機関については詳しくありませんから…」

左大臣「…ワーッハッハッハァ!!面白い男よっ!」
659 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 01:54:42.55 ID:Sxm5NDYo
議長「右秘書官殿」

右秘書官「研究費については、あくまで研究の為の費用。開発費ではありません」

左秘書官「では、何のための研究なのですか?」

右秘書官「それは…無論、開発に辿り着く為の過程ですので…」

左秘書官「で、あれば…結論としては開発に紐づくわけですよね?」

右秘書官「そうではあるが…使用する用途が違うではありませんか」

左秘書官「出所は同じなのです。絶対量と比率の問題です」

右秘書官「しかしですね……」

左秘書官「ならば新たに開発向けの機関でも設けますか?容易ですよ?」

右秘書官「わざわざ新設する程の機関では…っ」

左秘書官「成程…。では、研究費は維持し、開発費削減という事で…」

右秘書官「開発費を削られたは、何も生まれませんぞ…!」

左秘書官「現在においても、何も生まれてはいないではありませんか」

右秘書官「ですからっ、それについてはまだ時間が……」

左秘書官「時間と言いますが、今までに何年の刻を費やしているとお思いですか?」
660 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 01:55:10.81 ID:Sxm5NDYo
右秘書官「……ぐっ」

エリート(押され気味だな……)

左大臣「成果が上がらぬ機関への投資…。これ以上続けても無駄かと…」

スッ

議長「エリート殿」

エリート「成果は着実に出ております。今しばらくお時間を頂きたい」

左秘書官「ほう…。例えば……?」

エリート「研究機関が今、最も力を入れているのが『通信』です」

左秘書官「……それが?」

エリート「通信技術が完成すれば、遠隔地との連絡が容易になります」

左秘書官「ですから、それが何か関係あるのですかな?」

エリート「さすれば、世界中との通信が…つまり、情報交換が可能となります」

左秘書官「ほぉ…。それは素晴らしい事ですな?それで…目処は?」

エリート「三年…いや、二年以内には運用の目処をと……」

左秘書官「だから予算を増やして欲しいと?…少し論点がずれてはいませぬか?」
661 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 01:56:05.66 ID:Sxm5NDYo
エリート「そうでしょうか?」

左秘書官「……?」

エリート「世界中との通信が可能になる…。これは軍事的にも…経済的にも利点がある」

左大臣「……」

エリート「そうは思いませんか…?」

左秘書官「話が突拍子すぎるな…。世界中などと…」

エリート「他国との交易によって益を得る。それを存じておられるのは皆様方では…?」

左秘書官「…だが、現状…既に交易は進んで…」

エリート「しかし経済においては現状維持止まりなのですよね…?」

左秘書官「……っ」

エリート「これ以上の経済の発展は必要ない。そうお考えなのですか?」

左秘書官「そういうわけでは…っ」

エリート「ならばこそ、通信網を広げる事は重要事項…!」

左秘書官「し、しかし…そんないきなり他国との事を引き合いに出されてもだな……」

バンッ!!
662 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 01:56:48.75 ID:Sxm5NDYo
エリート「だまらっしゃい!」

左秘書官「っ!!」

エリート「大国である我らが、世界の事を考えずどうするのです!」

左秘書官「……っ」

エリート「ましてや先日、西国との同盟を終えたばかり…。盟主たる本国が動かずして…」

皇太子「……」

エリート「この国の…世界の未来などあり得ますでしょうか?」

左秘書官「…ぐぅ…っ!」

左大臣「それ程までに重要なのかね?その…通信技術はァ?」

エリート「離れた地との会話が可能になります」

左大臣「文面ではなくリアルタイムに会話が可能と?」

エリート「ええ。左大臣様も是非、研究機関にてご視察下さいませ」

左大臣「…成程なァ。楽しみにしておこう…」

エリート「……」

左大臣「ワーッハッハァ!!」
663 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 01:57:49.53 ID:Sxm5NDYo
議長「…他に意見のある者は…?」

左大臣「それで?それらの経費はァどこから捻出するのかね?」

議長「左大臣殿」

左大臣「まさかァ、経済機関の経費を削減するわけではあるまいなァ?」

エリート「……」

左大臣「ましてやァ増税など言語道断ぞ」

エリート「……経済機関、これこそこの資料にある予算が必要なのですか?」

左大臣「……」

エリート「あまり成果が見られないようにお見受け致しますが…」

左大臣「小僧…。口の利き方にはァ充分気を付けろよぉ?」

ゴゴゴゴゴゴ…

右文官(な、何という威圧感…っ!政治屋とは思えぬ…!!)

右秘書官「エリート殿は…こんな中、よく頑張っておられるな…っ!)

左大臣「成果がどこに見えぬのかァ、貴殿の口から是非…伺いたいものだァ」

エリート「近年において、経済は確かに安定推移しております」
664 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 02:00:05.93 ID:1Da.oVAo
エリートさんかっけぇ…
665 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 02:00:12.08 ID:Sxm5NDYo
左大臣「……」

エリート「しかしその反面、戦災孤児や失業者に対する対策がなされておりませぬ」

左大臣「…何故、そのような者らが生まれるのだ?」

エリート「そ、それは…っ」

左大臣「戦が起きるからであろうがァ」

エリート「……っ」

左大臣「軍人がしっかり戦果を挙げてくれれば良いだけの話じゃないかァ」」

エリート「確かにそうですが…その為に軍事費用を…」

左大臣「ではァ何かね?経済費を削ってでも軍事費を上げれば全て安泰と?」

エリート「そうではありませんが……」

左大臣「そもそも、戦災孤児や失業者を救済して、経済発展になるのかね?」

エリート「直接的にはなくとも、間接的にはあるのではないでしょうか?」

左大臣「ほほぅ…。例えばァ?」

エリート「彼らが賃金を得れば、消費量の増加などが見込め……」

左大臣「ブッ!!……ワーッハッハッハァ!!」
666 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 02:00:50.56 ID:Sxm5NDYo
エリート「……!?」

左大臣「塵も積もれば…かァ?」

エリート「…そうです」

左大臣「確かに重要だなァ。だがな、小僧……」

エリート「……」

左大臣「貴殿の言う、政治屋というのはなァ…もっと大局的なもので動いておるのよ」

エリート「……っ」

左大臣「そんなチンケな消費量が増加したところで、経済がどれ程上昇すると思うておる」

エリート「……くっ」

左大臣「そんなものはァ、成果にすら入らぬ…小さなァ数字よ」

エリート「しかし、それも経済の一環では…」

ガチャッ

――「異議ありっ!!」

エリート「!?」

皇太子「……?」
667 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 02:01:36.39 ID:Sxm5NDYo
議長「……高官殿」

高官「左大臣様、遅くなりまして…まこと申し訳ありません」

左大臣「おぉ、間に合っただけ充分よ!」

高官は足早に、左大臣の左隣に位置する、自分の席へと移動する。

右文官「ちっ…。これまた厄介な奴が増えてしまったわ……」

大軍師「……ほぉ」

高官「戦災孤児や失業者を生んだ原因は、国軍にあります」

エリート「それは極論ではありませんか?」

高官「実際そうでしょう?戦いがなければ人は死にません」

エリート「魔物による一方的な事象とてあります」

高官「資料の最後をご覧頂きたい」

エリート「……?」

ペラッ

高官「失業者の半数以上はワーカーです。これがどういう事か分かりますか?」

エリート「だがっ、ワーカーは自ら戦地へ足を……」
668 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 02:02:06.38 ID:Sxm5NDYo
高官「そうですよ。自ら戦地へ赴いているのです」

エリート「ならばこそっ…」

高官「何故、自ら戦地へ赴き、失業した者を国が救わねばならんのです?」

エリート「!?」

高官「勅命でそうなったのならばともかく、自業自得というものでしょう」

エリート「しかしワーカーとて国の為に…」

高官「金儲けの為ですよ。国の為など所詮…建前に過ぎません」

エリート「……」

高官「経済機関の主たる仕事は商業及び、工業の発展」

エリート「……っ」

高官「そのような尻拭いのボランティアは自分達で行って頂きたい!」

エリート「……貴方は人として間違っている…!」

高官「…それは予算とは、無関係な話ですね。以上で宜しいでしょうか?」

スッ

高官「……?」
669 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 02:03:42.38 ID:Sxm5NDYo
議長「……だ、大軍師殿」

大軍師「確かに…経済費の削減は不必要ですねぇ…」

高官「それはどうも。ではこれにて……」

大軍師「しかし、国軍と致しましては…是非、来年度の軍備増強をお願いしたいのですよ」

高官「先程、左大臣様ももうしたであろう?捻出する場所がないと」

大軍師「ふふふ…。予算をふやせとは申しませんよ」

高官「…・意図が分かりかねますが…?」

大軍師「ただ、一つ許可を頂ければ良いのです」

左大臣「許可ァ?申してみよ」

大軍師「屯田制…」

左秘書官「屯田制だとぉ!?」

大軍師「はい。これにより国軍の増強を図りたく…」

高官「……徴兵なさるおつもりですか?」

大軍師「滅相もない。そんな強引なものではありませんよ」

左大臣「ならば何だァ、どうやって人を募るのだァ?」
670 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 02:05:48.39 ID:Sxm5NDYo
大軍師「今のお話にあったではありませんか」

エリート「っ!!」

高官「まさか…っ!!」

大軍師「高官殿も仰られましたよね?責任は国軍が取れ…と」

左大臣「……戦災孤児や失業者を引っ張る気かァ…!」

大軍師「勿論、強制ではありません。あくまで任意での募兵です」

エリート「成程…っ、増強と救済を兼ねた…一石二鳥の政策ですね」

大軍師「ご存じですか…?」

高官「……?」

大軍師「おそらく…左大臣様をはじめとなさる皆様は、ここ…本国…」

左大臣「……」

大軍師「そして、各主要都市の視察しかなされておられるでしょう…」

左大臣「充分だと思うがァ…?」

大軍師「北方の村々…。ここ数年で20近くが地図より消えております…」

左大臣「……」
671 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 02:08:11.86 ID:Sxm5NDYo
大軍師「更には南方…そして、南東国、東方、西方……」

高官「……」

大軍師「本国より遠方は、常に魔物の危機にさらされております…」

エリート「これを守るには、今の国軍の人員では賄いきれません」

大軍師「費用が捻出出来ぬとあれば、人員を増やす方法は他にない…」

左大臣「成程なァ…そこで屯田制かァ」

大軍師「これにより滅んだ村や過疎地を開墾し、遠方の活性化を図ります」

高官「……っ」

大軍師「そして、防衛は各々に託す事が可能。まぁ当然…国軍も手は貸しますが…」

皇太子「……」

大軍師「更に…通信技術が整えば、本国とのやり取りも容易ですね」

左大臣「!?」

大軍師「結果…経済の上昇は言わずもがな…ですかね…」

高官「……く…っ!」

大軍師「全てにおいて、万事解決策…そうは思えませんか?ふふふ…っ」
672 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/25(日) 02:13:09.96 ID:Sxm5NDYo
〜オマケ〜

エリート「あーだこーだ」

大軍師「あれやこれや」

左大臣「うんたらかんたら」

皇太子(……おしっこ…行きたい)

〜オマケ2〜

侍女「えぇっ!?姫様が帰ってくるですって!?

御館様「……」



侍女「もう…そろそろかしら…」

ソワソワソワソワソワソワソワ

侍女「御館様…。何ソワソワしてるんです?」

御館様「……別に」

〜オマケ3〜

召喚士「あの…っ。出番が…ありません……」
673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 02:39:42.97 ID:JzXG8.AO
>>1乙!
オマケクソワロタwwww

左たちUZEEEEEEEEEEEE
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/25(日) 04:06:17.41 ID:jwGea12o
>>1乙〜

皇太子かわいいよ皇太子
そしてそれを察したエリートがまた空気読まない発言をしそうだww

しかし召喚士がますます('A`)化していくなぁ…wwww
675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 04:19:11.50 ID:XBXTyESO
>>1

大軍司がいるだけで凄い安心できる

海女さんのの一日追ってほしいなぁ、プロジェクトX風に
676 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 06:15:10.26 ID:6LJyv0Uo
経済省の高官って・・・まさかな。
677 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 06:38:16.76 ID:TuakNUSO
ウィッチちゃんのパパ?
678 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/07/25(日) 06:40:02.16 ID:2Zuv02DO
左大臣がアクセラレータ口調のキングダムのあいつなイメージなんだが
>>1はキングダム読んでるのかな?
679 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 11:41:42.68 ID:JxyAM8Yo
誰も男色に突っ込まないのが不思議でござる
680 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 11:56:45.00 ID:JAmhZAAO
>>1

エリートの心の声がいつか暴発しないかとワクワクしてる
てか左大臣サイドは本格的に生理的に無理な連中ばっかだな…早くグレムリンに左右から引っ張られて真っ二つになっちゃえ

それはそうと、魔道士ちゃんが出番が少なくて悲しんでいると思うから、俺が優しく抱きしめて慰めてやろうと思う
681 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 12:23:51.38 ID:9GCwfMAO
あれ、今日生ゴミの日?
682 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 12:32:19.16 ID:JxyAM8Yo
今日は資源ごみの日だから、生ごみは明日だな
まったく、だれだよ今日生ごみだした奴は・・・
683 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 13:36:50.50 ID:zJx/0SUo
つーかこういう流れもうやめないか
いい加減うっとーしい
684 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 13:46:47.72 ID:1Da.oVAo
この流れの元凶ってなんなんだろうか
685 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 14:02:19.97 ID:kxRHdJ.P
読んでる方にはうっとうしくても書いてるほうは違うんじゃね?
悪ノリでも絵師(笑)でもそこに愛が見える限りはやる気の元になると思うよ

馴れ合いがどうとか読者同士が排除しあってるの見るよりはよほど


ま、自重は必要だとは思うけどさ
コカトリスさんちゅっちゅ
686 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/25(日) 14:10:50.95 ID:SUzef3go
せっかく面白いのに信者の崇拝といちいちそれにレスしちゃってるのが気持ち悪いというか受け付けないのはどうも
>>1の投下した分しか読まないようにしてるけどたまたま目に入るレスがだいたい気持ち悪い
687 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 15:13:31.49 ID:IIpL2IDO
栞から10数レス伸びてると期待してしまうがそれが気持ち悪いレスばっかりだと
ガッカリ感とイラつきが半端ない

毎日あぼんする身にもなれよ
688 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 15:49:34.77 ID:8yoEr1Mo
横槍が嫌ならまとめ読めばいいのに
689 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/25(日) 16:00:35.84 ID:SUzef3go
横槍自体がって事じゃないだろがわかれよくず
690 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/25(日) 16:20:04.41 ID:X6zzPsDO
まあまあ、暑いんだし落ち着こうや
691 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 16:48:48.65 ID:UZkoFnEo
お前らかわいいな
>>1とお前らまとめてちゅっちゅしてやるからそこに並べ
692 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 16:58:22.50 ID:ELBmSvMo
おまえら落ち付けって
それと荒れたから魔道士は俺の嫁だからな
693 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 17:24:37.11 ID:POg8mLE0
いいかげんにしろよタコスケ
さっさと宿題して寝ろ
694 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 18:41:28.08 ID:fb1e9b20
                  /
                 ′  ,イ
                 //l//                -−―‐-   .
  /   |  ┼         /                 ´。゚。°/ ̄ ̄ヽ  丶
  \   l  d‐          /              ∠_`i ″ // ̄`ヽ 」   ヽ.
                  7_           , ' ニミi」{{∠∠ニ二 _    |i |i '.>>1
   _l,. ┐┼┴、      /        / . -   _ .. -―- 、 `ヽ  |l lj  i
.   /|  l/ |  ‐'      /        /´_ -‐''´  __    ヽ   lj  - 、!
                /        //´ _  -‐''´ .:.:.:. `ヽ,__|   / , -、丶
   |   /   |    i-<⌒丶   / { ー〈 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:__',___|    /⌒ヾ|
   |   \   |    |/`ヽ.__〉  i |\-\ .:. , ― 、.:./:::::::ー| |i ├- 、 | |
   |   _、__   |     > ,ハ   ! ', :.:`ー'.:./.::::::::::し'.::::::::::::::| lj   )  }ノ |
   |   -ゝ-   |    { /   〉   ', ', :.:.:.:.:.:.{:::::::::::::::::__:::::::::}   r‐、_ノ ,′
   |  (´__    !    ゝ  /}    ',  , :.:/⌒i, 一ァ'´   /⌒/    ヽ.___/
  _   ‐一ァ        {     , ′   ′ V⌒l/   ′ /⌒ ′   /
    )   /  ////   ゝ /        ヽ \ `ー―一´  /   /
    ´     {_ ・・・・    {‐'´   ,. -―: 、   \` ̄ ̄ ̄ ̄      !    /:
  ////              \-‐ァ'.:.:.:.:.:.:. .:.\_ 丶、 __   '´    ヽ/ン'´/.:
  ・・・・               __V.:.:.:.:.:.:.:.:. .:./: : : \_/      /    //.: .:. .:. .:.
                 |.:.:.:.:./.:.:/.:.:.:.:.:./ : / ̄ ̄|    ∠ -‐ァ'´.: .: .: .:. .:. .:. .:.
            /\!.:.:.:〈.:.:/.:.:.:.:.:.:. :. :.〈 ̄ ̄ ̄丶__/   /.: .: .: .: .:. .:. .:. .:. .:.
///l/ ̄ ̄ ̄\/   !.:.:.:.:.V.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:. :.\        /.: .: .: .: .: .:. .:. .:. .:. .:. .:.
695 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 18:47:50.57 ID:JxyAM8Yo
つかわざわざなになには俺の嫁とかここで言う必要無いじゃないですか
メモ帳って便利なツールが箱の中に入ってんだからそこに書けばいいじゃないですか

696 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/25(日) 19:11:41.00 ID:SUzef3go
はい
697 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 19:39:27.43 ID:QAqrD2DO
ひとのことをなまごみとかいうのはよくないとおもいます
698 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 19:51:02.16 ID:EQYoGASO
生ゴミが喋った!?
699 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 20:54:43.84 ID:6M8wqBQ0
蒸し暑い真夏に割れる棒アイス降臨!
 ____
ヽ|・∀・∀・|ノ 
 |   |   |
 |   |   |
 |__⊥__|
  ‖ ‖

 仲良く食べようぜ!
700 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 21:05:21.41 ID:h/bCcwMo
>>699
 ____
ヽ|・∀・ A` |ノ
 |   |   .| __
 |   | ̄ ̄ |   |
 |___|    |___|
  ‖      ||

701 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/25(日) 21:36:22.04 ID:Sxm5NDYo
とりあえず、楽しくワイワイ出来れば良いのではないでしょうか!
レスがあると励みになりますし、要望や感想も参考になってますよ!

>>699-700
ワロタww切ないっす…

↓続き
702 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:36:55.46 ID:Sxm5NDYo
左大臣「屯田制…許可しようじゃないかァ…!」

高官「宜しいので…!?」

左大臣「別に金のかかる問題でもあるまい…。いいんじゃないかァ?」

高官「それはそうなのですが……」

高官はちらりと大軍師の顔を見る。

高官「……」

左大臣「成り行きとはァ言え、お前が面白くないのは分かる」

高官「……」

左大臣「まァ、この一年でなにが出来るかァ…見物ではないかァ」

エリート「では…宜しいのですね?」

左大臣「うむ…。互いに予算維持の方向でいこうかァ」

議長「宜しいですな?」

皇太子「……ああ。承知した」

コンコンッ!!

議長「それでは…予算案会議、初日を終了と致します」
703 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:37:31.11 ID:Sxm5NDYo


右文官「大軍師殿っ、まことに助かりましたぞ!」

大軍師「いえいえ。結局…予算は増加致しませんでしたから…」

右秘書官「減らなかっただけでも万々歳ですよ。左の思惑を打ち消しました」

エリート「……」

右文官「では、戻りましょうか。明日も朝は早いですぞぉ〜」

エリート「大軍師殿は明日以降は…?」

大軍師「流石に軍を放ったらかしとは参りませんからね…」

エリート「そうですか…」

右秘書官「殿下ももう間もなく見えるようですね。控室にて待つとしますか」

右文官「今日は祝い酒じゃ。早速…店の手配をしておこう」

右秘書官「何じゃ、しておらんのか?」

右文官「勝つとも分からぬ情勢だったからな。空予約になっては…それこそ税金の無駄よ」

大軍師「素晴らしい…。政治家の…鏡ですね。ふふふっ」

右文官「なぁに!おだてても何も出ませんぞぉ!わはははっ!」
704 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:38:00.31 ID:Sxm5NDYo
〜右翼、控室〜

カチャッ

エリート「殿下…っ」

皇太子「皆、ご苦労であった」

右文官「なんとか…まとまりましたな」

皇太子「ああ」

エリート「しかし本会議は…あと二週間続きます」

右秘書官「初日の趨勢さえ形付けてしまえば、後は微調整のみよ」

エリート「……」

皇太子「左大臣に対する懸念…か?」

エリート「やけにあっさり引き下がったもので…」

皇太子「それは私も気になるが、まぁ…右秘書官の言う通りだよ」

右秘書官「そうですよ。明日以降は細かな金額の調整ですから…」

皇太子「ところで…立役者が見えないようだが…?」

エリート「ええ…。先程から外されているようで…。どこへ行ったのやら……」
705 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:38:31.82 ID:Sxm5NDYo
〜左翼、控室〜

高官「……」

左大臣「まだ不満かァ…?」

高官「終わった事です。それよりも明日からの内容……」

コンコン

左文官「……?」

左大臣「誰だァ?」

カチャッ

高官「っ!!」

左大臣「ほぉ…!これはこれは、思わぬ来客だァ…」

大軍師「先程は失礼を致しました…」

左秘書官「…分かっておろうな?ここに顔を出すという意味が…」

左大臣「まァまァ…そうカッカするでない。して、何用かなァ?大軍師殿…」

大軍師「これは…光栄です。……出来ればお人払いを」

高官「貴様っ!何を言って…」
706 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:38:59.91 ID:Sxm5NDYo
左大臣「だからァ、そうカッカするなと言っておるであろう」

高官「しかしですね…っ」

左大臣「構わぬ。このような場所で何か出来るわけがなかろう」

大軍師「……」

左大臣「それとも…心中でもご所望かなァ?」

大軍師「御冗談を…。ふふふ…っ」

左大臣「…と、言うわけだァ。先に行って参れ」

高官「……ちっ」

大軍師「痛み入ります」

左秘書官「で、では……」

テクテクテクテク…バタンッ

左大臣「それで、話とはァ何だね?」

大軍師「此度の制度導入…まこと有難うございます」

左大臣「まさかァ、礼を言いにわざわざ赴いたわえではァあるまい?」

大軍師「……ふふふ」
707 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:39:32.02 ID:Sxm5NDYo
〜議事堂、正面玄関〜

ザッザッザ

エリート「っ!!」

高官「……」

皇太子「……ご苦労であった。また明日…」

高官「殿下、あの男…注意された方が宜しいですぞ?」

右文官「あの男……?」

左秘書官「大軍師、とか言う国軍の者だ」

高官「何やら左大臣様と密談しておられますぞ」

右秘書官「何だと…っ!?」

エリート「……」

高官「まぁ我らには関係のない事…。失礼します」

ザッ

高官「あ…そうそう、ウィッチが何やらお世話になっているようで…」

エリート「な…っ!!」
708 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:40:09.13 ID:Sxm5NDYo
高官「耳に届かぬとでも…?」

皇太子「報告が遅れてすまない」

高官「構いませんよ。既に縁は切りました。なんら関係もない者です」

エリート「……っ」

高官「但し…私を殴った、どこぞのワーカーは必ず見つけ出して下さいよ?」

皇太子「……」

高官「この私に拳を振るったのです。断じて許されませんよ…」

皇太子「……承知した」

高官「私はね、決して国軍が嫌いなわけではないのです。むしろ頑張って頂きたい」

エリート「……」

高官「しかし、その程度のワーカーも捕まえられぬようでは…。失望させないで下さいよ?」

皇太子「……ああ」

高官「それでは、また明日……」

カツカツカツカツ…

皇太子「……」
709 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:40:37.92 ID:Sxm5NDYo
エリート「大軍師殿が…左大臣殿と…?」

右秘書官「こ、これは一体…っ!」

右文官「ふんっ。本人に聞けば早い話だ」

右文官はぶっきらぼうに後方から近づく男を睨みつける。

エリート「大軍師殿っ!!」

ザッザッザ…

大軍師「これは…お待たせしてしまいましたかな?」

右秘書官「大軍師殿。一体どういうおつもりですかな…?」

大軍師「…と、申されますと?」

右文官「とぼけるでないっ!左大臣殿と何を話されておった!?」

大軍師「おや…。情報が早いですね…ふふふ」

エリート「それで…?何かあったのですか?」

大軍師「ええ…まぁ」

皇太子「聞かせて貰えるか?」

大軍師「……左大臣様、あの方は……黒です」
710 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:41:05.93 ID:Sxm5NDYo


高官「……馬車の用意、出来ております」

左大臣「おう、ご苦労…」

高官「……上機嫌でございますな」

左大臣「そう見えるかァ…?」

一同は馬車に乗り込み、議事堂を後にする。

ガラガラガラッ

高官「何か…収穫がございましたか?」

左大臣「大軍師なる男…。なんとも策士な男よ…っ。ワーッハッハッハァ!」

左秘書官「……?」

左大臣「まァ…。出世するには、いつまでのあの殿下の下じゃあなァ…」

高官「……つまり…こちらに寝返ったと…!?」

左大臣「フッフ…。これで国軍に…良い楔が打てたわい…!」

左文官「なんと…っ!!」

左大臣「大軍師…。あ奴はこちら側に付いたァ。ワーッハッハッハァ!!」
711 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 21:47:25.78 ID:Sxm5NDYo
〜議事堂前〜

右秘書官「今のは…左大臣殿の馬車か……」

エリート「そっ、それで……黒、とは?」

大軍師「あの方、ただの共産主義者ではありません」

エリート「く、黒とはまさか…っ!?」

大軍師「左大臣様は内通者です。間違いありません」

右秘書官「馬鹿なっ!?」

右文官「そ、それはまことなのですか!?」

皇太子「大軍師、滅多な事を申すでないぞ」

エリート「確信は…おありなのですね?」

大軍師「ふふっ。なければこんな事…大それて申せませんよ」

エリート「……」

皇太子「とにかく…この事は他言無用。胸の内に秘めておけ」

エリート「勿論です…。とてもではないが、口に出来ませんよ…っ」

苦笑するエリートを横目に、大軍師は羽扇を仰ぎ、笑みを浮かべた。
712 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 22:12:49.78 ID:6LJyv0Uo
左大臣は一方通行なのか若本なのか・・・
713 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 22:31:22.97 ID:9NqEkt60
>>1乙乙

裸で支援

ハネムーン以降のデスマの支えはコカトリスですが支援は久しぶり
修行編も右左論争もwktk
714 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 22:35:21.37 ID:GMurrWwo
大軍帥自体が怪しすぎて先が全く読めねぇ。
敵を騙すには味方からとかそんな状況すら軽く上回ってそうで怖い。
715 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 22:40:00.30 ID:hElwn2DO
さあはやく左大臣をころすんだ
716 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 23:00:46.31 ID:ELBmSvMo
>>1超乙
コカトリス面白いお
717 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 23:06:06.92 ID:1Da.oVAo
2週間だと……これはキンクリしない訳にはいかなそうだな
718 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 23:14:43.25 ID:9NqEkt60
>>1乙すぐる
毎度読んでる

マッタリペース好きだからキンクリやだなあ、と
719 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 23:22:46.01 ID:iIul4.DO
>>713 >>718
なにこれ同IDなのに口調違うのきもちわるい
720 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 23:44:08.55 ID:JAmhZAAO
>>1

古参の定着した流れが新規からしたら居心地悪いのはどのSSでもあることなのだから仕方ない
読者同士でつぶし合いなんてしてないで流し読むスキルを取得しようぜ
721 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 23:51:18.30 ID:ELBmSvMo
もうこの話はやめようぜ
>>1が悲しむよ
722 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/25(日) 23:53:38.64 ID:Sxm5NDYo


右文官「本当に行かれないのですか?この後の祝賀会……」

大軍師「ええ…。まだ軍本部にも仕事を残しております故…」

皇太子「忙しいところ、済まなかったな…」

大軍師「いえ…。こちらこそお陰さまで軍の増強が出来そうです」

エリート「ありがとうございました」

大軍師「では、また……」

ザッザッザッザッザ

右秘書官「宜しかったのですか?」

エリート「……?」

右秘書官「左大臣殿の件、詳細を聞かなくても…」

エリート「大軍師殿のお気遣いですよ。我らが深入りしては…身の危険がありますから」

右秘書官「な、成程…。それで詳細を語らなかったのか…」

エリート「それに…大軍師殿が全てとは限りませんから…」

皇太子「……」
723 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 00:03:49.18 ID:JfFp5IAo
右秘書官「そ、それは……?」

エリート「大軍師殿が真実を語っているとは限らない、と言う事です」

右文官「馬鹿なっ!?し、しかし…それでは何の為に我らに手を貸して…」

エリート「本会議で決まった案件は、屯田制のみですよ」

右文官「!?」

エリート「得を得たのは国軍のみ。他の機関においては現状維持が精一杯…」

右秘書官「確かに…言われてみれば……」

エリート「しかも屯田制…。意味は無論、お分かりですよね?」

右文官「平時においては開墾に従事し、有事の際には兵として剣を持つ…」

エリート「左様。言わば開拓民であり…傭兵です」

皇太子「……」

エリート「戦災孤児や失業者…。本国の手の届かぬ…素性の掴めぬ者達が…です」

右秘書官「…下手をすると、国軍子飼いの私兵になり兼ねないと…!?」

エリート「まぁ…信じる以外に道はありません…。我らにとっては、ね…」

皇太子「…ああ、信じよう。信じる事で人は支え合えるのだ」
724 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/26(月) 00:16:15.23 ID:JfFp5IAo
沢山のご支援ありがとうございました!それでは失礼致します!ノシ

>>678
面白いですよね!!た、確かに似ているかも……

〜オマケ〜

火忍「…………」

ボリボリボリッ

火忍「おかしい…。夜には帰ってくると思ったのに…」

ウロウロウロウロウ

火忍「名代のヤロウ…!!まさか…藤蔵へ泊まって来る気じゃあ…!」

ピタッ

火忍「くっそぉ!!風のアホも交代にくる気配ねぇし…。薄情にも程があんだろ…っ!」

足軽「……あ、あのぉ」

火忍「姫の…舞踊。…寝巻…姿。風呂…いや、風呂はねぇな…うんっ」

足軽「あのぉー」

火忍「あぁ!?」

足軽「み、見張り…交代します!!」

火忍「……ああ、好きにしてくれ。どーせ俺は帰れねぇんだ…はぁ」

足軽(な、何を悩んでおられるのだろう…?やはり妖怪の事だろうか…。俺も頑張らねば…うん!)
725 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 00:31:22.30 ID:HD6Gh6A0
>>711
理由は
左大臣「ハックション!…まもの」
ですね!
726 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 00:41:35.43 ID:uwVc6rko
>>1乙!
足軽は随分と生真面目そうだなwwww
727 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 07:57:17.13 ID:Da34x6AO
>>1

そういや大軍師をずっと昔から怪しんでいた事を忘れていた
ずっと同じ調子だからこの怪しさがデフォになりつつあったわ危ない危ない

左大臣は早く魔法無効のモンスターに引きちぎられると良いよ
あとついでに高官も
728 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:41:27.23 ID:atJv9ngo
〜国軍本部〜

大軍師「……」

カツカツカツ

大軍師「…おや、ご無沙汰しております」

騎士団長「おぉ、大軍師殿。本部は変わりないようで何より…」

大軍師「此度は…いかがなされたので?」

騎士団長「各地の小競り合いも、ようやく引いてな…」

大軍師「怖いのは…波が引いた後ですよ?」

騎士団長「もちろん分かってる。その為の再編制だよ」

大軍師「成程。予算案会議に合わせてですね」

騎士団長「察しが良くて助かるっ。わははっ!!」

大軍師「では……」

騎士団長「あ、そうそう…」

大軍師「…?」

騎士団長「魔物の動きに一つ…気になる事が……」
729 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:41:58.11 ID:atJv9ngo
大軍師「気になる…事ですか?」

騎士団長「魔物の中に、遭遇しても交戦せず、すぐに退却する奴らがおった」

大軍師「…何か、共通点が?」

騎士団長「うむ。規模は小隊かそれ以下の程度。基本的に弱い魔物の種類だ」

大軍師「……」

騎士団長「特に決まった場所もなく、転戦各地で稀に遭遇した」

大軍師「…無抵抗…退却」

騎士団長「魔物にも臆病とか…内乱とかあるのかねぇ…」

大軍師「……かもしれませんね」

騎士団長「まぁ、司令には上げておいたから」

大軍師「はい。ご苦労様です」

騎士団長「おうっ。では…失礼する」

カツカツカツカツカツ

大軍師「……無抵抗な魔物」

大軍師は首を傾けながら、司令室へと向かった。
730 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:42:29.36 ID:atJv9ngo
〜司令室〜

コンコン…カチャッ

秘書官「大軍師殿、お見えです」

司令官「……ん」

大軍師「失礼致します」

司令官「…どうだった?」

大軍師「まぁ、収穫はありましたよ」

司令官「そう。それは良かったね」

大軍師「思わぬ収穫も…ありました」

司令官「…何だろう。聞いてもいいのかな?」

大軍師「内通者と思しき者と、コンタクトが取れました」

司令官「…へぇ。その口調だと上層部だね」

大軍師「お察しの通り……」

司令官「ヘタに足を突っ込むと…痛い目見るかもよ?」

大軍師「……司令、お伺い致します」
731 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:43:10.43 ID:atJv9ngo
司令官「…ん?」

大軍師「……内通者では…ありませんよね?」

司令官「…君、面白いよね」

大軍師「…失礼致しました」

司令官「素直に『はい、そうです』って答える馬鹿がいるかい?」

大軍師「……」

司令官「ま、分かるよ。言いたい事…」

大軍師「私は…この国の為に働いております。この軍の為では決してありません」

司令官「……」

大軍師「しかし、この国以上に…貴方の下だから働いているのです」

司令官「なに?愛の告白…?」

大軍師「……茶化さないで下さい」

司令官「……肩の力を抜け。これからは更に忙しくなるぞ」

大軍師「ありがとうございます…」

司令官「今日は疲れたろ。…もう休んだらどうだい?」
732 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:43:52.42 ID:atJv9ngo
ザッ

大軍師「それでは、失礼致します」

カツカツカツ……ピタッ

大軍師「司令、私は貴方に最後まで従うつもりです」

司令官「……」

大軍師「それが……どちらの道であってもです」

司令官「……期待しているよ」

大軍師「……はい」

カツカツカツ…カチャッ…パタンッ

司令官「……」

コンコン…ガチャッ

秘書官「騎士団長殿の書類、サインは終わりましたか?」

司令官「…ちょっとこれ保留。預かるよ」

秘書官「は、はぁ…。かしこまりました…」

予算案会議初日…。文官達の長い夜がようやく終わった。
733 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:44:41.72 ID:atJv9ngo
〜東方、藤蔵家〜

盗賊「……おはよぉ」

侍女「なーにがおはよう…ですかっ、もう6時ですよ?」

盗賊「……うん」

侍女「全く…。ねぼすけさんなんだから…」

盗賊「……すいません」

侍女「ほらっ、早くお布団畳んで。髪も梳かして…はい、これ着替えっ」

盗賊「……はい」

侍女「もう間もなく名代様が出立なさいますよ?お見送りは?」

盗賊「……行ってきます」

テクテクテク

盗賊「相変わらず五月蝿い奴じゃ…」

頬を膨らませ、ぶつぶつと独り言を続けながら、盗賊は正門へと辿り着く。

盗賊「…いた」

正門の前には名代と、それを見送る一同の姿がある。
734 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:45:56.14 ID:atJv9ngo
テクテクテク

風忍「おや、姫も見送りですか?」

盗賊「…世話になりました」

名代「こちらこそ泊めてまで頂きまして…。ありがとうございました」

御館様「また、後日改めて連絡致す」

名代「はい。待っております」

名代は馬車に乗り込み一礼する。それに応え、盗賊もお辞儀を返す。

ゴトンッ…ガラガラッ…パッカパッカパッカ…

土忍「…俺もこのまま都へ向かう」

水忍「雷と交代か?」

土忍「…ああ。アイツもしばらく休んでおらぬからな」

御館様「頼んだぞ。土」

土忍「はっ!!」

シュバッ……

盗賊「……」
735 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:47:03.50 ID:atJv9ngo
風忍「姫、お身体の具合は…?」

盗賊「だいぶ良くなってきたよ」

風忍「それは何より」

水忍「完治したら修行が待っておりますぞ」

盗賊「…ああ。頼む」

御館様「……」

風忍「さてと…。朝食に致しますか」

水忍「今日は朝一で取ってきたイワナにアユですぞ」

盗賊「おぉっ!」

風忍「姫は魚がお好きですもんね」

盗賊「好きだぞっ。美味しいからな!」

水忍「旬に近いですからね。脂も乗ってて旨いですよ」

盗賊「た、楽しみだ…っ」

御館様「……」

風忍「さぁさぁ、行きましょうぞ」
736 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:47:56.62 ID:atJv9ngo
〜広間〜

盗賊「……いっ、頂きます!」

カチャッ…パパパパッ

盗賊「……ん〜っ、美味しいっ!」

侍女「でっしょ〜!」

御館様「……」

風忍「御館様…?」

御館様「…不味い。食えた物ではない」

侍女「!?」

御館様「鮮度は良いが味付けがなっとらん。始末しておけ」

風忍「御館様…」

御館様「ああ…せっかく水が早朝取ってきたものだ。……盗賊」

盗賊「…は、はいっ」

御館様「お前が責任持って、処分しておけ」

盗賊「…っ!?」
737 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:48:49.94 ID:atJv9ngo
御館様「先に戻る」

ザッザッザッザッザ

盗賊「父…様っ」

水忍「流石…美食家。味付けには手厳しい……」

風忍「それよりも侍女、朝食担当の者…下手したら罰せられたり…」

侍女「ふふっ…あはははっ!!」

風忍「侍女…?」

侍女「だって…っ、今日の味付けは御館様がご自身でなされたのよ?」

水忍「……は…っ?」

侍女「…ほーんと、素直じゃないんだから」

侍女は席を立ち、御館様の残した焼き魚を盗賊の食膳へ盛り付ける。

風忍「成程な…。全く…御館様は…」

盗賊「あ、あの…っ」

侍女「勿体ないでしょ?姫が食べなさいな」

水忍「魚は身体を丈夫にします。怪我の回復にも良いですよ」
738 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 17:49:04.37 ID:/pJ7JuQo
ツンデレすぎる…
ってかもはやツンデレという言葉で表すのがおかしいのか?
739 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:50:37.42 ID:atJv9ngo
盗賊「う、うんっ。頂きます!」

侍女「さて…お茶のお代わりは?」

風忍「頼む」

水忍「私も…」

盗賊「は、はいっ」

侍女「すぐお持ちしますからねっ」

風忍「姫が戻られて…藤蔵も明るくなったなぁ」

水忍「ああ…。ずっとこうであれば…良いがな…」

風忍「それは我らの都合なのかもしれぬな」

水忍「姫には姫の歩むべき道がある…か」

盗賊「……?」

水忍「何でも御座らぬ。さぁさ、早よう食べなされ」

風忍「食事を終えたら、池の鯉に餌など如何です?大きくなりましたぞ?」

盗賊「うんっ。そうする…!」

戦いのない平和な一時…。穏やかな日はあっと言う間に過ぎていく…。
740 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:51:59.46 ID:atJv9ngo
〜数日後〜

グッグッ

盗賊「……よし」

侍女「姫っ!?もう大丈夫なの?」

盗賊「うん。直撃受けたわけじゃないし…」

侍女「それじゃ御館様呼んで……」

ザッザッザ

雷忍「カカカッ!御館様は今、説教中だよ」

盗賊「…雷」

侍女「説教って…?」

雷忍「知らね。なんか…火が怒られてたぞ。カカッ」

盗賊「…そっか」

侍女「まぁ、もう少し待ってましょうか」

雷忍「後で呼んで来ますよ」

盗賊「…ありがと」
741 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:52:34.13 ID:atJv9ngo
〜南東国、南の山〜

戦士「……」

ギリギリッ……ヒュバッ!!…ガスッ!!

女隊員「命中ッス!!お見事ッス!!」

男隊員「マジかよ…っ!?あんな小さい蛾を…っ!」

隊長「本当に当てるとは…阿呆にも程があんだろっ」

戦士「自分で課した修行じゃないっすか…」

隊長「それは弓の使い方、要は軌道の予測とか…そういう話だろが」

戦士「えぇー、せっかく当てたのに……」

隊長「当てる事に文句を言ってるわけじゃねぇよ。むしろ賞賛に値するわ」

戦士「マジすか!?」

隊長「当たり前だろ…。こんなん俺でも多分無理…」

戦士「まったまた〜!ご冗談を…」

男隊員「いや、普通に無理だろ……」

女隊員「うん。普通に無理ッス……」
742 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:54:09.81 ID:atJv9ngo
戦士「んで、お次は……」

隊長「さて、いよいよ……槍といきますか!」

戦士「槍……かぁ」

隊長「なんだぁ?一番槍の嫡男が怖気付いたかぁ?」

戦士「そうじゃないけど…それっすよ……」

男隊員「……?」

戦士「親父がどれ程の槍使いか知らねぇけど、その…期待っつーか…」

女隊員「分かるッスよぉ!プレッシャーになるんスよね?」

戦士「……ええ」

男隊員「初代遊撃隊の一番槍っつったら…そりゃあ凄かったらしいかんなぁ」

隊長「…ああ。凄いなんてモンじゃあねぇよ」

戦士「……」

隊長「中でも一番槍の武は、国士無双と謳われた程さ…」

戦士「国士無双……」

男隊員「他に並ぶ者の居ない…国一番の使い手って事。ヒャハハッ」
743 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:56:29.37 ID:atJv9ngo
戦士「そんなに働いたんすか…?」

隊長「一番槍の名の通り、開幕の先陣を常に担当した」

男隊員「一番槍ってのは、一番目に槍で軍功を挙げる事を意味する」

隊長「しかし多対一に滅法強くてなぁ。俺も戦場で見た事ありが…まぁ凄かったよ」

男隊員「両手槍とかバカげた戦法でしたっけか?ヒャハハ!」

隊長「投擲と槍術を駆使して、無駄のない動きだ。あれは誰にも真似出来ん」

戦士「へぇ…」

隊長「中でも凄かったのは、20数年前の…南方撤退戦」

戦士「…?」

隊長「新卒の文官共が、南方研修中に魔王軍に襲撃されてな…」

男隊員「あー、たまたま居合わせた一番槍とバリスタが迎撃したってヤツ?」

隊長「ああ…。キリなく迫る敵を斬り払い、死者0で切り抜けたってやつだ」

戦士「マジかよ…」

隊長「流石の一番槍も瀕死を負ったらしいがな…」

戦士「……」
744 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:58:30.98 ID:atJv9ngo
隊長「たまたま辿り着いたオアシスで一命を取り留めたって話しだ」

男隊員「全く…。無茶な話しだよな」

女隊員「魔物はどれ程いたんスか?」

隊長「よく分からんが300とも500とも言われてる」

男隊員「ドラゴンやらも居たって話だぜ?ヒャハッ」

戦士「凄かったんだな…」

男隊員「聞いた事なかったのか?」

戦士「むしろ国軍にいた事すら知らなかったよ……」

女隊員「家族思いなんスねぇ…」

戦士「…え…っ?」

女隊員「だってこの隊は特殊な部隊ッスよ。身の危険は満載ッスから…」

戦士「……親父」

隊長「…思い出話はここまで。んじゃ槍術いこうかね」

戦士「お願いします!」

隊長「一番槍のようにはいかんが…それなりには教えてやれるハズだ」
745 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 17:59:12.42 ID:atJv9ngo


戦士「…こうすか?」

隊長「もっと腰を落とした方がいい。槍の基本は突き、だ」

戦士「突き…」

隊長「突きは腕のちからだけでは威力がない。下半身の力が重要」

戦士「なるほど…。確かに腕だけだと…軽いなぁ」

隊長「腰を落とし、地面を蹴るように…重心を前へっ!」

ヒュンッ!!

戦士「……こうかっ!?」

ヒュンッ!!

隊長「悪くねぇ…。ただ、動きが固いな」

戦士「……うーん」

隊長「槍は突いて終わりじゃねぇ。そこからニ撃目の動きを考えろ」

戦士「…ニ撃目かぁ。確かにそうっすよねぇ」

隊長「お前のこの…得物。こいつは戟っつって、南東国発祥のモンだ」
746 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 18:00:45.05 ID:atJv9ngo
戦士「……みたいすね」

隊長「槍の穂先、刃の部分に三日月状の刃が突いてるよな?」

戦士「…ええ」

隊長「こいつがまた厄介でな。突いても曳いても傷口深く、致命傷になる」

戦士「……」

隊長「更には横に刃がある分、薙ぐにも適してる。万能槍ってとこだな」

戦士「なるほど…っ」

隊長「だからこそ、ニ戟目以降の動きへ柔軟に移る事が出来れば…」

戦士「初撃の突きを外しても…ニ撃目で…!」

隊長「そう。槍の一撃なんてハナっから無理と思っておきな。突けりゃ万々歳よ」

戦士「…分かりました」

隊長「重心を落とし、力を入れるが…前進した後は脱力…」

戦士「……っ!!」

ヒュンッ!!…ヒュバッ!!

隊長「そうだっ!今のは悪くねぇ!……もう一丁!!」
747 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 18:17:45.08 ID:atJv9ngo
〜北方、泉〜

魔道士「……っ!!」

ドンッ!!…ボゴォッ…バキバキッ…ゴオオォォ!!

マジシャン「うん、悪くない…上等上等!ハッハ!!」

魔道士「二行補助は難しいですね…ふうっ」

マジシャン「慣れだよ慣れ。やってくうちに自然と身に付くって」

魔道士「そうでしょうか?」

マジシャン「魔道士ちゃんの場合、五行も補助も出来てるわけだし、慣れてないだけよ」

魔道士「…なるほどですね」

マジシャン「さて、休憩にすっかね」

魔道士「はいっ」

マジシャン「あ、そうだ。ちょっくら街に…買い出し行ってくるわ」

魔道士「はいっ。行ってらっしゃい!」

マジシャン「…というわけ」

魔道士「……?」
748 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/26(月) 18:24:43.31 ID:atJv9ngo
ゴソゴソッ

マジシャン「これにサインと…あと、手紙も書くか?」

魔道士「何ですこれ?……委任状?」

マジシャン「ワークショップで手紙の引取りを委任するためのものだ」

魔道士「…えぇと、これにサインを?」

マジシャン「来てるかもしれないよ?お仲間さんからお手紙が…」

バッ

魔道士「……はいっ!書きました!」

マジシャン「…早いねぇ。んーじゃ、行ってくるわ!」

魔道士「お気をつけてっ!」

マジシャン「今のうち、しっかり休んでおけよ〜」

テクテクテク…

魔道士「は〜い!!」

森の奥へ姿を消すマジシャンを、魔道士は背後から手を振り、笑顔で見送る。

魔道士「…よーし、今のうちに洗濯済ませちゃおっ!」
749 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 18:32:38.29 ID:uwVc6rko
……ん?あれ?
そういえば、召喚士だけ同じ場所に女性が居ない…
750 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/26(月) 18:34:36.24 ID:atJv9ngo
中途半端ですが、ここらで失礼致します!
ご支援ありがとうございました!ノシ

>>749
本当ですね…。まぁ…いいか…
751 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 18:37:00.02 ID:jFFZvgDO
となるとやはり召喚士は色々な意味で万能というかいろんな属性を持つというか……
752 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 19:07:00.75 ID:kdVy5IAO
魚は体にいいか……


確かff6のイベントで元気のない魚を食べさせ続けると………
753 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 19:09:40.17 ID:uwVc6rko
>>1乙!
同じ場所に女性が居ない状態が一ヶ月続き
更に今回の更新でも出番がないとか…
マジで('A`)状態じゃねーかwwwwww
754 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 19:56:02.51 ID:xObZn/Y0
お前ら…

召喚師の見せ場はむしろ後半だろ?
今は他3人に出番譲ってるんだよ
755 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 20:43:23.51 ID:UK34xGAo
召喚士のところだけ花がないだって?
召喚士自体が花じゃないかwwwwwwww
756 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 20:50:42.63 ID:ICFJjEwo
シルフいじめんのはそのくらいにしようぜ
757 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 21:08:43.17 ID:f2SJlUDO
戦士ウエポンマスター化計画か
758 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 21:55:00.49 ID:1LWaYtso
VIPの頃から観てる人ってまだいるのかな?
759 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 21:55:31.48 ID:UK34xGAo
いる
っていうか向こうの更新きたなwwwwww
760 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 21:59:00.22 ID:n7cSv..o
VIPからの人が大半だと思ってたけど実際は違うのかしら
761 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 22:00:10.76 ID:eUBuy0Mo
スレ一覧を開いたことがない
762 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 22:01:38.09 ID:1LWaYtso
最初のスレで盗賊が召喚士になら抱かれてもいいって
いったの思い出したらなんか笑ってしまった
763 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 22:08:04.10 ID:uwVc6rko
俺は最初のスレから居るぞ
764 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 22:17:12.32 ID:eSFl.760
>>378

ツンデレ < オヤカタ[NEW!!]
765 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/26(月) 22:34:57.69 ID:pZE.Omw0
盗賊のおっぱいの感触って身近なものでいったら何になるのか教えてください。
766 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 22:38:42.13 ID:UK34xGAo
>>765
お姉ちゃんのおっぱい
767 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 23:03:20.68 ID:D2DHe6DO
>>1乙!
むしろVIPからの人の方が多いんじゃないかと思う俺がいる。
768 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 23:16:18.79 ID:XUiT.bo0
>>765
新幹線から手を出して空気を揉むんだ
盗賊ちゃんのものと同じ感触が・・・
769 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 23:33:52.53 ID:HXFQOwDO
100km/h時のエアー乳
770 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/26(月) 23:54:45.23 ID:JfFp5IAo
VIPから見続けて下さっている方には、本当に感謝です!
もちろん新たに来て下さった方も本当に感謝感謝!!
オマケだけ投下して失礼致します。おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

火忍「名代のヤロウ…。やっぱり泊まってやがった…くそっ!」

テクテクテク

火忍「さーて、もうすぐ愛しの姫…違う、藤蔵に到着〜!!」

その頃…

御館様「…もう一度…申してみよ」

風忍「で、ですので…そこで火が姫ともみ合いになり…しかし咄嗟に姫と気付いた私が……」

御館様「揉み合いだと?」

風忍「あ…えぇと、そんな大したことではなく…顔に胸が当たったとかその程……」

御館様「……」

風忍「程…度……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

盗賊「…ん?何だこの威圧…っ!?」

侍女「さぁ…?それより早く鯉に餌あげて下さいなっ」

盗賊「あっ、そうだった…。ほらっ…たーんと食べよっ!…ふふっ」
771 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 23:57:28.42 ID:tj9DAIAO
火忍終わったなwww
一瞬天国を味わったんだから、もう十分だよなww
772 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 01:55:50.53 ID:EBSCUoAO
>>1

俺もVIPの1スレ目の2日目あたりからほぼ毎日追いかけてるよ
魔導師ちゃんって名前を間違えてたこともあったよ………今じゃ良い思い出だが…

てか、魔道士ちゃんが可愛すぎて生きるのが辛い
今日も委任状を一瞬で書いちゃう魔道士ちゃんにキュンキュンしちゃった
あぁ、そんなに俺からの手紙が欲しかったのか。ってな!
多分もうワークショップに1000通くらい俺からの手紙が溜まってるから、それ読んでキツい修行を乗り越えてくれって妄想しとくわ
じゃあおやすみ
773 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 02:37:21.30 ID:PMiz/0w0
>>772
お前は魔導師(87)と愛を語り合った仲ジャマイカ
そんなうわついた野郎が魔道士ちゃんと釣り合うとでも思ってんのか
浮気性のクズは(・∀・)カエレ!!
774 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/27(火) 02:39:28.91 ID:uT7..USO
魔道士が本気出したらこうなるはず

マジシャン「これにサインと……」

ドシュ! ドシュ!

魔道士「もう書いたよ。」
マジシャン「ドリッピング画法だ!」
775 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 07:11:43.04 ID:6HQf2NA0
…なん……やて…?
776 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 07:57:22.33 ID:qkpo1TA0
>>1

VIPの1スレ目の最後あたりから、以降読みつつ日々の糧としている
>>1の優しさにも惚れる
777 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 09:59:47.76 ID:89GTC2SO
毎日更新する1乙
毎日追いかける読者一同乙
サーバー落ちるな頑張れ!!
778 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 11:28:21.09 ID:kRuVDUIo
えぇい!俺の嫁である魔導師(87)ちゃんの活躍はまだかっ
779 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 12:07:46.64 ID:GFx5XAYo
彼女はもう…享年87歳でした
780 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 12:16:11.13 ID:YwsvEPko
おまえら魔道士好きだとか言ってるけど
まず召喚士をどうにかしないと振り向いてくれないと思う
781 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/27(火) 13:44:17.65 ID:Ga3FY620
ホテル着いたらいきなりテ ィ ン ポ襲われて焦った!!
ズボン脱がされて、しゃぶられて、気づいたらベッドに押し倒されてた(笑)

結局そのまま何回かザ − メ ン搾り取られて、八万円貰ったよww
http://chibatetsuya.com/mt/elu14aw
782 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 14:53:21.59 ID:PMiz/0w0
>>781
こんなのが湧くぐらい人気があるってことか
このスレも大きくなったなあ
783 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 15:13:49.91 ID:Hs2yGADO
このスレの奴はマルチにも反応するのか・・・

普段のレスからわかるようにゆとり臭いな・・・っと
784 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 15:28:47.52 ID:.tsw4sAO
はいはい荒れるから黙ってみる
785 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 16:08:33.59 ID:89GTC2SO
やるおが戦士で長門が盗賊
やるおシリーズ妄想したけど召喚士の姿が思い浮かばん!
786 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 16:44:54.96 ID:hwnByPAo
てめぇ魔道士ちゃんスルーとか[ピーーー]ぞ?
787 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 16:49:35.47 ID:siEU/1Io
そんなブサキャラ必要ねーだろ
788 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:26:58.21 ID:mTmxd42o
〜南方、南の山〜

召喚士「…………」

青年兵「…………」

青龍先生「……それまで」

召喚士「…ふー」

青龍先生「どうじゃ?精神統一を始めてから半月近く経つが…」

青年兵「あまり変化は感じませんが…気持ちが落ち着いたというか…」

召喚士「ええ…。常にリラックス出来ている感じですね…」

青龍先生「ふむ。それは無駄な力が抜けて、非常に良い状態じゃの…」

テクテクテク

青龍先生「どれ、ちょっとどいてみよ」

青年兵「は、はい…」

足をどけ、青年兵は青龍先生と場所を入れ替わる。

青龍先生「…ふむ。最初の頃と比べると…魔力の漏れもほとんどないのぅ」

召喚士「漏れ…ですか?」
789 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:27:33.35 ID:mTmxd42o
青龍先生「そうじゃ。魔力を練る時、無意識にじゃが魔力が漏れておる」

青年兵「……」

青龍先生「それは最も意識の遠い足元から漏れていくのじゃ」

召喚士「…なるほど」

青龍先生「しかし、直立状態で瞑想をする事により、全身に意識が回り…」

青年兵「…漏れを防いだと?」

青龍先生「うむ。ここに立つとよう分かる。お主の魔力を地よりほとんど感じぬ」

召喚士「それって、うまく体内に留めておけているという事ですか?」

青龍先生「そういう事じゃ。それは即ち、魔力を無駄にする事なく使用出来るのじゃ」

青年兵「そのような意図があったのですね…っ!」

青龍先生「それだけではないぞ……」

召喚士「……?」

青龍先生「先程、お主等が申しておったリラックス……」

テクテクテク

青龍先生「どれ、今度は互いに場所を入れ替えてみぃ」
790 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:29:01.91 ID:mTmxd42o
召喚士「……?」

テクテクテク…ザッ

青年兵「入れ替わりました」

青龍先生「では、目を瞑ってみよ」

二人は言われるがまま、入れ替わった互いの場所にて目を瞑る。

召喚士「……!?」

青年兵「…こ、これは…っ!!」

青龍先生「……どうじゃ?」

召喚士「何か…違和感があります。落ち着かないというか…」

青年兵「え、ええ…っ」

青龍先生「それがリラックスの答えじゃ。簡単に言えば…己の空間…」

召喚士「空間…?」

青龍先生「例えば…自室にいる時、お主等は落ち着かんか?」

青年兵「もちろん…落ち着きます」

青龍先生「何でじゃと思う?」
791 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:30:02.23 ID:mTmxd42o
召喚士「…慣れ親しんだ場所だからですか?」

青龍先生「まぁそうじゃな。視覚的要因が一つ…」

青年兵「視覚的…?すると他にも……あ、匂いとか…」

青龍先生「そうじゃな。己の匂い、即ち臭覚的要因じゃな」

召喚士「確かに…布団や枕などはそうかもしれません」

青年兵「宿や他人の布団は慣れないですよね…」

青龍先生「他にも耳に入る音、聴覚的要因もじゃな」

召喚士「音ですか?」

青龍先生「今も聞こえるじゃろ?風の音、鳥の鳴き声…。そういった雑音も含めてじゃ」

青年兵「成程…。置くが深いですね」

青龍先生「そして最後に、己の纏う気…じゃな」

召喚士「……気」

青龍先生「これは目に見えぬし、匂いも音もなく表現が難しいが……」

青年兵「魔力のようなものですか?」

青龍先生「そうじゃ。殺気、闘気、怒気…そういった類のものじゃ」
792 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:31:02.19 ID:mTmxd42o
召喚士「…威圧もその一つなのかな…?」

青年兵「色々な要因で心の持ち方も変わる、という事ですね」

青龍先生「うむ。なんとなく答えが見え始めておるかの?」

召喚士「…はい。心構え、気構えが大切ですね」

青龍先生「…ひょっひょ!心配は無用のようじゃの…!」

青年兵「では、次は基本精霊同士の組み手を…」

青龍先生「その前に、ちと、場所を変えるとするかの…」

召喚士「場所ですか…?」

青龍先生「そろそろ次のステップに移るとしよう」

青年兵「はい!」

青龍先生「それでは荷支度して…距離はさほど遠くはないから安心せい」

召喚士「すぐに準備します…っ」

青年兵「僕はテントを畳んできます!」

タッタッタッタッタ

青龍先生「……ひょっひょっひょ」
793 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:31:56.61 ID:mTmxd42o
〜東方、藤蔵家〜

侍女「あ、戻ってきた」

テクテクテク

雷忍「御館様、もうすぐ来ますよ」

盗賊「うん」

侍女「アンタはしばらく休みなの?」

雷忍「まぁ…数日程度は休めるかな?カカッ」

侍女「上様はどう?元気?」

雷忍「…ん、ああ。剣の指南も付いて武芸に勤しんでおられるよ」

盗賊「……」

雷忍「齢十二にして、ありゃ神童だよ」

侍女「雷や姫様だってそう言われてたじゃない」

雷忍「それは武芸だけの話しだろ?文武となると…ねぇ?」

盗賊「…う…っ」

侍女「あ、御館様っ!」
794 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:32:28.82 ID:mTmxd42o
ザッザッザッザッザ

御館様「待たせた」

盗賊「いえ…っ」

御館様「では、早速見せて貰おうか」

盗賊「…はい」

御館様「…雷」

雷忍「はっ」

御館様「そちが相手せい」

雷忍「…はっ?」

御館様「相手をせい、と申しておる」

雷忍「宜しいのですか…?」

テクテクテク…ザッ

雷忍「手加減出来ぬ性分です。それは姫が相手とて…同様ですよ?」

御館様「だから頼んでおるのだ」

雷忍「……御意に」
795 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:33:00.75 ID:mTmxd42o
盗賊「……っ」

侍女「そんな…っ、いきなり雷相手だなんて…っ!」

御館様「始めいっ!」

盗賊「っ!?」

ジャリッ…タンッ!!

御館様の合図とともに、まずは雷忍が大きく跳躍する。

盗賊(太陽を背に…っ!!)

侍女「定石ね…」

雷忍「…カカッ!!」

盗賊「っ!!」

ヒュバッ!!…ギキイィンッ!!

雷忍「…よく防ぎましたね。まぁ防いで貰わねば困るのですが…。カカッ」

盗賊「ぐ…っく…!!」

上空より振り下ろされた一太刀を、盗賊は蜘蛛切で水平に受け止める。

ギリギリギリッ…
796 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:33:41.90 ID:mTmxd42o
雷忍「それに・・・流石は膝丸…っ!小太刀とは思えぬ力だ…」

盗賊「……」

雷忍「……ん…っ!?」

盗賊「はあぁっ!!」

蜘蛛切を勢いよく下に引くと同時に、両足を前方へ突き出す。

そのまま雷忍の腹部を蹴り飛ばし、背転のまま後方へ間合いを取る。

ジャリッ

侍女「さっすが姫!身軽〜!」

雷忍「…しかし、やや非力ですね。これでは敵を仕留める事は出来ませんよ」

侍女「女の子なんだから当たり前でしょっ!」

雷忍「カカカッ!!お前は怪力だろっ!」

侍女「何ですってぇ〜!!」

シュンッ!!

雷忍「っ!?」

侍女との会話、ほんのわずかのその瞬間を、盗賊は逃さず一気に間合いを詰める。
797 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:34:24.12 ID:mTmxd42o
タンッ!!

盗賊(…この距離とタイミングなら…いけるっ!)

蜘蛛切を自らの後方へ大きく振った刹那、雷忍はゆっくりと微笑む。

盗賊「…っ!!」

雷忍「…カカッ!!」

盗賊からは見えぬ死角。右手に構えた手裏剣がその鋭い刃先を見せ始める。

盗賊(…それはそうだよ…っ。雷ほどの者が油断など見せるはずもない…!)

雷忍(…さぁて…どうします?)

間合いを詰める盗賊に、二本の手裏剣が雷忍の手より放たれる。

盗賊(避ける暇はない…!ならば…っ!!)

ブンッ!!

雷忍「!?」

侍女「小太刀を投げた!?」

両者の中央で手裏剣と蜘蛛切が激しくぶつかり合い、互いを相殺する。

盗賊「……」
798 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:35:28.56 ID:mTmxd42o
雷忍「これでぇ…丸腰っ!!」

宙を舞う蜘蛛切を打ち払いに、雷忍は刀を振り上げる。

ヒュンッ!!

盗賊「……っ!!」

ジャララッ…ビュオッ!!

雷忍(鎖…!?仕込んでいたのか…っ!?)

盗賊の腰より素早く解かれた鎖が、一直線に雷忍へと向かう。

雷忍「当たりませんよっ!!」

クイッ…ギュルギュルッ!!

雷忍「な…っ!!」

侍女「違うっ!狙いは小太刀!!」

盗賊「……」

鎖の先は軌道を変え、蜘蛛切の柄へと巻きつく。

御館様「……」

左手首をくいっと返すと、盗賊の手元に再び蜘蛛切が戻る。
799 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:36:19.29 ID:mTmxd42o
盗賊「はあっ!!」

雷忍「ちっ!」

ギキイィンッ!!

両者は再び鍔迫り合いの様相で相見舞える。

盗賊「……っ」

雷忍「…カカッ。どうしま……」

ゴソゴソッ

雷忍「…な…っ!?」

己の懐をまさぐる盗賊に対し、仰天の表情を見せる雷忍。

盗賊「…あった」

侍女「煙玉っ!?」

盗賊「はぁ!!」

ブンッ!!…ボウゥンッ!!

雷忍「ごほ…っ!くっそ…人の煙玉を使うとは何とまぁ…」

シュバッ…スタッ
800 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:37:49.75 ID:mTmxd42o
雷忍(この煙幕に乗じて来るハズだ…どこから……)

キラッ

雷忍「こっちか!!」

煙幕の中、僅かに光った刃の明るみ。それを素早く雷忍は捉える。

タタッ…ガシィッ!!

雷忍「……鎖…か」

盗賊「残念だったな」

鎖の先に付けられたクナイを握り締めた雷忍。その背後より盗賊の声が響く。

侍女「鎖を囮に…背後に回ったのね!?」

盗賊「とどめっ!!」

雷忍「…俺じゃなきゃあ…終わりでしたね…。カカッ!」

盗賊「…!?」

その瞬間、盗賊の身体に激しい電撃が走る。

ガカアアァッ!!

盗賊「きゃああああぁぁーっ!!」
801 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:39:26.36 ID:mTmxd42o
バシッ…ビリビリビリッ…ドシャアァッ

盗賊「…っ…くぅ…!!」

侍女「姫っ!?」

タッタッタッタッタ

雷忍「…おや、抑えたつもりが…失礼っ」

倒れこむ盗賊の元に、侍女と雷忍が駆け寄る。

御館様「構わんっ!放っておけい!」

雷忍「…!?」

侍女「御館様っ、そんな悠長な…」

御館様「直撃ではない。鎖を通して間接的な感電だ」

盗賊「……う…っ」

御館様「それに…物理攻撃のみで単調な攻撃…。話しにならん」

侍女「……御館様」

御館様「どれ程のものかと思うていたが…期待外れだな」

盗賊「……っ」
802 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:41:15.16 ID:mTmxd42o
ザッ

侍女「御館様…?」

御館様「最早、見るまでもない。戻るぞ」

雷忍「…は、ははっ」

ザッザッザッザッザ

侍女「……姫、大丈夫?」

盗賊「…ありがとう。大丈夫だから…っ」

ググッ…フラッ

侍女「姫っ、そんな急に立ったら……」

盗賊「大丈夫…だから……」

フラッ…テクテク…テク…

侍女「……姫…っ」

ふらふらと立ち去る盗賊を、黙って見守る侍女。

盗賊「……」

その視線を背後に受け、盗賊は俯いたままその場を後にした。
803 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 17:59:20.67 ID:mTmxd42o
〜北方、泉〜

マジシャン「たっだいまー!」

魔道士「あっ、おかえりなさいーい!!」

マジシャン「いいなぁ…こうして出迎えてくれる人がいる生活…」

魔道士「どうでした!?」

マジシャン「あん…?あぁ、手紙?……一通もなし」

魔道士「……そうですかぁ〜残念…っ」

マジシャン「全く…白状な奴らだよな。俺なら毎日だって書いちゃうのに…」

魔道士「皆さん、修行で忙しいんですよね…きっと!」

マジシャン「……前向きだねぇ。魔道士ちゃんは」

魔道士「…それだけが取り得ですから…っ!」

マジシャン「そんな事ないぞ?他にもいーっぱいあるでしょ…ハッハ!」

魔道士「お世辞でも嬉しいですっ、えへへ!」

マジシャン「本当だってのに…。さて、修行再開といいますか!」

魔道士「はいっ、よろしくお願いします!」
804 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 18:02:44.26 ID:mTmxd42o
〜南東国、南の山〜

戦士「……」

女隊員「…いくッスよ?」

戦士「…いつでも」

女隊員「ジャンケンポイ!!」

戦士「あぁっ!!」

女隊員「勝ったッスー!!」

戦士「ちぇ…っ」

隊長「はい、そんじゃ買い出し行ってらっしゃ〜い」

男隊員「あ、俺……」

戦士「トマトジュースでしょ?分かってますよ」

男隊員「物覚えが良くて宜しい!ヒャハハッ!!」

戦士「そいじゃ、行ってきまーす!」

女隊員「行ってらっしゃーいッス!!」

隊長「寄り道すんなよー?」
805 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 18:06:19.70 ID:mTmxd42o
テクテクテク…タンッ…スタッ…トンッ…タンッ

戦士「…へへっ、修行の甲斐あって…慣れたもんだ」

戦士は身軽な動きで、険しい崖を次々と降り進んでいく。

戦士「よっと…ほ…っ、おぉっと…」

タンッ…タタッ……スタッ

戦士「……ふーっ!」

〜南東国、東の街〜

戦士「……よいっしょ…っと」

グイッ…ゴソゴソ

戦士「買い出し終了!……ざっと二時間てとこか」

テクテクテク

戦士「この調子なら一時間半…いや、一時間…は無理か…」

ぶつぶつと独り言を呟きながら歩く戦士。目の前にワークショップが見え始める。

戦士「……そういやぁ」

何かを思いついたように、戦士はワークショップへと入っていった。
806 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/27(火) 18:17:32.14 ID:mTmxd42o
〜ワークショップ〜

店員「いらっしゃいませ」

戦士「えぇと……」

店員「…?」

戦士(やっべ…。国軍付になったから…どうすりゃいいんだっけか?)

店員「あの…なにかご依頼でしょうか?」

戦士「あ…っつーか、手紙が来てないかなぁってな…はははっ」

店員「そうでしたか。お名前と所属を申しつけ下さいませ」

戦士「実はこないだ、国軍付になってだな…」

店員「国軍…?あぁ、本国の兵隊さんでしたか。それならこちらにリストが…」

ゴソッ

戦士「えぇと……あぁ、これこれ。この召喚士って奴のグループで戦士分を」

店員「はい。ではこちらの書類にご記入を…」

戦士「はいよっ」

カキカキッ…サラサラサラッ
807 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/27(火) 18:22:01.72 ID:mTmxd42o
戦士「……ほいっと」

店員「ありがとうございます。少々お待ち下さい」

戦士(よく考えたら南東国なのは好都合だったな…)

テクテクテク

戦士(下手に本国内だったら…。一応カタは付いたみたいだけど…)

店員「お待たせしました。一通預かっております」

戦士「おっ、どれどれ…」

ゴソッ…パラパラッ

戦士「魔道士か…!てか、今日の朝分かよ…早えぇな…っ」

店員「迅速、正確をモットーにしておりますから」

戦士「…そらどうも」

魔道士からの手紙を開き、戦士はそれをまじまじと読む。

戦士「……ほぉ。マジシャンと北方で修行中か!順調みてーだな!」

しばらく天井を眺めると、思いついた様に店員へ声を掛ける。

戦士「おい、紙とペンをくれ!」
808 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 18:34:01.08 ID:EBSCUoAO
俺が召還士だったら相手がジイサンだろうが間違いなくマジシャンに嫉妬してスフィンクスで、どーん!しちゃうわ

なに仲良く楽しげにしてんだよこのマジシャンのオジシャン
俺もまぜて
809 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 18:38:07.34 ID:b41RNpko
魔道士「あははー」
マジシャン「うふふー」

                           >>808「…」
810 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/27(火) 18:41:20.82 ID:mTmxd42o
中途半端ですが…ここらで失礼を。ご支援ありがとうございました!ノシ

>>774
魔道士「だが…断る!」
魔道士って絵はお上手じゃない気がします。多分ですけど…

>>785
時間があったらやってみたいですね!召喚士…うーん…
あっちのスレが余ったらやってみましょうかね!
811 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 18:42:47.12 ID:HchWcQI0
他のSSには >>808 の様な奴は沸いてないんだよな…

なんだかんだで愛されてるよね、ココ
812 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 18:54:29.05 ID:PS/bMSQo
愛し方の形は様々だけどな…
813 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 18:59:21.19 ID:EBSCUoAO
これも愛、あれも愛、多分愛


きっと愛。
814 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 18:59:35.13 ID:GFx5XAYo
ここのマナーはすばらしい
815 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 19:33:39.50 ID:6HQf2NA0
今はひどい
816 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 21:32:40.79 ID:4dl2SPw0
ほんとこのスレに来ると元気が出る
魔道士ちゃんかわいい
817 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 22:01:16.39 ID:SHixaEDO
野暮なこと突っ込んで悪いけどなんでまどうしちゃんは戦士の居場所知ってるん?逆も然り。
818 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 22:07:50.18 ID:5hgsN7co
超適当に予想すると貰った手紙沢山複製して各ワークショップに送りつけてんじゃね?そんでどこのワークショップでも見られるとか
……すごい無理あるなこの予想
819 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 22:10:52.18 ID:89GTC2SO
>>810
勝手な妄想にレスしてもらって感謝するお
けど1の負担になるようなこと書き込んで申し訳ないお。

感謝感謝で1乙♪支援支援だお
820 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 22:19:54.90 ID:DKgYUPMo
直接配達じゃなくて委託形式の手紙だから、東方のワークショップ宛などの地域指定で
その地域内ならどこでも見られる様になってるんじゃない?(その分料金はかさむ)
このタイプはショップ内で紙貰って書いてるでしょ?
手紙というより統一フォーマットで作成する書類みたいなものなんだよ
821 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/27(火) 23:45:39.82 ID:pZ2uim.o
大軍師「宜しい、ならば私がお答え致しましょう」

召喚士「……」

大軍師「この手紙、紛れもなく魔道士殿直筆の物です」

ザワザワザワッ

大軍師「お忘れですか?戦士殿は国軍の特殊遊撃隊と同行しているのですよ…?」

戦士「……はぁ」

大軍師「つまり、居場所は分かっている為、手紙などはそれはもうマッハで…」

魔道士「す…凄い…っ!」

大軍師「青龍先生、青年兵殿と同行している朱雀先生も同様ですね」

召喚士「!!」

大軍師「魔道士殿は…マジシャン殿次第でしょうか…」

魔道士「マジシャンさん…?」

マジシャン「ど、どうだったかなぁ…?ハッハ……」

大軍師「まぁ今回は、既に10日以上同じ場所に滞在しているからこそ成せる技であって…」

盗賊「…あの…っ、私…は?」
822 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/27(火) 23:56:55.21 ID:pZ2uim.o
大軍師「ちなみに、簡単な伝言や軍令などは>>818殿や>>820殿の通りですね」

戦士「へぇ…」

盗賊「あ、あのっ…だから私は…?」

大軍師「あと…忘れがちですが、大きな街や通りには関所もありますから…」

召喚士「……へっ?」

大軍師「いや…2スレ目の>>145とか見て頂ければ……」

戦士「…お、おいっそんなのあったか?…ボソボソッ」

魔道士「さ、さぁ…どうでしたっけ?…ゴニョゴニョ」

大軍師「と、とにかく…関署を通れば、当然どの地方にいるかは絞り込めるのですっ!」

召喚士「…な、なるほど」

大軍師「これで大体分かって頂けましたかね…!?」

戦士「要するに、細けぇ事はい……」

大軍師「分かって頂けましたかね?」

戦士「…は、はい」

盗賊「…あのー、だから…私はぁ…?」
823 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 23:59:11.52 ID:SHixaEDO
>>1
ありがd
すっきりした!
横道それてスマソ
824 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 00:49:52.99 ID:3EUvtUAO
今日は、大丈夫な日だから…

と同じくらいズバリ言うならば

RPGって便利だよね!って事だな

825 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 14:43:25.04 ID:RHltKroo
今日は、大丈夫な日だから…生でいいよ////
826 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 16:12:24.64 ID:9ahg10Q0
じゃあ俺焼酎にする
827 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 16:14:59.77 ID:9ENNRa.o
仕方ない、今日は俺がハンドルキーパーするよ

ジンジャーエール
828 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:10:55.79 ID:jHmys.Qo
スラスラスラ…ピタッ

戦士「…うーん」

カキカキッ…ピタッ

戦士「何書きゃいいんだろ…。普段書かねぇから難しい…」

スラスラ…ピタッ……スラスラスラ

戦士「……」

トントントントン…スラスラ…

戦士「…………」

カキカキッ…

戦士「…んー、ま…こんなモンでいっか…」

店員「それではお預かりします」

戦士「おう、よろしく〜」

荷物を抱え、軽い口調で答える戦士。そのままワークショップを後にする。

戦士「やっべ、結構…時間食っちまったな…っ。急いで戻ろ」

戦士は足早に東の街を去り、南の山へと戻っていった。
829 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:12:17.46 ID:jHmys.Qo
〜南方、南の山奥〜

召喚士「……随分と山奥まで来ましたね…」

青龍先生「もうまもなくじゃて…。頑張れ」

青年兵「はいっ」

三人の召喚士はしばらく山道を奥へ奥へと進んでいく。

青龍先生「…おっ、見えてきたわい!」

青年兵「……何だか、涼しいですね…?」

召喚士「……水の音?」

青龍先生「よ…っと。ほれ、見てみい」

ジャッ…スタッ

召喚士「…こっ、これ…は!?」

ドオオォォォォ…

青年兵「……っ!!」

青龍先生「世界一と言われる…大滝じゃ!」

崖上から轟音とともに流れる巨大な滝。二人はその迫力に、ただただ唖然とする。
830 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:13:04.32 ID:jHmys.Qo
青龍先生「ここが新たな修行の場じゃ」

青年兵「…なるほど。水もあり涼しいし、環境は良さそうですね!」

召喚士「大自然って感じで…なんだか落ち着きますねっ」

青龍先生「そんな余裕は今だけじゃぞ?」

召喚士「…へっ?」

青龍先生「早速…修行といこうかの」

青年兵「はいっ。では準備を……」

青龍先生「それでは二人とも。……脱げ」

青年兵「はいっ!…………はい?」

召喚士「脱ぐ…って…」

青龍先生「服に決まっとるじゃろ。上半身だけで良いぞ?」

召喚士「あの…っ……」

青龍先生「早よぅせんかっ!」

青年兵「は、はいっ!!」

召喚士と青年兵は慌てて上着を脱ぎ始める。
831 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:14:59.87 ID:jHmys.Qo


召喚士「あの…。脱ぎました……」

青年兵「それで、どうなさるのです?」

青龍先生「うむ。お主等は『滝行』を知っておるか?」

召喚士「滝行…。ま、まさか…っ!?」

青龍先生「…ひょっひょ。そうじゃ」

青年兵「こ…この大滝で行うのですか…!?」

青龍先生「怖気づいたかの…?まぁ、仕方ないか……」

召喚士「……」

青年兵「……」

二人は顔を見合わせ、強く頷く。

召喚士「…やりますっ!!」

青龍先生「ほぉ…。やると申すか」

青年兵「勿論です!ここまで来て…退けませんよっ!」

青龍先生「ひょっひょっひょ!良い覚悟じゃ。では…参ろうかの」
832 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:16:25.95 ID:jHmys.Qo
ドドドドオオォォォォ…

召喚士「…ち、近くで見ると…ますます迫力が…っ」

青年兵「大丈夫…ですよね?」

青龍先生「滝壺も深さがありそうじゃ。気ぃ付けてな」

召喚士「……はい…っ」

チャポッ…ジャバジャバッ

召喚士「ひいぃ…っ、冷たい!」

青年兵「…身が…引き締まりますね…っ!」

激しい水飛沫の中、二人はようやく滝の目の前へと辿り着く。

青龍先生「無理せず、あがるんじゃぞー?」

召喚士「何ですー?駄目だ…水の音で全然聞こえない…」

青龍先生「だーかーらー、儂も経験した事のない規模じゃから気を付けてなー!」

青年兵「…気を付けろ、みたいな事を申されているようですね…」

召喚士「まぁ…青龍先生の勧めだし、心配はないよね」

青年兵「そうですね…。では…」
833 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:17:43.04 ID:jHmys.Qo
ザバザバザバッ

召喚士「……せーのっ!!」

青年兵「はっ!!」

ドドドドオオォォォォ

召喚士「――っ!!」

青年兵「う…っ、わあぁ!!」

ドドドドオオォォォォ

召喚士「く…っ!ぷあ…っ!!」

青年兵「う…わぁー!……っ!!」

青龍先生「…!?」

大滝の直下へ潜り込んだ瞬間、物凄い水圧により二人は滝壺へと姿を消す。

青龍先生「……ありゃ」

ドドドドオオォォォォ…

青龍先生「やはり…無理があったかのぅ…」

頬を掻きながら、青龍先生がぽつりと呟く。
834 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:18:28.62 ID:jHmys.Qo
ゴボゴボゴボッ…ザバァ!!

召喚士「ぷは…っ!!ごほごほっ!!」

青年兵「…っはぁ!!……げほ…っ」

召喚士「大丈夫…っ!?青年兵くん…」

青年兵「な、なんとか…っ」

召喚士「…思ったより…難易度高いね」

青年兵「ええ…。まずは立つところから゙始めなくては…っ」

召喚士「あの水圧を堪えるには…しっかりした土台。足場選び…」

青年兵「それに、下半身への力のかけ方。首も持っていかれない様にですね…」

召喚士「……よし、もう一回行こうかっ!!」

青年兵「はいっ!なんとか今日中に耐えられるよう頑張りましょう!」

再び滝壺へと足を進める召喚士に続き、青年兵も力強く頷いてそれを追う。

ザバッ…バシャバシャバシャッ

青龍先生「……彼奴ら、元気じゃのぅ」

ぼんやりと夕焼けに染まり始める空を眺めて、青龍先生は呆れ顔で微笑んだ。
835 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:19:24.28 ID:jHmys.Qo
〜東方、藤蔵家〜

藤蔵の裏手にあたる山の土手。薄緑の草原が広がり、穏やかな風が流れる。

緑の草に抱かれて、手のひらを枕に盗賊が一人寝そべる。

盗賊「…………」

空に流れる雲をぼんやり見つめながら、盗賊は物思いに耽る。

……――

盗賊『兄様ーっ!まってぇー!!』

兄様『いいかい?見てろぉー』

バババッ…ボワッ!!

盗賊『出来たっ!火の術ーっ!兄様すごーい!!』

兄様『今度、盗賊にも教えてやるからな!』

盗賊『本当っ!?やったー!!……あっ』

兄様『ん…?』

盗賊『火で草が燃えてるよ…?』

兄様「え…っ!?わあぁっ!は、早く水の術を…っ!!」
836 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:21:19.31 ID:jHmys.Qo
――……

盗賊(あの日も今日みたいな青空だったなぁ…)

右手を青空へ伸ばし、盗賊は片手で印を結ぶ。

バババッ!!…ボワッ!!

盗賊「……」

人差し指から燃え上がる炎をじっと見つめていると、その先から顔が浮かび上がる。

侍女「なんだ…ここにいたんですね?」

盗賊「……侍女っ」

盗賊は拳を握り消化すると、草むらからゆっくりと身体を起こす。

侍女「…というか、術…使えるじゃないですかっ!」

盗賊「…こんなの術のうちに入らないよ」

侍女「そんな事ないでしょ」

盗賊「松明代わりにもいならないよ…」

侍女「……」

盗賊「兄様が昔教えてくれたんだ…。最近見るまで、すっかり忘れてたけど…」
837 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:22:09.33 ID:jHmys.Qo
侍女「術の練習を怠るからですよっ。もう…」

盗賊「……」

侍女「でも、剣術は相当腕を上げましたねっ」

盗賊「そうでもないよ…。父様にも……」

侍女「……」

盗賊「確かに…甘かったかな…って思う」

侍女「姫……」

盗賊「ずっとみんなに…頼りっぱなしだったし……」

侍女「……」

盗賊「一人じゃ誰も助ける事なんて…」

侍女「そんな事ないですよ…っ」

盗賊「実際そうなのだ…。何度も私は……」

侍女「良い仲間に恵まれたんですねっ!」

盗賊「……?」

侍女「姫にそこまで思われているんですもの…。きっと仲間もそう…」
838 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:23:32.46 ID:jHmys.Qo
盗賊「……」

侍女「姫、格好良かったですよっ。鎖とかぱぱっと…!忍みたい!」

盗賊「…一応、忍だもん」

侍女「あら?藤蔵を抜けて…盗賊だかになったんじゃなかったんですか?」

盗賊「う…っ」

侍女「ふふっ。冗談!えぇと、小太刀は膝丸…蜘蛛…切でしたっけ?」

盗賊「うん、蜘蛛切。土蜘蛛を切ったからね」

侍女「物騒な名前。もっと…可愛らしくしたらいいのに〜」

盗賊「…別にいいよ。似合わないし…刀だし」

侍女「桜…とか、牡丹…とかどうです?」

盗賊「花は…似合わないよ」

侍女「確かに……」

盗賊「えっ!?」

侍女「じゃあ、松…とか、銀杏…とか?」

盗賊「……」
839 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 17:24:43.73 ID:jHmys.Qo
侍女「あっ、じゃあ……」

盗賊「薄緑…」

侍女「薄緑…?いいじゃないっ!素敵!!」

盗賊「あっ、違っ…この草原がそう見えて、つい……」

侍女「直感って言うのかしら?そういうの…良いと思いますよ」

盗賊「……うぅん」

侍女「はい、決定っ!只今から小太刀『薄緑』に改名〜!」

盗賊「……h、はぁ」

侍女「……さぁ、戻りましょっ?」

盗賊「……うん」

ノソッ…パッパッ

盗賊「…ありがとな。侍女…っ」

侍女「…ふふっ。よく分からないけど、どう致しまして!」

盗賊「……ふふふっ!!」

ぼんやりと夕焼けに染まり始める空を背に、二人は藤蔵へと戻って行った。
840 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/28(水) 18:04:24.93 ID:jHmys.Qo
今日は腹痛続きで…短めにてすみません…
また後ほど投下予定です!それではご支援ありがとうございました!ノシ
841 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 18:25:53.38 ID:U0gH9dco
>緑の草に抱かれて、手のひらを枕に
カスラックから来ますた
842 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 18:48:09.14 ID:uB5b6cAO
体調悪いのに更新してくれるだけで乙!だよ
てか>>1が大丈夫じゃない日だった件wwww

>>841
これなんだっけ?
843 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 18:50:01.08 ID:3EUvtUAO
あひるんるん あひるんるん

僕た〜ちぃは〜♪


だろ?
844 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 21:12:59.78 ID:nE5NjsDO
このバカチンがぁ〜
845 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 22:58:10.74 ID:4OIo2Dko


雷忍「……失礼致します」

襖越しに移る雷忍の姿。御館様はちらりとだけ確認し、再び書物へ目をやる。

御館様「…何だ」

雷忍「…余計な世話かもしれませぬが…宜しかったので?」

御館様「……」

雷忍「手合わせした身と致しましては、それ程力量不足とは思えぬかと…」

御館様「……」

雷忍「…明日よりの修行を開始致して、宜しいですか?」

御館様「……誰もするなとは申しておらぬ」

雷忍「…御尤もにて」

御館様「力量というのはな、妖怪退治の事を申しているのではない」

雷忍「…と、申しますと?」

御館様「奴らが遂げようとしている目的は……あくまで魔王を討ち倒す事」

雷忍「…っ!!」
846 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 22:58:52.71 ID:4OIo2Dko
御館様「その為の力、としては…期待外れという事だ」

雷忍「……カカッ!成程…っ」

御館様「明日より十日程度、水より順に見てやってくれ」

雷忍「…こちらこそ、願ってもなく」

御館様「…お前達には世話をかけるな」

雷忍「何を仰います。それが我らの…人生です。カカッ」

御館様「……」

雷忍「姫の為ならこの命…なんとやら、ですよ。カカカッ!」

御館様「お前の命は上様に献上せい…」

雷忍「!?……ご存じで…?」

御館様「知らぬとでも思うてか?」

雷忍「い、いえ…っ」

御館様「…兎に角、頼んだぞ」

雷忍「ははっ!我らの全てを…叩き込みまするぞっ!カカッ!」

歯を見せ笑顔で笑う雷忍。それを見て御館様も、少し口元を緩めた。
847 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/28(水) 23:18:37.52 ID:4OIo2Dko
〜南方、大滝〜

四人それぞれの修行は、日を増すごとにその厳しさを増してゆく。

召喚士「…く…っ!はぁ…はぁ…っ!!」

青年兵「なんとかコツを…掴んできましたねっ!」

〜南東国、南の山〜

だが、良き師と心強き同志達の助けによって、確かに力を付け始めていた。

隊長「そうだっ!そこで反転し…柄の部分で突くっ!」

戦士「ここで……っ、でやあっ!!」

男隊員「今のはサマになってたぜ…!」

女隊員「なってたッス!」

〜北方、泉〜

少しずつではあるが、着実に…。以前よりも着実に…。

マジシャン「いいぞ…!もっと土と風を体で感じるんだ!」

魔道士「はいっ!頑張ります!!」

その日々はあっという間に過ぎてゆく…。確かな希望を実らせて…。
848 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/28(水) 23:22:24.12 ID:4OIo2Dko
>>841-844
気付いて貰えましたかっ!……日本誕生です
腹痛はなんでしょうね…。胃が…

というわけで失礼致します!ご支援ありがとうございました!
今週中には二十部終わる予定でございます!
849 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 23:29:33.87 ID:RHltKroo
魔道士の修行が、どうしてもクラピカの念能力の修行に聞こえる…

最初は自然で遊ぶ以外何もするなと師匠に言われ、
実際の自然で一日中、とにかく四六時中いじくった。
目を閉じて触感を確認したり、何百枚何千枚と自然を写生したり、
ずーっとただながめてみたり、舐めてみたり、音を立てたり嗅いでみたり。
しばらくしたら毎晩自然の夢を見るようになり、その時点で実際の自然をとりあげられる。
そうすると今度は幻覚で自然が見え始める。
さらに日が経つと幻覚の自然がリアルに感じられ、重さも冷たさも、すれあう音も聞こえてくる。
そしていつの間にか、幻覚ではなく自然と具現化した自然が出来ていたという。
850 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 00:23:06.95 ID:PBvV6USO
>>1 乙様です〜。

雷忍「しかし、お言葉ですが御館様。あの言い方では…確実に姫様に嫌われてますよ?」

御館様「…ちょっと、魚を釣りに行ってくるぞ。留守は任せた!」シュバッ
851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 00:55:38.04 ID:oFGRyFM0
>>1

今日も面白かったぜ。
852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 01:15:04.21 ID:/KW9..AO
>>1

親方様のあの感じにはいい加減慣れたな
彼もまた、盗賊ちゃんのオッパオに魅せられてしまった者の一人と言うわけだ…


てか、やっぱり魔法系の2人は開始からずっと同じような訓練だな。瞑想やら瞑想やら…
私も毎晩のように魔導師ちゃんとの一体化訓練を妄想して、ある場所の筋肉をガチガチに鍛えてますが…それはまた、別のお話…。
853 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 01:26:36.37 ID:QPqNJiE0
ちぎれたポークビッツが落ちてたけどすてておきますね
854 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 02:20:32.34 ID:tCLH0YAO
>>857
何だかんだいってもお前さんはやっぱり魔導師ちゃん(87)一筋なんだな
感動した
855 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 02:21:29.42 ID:tCLH0YAO
はいはい安価ミス
>>852
856 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 04:19:14.43 ID:SpBXpnUo
VIPで見かけたのをGEPで見つけて七罰で読んで追いついたぜ
857 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 04:49:03.04 ID:yiFSZSMo
    ,..-::‐::::‐::-..、     人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
  ./::::::::::::::::::::::::::::\  < すごい土と風を感じる。少しずつではあるが、何か熱い一体感を。>
 /:::::ハ:::::ハ:::ハ::ハ::::::::::ヽ < 風・・・なんだろう吹いてきてる着実に…、以前よりも着実に…。>
 |::::::::|レ'(゚)=(゚)レ|::※:| < 中途半端はやめよう、とにかく最後までやってやろうじゃん。.   >
 |::::::::|  ●_●  | :::::::| < 離れていても沢山の仲間がいる。決して一人じゃない。     >
 |\从.       ム斗::| < 信じよう。そしてともに戦おう。                        >
 |::| 〃 ------ ヾ .l:::::| <キンクリは入るだろうけど、絶対に流されるなよ。            >
 |::\__二__ノ:::::|   YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
858 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 06:23:58.08 ID:TF/vSYDO
おいやめろ
859 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 11:59:38.38 ID:Gv/gtkc0
キンクリの気配がただよってる!
南方のカーニバルまでキンクリしちゃったら、久しぶりに会える朱雀嬢タンが!!それだけはだめだ!
860 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:02:52.00 ID:rivxUJAo
〜北方、泉〜

バシャバシャバシャッ…フキフキ

魔道士「…ふーっ」

テクテクテク

マジシャン「おっはよう!」

魔道士「おはようございますっ!」

マジシャン「ほれ、手紙来てたぞ」

魔道士「!?」

タタッ…パシ

魔道士「……戦士さんだぁ!」

カサッ……パラッ

魔道士「……」

マジシャン「…何だって?」

魔道士「今、南東国にいるみたいですよっ!」

マジシャン「へぇ、南東国かぁ……」
861 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:04:13.92 ID:rivxUJAo
魔道士「特殊遊撃強襲隊の皆さんと、修行しているようですよっ」

マジシャン「南東国なんて久しく行ってねぇなー…」

魔道士「そうなんですか?」

マジシャン「……せっかくだし、行ってみっか!」

魔道士「本当ですかっ!?」

マジシャン「アッチも直に修行終わるだろ。その頃に合わせて…な!」

魔道士「はいっ!……あ…っ」

マジシャン「……?」

魔道士「そういえば…お手紙は戦士さんの一通のみですか?」

マジシャン「…ああ。他は来てなかったな」

魔道士「…そうですかぁ」

マジシャン「召喚士はジジイと一緒だし、何の心配もないだろ」

魔道士「…ジジイ?」

マジシャン「青龍のジジイだよ」

魔道士「青龍…?あぁ、青龍先生!…だめですよぉ、そんな呼び方…っ」
862 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:05:10.82 ID:rivxUJAo
マジシャン「いいの!ジジイはジジイなんだから」

魔道士「……もうっ」

マジシャン「ハッハ!……んで、盗賊ちゃんはちょーっと面倒な感じ」

魔道士「……!?」

マジシャン「…ほれ」

マジシャンは手にした一通の手紙を、魔道士へと差し出す。

魔道士「お、お借りします…」

カサッ

魔道士「……占い師さん…から?……え…っ!?」

マジシャン「詳細は分からんが、兄を探しに南へ向かったらしい…」

魔道士「これって…遺跡の事…っ!?」

マジシャン「南東国行くのは、これも兼ねて…だ。寄り道してくぞ」

魔道士「…はい!」

マジシャン「ま、日数も経ってるし…特になんもねーとは思うけどな…」

魔道士「盗賊さん…っ」
863 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:06:01.87 ID:rivxUJAo
マジシャン「そんじゃ、修行の続き!」

魔道士「あ…っ、はい!」

マジシャン「月読もかなり理解出来てきたみたいだな?」

魔道士「えへへ!まだまだ未熟ですけれど……」

マジシャン「こればっかしはコツがあるわけでもないからなぁ…」

魔道士「……難しいですよね」

マジシャン「第六感って分かる…?」

魔道士「第六感…ですか…?」

マジシャン「魔道士ちゃんは今、見たり匂いで感じたり…五感を研ぎ澄ましてるワケ」

魔道士「…五感。なるほどっ」

マジシャン「五感で得るものを無意識に得る。これが第六感」

魔道士「え、えっと…ぉ」

マジシャン「つまり、意識しなくても月読出来るようになるって事」

魔道士「えっと…自然に無意識でも感じるって事ですか?」

マジシャン「そっ。ちょっと難しいってかややこしかったかな?ハッハ!」
864 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:07:59.81 ID:rivxUJAo
魔道士「…うぅん、何となくは分かりますけどぉ」

マジシャン「要は、力んで学ぼうと思っても会得は難しいって事さ」

魔道士「はいっ」

マジシャン「毎日ちょっとずつでも良いから、まずは数をこなし、慣れる」

魔道士「そうすれば…自然と身に付くって事ですねっ!?」

マジシャン「そゆ事!優秀優秀〜!」

魔道士「ありがとうございます!エヘヘッ!!」

マジシャン「残りの日数は魔法一切禁止でいこう」

魔道士「え…っ!?魔法の修行はしないんですか!?」

マジシャン「充分放出したから、充電ってとこかな?しばらく魔力を休ませる」

魔道士「なるほどっ」

マジシャン「残りは月読の精度を高めていこう!」

魔道士「はいっ!頑張りますっ!!」

マジシャン「ハッハ!!そんじゃあ…早速いこうかっ!」

魔道士「お願いしますっ!!」
865 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:09:43.67 ID:rivxUJAo
〜南東国、南の山〜

隊長「よしっ!突いたらすぐに曳く!!」

戦士「ふんっ!!」

ヒュバッ!!

戦士「おぉ、今のいい感じ…っ!」

隊長「悪くねぇ動きだ。槍の使い方も大体分かってきたか…?」

戦士「そっすね。リーチが長い分、間合いには気を使わないと…」

隊長「そうだ。特に近接タイプとは要注意だな」

戦士「懐に潜り込まれたら最悪ですもんね…」

隊長「いかに隙を見せず、自分の間合いを保てるか。それが槍術のポイントだ!」

戦士「おっす!!」

隊長「さーて、あと一週間程度…。最後はその…盾っつーか斧っつーか…」

戦士「…これっすね?」

女隊員「面白い作りッスよね!」

隊長「初めて見るよ…。斧と盾を兼用した武器なんてよ…」
866 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:11:15.47 ID:rivxUJAo
戦士「無理言って作って貰った、オリジナルですから」

隊長「…奇特な鍛冶屋も居たもんだ」

戦士「まぁ、間違ってねっす」

女隊員「かっこいいと思いまスよ?」

隊長「んじゃ、まずは盾。盾は当然…相手の攻撃を防ぐ防具だ」

戦士「…はい」

隊長「盾もうまく使えば、非常に重要な攻撃の起点となる」

女隊員「攻撃は最大の防御ってやつッスね!」

隊長「例えば、相手の攻撃をただ防ぐだけじゃあ、上手い盾の使い方とは言えねぇ…」

戦士「つまり…?」

隊長「いかに相手のニ撃目を潰せるか。それが盾の重要性だ」

戦士「潰す…。なるほど」

隊長「正面から単純に受け止めても、こちらは動けず相手のニ撃目を貰うだけ」

ヒュオッ!!

戦士「!?」
867 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:12:00.11 ID:rivxUJAo
ガキイィンッ!!

隊長「……なっ?」

戦士「あっぶな…っ!?」

突然振り下ろされた隊長の剣を、戦士は盾で受け止めながら叫ぶ。

隊長「分かったか?これじゃ結局、追撃喰らってガードの意味もない」

女隊員「仲間がいれば別ッスけど、ソロだと終わりッスね」

隊長「どうしたらニ撃目を崩せるのか。それはさほど難しい事でもねぇ」

戦士「……?」

隊長「いいか?俺が垂直に剣を振り下ろす」

そう言いながら、隊長は剣を振り上げ、戦士の頭上へゆっくり降ろす。

戦士「……」

隊長「ここでさっき、お前は正面から受け止めた。そうだよな?」

戦士「え、ええ…」

隊長「ちょっとでいい。盾を斜めに傾けてみろ」

戦士「……こう?」
868 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:13:37.93 ID:rivxUJAo
言われるがまま、戦士は盾の左側を引き、やや斜めに角度をつける。

隊長「これで俺が剣を振り下ろす。……するとどうだ?」

ヒュンッ!!

女隊員「盾に沿って、剣が斜めに滑るッスね!」

隊長「今はゆっくりだが、実際はこれにスピードが加わり…」

テクテクテク…ジャリッ

隊長「勢い余った身体は、お前から見て左に崩れるってワケよ」

戦士「なるほどっ!」

隊長「そうすりゃあとはコッチのもの。バランスを崩した相手はニ撃目どころか…」

女隊員「バランス崩して、防御すらままならないってわけッスね!」

隊長「魔法においてもそう。正面から喰らうと、仮に防いでも目くらましに使われちまう」

戦士「それを斜めに往なせば…視界も開ける…っ!」

隊長「……その通り!」

戦士「はぁー!防御にも工夫が必要なわけだ……」

隊長「戦いの基本は後の先…カウンターが最も効率的。これを頭に叩き込んでおけ!」
869 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 18:14:26.54 ID:rivxUJAo
戦士「……うっす!」

隊長「実践は後で進めるとして…お次は斧だな」

戦士「ういっす」

構えた盾を下に下げ、右手を柄のスイッチへと伸ばし、それを押す。

バチンッ!!

戦士の腕より離れた盾は、瞬く間に斧へと姿を変え、右手に構えられる。

隊長「…便利なもんだなぁ。俺も欲しい」

戦士「へっへ…!いいっしょ?」

女隊員「国軍の初期装備に採用して貰いまスか?」

隊長「冗談は置いといて、斧…実は俺もそんなに得意じゃないんだよな」

戦士「……!?」

隊長「国軍でも使用頻度は少ないし、ワーカーにもあまり人気ないしなぁ」

女隊員「そういえばあんまり見ないッスね…」

戦士「た、確かに…」

隊長「逆を言えば、それだけ個性的であり、魔物にも有効活路を見出せるって事だがな」
870 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 18:28:07.30 ID:/KW9..AO
斧はあまり得意じゃないって…

オーノー







どっ
871 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 18:30:06.37 ID:IIK3uioo
>>870
だまってろ
872 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/29(木) 18:36:18.36 ID:rivxUJAo
なんだか今週忙しいなぁ…また後ほど来ます!すみません!

>>849
おぉ、そんなでしたっけ?久々に読み直してみようかな…

>>850
御館様もキャラが立ってきて良かったですww

>>851-856
いつもありがとうございます!&追いつきありがとうございます!
抜かれないよう頑張ります!!

>>857-859
うっ…。あれ、えっと…朱雀嬢はその…出る予定が…

>>870
……。

では、失礼致します!ノシ
873 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 18:56:58.99 ID:zvEKZRko
そうか…朱雀嬢は出ないのか…
ではせめて、おまけだけでも…
874 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 20:25:36.49 ID:RziDDg20
サブキャラなのに女隊員がかわいいと思える俺は末期
875 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 20:51:20.74 ID:/KW9..AO
別に末期じゃないけど、女隊員可愛いと思うよ!
876 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 21:04:28.91 ID:kQhmq5E0
…え?
朱雀嬢出ないの?
てことは玄武娘や白虎嬢も…?
877 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 22:37:34.30 ID:Gv/gtkc0
朱雀嬢タソ…
878 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 22:42:48.57 ID:TF/vSYDO
残念だったな
879 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 22:48:11.03 ID:MdzNl4Yo
だが待って欲しい。>>1は出番は「無い」とは言っていない
もしかしすると最後の方で出てくるかもしれない
880 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 23:28:42.22 ID:slKp.R6o
戦士「それで…斧の活路とは…?」

隊長「さぁ…?」

戦士「……はいっ?」

隊長「言っただろ?斧は得意じゃないから分からん…」

戦士「……」

隊長「つーか、現時点で俺よりお前の方が強いと思うぞ?」

戦士「え…っ?」

隊長「もちろん斧の話だからな?」

戦士「いや…そうすかね?」

隊長「だから教えてやる事はないが…武器は武器だ」

戦士「……?」

隊長「後の先を取る。これに限るって事さ!

戦士「なるほど…っ」

女隊員「たまにはいい事言うッスね!」

隊長「たまにじゃねぇっ!馬鹿にしてんのかオメーは!」
881 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 23:30:03.12 ID:slKp.R6o
テクテクテク

男隊員「……何、騒いでんだ?」

紙袋を片手に崖側より男隊員が歩き、近づいて来る。

男隊員「ほれっ、水だ」

ポイッ

戦士「あ…どうもっす」

隊長「なんかやたら少なくねーか?」

男隊員「いや…重いし」

隊長「はぁ!?」

男隊員「そういや今日も騒いでたぜ?」

女隊員「幽霊の話ッスか?」

男隊員「そうそう。キトイだかキトリだかってのがどうのって…」

戦士「……」

隊長「ふーん…。幽霊ねぇ……」

戦士「……やめましょうや。その話は」
882 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 23:32:03.77 ID:slKp.R6o
男隊員「あん…?」

戦士「幽霊なんていやしねーっすよ」

隊長「……」

戦士「ましてや…騎都尉の……」

女隊員「戦士…さん…?」

戦士「……よし!斧はいいとして、盾っすね!」

隊長「…ああ。特にお前はパーティーの盾役だからな!しっかり身に付けろよ?」

戦士「うっす!」

隊長「さーて、その前に飯にすっか!」

女隊員「はいッス!焼そば温めてくるッス!」

戦士「盾…」

口をへの字に結び、戦士は右手に握った斧をじっと見つめる。

戦士「俺に……務まるかな…っ」

ギュッ…

戦士「いや…っ、やるしかねぇんだ。やるしか…っ!」
883 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 23:48:37.91 ID:slKp.R6o
〜東方、藤蔵〜

土忍「…ありがとうございました」

盗賊「はぁっ…はぁっ……あ、ありがとう…っ、ございましたぁ…!」

その場へ倒れ込む盗賊を余所目に、土忍は屋内へと下がる。

ザッザッザ…

風忍「どうだった?」

土忍「…思ったより動きは悪くない。…だが、無駄な動きが多すぎる」

火忍「見ている限りじゃそうでもねーけどなぁ…」

土忍「囮の動きが多すぎる…。それはそれで、利点もあるのだが…」

風忍「前衛に慣れてしまっているのだろう…。盾となる者がおれば……」

テクテクテク

水忍「姫はどちらかと言うと、かく乱や後方支援、一撃離脱が向いてますからね」

風忍「雷は戻ったのか?」

水忍「ああ。姫との修行は有意義だった、と…」

火忍「……あーくそっ!俺も姫と修行してぇ!!」
884 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/29(木) 23:53:46.63 ID:slKp.R6o
水忍「なんだお前、禁じられておるのか?」

風忍「ああ、不届きがあってな。御館様直々に……」

火忍「だからあれは事故だって!大体おめぇが漏らさなきゃこんな事には……」

土忍「……」

火忍「…ん?どした?」

黙って己の掌を見つめる土忍に、火忍が声をかける。

土忍「……」

ズイッ

大きな掌を開き、一同の前へ突き出す土忍。それを見て風忍が問う。

風忍「ん!?……何の後だ?」

土忍「蜘蛛…いや、薄緑の痕だ。逆刃であるがな」

水忍「!?」

風忍「あの短時間の動きで…一撃入れていたのか!?」

土忍「……無駄な動きなく、直線でこられていたら…もらっていたかもしれん」

火忍「……っ!!」
885 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 23:58:25.47 ID:MdzNl4Yo
薄緑ってはくりょくと読めばいいのかうすみどりと読めばいいのか
886 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 00:05:48.27 ID:RL00JTko
水忍「…これで術さえ身に付けてしまえば」

風忍「……想像以上かもしれんな」

四人は侍女に抱え起こされる盗賊の姿を、同時に見つめた。

ノソッ

侍女「姫…っ!大丈夫…!?」

盗賊「あーうん…。怪我したわけじゃないから…」

侍女「毎日毎日…朝から晩までっ。しっかり休んで下さいな!」

盗賊「休んでるよ…。でも、これでも足りないくらい…」

侍女「休む事も修行のうちです!」

盗賊「え…っ!?……あ、うん…っ」

侍女「さぁ、夕飯の前に次はお勉強勉です!」

盗賊「お勉強って…そんな子供じゃないんだから…。何やるの?」

侍女「今日は着付けの続きですっ!」

盗賊「えぇ〜っ!やだなぁ……」

侍女「我儘言わないっ!ほら、早く着替えてらっしゃいなっ」

盗賊「……うへぇ」
887 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/30(金) 00:12:38.81 ID:RL00JTko
>>885
文献的には『うすみどり』ですね!

それでは失礼します!おやすみなさいです!ノシ

〜オマケ〜

朱雀嬢「うふふふっ…。久々の出番ですわよ!?」

玄武娘「でもぉ…本編には出な……」

朱雀嬢「あら、そんなの分からないですわ?リクエストがあれば当然…」

玄武娘「難しいと思いますですの……」

朱雀嬢「な、なんでそんな言いきれるのかしらっ!?」

玄武娘「だって…私達、南方にいないですの…」

朱雀嬢「う…っ!ってか、ここはどこ!?」

玄武娘「知らないですの。朱雀嬢ちゃんが勝手に進んで……」

朱雀嬢「まぁ、人のせいにする気?だいたい玄武娘が西へ行きたいって言うから…」

玄武娘「そ、それは…そうですけど……」

朱雀嬢「まぁいいわ。全っ然、問題ないですわ!行きましょっ!!」

玄武娘「は、はいですの!!」
888 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 00:14:27.63 ID:kKUJjqUo
>>1
召喚三人娘出してくれて本当にありがとう!!!
愛してるぞ>>1
889 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 00:16:42.32 ID:RnxQ3Gwo
うすみどりか。どうもです

>>1
890 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 01:00:38.93 ID:V2bJi5Y0
>>1
朱雀嬢タソ出してくれてありがとう!!
いつの間にか西遊記組みたいな状態になってたんか!
891 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 01:16:00.03 ID:WTV2zsAO
そろそろ海の季節ですし水着イベントを希望したいですの
892 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 01:51:54.98 ID:b9Pxv5w0
海より山がいい。
893 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 08:26:57.93 ID:bZBfyoAO
山より空がいい。
894 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 09:08:13.42 ID:ecro0Cw0
>>1乙乙
ひゃっほぅ、ktkrk!! 毎日待ってます!! 支援支援!!
895 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 10:59:04.40 ID:Xv8MoAAO
コカさんに大きい籠持ってもらってみんなで空の散歩もいいな
896 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 11:36:24.07 ID:V2bJi5Y0
>>891
水着イベントはもーあったっしょ
897 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 14:06:13.29 ID:nb.OTgAO
>>1乙!
召喚士の影がどんどん薄まっていくのはもはや不可避だなww
898 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:03:12.33 ID:TsnfDCwo
〜国軍本部〜

コンコン…カチャッ

秘書官「大軍師様、お見えです」

司令官「…ん」

大軍師「予算案会議、無事閉会したようです」

司令官「…そう。良かったじゃない」

大軍師「屯田制の件、何卒よろしく……」

司令官「君に任せるよ」

大軍師「え…っ?」

司令官「副司令がえらくご立腹でね。まぁ人事担当としての立場なんだろうけど」

大軍師「そうでしたか…。前もって通達はしたのですが…」

司令官「通るとは思ってなかったんじゃないの?」

大軍師「……」

司令官「ま、とにかく…君の一存で進めていいから」

大軍師「…畏まりました」
899 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:03:58.24 ID:TsnfDCwo
テクテクテク…ズイッ

大軍師「あと…こちら、例の件です」

カサッ

司令官「……ん」

大軍師「無抵抗の一派は…南へ向かっております」

司令官「ふぅん…。確かな情報?」

大軍師「目撃情報はありません。あくまで進行ルートからの憶測に過ぎません」

司令官「……しかし、これ見る限りだと…間違いなさそうだねぇ」

広げた地図の矢印をなぞり、司令官は呟く。

大軍師「はい。目的は一切分かりませんが……」

司令官「…あのさ、目撃情報がないって言った?」

大軍師「はい。我が軍以外の民間人などには特に…」

司令官「……」

大軍師「…司令?」

司令官「いや、この件はいいよ。…屯田制は任せたよ」
900 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:06:05.72 ID:TsnfDCwo
〜南方、大滝〜

召喚士「……」

青年兵「…………」

青龍先生(この数日で滝行を完璧にこなすとは…っ)

ドドオオォォォォ…

青龍先生「…これは、思った以上に……ひょっひょ」

ザッザッザ…ストッ

青龍先生「そろそろ上がったらどうじゃー?」

召喚士「……」

青年兵「……」

青龍先生「・・・集中して聞こえてないようじゃの。…どれ」

そう言うと、青龍先生はおもむろにワイバーンを召喚する。

シュイィィン…バサッ!!

姿を見せたワイバーンは、それと同時に勢いよく上空へと羽ばたく。

青龍先生「……ひょっひょ!」
901 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:06:36.65 ID:TsnfDCwo
ゴオオォォッ!!

召喚士「!?」

青年兵「っ!!」

何かが近づく気配に、二人は同時に気付き目を見開く。

瞬間、二人の前にスフィンクスとリンドヴルムが姿を現した。

シュイイィン

青年兵「……上かっ!!」

召喚士「…あ、あれ…!?」

見上げた目先に広がる青空。その中央に佇むワイバーン。

青年兵「ワ、ワイバーン…?」

テクテクテク

青龍先生「脅かしてすまんかったの…」

召喚士「青龍先生…」

青龍先生「集中はしていても、しっかり周囲への警戒は怠っておらんかったか」

青年兵「脅かさないで下さい…っ!」
902 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:07:02.53 ID:TsnfDCwo
青龍先生「ひょっひょ!すまんかったのう」

召喚士「ビックリしましたよ…」

青龍先生「そろそろ上がるとしようかの」

青年兵「あ…っ、時間…結構経ってましたか…っ」

青龍先生「集中するのは良いが、滝行は長時間続ければ良い、というものではない」

召喚士「……」

青龍先生「長ければ長いほど、肉体への負担が大きくなるからの」

青年兵「そうですね…。では、そろそろ……」

青龍先生「ついでに修行もこれにて終了と致そう」

召喚士「え…っ!?」

青年兵「もう…終了ですか!?」

青龍先生「うむ。街に戻り疲れを癒すと致そう」

青年兵「そうですかぁ…」

青龍先生「物足りなさそうな顔じゃの?」

青年兵「い、いえっ…!ありがとうございました!」
903 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:07:46.81 ID:TsnfDCwo
青龍先生「安心せい。総仕上げが残っとるよ」

召喚士「…総仕上げ?」

青龍先生「そ。総仕上げじゃ!」

青年兵「い、一体…!?」

青龍先生「それは戻ってからのお楽しみ。さて、準備をしよう」

召喚士「は、はいっ」

青年兵「行きましょうか!」

青龍先生「お主等、此度の修行で何か感じた事はあるかの?」

召喚士「えぇと…今もそうでしたけど、召喚自体が自然になったかなぁ…」

青年兵「あっ、それは分かりますね。なんというか取っ掛かりがなくなったというか…」

召喚士「何より、召喚術についての知識が大きいですね。本当に感謝です」

青龍先生「うむ。まずは自分で何を得たのか。それを理解する事が大切じゃ」

青年兵「まだ実感は沸きませんけどね…!」

召喚士「あははっ、確かに!!」

青龍先生「ひょっひょっひょ!!」
904 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:08:52.02 ID:TsnfDCwo
〜北方、泉〜

マジシャン「……土っ!」

魔道士「やあっ!」

ドドンッ!!

マジシャン「火!!」

魔道士「はあっ!!」

ドドンッ!!…ゴオオォォ

マジシャン「火っ!!」

魔道士「!?…やあぁっ!」

ドドンッ!!…ゴオォォ

マジシャン「よし、オッケー。まだ意識的になってるが…こんなもんでしょう」

魔道士「ありがとうございました」

マジシャン「得手不得手は当然あるが、五行をバランスよく備えておく事!」

魔道士「はいっ!」

マジシャン「どんな咄嗟な状況でも、瞬時に対応出来なくちゃいけないからな!」
905 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:09:41.18 ID:TsnfDCwo
魔道士「そうですよね…っ」

マジシャン「魔法使いってのは後方支援が役目だ」

魔道士「…はい」

マジシャン「剣士や戦士のように武具を手に、攻防出来るわけじゃねぇ」

魔道士「……」

マジシャン「前衛が命を賭けて戦ってくれてる。それを守ってやらなきゃなんねぇ」

魔道士「…はい!」

マジシャン「その為には、一瞬の油断が命取りだ」

魔道士「なるほど…そうですよね……!」

マジシャン「ま…そんなに心配は要らないかねぇ。今は…だけど」

魔道士「……?」

マジシャン「魔道士ちゃんのパーティーはみんな強いよ。安心しなっ!」

魔道士「え、えぇ…。皆さん強いですっ!えへへ!」

マジシャン「さーて、そろそろ南東国へ向かいましょうか!」

魔道士「なんだか…あっと言う間の一ヶ月でしたぁ…」
906 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:10:14.23 ID:TsnfDCwo
マジシャン「それは良い事だ。充実した日々ってのは過ぎるのが早い!」

魔道士「そうかもしれませんねっ!」

マジシャン「年取ると…もっと早い……」

魔道士「……う…っ」

マジシャン「50過ぎるともう先のほうが短いしな…。はぁ……」

魔道士「そんな事ありませんよっ。マジシャンさんもこれからです!」

マジシャン「そうかなぁ…?かと言って、青龍のジジイみたく長い生きはしたくないし…」

魔道士「また言ってるぅ……」

マジシャン「人生これからかぁ〜。そうか…そうだなぁ……」

魔道士「そうですよっ!」

マジシャン「そんじゃあ、ちゃっちゃと魔王ぶっ倒して…デートしようか!」

魔道士「はいっ!喜んで!!……えへへ!」

マジシャン「本当っ?!嬉しいなぁ…!よーし…頑張っちゃうぞ〜?」

魔道士「…?はいっ!楽しみにしてますねっ。…ふふっ!」

二人は顔を見合わせ、大声で笑った。
907 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:10:57.13 ID:TsnfDCwo
〜東方、藤蔵〜

盗賊「……」

朝ぼらけの中、庭園の池の前。盗賊はしゃがみ込み鯉を眺める。

ザッザッザッザッザ…ジャリッ

盗賊「!?……父…様」

御館様「……本日…発つそうだな」

盗賊「はい…。お世話になりました」

御館様「……どうだ?」

盗賊「とても有意義なものでした。感謝しております」

御館様「そうか」

盗賊「……」

御館様「……」

盗賊「…あ」
御館様「……こ」

盗賊「……ど、どうぞ」
908 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:11:48.05 ID:TsnfDCwo
御館様「…この先、お前自身は何を成そうと思うておるか?」

盗賊「…魔王を倒し、安寧を築きたく思います」

御館様「ほぉ、そのような力があると?」

盗賊「いえ…。しかしまだ…時間はあります」

御館様「……」

盗賊「それに、私一人で成しえようとは思っておりません」

御館様「人を頼るか?」

盗賊「頼るわけではありません。力を合わせるのです」

御館様「……」

盗賊「人の力…です。皆が一つの志を持ち、分かち合うのです」

御館様「成程な。しかし……」

盗賊「……?」

御館様「お前も未熟ながら、己自身を理解し…しっかりした志を持ったな」

盗賊「…!?」

御館様「嬉しく思うぞ」
909 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:13:33.83 ID:TsnfDCwo
盗賊「…父…様っ」

御館様「知っての通り、東方にも妖怪は多数おる…。魔王もな」

盗賊「……」

御館様「近いうち、また会うだろう。その時まで精進を心掛けよ」

盗賊「……はい」

御館様「その時は再び訪れよ。この地と北が拠点となるであろう」

盗賊「…畏まりました」

御館様「天地人」

盗賊「…?」

御館様「兵法の心得よ。覚えておくがよい」

盗賊「天地人…。分かりました」

ジャッ

御館様「では、達者でな」

盗賊「…父様も」

知りゆく御館様の口元が、少し微笑んだような気がした。
910 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:15:09.97 ID:TsnfDCwo


盗賊「…では、お世話になりました」

侍女「もう行ってしまうなんて…はぁ…」

風忍「姫には姫の…やるべき事があるのだ。我侭言うでない…」

侍女「分かってるわよっ。姫…クナイはちゃんと持った?忘れ物はない?」

盗賊「だ、大丈夫だよ…。ありがと」

火忍「なんつう過保護だ……」

盗賊「じゃあ…また」

土忍「…ご武運を」

水忍「お気をつけて!修行の成果、見せてやって下され!」

一同の見送りに、盗賊は笑顔で応え、ゆっくりと藤蔵を後にした。

侍女「あーあ…。行っちゃった……」

風忍「藤蔵も、また静かになるな…」

火忍「だぁな…。明日からどうしよ……」

侍女「姫…。お元気で…頑張ってね…っ!!」
911 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:31:16.63 ID:TsnfDCwo
〜南方、大滝〜

青年兵「準備、出来ました!

青龍先生「それは…行こうかの」

召喚士「…お世話になりました!」

召喚士は大滝へ向け、一礼する。

青年兵「…お世話になりました!!」

それを見て、青年兵も同様に大滝へ頭を下げた。

青龍先生「自然こそ人にとっての師であり、母である…。ひょっひょ」

召喚士「ええ。滝行を続けていると、何だか暖かい気分になりました」

青年兵「雑念も消えて、心地良かったというか何というか…」

青龍先生「……ひょっひょ。良きかな良きかな!」

召喚士「では、出発しましょう!」

青年兵「はいっ。目的地は……」

青龍先生「東の街…南方司令部じゃ!」

青龍先生を先頭に、三人は充実感を得た表情で山を降っていった。
912 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 18:32:08.50 ID:ecro0Cw0
>>1更新乙
投下中支援〜♪

召喚三人娘の活躍をワクワク
913 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:42:40.26 ID:TsnfDCwo
〜大陸港の町〜

魔道士「着いたーっ!」

マジシャン「さーて…寂れた店にでも顔を出してやるか…」

テクテクテク…

マジシャン「……あん?やたら人だかりが…っ」

魔道士「…バーテンさんのお店ですね」

ザワザワザワッ

男「だからー、一ヵ月後に帰ってくるって聞いたから…」

バーテン「ま、まだ一ヶ月経ってねーだろ!」

ワーカー「あと数日じゃねーか。いつ戻ってきてもおかしくねぇ!」

老人「そうじゃそうじゃ。昨日も一昨日も心待ちにしておったんじゃぞ?」

バーテン「おっ、俺に言われてもだな…っ」

ワーカー「マスターが一ヵ月後って言ったんだろ!」

バーテン「だから、まだ一ヶ月経ってないって!!」

マジシャン「…ありゃあダメだな。このまま南に向かおう」
914 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:46:23.95 ID:TsnfDCwo
魔道士「いいんですか…?」

マジシャン「ほっとこ。巻き込まれると厄介だ」

魔道士「……そうですかぁ」

マジシャン「さて、行きましょう行きましょう」

テクテクテク

魔道士「バーテンさん…ごめんなさいっ!!」

タッタッタッタッタ

マジシャン「んじゃ、まずは港街まで船で渡って一泊。次の日に遺跡経由で南東国だ」

魔道士「はいっ」

マジシャン「んで、南東国で戦士と特殊遊撃の連中を探し当てる…と」

魔道士「バッチリですね!ふふっ」

マジシャン「そう…?ハッハ!んじゃ、船の手配といきますか。」

魔道士「はいっ!えへへっ!!」

二人はバーテンの店を横目に、船着場へそそくさと移動した。
915 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 18:46:39.30 ID:bZBfyoAO
俺の敵が見えた

それは魔王でも、はたまた、そこら辺の魔物でもなく、最も憎いと思っていた召還士でもなかった…

俺の敵はマジシャンだったのだ、なにがデートだ笑わせてくれる
マジシャンのオジシャンなんかに俺の心のオアシスを奪わせはしない!!!
916 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/30(金) 18:56:37.82 ID:TsnfDCwo
〜東方、都〜

盗賊「…………」

トボトボトボ

盗賊(…どうしよう…マズイ事になった…っ)

盗賊はがっくりとうな垂れ、都の脇道を一人、歩く。

盗賊「まさか…船に乗れないなんて…」

それはつい先程の出来事である。

盗賊『……あの…船を』

店員『はい身分証を…はい、お預かりいたしますね』

盗賊『……』

店員『あら…?入国の履歴がありませんね…?』

盗賊『……!?』

店員『……国軍付のワーカーの方ですので、深くは問いませんが……』

盗賊『あ、あの…っ』

店員『これでは…不当入国の扱いとなってしまいますよ…?』
917 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/30(金) 18:57:32.45 ID:TsnfDCwo
一旦抜けます!また後ほど!
ご支援ありがとうございました!ノシ
918 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 19:09:41.12 ID:kKUJjqUo
>>1乙!

>>915よ、そのような穢れた心では、何時まで経っても召喚士にもマジシャンにも勝てぬぞ
貴様も滝行でもして、雑念と穢れを取り払って来い!
そしてもう帰ってくるな…
919 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 19:58:57.93 ID:nKwmBMSO
>>1乙です〜
920 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 20:18:34.55 ID:V9updNM0
>>915
こんなところに水死体が
南無阿弥陀仏…
921 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 21:48:10.86 ID:wlyJVjg0
水死体にそれはアカン
922 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 22:11:55.70 ID:gZVblJU0
いつか召喚三人娘と魔道士ちゃんが召喚士を取り合う展開があると信じてる

召喚士にもそんなリア充展開がきっと…
923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 22:49:17.54 ID:WTV2zsAO
>>1おつ
924 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 22:50:18.62 ID:7eRDoQSO
>>922

で魔導師(87)が召喚士をかっさらうんですね
925 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 22:50:32.70 ID:V2bJi5Y0
>>922
玄武娘にはサモナー様が…
それに朱雀嬢タソには俺が…
召喚士乙
926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 00:12:57.79 ID:emlH0EAO
>>1

誰が誰の嫁とか正直興味ないですしおすし

とりあえず
魔道士ちゃん、この前は久しぶりに名前間違えちゃってごめんね
僕がラブなのは魔導師ちゃんじゃなくて魔道士ちゃんだから安心しておくれベイビー
927 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 00:40:51.58 ID:Ybqkq6SO
>>926

あんたも毎日変態だね。
1乙♪
928 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 01:01:18.83 ID:WI8rQnQo


盗賊「…はぁ」

テクテクテク…

盗賊「…やっぱり…ここしかないかな」

〜東方、都の城〜

門番壱「……?」

盗賊「…あ、あのぉ」

門番弐「何用でしょうか?」

盗賊「…あの…雷忍は…いますか?」

門番壱「雷忍…?藤蔵の雷忍様か?」

盗賊「…そう」

門番壱「……」

門番弐「……」

二人は顔を見合わせ首を傾げる。

門番壱「ちょっと…待ってて」
929 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 01:02:19.69 ID:WI8rQnQo


テクテクテク…

門番壱「一応…来て頂いたけど……」

雷忍「カカッ!やはり姫でしたかっ!」

門番弐(……姫…?)

盗賊「雷忍…!忙しいのにゴメン!!」

雷忍「いえいえ、それで…如何なされました?」

盗賊「……じ、実は…そのぉ」

事の経緯を雷忍へ話す盗賊。門番二人はそれを不思議そうに見つめる。

雷忍「カカカッ!!成程成程っ!!」

盗賊「どうしよう…っ」

雷忍「…こうなったら…東方に居座るしかありませんな」

盗賊「えぇっ!?そんなの困るよぉ…!」

雷忍「冗談です。……あの方にでも頼んでみますか」

盗賊「……?」
930 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 01:03:34.82 ID:WI8rQnQo
〜名代の屋敷〜

小姓「…少々、お待ち下さいませ」

テクテクテク

雷忍「……」

盗賊「だ、大丈夫かなぁ…?」

雷忍「…まぁ、事情も事情ですし…名代様も把握されております故」

しばらくすると、小姓に連れられた名代が姿を現す。

名代「これはお二方、よくぞお越し下さいました」

雷忍「カカッ、此度は名代様にご相談事が御座いまして…参りました」

名代「……?どうぞ、お上がり下さいませ」

盗賊「……失礼…致します」

名代の案内で二人は屋敷の中へと入り、茶の間へと誘導される。

コトッ

名代「どうぞ…。粗茶ですが……」

盗賊「……いっ、頂きます!」
931 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 01:04:39.43 ID:WI8rQnQo


名代「……成程。それは弱りましたね」

雷忍「何か良い手立てはありませぬか?」

名代「……そうですねぇ」

盗賊「……」

名代「こっそり来たのなら、こっそり帰っては如何でしょうか?」

盗賊「!?」

雷忍「……何か、都合良くありますかな?」

名代「本国へ直接入るのは問題が生じそうです。間接的に入国してみては?」

雷忍「如何にして…?」

名代「南の島の港からは、多数の商船が出ております」

雷忍「…はい」

名代「中には、南東国へ行く船もあるでしょうね……」

盗賊「南東国っ!?」

名代「……ほほぉ、成程っ!流石は名代様。カカカッ!!」
932 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 01:05:58.62 ID:WI8rQnQo


名代「…では、念の為こちらをお持ち下さい」

名代は盗賊へ、直筆の文を手渡す。

盗賊「これは…?」

名代「私の名義で、身元の確かな者だと記載しております」

盗賊「…あ、ありがとうございますっ」

名代「身分相応ながら、立場は陰陽頭ですので…問題はないと思います」

雷忍「かかっ、ご謙遜なされますな。次代の東方を担う御方ではありませんか」

盗賊「…うん」

名代「名実共にそうなれるよう、頑張ります」

雷忍「では、参りましょうか」

盗賊「…うん。本当に…ありがとうございました」

名代「いえいえ、それでは外まで見送らせて頂きましょう」

テクテクテク

盗賊「……?」
933 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 01:52:48.98 ID:WwXGjB.0
>>1
いい夢見ろよ。かな?


だが>>926テメーは駄目だ。
934 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 01:54:35.17 ID:WI8rQnQo
巫女「……!?盗賊…様…!?」

盗賊「…お久し振りです」

巫女「お元気そうで何より。戦士様達もお元気ですか?」

盗賊「…多分」

名代「彼女はあれから、私の屋敷で働いて頂いているのです」

盗賊「…そうでしたか」

巫女「ええ。名代様にはお世話になりっぱなしで……」

名代「また今度、皆様方とゆっくりお越し下さい」

盗賊「…是非!」

巫女「お気を付けて」

盗賊は丁寧にお辞儀し、雷忍と共に名代の屋敷を後にした。

雷忍「良かったですね姫。カカカッ」

盗賊「うんっ。ありがとう…雷忍!」

雷忍「カカッ!姫の為ならお安いご用ですよ」

盗賊「ふふ…っ、ありがと」
935 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 02:09:12.94 ID:WI8rQnQo
〜港〜

雷忍「えぇと……この辺りに」

テクテクテク

盗賊「あっ、あの船かな…?」

雷忍「行ってみましょう」

スタスタスタ

盗賊と雷忍は一隻の停泊する商船へ近づき、船員らしき男に声をかける。

雷忍「あのーすみません。ちょっとお話が…」

船員「あん?」



船員「……事情は分かったがよ、流石に俺らもタダで乗せるってわけには…」

ジャラッ

雷忍「…足りますかな?」

船員「……っ!?こ、これ…!こんなに…っ!?」

雷忍はニコリと笑顔で応える。
936 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 02:09:51.59 ID:WI8rQnQo


船員「そろそろ出る…出ますぜー!」

雷忍「では姫、お気を付けて…!」

盗賊「最後の最後までありがと。雷忍…!」

雷忍「おい」

船員「へ、へいっ!」

雷忍「こちらの方に何かあったら…一族命は無いと思え」

船員「ひ、ひいぃ…っ!!」

雷忍「じゃ、よろしくね。カカカッ!」

深く頭を下げる雷忍を残し、商船はゆっくりと港を離れていった。

船員「ア…アンタら何者なんだい…!?どうみてもカタギの目じゃなかったよ…アイツ」

盗賊「…ふふっ。正義の…味方…かな?」

船員「と、とにかくっ!必ず何があっても無事、華国に届けっから!なっ!!」

盗賊「……お、お願いします」

盗賊は苦笑で、船員の悲痛な叫びに答えた。
937 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 02:28:19.36 ID:ogc57MAO
>>1乙!
できればでいいんで、藤蔵の忍がそれぞれどんな奴らなのかまとめて欲しい…
火がちょっとお調子者、水と風がしっかり者って事ぐらいしか分からない、というかそれが合ってるのかどうかすら不安
938 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 02:47:21.38 ID:WI8rQnQo
〜南方、東の街〜

召喚士「…すっかり日が暮れてしまいましたね」

青龍先生「うむ…。じゃが、もう街が見えてきたぞい」

青年兵「…?何やら賑やかですね……?」

青龍先生「今日は祭をやっているようじゃのぉ…」

召喚士「祭…ですか?……あっ!もしかして…!!」

青龍先生「とにかく…司令部へ向かうとしよう」

青年兵「はいっ」

〜南方司令部〜

南方参謀「おっかえりなさ〜い!あらぁ、逞しくなっちゃって…!」

召喚士「そんな…変わってないと思いますよ?」

南方参謀「そう?乙女心にはしっかり伝わるものよぉ?」

青年兵「お、乙女…ですか…!?」

青龍先生「それで、手筈は?」

南方参謀「そりゃもう!バッチリよん!」
939 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 02:48:03.40 ID:WI8rQnQo
召喚士「手筈…?手筈って何です?」

南方参謀「あら、青龍先生に聞いてないの?召喚フェスよ」

召喚士「えっ!?」

青龍先生「明日の召喚フェス…。二人とも出場して貰うぞ」

青年兵「召喚フェス…って?」

召喚士「召喚士同士のバトル大会みたいなものかな…?」

青年兵「えぇ!?」

青龍先生「修行の成果…しっかり見せて貰うぞよ?ひょっひょっひょ!」

召喚士「先生…っ、ご存じの上で…全然気付かなかった…!」

青龍先生「すまんのぅ…。騙すつもりはなかったのじゃ」

青年兵「……」

青龍先生「ただ、前もって伝えてしまうと…意識してしまうじゃろ?」

召喚士「まぁ…確かにそうですが……」

南方参謀「全く…。人の悪い爺さんよねぇ。ふふっ」

青年兵「は…はは…っ」
940 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 02:48:53.08 ID:WI8rQnQo
ガチャッ

南方司令「おーっ!!青龍先生に玄武先生!!」

召喚士「朱雀ですっ!!」

南方司令「そうだっけか?すまんすまん!それと…戦士くんだっけか?」

南方参謀「この子は青年兵君っ。司令とは初対面よ!」

青年兵「司令!?こちらの方がもしや…南方司令…っ!?」

南方司令「いかにも!俺が…悪は絶対に許さない!正義の拳を持つ男……南ぽ」

南方弓長「ただいまー」

南方副司令「警備の配置完了…おぉ、先生方!戻ったか」

召喚士「こんばんは」

南方魔道長「…その顔、修行は充実したみてぇだな」

召喚士「ええ!先生のお陰で…!」

南方副司令「流石は青龍先生。老いてなお盛ん、と言ったところか」

青龍先生「世辞を申しても何も出なんぞい?ひょひょっひょ」

南方参謀「さぁさぁ、みんな揃ったところで食事にでも行きましょうかっ!」
941 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 03:05:33.63 ID:K/vbJwEo
あれ?巫女って何か伏線残ってたよね確か。

なんにせよ色々繋がってきて良いな。
942 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/31(土) 03:38:24.83 ID:WI8rQnQo
>>937
あまり細かい設定まで考えてないので、ざっとな感じですが…

【藤蔵の五忍】

風忍…木行皆伝者にして、五忍のリーダー格。
    チームワークを重視しており、一匹狼的な雷忍とやや馬が合わない。
    冷静さの中に熱血さも持ち合わせており、御館様からの信任も厚い。
    みんなのツッコミ役。侍女に気があるような素振りがあったりなかったり…。

水忍…水行皆伝者。常に沈着冷静で五忍の中でも参謀格。
    その性格から火忍とはあまり相性が良くない。
    常にクールを装っているが、内に秘めたる闘志は五人でも随一。
    他の者と同様、盗賊が好きなのだが、性格上なかなか表に出せない苦労人。

火忍…火行皆伝者。とにかく熱い男。熱血漢。曲がった事が大嫌い。
    突っ走り過ぎて五忍のなかでは常にチョンボをやらかすが、
    そのぶん功を立てるのも圧倒的。術を除いて力だけなら五忍一と謳われている。
    盗賊が好きすぎて、盗賊の前だとやたらシャイな一面が出る。一番年下。

土忍…土行皆伝者にして、五忍のなかで一番年上。唯一の既婚者。
    無口であまり喋らない為、何を考えているのか良く分からないが、
    他の四人に対しての想いは人一倍強く、常に周りを見渡す洞察力にも優れている。
    その図体からパワーキャラに思われがちだが、術(補助系)もかなりお手の物。

雷忍…金行皆伝者。独特の「カカカッ」という笑い声が特徴。
    他の四人と違い孤児として拾われた過去を持つ為か、関わりを避ける素振りがある。
    そんな負い目もあり、人一倍の努力の成果で藤蔵一の忍術使いと呼ばれるまでに至る。
    今では盗賊より帝寄りとなり、その葛藤にやや苦悩気味…。男色…なのか…?
943 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 05:12:11.86 ID:PKlJuMSO
>>1乙〜

前の召喚フェスはちょうどパーティー1周年だったっけ?
944 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 06:46:22.09 ID:6DdNx6DO
設定厨ウゼー
945 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 08:25:02.77 ID:emlH0EAO
まぁまぁ、落ち着くんだ
946 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 09:33:53.10 ID:WwXGjB.0
まぁまぁ。ペスカトーレでも食って落ち着けよ。
947 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 10:30:37.23 ID:ebpDbUDO
感情移入しすぎって言うより気持ち悪い

支援だけして見れないのかと
948 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 10:32:53.33 ID:vFr1UUYo
伝説の白虎嬢再登場ですか?
949 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 10:35:40.54 ID:lPcIZQDO
>>942
ちょw>>1さん頑張りすぎww
風がリーダーだったのか。
950 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 10:56:25.84 ID:bH2dPj2o
よくもそこまで偉そうに出来るな気持ち悪い
951 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 12:09:00.67 ID:ebpDbUDO
スルー出来る奴もいると思ったがやっぱり現れたか

煽りくらいスルーしようね、荒れる原因だよ
952 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 15:54:44.49 ID:rLsvgQSO
ここで一つ今章の内容を纏めてみよう。

召喚士:未来の国軍幹部候補の青年兵と共に
国軍随一の召喚士青龍先生の下、瞑想、勉強、召喚しまくりの毎日。
その内容と伸び率は、考案者の青龍先生すら舌を巻く程。

戦士:副隊長に裏切られちょっぴり傷心中の、現国軍随一の戦闘力を誇る遊撃部隊の隊長を師事し
愉快な仲間達(その道のエキスパート)と共に、秘密の山篭もり特訓の毎日。
気まぐれな隊長の様々な無理難題と実践訓練の下、着実に実力を上げて行く。
その成果は恐らく、国軍でも指折りの武を持つに違いない。

盗賊:兄様を探して三千里。
物語屈指の危険地帯、古城地下に単独潜入後、ようやく見つけた影忍(ツンデレ)と共に、修業をしながら母国へ密入国。
途中ブッチされるも、北砦にてネクロマンサーと兄様(本体)とのストリーバトル。
怒りの爆熱神指以外は何も出来なかったものの、強さに対して非常に前向きになれるようになる。
その後、東国随一の忍者里にして実家の藤蔵家に保護。
御館様(ツンデレ)の指示の下、五行の頭忍(エリート)と実践組み手の毎日。
その実力は、御館様がデレデレの太鼓判を押して仕舞う程。

まどうし:とりあえず、困った時のバーテンさん頼みで、ウェイトレス業に精を出す。
その後、国軍随一のセクハラ魔法使いのマジシャンと合流し、彼の指導の下
豊かな湖畔にてキャッキャウフフ、たまに魔法を放つ、といったお気楽な毎日。
その内容は、マジシャンが偵察のついでにやる程度。



魔導士ェ…。
953 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 17:51:05.07 ID:g190UIIo
おい、また変なのが沸くからやめろ
954 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 17:52:50.74 ID:emlH0EAO
まぁでも魔道士ちゃんのも必要な訓練だとは思うよ

そろそろひいた風邪が治って、更にぶり返しそうだ…もうズボン穿いちゃおうかな…いや、でもまだ早いかな…

早く気づいて魔道士ちゃん…!!
955 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 18:00:08.75 ID:INkbeUw0
>>955なら魔道士ちゃん死亡
956 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 19:49:57.30 ID:iXJ.1lUo
魔道士死ぬのか
957 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 19:50:16.08 ID:i9CJ7z20
>>956なら>>955は絶対に解除不可
958 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 19:51:45.34 ID:g190UIIo
>>958なら>>955は六十年後召喚士に見守られて発動
959 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 20:18:26.84 ID:7VO7LxMo
真・スルー 何もレスせず本当にスルーする。簡単なようで一番難しい。
偽・スルー みんなにスルーを呼びかける。実はスルーできてない。
予告スルー レスしないと予告してからスルーする。
完全スルー スレに参加すること自体を放棄する。
無理スルー 元の話題がないのに必死でスルーを推奨する。滑稽。
失敗スルー 我慢できずにレスしてしまう。後から「暇だから遊んでやった」などと負け惜しみ。
願いスルー 失敗したレスに対してスルーをお願いする。ある意味3匹目。
激突スルー 話題自体がスルーの話に移行してまう。泥沼状態。
疎開スルー 本スレではスルーできたが、他スレでその話題を出してしまう。見つかると滑稽。
乞食スルー 情報だけもらって雑談はスルーする。
質問スルー 質問をスルーして雑談を続ける。
思い出スルー 攻撃中はスルーして、後日その思い出を語る。
真・自演スルー 議論に負けそうな時、ファビョった後に自演でスルーを呼びかける。
偽・自演スルー 誰も釣られないので、願いスルーのふりをする。狙うは4匹目。
3匹目のスルー 直接的にはスルーしてるが、反応した人に反応してしまう。
4匹目のスルー 3匹目に反応する。以降5匹6匹と続き、激突スルーへ。
960 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 21:44:11.18 ID:emlH0EAO
さぁ、いよいよパワーアップしたパーティーが集結するんだな…再び集結した時の第一声も楽しみだが、それと同じくらい
召還フェスティバルが楽しみだわ
961 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 23:34:18.94 ID:haikAS20
そろそろ新スレ移行?
962 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 23:59:25.38 ID:RD.UScDO
フジロックでぼっちのオレが華麗に私怨
963 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 00:14:17.31 ID:3wSL4e20
青龍先生「ひょっひょっひょっ…わしの召喚獣は1体から108体までいるぞ?」
964 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 01:26:37.21 ID:M/YKU.M0
こんな時間まで>>1に会えないなんて・・・なんだか胸がもやもやする
この気持ちは・・・なに?
965 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 01:31:34.34 ID:qbOE5oDO
それ癌だから早めに病院行った方がいい
966 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 01:43:22.99 ID:NdWplBwo
肺に影が…
967 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 01:57:08.69 ID:nwrbIJEo
>>1のこと考えるとドキドキして…
それを収めようと掌に人って書こうとしたらホクロがある
この気持ち…なに…?
968 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 02:00:48.83 ID:2ZPp7w.0
最近生ゴミが多いな
捨てておくか
ついでに盗賊も捨てていいよね?
969 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 02:24:54.50 ID:nb8I0sAO
読者仲間をゴミ扱いとはけしからん

さらに、ゴミならまだしも、盗賊ちゃんを捨てるなぞ、理解に苦しむ


確かに俺は魔道士ちゃんオンリーかもしれん。だが、魔道士ちゃんの仲間である盗賊ちゃんをバカにするのも許さない
魔道士ちゃんが悲しむからな

だがオジシャン、てめぇはダメだ
970 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 02:31:25.99 ID:YV3IscDO
お前ら頭おかしいから死んだ方が良いと思うよ
そんなに自分の妄想吐き出したいんなら窓から叫べ

スルー云々言い出すなよめんどくさい
971 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:35:56.14 ID:Tb6CduYo
〜東の街、大通り〜

青龍先生「ほぉ、随分賑やかになってきたのぅ…!」

南方参謀「みんな明日のカーニバルに待ちきれなくて…前夜祭始めてるのよ」

南方司令「さぁ!俺達も飲むぞ!!明日の平和の為に…!!」

南方副司令「平和って……」

召喚士「…あっ、先に行ってて下さい」

青年兵「どうかしましたか?」

召喚士「ちょっと…ワークショップに立ち寄ってから行きますので」

南方魔道長「そうか。んじゃ…その角曲がったところだから」

召喚士「はいっ」

タッタッタッタッタ

南方弓長「こんな時までワークショップって…。仕事熱心ね…」

南方参謀「あら、男心が分かってないわけねぇ…うふふっ」

南方弓長「……?」

南方参謀「なーんでもないわっ。さぁ行きましょ?」
972 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:36:26.08 ID:Tb6CduYo
〜ワークショップ〜

召喚士「えぇと…すみません」

店員「はいっ!ご用件は?」

召喚士「手紙を…。えっと…国軍付ワーカーの召喚士です」

店員「はいっ、お待ち下さい!!」

テクテクテク……テクテクテク

店員「二通お預かりしてます!こちらです!」

カサッ

召喚士「ありがとうございます。……戦士と魔道士さんからだ…!」

手紙を受け取った召喚士は慌てて封を切る。

召喚士「…………」

ゴソゴソッ

召喚士「すいません。この手紙を届けて下さい」

店員「戦士様、盗賊様、魔道士様…宛ですね?確かにお預かり致します!」

召喚士「よろしくお願いします」
973 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:37:07.55 ID:Tb6CduYo
カチャッ……パタン

召喚士「…みんなも頑張ってるんだなっ。何より…無事で良かった!!」

テクテクテクテク

召喚士「南東かぁ…。俺も終わったら行ってみようかな?」

〜港街〜

魔道士「着きましたーっ!……なんだか久々っ」

マジシャン「今日はこのまま宿を取って…ん?どした?」

魔道士「…う〜ん、何だか身体が…っ」

マジシャン「どこか痛いのか!?風邪!?病気!?あっ…もしかして生」

魔道士「違いますっ!!なんだか…空気が違うっていうか…」

マジシャン「……あぁ、それは月読の成果だよ」

魔道士「……?」

マジシャン「ずっと泉にいただろ?だから違う土地のか空気に違和感を感じるんだ」

魔道士「なるほど……」

マジシャン「でもそれは、決して悪い事じゃない。むしろ良い事だ!」
974 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:37:33.31 ID:Tb6CduYo
魔道士「そうなんですか?」

マジシャン「あぁ。実際、悪い感じじゃないだろ?」

魔道士「確かにそうですね…。なんだか水と風と…暖かさを感じます」

マジシャン「風はどこから感じる?」

魔道士「えぇと…あっち?」

魔道士はきょrきょろと辺りを見回し、山側を指差す。

マジシャン「うん。あっちは南側だな。南から暖かい風を感じる……」

魔道士「はいっ」

マジシャン「即ち、南方で何か楽しい事でもあるんだろう」

魔道士「へぇ…っ!そんな事も分かるんですか!?」

マジシャン「暖かさってのは人の楽しい感情だ。それを風が運んでくれている」

魔道士「……素敵…っ」

マジシャン「…しっかし、この短期間でそこまで感じ取れるようになったか。ハッハ」

魔道士「普通はそうじゃないんですか?」

マジシャン「あの泉は、五行がバランスよく感じ取れる…行ってみれば聖地みてぇなモンだ」
975 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:38:00.83 ID:Tb6CduYo
魔道士「……聖地っ!?」

マジシャン「そっ。でもこの短期間での会得は、ひとえに魔道士ちゃんの感受性の良さだな!」

魔道士「そうですかね…?」

マジシャン「ああ!じゃなきゃ、こうは上手くいかないモンよ!ハッハッハ!」

魔道士「…うぅん。実感ないですねぇ」

マジシャン(…にしちゃあ早すぎる。……この子…まさか…)

魔道士「……マジシャンさん…?」

マジシャン「あぁ、悪い悪い。さて…宿を取るとしましょうか!」

魔道士「はいっ!そうしましょう!エヘヘッ!!」

マジシャン「っ!!」

魔道士「…!?」

マジシャン「…ん、あぁ…何でもない!さて、行こうか!ハッハ!」

魔道士「……?は、はい…っ」

マジシャン(…何でアイツが!?……まさかまた、何かあるんじゃねーだろうなぁ)

マジシャンは曲がり角へ消えていく男性二人の影を、じっと睨みつけた。
976 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:38:30.59 ID:Tb6CduYo
テクテクテクテクテク

天才「…ここでいっか?」

格闘家「…自分は問題ありません」

カチャッ

店員「いらっしゃいませ」

天才「二人だ。適当に食い物と酒」

店員「はい。奥の席へどうぞ」

テクテクテク…ドスッ

天才「ふーっ、さてと…早速」

天才はテーブルの上へ、手にした地図を乱雑に広げる。

天才「いいか?この矢印。これが魔物の進行ルートだ」

格闘家「……」

天才「各地から南へ終結してやがる。これは何かある」

格闘家「…ですね」

天才「一個あたりの規模は小隊とかぬかしてやがったな」
977 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:38:58.11 ID:Tb6CduYo
カサッ

天才「だが、数によっちゃあ…トータルで一個師団に相当する可能性もあるわな」

格闘家「厄介ですね」

天才「まずはコイツらの目的。それを暴くのが先決だ」

格闘家「…よく、こんな情報を手に入れましたね」

天才「俺だって欲しくて得たんじゃねぇ。軍のお偉いさんが泣いて頼むから、渋々引き受けたんだよ」

格闘家「……はぁ」

天才「とにかくだ。このまま南方へ向かい、突き止めんぞ!」

格闘家「……はい」

天才「…誰かさんが、友好的な魔物もいるとかほざいてやがったが……」

格闘家「……」

天才「吉と出るか、凶と出るか……」

店員「お待たせしました」

天才「腹が減ってはなんとやら!まずは腹ごしらえが先だな!ハーッハッハッハ!!」

格闘家「……いただきます」
978 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:52:56.79 ID:Tb6CduYo
〜南方、東の街〜

南方副司令「おぉ、来た来た!こっちだ!」

召喚士「すみませんっ、遅くなりました!」

南方司令「一同揃ったところで…カンパーイ!!」

南方弓長「ちょっと!?まだグラス持ってないわよっ!」

青年兵「あはははっ!」



青龍先生「じゃろ?だから今度デートでもどうかの?ひょっひょ」

南方弓長「考えておきまーす!……グビッ」

南方司令「そこでだ、この俺が直々に正義と愛の鉄拳をだな……」

青年兵「す、凄いですね…!」

南方副司令「コイツの話は冗談半分で聞いておけ…」

南方参謀「あっ、朱雀先生…ちょっといい?」

召喚士「はい…?」

二人は席を立ち、奥の通路へと移動する。
979 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:53:31.40 ID:Tb6CduYo


召喚士「むむむ無理ですよ!!そんなのっ!!」

南方参謀「お願いっ!でないと…厳しいのよ…っ」

召喚士「そんなぁ…!!」

南方参謀「召喚フェス成功の為…何とか強力してっ!ねっ?」

召喚士「……っ」

南方参謀「ただでさえ、去年…途中で流れちゃったじゃない?みんな期待してるのよ…」

召喚士「……そ、そんな事言われても…っ」

南方参謀「他に居ないのよぉ…!ねっ、お願い!この通りっ!!」

召喚士「……はぁ」

南方参謀「…大丈夫!当日は任せておいてっ。こっちもうまくやるから!」

召喚士「……すぐ…終わらせて下さいよ?」

南方参謀「うんうんっ。大丈夫!顔だけ見せれば問題ないから」

召喚士「……これっきり…ですからね!」

南方参謀「ありがとうっ!朱雀先生愛してるわぁ…!!」
980 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 02:53:58.50 ID:Tb6CduYo


テクテクテク

南方魔道長「…どこ行ってたんだ?」

南方参謀「トイレよトイレ。野暮な事聞かないで頂戴っ。ねぇ?」

召喚士「は、はぁ…」

南方司令「そこでガツーンと言ってやったのよ!俺と来い…ってな!」

青年兵「す、凄いっ!!」

南方副司令「あ、これお代わりくれ。あと…これとこれも追加で」

南方弓長「先生っ、起きて下さい先生ってば!」

青龍先生「…むにゃ、もう…飲めない……むにゃ」

召喚士「明日…本当に、大丈夫なんでしょうか…?」

南方参謀「…さぁ?大丈夫なんじゃない?」

召喚士「……」

久々の再開と、修行の終了…そして、明日のカーニバルの成功を願い、

一同の賑やかな夜は、あっという間に過ぎ、次の日を迎えた…。
981 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/01(日) 02:59:43.07 ID:Tb6CduYo
こんばんは〜!予想外にレスが多くて、あっという間に980…!
と、いうわけで次スレです!引き続きよろしくお願致します!!
あ、レス自体はとても嬉しい事なのでお気にせず!感謝です!

召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/

続きも次スレから再開致しますです!ノシ
982 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 03:11:14.36 ID:nwrbIJEo
>>1乙!
このペースなら、8月中に20スレ目行きそう
これからも読み続けるぞ
983 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 03:28:30.80 ID:Cgdv5NMo
これは前回3onの優勝者として召喚子が登場するのか。
984 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 03:48:40.07 ID:Tb6CduYo
〜オマケ>>6

戦士「お盆?」

盗賊「…ああ。お盆だ」

魔道士「何ですっけ?それ……」

盗賊「ご先祖様おお参りをするんだ。お盆に帰ってくるんだぞ?」

召喚士「霊がですか!?あ…なんか聞いたことあるような…」

戦士「……ふーん。それじゃ墓参りに行くか?」

魔道士「行きましょうよ!せっかくですし…」

盗賊「じゃあまずは……」



召喚士「……来ましたよ。師匠」

四人は師匠の墓へ手を合わせ、花と供え物を丁寧に据える。

魔道士「……」

盗賊「……」

戦士「……」
985 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 03:49:08.94 ID:Tb6CduYo
トクトクトクッ

戦士「師匠酒。…俺も上手くなったかい?」

召喚士「…コカトリス」

シュイィィン

コカトリス「……」

召喚士「…じゃあ、先に行ってるね」

スタスタスタ

コカトリス「……戦友」

コカトリスは師匠の墓をじっと見つめ、言葉を続ける。

コカトリス「お前の息子は…お前を越えるかもしれんぞ?」

師匠(はん…!なーに言ってんだよバカヤロウ!そう易々と越えられてたまるかってんだ!)

コカトリス「…ふんっ、相変わらずだな」

師匠(……頼んだぜ、アイツらをよ…!)

コカトリス「無論だ。あいつらはきっと…世を正してくれようぞ」

師匠(…だろうな!なんたって……自慢の弟子達よっ!ガハハハッ!!)
986 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/01(日) 03:49:34.99 ID:Tb6CduYo
コカトリス「……じゃあな」

師匠(おう、一つ伝えてくれやっ!!)

コカトリス「…?」

師匠(お前の師匠酒…なかなかのモンだったってよ!ガハハッ!)

コカトリス「……ふっ!」



戦士「…次はここか」

幼馴染父「来てくれてありがとう。戦士くん」

戦士「いえっ、なかなか来れなくてすみません」

幼馴染父「気にしないでくれ。じゃあ…終わったら声かけて」

戦士「はい」

テクテクテク

戦士(俺…あの頃、自分が思ってたより全然強くなったよ…)

魔道士「……」

召喚士「……」
987 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/01(日) 03:50:01.64 ID:Tb6CduYo
盗賊「……」

戦士(絶対…みんなが笑って暮らせる世の中、作るから!)

ザッ

戦士「……よし、行こうか」

召喚士「…うん」

幼馴染(戦士くんをよろしくね…盗賊さんっ)

盗賊「!!」

バッ!!……クルッ

盗賊「……?」

戦士「…どした?」

盗賊「…ん……何でもない」

戦士「…?変な奴…っ」

魔道士「えぇと次は……」

召喚士「…あそこですかね?」

四人は東へ進み、一路海峡を目指す。
988 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 03:50:28.23 ID:Tb6CduYo


将軍「彼ら…そして、ここで散っていったワーカー達は…永遠に名を刻むだろうな」

召喚士「ええ。彼らがいたからこそ、今のこの地があるんです」

将軍「最近じゃあ、兵が率先して…墓の手入れを行ってくれているよ」

魔道士「素晴らしい事ですね!」

ザッザッザ

サモナー「彼らもきっと…喜んでますよ」

召喚士「サモナーさん!?」

戦士「どうして…?」

サモナー「お盆だから墓参りさ。君らもだろ?」

盗賊「…まぁ」

サモナー「……彼らに笑われないよう、僕も頑張らなくちゃいけないからね」

魔道士「そうですよねっ。頑張りましょうね!えへへ!」

召喚士「ええ!」

サモナー「見守っててくれ…。僕の……友人達」
989 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/01(日) 03:50:58.04 ID:Tb6CduYo


魔道士「ラストは…ここですね」

テクテクテク

剣士「わざわざありがとう。彼もきっと喜んでいるよ」

弓使い「本当…。あの時から…何から何まで……」

召喚士「あれ…っ!?この…隣の墓って…っ」

幼女「…お父の」

剣士「遺骨はないけど…せめて墓ぐらいはと思ってね…」

幼女「お父も…一緒に祈ってあげて?」

盗賊「……もちろんだ」

一同は手を合わせ、しばし黙祷する。

剣士「彼らの志は…しっかりと僕らの胸中に受け止めよう」

召喚士「ええ!」

剣士「僕もまた、必ず力になるから!」

召喚士「……待ってます!」
990 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/01(日) 03:51:27.17 ID:Tb6CduYo
〜東方、都〜

盗賊「…着いた」

魔道士「うわぁ…賑やか〜っ!これが盆踊り…!!」

鬼丸「そうだ。飲んで食って踊って…無礼講の日よ!がははっ!!」

戦士「鬼丸…!?」

鬼丸「いよぉ、相棒!!」

召喚士「名代さんも…!こんばんは!!」

名代「さぁさ、皆様方も折角です。浴衣に着替えて楽しみましょう」

女将「女性陣はこちらで着替えましょ?」

魔道士「はぁい!!」



召喚士「……やっぱり…いいね」

戦士「ああ…。浴衣って…凄い」

魔道士「あんまりジロジロ…見ないで下さいっ///」

盗賊「……///」
991 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/01(日) 03:53:01.44 ID:Tb6CduYo


魔道士「あっ!あれ美味しそう〜!」

盗賊「…あれは…わたあめだな」

戦士「何だこれ?」

名代「金魚すくいです。やってみますか?」

召喚士「あの櫓が盆踊りのメインですね?」

名代「ええ。櫓を囲むように、皆で踊るのです」

魔道士「楽しそう〜っ!行きましょうよっ!」

召喚士「ええ!行きましょうか!」

今回はこれしか回れなかったけど…実際はもっと多くの人が、無念ながら逝った。

ドワーフさんや西国の大臣さん…それに、北方司令さんに武士さん。もっと沢山…。

でも、俺達はきっと忘れない。みんなの力があったからこそ、今の世の中があるんだ。

だから次は、魔王を倒したら…きっとみんなに…報告に行くよ。

今は一緒に…笑って踊ろう。それでいいんですよね?師匠……。

師匠(…へっ、お前にしちゃまぁまぁだ。30点ぐれぇくれてやるよ!ガハハハッ!!)

〜おしまい〜

ギリギリだったので結構端折っちゃいました…。次スレのオマケでちょこちょこ足してみようかな…
992 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 04:21:38.99 ID:nwrbIJEo
そういえば、三騎士たちの墓はたったのだろうか…
993 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 08:07:45.16 ID:oWK0Z2k0
あげうめかそく

>>1000ならメインキャラ増加
994 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 09:07:57.43 ID:nb8I0sAO
>>1

魔道士ちゃんの浴衣…てか照れてる魔道士ちゃん…
うーん………たまらん!!!

魔道士男が久々に作中で存在感を出したな 凄く良い話だったから嬉しい


次スレも楽しみにしています!目指せ10000スレ!!
995 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 10:59:32.61 ID:g/ej8.SO
_|\○_ヒャッ ε=\_○ノ ホーウ!!
996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 11:27:01.66 ID:PepIdTIo
うめ
997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 11:41:35.09 ID:pqDWdEEo
とうとうメンバー全員の修行が終わるわけですね
まぁ、その前に召喚フェス楽しみですな
998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 11:54:01.12 ID:zCrmPg6o
うめ
999 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 12:03:46.34 ID:PepIdTIo
1000なら
1000 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 12:04:49.38 ID:PepIdTIo
過度の気持ち悪い慣れ合いするやつらが死滅するといいなあ
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
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      /:::::/´  ヽ:::l   .|ヌ|               製作速報VIP@VipService
      .〔:::::l     l:::l   凵                  http://ex14.vip2ch.com/news4gep/
      ヽ;;;>     \;;>

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
レスごとに1℃ずつ暑くなるスレ @ 2010/08/01(日) 11:56:03.12
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1280631363/

ウィーマン・ショー @ 2010/08/01(日) 11:40:50.94
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1280630450/

悲惨な俺の半生を笑うスレ @ 2010/08/01(日) 11:34:17.82 ID:FWQo86s0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1280630057/

ソフトバンク民団プランは法人プランで確定 @ 2010/08/01(日) 11:30:04.37 ID:ib3QfASO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1280629804/

自転車で野宿しながら日本縦断するよ! part3 @ 2010/08/01(日) 10:23:45.65 ID:rnNHMvEo
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