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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 02:57:11.44 ID:Tb6CduYo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士…。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
導かれるように南、そして南東へと向かう四人に待ち受けるものとは…!?


◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆専用あぷろだ(絵の支援など大変ありがたいです!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆前スレ(その17)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/

◆過去ログ(その1〜16)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
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http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
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http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 03:09:09.48 ID:nwrbIJEo
1番最初の>>1乙!
もう8月かー……そんなに経ったんだなー…
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 03:50:23.78 ID:oj3fOpgo
                           ,,,,,,_
                     ,,,,,iiiilllllllllllllliii,,,,
          ,,,,,_   .,,,,,,,,,,iiiiiiillllllllllllllllllllllllllllllllllll丶
          ゙llllllllliiillllllllllllllllllllllll!!!!llllllllllllllllllllllll!!゙
           ゙!llllllllllllllllllll!!!゙゙゙° ,,illllllllllllllllllll!゙゜
              ゙!lllllll!!l゙゙’   .,,illlllllllllllllll!!゙゜
             ^     .,,illllllllllllllll!!゙゜
                  ,,illlllllllllllll!゙°
                 ,,illlllllllllll!l゙゜
                  ,,illllllllllll!l゙゜
                 ,,illllllllll!!゙゜.
                ,,illllllllll!゙゜            liiii,,
             ,,illllllll!゙゜                'llllllli,,
            ,,illllllll!゙                  lllllllllli,,
           ,illlllllll゙                  ,lllllllllllllii,
           llllllllllli,_             ,,,,illlllllllllllllllli,
           !llllllllllllllliiiiiiiiiiiii,,,,,,,,,,,,,,,iiiiiiiiiiiiiillllllllllllllllllllllllllllll
            ゙゙!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
              ゙゙゙゙!!!!!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!!!!!l゙゙゙゜
                    ̄”””””” ̄ ̄

4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 08:56:49.70 ID:4xxIXgQo
>>1
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 09:09:49.98 ID:nb8I0sAO
>>1

今スレも魔道士ちゃんが可愛く、凛々しく活躍するスレでありますように
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 10:01:44.17 ID:2ZPp7w.0
>>1

1000スレまであと982スレだな
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 10:37:28.74 ID:7uvVHsDO
18スレ目おめでとうございます!
毎日見てますよ。
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 12:07:28.59 ID:2Ir84TM0
>>1乙です。
VIPから見てるが、毎回楽しみでしょうがない。
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 12:09:53.90 ID:60TBNISO
いちおつ

まだ序章に過ぎないが面白いぞ
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 17:40:44.18 ID:uxNZEIDO
>>1乙っす〜
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 20:14:29.06 ID:oWK0Z2k0
>>1000よくやった

>>1
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 20:27:04.14 ID:jhQ/REAO
いつから変な信者がわいたんだろうか
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 20:32:02.38 ID:2ZPp7w.o
荒れるからやめろ
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 20:37:35.79 ID:YV3IscDO
信者が荒れるもとな件

支援だけできないのかよ
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 20:37:55.43 ID:NlAhJYAO
こういう時の常套句だけど「夏だなぁ」
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 21:03:12.42 ID:okDbuQSO
>>1乙です!
前スレでお盆リクした者です!
応えてくれてありがとうございます!
ニヤニヤが止まらん…
これからも体調に気をつけて下さい。
毎日の楽しみにさせて頂いてます!
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 21:35:23.36 ID:0vMSZAYo
支援だけwww
VIPや掲示板はそういう所ではありませんよ
コピペブログにお帰り下さい
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 21:41:32.12 ID:KeBWbPwo
いいから黙ってろ
五行唱えんぞ
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 21:45:18.91 ID:UzXCXsY0
黙ったら>>1が悲しむぜ!
でも荒れたら>>1がもっと悲しむぜ!

全員良識くらいわきまえてるんだろうし自分の考えを押し付けない方が良いと思うぜ!
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 22:22:32.02 ID:YV3IscDO
そうそう荒らしになりそうな奴はスルーしようぜ

スルーも出来ないから夏厨って言われるんだぞ
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 22:42:19.18 ID:MW07RY60
>>1乙乙
18スレ目おめでとうございます〜
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 23:53:44.79 ID:Tb6CduYo
〜南方司令部〜

召喚士「おはようございますー」

青年兵「あっ、おはようございます…って、大丈夫ですか?」

召喚士「へ…っ?」

青年兵「何だか、顔色がもの凄く悪いですけれど…」

召喚士「あ、あぁ…。なんだか眠れなくて…。大丈夫だよ、ありがとう」

青年兵「今日は頑張りましょうね!」

召喚士「うんっ。修行とは違って…お互い手加減なしだからね!」

青年兵「もちろんです!」

カツカツカツ…

南方参謀「おっはよう!早いわねぇ」

召喚士「おはようございます…」

青年兵「おはようございます。何だか…始めてなので楽しみで…」

南方参謀「うふふっ、カワイイわねぇ…。じゃあ先に会場行ってましょうか」

青年兵「…はい!」
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 23:54:21.80 ID:Tb6CduYo
ザッザッザッザッザ

召喚士「朝から賑やかですね」

南方参謀「そうねぇ。何だかんだカーニバルまであと3時間だものね」

青年兵「召喚士フェスは何時からなんですか?」

南方参謀「予選が10時から。カーニバル開始と同時に行うわよ」

召喚士「えっ!?意外とすぐじゃないですか…!」

南方参謀「大丈夫。貴方達は本戦から出て貰うから」

青年兵「予選は…よろしいのですか?」

南方参謀「やるだけ無駄だって。シードよ、シード。それに……」

チラッ

召喚士「……?」

南方参謀「……本戦は17時からだから。それまで露店見ててもいいし自由にしてて!」

青年兵「何かお手伝いとか…不要ですか?」

南方参謀「…も〜本当に良い子ねっ!でも大丈夫。お気もちだけ頂いておくわっ」

青年兵「あ、ありがとうございます…」
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 23:55:18.74 ID:Tb6CduYo
ザッザッザ

南方参謀「ここが会場。控室で休んでいてもいいし、16時頃に来てくれてもいいわ」

青年兵「分かりました」

南方参謀「じゃあ私は準備があるから…。また後でね、期待してるわっ!」

カツカツカツ…

召喚士「…はぁ」

青年兵「…どうしたんですか?」

召喚士「えっ!?あっ、いや…勝てるかなぁって…。ははっ…」

青年兵「どうしましょうか…?」

召喚士「とりあえず…朝食済ませて、ぶらぶらしてみようか」

青年兵「そうですね!せっかくですし、色々見て回りましょう」

召喚士「うんっ、そうだね!」

青年兵「僕、こういうお祭り始めてなんで。…凄い興奮しますね!」

召喚士「そうなんだ!じゃあ…目一杯楽しもう!」

青年兵「はいっ!!」
25 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 23:56:15.42 ID:Tb6CduYo
〜東方、南の島〜

船員「ここで積荷をして、南東国へ向かうから」

盗賊「……ん」

船員「まぁ、しばらくじっとしてて下さいや」

盗賊「…何か…手伝う?」

船員「滅相もない。アンタ…地位の高いモンなんだろ?」

盗賊「……そんな事…ない」

船員「いんや、あの報酬に…宮仕えの陰陽頭直々の文…」

盗賊「……」

船員「無碍に出来る身分じゃねぇってのは、俺でも分かるよ」

盗賊「……」

船員「それに事情があれど密告者。あまりウロつかれるとコッチもやべぇすから」

盗賊「……そっか。すまぬ」

船員「ま、夜には南東国に着きますから」

盗賊「……うん」
26 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 23:56:57.90 ID:Tb6CduYo
〜遺跡への山道〜

マジシャン「えぇと…コッチだっけか?」

魔道士「はいっ。確かここを…そうそう、右です」

マジシャン「なーんか久々だから迷っちまうわな!ハッハ!」

魔道士「普段は南方とか、来られないんですか?」

マジシャン「まぁな。なんだかんだ北方のが魔物も多いし強いしな」

魔道士「……マジシャンさんは、何故そんな…常に戦いの中に身を置かれて…」

マジシャン「……うぅん、理由はないけど」

魔道士「……」

マジシャン「罪滅ぼし…ってとこ…?」

魔道士「罪滅ぼし…?」

マジシャン「年を取ると、色々あるんよ…。ハッハ…!」

魔道士「そう…ですか…」

マジシャン「さぁて、このまま一気に進んじまうぞ〜!」

魔道士「はいっ!!」
27 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 23:57:41.23 ID:Tb6CduYo
〜南東国、東の街〜

戦士「……えぇと、トマトジューストマトジュース……」

男「おい聞いたか!?騎都尉の亡霊…魔物と一緒だったって!」

店員「こうも目撃情報があると…冗談じゃなさそうだな…」

男「あぁ。何でも街の前まで現れて…南へ去っていったらしいぜ!?」

店員「何にもなきゃあいいけどなぁ…」

戦士「……」

テクテクテク

戦士(何なんだよ…騎都尉騎都尉って…)

テクテクテク

戦士(そんな事あって……)

テクテク…テク…

戦士「……アン…デッド…!?」

ふと足を止め、戦士はしばし無言で考える。

戦士(そうだよ…っ!亡霊って…まさかアンデッドに…!?)
28 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 23:59:05.13 ID:Tb6CduYo
テク……テク……

戦士(それなら合点が行く…!何てこった!!)

はっとした表情で前を向き、戦士は急ぎ南の山へと向かった。

タッタッタッタッタ

戦士「……っ!!」

タンッ…タタタッ…ヒョイッ…スタッ

戦士「……っりゃあ!!」

グイッ……ザッ!!

女隊員「おかえりッス!」

戦士「よし!記録更新!!」

男隊員「あん?」

戦士「おっと、そんな事言ってる場合じゃねぇ!……隊長!!」

隊長「あーん?」

戦士「ちょっと聞いてくれ!!」

隊長「……?」
29 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/01(日) 23:59:33.09 ID:Tb6CduYo


隊長「……なるほどな。事情は分かった」

女隊員「確かにそれは有り得る話ッスね……」

男隊員「しかしどこのどいつが…んな事を…」

戦士「……分からない。だが、厄介事にならなきゃいいが…」

隊長「確かに南…って言ってたんだな?」

戦士「ええ!」

隊長「…お前らはここで待機してろ」

戦士「……?」

隊長「本部の指示を仰ぐ。今日をもって、修行はお終いだ」

男隊員「……このまま任務開始か。疲れを癒す暇もねぇ」

女隊員「充分癒したじゃないッスか」

男隊員「うっせ。気分の問題だ!」

隊長「んじゃ、しっかり身体休ませておけよ?」

戦士「……ういっす!!」
30 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:00:03.54 ID:ZXTAwPIo
〜南方、東の街〜

召喚士「はーっ、食べたぁ!」

青年兵「南方の料理…美味しいですね!」

召喚士「うん。ちょっと濃い味だけど、それもお酒に合うしねっ」

青年兵「夜が楽しみですね!」

召喚士「そうだね!またみんなで飲めるといいね!」

青年兵「はい!」

召喚士「この後は…どうしようか?」

青年兵「あっ、僕は一旦…司令部に戻ろうと思います」

召喚士「……司令部に?」

青年兵「召喚フェスに向けて、仮眠と最終確認をしようかと…」

召喚士「そっか…。真面目だね」

青年兵「そんな事ないですよ。召喚士さんに負けないように…です!」

召喚士「俺に!?……そっか、そうだよね。俺もそうするよ!」

青年兵「はい!それでは後ほど…会場で!」
31 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:00:31.30 ID:ZXTAwPIo
笑顔で会釈し、青年兵は司令部へと去っていく。

召喚士「…さて」

テクテクテクテク

召喚士「えぇと、控室は…と…」

ドンッ

女「きゃっ!!」

召喚士「あっ!!す、すみません…!!」

女「……あれ?朱雀…先生…?」

召喚士「……!?」

白虎嬢「私です。覚えてますかぁ?」

召喚士「っ!!白虎嬢さん…!?」

白虎嬢「良かったぁ!そうです〜」

召喚士「ご無沙汰してます…!南東国以来…ですか?」

白虎嬢「はい〜。先生も召喚フェスですかぁ〜?」

召喚士「はいっ…って、もしかして…白虎嬢さんも…!?」
32 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:01:06.46 ID:ZXTAwPIo
白虎嬢「はい…。南方司令部の方々に言われましてぇ…」

召喚士「そ、そうなんですか…って事は…!!」

白虎嬢「……?」

召喚士「あの…玄武娘さんや朱雀嬢さん…も…?」

白虎嬢「いえ…っ、あの二人は随分前にワーカーになりましたよぉ?」

召喚士「そうなんですか!?」

白虎嬢「はい。人探しがどうとか……」

召喚士「…人探し……人探し!?」

白虎嬢「私も誘われたのですけど、やはり父が駄目だと…」

召喚士「そうでしたか…」

白虎嬢「…女性の控え室はこちらのようですね。ではまた後ほど」

召喚士「あ、はい…!」

白虎嬢「本戦ではお手柔らかに…。ふふっ」

召喚士「…こちらこそ!!」

白虎嬢は顔を傾け、にっこりと笑顔で控え室へと入っていく。
33 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:01:34.49 ID:ZXTAwPIo
カチャッ……パタン

召喚士「そっかぁ…。玄武娘ちゃんや朱雀嬢さんもワーカーに…」

ガチャッ

召喚士「そのうちバッタリ会ったりし……ん!?」

番長「…?なんじゃい!入るなら早よぅ閉めんかい!」

召喚士「…あ、す…すみません!」

召喚士は慌ててドアを締め、男性控え室の中へと入る。

パタン

親衛隊長「…しかし去年に続いて召喚フェスがあるとは…ラッキーですね」

番長「うむ。去年はソロマッチが中断になってしまったからの。今年は特別らしい」

親衛隊長「なーるほど。そういう事ですね〜」

召喚士「……」

親衛隊長「なーにはともあれ、チャンピオンは番長さんで決まりですね!」

番長「どうかのう…。もし、あのお方が参加なさるとなれば……」

召喚士「……」
34 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:02:01.72 ID:ZXTAwPIo
コンコン…ガチャッ

南方参謀「あっ、いたいた!来てっ!」

召喚士「……?」

テクテクテクテクテク

南方参謀「いよいよ出番よ。準備して!」

召喚士「…!?」

南方参謀は召喚士の腕を引き、運営控え室へと足を進める。

テクテクテク…ガチャッ

南方弓長「待ってたわ!ここ…座って!」

召喚士「……」

言われるがまま、召喚士は椅子へと腰掛ける。

南方弓長「衣装取って来るから。そっち任せるわ」

南方参謀「うふふ〜!任せて頂戴っ!化粧は十八番よぉ〜?」

不敵な笑みで化粧箱を手に、召喚士の前に立つ南方参謀。

召喚士「………はぁ」
35 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:02:28.04 ID:ZXTAwPIo


南方弓長「はい、じゃあ…これ着てっ」

ゴソゴソッ…ズイッ

南方弓長「パットいるかしら?」

南方参謀「激しく動くからいいわ。フワっとした服だし…貧乳キャラで行きましょ!」

召喚士「キャラ!?」

南方弓長「じゃあ…あとはこのウィッグ付けておしましっ!」

ギュッ…キュッキュッ

南方参謀「……出来た!!やっぱいいわぁ〜!!」

南方弓長「……すっごい美人ね…っ!悔しいけど…!!」

召喚士「……」

南方参謀「それじゃ、これからメインステージでイベントやるから」

召喚士「はぁ!?」

南方参謀「ちょっとぉ…そんな声じゃダーメ。もっと裏声効かせて!」

召喚士「……あ、あー」
36 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:02:56.01 ID:ZXTAwPIo
南方弓長「もう少し小声でいいから。声を抜く感じ」

召喚士「あーいーうーえー」

南方参謀「ちょっとハスキーだけど…そこがまたいいかもね!」

安保う弓長「うんっ!お姉様キャラでいきましょ!身長もあるし…!」

召喚士「あ、あの……」

南方参謀「いいからいいから。さぁ…行くわよ!」

三人は控え室を出て、正面のメインステージへと移動する。

テクテクテクテク

男「キター!!」

観客「萌えー!!」

南方参謀「さぁ皆様、お待ちかね…昨年のアイドル…白虎嬢さんよ!」

ワアアァァァァ!!

召喚士「……」

南方参謀「召喚乙女組は…残念ながら今回は、彼女のみの参加なの…」

観客「玄武娘ちゃんを出せーっ!!」
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/02(月) 00:04:26.09 ID:ZXTAwPIo
>>36
安保う弓長「うんっ!お姉様キャラでいきましょ!身長もあるし…!」

南方弓長「うんっ!お姉様キャラでいきましょ!身長もあるし…!」

あと、最初の数レス酉とsage忘れました…ごめんなさい…
38 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:05:05.33 ID:ZXTAwPIo
男「グッズ買いましたよ!!後でもっと買いますー!!」

召喚士(グッズ…!?)

南方参謀「さぁ、今回のフェスへの意気込みをどうぞ!!」

召喚士「……」

南方参謀「……どうぞっ!!」

袖にいる南方弓長はウィンクをし、召喚士へ促す。

召喚士「え…えぇと、精一杯頑張りますっ。応援…よろしくお願いしますっ」

ワアアァァァァ!!

観客「もちろんだー!!全財産賭けるぞぉー!!」

男「白虎嬢っ!白虎嬢っ!」

南方参謀「それでは皆さん、また後ほど…本戦でお会いしましょう!!」

テクテクテク

南方参謀「はいっ、ご苦労様!!」

南方弓長「なかなか上出来…!観客もヒートアップしてきたわっ!大成功ね…!」

召喚士「…どうも…ありがとうございます」
39 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:05:43.49 ID:ZXTAwPIo
南方参謀「そのまま待機してて。本戦の一回戦に組み込む予定だから」

召喚士「はい」

南方参謀「朱雀先生自体は四戦目。トーナメント方式だから」

南方弓長「お嬢様は一回戦で負けて下さって結構です事よ〜」

召喚士「……はぁい」

南方参謀「じゃあ、開催まであと一時間…控え室で待ってて」

南方弓長「モチロン…『女性控え室』ですわよ〜?」

召喚士「……っ!!」

南方弓長「それはそうよ。男性側にいたら怪しまれるでしょっ」

召喚士「……災難だ…っ」

テクテクテク

召喚士「……はぁ」

カチャッ

召喚士「し、失礼しまーす」

重い足取りで女性更衣室へ入る召喚士。そこには予選参加者も含めた数名がいる。
40 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:06:19.86 ID:ZXTAwPIo
女召喚士「はぁい。どうも」

召喚士「ど、どうも…」

女召喚士「はぁ…残念だったわぁ」

黒髪「そうねぇ…。でも、次は頑張りましょう」

八重歯「さっさと着替えて、カーニバルを満喫しましょっか」

ヌギッ

召喚士「っ!!」

八重歯「あら…そのブラカワイイ!」

女召喚士「そう?安物よ。今流行りのブランドでさぁ〜」

黒髪「あっ、そこ行ってみたいのよねぇ〜!」

召喚士「……っ!!」

クルッ…バタンッ!!

八重歯「……何かしら?」

黒髪「さぁ?」

女召喚士「……ちょっと五月蠅かったかしら…っ」
41 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:07:11.74 ID:ZXTAwPIo
タッタッタ…

召喚士(こ、更衣室も兼ねてるじゃん!あんなとこいられな…)

白虎嬢「……あら?」

召喚士「白虎嬢さん!!……あっ」

白虎嬢「朱雀先生……!?」

召喚士「……さ、さぁ?誰の事…かしらぁ?」

白虎嬢「どうしたんです〜?女装なんてしてぇ」

召喚士「い、いや…っ、私はぁ…」

白虎嬢「朱雀先生でしょお?分かりますよ〜」

召喚士「っ!!」

白虎嬢「もしかして…朱雀先生ってそういう趣味……」

召喚士「ちち、違いますっ!!」

白虎嬢「冗談ですよぉ〜。きっと…理由がおありなんですよねぇ〜?」

召喚士「……はい」

白虎嬢「ご安心なさって下さい。私、口は固いんですよ〜?」
42 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:08:01.42 ID:ZXTAwPIo
召喚士「お、お願いします!他言無用で……っ!」

白虎嬢「はぁい」

召喚士「そ、それでは……!!」

クルッ

青年兵「お……っと」

召喚士「――っ!!!!」

青年兵「これはすみませ……」

クルッ!!…バッ!!

召喚士(マズイマズイマズイッ!!)

青年兵「…………」

召喚士(……ほ、ほら…驚いた顔してるよ!)

チラッ

青年兵「あ、あの…っ」

召喚士「っ!!」

バッ!!…タッタッタッタッタ
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/02(月) 00:08:25.82 ID:QpXuvEAO
相変わらず流されやすいなあ
44 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 00:08:28.30 ID:ZXTAwPIo
青年兵「あ…っ!」

白虎嬢「どうかなさったんですかぁ?」

青年兵「あ…っ、今…女性が……」

白虎嬢「あぁ、私の姉ですわね」

青年兵「お姉さん…ですか!?」

白虎嬢「はいっ」

青年兵「……召喚士の方…ですか?」

白虎嬢「はい。本戦にも出ますよぉ」

青年兵「っ!?」

白虎嬢「あの…なにか?」

青年兵「…いえっ何でもありません!」

白虎嬢「……?それでは、失礼致します〜」

青年兵「あ、はい…っ。すみません」

テクテクテクテク

青年兵「……なんて…美しい方なのだろう」
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 00:08:36.93 ID:5ROuP3Yo
白虎嬢キターwwwwwwwwww
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/02(月) 00:09:48.64 ID:QpXuvEAO
そっちのロマンスかww
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/02(月) 00:13:26.66 ID:ZXTAwPIo
今週とか言っておいて終わりませんでした…遅筆すみません…
此度はここらで失礼します!ご支援本当にありがとうございます!ノシ

〜オマケ〜

盗賊「…はい」

魔道士「おぉーっ!これがわたあめ…!」

ハムッ

魔道士「……んーっ!甘〜い!不思議な感じですねぇ!」

盗賊「…でしょっ?私も…好きだ」

ハムッ

盗賊「んふふ〜っ」

魔道士「えへへーっ!!」

戦士「おっ何だそれ!?美味そうだなっ!!」

パクッ

盗賊「あっ!!」

戦士「んっ!!うめぇ!!」

盗賊「……///」
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/02(月) 00:20:51.57 ID:ZXTAwPIo
うおー!もう二十部まとめられてる!!早いっ!!
魔道士「いつもありがとうございますっ!えへへ!!」
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 00:22:13.23 ID:RzDXfgAO
>>1のペースで頑張って!
楽しみにしてます
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 00:27:11.84 ID:aR3mijM0
召喚士まさかの青年兵ルートか…
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 02:05:17.11 ID:4OQls.AO
こんなクソ暑いのに書いてくれるなんて>>1おつやでー
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 02:41:53.12 ID:yU3Ou7.o
なんだろう…果てしなく薔薇臭いような…
俺の好きな展開だ
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 04:35:58.73 ID:nw/N1ao0
>>1乙!

ある意味王道で楽しいよ!
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 08:30:17.51 ID:cVCbA.AO
>>1

召還士のカツラは縦ロールだと信じてるから…!!

それにしても暑い…
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/02(月) 09:22:07.47 ID:naaQe720
>>1
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 10:48:44.37 ID:qtPTAHk0
召喚士ってやっぱり俺らと同じように童tなんだろか
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/02(月) 14:25:17.19 ID:Ok1BLSco
>>56
きっとd貞さ!
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 14:29:49.51 ID:naaQe720
師匠に男娼させられてたよ
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 15:30:25.19 ID:WI6852go
童貞だけど処女かどうかは・・・
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/02(月) 16:15:54.24 ID:VFHPvm.o
〜遺跡〜

マジシャン「……」

崩れた遺跡の入り口。その前にしゃがみ込み、左右を見渡すマジシャン。

魔道士「……」

マジシャン「…人的に破壊された形跡だな」

魔道士「…つ、つまり?」

マジシャン「召喚士がコカトリスで石化したんだよな?」

魔道士「はいっ。入り口はそれで封じました」

マジシャン「誰かがそれを、外側から破壊し…潜入した」

魔道士「!?」

マジシャン「おそらくそれが…盗賊ちゃんの兄貴だろう」

魔道士「……」

マジシャン「盗賊ちゃんの兄貴ってのは…どんな人なの?」

魔道士「さ、さぁ…。私も詳しくは……」

マジシャン「…そっか。……何が目的だ…?」
61 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:16:47.97 ID:VFHPvm.o
小声で呟き、マジシャンは足元の石ころを見つめる。

マジシャン「…とにかく、ここにはもういないみたいだし…先を進もうか!」

魔道士「えっ?あ、はいっ……」

マジシャン「あー、これね…破壊されてから一ヶ月近く経ってる」

魔道士「そんなにですか!?」

マジシャン「うん。……見てごらん、ほら…ここ」

マジシャンの指差す草を覗き込む魔道士。

魔道士「…?」

マジシャン「石の下敷きになって枯れた茎にはつぼみが付いてるだろ?」

魔道士「ええ…。あっ!こっちの茎には花が…っ!!」

マジシャン「そう。開花時期からみておおよそ一ヶ月程度だろう」

魔道士「そんな事まで…分かるんですね…っ!!」

マジシャン「ハッハ!自然の力は偉大だよ!」

ザッ

マジシャン「よしっ、目指すは南東国!!」
62 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:17:14.56 ID:VFHPvm.o
時刻はまもなく17時を迎え、闇が空を覆うとともに、街には明かりが灯り始める。

〜南東国、南の山〜

山より見下ろす世界。ふもとの東の街はおろか、

遠方にうっすら見える街や村にも明かりがぼんやりと浮かび上がる。

戦士は両腕を組んだままそれを見つめ、しばし目を閉じ余韻に浸る。

戦士「……」

ザッ

隊長「……何してんだ?」

戦士「いや…っ、瞑想…ですかね?」

隊長「…?まぁいい、集合」

隊長の呼びかけ、男隊員と女隊員がコテージから駆け寄る。

男隊員「…んで、本部の指示は?」

隊長「この時間まで待ったが、静観一辺倒だ」

女隊員「静観?じゃあウチらも動きはなしッスか?」

隊長「司令と大軍師が不在らしくてな…。どうにも本部の動きが鈍い」
63 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:17:41.64 ID:VFHPvm.o
戦士「……」

男隊員「ちっ、副司令だけじゃあ…軍令降りる可能性は低いな」

隊長「そこでだ、どうする…?」

戦士「どうするって…?」

隊長「特殊遊撃はな、特例で勝手に行動しても許されるんだよ」

女隊員「緊急時の独自行動許可ってやつッス」

隊長「つまりこのまま引き上げるか…動くか、だ」

男隊員「はぁーあ、決まってんだろ…」

女隊員「もちろん……」

戦士「……行こう!!」

隊長「…だと思ったぜ」

後頭部を掻きながら、隊長は各自に小袋を投げ渡す。

隊長「食料と水だ。荷物は最低限に抑えろ」

男隊員「りょーかいっ!」

男隊員は軽い口調で返すと、軍靴の紐を結びなおす。
64 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:18:09.34 ID:VFHPvm.o
女隊員「了解ッス!」

女隊員はしっかりとした口調で返すと、後ろ髪を口にくわえたゴムでまとめる。

戦士「……了解」

戦士は強い口調で返すと、雷切を腰に結びつけ、肩に戟を担いだ。

隊長「いいか?ここはまだ南東国の領内だ。戦闘行為は禁止する」

戦士「……?」

女隊員「双方の許可が出るまではダメなんスよ」

隊長「但しだ、ここより更に南方へ入れば、本国領内となる…」

男隊員「そっちなら交戦するってか?」

隊長「分からん。その騎都尉って奴とて推測に過ぎん」

戦士「杞憂に終わりゃ…いいけどな」

隊長「とにかく、こちらから仕掛ける必要はない。応戦のみだ」

女隊員「了解ッス!!」

隊長「……行くぞっ!!」

山の南側へ駆け出す隊長を追い、他の三人も一斉に走り出した。
65 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:18:36.31 ID:VFHPvm.o
〜南方、東の街〜

老人「ようやくこの日が来たか…!待ち遠しかったのぉ」

町人「去年は流れちまったからな!やっぱタイマン一本勝負だろ!」

男「白虎嬢っ!白虎嬢っ!」

南方参謀「お待たせ致しましたっ!これより…召喚フェスを開会致します!」

観客「おおぉぉぉぉ−っ!!」

南方参謀「まずは…本戦に勝ち残った勇敢な8名を紹介するわっ!」

メインステージ中央の南方参謀が後ろを指差す。

南方参謀「まずは第一戦目、我らがアイドル!白虎嬢改め…召喚子ーっ!!」

テクテクテク

召喚士「……ニコッ」

男「キター!!」

観客「頼むぜー!全財産賭けてんだぁー!!」

召喚士(何でこんな事……。さっさと負けよう…)

観衆へ笑顔を振りまく召喚士。口元がやや引きつる。
66 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:19:05.28 ID:VFHPvm.o
南方参謀「対するは…召喚は漢の浪漫!番長ーっ!!」

番長「まさか……またお会い出来るとは思いませんでしたでごわす!!」

召喚士「……」

番長「いきなり対戦とは…決勝で会いたかったでごわす…」

召喚士「…は、はぁ」

番長「しかし!次は勝ちたい…いやっ、勝つでごわす!!」

親衛隊長「さっきは弱音はいてたクセに…」

番長「……召喚子殿っ!!」

召喚士「は、はい…っ!」

番長「もし…おいどんが勝ったら……結婚して下さいでごわす!!」

召喚士「――っ!?」

観客「ひゅーっ!いいぞーもっとやれー!!」

男「ギギギ…!!何言ってんだこのヤロウ!!」

南方参謀「おーっと!愛の告白っ!第一戦から白熱して参りましたぁ!!」

南方弓町「計画通りのくせに…よく言うわよホント…」
67 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:19:34.31 ID:VFHPvm.o
南方参謀「続きまして…第二戦のカードはこの二人っ!!」

ザッ

召喚士「!?…あ、あの人…っ!!」

南方参謀「故郷の地、南方で錦を飾れるか!?……ボスーッ!!」

ボス「……」

チンピラ「ボスー!頑張って下さいよーっ!」

ゴロツキ「みんな期待してまっせー!」

南方兵「おう!南方司令部の意地、見せてやれやっ!!」

ボスは無言で、応援に駆けつけた仲間達へ一礼する。

南方参謀「そんな中、アウェーな立場で挑むは……」

ジャリッ

南方参謀「国軍本部からのゲスト!青年兵ーっ!!」

青年兵「……」

男「国軍同士のバトルか…!こいつぁまたアツイ一戦だなっ!!」

老人「なぁに…。都会のヒヨッコなんぞに、南方が負けるかいっ!」
68 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:20:02.71 ID:VFHPvm.o
南方参謀「そして第三戦は…この二人よっ!!」

親衛隊長「ハロー!ハロー!!」

南方参謀「ちょっと!名前も呼んでないのに…勝手に出て来ないで頂戴っ!」

親衛隊長「なーに、オーディエンスをウェイトさせちゃ悪いだろ?」

南方参謀「…。気を取り直して、二人目は再び女性召喚士……」

ザッ

南方参謀「白虎嬢ーっ!!」

白虎嬢「よろしくお願いします〜」

観客「おっ!!あの子もカワイイぞ!?」

老人「…うむ、悪くない。むしろ良いのぅ!」

男「決勝は女同士も有り得るっ!?」

南方参謀「さて、残すところラスト…。第四戦目!!」

青年兵「……」

南方参謀「一人目は、予選無敗、実力未知数…。同門ーっ!!」

ザッザッザ
69 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:20:55.65 ID:VFHPvm.o
同門「……」

召喚士(あれが…俺の相手か……)

南方参謀「対するは…伝説、そして再来を引き継いだ…伝説の朱雀召喚士…」

バッ!!

南方参謀「コカトリスの…朱雀先生こと、召喚士ーっ!!」

ボス「何っ!?あの人が…来てるのかっ!!」

青年兵「……あれ?」

シーン…

南方参謀「…なんですが、先生は所用につき、本番まで来れません!」

ボス「……何だよ」

同門「ちっ…」

南方参謀「以上の8名で繰り広げられる召喚フェス!間もなくスタートです!」

ワアアァァァァ!!…ザワザワザワッ

南方参謀「さ、会場へ移動するわよぉ!付いて来てっ!!」

南方参謀の誘導で、メインステージ裏手の会場へと、一同が移動を始める。
70 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:21:26.19 ID:VFHPvm.o
ザッザッザ…

親衛隊長「おぉーグレートですね!」

召喚士「随分広くなりましたね…?」

南方参謀「前回、どこぞの召喚士がスフィンクスとか出したからね…」

召喚士「……すいません」

青年兵「あ、あのっ!!」

召喚士「……?」

青年兵「先ほどは…し、失礼致しましたっ!」

召喚士「…えっ、あ…いやこちらこそ…あの…っ」

青年兵「が、頑張って下さい!」

召喚士「…ど、どうも」

テクテクテク

召喚士(……青年兵くん、ゴメン)

南方参謀「さぁ、お客さんもスタンバイ完了よ!いよいよ始めるわよぉ〜?」

召喚士「……はい!」
71 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 16:24:09.12 ID:VFHPvm.o

      ┏━━━┻━━━┓
  ┏━┻━┓      ┏━┻━┓
┏┻┓  ┏┻┓  ┏┻┓  ┏┻┓
召  番  ボ  青  親  白  同  召
喚  長  ス  年  衛  虎  門  喚
子         .兵  隊  嬢      士
               .長
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/02(月) 16:32:51.25 ID:QpXuvEAO
期待
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 16:38:31.86 ID:uPUNS4Ao
すごいよ!ずれてないよ!
頑張ったね!
>>1乙!
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 16:45:12.01 ID:BwWzkgMo
全くずれてないwwwwww

いちおつ!
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 16:52:10.77 ID:mpHDofw0
世の中にはAAエディタという便利なものがあってだな
76 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 17:56:27.82 ID:VFHPvm.o
ヒューンッ……ドオオォォンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!

南方参謀「これより第一戦、召喚子対番長を開始致します!!」

審判「両者前へっ!」

ザッ

南方参謀「ここから私は実況を担当致します!」

コンコンコン

南方参謀「あーあー、伝声管のテスト中…あーあー」

番長「よろしくでごわす!!」

召喚士「……」

南方参謀「オッケーね。実況は私、南方参謀!そして解説にはこの方…」

青龍先生「ひょっひょっひょ。よろしゅう」

南方参謀「青龍先生をお迎えしてお送り致します!」

番長「おいどんが勝ったら…いいでゴワスね?」

召喚士「……はぁ」

審判「本体への攻撃は禁止!いいね?…それではレディー…ゴーッ!!」
77 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 17:56:54.46 ID:VFHPvm.o
召喚士「はぁ…負けられなくなってしまった…」

番長「何か言ったでゴワスかぁ?」

召喚士「さっさと終わらせよう…。行っ…!!」

番長「!?」

召喚士(行けっ…って言ったらバレちゃうかもしれないな…っ)

召喚士「ス、スフィンクスー…」

シュイィンッ

南方参謀「おぉーっと!何やら小声でボソボソとスフィンクスを召喚っ!」

番長「来たでゴワスね…?」

青年兵「スフィンクス?!召喚士さん以外に使い手が…っ!?」

番長「ならば…!いざっ、ゴーレム!!」

シュイィン…ドズウゥンン

ゴーレム「…………」

青龍先生「ほぉ、ゴーレムとは…!なかなか見れん召喚獣だぞい」

南方参謀「スフィンクス対ゴーレム…!互いにレアな巨大召喚獣の対決!」
78 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 17:57:21.13 ID:VFHPvm.o
白虎嬢「おっきぃですねぇ〜」

青年兵「す…ごい迫力…っ」

番長「さぁー!力比べでごわす!!」

威勢を吐く番長が、ゴーレムを前面へ一気に押し出す。

召喚士「…っ!!」

やや遅れて、召喚士もスフィンクスへ、前進の合図を出した。

ズズズッ…ドズウウゥゥンッ!!

召喚士「頼むよっ!」

スフィンクス「よーし……!ぱーんちっ!!」

ゴーレム「っ!!」

ドッゴオオォォ!!

南方参謀「スフィンクスの強烈な右ストレート!しかしゴーレムがこれを防いだぁ!」

青龍先生「流石は防御特化のゴーレム…。あれを止めるとは大したものじゃ」

召喚士「……くっ…ぬぅ」

番長「んぎぎぎぎっ!!」
79 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 17:57:49.16 ID:VFHPvm.o
南方参謀「さぁー!力と力の比べあいっ!軍配はどちらに上がるのか!?」

青龍先生「そうかのぅ…?」

南方参謀「ウルサイわねっ!盛り上げなさいよ!」

召喚士「…はぁ。スフィンクス」

スフィンクス「だぶるぱーんちっ!!」

番長「何ぃ!?」

ブオッ…ドッゴシャアアァァァァッ!!

南方参謀「直撃ーっ!ゴーレムは無残にも上空へっ!!」

打ち上げられたゴーレムを追跡し、スフィンクスも高く飛び上がる。

スフィンクス「必殺…きーっく!!」

バゴオオォォォォンッ!!

番長「がはぁっ!!」

南方参謀「ゴーレムは遥か彼方へ飛ばされつつ姿を消したーっ!」

審判「勝者、召喚子っ!!」

召喚士「…ふー」
80 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 17:58:15.98 ID:VFHPvm.o
ワアアァァァァッ!!

召喚士「勝った…」

スフィンクス「あれ?お兄ちゃん…なんでそんな格好…」

召喚士「し、しーっ!!」

番長「か、完敗で…ゴワス……」

男「勝ったぁ!流石っ!カワイイッ!最高っ!」

観客「いよっしゃああ!!」

青年兵「次は…召喚子さんと……」

ザッ

ボス「その台詞、俺に勝ってから吐いて貰おうか」

青年兵「……」

ボス「本部のエリートだか何だか知らんが、見せてやるよ」

青年兵「よろしくお願いします」

審判「両者、前へっ!」

南方参謀「さぁ、続いて二戦目…!国軍の若き召喚士同士の一戦です!」
81 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 17:58:42.11 ID:VFHPvm.o
青龍先生「これは楽しみなカードじゃ。ひょっひょ!」

審判「レディー……ゴーッ!!」

審判の合図と共に、両者同時に召喚を開始する。

青年兵「出でよっ!リンドブルム!!」

ボス「来いっ!ウォーターリーパー!!」

シュイイィィン…

南方参謀「ワイバーンではなく、レンドブルムを使ってきましたね!?」

青龍先生「炎のワイバーンより雷のリンドブルムの方が…玄武には有効じゃて」

南方参謀「なるほどっ!さぁ、まずはウォーターリーパーが仕掛けるっ!」

ボスの合図と同時に、ウォーターリーパーが一気に飛びかかる。

青年兵「っ!?」

ボス「空に逃げられると…コッチが不利だかんなぁ!」

飛び立とうと翼を広げるリンドブルムに対し、ウォーターリーパーはそのまま

背中へと飛びつき、二匹の召喚獣が絡み合う。

青年兵「くぅ…っ!!」
82 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 17:59:20.40 ID:VFHPvm.o
ボス「放てっ!!」

バシュッ!!

青年兵「……!?」

南方参謀「ウォーターリーパーの水撃がリンドブルムを襲…襲ってないわね」

親衛隊長「何だぁ?ウォーターをぶっかけただけだぞぉ?」

青龍先生「いや、これはなかなか…有効的な手段じゃ」

バサッ!!

南方参謀「その隙に、リンドブルムはウォーターリーパーを振り払い、宙へ!」

青年兵「こうなれば…こちらのものだ!」

ボス「……へっ!」

青年兵「リンドブルムッ!!」

ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァッ!!バリバリバリッ!!

稲妻を起こすリンドブルム。しかしそれは落雷とはならず、

リンドブルム自身へと感電し、巨体が悲鳴を上げる。

青年兵「な…っ!!うわああぁぁ!!」
83 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 17:59:49.25 ID:VFHPvm.o
バシッ…ビビッ…ビリビリッ…

青年兵「そ、そうか…っ!!」

ボス「……」

青年兵「最初の水撃で……感電を引き起こさせたのか…っ」

ボス「気張りすぎだよアンタ。ちょっと考えりゃ分かる事だろ」

青年兵(……確かに。迂闊にも程がある…何の為の修行だ!)

膝を付く青年兵がゆっくりと起き上がり、リンドブルムがその脇へと身構える。

ボス「ほぅ…まだ余力があんのか。大した魔力だな」

吐き捨てるように呟くボス。同時にウォーターリーパーを再び突進させる。

南方参謀「さぁ!これはかわせないかっ!?」

青龍先生「…ひょっひょ。かわすだけが…本質ではないぞ?」

青年兵「……」

シュイィン

南方参謀「空振りー!?なんと…リンドブルムが消えましたっ!!」

青年兵「……さぁ、反撃だ!」
84 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 18:00:18.32 ID:VFHPvm.o
〜運営控え室〜

南方弓長「ほらっ、急いで!」

召喚士「そんな事言われましても…っ」

ヌギヌギッ

南方弓長「はいコレ!」

召喚士「…何ですこれ…?」

南方弓長「クレンジングオイル!化粧落としよっ!」

召喚士「普通に顔洗えばいいんですか?」

南方弓長「何でもいいから落として!」

召喚士「は、はいっ!」

バシャバシャッ

南方弓長「ウィッグ外したわよっ。後は化粧だけ…」

ワアアァァァァ

召喚士「!?」

南方弓長「盛り上がってるわね。終わったかしら?」
85 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 18:08:43.74 ID:VFHPvm.o
青年兵「出でよっ、ワイバーン!!」

シュイィン

南方参謀「さぁ、ここでワイバーンへスイッチ!!」

ボス「玄武相手にワイバーンだとぉ!?ナメるにも程があるんだろっ!」

南方参謀「召喚と同時にウォーターリーパーが襲い掛かる!」

ボス「今度は全力だ!撃てぇ!!」

ドドオオォォンッ!!…バシュウウゥゥッ!!

青年兵「ワイバーン!!」

ワイバーン「おうっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォ!!

南方参謀「炎と水のぶつかり合い!会場は大量の水蒸気に包まれておりますっ!」

観客「くそぉ…み、見えねぇ!!」

老人「一体…どうなっとるんじゃ!?」

青年兵「……っ!!」

ボス「……マ…ジかよ…っ!」
86 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 18:13:52.26 ID:VFHPvm.o
ゴオオォォ

ボス「あれだけの水撃を……」

ワイバーン「はあぁっ!!」

ボス「炎で押し返してるだとぉ…!?」

青年兵「まだまだぁ!!」

ゴオオォォォォ!!

ボス「な、なにぃ!?…マズいっ、いや…間に合わ……」

ドジュウゥゥッ!!

青龍先生「ひょっひょっひょ…。勝負あったようじゃぞ?」

南方参謀「もうっ、全然見えないわよ!」

怒り口調で立ち上がる南方参謀。それと同時に右手より風を巻き起こす。

ドドオォンッ!!…ゴオオォォ

観客「おっ!煙が晴れた!!」

吹き飛ばされた水蒸気の中より姿を現すのはボス、青年兵…そして、ワイバーンのみ。

焦げ付く床と黒煙の中、ウォーターリーパーはワイバーンの炎により蒸発した…。
87 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 18:22:13.32 ID:VFHPvm.o
タッタッタッタッタ

召喚士「おぉ…!青年兵くんが勝ったんだ!!」

審判「勝者、青年兵っ!!」

ワアアァァァァ!!

ボス「…くっそぉ!!」

テクテクテク

青年兵「……」

ボス「……あんだよ?」

スッ

青年兵「…いい勝負でした!」

ボス「……ちっ」

差し伸べられた手を掴み、ボスがゆっくりと起き上がる。

青年兵はボスを肩に担ぎ、ともに会場を後にした。

テクテクテクテク

青年兵「……あ…っ…」
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 18:25:41.15 ID:NXE7h.SO
決勝が召喚子vs召喚士になったら笑う
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 18:27:28.87 ID:NdA1n860
右半分の化粧を落として一人二役で同時召喚して戦えば…バレないな!
90 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 18:27:31.47 ID:VFHPvm.o
召喚士「二人とも、いい勝負だったよ!!」

青年兵「召喚士さんっ!どこ行ってたんですか!?」

召喚士「あ…えっとぉ、ちょっと色々あってね!ははっ…」

ボス「朱雀先生…!」

召喚士「ご無沙汰してますボスさん。…腕を上げましたね!」

ボス「まだまだですよ。井の中の蛙ってやつです…」

自分への皮肉を込めた言葉。ボスは苦笑を浮かべ青年兵の肩より離れる。

ボス「明日からは今までの倍…いや、それ以上に鍛え上げて…」

ザッ

ボス「お二人に追い付きたいと思います…」

召喚士「…待ってます。頑張って!」

青年兵「……」

ボスは会釈し、通路をそのまま控え室へと進んだ。

青年兵「さて…次は……」

召喚士「白虎嬢さんの出番ですね…!」
91 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 18:33:20.10 ID:VFHPvm.o
南方参謀「さぁて、第三戦…親衛隊長対…白虎嬢よん!」

審判「両者前へっ!!」

親衛隊長「レディだからって…手は抜きませんよぉ?」

白虎嬢「うぅ…。お手柔らかに〜っ」

テクテクテク…ザッ

審判「それではぁ…レディー、ゴーッ!!」

親衛隊長「カモーン、リンドブルム!」

シュイィン

親衛隊長「「こいつにはファイアーの耐性があります!ファイアーなどノープロブ……」

白虎嬢「いらしてっ!ベヒーモス!!」

シュイィン…ドドドドオオォォォォ

親衛隊長「……ホワット!?」

キュイイィィィィ…

親衛隊長「ノ…ノー!!ストップ!ストーップ!!」

その瞬間、ベヒーモスの口から上空のリンドブルムめがけ、閃光が放たれた。
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 18:34:12.76 ID:cVCbA.AO
ボスってあいつか、白虎だったか亀だったかの先生と勘違いしたやつか
懐かしいな
93 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 18:35:44.42 ID:VFHPvm.o
ドドオオォォンッ!!…ズガガアアァァァァッ!!

南方参謀「……」

青龍先生「……」

青年兵「……」

召喚士「……」

審判「…立てる?」

親衛隊長「ギブ…アップ……」

審判「勝者、白虎嬢!!」

ワアアァァァァッ!!

白虎嬢「ふうっ、なんとか勝てましたわ〜」

青年兵「白虎…先生並ですね……」

召喚士「相変わらず…す、凄い……」

テクテクテク

召喚士「!?」

同門「……」
94 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 18:42:46.18 ID:VFHPvm.o
青年兵「…今の人…って」

召喚士「…俺の相手だね」

青年兵「……」

召喚士「じゃあ、行ってくるね!」

青年兵「頑張って下さいっ!!」

召喚士「うん!」

スタスタスタ

南方参謀「四戦目は…同門選手対、召喚士選手の戦い!」

青龍先生「さて、見せて貰おうかの…朱雀先生」

審判「両者…前へっ!」

ザッ

召喚士「……」

同門「……」

南方参謀「さぁ、四戦目開始ですっ!!」

審判「それでは……レディー、ゴーッ!!」
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/02(月) 18:47:52.59 ID:VFHPvm.o
とりあえずここらで失礼を…ご支援ありがとうございました!ノシ

>>73-75
あざっすあざっす!あんまAAやった事ないんでドキドキしましたw

>>88
そしたらどうしましょうかね…?>>89案で!

>>92
そうです!偽玄武先生で、国軍入りした奴です!
詳細は第十一部をっ!……見て書きました
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 18:48:44.01 ID:5ROuP3Yo
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 19:29:53.05 ID:yU3Ou7.o
くぅ…さすがS…良い所でワザと切ってるな…>>1乙…
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 19:47:16.21 ID:QbXzhig0
いいところで切るねぇ
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 20:22:59.69 ID:NdA1n860
乙!
続きが気になるな

メインパーティとか国軍とかモデルになったキャラとか人物がいたりするん?
全部>>1が考えてたらすげぇ
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 20:49:40.86 ID:DCleqag0
乙!
よくよく考えたら王道展開なのにここまで少年誌の王道の必需品ライバルがいないのな
そしてもし登場したら名前がまんまライバルだったりしてとか考えてニヤニヤしてた

つまり何が言いたいのかというと>>1毎日の更新ありがとう
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 21:31:54.22 ID:cVCbA.AO
>>1

親衛隊長の場面を電車の中で読んでしまって恥ずかしかった…

親衛隊長「ノ…ノー…」 より先は帰ってから読みます
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 22:18:03.37 ID:6m1v/oDO
召喚士に限るならライバルは青年兵かな
他の3人はわからんが
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 23:16:36.64 ID:w0GvKtQ0
青年兵はライバルっていうより弟って感じなんだよなぁ
104 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 23:33:43.33 ID:ZXTAwPIo
ザッ…ジリジリッ

召喚士(相手の出方が分からない限り…こちらも動けないな…)

同門「……出せよ」

召喚士「……?」

同門「出せよ、コカトリス」

召喚士「な…に…っ!?」

同門「見せてみろって言ってんだよ。朱雀先生」

召喚士「……分かった。そこまで言うなら…見せてやるっ!」

同門「……」

召喚士「行けっ、コカトリス!!」

シュイイィン

南方参謀「出ました!こらが朱雀先生のコカトリスよっ!!」

同門「…くっ…はははっ!!」

召喚士「……!?」

同門「……行けっ」
105 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 23:34:17.29 ID:ZXTAwPIo
青年兵「え……っ…!?」

召喚士「い、今…なんて……っ?」

同門「聞こえなかったのか?もう一度言ってやろう……」

召喚士「そんな…馬鹿な…っ!!」

同門「行けっ、フェニックス!!」

青龍先生「なんじゃ…とぉ…!?」

シュイイィィン……キュイイィィ

同門の呼びかけに応じ、天高くより一筋の細い、灼熱の柱が降り立つ。

南方参謀「……っ!!」

ゴゴゴゴゴゴ…

炎はやがて塊りとなり、巨大な鳥の形を模し始める。

召喚獣フェニックス。灼熱の衣と羽を纏い、今降り立つ。

同門「師匠流が貴様だけと思うなよ…名ばかりの朱雀先生…!!」

召喚士「……フェニ…ックス!!」

二人の朱雀召喚士。その前方に、二匹の朱雀召喚獣が降り立った。
106 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 23:34:53.54 ID:ZXTAwPIo
ドドドドドド…

召喚士「……っ」

同門「……」

青龍先生「こいつは凄い戦いになりそうじゃの…」

南方参謀「会場……大丈夫かしら…っ」

同門「フェニックス。…やれ」

召喚士を睨みつけながら、同門が口を開く。その合図に呼応し、

フェニックスがゆっくり、ゆっくりとコカトリスへ近づく。

青年兵「な…何だ、あんなに遅くては…やってくれと言わんばかりの…」

召喚士「くっ!コカトリス!!」

コカトリス「おぉっ!!」

勇ましい雄叫びをあげ、コカトリスが一気に口から吐息を吐きだす。

ドドドドオオォォンッ!!……ゴアオオォォォォ!!

青年兵「直撃っ!!」

白虎嬢「でもぉ…様子が……」
107 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/02(月) 23:35:34.83 ID:ZXTAwPIo
ゴオオォォォォ!!

召喚士「バカ…な…っ!?」

石化の吐息を正面から受けるフェニックス。だが、その姿に変化は訪れない。

コカトリス「む…うぅ!!」

同門「くっははははっ!!」

召喚士「!?」

同門「知らんのか?フェニックスは不死鳥…無敵だ!」

右手を上げる同門を合図に、フェニックスが右翼を大きく前方へ羽ばたかせる。

ブオォッ!!……ゴアオオオォォ!!

コカトリス「ぐっ!!」

突風とともに激しい炎がコカトリスを襲う。間一髪コカトリスはそれを上空へかわした。

召喚士「む、無敵…って……」

同門「この俺様の魔力が続く限り、いかなる攻撃もフェニックスの前では無力っ!!」

青年兵「何て事…っ!!」

南方参謀「大変な事になりました!この戦い…どうなってしまうのか!?」
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 23:41:40.08 ID:3qDhxADO
ドSさん乙です!こんなところでお預けなんて・・・
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 23:42:31.23 ID:5ROuP3Yo
召喚士もフェニックス出せばまだいける!
目の前で召喚されたんだからいけるだろ?
昔、見ただけで召喚した経験あるんだし
でも、あのクラスになるとあっちの世界に行かなきゃいけないのかな?
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 23:43:52.91 ID:NXE7h.SO
コカトリスの生き別れの兄さん
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/03(火) 00:11:37.00 ID:rn9Bp.AO
これはいまだかつてないwktk感
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 00:13:29.02 ID:9MxqId2o
でもスフィンクスの時は見れなかったから召喚獣の世界に行ったと考えれば、
あるいはフェニックスを召喚できるかも……フェニックスの性質についても詳しいわけだし……
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 00:20:41.61 ID:5Zvf6aMo
何言ってんだ、この展開はコカトリスで戦うからこそ燃えるんだろうが
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/03(火) 00:24:24.13 ID:q20jlVwo
せっかくなのでここまでにしておきます。ご支援ありがとうございました!

>>99
そういえばこんなキャラっていないなー、みたいなカンジで適当に…
進めていくうちに好き勝手動いてくれてます!

>>100
そういえばいないですね…



〜オマケ(次回予告)〜

占い師「繰り広げられる召喚士同士の熱い戦い…」

占い師「そして…南東国へと集う一同達…!」

占い師「それは宿命、それとも……?」

占い師「次回、第309話【心のかたち、人のかたち】」

占い師「この次も、サービス、サービスゥ!」
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 00:24:58.15 ID:2xjRdPs0
え、まさかの急展開。
召喚フェスはギャグパートだと思ってたのに・・・
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 00:31:50.94 ID:9lUVZUAO
フェニックス対コカトリス

名前からしてフェニックスが勝ちそうだけど、使い手が頭悪そうだから召喚子ちゃんなら勝てるさ!頑張って!
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 03:20:53.10 ID:g.oqFoSO
なんなんだよこのなまごろしはよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおつ
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 06:29:53.88 ID:W1BwJkoo
フェニックスって第十部の師匠邸の書物にも書かれていたな。
そういやあれにはどの流派が持ってるか書かれてるとなっていたが…
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 07:19:33.34 ID:0f.eM6SO
同門さんなんだから師匠の兄弟子とかだろ
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 08:09:01.21 ID:uD/eC6w0
兄弟子がいたら、流石に顔見たらわかるんじゃない?
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 08:25:17.33 ID:XUBWJxMo
まさか師匠がアンデット化して・・・
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 08:30:24.72 ID:9lUVZUAO
いやいや、まてよ、師匠の兄弟弟子かもしれんぞ
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 09:11:17.98 ID:W1BwJkoo
1、師匠の兄弟弟子(最有力候補)
2、師匠の兄弟(おそらく見てもピンとこないほど顔が似てないから違う)
3、召喚士の兄弟子(師匠が召喚士にかまけたとかで飛び出していったとか)
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 09:18:48.73 ID:o2bSvl60
同門「そろそろ決めるかフェニックス…爆熱ゴッドフィンガー!!」
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 09:46:36.77 ID:xXu.FRUo
占い師が天国の師匠を、1日だけ下界に連れてくるんじゃね?
お面をかぶって頭の上に天使の輪を浮かべた師匠が・・・
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 10:00:56.55 ID:ygXjk7so
7人の召喚士が同調とか何かで神龍的何かを呼び出して
復活した師匠が・・・
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 11:16:42.87 ID:dktTiEI0
師匠の兄弟弟子だったけど師匠の師匠に破門されたとかよくあるパターン
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 11:21:58.38 ID:JlfBVOoo
俺の名を言ってみろ!
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 11:27:13.96 ID:ovMZ7EAo
黙れ
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 11:28:48.20 ID:xXu.FRUo
ケンs・・・?
おお!ジャギじゃねーか!久しぶりぃ!
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 12:37:34.00 ID:IoJ316AO
>>124
俺もそれ考えたww最近シュバルツとか出てくるしww
きっと審判は必要ない眼帯をつけているあの人に違いないww
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 13:51:34.43 ID:pt99tlco
>>124
同門の読みってドモンだったのか・・・

グーグルさんすげぇ
ドモンまでいれたらドモン・カッシュまででたwwwwwwwwwwwwwwww
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 16:28:44.78 ID:yqIzNWY0
審判「サモナーバトル レディ・ゴーッ!!」
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 16:55:13.96 ID:kQ4P.qs0
同門「石!」
召喚子「破ッ!」
二人「ラァブラブゥ!! 天驚ォ拳!!」

何も問題はないな
135 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:13:53.36 ID:skgF/Tgo
召喚士「……同流派で…フェニックスだなんて…っ」

同門「どうした?もう戦意喪失でもしたか…?」

召喚士「……まさか」

同門「それでいい…」

ザッ

同門「本気の貴様を倒し、この俺様こそが最強の朱雀と証明してやるっ!」

召喚士「……」

コカトリス「……召喚士」

召喚士「うん…。分かってる」

コカトリス「……」

召喚士「相手は最上位召喚獣…。でも……」

バッ

召喚士「俺と…コカトリスは絶対に負けないっ!」

コカトリス「……ふっ。強気だな」

召喚士「行くぞっ!」
136 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:14:32.60 ID:skgF/Tgo
ババッ…ドシュウゥゥ!!

同門「何度やっても無駄な事よっ!!」

突撃するコカトリスに対し、フェニックスも同様に迎え撃つ。

同門「喰らうがいいっ!灼熱の炎ーっ!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

コカトリス「はあぁーっ!!」

両翼を激しく前方へ振り、炎を巻き起こすフェニックス。

コカトリスは石化の吐息で石壁を作り出し、炎撃を防ぐ。

青年兵「流石はコカトリスッ!」

青龍先生「じゃが……」

同門「く…っははは!!そんな壁っ…時間稼ぎにすらならんわ!!」

ゴウッ!!……ドロオォォ…

召喚士「と、溶けていく…っ!」

同門「まだまだぁ!!」

ゴウッ!!
137 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:14:59.23 ID:skgF/Tgo
召喚士「っ!!」

南方参謀「激しい炎の攻撃…!召喚士選手、手も足も出なーいっ!!」

同門「トドメだ…!!」

同門は指をパチンと鳴らし、フェニックスへ合図を送る。

それを受けたフェニックスは両翼を大きく広げ、炎を更に燃えたぎらせ始めた。

南方参謀「ちょっと大きいわね…っ!魔道兵っ!!」

南方参謀の呼びかけで、数名の魔道兵が観客席の最前列へ並ぶ。

南方参謀「ご安心下さい!非常事態に備え、魔道兵が防御致します!」

同門「喰らえぇーっ!!」

ドゴウゥッ!!……ガオオォォォォ!!

青年兵「フェニックスが巨大な矢のように…っ!?」

白虎嬢「凄い熱量です〜!」

同門「くはははははあぁ!!かわせまいっ!!」

コカトリス「……?」

窮地にあってもなお、冷静な召喚士の様相をコカトリスは怪訝な表情で見つめる。
138 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:17:01.68 ID:skgF/Tgo
召喚士「…かわす必要はないさっ」

シュイィィン

同門「何ぃーっ!?」

青龍先生「ここで召喚解除か…!」

青年兵「ピンポイントのタイミング…修行の成果だ!!」

多量の炎を纏ったフェニックスの突撃は空振りに終わり、そのまま上空を旋回する。

召喚士「行けっ!スキュラ!!」

シュイィン

南方参謀「おぉっと!召喚士選手、ここでスキュラへスイッチ!」

同門「ス…キュラだとぉ!?何故、朱雀の貴様がスキュラなどと…っ!!」

召喚士「ん…っ!?」

ピクッ

召喚士(今…動揺と同時に魔力が減少したぞ…?)

同門「えぇいっ!スキュラだろうが何だろうが焼き尽くしてくれるわっ!!」

同門が右腕を一気に振り下ろすと、同時にフェニックスが上空より急降下を始める。
139 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:19:54.88 ID:skgF/Tgo
ギュオオォォッ!!

召喚士「スキュラッ!!」

地上で迎え撃つスキュラが、負けじと津波のような水撃を巻き起こす。

召喚士「どうだぁ!!」

同門「無駄だぁーっ!!」

ドジュウウゥゥッ!!

白虎嬢「一瞬で蒸発してしまいましたわぁ〜」

青年兵「玄武属性でも駄目なのか…っ」

召喚士「…くっそぉ」

更に急降下を続けるフェニックス。召喚士は慌てて指示を出し、スキュラを回避させる。

ゴアオオオォォ!!

南方参謀「スキュラの水撃も効かないっ!リング上には火の粉が降り注ぎますっ!」

召喚士「……」

同門「さて、もうネタも尽きたようだな…!……はぁ…はぁ…っ」

召喚士「…スキュラご苦労様」
140 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:20:32.40 ID:skgF/Tgo
シュイィン

召喚士「行けっ!スフ……ユニコーン!!」

シュイィィン

召喚士(スフィンクスはマズイ…!さっき出したばかりだしバレそうだ…)

南方参謀「おぉーっと、スキュラを戻し…今度はユニコーンへスイッチだぁ!」

同門「ユニコーン!?…な、何なんだ貴様はっ!!」

召喚士(やっぱり動揺して魔力が減っている…!ならば…っ!)

ユニコーンを見つめ召喚士が頷くと、ユニコーンも頷き返し勢いよく駆け出す。

同門「んなヤワな召喚獣が通用するかって……」

ゴゴゴゴゴゴ…

同門「……!?」

召喚士「……」

同門「な…なんだ…っ、この……威圧感…っ!?」

南方参謀「ど、どうしたんでしょうか!?同門選手の動きが止まったような…」

青龍先生「…ひょっひょっひょ!まさかここで…威圧とはのぅ…!」
141 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:21:42.03 ID:skgF/Tgo
召喚士(集中力を高めているから、相手の…魔力の流れが分かる…)

同門「う…っ……ぐ!!」

青龍先生「…フェニックス程の召喚獣を扱うには、相当の魔力を消費する」

南方参謀「……でしょうね」

青龍先生「あれだけ長時間、召喚し続け…攻撃しておるのだ」

召喚士(そろそろ魔力にも限界が見えてくるはずっ!!)

同門「え…えぇい!!そんな子供騙しでぇ!!」

ドドオオォォンッ!!

南方参謀「フェニックスが更に激しく燃え上がりますっ!!」

同門「当たれ当たれ当たれぇーっ!!」

ドウンッ!!…ドドンッ!!…ドゴォッ!!

飛び交うフェニックスから爆撃のように炎が降り注ぐ。

ユニコーンはそれを慎重にかわし、リング上に着弾した複数の炎が火柱を上げる。

審判「おっと…ぉ!あちっ!あちちっ!!」

同門「チョコマカとぉ…!おのれぇ、何故当たらんっ!!」
142 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:22:52.97 ID:skgF/Tgo
ユニコーン「そんなヘナチョコ…当たらないよーだっ!」

同門「朱雀最高位である…フェニックスだぞ…そんな事があってたまるかぁ…!」

召喚士「……ユニコーン」

ユニコーン「もう終わり?…はーい!」

シュイィン

南方参謀「さぁ、ユニコーンを戻した!お次は何が出るかっ!?」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

シュイィィン

南方参謀「おっとぉ…!?再びコカトリスが登場っ!!」

召喚士「最後は単純な力比べ…。これで終わりだ!」

同門「はぁ!…はぁ、はぁ…っ!」

南方参謀「同門選手、だいぶ息が上がっているようです…!」

青龍先生「使いすぎじゃよ…。魔力を……」

召喚士「コカトリス!!」

コカトリス「いくぞっ!!」
143 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:23:56.21 ID:skgF/Tgo
大きく羽ばたくコカトリス。それを見て慌ててフェニックスへと指示を出す同門。

二匹の召喚獣が、空中で睨み合う。

コカトリス「はあぁっ!!」

ドドオオォォンッ!!……ゴオオォォォォッ!!

青年兵「うぉっ!!」

白虎嬢「すっごぉい!」

南方参謀「強烈な石化ブレス!しかし…フェニックスも炎を放ち、応戦します!」

同門「う……おぉ…ぉ…っ!!」

召喚士「……っ!!」

ゴオオォォォォ!!

同門「どこに…そんな魔力が…魔力が…っ!!」

召喚士「……はぁ!!」

ドドオオォォンッ!!

南方参謀「コカトリスの攻撃が、更に勢いを増しましたぁー!!」

同門「ぐ…くく…っ!押……され…っ…」
144 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:24:37.61 ID:skgF/Tgo
男「なんて…戦いだっ!!」

観客「すっげ…すっげぇ!!」

同門「く…っそおおぉぉぉぉーっ!!」

ガオンッ!!

南方参謀「ブレスが直撃ーっ!!」

青龍先生「終わったの…。魔力枯渇じゃ……」

宙で燃えさかる炎は次第に縮小し、やがて会場から全ての姿を消した。

召喚士「……ふぅ…っ!」

コカトリス「我らの勝ちだ」

審判「勝者っ、召喚士ー!!」

ワアアァァァァ!!

青龍先生「敗因は魔力の無駄遣い…。直情的な性格が出てしまったのぅ…」

南方参謀「これで準決勝の4人が出揃いました!ここで一旦、休憩を挟みます」

同門「……ぐ…くく…っ」

召喚士「……」
145 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:26:15.47 ID:skgF/Tgo
タッタッタッタッタ

青年兵「召喚士さん、流石ですね!」

召喚士「ありがとう」

白虎嬢「でも、スフィンクスとは凄いですねぇ〜」

青年兵「いや…ベヒーモスも凄いと思いますが……」

ヨロッ…フラフラフラ

同門「……っ」

召喚士「あ…っ」

青年兵「何者なんでしょうね…?」

召喚士「……」

青年兵「召喚士さんと…同流派という事は……」

召喚士「ちょっと……ゴメン!」

タッタッタッタッタ

白虎嬢「あ…っ!」

リングを後にする同門を追いかけ、召喚士は通路を駆けて行った。
146 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:27:04.34 ID:skgF/Tgo
〜南東国、外れの港〜

船員「着いたぞー!」

盗賊「……ん」

船員「ここを西へ進めばすぐに東の街だ。でも、そこまでは面倒見れねぇ…」

盗賊「…分かってる…充分だ。…助かったよ」

船員「……お、おうっ」

盗賊「…じゃ」

盗賊は会釈し船員達へ別れを告げ、ゆっくりと歩き出す。

テクテクテクテク

盗賊「…南東国、か」

テクテクテク

盗賊(忍びの鉄則その壱、まずは情報収集!)

テクテクテク

盗賊(まずは東の街を目指し、ワークショップへ行く!…うんっ)

笑顔で頷く盗賊。夜道を一人、東の街へと急ぎ足で向かう。
147 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:27:46.40 ID:skgF/Tgo
〜東の街〜

盗賊「……えぇと」

キョロキョロ…テクテクテク

盗賊「…こっち…かな?」

テクテクテク…スッ

角を曲がろうとした矢先、人影が飛び出し盗賊は間一髪かわす。

盗賊「っ!!」

天才「おぉっと悪……あれ?」

盗賊「……あ…っ!!」

天才「…よく合うなぁ。何してんだ?」

盗賊「…え、えっとぉ」

格闘家「……」

天才「あ、そーだ。お前さん…暇かい?」

盗賊「えっ!?」

天才「暇ならナンパに付き合ってくれや!」
148 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:28:29.36 ID:skgF/Tgo
盗賊「えっ?え…っ!?」

天才「…はい、決まり!じゃあ早速…人目につかない所に移動して、中を見せてくれ」

盗賊「――っ!?」

格闘家「師匠…強引ですよ」

天才「早く早くっ!!」

グイッ

盗賊「あ、あのっ!ちょっ……」

半ば強引に腕を引かれ、盗賊は天才と格闘家に誘導され、街角へと移動する。

天才「そんじゃ、中身見せて貰うぞ」

グッ

盗賊「ちょ、ちょっとぉ…!!」

天才「うーん…ロクなもんねぇな。これなら大丈夫か…」

ゴソゴソッ

天才「……何だ…これ?」

盗賊「……えっと、マスク・ド・ジーニアスのサイ……」
149 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:29:18.29 ID:skgF/Tgo
ビリビリビリッ!!…ポイッ

盗賊「ン…うわああああぁぁぁぁ!!」

天才「……あん?そんなに大事なモンだったのか?」

盗賊「うわああぁぁ!!うわああぁぁぁぁー!!」

天才「それのせいで荷物かさばってんじゃねぇか!」

格闘家「……どうぞ」

格闘家より手渡された水筒を天才が受け取り、盗賊の荷袋へと詰め込む。

天才「…ほぉ、防水加工されてんのか。…良い物持ってるな!」

盗賊「…………」

格闘家「……放心状態ですね」

天才「あん?ま、いいや。これで準備完了!行くぞ!」

格闘家「……目星は?」

天才「とにかく南だ南っ!おら、行くぞぉ!!」

ペシッ

盗賊「は、はう…っ…」
150 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:29:54.94 ID:skgF/Tgo
〜南方、東の街〜

タッタッタッタッタ

召喚士「……」

控え室のドア前に立つ召喚士。ドアノブを掴みゆっくりと開ける。

カチャッ

召喚士「……あ、あの」

同門「……」

召喚士「……」

同門「…何だよ、嘲笑いにでも来たのか?」

召喚士「違います」

同門「……ちっ」

同門は舌打ちし、脇に置いた荷物を担ぎ上げる。

同門「……どけ」

スタスタスタ

召喚士「あ、あの…っ!」
151 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:30:54.38 ID:skgF/Tgo
同門「……」

召喚士の呼びかけに振り向きもせず、同門は控え室より立ち去る。

召喚士「貴方は何故、師匠流を…?」

ピタッ

同門「……師匠流…ねぇ」

スタスタスタ…

召喚士「あっ、ちょっと…!?」

タッタッタッタッタ

同門「あんだよ、しつけーな…」

召喚士「つ、つまり…同門さんも師匠の…?」

同門「俺の師匠はあんな腑抜けじゃねぇ」

召喚士「!?」

ザッ…

青龍先生「こやつは師匠はまた別におるよ。……な?」

召喚士「青龍…先生…!?」
152 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:59:23.23 ID:skgF/Tgo
〜南東国、南の山〜

タタタッ…シュバッ

盗賊「……あ、あのぉ」

天才「あん?」

盗賊「…これから…どこへ?」

天才「まーいいじゃないの」

格闘家「魔物の調査です。このまま南へ…」

天才「ってうぉい!なーに勝手にバラしてんだよ!?」

格闘家「いや…事情も分からず連れ回すのはどうかと……」

天才「けっ…。真面目なヤローだ事」

盗賊「…あの」

天才「今度は何だよ!?」

盗賊「…下着」

天才「ああ、かさばるモンは全部捨てた」

盗賊「へぇ!?」
153 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 17:59:54.59 ID:skgF/Tgo
〜南東国、東の街〜

魔道士「着きましたー!あぁ、久し振りー!!」

マジシャン「この何ともいえない独特の空気…。いいねぇ…ハッハ!」

魔道士「さて、どうしましょうか!?」

マジシャン「ひとまずワークショップ行ってみたら?」

魔道士「あっ!そうですね!!」

テクテクテク

マジシャン「なんか道が全部一緒で…分からん……」

魔道士「綺麗に区画整備されてますもんねぇ…」

マジシャン「それが華国の由来でもあって…本国も見習って欲しいよ」

魔道士「確かに本国とかは結構くねくねした道、多いですもんね…」

マジシャン「そうそう。年寄りにはなかなか……んっ!?」

魔道士「…どうしました?」

タッタッタッタッタ

マジシャン「……こ、これは…!!」
154 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:00:38.80 ID:skgF/Tgo
魔道士「……し、下着!?」

マジシャン「…相当のモンだぞコレ!!」

魔道士「や、やめましょうよっ…」

マジシャン「なんつうデカさ……」

魔道士「マジシャンさんっ!」

マジシャン「お…っと、それもそうだな……」

魔道士「全く…もうっ」

文句を言いながら、魔道士は下着をまとめ、道の端へ置く。

魔道士「…なんだか盗賊さんの下着みたい。ふふっ」

マジシャン「おっ、あったあった!ワークショップ!!」

魔道士「本当だ!」

マジシャン「見たかっ!このエロパワー!ハッハッハ!」

魔道士「威張る事じゃありませんよ…っ」

マジシャン「重要な事よ?…コレ。やっぱりそういう力が活力に…」

力説するマジシャンを横目に、魔道士はワークショップへと向かった。
155 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:01:26.03 ID:skgF/Tgo
〜ワークショップ〜

魔道士「こんばんはー!」

店員「いらっしゃいませ」

魔道士「手紙が来ているか…確認したいのですが…」

店員「はい。ではこちらの用紙に記入を…」

コトッ…スラスラスラッ

魔道士「はいっ、お願いします!」

店員「少々お待ち下さい」

テクテクテク

マジシャン「あー、俺のも頼む」



店員「お待たせ致しました。こちらが魔道士様、こちらはマジシャン様」

魔道士「あっ!!召喚士さんからだ!!」

マジシャン「おやぁ?急に赤くなっちゃってぇ〜」

魔道士「そ、そんな事ありませんっ!」
156 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:02:43.92 ID:skgF/Tgo


魔道士「へーっ、南方でカーニバルやってるんだぁ!」

マジシャン「あー、もうそんな時期かぁ」

魔道士「ねっ、私達も行きませんかっ?」

マジシャン「んー…。そうだな!せっかくだし…行ってみるか!」

魔道士「やったぁ!えへへ!!」

マジシャン「このまま南へ抜けて、南方に行きますかねぇ」

魔道士「マジシャンさんのお手紙は、どなたからです?」

マジシャン「ぜーんぶ国軍。やんなっちゃうよね全く…」

魔道士「お仕事ご苦労様ですっ!」

マジシャン「ハッハ……はぁ…」

魔道士「それじゃ……どうしましょう?」

マジシャン「飯食って、馬でも手配して南方に行きましょうか」

魔道士「そうしましょうっ!えへへ〜!」

マジシャンの提案に笑顔で答える魔道士。それを見てマジシャンも笑顔で返した。
157 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:11:19.19 ID:skgF/Tgo
〜南方、東の街〜

青龍先生「初代には二人の弟子がおってな…」

召喚士「二人…っ、ま…さか!?」

青龍先生「そう。一人がお主の師。もう一人は……」

同門「……」

青龍先生「もう一人の朱雀門弟…。お前はその息子じゃな?」

召喚士「っ!!」

同門「……ちっ」

青龍先生「儂も何度か会った事がある。ソックリじゃの…特に性格とか」

同門「何が言いたい…っ!」

青龍先生「直情的で真っ直ぐで……」

同門「やめろ…っ」

青龍先生「じゃが…その真っ直ぐすぎる気持ち、危うさも兼ね備えて…」

同門「やめろと言っている!!」

召喚士「……」
158 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:15:06.09 ID:skgF/Tgo
同門「……くっ」

青龍先生「フェニックスはお主が受け継いでおったのか」

同門「……おい」

召喚士「……?」

同門「今日は貴様に勝ちを譲ってやる!」

召喚士「……っ」

ザッ

同門「だが、この次は…必ず貴様を叩きのめす!!」

スタスタスタスタスタ

召喚士「……」

青龍先生「全く…。口の悪い輩じゃ……」

召喚士「先生は…ご存知なのですか?」

青龍先生「彼奴の事は知らん。じゃが、あの子の親、朱雀同門についてなら少しな…」

召喚士「お聞かせ…頂けませんか?」

青龍先生「構わんよ。……場所を移そうかの」
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 18:21:54.20 ID:9lUVZUAO
>>1

召喚士め…なに魔道士ちゃんに手紙なんてコジャレたもん送っているんだよ…
俺のラヴ・レターはいつ魔道士ちゃんに届くんだ…

それはそうと、いよいよ主人公のライバル的なキャラクターの登場か?
この調子でライバルパーティーとかも見てみたいきもするけど、魔道士ちゃんの出番が減ってしまうかもと考えると、少し考えるな…
160 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:26:43.71 ID:skgF/Tgo
〜町外れ〜

青龍先生「朱雀門弟は、それはもう、相当の使い手だったと聞いておる」

召喚士「……」

青龍先生「まぁそうじゃろ。あのフェニックスを専属にしちまったんじゃからの…」

召喚士「えぇ!?せ、専属に…っ!?」

青龍先生「うむ。…しかし己の力に慢心しておったのじゃろう。加えてあの性格じゃ…」

召喚士「…?」

青龍先生「同門ソックリじゃよ。感情的で熱くなりやすく…真っ直ぐな自信家じゃ」

召喚士「……」

青龍先生「悪いとは言わんが、あのタイプは何でも一人で出来ると思う節があるからの…」

召喚士「…なるほど」

青龍先生「朱雀門弟も同様じゃ。一人で魔王を倒せると豪語し…魔王へ挑んだそうじゃ」

召喚士「そ、それで…?」

青龍先生「……勝てると思うか?」

召喚士「…い、いえ…っ。無理です」

青龍先生「その通り。返り討ちにあって……死んだそうじゃ」
161 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:30:50.55 ID:skgF/Tgo
召喚士「っ!!」

青龍先生「一番悲しんだのは、お主の師であった」

召喚士「師匠…が?」

青龍先生「元より孤児。実の兄のように慕っておったからのう…」

召喚士「…そう…でしたか…っ」

青龍先生「それがおよそ25年前になる…」

召喚士「……」

青龍先生「師匠流というのは、元は初代朱雀の召喚術じゃ」

召喚士「……朱雀…先生の?」

青龍先生「うむ。コカトリスの継承とともに、師匠流へと姿を変えたのであろう」

召喚士「なるほど…っ。だから同じ流派なわけですね!」

青龍先生「そういう事じゃ」

召喚士「…そんな…歴史が」

青龍先生「てっきり知っているものと思っておったがの…」

召喚士「師匠の文献には一切載っていませんでした……」
162 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:34:50.48 ID:skgF/Tgo
青龍先生「……忘れたかったのかもしれんな」

召喚士「……そうかっ!!」

青龍先生「……?」

召喚士「だから師匠は……朱雀先生の名を…っ」

青龍先生「…名乗る事を嫌っておったな」

召喚士「ええ。きっと…師匠は……」

青龍先生「自分には相応しくない。朱雀門弟こそ二代目朱雀先生だ、と思っておったんじゃろ」

召喚士「……師匠…っ」

青龍先生「親子揃って惜しい逸材じゃよ」

召喚士「……」

青龍先生「あの若さでフェニックスを習得…。おそらくは専属じゃろ」

召喚士「…ええ」

青龍先生「あれで守りを覚えたら…とてつもない力を発揮出来るんじゃがの…」

召喚士「……」

青龍先生「さて、話はこんなもので良かったかの?」
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 18:36:28.64 ID:BuLng.so
泣いた
164 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:37:39.61 ID:skgF/Tgo
召喚士「はいっ。ありがとうございました!あとは自分で調べてみます!」

青龍先生「ひょっひょ。そういう探究心が更なる強さを生むのじゃ」

召喚士「はいっ!!」

青龍先生「…ところで、良いのか?」

召喚士「……へっ?」

青龍先生「時間。結構経っておるが……」

召喚士「――っ!!」

〜会場〜

南方弓長「ちょっと!どうすんのよっ!」

南方参謀「青龍先生もいないし…ほんとに困ったわね…」

審判「あのー、召喚子さんは失格という事で宜しいのでしょうか?」

南方参謀「……し、仕方ないわ!そうして頂戴っ」

審判「召喚子選手棄権につき、勝者、青年兵ーっ!!」

男「そ、そんなぁー!!」

観客「お、俺の……ぜぜ、全財産が……オワタ……」
165 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:42:11.71 ID:skgF/Tgo
青年兵「召喚子さん……何か…あったのだろうか…」

トボトボ

青年兵「あとで白虎嬢さんに伺ってみよう。うんっ!」

…タッタッタッタッタ

青年兵「あっ、召喚士さん!」

召喚士「ごめんっ!!」

タッタッタッタッタ…

青年兵「……ゴメン?」

タッタッタ…バンッ!!

召喚士「お、遅くなりました!」

南方弓長「もう棄権扱いで終わっちゃったわよ」

召喚士「……そ、そうですか」

南方弓長「どうせ負けるつもりだったんでしょ?いいじゃない」

召喚士「……」

南方弓長「ワザと負けるより、彼にとっても負い目がなくていいんじゃない?」
166 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:45:55.99 ID:skgF/Tgo
召喚士「…そうかも…しれませんね!」

南方弓長「…ま、その前に相手がいるでしょ?」

召喚士「あっ、そうだった!」

南方弓長「勝てば決勝よっ。頑張って!」

召喚士「ありがとうございますっ!」

タッタッタッタッタ

南方参謀「お待たせ致しました!準決勝二戦目、白虎嬢対召喚士を開始します!」

ワアアァァァァ

白虎嬢「負けませんよ〜?」

召喚士「……望むところです!」

男「朱雀先生だか何だか知らんが、負けろーっ!!」

観客「そうだそうだ!!棄権しろ、棄権ーっ!!」

老人「負けちまえーっ」

召喚士「……」

南方参謀「おーっと、会場からは激しいブーイングが飛び交っております!!」
167 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/03(火) 18:49:39.28 ID:skgF/Tgo
テクテクテク…ストッ

青龍先生「よっこらせ…っと」

南方参謀「先生っ!どこにいらしてたんですか!?」

審判「それでは……レディー、ゴーッ!!」

南方参謀「さぁ、いよいよ始めりましたっ!!」

白虎嬢「いらして、ベヒーモス!!」

シュイィィン…ゴゴゴゴゴゴ

南方参謀「出たーっ!白虎嬢十八番、ベヒーモスウウゥゥ!!」

ドズウウゥゥンッ!!

召喚士「…い、行けっ!コカトリス!!」

シュィィン

南方参謀「こちらも十八番のコカトリスで迎え撃つううぅぅ!!」

召喚士「た、頼むね…コカトリス」

コカトリス「……こ、これを相手にせねばならんのか…?」

召喚士とコカトリスは、眼前のベヒーモスを見上げ溜息をついた。
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/03(火) 18:52:13.26 ID:skgF/Tgo
これにて失礼致します!ご支援ありがとうございましたっ!ノシ

>>115-134
この流れ…笑いましたwwでも出遅れた感……
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 19:15:28.65 ID:kQ4P.qs0
乙!
わくわくが止まらないなあ
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 19:18:00.67 ID:Bf5Lr2AO
>>1
毎日wktkしながら読ませて頂いてます

夏バテにはお気をつけくださいまし
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 19:56:13.11 ID:0TIkvUDO
>>1
青年兵たいして魔翌力使ってないしなんだかずるい
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 20:23:06.81 ID:kOvA/oAO
なんか青年兵恋愛にトラウマ持ってそうだよな
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 20:35:40.87 ID:9lUVZUAO
>>1

観客に俺がいるんじゃないかと思うくらい観客と考えが一致している…
召喚士負けちゃえ!!!魔道士ちゃんは譲らないぞ
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 21:28:29.16 ID:ZSDTVv60
同門はライバルって感じのヤツだな
一匹狼な性格だがぜひパーティーを組んで召喚士パーティーとライバル関係を維持してほしい
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 21:58:53.48 ID:N0pnoZ2o
ネタベレ
もともとは召喚士と同一人物でのちに融合する
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 22:26:26.62 ID:9laXr6DO
召喚士ってはじめの頃魔翌力の低さがネックだったよな。
成長したんだな。
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 23:19:41.24 ID:9lUVZUAO
コカトリスも少量の魔翌力で渋々動いてくれてたし、
明らかになったか忘れたが、初代ユニコーンも魔翌力をほぼ喰わずに働いてくれたんだよな…

それが今じゃ…胸が熱くなるな
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 23:43:08.35 ID:vgIlcP6o
同門との共闘イベントとか考えたら胸熱
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 23:50:23.17 ID:MucEq1gP
初代ユニコの謎はいつ解けるんだろうな
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 23:51:45.30 ID:ovMZ7EAo
実は召喚士の親があの子をお願いって命を魔翌力に変えて初代ユニコを与えたんだよ
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 00:05:08.62 ID:EtAqYEDO
初代ユニコが肉親と関係あるというのは同意
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 00:10:01.23 ID:gp/gdcSO
>>179-180イイハナシダナーブワッ(顔文字略

>>175召喚士ライデインフラグ…?!
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 00:18:43.97 ID:p/avVcAO
肉親が肉体にみえた
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 01:49:03.89 ID:VCnDpS.o
処女の召喚士母と初代ユニコの間に出来たのが召喚士
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 02:26:21.89 ID:9GENx2DO
いい加減雑談無くならないのか?9月まで我慢とか耐えられん
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 02:44:16.65 ID:8Ty90YAO
そういうのはたとえ思ってたとしても言わないのが大人
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 02:55:15.66 ID:1LMCJakP
雑談まで耐えられないのか?スレに無関係の雑談が続いてるならともかく
全部内容に関する話じゃないか(ネタ談含む)

綺麗な感想と>>1乙しかゆるさないってんなら
まとめで詠むことをオススメする

SS以外の部分は目に入りにくくなってるし
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 04:10:34.89 ID:9GENx2DO
まぁそのネタ談がめんどくさいだけだから気にしないでくれ

リアルタイムで読むのが良いんだが
栞からレスが伸びてて>>1以外が埋めてるだけなのが多いからな
これはあぼんじゃどうしようもなくて困ってるだけ
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 05:32:38.33 ID:vEVDZkk0
雑談するのも勝手な都合、雑談を読みたくないのも勝手な都合

私は雑談したいです。

私は雑談を読むのが嫌いです。

それをわかった上で文句を言うのはありじゃないか?
雑談好きなやつも
別に>>185に従う必要はないけど、嫌いなやつがいるって頭の片隅においとけば
ハメ外しそうになったとき少しはセーブできるだろ?
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 07:25:21.24 ID:U/gmPoAO
>>188
気にしないでくれっていうぐらいなら書き込むなよ
「俺はリアルタイムで読みたいんだから>>1以外は書き込むな」ってか? 何様だよ

>>189
ハメはずすぐらいの雑談の流れって雑談ばっかり100も200も雑談が続くような事だろ。そんな事今まであったか? 今回はただの>>188の我が儘だろ
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 08:05:06.77 ID:3NtYW.AO
レスはいつもと同じなのに、長期休暇になるとウザイウザイ言い出すやつが現れるあたり…
夏厨がどちらかは明らかだろう
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 08:07:12.74 ID:TjviUgA0
雑談「もうやめて!私のために争わないで!」
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 08:22:45.59 ID:BNSjTPYo
>>1もモチベの元にしてるって言ってくれているし
極端な話、誰もレスしなければこの物語はもっと早期に
打ち切りになってた可能性だってあるんじゃねーの

そんなのはごめんだぜ
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 08:40:13.79 ID:U9tq1oDO
この会話は何ループ目なのだろうか……おぼろげになる意識のなか私はそれだけを思っていた
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 09:07:32.06 ID:QsmNaNko
また荒れてるし
おまえらもうやめろ
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 11:03:49.23 ID:ljtbS.AO
ちくわ大明神
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 15:46:50.18 ID:GqKUdPg0
ほらお前らがキャーキャー騒ぐから
>>196みたいなクソもしもしが沸いて出た


携帯はROMってろくそったれが
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 16:15:54.61 ID:8Ty90YAO
あなたも同類です
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 16:22:07.06 ID:EtAqYEDO
夏はスルー検定実施中なのでそこら辺お忘れないよう
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 16:26:13.35 ID:1LMCJakP
32レスもあったら更新したって思うよな・・・思うよな・・・
ちくしょう


>>197が携帯だったら完璧だた
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 16:40:44.88 ID:9GENx2DO
レスしてる奴スルー力付けれよ

ネタ談なんかしないで支援だけしとけば荒れる事も無いのにな
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 16:47:38.48 ID:IoB7vKAo
あーあ
一気に読みたいから専ブラでログ取るだけとって置いたらjaneのログ全部吹っ飛んだ……
読みたいSSは溜め込むもんじゃないねorz
203 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 16:48:42.88 ID:FzqidG6o
ズズウウゥゥンッ…

魔道兵「防御壁を張れっ!相殺用の魔法詠唱もだ!!」

南方参謀「さぁ、場内騒然となって参りました!」

白虎嬢「行きますわよ〜?」

コカトリス「…おい、どうするのだ?」

召喚士「魔力切れを狙いたいところだけど……」

コカトリス「先程の一戦で随分消耗した。こちらが先に枯渇しかねんぞ?」

召喚士「そこなんだよね……」

ジャリッ

召喚士「短期決戦でいくしかないっ!」

コカトリス「……だなっ!!」

バサァッ!!…バサッ…バサッ

白虎嬢「それっ」

キュイイイィィン……ボシュウウゥゥゥゥッ!!

コカトリス「!?」
204 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 16:49:20.72 ID:FzqidG6o
宙を旋回するコカトリスめがけ、地上より閃光が放たれる。

召喚士「回避っ!!」

コカトリス「おうっ!」

ヒュイイィィ……ヒュンッ!!

両翼を大きく広げ旋回するコカトリス。その背後を追うように閃光が走る。

南方参謀「凄い威力っ!しかしコカトリス、身軽にこれをかわします!」

白虎嬢「それなら…連発〜!」

キュイイィィ…ビビッ!!…バシュュンッ!!…バシュンッ!!

南方参謀「今度は小さいながら、ビームの連発っ!1」

召喚士「かわしきれるか…っ!?」

飛び交閃光を縫うように、コカトリスは器用に攻撃を回避する。

ダダッ

ボス「今の光は!?」

親衛隊長「おぉ…これはグレート!!」

番長「白虎最高位のベヒーモスを…いとも容易くっ!凄いでごわす…っ」
205 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 16:50:16.19 ID:FzqidG6o
召喚士「これじゃキリがないな…。コカトリス!!」

コカトリス「……?」

ヒュンッ…バサァッ

南方参謀「おぉっと!?地上に舞い戻ったコカトリス!一体どうするのか!?」

青龍先生「何か閃いたようじゃの…」

召喚士「いっけぇ!!」

ゴウッ!!

白虎嬢「!?」

南方参謀「なんとっ!正面きって突撃ーっ!?」

ボス「バッカヤロウ…!そんなんじゃ返り討ちに……」

青年兵「どうする気なのだろうか…っ」

白虎嬢「……それっ!!」

キュイイィィン

南方参謀「ベヒーモスの口内が光り輝くううぅぅ!!」

召喚士「間に合うか…っ!?いっけぇ!!」
206 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 16:51:41.14 ID:FzqidG6o
ゴウッ!!

コカトリスが更に加速を増し、ベヒーモスへと突撃する。

番長「どうするつもりでごわすかっ!?」

親衛隊長「これは…クレイジーッ!!」

しかしコカトリスが到達する直前、無情にもベヒーモスの口から閃光が発せられる。

ボシュウウゥゥゥウッッ!!

召喚士「く…っ!!」

南方参謀「おぉーっと!奇襲も空しくコカトリスが消滅ーっ!!」

会場からは消滅するコカトリスへ溜息がこぼれる。青龍先生と青年兵の二人を残して。

青龍先生「なんというタイミングじゃい…っ!」

青年兵「そんな…事まで…!!」

この時消滅したかに見えたコカトリス。だが…実際は違っていた。

青龍先生「閃光発射の…わずか刹那で…」

青年兵「コカトリスを戻し……」

ベヒーモス「……ッ!?」
207 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 16:53:15.32 ID:FzqidG6o
白虎嬢「え…っ!?」

ォォォォオオ

ボス「な…なんだぁ…!?」

観客「ベヒーモスが苦しんでるぞ!?」

青龍先生「再召喚させ、ベヒーモスの口内に突っ込みおった!!」

召喚士「コカトリスッ!!」

ベヒーモス「ゴアアァァァァーッ!!」

南方参謀「ど、どうしたのでしょうか!?ベヒーモスが悶え始め……」

ベキベキベキッ!!…ピシッ…

南方参謀「な、何っ?足元から急に…石化がっ!!」

青年兵「ベヒーモスの体内から…侵しているんだっ!」

ベヒーモス「…………!!」

ピシッ……パキィ

南方参謀「こ、これは一体どういう事…!?」

青龍先生「ベヒーモスの体内から、コカトリスが石化しておるんじゃよ…っ」
208 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 16:56:47.39 ID:FzqidG6o
南方参謀「な、なんとぉ!そんな事が可能なんでしょうか!?」

青龍先生「出来んよそんな事…。じゃが、それをやってのけた」

青年兵「召喚士さんだからこそ為せる技だ!」

白虎嬢「そ……そん……」

ビキィ…ピシッ…

白虎嬢「そ、そうだっ!召喚解除をしなくては…っ」

はっと気付き、白虎嬢は慌てて召喚解除を試みる。

白虎嬢「何で…何で召喚解除出来ないの〜!?」

青龍先生「石化の段階で魔力は残れど…召喚獣は役目を終えておる…」

召喚士「…コカトリス、ご苦労様っ」

シュイィンン

姿は見えないが、コカトリスは召喚解除されその姿を消す。

召喚士「行けっ!スフィンクス!!」

シュイィィン…ズズウウゥゥンッ

南方弓長「あら〜っ、無茶するわねぇ……」
209 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 16:58:03.75 ID:FzqidG6o
召喚士「もうバレても仕方ないっ!勝つにはこれしかないんだっ!」

南方参謀「ここでスフィンクスへスイッチー!!」

青龍先生「残された魔力を砕くには……」

召喚士「頼むよっ!!」

スフィンクス「はーいっ!いっくよぉー!!」

青龍先生「文字通り…石化したベヒーモスを砕くのみ!」

スフィンクス「はんまぁーぱーんちっ!!」

両手を組み、大きく振りかぶるスフィンクス。それを一気に振り下ろす。

ブオォッ!!……ゴッシャアアァァァァ!!

白虎嬢「きゃああぁぁっ!!」

南方参謀「スフィンクスの一撃により、ベヒーモスが粉々に砕け散ったぁ!!」

青龍先生「勝負あり…じゃな」

フラァ

召喚士「……っ!」

タッタッタ…ガシッ
210 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 17:10:10.01 ID:FzqidG6o
召喚士「…大丈夫…ですか!?」

白虎嬢「…魔力ゼロです〜。参りましたぁ〜」

審判「勝者、召喚士ーっ!!」

ワアアァァァァ!!

老人「こらぁ!白虎嬢ちゃんから手を離さんかいーっ!!」

観客「しねぇー!!この野郎!!」

南方参謀「残すところはあと一戦…。即ち決勝戦です!!」

召喚士「立てますか?」

白虎嬢「はいぃ〜」

テクテクテク

青年兵「……お見事です」

召喚士「ありがとう。いよいよ決勝だね」

青年兵「…はい。手加減はしませんよ…?」

召喚士「……もちろん!!」

通路で相見える二人は、にっこりと笑いすれ違った。
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 17:22:09.93 ID:ux2vOCQo
熱い
熱いぜ
熱くて死ぬぜ
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 17:26:02.97 ID:vEVDZkk0
何度もこの流れあったし、今回は言わせてくれ

>>187>>190>>193
雑談好きはいちいちまっとうに反論しなくていいんだよ
185は結局「俺は雑談嫌いだ」なんだから、そうですか。としか言えないだろ?
なら、そうですか!俺は好きです。でいいんだぜ
無視してスルーじゃない 何も言うこと無いないからスルー

俺は雑談も割かし楽しく眺めてるけど、雑談の是非で荒れるのは全く楽しくないよ
少しでもわかってくれたら、このレスもスルーして終了してほしい
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 17:27:54.49 ID:LNHNmASO
召喚士は自分の二戦+召喚子の一戦、しかも再召喚やスフィンクスまでも数回使ってる。
対する青年兵は最初の一戦のみで魔翌力の温存はバッチリと………どう転ぶかね?
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 17:33:07.15 ID:/phsIzUo
まどうしちゃんちゅっちゅとか俺のものとか言っちゃう奴だけ死に絶えれば荒れてもなんでもいいよ
そもそもVIPからきてるわけだし
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 17:35:59.47 ID:f0DyUyw0
いいじゃないVIPなんだもん
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 17:42:18.78 ID:jjGDl2I0
女戦士のSSの様に荒れなければいい。
あれは…酷かったから

1乙
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 17:42:54.61 ID:m.w85Moo
惑うしちゅっちゅがどうのこうのとか言ってるのは雑談じゃなくて独り言だしな
ただの荒らしと大してかわらんしスルーすればいいんじゃねえのか
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 17:43:50.78 ID:EtAqYEDO
まあ、なんにせよスルー検定実施中と言うことと、
書き手が書きにくくなるような展開になることだけはやめてくれ
ほどほどが大事なんだぜ
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 17:47:02.93 ID:/phsIzUo
まどうしたんちゅtっちゅ

おやこんなところにゴミが誰かもっていけよ

粗大ゴミに出してきますね

全員爆発しろ
220 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 18:09:23.37 ID:FzqidG6o
〜赤壁〜

南方司令「……」

カツカツカツ

南方魔道長「…行かないのか?」

城壁の上に座り夜空を見上げる南方司令に、南方魔道長は酒を手渡す。

南方司令「あん?」

南方魔道長「カーニバルですよ」

南方司令「そういうお前さんは行かないのかい?」

南方魔道長「ああいうの…苦手でね」

南方司令「お前らしいわ。はっはっは!!」

南方魔道長「こんな綺麗な夜空のひにゃあ…一人酒が一番ですよ」

南方司令「…それも悪くねえなぁ」

ザッ

南方司令「でもなぁ、こういう日ってのはなんか悪い事が起きそうだよ」

南方司令は立ち上がり、前方より駆けて来る一頭の馬を見下ろす。
221 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 18:10:41.76 ID:FzqidG6o
ドドッドドッドドッ

伝令「ご報告ーっ!!」

門兵「どうしたっ!?」

伝令「南にて魔物の大軍を確認っ!!」

タッタッタッタッタ

南方司令「何だとぉ!?種類と数はっ!」

伝令「数は不明…っ、多数である事は間違いなく……」

南方魔道長「……っ」

伝令「遠方からの確認ですが、おそらくはラクシャーサかと!」

南方司令「パズズじゃねぇ!ラーヴァナか!!」

南方魔道長「…このまま司令部へ伝令っ!」

伝令「りょ、了解っ!!」

伝令は馬首を返し、南方司令部へと馬を急がせる。

南方魔道長「各員、戦闘準備!」

南方司令「全くよぉ。祭りの度に…正義ってもんを知らねぇ奴らだ!」
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 18:11:09.45 ID:3NtYW.AO
>>1

青年兵は全然消耗してないみたいだしな…決勝戦は1日休んでから、とかもっと気の利いた進行したまえ南方司令部の諸君

てかコカトリスはそんなに小さいのか…むしろベヒーモスがそんなにデカいのか?
白虎嬢すごいな…
223 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 18:11:43.59 ID:FzqidG6o
〜南方、南の山〜

隊長「……」

ザッザッザッザッザ

男隊員「まるで密林だな。ヒルやら羽虫がウゼェ…」

女隊員「ここまで何も収穫なしッスね…。それに越した事はないッスけど」

戦士「ああ…」

隊長「もうちょい西寄りに行ってみっか」

男隊員「おいおい…。まーだ続けんのかよ…」

隊長「帰りがてらだよ。このまま南方司令部へ合流だ」

女隊員「よーし!もうひと踏ん張り、頑張るッスよぉ!」

戦士「おう!」

男隊員「へいへい……」

隊長「おらっ、次はオメーが先頭だ」

男隊員「へいへい……」

戦士と特殊遊撃強襲隊の三人は、森の中を更に西へ進む。
224 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 18:17:43.97 ID:FzqidG6o
〜南方、東の街〜

南方参謀「さぁ皆さんお待ちかねっ、召喚フェス決勝戦を行います!!」

ワアァァァァーッ!!

南方参謀「まずは一人目っ、国軍本部が誇る…若き士官!!」

ザッザッザ

南方参謀「青年兵いいぃぃ!!」

ザッ

青年兵「……」

南方参謀「対するは、数多の戦いでその名を轟かせる…若き朱雀先生!!」

ザッザッザ

南方参謀「召喚士いいぃぃ!!」

ジャリッ

召喚士「……」

リング中央に二人が向かって立ち、互いにじっと見つめあう。

審判「では…決勝戦っ、レディー……ゴーッ!!」
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/04(水) 18:37:52.33 ID:FzqidG6o
凄いレスの数に感謝です!とにかく、みんな仲良くワイワイ出来ればと思います!

ここで止めたら「ドS乙」って言われそうなのでもうちょい頑張ります!
226 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 18:43:30.46 ID:FzqidG6o
南方参謀「両者は顔見知りで、立場は違えど…互いに切磋琢磨してきた仲なのです!」

男「好敵手同士の一戦かぁ…」

観客「俺はもう興味ないけどね…はぁ…」

南方参謀「更に、先日まで青龍先生の下、修行に励んでおりました!そうですよねっ?」

青龍先生「わしゃ何もしとらんよ。彼奴らが二人で頑張った成果じゃ」

南方参謀「言うなれば弟子同士の戦いを見守る師匠…っ!」

青龍先生「無理に盛り上げるでない…っ」

召喚士「……小細工は無用…っ!」

青年兵「真正面からいきますよっ!!」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」

シュイィン

南方参謀「互いに十八番の召喚獣っ!!」

南方弓長「ゾクゾクするわね…っ!」

会場中の視線が、上空に現れた二匹の召喚獣に集まる。
227 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 18:48:35.90 ID:FzqidG6o
バサッ…バサッ…

召喚士(…そうは言っても…厳しいな)

青龍先生「召喚士は一回戦から常にフルパワーじゃ…」

青年兵「……」

青龍先生「それに加え青年兵はかなり余力を残しておる」

ボス「こりゃ朱雀先生……不利だな」

青年兵「ワイバーン!!」

ワイバーン「おうっ!!」

ワイバーンが反転し、一気にコカトリスへと猛スピードで迫る。

召喚士「迎え撃つさっ!!」

コカトリス「はあぁっ!!」

それに負けじとコカトリスも一気に加速し、召喚獣同士が激しくぶつかり合う。

召喚士「…ぐっ…うぅ!!」

青年兵「くぅ……っ!!」

南方参謀「初撃は互角っ!どちらが先手を取るのかーっ!?」
228 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 18:55:06.97 ID:FzqidG6o
召喚士「いっけぇ!!」

青年兵「っりゃあぁ!!」

ぶつかり合う二匹。互いに態勢と建て直し、先ずはコカトリスの毒尾が伸びる。

ヒュオッ!!

ワイバーン「……っ!!」

身体を捻り回避するワイバーン。すかさず自身も尾を左方より掘り回す。

コカトリス「はぁ!!」

ワイバーンの尾撃をものともせず、コカトリスは再び尾を伸ばし、それを払いのける。

バシイイィィッ!!

南方参謀「二匹の尾がぶつかり合い、互いを弾きます!これもまた互角ーっ!!」

親衛隊長「た、互いに隙が…ナッシングです!」

番長「これが…一流の戦いでごわすか…っ」

召喚士「流石だね…っ!青年兵くん!」

青年兵「召喚士さんこそ!まだこれ程、力を残しているとは…!」

両者が口元を緩め笑みを浮かべる。その脇へそれぞれの召喚獣が舞い戻った。
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 20:20:49.29 ID:QsmNaNko
>>1

それと嫁発言して悪かった
すまん・・
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 20:23:13.58 ID:U9tq1oDO
ドS乙っす〜
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 21:59:28.98 ID:f0DyUyw0
ドS乙だぜ

>>222
多分ベヒーモスがでかいんじゃないか?
オレの中ではベヒーモス=スフィンクス>>最上級の壁>>フェニックス>コカトリス=ワイバーン>>上級の壁>>ユニコーン達 なんだが

フェニックスってなんか小さいイメージがあるな
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 22:00:19.80 ID:CCJAkkoo
バハムートはスフィンクスとかより大きなイメージ
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 22:14:17.80 ID:DQU9woAO
ここでじらしてくるのか

まさにドS乙
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 22:26:59.82 ID:bbkliUY0
>>1

俺はこの物語を完結まで読みたいと思ってる
だから魔道士チュッチュもある意味作品に対する愛情表現だし>>1にとって続ける力になるなら良いと思う
ただ読者同士で争うのは>>1が一番嫌がる事だからこのまま続けば続ける気力が失せるかもしれない
だったら気持ち悪いと思っても我慢するかまとめを見ればいいのに
支援だけしろって人もいるけど>>1以外のレスがCだけしか書いてなかったら書く側だったらヤル気失せると思うぞ
自分の考えがどの分類に入るかを踏まえて発言した時の行き着く先を想像して欲しい

荒らしてこの物語を打ち切りにしたいって人以外は自分の取るべき行動がわかるだろ?
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 22:29:45.98 ID:/phsIzUo
>>234
長いです
荒らししないでください
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 22:31:18.57 ID:7KRVBQ20
いちおつ。
出張から帰ってきて、やっと読めるぜ。
しかし相変わらずのSっぷり。
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 22:38:00.67 ID:StW5UwAO
これに触発されてWIZを召喚士中心でやったがここの召喚士ほど活躍できなかった
召喚士すごいわ
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 22:50:31.24 ID:Id3mDGA0
>>1乙!
周りの観客の変化がなんかいいな
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:10:37.27 ID:k72RicE0
どS乙!
>>231
召喚士「相手は最上位召喚獣…。でも……」

バッ

召喚士「俺と…コカトリスは絶対に負けないっ!」

つってるからフェニクスは最上位では?
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:21:51.53 ID:CCJAkkoo
サイズの話じゃないの?
241 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 23:43:27.23 ID:hbGxshco
南方参謀「両者、召喚獣を自分の傍へと戻しました!!」

ボス「ど…どうする気なんだっ!?」

シュイィン

番長「一旦…召喚獣を戻した…っ!?」

親衛隊長「ホワッツ!?」

青龍先生「次が…最期じゃ……」

召喚士「……」

青年兵「……」

ババッ……スタッ

南方参謀「召喚士選手、青年兵選手ともに…シンルの端まで間合いを取りましたっ!」

召喚士と青年兵が一旦目を瞑りゆっくりと深呼吸をする。そして目を見開くと同時に…叫んだ。

青年兵「出でよっ!」

召喚士「……行けっ!」

青年兵「ワイバーンッ!!」

召喚士「コカトリスッ!!」
242 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 23:44:26.62 ID:hbGxshco
シュイィン……ゴウッ!!

白虎嬢「…きゃ…っ!!」

南方参謀「召喚と同時にっ、二匹は勢いよく空へっ!!」

観客「すっげぇ風だ…っ!!」

ゴウッ!!……ドシュウゥゥ!!

南方参謀「竜巻のような風とともに、きりもみ状態で上空へ…!そして激突ーっ!!」

まるで防御の様子もなく、コカトリスとワイバーンが牙を剥き出し攻撃する。

コカトリスの右足がワイバーンをえぐり、ワイバーンの尾がコカトリスを殴り飛ばす。

男「す……すげぇ…っ」

召喚士「おおぉぉ!!」

青年兵「はあぁーっ!!」

互いの牙が互いの背へと突き刺さり、二匹の召喚獣がもつれ合う。

コカトリス「ぐ…っ!ぬぬ…っ!!」

ワイバーン「……くおぉ…っ!!」

南方参謀「両者全く譲らないっ!なおも攻撃が続きますっ!!」
243 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 23:44:53.77 ID:hbGxshco
南方弓長「なんてハイレベルなの!二人とも……!!」

青龍先生「……じゃが…っ」

グググッ

召喚士「……!?」

青年兵「はああぁぁっ!!」

コカトリス「…押されて…ッ!?」

召喚士「ぐっ…しまった!ま、魔力が……っ!!」

南方参謀「コカトリスが押され始めたっ!召喚士選手これまでか!?」

召喚士「まだ……まだぁ!!」

食らいつくコカトリスの口内が冷たく光り輝く。

青年兵「しまった……っ!!」

召喚士「いっけぇーっ!!」

コカトリス「うおおぉぉ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオオォォ!!

南方参謀「出ました!!必殺の石化ブレスウゥゥ!!」
244 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 23:45:23.17 ID:hbGxshco
青年兵「――っ!!」

それは意識の内か、それとも無意識か…。

コカトリス「バ…バカなっ!?」

召喚士「っ!!」

石化の吐息を放たれたワイバーンの姿が、その場より消失する。

青龍先生「ここで…再召喚じゃとぉ…っ!?」

青年兵「出でよーっ!!ワイバーンッ!!」

シュイィン

ワイバーン「終わりだっ!!」

召喚士「よけ…駄目だ!間に合わ……」

再び姿を見せたワイバーン。その大きく開けた嘴より豪炎が発せられる。

ドボォッ!!……ガオオオォォォーッ!!

コカトリス「ぐ……ぬああぁ!!」

召喚士「ぐっ……ああぁぁーっ!!」

オオオオォォォォ…
245 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:45:40.80 ID:CCJAkkoo
ここでスフィンクスですね
246 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/04(水) 23:46:01.67 ID:hbGxshco
召喚士「コ……カト…」

フラフラッ

コカトリス「……駄目…か…っ」

シュィィン

召喚士「………っ」

ドサァッ…

ワイバーン「……」

青年兵「はぁ…っ…はぁっはぁっ……!!」

青龍先生「……」

南方参謀「……っ」

南方弓長「……」

白虎嬢「…………」

審判「……勝者っ!!青年兵ーっ!!」

南方参謀「ゆ…優勝は…っ、青年兵選手ーっ!!」

ワアァァァァーッ!!
247 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:48:38.30 ID:3NtYW.AO
>>1

修行編も良かったけど、やっぱりこうやって戦ってるときは素晴らしく楽しいな
しばらくおとなしかった敵も動きはじめちゃったし…
てか、天才達が何をやりたいのかが全くわからない…虱潰しに魔王の巣でも探してるのかな?
248 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 00:08:29.95 ID:VaSAb6AO
>>1おつ

魔翌力不足とはいえ召喚士に勝っちゃう元モブキャラの青年兵さんマジパネェ
249 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 00:11:24.14 ID:c.TT12AO
あのサラマンダーパクられるだけで終わりかと危惧されていた青年兵が主人公に勝ってしまいました
すげー
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 00:18:09.91 ID:nIfaMQDO
>>1
なにこのスゴいがっかり感w
主人公に感情移入しすぎてしまってる
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 00:19:48.35 ID:lk4.AQwo
青龍先生候補なんじゃね?
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 00:19:52.28 ID:dCN5dTc0
>>250
俺もだww
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 00:22:53.35 ID:Vt.285k0
>>247
読み返せばわかるよきっと。
254 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 00:25:59.06 ID:7VKPRFko
青年兵「勝…った……」

ワイバーン「見事であったぞ…。青年兵…」

青年兵「ワイバーン……」

ヨロッ…テクテクテク

召喚士「……完敗だ、青年兵くん…っ」

青年兵「召喚士さん……」

召喚士「最後の一撃…。とてもじゃないがかわせなかった」

青年兵「…………」

召喚士「……青年兵くん?」

青年兵「召喚士さんは…前の二戦でかなり消耗していました」

召喚士「……」

青年兵「ましてや僕は、ほぼ全快…。そんな状態で戦って…勝ったとしても……」

召喚士「それは違うよ。確かに今回は、そういう形になった…」

青年兵「……」

召喚士「でも、それでって力さ。言うじゃない、運も実力の内ってさ…!」
255 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 00:30:51.93 ID:7VKPRFko
テクテクテク

青龍先生「その通り。勝ちは勝ちじゃ」

青年兵「青龍先生……!」

青龍先生「あの召喚解除は見事であった」

召喚士「うん。まさかあそこで消されるとは思わなかったよ」

青年兵「咄嗟でした…。それに、僕には一つの言葉がずっと…頭に焼きついてますから」

召喚士「言葉……?」

青年兵「はい。…『勇敢と無謀を履き違えるな』って。この差が好機を生んでくれたんだと思います」

青龍先生「…うむ。無謀な突撃を避け、勇敢に状況を判断したわけじゃな…」

召喚士「そうかぁ…。俺も心がけてはいるんだけど……」

南方参謀「我らが国軍の力の源…だもんねっ!」

召喚士「さっきも言ったけど、最後の一撃…多分、魔力が残っていてもかわせなかったよ」

青龍先生「あの炎は素晴らしかった。威力、タイミング…速度、申し分なしじゃな。ひょっひょ!」

青年兵「先生…っ」

南方参謀「修行の成果ってやつね!うふふ!」
256 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 00:34:52.98 ID:7VKPRFko
青龍先生「朱雀先生の石化も、見事であったぞ?」

召喚士「いえいえ…。当たらなければ意味はありませんよ」

青龍先生「おや…?気付いておったと思ったがのう…」

召喚士「……へ…っ?」

青年兵「……あれを」

青年兵はワイバーンの右翼を指差す。

南方参謀「翼が……石化して…っ!?」

青龍先生「そうじゃ…。当たってはいた。じゃが、青年兵の解除が完璧じゃった」

青年兵「本当に間一髪でした…」

召喚士「そっかぁ…」

南方参謀「……さっ!表彰式よ!二人とも来て頂戴っ!」

召喚士「…はい!行こう、青年兵くん!」

青年兵「はいっ!!」

青龍先生「ひょっひょっひょ!良きかな良きかな!」

ふらつく召喚士の腕を掴み、自分の肩へ回す青年兵。その光景に会場中から歓声と拍手が沸き起こった。
257 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 00:45:45.39 ID:7VKPRFko


南方参謀「それではこれより、表彰式を行います!」

ワアァァァァ!!

青年兵「……」

召喚士「どうしたの…?」

青年兵「あ、いえ…。召喚子さんの姿が見えないなぁと…」

召喚士「っ!?」

青年兵「白虎嬢さん…!」

白虎嬢「はい〜?」

青年兵「あの、召喚子…お姉さんはどちらに…?」

白虎嬢「あぁ〜。えーっと…具合が悪いと先に戻りましたわ〜」

召喚士(ナイス!!白虎嬢さんっ!!)

青年兵「ご自宅ですか?宜しければお教え……」

白虎嬢「それが、もういないんです〜。ワーカーとして旅してるようでぇ…」

召喚士は思わず右拳を握り、小さなガッツポーズをした。
258 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 00:49:52.91 ID:7VKPRFko
南方参謀「準優勝は召喚選手ーっ!」

召喚士「はいっ」

ワアァァァァ

観客「ま、何だかんだ凄かったぜーっ!!」

男「次は一回戦で負けちまえーっ!!」

青龍先生「修行の成果、しかと見させて貰ったぞよ」

召喚士「これもひとえに、先生のお陰です!」

南方参謀「そして優勝は…青年兵選手ーっ!!」

ワアアァァァァ!!

青龍先生「おめでとう。お主は国軍…青龍召喚隊の誇りじゃ」

青年兵「ありがとうございます!」

ボス「次は…負けねぇかんな!」

番長「召喚子さん……」

親衛隊長「…しつこいメンはレディに嫌われますよ?」

南方参謀「これにて表彰式を終了と致します!!」
259 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 00:53:14.32 ID:7VKPRFko
ワアァァァァ!!

南方参謀「賞品とかはまた後ほど授与するから」

召喚士「そんなものもあるんんですか?」

南方参謀「うん。さぁ…二人とも最後に正面で握手して!」

青年兵「はいっ!」

召喚士「青年兵くん、おめでとう!」

ガシッ

召喚士と青年兵がステージ中央で固く握手をする。……その時。

ドオオォォォォンッ!!

青龍先生「ひょえ…っ?」

観客「おぉ!花火とはこれまた…!!」

男「花火…かぁ?」

南方弓長「……あ、あれ…っ!!」

南方参謀「な、なに…!?南の空が…赤く…っ!!

召喚士「……空が…燃えてる…っ!?」
260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 00:55:43.03 ID:c.TT12AO
>>253
そうか…ここ最近、ますます私の頭の中の消しゴムが仕事しちゃって、片っ端から記憶飛んじゃうんだよね…
ありがとう、読み直してみるよ
261 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 00:57:39.43 ID:7VKPRFko
〜南の森〜

隊長「何だっ!?今の音……っ!!」

戦士「分かんねぇ…!だが、爆発音みてぇな……」

女隊員「隊長っ!!左の山っ!!」

男隊員「……南側だな…っ。何だよありゃあ…!!」

隊長「山が…燃えてる……?」

〜南東国、南の道〜

魔道士「マ、マジシャンさん…!!」

マジシャン「遠目にも分かる…!山が燃えてやがるっ!!」

魔道士「あ…あれは一体…!?」

マジシャン「……ちくしょう、嫌な予感がするぜ…っ!」

〜南方、南の山あい〜

盗賊「……っ!!」

格闘家「師匠!」

天才「……ビンゴォ!!」
262 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 01:01:36.92 ID:7VKPRFko
盗賊「…あ、あれは一体!?」

天才「それよりも…こっちが先だ!」

盗賊「!!」

ザザッ…ガサッ

天才「……ラクシャーサか。狙いとはちと、違うな…」

ラクシャーサ「何だ…?人間……?」

天才「コイツらは元々ここらの魔物。地図の奴らとは違う…」

ラクシャーサ「何をブツクサ……」

ザシュッ

ラクシャーサ「え……っ」

天才「だが敵には違いねぇ。片っ端からブチのめすぞ!!」

格闘家「……了解」

盗賊「……ああ!」

ラクシャーサが身構えると同時に、三人は分散し、一気に攻撃態勢へと移る。

天才「さぁて、かかってきやがれっ!はーっはっはっは!!」
263 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 01:06:17.66 ID:7VKPRFko
〜南の森〜

隊長「発行弾っ!!」

女隊員「はいッス!!」

男隊員「…気付いてくれよぉー!」

戦士「……!?」

バシュッ………ドオオォォンッ

勢いよく打ち上げられた発行弾は、白い帯を引きながら光を放つ。

〜赤壁〜

南方司令「発行弾かっ!識別信号は…!?」

南方魔道長「………白の一!」

南方司令「…おいおい…特殊遊撃かよっ」

南方魔道長「…そんなのまで動いているとは…厄介かもしれませんな?」

南方司令「…・・すぐに戦闘準備へ入れ!出撃するぞっ!」

南方魔道長「…了解」

南方司令「悪党どもめ…!この俺が…許さんっ!!」
264 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 01:13:21.30 ID:7VKPRFko
〜火焔山〜

ネクロマンサー「ククッ…。人間どもはカーニバルの最中らしいですねぇ」

――「…カーニバル?ああ、祭か」

ネクロマンサー「我ら、水を差してしまいましたかねぇ…」

コツコツコツ…

羅刹女「いいじゃないのさ、私達も参加しましょ。そのカーニバルとやらに…」

ネクロマンサー「……クククッ」

羅刹女「ねぇ、あんた?」

ネクロマンサー「…だ、そうですよ?牛魔王様…」

牛魔王「元よりそのつもりよ…グハハハハッ!!」

ネクロマンサー「では私も…一つ戯曲など演じて参りましょうか…ねぇ?」

騎都尉「……」

羅刹女「アンタらも…ね」

金角「助けて頂いた恩は必ず…!」

銀角「この命に代えましても…!!」

ネクロマンサー「……面白くなってきましたねぇ。ククッ!!」

白い一筋の発行弾はカーニバルの終わりを告げ、新たな戦いへの狼煙として暗い夜空へ消えていった。

〜第二十部、完〜
265 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 01:14:09.31 ID:lk4.AQwo
266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/05(木) 01:14:33.97 ID:7VKPRFko
だいぶ時間かかって申し訳ありませんでしたー!
二十部これにて終了です!二十一部は皆さんお待ちかね(?)の…

それでは、おやすみなさいです!ノシ
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 01:18:53.56 ID:.6WTegSO
また生殺しかよぉぉぉぉぉドS乙!
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 01:22:41.28 ID:c.TT12AO
>>1

お待ちかねの………魔導師ちゃんか!!魔導師ちゃんの活躍の場なのか!?
最近は修行とは言え、若干楽しちゃってた魔道士ちゃんのやっと引き締まった凛々しい姿が見れるのか
楽しみだな
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 01:23:50.54 ID:lk4.AQwo
魔導師(87)は亡くなられました
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 01:24:51.84 ID:FDBSK1.0
今日は長いことお疲れ様です!
一日の更新量てきには、今日はかなりボリュームあった!
ありがとう。1乙
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 02:58:39.55 ID:8hF.yXko
やっぱり溜めてから一気に読むと面白いなー
>>1
今回は南で大きな戦闘があるのか…
三蔵法師一行は出ないかもしれんが…良い魔物軍団出るかなーと期待してみる
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 04:16:52.33 ID:pDPcxMSO
>>1
皆が一同に集まるのか…胸熱
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 06:36:04.78 ID:n1yHmeUo
しかし、呪われてるのかね?祭りのたびにこんなことに
274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 07:17:16.66 ID:Vt.285k0
俺魔王軍だけど、祭りの事とか何も聞かされてない。
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 07:24:18.54 ID:8hF.yXko
祭りだからこそ襲うんだろjk
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 07:32:11.62 ID:eMpWe0.0
金と銀復活か
一瞬金角が牛角に見えた
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 08:01:51.29 ID:c.TT12AO
芭蕉扇で会場のお姉さま方のスカートをめくりに来たのですね…
金角、銀角め俺も混ぜろ…ギギギ……
278 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 08:05:10.94 ID:ZN9SM0A0
牛魔王って魔王ではないんだよね?
279 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 08:58:23.78 ID:9.h2NDs0
きっと戦闘好きの娘がいて
尻尾生えたガキとその娘が結婚して
いいパパになるよ
280 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 10:46:43.53 ID:cVU2QwDO
>>1乙!
21部ははじめから盛り上がりそうな雰囲気だな。
wktkして待ってるよ!


あと、>>242の白虎嬢「…きゃ…っ!!」は風でスカートがめくれたからだと信じてる。
281 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 10:52:31.04 ID:kheo5KEo
金銀角の全快には数年かかるという話だったから、
今の召喚士たちに瞬殺されそうな雰囲気。
282 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 17:59:32.81 ID:H7ixxeco
今日は忙しいのかな?
283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/05(木) 18:15:38.06 ID:ZFW2LjAo
すみません!なんだかとてつもなく忙しく…orz
ちょっとだけ…↓続き
284 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:16:19.78 ID:ZFW2LjAo
〜南方司令部〜

南方兵「副司令っ!赤壁より伝令です!」

南方副司令「通せ!」

南方兵「はっ!」

南方副司令(さっきの爆発と何かか関係が…?まぁそう判断するのが妥当か…)

タッタッタ

伝令「赤壁よりご報告っ、南にて多数の魔物を確認っ!」

南方副司令「先程の爆発と関係が…?」

伝令「い、いえっ。それより以前の出来事にて…!」

南方副司令「……分かった。ご苦労!」

伝令「はっ!」

タッタッタ

南方兵「副司令っ!」

南方副司令「何だ、次から次へと……」

南方兵「本部より伝令ですっ!」
285 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:17:29.20 ID:ZFW2LjAo
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
    〜第二十一部〜
286 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:18:15.17 ID:ZFW2LjAo


南方副司令「……」

南方兵「……」

南方副司令「…特殊遊撃が動いているそうだ」

南方兵「本部の支持…は…?」

南方副司令「一任するってよ。これだから机上組は…。だが、今回はラッキーだ」

南方兵「い、いかが致しますか!?」

南方副司令「国軍関係者…それから、朱雀先生を司令部へ連れて来いっ!」

南方兵「了解っ!」

南方副司令「…あー、ちくしょうっ!」

ガンッ!!……ガラガラッ

南方兵「……っ」

南方副司令「全く…損な役回りだ!呪われてるんじゃないのか…?」

南方兵「お、お気持ちは分かりますが…本部にもきっとお考えが…」

南方副司令「そっちじゃねぇ!明日のカーニバルは中止だ、クソッ!」
287 :>>285間違えたああわわ ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:19:03.04 ID:ZFW2LjAo


召喚士「行けっ!コカトリス!!」
    〜第二十一部〜
288 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:19:31.93 ID:ZFW2LjAo
〜会場〜

魔道兵「落ち着いて下さい!外へ出るより会場内の方が安全です!」

観客「んな事言ってもよぉ!魔物が来るんじゃないのかっ!?」

男「そうだっ!家に帰らせてくれぇ!!」

老人「お、押すでない…!」

南方弓長「ちょっと、落ち着いて…っ!国軍の指示に従って下さい!」

青年兵「一体…何が起きて……」

青龍先生「おそらくは魔王軍の仕業じゃて…」

召喚士「……っ」

タッタッタッタッタ

南方兵「国軍関係者は司令部へお戻り下さいっ!!」

南方参謀「!?」

南方弓長「…私が残ります!皆さんは司令部へ…!」

南方参謀「…頼むわっ!!」

南方弓長「押さないで下さい!すぐに誘導しますから!」
289 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:20:13.49 ID:ZFW2LjAo
〜南方司令部〜

タッタッタッタッタ

南方参謀「ごめんなさいっ、遅くなったわ!」

青龍先生「老人を走らせるでない……」

南方副司令「赤壁、それと…本部から伝令だ」

尖った口調で話す南方副司令は、本部からの電報を南方参謀へ渡す。

南方副司令「赤壁の南にはラクシャーサらしき大軍を確認だそうだ」

召喚士「ラクシャーサ…!」

青年兵「南…。先程の火の手があった方角ですね……」

南方参謀「……朱雀先生」

召喚士「…は、はい?」

南方参謀「読んで頂戴」

召喚士「……はい」

カサッ

召喚士「……っ!!」
290 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:20:47.97 ID:ZFW2LjAo
青年兵「…ど、どうしたんです?」

南方参謀「特殊遊撃が、南東国で怪しげな話を耳にした…って」

青龍先生「怪しげ…?」

南方副司令「ああ。亡霊騒ぎからアンデッドじゃないかって…」

召喚士「…戦士…騎都尉…?」

南方参謀「朱雀先生なら何か分かるんじゃない?」

青龍先生「此度の騒動と関連性があるやもしれんのう…」

南方副司令「どうする?」

南方参謀「もちろん動くわよ。赤壁まで進軍しましょ」

召喚士「俺も行きます!」

南方副司令「今回はラッキーな事に……」

南方副司令はちらりと青龍先生と青年兵を見る。

青龍先生「……人使い粗いのぅ」

青年兵「もちろん…行きます!」

南方参謀「……すぐに支度を整えて頂戴っ」
291 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:21:31.92 ID:ZFW2LjAo
〜南東国、南国境付近〜

魔道士「今の…信号ですか…!?」

マジシャン「…ああ、白い発行弾が一発。特殊遊撃だ」

魔道士「特殊…って……」

マジシャン「…?」

魔道士「戦士さん達っ!?」

マジシャン「…ああ。そういう事」

魔道士「……っ」

マジシャン「…よし、奴らに合流しよう!」

魔道士「…はいっ!」

マジシャン「位置は把握してるな?」

魔道士「…はい。大丈夫です!」

マジシャン「よっし…。急ぐぞっ!!」

魔道士「はいっ!!」

マジシャン「どこもかしこも戦、戦…。世も末だねぇ…」
292 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:21:59.07 ID:ZFW2LjAo
〜南方司令部〜

南方参謀「準備いいわねっ!?」

青年兵「いつでも!」

南方副司令「出るぞ!!」

召喚士「…はい!」

司令部前に並んだ騎馬。一同が一斉に馬を進める。

ドドッ…パッカパッカパッカ…

南方副司令「……ん?」

召喚フェス会場の前に群がる人々。国軍の兵が懸命になだめ、誘導している。

しかし突如の混乱に、会場は騒然とし、通行を妨げる。

南方副司令「…えぇい!何をしているっ!」

南方弓長「いいところにっ!ちょっとどうにもならないわよコレ…」

観客「だから、どこに避難すりゃいいんだよ!」

男「とにかく…家に帰らせてくれ!」

青龍先生「どうするんじゃい?」
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 18:22:11.43 ID:c.TT12AO
>>1

最近の楽しみの中に、章始めのどのタイミングでタイトルが出てくるかワクワクしながら読む。
と言うのが有る
294 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:28:50.48 ID:ZFW2LjAo
南方参謀「…仕っ方ないわねぇ!」

トスッ

南方参謀「……各自、避難を許可するわっ」

男「か、帰れるんだなっ!」

南方参謀「但し、この街からは出ないで頂戴っ」

観客「俺の家は東の町だぞ!どーすんだよっ!」

南方参謀「とにかく…町の外には魔物がいる可能性もあるの!」

南方副司令「この会場が嫌なら司令部…。あとは宿や知人宅で待機だ!」

青龍先生「しかし街全体となると、やや拡大しすぎじゃないかの?」

南方参謀「仕方ないわよ。この混乱だし、街中にもまだ人がいるもの…」

南方弓長「街防衛の人数を割きましょう」

南方参謀「……そうねぇ」

南方副司令「…分かった。俺が残る」

南方弓長「私もこのまま防衛に……」

南方参謀「……それでも足りないわよ…っ」
295 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:30:08.43 ID:ZFW2LjAo
ザッ

青龍先生「…儂も残るとするかの」

南方参謀「先生…?」

青龍先生「若いの二人おれば、大丈夫じゃろ。な?」

青年兵「先生……」

召喚士「……」

青龍先生「但し、二人とも魔力を消耗しておる」

召喚士「…え、ええ」

青龍先生「土壇場までしっかり瞑想し、魔力を回復するように」

青年兵「…かしこりまりました」

南方副司令「あとは司令部の兵を集めて…500程度」

南方弓長「剣兵とプリーストが主だから…火力に欠けるわね…」

青年兵「…やはりここは、僕らも……」

――「いんや、アンタらはこのまま行ってくれ」

召喚士「……っ!!」
296 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:31:12.32 ID:ZFW2LjAo
ザッザッザ

南方弓長「こんな時にどこ行ってたのよ!?」

ボス「お言葉ですね…。でも、こっちはこっちで仕事してたんすよ?」

ボスは後ろを振り返り、集められた各員の顔を見る。

番長「微力ながら…助太刀するでごわす!」

親衛隊長「ミーのパワーを見せる時が来ましたね…!」

白虎嬢「頑張ります〜」

召喚士「み、みんな…!!」

南方副司令「こんだけいりゃあ……」

南方参謀「防衛ぐらいはなんとかなりそうね!」

南方弓長「魔道兵もいるし、追い払うくらいは任せて!」

南方参謀「……分かったわ」

青龍先生「何もなければこちらも出兵の手筈を整えるとするよ」

青年兵「…お待ちしてます!」

南方参謀「…じゃ、行くわよ!目指すは赤壁っ!!」
297 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:34:04.84 ID:ZFW2LjAo
〜南の森〜

戦士「…今の発行弾は…?」

隊長「居場所知らせる為のモンだ」

男隊員「あれで南方の奴らが気付いてくれればな…!」

女隊員「どうします?待機ッスか!?」

隊長「あんまり打ち上げても混乱招くだけだ。しばし待機する」

戦士「……」

隊長「それに、あの信号が見えてるのは人間だけじゃねぇ」

男隊員「…はぁ」

戦士「それってどういう…意味…」

男隊員「考えてみろ。敵さんに場所知らせてるも同然だぜ?」

戦士「……あっ!」

女隊員「ウチらが囮になるっすよ。迎え撃つッス」

隊長「さぁて…何匹来るかねぇ…!」

隊長は不敵に笑いつつ、ゆっくりと鞘から剣を抜いた。
298 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 18:36:28.57 ID:ZFW2LjAo
〜南の山あい〜

盗賊「…狼煙…!?」

天才「……シロイチ、特遊の奴らか」

格闘家「……仲間の信号ですか?」

天才「後回しだ!まずはここを制圧すんぞ!」

水平に構えたツヴァイハンダーを大きく振りかぶる天才。

天才「…くらいやがれぇーっ!!」

ブオッ!!……ドズウウゥゥンッ!!

ラクシャーサ「ぐあぁぁ!!」

振り下ろされた大剣は、魔物の群れを豪快に斬り倒し、

そのまま勢いあまり、地面へと叩きつけられる。

ゴシャアァァッ!!……ズズウウゥゥンッ

盗賊「……っ!!」

天才「はーっはっは!流石は本物!苦労してブン取った甲斐があったぜ!」

砕けた地面よりツヴァイハンダーを引き上げ、天才は笑いながら再び振り上げる。
299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/05(木) 18:39:53.42 ID:ZFW2LjAo
>>293
かっこつけてタイトル入れようとした矢先にあれですよ…なんと情けない…


あと…すみません。二十部で司令部がある街を、
ずっと「南の街」と記載していたような気がします…
あまり重要視する部分ではないかと思いますがお詫び致します
300 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 18:42:46.79 ID:DpqCocUo
改行を入れ忘れたのか。
おっちょこちょいだなぁww
301 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 18:45:10.23 ID:c.TT12AO
>>299
そうなのですか…
むしろあのタイミング良かったような気がします

司令部が混乱の中一言。そして無音で文字のみのタイトル…
なんか、エヴァと重ねてしまいました

御馳走様です
302 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/05(木) 19:05:57.41 ID:ZFW2LjAo
>>300-301
本当は場面転換の前に入れようとしたです!
だから>>287の位置が正解&改行も入れ忘れてました
今度はアイキャッチも入れてみようかな…ふふっ

雑談ばっかですみません…!
全然終わらない…また後ほど!
303 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 20:25:32.06 ID:cVU2QwDO
忙しいときは後回しでいいんだぜ。

それにしても天才の安定感は何なんだw
304 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 20:52:26.62 ID:8hF.yXko
>>303
なぜwwが二つになってないんだ…
305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 21:12:11.52 ID:lMsGyb2o
ww
w
306 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 21:13:12.71 ID:lMsGyb2o
送信してしまった

>>304
半角だよ
307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 21:18:08.60 ID:8hF.yXko
>>306
あぁそういうことか
308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 21:19:01.06 ID:5y1mBR6o
>>304
saga っていうものがあってだな・・・
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 23:00:13.08 ID:pDPcxMSO
ふふってww
310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 23:08:18.21 ID:tEmSNrEo
魔道兵「落ち着いて下さい! が>>287に言っているようにしか見えないww
311 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 23:46:56.78 ID:7VKPRFko
ジャキッ

天才「うおりゃああぁぁっ!!」

ブンッ!!……ゴッシャアアァァッ!!

ラクシャーサ「ぐぎゃああぁぁ!!」

天才「もう一丁ーっ!!」

盗賊「……す…ご」

天才が一振りする度に、数匹の魔物が宙に舞い上がる。

ある者は銅を真っ二つとし、またある者はかろうじて息があるものの…。

格闘家「……ふんっ!」

格闘家は宙に舞ったラクシャーサを、着地前に殴り飛ばす。

バキャアァッ!!……ドシャアァァ

格闘家「……次」

盗賊「……」

天才「おらっ、ボサっとしてんじゃねぇ!働けっ!」

盗賊「あっ、は…はいっ!」
312 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/05(木) 23:48:02.83 ID:7VKPRFko
〜赤壁〜

騎兵「いつでも出陣出来ます!」

南方司令「……よし、お前はここで待機し…後続を待て!」

南方魔道長「司令も合流してからのが…」

南方司令「馬鹿者!こうしている間にも悪の手先は刻一刻とだな…」

南方魔道長「…へいへい。止めた俺が馬鹿でした」

南方司令「よーし!まずは発行弾の上がった場所まで進軍する!」

騎兵「ははっ!!」

南方司令「騎馬隊三百の精鋭達よっ!その命…俺が預かるぞっ!」

赤壁兵「おぉ……!!」

騎兵「うおおぉぉーっ!!」

南方魔道長「…士気上げんのは相変わらずお手のモンだわな」

南方司令「出陣ーっ!!」

騎兵「司令に続けぇ!!」

勢いよく門を飛び出す司令の後を、騎兵隊が槍と盾を手に追いかけた。
313 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 00:08:04.62 ID:OvrMoUYo
〜南の森〜

隊長「……来たぞ」

ザッ…ガササッ…ザザッ

男隊員「えーっと……ダメだ、多すぎて数えきれねぇ」

森の奥より埋め尽くすように、多数のラクシャーサが姿を見せ始める。

戦士「こんな数…相手に…っ!?」

隊長「ビビっちまったか…?」

戦士「……まさか」

ラクシャーサ「牛魔王様への手土産だ…。全員生かしたまま連れていくぞ」

女隊員「何だか…物騒な事言ってるスよ…!」

ラクシャーサ「女だ…。手足ぐらいは俺達で頂いちまうか…!」

隊長「たった一ヶ月の修行だが…中身は濃厚だ!自信を持て!」

戦士「…おうっ!!」

隊長「……行くぞっ!!散れぇ!!」

隊長の号令とともに、四人が一斉に四散し、眼前の魔物を相手に身構える。
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/06(金) 00:16:10.01 ID:OvrMoUYo
ダメだ…今日は失礼します。ご支援ありがとうございました!
おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

大軍師「…ふむ。北の地は相変わらず…。この村もまた…何と言う……」

テクテクテク

大軍師「いやいや、北の地を蘇らせる為に、私は屯田制を提唱し…」

テクテクテク

大軍師「北へ来たのです…。なんて……ふふっ」

戦士父「……何言ってんだ、お前…っ」

ビクゥッ!!

大軍師「……あ、貴方は!?」

戦士父「この村は全滅だ。しまいにゃドラゴンの巣まであった」

大軍師「巣…!?まさか魔王軍が自発的に育てて……」

戦士父「…らしいな」

大軍師「そうですか…。『あった』…という事は貴方が既に片付けて下さったようで…」

戦士父「…まぁな。お前も此処へはワケありみたいだな。聞かせて貰おうか」

つづく…?
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 00:19:29.77 ID:zy5XEmEo
>>1
本編よりオマケの方が続き気になるwwww
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 00:19:59.15 ID:.7epGloo
乙!
休むときはしっかり休んで下さい
無理しないでね
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 00:39:53.23 ID:yn1fqYU0
>>1
こんな重要な出会いオマケですませちゃうなんて…!

それとも大軍師のダジャレ好きの部分がオマケなのか⁉
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 01:08:18.47 ID:kCA2VISO
1乙おやすみなさい
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 03:19:04.77 ID:YdtEAwAO
1乙

無理すんなよ〜
320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/08/06(金) 07:22:05.13 ID:/T7nE6DO
本当に毎日1乙!

牛魔王、金角、銀角と来たら、勿論…
思わず先読み厨になっちまう
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 07:58:55.87 ID:auVbUMAO
>>1

さ、さむい…大軍師がいれば冷房いらずだな
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 09:00:25.37 ID:M9QRrcIo
>>320
牛角か・・・
323 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:25:29.96 ID:8xvLfcgo
ジャリッ…

前後左右、四人が背を合わせるように身構える。

戦士(退けば…他の奴らに危機が及んじまう…)

ラクシャーサ「たった四人で相手をするってぇか…?キヒヒ!!」

戦士「…前に出て…戦うのみ!」

ラクシャーサ「やれぇ!!」

ババッ!!

隊長「押し出せぇ!!」

男隊員「おうよっ!!」

四方より一斉に襲い掛かる魔物に対し、まず先手を切るのは男隊員。

即座に剣を右手に持つと、左右に二度ほど剣を振り上げる。

ラクシャーサ「…ッ!?」

ヒュオッ……サクゥ!!

ラクシャーサ「浅い、その程度で……」

男隊員「いいんだよ、ゴチャゴチャうるせーなぁ!」
324 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:26:01.39 ID:8xvLfcgo
ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォッ!!

ラクシャーサ「なに、ぐわあぁ!!」

男隊員の残撃を掠める程度に回避し、余裕を見せていたラクシャーサ達。

その身体が男隊員の左手より放たれた突風により、後方の魔物達まで吹き飛ぶ。

ラクシャーサ「お、おいっ!」

ドシャッ

ラクシャーサ「…く…っそ!!」

男隊員「クソアマァ!!」

女隊員「もう…撃ってるッスよぉ!」

ドドオオォォンッ!!…ザザアアァァッ!!

ラクシャーサ「早く立…がぼぉ…っ!!」

突風により吹き飛ばされ、倒れこんでいた魔物へ津波が襲いかかる。

男隊員「うーんと…次もお前撃てっ!」

女隊員「だーかーらー、もう撃ってるッスよ!」

頬を膨らませながら答える女隊員。その左手から迸る光が、落雷となり降り注ぐ。
325 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:26:28.59 ID:8xvLfcgo
ドドオオォォンッ!!……ガカアアァァッ!!

ラクシャーサ「グギャアアァァーッ!!」

戦士「水で感電して…っ!すっげぇ威力……」

男隊員「トドメッ!!」

左指をパチンと弾くと、感電し身動きの取れぬ魔物の周囲より火の手が上がる。

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

男隊員「…いっちょ上がり!」

戦士「…あ、あっと言う間に…十匹近く…っ」

隊長「おう、おめぇもボサっとしてんじゃねぇ!」

ザシュッ!!…ドサッ

怒号をとばすと同時に長剣を振るう隊長。その一振りで二匹の魔物が地に伏せる。

戦士「…よし」

戦士は一呼吸置き、手にした戟を右手でぐっと引く。

戦士「……おぉ」

ラクシャーサ「ッりゃあ!!」
326 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:26:55.83 ID:8xvLfcgo
ザッ

隊長「もう一歩、右に下がった方がいいんじゃねぇか?」

戦士「…そ、そっか」

隊長のアドバイスを踏まえ、戦士がやや右に下がる。

ラクシャーサ「死ねえぇ!!」

瞬間、戦士は弧を描くように戟を水平に振り払う。

ヒュンッ

僅かな風切り音と共に、周囲のラクシャーサ達が一斉に血を吹き出す。

隊長(……なんつう綺麗な残…おっと、見とれてる場合じゃねぇ!)

ダンッ!!

隊長「代われっ!」

戦士「おうっ!!」

戦士の立つ場所へと飛ぶ隊長。入れ替わるように戦士も飛び上がる。

タンッ!!

隊長「っらあぁ!!」
327 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:27:28.15 ID:8xvLfcgo
血を流しよろめく魔物の中心部に着地する隊長。同時に地面へと長剣を突き刺す。

ドドオオォォンッ!!……ズガガガガッ!!

ラクシャーサ「ごふ…っ!!」

地面が棘のようにせり上がり、足元から魔物へと襲い掛かる。

ドズンッ…ゴトッ…ドシャアァ…

隊長「ドンドン叩けよぉ!次々と来んぞ!!」

戦士「お、おうっ!」

ラクシャーサ「何なんだよ…コイツら…っ」

ザシュッ!!

女隊員「……固ったいッスねぇ…!」

ラクシャーサの胸元に突き刺した小剣を抜き取り、血を払いながら女隊員は呟く。

戦士(実戦になってみて初めて分かる……)

男隊員「あーあ…。早く援軍来ねぇかな…っと!」

戦士(…修行の時ぁ食らい付いてたが…これが、特殊遊撃…!)

余裕を見せながら敵を次々と斬り刻む三人。戦士はやや顔を引きつらせ、笑った。
328 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:28:17.32 ID:8xvLfcgo
〜南の山あい〜

天才「……あん?」

格闘家「……?」

天才「特遊の奴らもおっぱじめたか…」

天才は一瞬、左背後へ振り向き、ぽつりと呟く。

盗賊「…気配…感じるの?」

天才「んな生易しいもんじゃねぇよ。……血の臭いがプンプンしてきやがった!」

盗賊「……!?」

天才「さーてどうする?」

格闘家「…と、言いますと?」

天才「後ろに退けば特遊と合流」

盗賊「……」

天才「このまま正面突破すりゃ、火の山に一番乗りだ」

格闘家「……どうせ言っても、決まっているのでしょう?」

天才「はーっはっは!満場一致で正面突破!決定ーっ!!」
329 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:30:06.94 ID:8xvLfcgo
盗賊「えっ!?」

天才「どおおりゃああぁぁ!!」

天才が威勢良くツヴァイハンダーを身体の後ろへ引く。

ググッ

ラクシャーサ「ッ!?」

正面へ飛び出しながら大剣を振り下ろす天才。

ドボォッ!!……ドッゴオオォォンッ!!

正面のラクシャーサが悉く吹き飛び、ぽっかりと道が出来る。

天才「おらっ!抜けるぞ!!」

ダダッ!!

盗賊「あ…っ!」

天才「左右はテメェらに任せる!」

再び正面へ回り込む魔物の群れ。だが、これも一瞬の内に大剣の餌食となる。

ゴシャアァァッ!!…ドズウウゥゥンッ!!

天才「はーっはっはっは!雑魚が何匹来ようと…俺様の敵じゃねぇぞ!!」
330 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:35:49.16 ID:8xvLfcgo
〜赤壁〜

ドドッドドッドドッ

南方参謀「見えたっ!赤壁よっ!!」

青年兵「あ、あれが…赤壁っ。要塞じゃないですか…!」

召喚士「すご…っ。もうここまで完成して……」

南方兵「開門してくれーっ!司令部からの援軍だ!」

赤壁兵「魔道長っ!あれを…!!」

南方魔道長「…ようやく来たか。開門ー!」

ゴウンゴウンゴウン…ゴゴオォンッ

開かれた門を潜り、司令部からの騎馬が一斉に赤壁へと入城する。

ドドォ

南方魔道長「ご苦労…。少ないな」

南方参謀「市民の命が優先よ!それより戦況は?」

南方魔道長「こちらは特に…。ただ、山火事と同時に発行弾が上がった」

青年兵「発行弾…?し、識別は…?」
331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 17:38:36.39 ID:zy5XEmEo
男隊員と女隊員の掛け合い良いなwwww
332 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:41:27.97 ID:8xvLfcgo
南方魔道長「……こいつは?」

青年兵「失礼致しました。国軍本部青龍召喚隊、青年兵です」

南方魔道長「本部の士官であったか。こちらこそ失礼…」

南方参謀「それで、識別は!?」

南方魔道長「白の一。特殊遊撃だ」

召喚士「!!」

南方参謀「彼らも既に戦地へ…っ」

召喚士「……行きましょう!」

南方参謀「先に赤壁での配備が先よっ!」

南方魔道長「途中で陣を張るにも数が少ねぇ。南の町まではこっちから手は回らんぞ?」

南方参謀「分かってるわ。東の街から回すわっ。伝令っ!!」

南方司令部は伝令へ細かな指示と紙を手渡す。

召喚士「…俺、先に行きます!」

南方参謀「…あのね朱雀先生、あなたは今、魔力が…」

青年兵「……ならば、僕がお供に…!」
333 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:46:02.44 ID:8xvLfcgo
南方参謀「駄目よっ!二人だなんてもしもの事があったら…」

南方魔道長「それに青年兵殿は士官だろう?勝手な行動は…」

青年兵「……司令、見当たりませんね」

南方参謀「あれ…?そういえば……」

青年兵「もしや、援軍を待たずして勝手に出撃などされたのでは…?」

南方魔道長「――っ」

南方魔道長は思わずうつむき、頭を抱える。

南方参謀「あんの……熱血バカッ!!」

青年兵「ならば、。僕も構いませんよね?」

南方参謀「……すぐに追うわ。無理はしないで頂戴っ!」

召喚士「…行きましょう!」

南方参謀「あっ、それと……」

青年兵「途中で平野を見つけたら報告っ!陣を張るから…ですよね?」

南方参謀「っ!!」

青年兵は笑顔で敬礼し、走る召喚士の後を追った。
334 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 17:50:14.75 ID:8xvLfcgo
南方魔道長「……イイ男じゃねぇか」

南方参謀「ええ。……乙女心がうずいちゃうわ…っ」

南方魔道長「……。さて、軍備を整えるとしよう」

南方参謀「ええ…」

タッタッタッタッタ

青年兵「召喚士さんっ!」

召喚士「……?」

青年兵「僕にはまだ魔力が残っています!最初は僕が…!」

召喚士「…うんっ!よろしく!」

青年兵「それで、まずはどうします!?」

召喚士「……ひとまずあの山を目指そう。きっとみんなも、そこへ向かっているハズだ!」

青年兵「…ですね!」

二人は門前に用意された馬に跨り、強く手綱を引く。

青年兵「このまま真っ直ぐ…南へ抜けましょう!」

召喚士「…だね!よし、急ごうっ!!」
335 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 18:07:18.07 ID:8xvLfcgo
ドドッドドッドドッ…

南方司令「……し、しまったあぁ!!」

騎兵「敵襲ですか!?」

南方司令「……道に迷ったぁ!!」

騎兵(やっぱり…)

ザワザワ

騎兵(おかしいと思ったんだよ…)

南方司令「えぇい、とにかく!あの山目指して進めばいいだけの話!」

グイッ…パカラッパカラッパカラッ

南方司令「……し、しまったぁ!!」

騎兵「こ、今度こそ敵襲…!?」

南方司令「…剣…忘れたあぁ!!」

騎兵「……」

南方司令「し、しまったああぁぁ!!」

騎兵「もう…いいです……」

南方司令「敵だぁ!!」
336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 18:13:39.76 ID:anCUnGQo
相変わらずの司令節wwwwww
337 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 18:15:29.03 ID:8xvLfcgo
騎兵「何ぃ!?」

森を勢いよく突っ切る騎馬隊の正面に、魔物の影が見え始める。

南方司令「ラクシャーサだ!迎撃するぞ!」

騎兵「するぞって…!槍も剣もなしに…!?」

ドドッドドッドドッ

ラクシャーサ「な、何!?背後からも来やが……」

南方司令「平和を脅かす悪党めが!食らえっ、愛と正義の鉄拳……」

騎兵「司令っ!?馬上で立たないで下さいっ!危険です!!」

南方司令は笑顔で親指を立て、そのまま馬上より飛び降りる。

バッ!!

南方司令「ジャスティスッ…パーンチイイィィ!!」

ラクシャーサ「……ッ!!」

バキャアァッ!!……ドッゴオオォォンッ!!

南方司令の右拳により、ラクシャーサの群れとえぐれた地面が宙を舞う。

騎兵「…つ、続けぇ!!司令に続けーっ!!」
338 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/06(金) 18:19:36.41 ID:8xvLfcgo


天才「…あん?なんか後ろで聞こえなかったか?」

盗賊「……聞こえた」

格闘家「……味方?」

天才「…ま、いいや。味方なら取りこぼし始末してくれんだろ」

格闘家「放っておいていいんですか?」

天才「特遊にしろ南方にしろ、そんなヤワじゃねーだろ」

盗賊「……」

天才「てか、そもそも合流するメリットがねぇよ」

格闘家「……はぁ」

天才「気にせず突き進むぞ!敵の増援が来る前にな!」

盗賊「……ん」

タタッ

盗賊(戦士…みんな…。無事だよね…?)

正面きって走る天才。その後を盗賊と格闘家が懸命に追った。
339 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 18:30:27.92 ID:.7epGloo
南方司令がもう人間の域を超えてるなwwwwwwww
340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/06(金) 18:32:46.99 ID:8xvLfcgo
昨日遅かったので今日は早々に帰宅させて頂きます!
週末なので夜にまた投下すると思います!
ご支援感謝です!失礼致します!ノシ
341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 18:36:07.04 ID:enh41Mw0
ほいさ乙さ


一言いわせてもらうとポニーで頬を膨らませてッス口調な女隊員かわいい
342 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 18:36:51.23 ID:x48kfCYo
>>1

BASARA3発売近かったからかなんか指令のイメージが残念なBASARA信玄に変わった
343 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 18:50:50.51 ID:zy5XEmEo
>>342
テメェ、弟が隣の部屋でBASARA3やってんだぞ…俺の中でもイメージされちまっただろうが…っ!
344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 18:55:31.37 ID:lDJr96AO
素手で殴るとか武装錬金のブラボーしか出てこない…
345 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 19:02:22.07 ID:867Eckso
平和主義者クラッシュが浮かんだ俺はいったいどうしたら
346 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 19:45:46.93 ID:7V53p360
伝説の海兵以外にイメージできん
347 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 20:07:22.52 ID:3BfQI0oo
ここで女隊員の株価急上昇・・・かわいいじゃねぇか・・・
348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 20:09:20.45 ID:zy5XEmEo
そういや、今の女隊員てポニテだっけか…
349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 20:21:57.53 ID:LqfMfkDO
これがポニテの力か……
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 20:26:59.05 ID:enh41Mw0
いやまだ顔がかわいいって決まったわけじゃないし
351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 20:39:39.40 ID:vbVWSMDO
でもスタイルはいいぞ
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 22:21:38.40 ID:1Jw2fcSO
みんな何言ってんの?
クソアマってクソ可愛い女の略だぜ?
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 22:34:58.86 ID:hsEMmwDO
>345
おまえは俺か
354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 22:46:09.39 ID:LxcEh9I0
今回ので指令のイメージはアームストロングになった
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 22:54:33.69 ID:auVbUMAO
俺の司令はマイトガイ先生
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 23:04:38.85 ID:i89eAB60
男隊員の左指パチンはマスタング大佐を連想させられるが、かさならんな
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:19:43.88 ID:4sBDmwDO
流石ですねここまでクソみたいな妄想でスレ埋められるなんて

まとめ読みするために溜めてたら毎日こんな感じでうんざりなんだが

スルー云々夏厨云々なんてどうでもいいから黙って見てろよ>>1
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:23:27.44 ID:pnba9sDO
はい、すみませんでした
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:28:03.81 ID:BFWVdjAo
こんなの最初の頃からのことじゃないか?そんなに気にする必要もないだろう
まぁ、気になるなら仕方ないけど…それを言わないのが大人ってもんだろう
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:29:53.86 ID:OyYg.Mko
俺にはそんなに不快なら何故まとめさんのところで読まないのかが不思議でしょうがない
まぁ何かよくわかんないポリシーとか持ってんだとは思うけど
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/07(土) 00:46:54.14 ID:19HwEjIo
大人なら妄想も脳内にとどめとけよ
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 01:02:53.98 ID:bSNfoWAo
じゃぁ俺子供だから妄想全開で行くわ
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/07(土) 01:03:51.48 ID:19HwEjIo
二度とVIPからでていけ
364 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 01:04:10.10 ID:57uzkl6o


南方司令「どおおぉぉりゃああぁぁ!!」

ズガッ……ドゴオオォォンッ!!

騎兵「左っ!回り込まれているぞ!」

ラクシャーサ「らぁ!!」

騎兵「ぐっは…っ!!」

南方司令「バッカヤロウ!無理に深入りすんな!!」

タッタッタ

騎兵「し……司令…っ、自分には…構わず……」

南方司令「……っ!!」

騎兵「司令っ!こ、これを…っ!!」

南方司令「どうした!?」

騎兵「こ、このラクシャーサを…!」

南方司令「……」

南方司令は小走りで、騎兵の目の前に伏せるラクシャーサの死体の前にしゃがみこむ。
365 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 01:04:44.33 ID:57uzkl6o
南方司令「…これは、我らの手ではないな…!」

騎兵「この先に…味方が!?」

南方司令「この一刀両断された痕…まさか……」

ダッ

騎兵「司令っ!?」

南方司令「周辺の的に構うな!このまま突っ切るぞ!!」

騎兵「は、はいっ!!」

一同は急ぎ、再び馬へと飛び乗り、走りだす。

ドドッドドッドドッ

南方司令「どけどけどけぇい!!」

バキィッ!!

ラクシャーサ「コ…コイツ!素手のくせにぃ……ぐわっ!!」

騎兵「背後は捨て置けっ!!司令の後を離れるなよぉ!」

突破を図る南方司令と騎兵隊。その正面に赤く滾り燃える山が近づいて来る。

南方司令「あ…あれはっ!?」
366 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 01:05:36.54 ID:57uzkl6o
ドドッドドッ……ドドォ

南方司令「……む…っ!?」

テクテクテク

格闘家「……・こちらです」

南方司令「……君は?」

格闘家「……」

格闘家は無言のまま、脇の草むらへと姿を消す。

ザッザッザ

騎兵「し、司令…?」

南方司令「……各自、下馬し…続けっ」

タンッ…ザッザッザッザzッザ

騎兵「先程の男…味方ですかね?」

南方司令「……力強い目をしていた」

騎兵「……は…っ?」

南方司令「悪い奴ではない!正義の味方の目だ!」
367 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 01:06:10.00 ID:57uzkl6o
ザッザッザッザッザ

南方司令「……っ!!」

天才「…おう、司令直々だったか」

南方司令「やっぱり……てか、何で…っ」

天才「あぁ?テメェらが不甲斐ねぇから俺様が出張ってんだろうが!」

騎兵「あの…司令、こちらの方は…?」

南方司令「あー、アレだ。功績ランク一位の……」

天才「天才様だ。覚えておくがいいぞ!はーっはっはっは!」

騎兵「ん…?お、女の子…!?」

盗賊「……どうも」

天才「とにかくだ。火の山まで目と鼻の先。どうする気だ?」

南方司令「……」

格闘家「自分は、少数精鋭での侵入が理想かと…」

盗賊「……うん」

天才「さっきの魔物どもがここまで引き返してこねぇって事はだ…」
368 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 01:06:38.04 ID:57uzkl6o
南方司令「この先、余程自信があるんだろうな」

格闘家「自分もそう思います」

天才「もしくは罠でも張ってやがんのか…」

南方司令「騎兵隊はこのまま山の周辺を迂回し、特殊遊撃を探せ」

騎兵「ははっ!」

南方司令「我らが進む事も伝えてくれ!」

騎兵「陣が完成次第、東5キロから黄色の3を打ち上げます」

南方司令「東5キロだな。承知した!」

騎兵「……ご武運をっ!行くぞ!!」

ザザッ…タッタッタッタッタ

天才「特遊と合流はしなくていいよな?」

南方司令「ま、まぁ。彼らの別任務がメインのようだし…」

天才「オッケー。んじゃこのまま進もうか」

格闘家「……」

盗賊「……火の…山か」
369 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 01:07:14.87 ID:57uzkl6o
〜南の森〜

戦士「ふっりゃあ!!」

右手に戟、左手に雷切を構え、戦士が眼前の魔物を吹き飛ばす。

ザシュッ!!

戦士「お次は……こっち!!」

雷切を頭上まで振り上げ、ラクシャーサめがけ一気に振り降ろす。

ドシュッ!!…ガカアァッ

ラクシャーサ「ぐうぉ…っ!!」

戦士「ちっ!もう一丁!!」

男隊員「しゃあねぇ。手伝ってやんよ!」

戦士の鋭い一撃。雷切の刀身部分に、男隊員の放つ雷がほとばしる。

ガカアアァァッ!!…ドシャアァッ

戦士「……サンキュ!」

男隊員「礼はいいからテメーで魔力の修行でもしやがれっ!」

戦士「……うっす!」
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 01:31:17.82 ID:t5dVpEAO
火の山ってタルウィのいた所だっけ?
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 01:33:05.79 ID:BFWVdjAo
いま一番最初のスレ読んでたけど、結構忘れてる事あったなー
魔道士に攻撃翌力上げたり、幻術、妖術使うタイプがいるって設定は忘れてた
372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 01:51:56.90 ID:z5AarF6o
>>1
一週間分まとめて読んだけど青年兵すごいな
主人公倒しちゃうなんて・・
373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/07(土) 02:26:15.37 ID:57uzkl6o
ちょっと瞼閉じながらなので、投下感覚まばらです…
後ほどまとめ読みして頂ければと思います!すみません!

>>370
それとは別の所ですね。山がいきなり燃えたという感じで…

>>371
うえっ!?そんなタイプいましたっけ!?あわわわ

>>372
あざっす!召喚士無双ばかりなのも何…
いやぁ、青年兵くんはトーナメントのクジ運が良かったですねぇ!
374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 02:34:58.18 ID:VC40S8Qo
ねむねむな>>1かわいいよ
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 02:35:43.03 ID:BFWVdjAo
>>1
自分でも最初の頃は忘れてたのかwwww
確か剣士達と遺跡調査する前、弓使いの毒をユニコーンさんで直して
召喚士の話になった時…

>剣士「魔道士さんはウィッチタイプの魔道士・・・ですか?」
>魔道士「はい!よく分かりましたね!」

>戦士「ボソボソ・・・魔道士って種類あんのか?」
>召喚士「ボソボソ・・・ありますよ」
>盗賊「・・・」
>召喚士「味方の攻撃翌力上げたり、幻術、妖術を使ったり・・・」

こんな会話が…
376 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 02:36:46.42 ID:57uzkl6o
隊長「おいっしょぉ!!」

ドズンッ!!……ズズズッ…ドドォッ!!

隊長が剣を振り降ろし、地面へと突き刺さる度に土が隆起し、ラクシャーサを押し上げる。

女隊員「頂きッス!!」

ドドオォンッ!!……ゴアオオォォ

無防備に跳ね上げられたラクシャーサを、女隊員の放つ突風が後方の森の中へと吹き飛ばす。

男隊員「どうなってんだよ!援軍なんて誰一人来ねぇぞ!」

隊長「…ちっ、仕方ねぇな。先へ進むとすっか」

女隊員「これじゃキリないッスもんね……」

戦士「……」

隊長「よし…っ、あの山目指して進むぞ!敵は出来るだけ殲滅する!」

男隊員「うっへぇ…。これ終わったら給料上げて貰お……」

隊長「……生きてたらな」

男隊員「物騒な事言うもんじゃないっすよ!…ヒャハハ!」

戦士「…おっし、やってやるか!」
377 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 02:40:46.16 ID:57uzkl6o


魔道士「!?」

マジシャン「…どした?何か感じたか…!?」

魔道士「この先…嫌な空気がします…っ」

マジシャン「……魔物か」

魔道士「何でしょう…?でも、そんなに危険な感じは…」

マジシャン「誰か交戦中…?特殊遊撃かっ!」

魔道士「……行きますか!?」

マジシャン「よーし、このまま進もう!」

魔道士「はいっ」

タッタッタッタッタ

マジシャン「うお…っ!?」

魔道士「こ、これ……っ」

マジシャン「なんつう数だ…。全部魔物…ラクシャーサだな…っ」

魔道士「こ、これを…特殊遊撃隊さんと、戦士さんが…!?」
378 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 02:44:13.68 ID:57uzkl6o
マジシャン「……」

魔道士「す、凄い……!」

マジシャン「目指すはあの燃えさかる山か…」

魔道士「……みたいですね…っ」

マジシャン「…せっかくのカーニバルデートが台無しだな」

魔道士「しょうがないですよぉ…。緊急事態ですし……」

マジシャン「…この穴埋めは、別の機会にキッチリとな!ハッハ!」

魔道士「はいっ!楽しみにしてますっ!えへへ!」

マジシャン「おうっ。んじゃ、まずは…生きて帰ろう!」

魔道士「…はいっ!」

魔道士は強く頷き、マジシャンの背中を追う。

タッタッタッタッタ

マジシャン「…んっ?人の声…!?」

マジシャンが急に立ち止り、右の森を見つめる。

魔道士「…せ、戦士さん達でしょうか…!?」
379 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/07(土) 02:46:49.11 ID:57uzkl6o
マジシャン「……後ろ、離れるなよ」

魔道士「……はい!」

ガサッ……ザッ…ザッ…ザッ…

マジシャン「……」

戦士「っりゃあ!!」

ザシュッ!!

ラクシャーサ「ぐぶ…っ!!」

隊長「これで纏わり付いてきたのは粗方片付い……」

ジャキッ

隊長「誰だ!!出て来やがれっ!!」

ガサッ…テクテクテク

マジシャン「ハッハッハ!悪い悪い、脅かすつもりじゃなかったんだ!」

女隊員「人…?」

戦士「……オッサン!?そ、それに……魔道士っ!!」

魔道士「……戦士…さん、戦士さんっ!!」
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 04:21:29.97 ID:UOD68ASO
>>1乙wwww
生殺し乙wwwwwwww
381 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 07:52:38.06 ID:oqn2lADO
1乙!
お疲れ様!
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 09:56:31.96 ID:l8iWGQAO
>>1

やっとパーティーの魔道士ちゃんと戦士が合流できたな
383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 10:30:23.09 ID:H5j6UESO
1乙♪
支援支援
384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 15:07:55.83 ID:tPNHkJs0
召喚士パーティー全員集結した時のメンツが凄いな
天才マジシャン青年兵隊長南方指令、負ける気がしない
385 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 16:29:40.39 ID:e8Cagl.o
眼鏡に重傷負わせたり、天才をすらゾクッとさせるような存在が
敵側に居る以上、人間側がどんな逸材集めても楽勝になる気がしない



でも南方司令さえ居れば世界は平和になる気がするww
386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 17:44:49.60 ID:TMTNbgSO
>>1乙乙。
どうしよう…俺の中の南方司令は
「何かよくわかんないけど絶対無敵の超必殺技・正義ビィーム!!」
とか言って、一人で五行を放ちそうな予感がする…。
387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 00:11:41.88 ID:Avz1IkA0
>>1乙乙
最近青年兵の株が鰻上り龍
388 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 00:14:26.83 ID:l7aWj8Uo
戦士「な…んで…っ!?」

魔道士「戦士さーんっ!!」

タッタッタ…ガバッ!!

戦士「お、おぉ…!久しぶり…っ」

魔道士「戦士さんのお手紙見て、南東国まで来たんですよぉ!」

戦士「そ、そうだったのか…!」

魔道士「はいっ!」

ザッザッザ

マジシャン「……事態は?」

隊長「現在進行形の話だけだと、いきなりあの山が炎に包まれた…」

マジシャン「……」

隊長「そんでラクシャーサの大軍だ。ラーヴァナの手のモンだろうな」

マジシャン「……そうか」

隊長「それともう一つ気になるのは、南東国で飛び交ってた噂だ」

マジシャン「……?」
389 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 00:15:06.09 ID:l7aWj8Uo
女隊員「なんだか亡霊が出たとか何とかで…大騒ぎだったッスよぉ…」

戦士「……騎都尉だ」

魔道士「き、騎都尉…って…」

戦士「ああ。姿を見た、って奴らが何人もいる…」

男隊員「それがアンデッドとして、魔王軍に利用されてんじゃねーか、ってな…」

マジシャン「アン…デッド…っ!?」

隊長「チラっと耳にはしたが、奴ら…それで結界をこじ開けようってんだろ?」

マジシャン「……」

魔道士「まさか…騎都尉さんが……」

戦士「んなわけあるかっ!!」

魔道士「……っ!!」

戦士「……あっちゃならねえんだよ…そんな事…」

魔道士「戦士さん……」

マジシャン「……今回の件と関係が…?」

隊長「…ま、あるんだろうな」
390 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 00:15:35.04 ID:l7aWj8Uo


マジシャン「そんで、あんたらはどうするつもりだ?」

隊長「……お前さんもシロイチ見たんだろ?」

マジシャン「…ああ」

隊長「南方への援軍はあれで伝わったハズだ」

マジシャン「つー事は……」

隊長「…当然、このまま突っ込む!」

魔道士「……っ」

男隊員「元よりそのつもりだっての…ヒャハハ」

女隊員「助っ人も来てくれたッスからね!」

戦士「ああ…!これ程頼もしい助っ人はねぇぜ!」

マジシャン「ハッハ!買いかぶりすぎだよ…」

魔道士「あっ、そういえば…!!」

戦士「……?」

魔道士「召喚士さん、南方にいるって…手紙が…」
391 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 00:16:09.53 ID:l7aWj8Uo
魔道士はカバンから召喚士の手紙を取り出す。

カサッ

戦士「……おいおい…っ、マジかよ!」

魔道士「あの…っ」

戦士「……?」

魔道士「と、盗賊さんは…?」

戦士「…分からん。俺も聞いてないぞ?」

魔道士「そう…ですか……」

戦士「……大丈夫。アイツだって元気にやってるさ」

魔道士「……で、ですよね…っ!」

隊長「召喚士…?朱雀先生か……」

マジシャン「ああ。それに青龍先生もいるはずだ」

隊長「…そいつはデカイな」

マジシャン「出番がないに越した事はないがな…。ハッハ」

魔道士「召喚士さん……」
392 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 00:16:38.37 ID:l7aWj8Uo
〜南の山あい〜

ドドッドドッ…

青年兵「……召喚士さんっ!!」

馬を駆る二人の目に、魔物の亡骸が飛び込んでくる。

召喚士「…!?」

パッカパッカパッカ…ドドォ…

青年兵「この魔物の……死体は…っ」

召喚士「…これは…南方司令達が…!?」

青年兵「可能性…充分ありますね!」

召喚士「……よし、このまま火の山目指して進もう!」

青年兵「ですね!司令と合流を…」

召喚士「うん!」

青年兵「しかし……す、凄い数の死体だな…っ」

召喚士(傷跡がまちまちだな…。司令以外にも味方が…?)

青年兵「……飛ばしますよっ!」
393 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 00:19:32.29 ID:Avz1IkA0
>>1更新支援
394 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 01:02:20.02 ID:l7aWj8Uo
〜火焔山、山麓〜

南方司令「…そんで、どーする?」

天才「どうするだぁ?てめぇが大将だろうが!」

南方司令「そ、そりゃそうだが……」

天才「まーいい。ここは俺が先陣を切る」

格闘家「…いえ、師匠が出るまでも。ここは自分が…」

南方司令「何を言っている!?先陣ならば相応しいのはこの私…」

盗賊(…し、支援タイプがいない。……大丈夫かな?)

天才「…しゃーない。全員で突っ込むとすっか!」

格闘家「……はい」

ボキボキッ

南方司令「…腕が鳴るぜ!」

盗賊「…でもあれ、近づけるのかな?」

盗賊は燃えさかる山を指差し、首をかしげる。

天才「……おーし、もうちょい近くまで行ってみっか」
395 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 01:03:29.56 ID:l7aWj8Uo
〜南方司令部〜

伝令「ご報告ーっ!!」

ドドッドドッ…ザザァ…

南方副司令「どれっ、貸せ!」

伝令「ははっ!」

パシッ…カサカサッ

南方副司令「何だとぉ!?…くそっ!!」

タッタッタッタッタ

南方弓長「どうしたの!?」

南方副司令「やはり、あの山から魔物が出ているらしい!」

南方弓弓長「…!!」

南方副司令「赤壁はそれで手一杯、こっちから東の町へ防衛を出せとよ!」

何ぽう弓長「そ、そうは言っても……!」

南方副司令「……仕方ないっ。…おい!!」

ゴロツキ「……!?」
396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 01:04:07.98 ID:6GF8UQAO
>>1

俺のSATSUGAIノートに新たに戦士が加わったぞ!
おどりゃクソ戦士…魔道士ちゃんに抱擁されやがって…ギギギ……
397 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 01:04:17.84 ID:l7aWj8Uo
〜南の街、郊外〜

ボス「早く宿に入れ!魔物が来るかもしれないんだぞっ!?」

親衛隊長「へいッピープル!ホットにならずクール、クールにね!」

タッタッタッタッタ

ゴロツキー「おーい、ボスー!!」

ボス「…あん?どうした!?」

チンピラ「これから東の町の防衛に向かえって、南方副司令からっ!」

ボス「東だぁ…!?ここはどうするんだ?」

チンピラ「司令部の兵が総動員であたるってさ!」

ゴロツキ「召喚士のみんなも行けって!」

番長「……分かったでゴワス!東の待ちでゴワスね!!」

親衛隊長「全く…。後でマネーはたっぷりギブしますよぉー!」

白虎嬢「では、参りましょう〜」

ゴロツキ「後でプリーストも合流すっから、指揮はボスに任せるってさ!」

ボス「……!?わ、分かった…っ!急ぎ、東の町へ向かうぞ!」
398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/08(日) 01:11:33.74 ID:l7aWj8Uo
〜オマケ〜

大軍師「……というワケですよ」

戦士父「屯田ねぇ…。ま、いいんじゃないの?生産的で…」

大軍師「どうも……」

戦士父「あ、それとだな……」

大軍師「……?」

戦士父「さっきの、北まで参上したらこの惨状の方が…」

サル「…さ、さむっ!」

ガササッ

大軍師「!!」

戦士父「だ、誰だっ!?」

サル「しまった…!あまりのサムさについ声出ちまった!!」

ダダッ

戦士「まっ、待ちやがれこのっ!!」

サル「ひぃ〜!遥々ここまで来て捕まるかっての!あーばよー、とっつぁ〜ん!」
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/08(日) 01:14:28.17 ID:l7aWj8Uo
腹痛と夏バテ気味でちょっとグロッキーな感じなので、先にオマケ失礼します!
なんだかオマケの方が好評のようで…いや、嬉しいです!

ほんとすいません…。毎日のご支援ありがとうございます!
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 01:16:44.88 ID:7OVQ/UAO
おつ
401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 01:22:23.39 ID:iI3taOY0
乙!無理しないで!

何ぽう弓長とゴロツキーに期待
402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 01:28:17.15 ID:6GF8UQAO
>>1

本編ありきのオマケだしな
とりあえず昔懐かしのイケコカで見たギャグをば…


数%のスーパー銭湯
403 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 01:34:00.28 ID:l7aWj8Uo
〜火焔山〜

戦士「そっか…!お前もバッチリ修行してきたみてぇだな!」

魔道士「はいっ!戦士さんも…レベルアップしたみたいですね!」

戦士「おうっ!前よか頼りにしてくれていいぜ」

魔道士「前から頼りになりっぱなしですって!えへへっ!」

隊長「見えてきたぞ。……こりゃあ予想以上に骨が折れそうだわな」

男隊員「すっげぇ熱気…!あっつぅ…!!」

女隊員「こんなの…どうやって進むんスか!?」

マジシャン「……」

隊長「…何か…来るっ!?」

戦士「……!!」

男隊員「火の中…っ!あそこだ!!」

ザッザッザッザッザ

銀角「人間…!これ以上の邪魔はさせんぞ…!!」

戦士「……!!あ、あいつ…っ!!」
404 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 01:37:43.52 ID:l7aWj8Uo
隊長「見覚えあんのか!?」

魔道士「あれは確か…っ、南東国で……」

戦士「ああ!かなりの魔物だ。もう一匹いるハズだ!」

銀角「私を知る…?お前、どこかで……」

マジシャン「他には見当たらんな…。単独か…?」

隊長「前衛っ!構えろ!!」

戦士「おうっ!!」

ジャキッ

男隊員「クソアマ!お前は前後の間に入ってサポートしろ!」

女隊員「了解ッス!!」

マジシャン「魔道士ちゃん……」

魔道士「…はいっ、詠唱します!」

銀角「数が多いな…。あまり…手間はかけたくないのですがね…」

隊長「問答無用だ!……行くぞっ!!」

戦士「……おう!!」
405 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 01:42:06.28 ID:N3inzkso
C
406 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 01:43:15.25 ID:l7aWj8Uo
〜火焔山、西側〜

南方司令「…駄目だな。こりゃ入れそうもないわ」

天才「あっちぃ…。こうなりゃ風で吹き飛ばして……」

盗賊「……!?」

格闘家「…どうした?」

盗賊「…何か……来る!」

天才「あん?……あそこだ!」

ザッザッザッザッザ

盗賊「……あい、あいつ!!」

南方司令「知ってる魔物か?」

盗賊「……ああ」

金角「……ふんっ、大軍かと思えば…たったの四匹か」

天才「はーっはっは!おい、そんな余裕かましてると死んじゃうぞ?」

金角「ほほう、ご忠告どうも……」

盗賊「……あいつは…強いぞ!」
407 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 01:59:00.12 ID:l7aWj8Uo
ドシュッ…ヒュルヒュルヒュルッ…ドンドンドンッ!!

天才「!?」

南方司令「黄色の3…!布陣が出来たみたいだな」



隊長「キサン…?よーし、南方の奴らもだいぶ近くまで来てるみてぇだな!」

男隊員「これで、心置きなく戦えるな!ヒャハハッ!!」

女隊員「でも…無茶は禁物ッスよぉ…!」



召喚士「青年兵くん!今のは…!?」

青年兵「黄色…騎兵隊が布陣したようですね!」

召喚士「ひとまずあの場所へ向かおう!そう遠くない!」

青年兵「ですねっ!!」

グイッ…クルッ…パカラッパカラッ…

召喚士「戦士…っ、今…行く!!」

召喚士はぐっと歯を食いしばり、手綱を引き更に馬の速度を増した。
408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 02:37:28.84 ID:EVzMlsc0
そういえば同門は何処へ行った
409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 04:55:39.19 ID:NXlAtyUo
すぐに、どっかに旅立ったんじゃない?
410 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 05:56:56.93 ID:gcKK2ADO
ほんと同門使えんな
411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 07:00:37.96 ID:Kk2DFyso
騎都尉の噂を聞いたのに前衛付けずに出るとは
辛口ゲームマスターなら召喚士即死亡だぜ
412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 07:38:34.43 ID:NRhIlcSO
キトイ情報は特遊と合流したマジシャン魔導士しか知らない
413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 07:44:57.68 ID:nicC62DO
同門がアンデッド化するのは内緒の話
同門の父親がアンデッドなのも内緒の話
>>1がひんぬーなのも(ry
414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 08:27:16.20 ID:QXmgIoAo
か、かんちがいしないでよね!助けたわけじゃないんだからね!
あんたはあたしが倒すんだから勝手にしなれたら困るんだから!
415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 08:44:53.32 ID:Kk2DFyso
>>412
特遊から本部→召喚士と情報来てるよ
416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 11:22:28.20 ID:/b6iDR.o
>>415
本部さんがいるなら大丈夫だろ
公園でのあの人の強さは異常だ
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 12:27:44.90 ID:QA5fbMSO
いつの日か南方指令とスフィンクスのタイマンを見てみたい
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 12:31:42.27 ID:NXAK2MUo
クリトリスだのペニスだの言ってたのが懐かしいな
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 15:10:45.68 ID:t1j/76DO
コカトリスにペニスって呼ばれる召喚士を久しぶりに見たいな
420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 18:28:25.16 ID:6GF8UQAO
今は立場が逆転して
コカトリスが召還士を間違えてペニスと呼んだら、二度と出番与えてもらえなくなっちゃったりとか

パワーバランスって難しいね
421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 18:33:59.05 ID:2a57S/go
>>420
朱雀召喚士やめて白虎召喚士になるんですね。
ってか朱雀が基本精霊除いてコカちゃんしかいない。
青龍は先生から手ごろなの伝授してもらえそうだしなぁ。
朱雀自体持ってる人が少ないって話だから取得も大変そうだ。
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 19:34:44.59 ID:/b6iDR.o
とりあえずフェニックスは見たから、効果を師匠大百貨で調べれば召還出来そうだな
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 19:36:03.30 ID:PbCsYmkP
>>422
専属契約済みだからムリポ
424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 19:36:11.70 ID:k8Yz7IAo
専属なら無理なんじゃないかー?
425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 19:44:05.98 ID:/b6iDR.o
あーそうか
前途多難だな、召還氏
426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 20:43:20.01 ID:Qx5A1UDO
でも二匹フェニックスがいればできそうだな
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 21:31:52.05 ID:juhh7gM0
フェニックスって確か死人を復活させられるんだろ
召喚士がフェニックス召喚できるようになったらネクロマンサー涙目
428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 21:34:09.53 ID:LEa7GCgo
召喚士「死者蘇生!これで死んでも強くてリスタート!」

ネクロマンサー「・・・こちらはさらに強くてリスタートですよ・・・?」

召喚士「なん・・・だと・・・?」
429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 21:34:13.56 ID:k/RgWKIo
朱雀を召喚できるようになるんじゃね!?
属性名になるほどの最上級だよ!!
430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 21:46:39.22 ID:hBAS2YDO
だがオレが見たい物語は「行け!コカトリス!!」だ
431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 21:49:44.68 ID:NXlAtyUo
フェニックスは、ライバルっぽい同門が持ってるからこそ面白いんだろ
432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 21:53:06.26 ID:c8vzfkk0
タイトルのせいでコカトリス以上の朱雀召喚獣が出せない罠ってことか。
それならコカトリスさんに進化してもらえばいいんじゃね?
おやっ?コカトリスのようすが・・・?
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 21:54:11.02 ID:N3inzkso
BBBBBBBBBBBBBBBBB
434 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 22:15:02.50 ID:PbCsYmkP
3×3 EYES風に「行けっ!全ての召還獣!!」とか
435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 22:15:08.71 ID:6GF8UQAO
おいやめるんだ
また
リアルタイムで楽しみたいけど、>>1以外の雑談は目に映るだけで拒絶反応が起きるから黙れ
とか言い出す訳の分からんのが湧いて来ちゃうぞ
さぁそろそろ大人しくするんだ!
436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 22:18:58.34 ID:QXmgIoAo
>>435
どっち側から見てもこういうやつが一番うざい
437 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 22:31:37.98 ID:.0sCxYAO
ストーリー展開の要望じみた雑談はうっとうしい。作者もやりづらくなると思う
438 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 22:45:41.61 ID:Jvb2brE0
サンダーバード
439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 22:55:34.45 ID:nJw3Agso
同門って聞いて何故かこのAAが浮かんだ

   r ‐、 
   | ○ |         r‐‐、
  _,;ト - イ、      ∧l☆│∧   良い子の諸君!
(⌒`    ⌒ヽ   /,、,,ト.-イ/,、 l  
 |ヽ  ~~⌒γ⌒) r'⌒ `!´ `⌒)   「やればできる」
│ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /| いい言葉だな!
│  〉    |│  |`ー^ー― r' |  我々に避妊の大切さを教えてくれている!
│ /───| |  |/ |  l  ト、 |  
|  irー-、 ー ,} |    /     i
| /   `X´ ヽ    /   入  |
440 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 23:12:37.71 ID:l7aWj8Uo
〜火焔山、北側〜

男隊員「あいつの特性は!?」

戦士「術も使う。そして…鬼に化けるぞ!」

隊長「……」

戦士「あと…もう一匹、仲間がいる」

魔道士「た、確か…合体して巨大な魔物に……」

マジシャン「うっへ…ぇ。疲れる敵は相手にしたくないっちゅー話だよ…」

銀角「……おい」

銀角は額を指差し、戦士へ呼びかける。

戦士「……」

銀角「貴様にやられたこの傷…。疼いて仕方がないですよ」

戦士「…そうかい」

銀角「私も運がいい…。この手で借りを返せるとはね!」

隊長「来るぞっ!」

隊長の声を同時に、銀角が一気に走りだす。
441 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 23:13:10.63 ID:l7aWj8Uo
ヒュバッ!!

マジシャン「うりゃあぁ!!」

真正面に突進する銀角。それをマジシャンの土壁が遮ろうと、地中よりせり上がる。

ドドオオォォンッ!!…ゴガガアァッ!!

マジシャン「何ぃ!?早い…っ!!」

銀角「その程度っ!」

銀角はマジシャンの放つ土壁を軽々とかわし、更に接近する。

隊長「ちゃんと援護しろっ!!」

マジシャン「うっせぇな!わーったよ!」

ドドオォンッ!!…ゴオオォォッ!!

銀角「だから言っておるだろ!」

ブオッ

男隊員「扇子!?」

銀角「その程度、効かぬと…言っておるだろ!!」

銀角は左手にした扇子で、マジシャンの発した炎を仰ぐ。
442 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 23:15:16.24 ID:l7aWj8Uo
ゴウッ!!

マジシャン「ぐぬ…っ!!」

隊長「何してんだ!……どけっ!」

女隊員「そっち行ったッスよ!!」

戦士「おうっ!」

銀角「まずは…貴様だっ!」

戦士「あん時と同じだと……思うなよぉ!!」

戦士は戟を身体の前に構え、上空より剣で襲いかかる銀角を迎え撃つ。

銀角「はあっ!!」

戦士「うりゃあぁっ!!」

ギキイィンッ!!

戦士「ぐ……くく…っ!」

隊長「バッカ野郎!間合い詰め過ぎだっ、何の為の修行だ全く…」

銀角「そうらっ!!」

銀角は右手の剣を引き、左手の扇子を再び戦士の前で振り下ろす。
443 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 23:16:35.85 ID:l7aWj8Uo
ブワッ!!……ゴウッ!!

魔道士「きゃ…っ!!」

戦士「ぐ…おっ!!」

隊長「奴の突風を何とかしろっ!」

女隊員「はいッス!」

銀角「どうれ……もう一丁!」

ゴウッ!!

魔道士「やあぁっ!!」

三度起きる銀角の突風。だがそれは、魔道士の起こした土壁に遮られる。

ドオオォォンッ!!…ドゴォ!!

戦士「悪りぃ…!助かった!!」

魔道士「いえっ!次来ますよ!」

戦士「おうっ!!」

ダダッ!!

隊長「いいサポートだ。師匠よりいい腕してんぜ!」
444 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 23:18:09.99 ID:l7aWj8Uo
マジシャン「うるせぇ!俺は攻撃専門なのっ!!」

愚痴を垂れるマジシャンの両手が激しく光り、稲妻がほとばしる。

ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァッ!!

銀角「……ちっ!!」

それを間一髪交わす銀角。頭上に戦士が迫る。

戦士「っりゃあぁ!!」

銀角「……こ…のっ!!」

ギキイィンッ!!

女隊員「受けとめたっ!?」

男隊員「おりゃあぁっ!!」

銀角の背後に回り込んだ男隊員が、その左足へと長剣で斬りかかる。

ヒュンッ……ザシュッ!!

銀角「くそ…っ!!」

ザッ

男隊員「なーに遊んでんだテメェは!!」
445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 23:41:48.68 ID:6GF8UQAO
銀角…
その発祥は戦国時代にまで遡る…
その戦う様はまさに鬼そのもの…あまりの残酷さに、時の皇帝が銀角と銀角にまつわる一切の情報を封印したと言われている…

まさか実在していたとはな…
446 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/08(日) 23:59:31.04 ID:l7aWj8Uo
戦士「べ、別に遊んでいるわけじゃ…」

男隊員「んじゃ、さっさと片付けんぞっ!」

隊長「付加任せたぞっ!!」

魔道士「はいっ!」

女隊員「いくッスよぉ…!」

男隊員「どおりゃあぁっ!!」

隊長「っりゃあ!!」

戦士「はぁっ!!」

銀角「ッ!!」

左足を庇い起き上がる銀角に、三人が同時に襲いかかる。

マジシャン「付加の行ぐらい……リクエストしろ…っての!」

更に後衛三人がそれぞれ、前衛の武器に対して魔法を放つ。

隊長「一気に決める!叩き込めっ!!」

男隊員「言われんでも…っ!!」

戦士「だりゃああぁぁ!!」
447 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 00:07:51.32 ID:EZBwllQo
ズバッ!!…バシュッ!!……ギギッ…ギキィ…

男隊員「な…にぃ!?」

魔道士「こ、これは…っ!!」

戦士「マズイッ!変身するぞ!!」

ググッ…ゴゴゴゴゴ…

女隊員「か、体が膨れて…巨大化…っ」

銀角の硬化した体は刃を跳ね返し、その密度を大きく膨らませ始める。

マジシャン「ちぃ…!させっかよっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

隊長「駄目だっ!あれだけの炎を耐えやがった……!」

戦士「くっそぉ…!前より強度増してんじゃねぇか!!」

銀角「……フウウ」

ドズンッ…ドズンッ…

銀角「あの時と同じではないのは…貴様だけと思うなよ?」

戦士「……ち…っ!!」
448 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 00:12:16.45 ID:EZBwllQo
〜火焔山、西側〜

ザッザッザッザッザ

金角「……ふっふふふ」

天才「よーし、そんじゃますは俺からお相手頂こうかね」

ザッ

金角「では、お手柔らかに……」

キュポッ

天才「おうっ、お手柔らかに……って何だ、それ?」

天才は金角が手にする、赤色の瓢箪を不思議そうな顔で覗く。

金角「あぁ、これですか…?瓢箪です」

天才「……はーっはっはっは!それは見りゃ分かるっつーの!」

金角「ふっふふ。それもそうですね」

天才「お前、面白い奴だな」

金角「貴方こそ。えぇと……」

天才「ああ、俺様の名は天才だ。よーく覚えておけっ!」
449 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 00:15:31.35 ID:EZBwllQo
金角「……ほほぉ!」

天才「もっとも、月並みに言えば…お前さんが覚えたところで…」

金角「…天才さん?」

天才「あん?」

金角「……くっははは!!」

天才「何がおかし…っ……!?」

南方司令「な、何だっ!?」

格闘家「師匠の…身体が!?」

突如金角の手にした赤瓢箪へと、天才の身体が吸い込まれ始める。

ギュルギュルギュルッ

盗賊「…くっ!!」

南方司令「下手に動くな!」

盗賊「で、でもっ!」

南方司令「全滅すんぞ!とにかく間合いを取れっ!」

天才の身体は、あっという間に瓢箪の中へと吸い込まれ、その場より姿を消した。
450 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 00:21:47.24 ID:N/O50sgo
荒らしなんかスルーすればいい
451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/09(月) 00:28:59.09 ID:EZBwllQo
〜オマケ〜

戦士父「だーれがとっつぁんだ!待て〜い!!」

大軍師「何です…?そ、その口調は…」

サル「はるばる最北まで来て手に入れたお宝だ!おいそれと渡せっかよ!」

戦士父「違…っ!俺は別にお前を追いに来たわけじゃ……」

サル「その手はくわないってーの!ぬっふふふふ〜!」

戦士父「ちっ…猿みてぇにすばしっこい奴だ!」

大軍師「…今のは…あの時の…?」

戦士「まぁいい。盗人の一人や二人放っておくか」

大軍師「…え、ええ。それで…この村以外も…?」

戦士「北はほぼ…全滅だよこの50年近くで30以上の村がやられてる…!」

大軍師「あと数年…。数年以内に終わらせますよ」

戦士父「大きく出たな。ま…期待してるよ」

大軍師「ど、どちらへ…?」

戦士父「もうここに用はねぇ。次に行くさ……」
452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 01:17:10.46 ID:yp22iGc0
>>1

戦士父「くそっ 遅かったか!赤サルめまんまと盗みおって」
大軍師「いいえ あの方は何も盗らなかったわ。私のために闘ってくださったのです。」
戦士父「いや 奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。」

>>1も俺の心を盗んでいきました
453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 01:58:17.86 ID:BtoAM6DO
>>452
面白いねー 僕ビックリしちゃった
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 02:14:06.50 ID:XZdlvM6o
まさか戦士父、大軍師、サルの3人で魔王を倒してしまうとは
召喚士(笑)
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 04:15:28.48 ID:SSleYvUo
oi
おい
東方で終わってたのにネタバレすんな
紀伊店のか
俺の召喚士ちゃんどこいったん?ねえ
サルって盗賊団でしょ舐めてんの
戦士って雷切(笑)手に入れて喜んでた脳筋様じゃない。それの父て・・・
魔法使いちゃんはどこいったん・・・・・
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 04:40:53.53 ID:biU9Kj.o
>>455
とりあえず途中でやめずに全部読めばいいよ
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 04:43:14.21 ID:SSleYvUo
去年のいつだったかな
まあだいぶ前に読んでたけどどっかでスレが消息不明で見るのやめたんだけど
またいいSSをVIP(笑)で見つけて製作速報行くってもんだから来たらω見つけて
また読み始めたってわけ
ま、もう読む量が半端じゃないから読まないとは思うけど
458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 05:01:57.67 ID:zTdTSUAO
それを報告する意味が全く分からない件
459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 07:36:05.81 ID:MAanMf.o
馬鹿ってどこ行っても汚して帰るよね
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 08:19:35.74 ID:PQlNM.AO
>>1

天才…馬鹿なのか…


>>459は個人的に評価できる
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 09:12:45.31 ID:SSleYvUo
ふーん
で?
462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 16:00:36.89 ID:lAbx7VA0
コミックス派がジャンプ最新号読んで「ネタバレすんな!」って言ってるようなもんだぞー
のんびり自分のペースでコミックス読んでたらいいんじゃないの
463 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 17:52:23.70 ID:SSleYvUo
今日のアホ
464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 17:53:02.49 ID:SSleYvUo
ギエ[ピーーー]
465 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:00:33.11 ID:I6nzVn6o
ウウゥゥ…

盗賊「え…っ……」

南方司令「か、身体が……瓢箪の中…に…」

格闘家「し…師匠…っ!?」

キュポッ…キュキュッ

金角「…ふっふふふ…っ!まずは、一人…っ」

金角はニヤニヤと瓢箪を見つめながら、その口に蓋をする。

盗賊「な、何がどうなって…!?」

南方司令「動揺するな!術の類か何かだ!」

盗賊「…や、やられたの…?」

金角「ご安心を…まだ死んではおりません」

格闘家「……」

金角「但し、時間の問題。一日もすれば溶けて跡形もないでしょうね」

盗賊「……!!」

金角「…そう、旨い酒とでもなってくれるでしょう。ふっふ!」
466 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:02:23.81 ID:I6nzVn6o
南方司令「おい、金角とやら!」

金角「…?何でしょうか?」

南方司令「悪党にしては正々堂々と名乗り、なかなか見どころのある奴!」

盗賊(悪党…正々堂々……?)

南方司令「俺の名は南方司令、よーく覚えておくがいい!」

金角「……ふ…っくく!自分で名乗りおったわ」

南方司令「さぁ、教えて貰おうか!その怪しげな瓢箪っ!何なのだ!?」

金角「なかなか面白い人間ですね。……良いですよ、特別に教えて差し上げましょう」

格闘家「……」

ジャリッ

南方司令「動くなっ!…ここは俺に任せろ」

格闘家「……っ」

金角「この瓢箪は人間の魔力を吸い取る…とても便利な物なのですよ」

盗賊「…!!」

金角「それを我らが飲めば…怪我は治り、力が沸き、そう…糧となるのだ!」
467 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:03:13.56 ID:I6nzVn6o
南方司令「……発動方法は?」

金角「そこまで教えると思うか?」

南方司令「んじゃ解除方法は?」

金角「非凡かと警戒したが…ただの阿呆であったか」

南方司令「誰がアホだ!!」

金角「問答はここらで良かろう…?」

南方司令「…ちっ!ならば拳で語るのみ!!」

金角「ふっふふ!さぁ、くるが良い!南方司令!!」

南方司令「おうよっ!!」

金角「……かかったっ!!」

キュポッ!!

南方司令「あ?……な、なん…っ!?」

ギュルギュルギュルッ!!…キュッ

盗賊「…っ!?」

金角「これで…二人!!……ふっふふふ!!」
468 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:04:13.74 ID:I6nzVn6o
〜国軍、陣〜

パカラッパカラッ…ドドォ

召喚士「陣か…っ!司令や…戦士は!?」

騎兵「何者かっ!!」

召喚士「すみません、南方司令達は!?」

騎兵「…朱雀…先生ですかっ!?」

召喚士「ええ!司令は…?」

騎兵「司令はそのまま、ワーカーの方々と南下されました!」

青年兵「…ワーカー?」

騎兵「ええ。巨大な剣の男とその仲間らしきガタイの良い男…」

召喚士「……巨大な…剣?」

騎兵「あ、あと…黒装束の女が一人!三名でした!」

召喚士「っ!!」

青年兵「それって…もしや……」

召喚士「…急ごう!!」
469 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:06:04.76 ID:I6nzVn6o
ダダッ…グイッ

騎兵「お、お気をつけて!ここにはプリーストもおりますので…!」

青年兵「ありがとうございます!」

駆け足で馬に跨る召喚士。その後を追い、青年兵も馬に跨り駆け出した。

その姿を見送り、騎兵は周囲へ指示を出す。

騎兵「赤壁への伝令は出したな!?そこっ、警備を怠るな!」

ドドッドドッドドッ…

召喚士「……もうすぐだ!もうすぐ…っ!」

青年兵「ワイバーンを出して様子を探りますか!?」

召喚士「いやっ、魔力はギリギリまで蓄えておこう…!」

青年兵「…ですよね!了解ですっ!!」

召喚士「ラクシャーサだけであれば…いいけど…」

青年兵「…それ程、楽にいくとは思えませんね」

召喚士「……うん」

二匹の馬は森を疾走し、火焔山のふもとまであと少しと迫りつつあった。
470 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:07:37.09 ID:I6nzVn6o
〜火焔山、北側〜

銀角「さて、どうします?」

戦士「こうも硬てぇとは…!どうやって攻めりゃあ……」

銀角「何人で来ようが…通用せんぞ!!」

ザッザッザ

隊長「……と、思わせようとしている」

魔道士「え…っ?」

隊長「コイツの今の心境」

銀角「……」

隊長「変身したとこで多勢に無勢…。口先で誤魔化して、手を考えてんのさ」

銀角「ほぉ!…お前から死ぬか?」

隊長「ほらな、証拠にかかってこねぇ。本当にものともしねぇなら…」

ザッ…ダンッ!!

隊長「とっくに襲い掛かってきてんだろうが!!」

怒号をあげながら、隊長は銀角へ飛び掛かる。
471 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:12:23.59 ID:I6nzVn6o
隊長「付加ぁ!!」

魔道士「はいっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァッ!!

隊長「うーりゃあぁ!!」

稲光が輝く隊長の一撃が、銀角の左肩めがけ振り下ろされる。

ズガッ!!

銀角「ぐう…っ!!」

スタッ

隊長「…ま、言うだけの事はある。硬てぇな…」

隊長は刃こぼれした長剣を見つめ、構え直しながらぽつりと呟く。

女隊員「隊長っ、どうするッスかぁ!?」

隊長「付加しろ。全員で俺に…だ」

マジシャン「はぁ!?おいおい…四行でも肉体的にゃ相当の負担が…」

隊長「時間かけてらんねーだろ。死にゃしねぇよ!」

男隊員「さっすが隊長!我らの犠牲になってまで…」
472 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:13:53.70 ID:I6nzVn6o
隊長「いいからさっさとやれ!!」

女隊員「じゃ、じゃあ…ウチは風行やるッス!」

マジシャン「本当に…いいんだな?」

隊長「くどい!!」

マジシャン「…魔道士ちゃんは雷だ」

魔道士「は、はいっ!」

銀角「なっ、何だ…!?何をするつもりだ…っ?」

隊長「風格あるっぽくは見えるが、お前からは小物臭しか漂わねぇんだよなぁ」

銀角「……くっ!」

隊長「ほんじゃ、行くぜっ!!」

銀角「な…なめるなぁ!!」

隊長「どりゃああぁぁーっ!!」

マジシャン「……今だっ!援護しろ!!」

魔道士「はあぁっ!!」

…ォォォォオオ
473 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:14:54.26 ID:I6nzVn6o
たじろぐ銀閣。その一瞬の隙を見逃さず隊長は大きく飛び上がる。

長剣を頭上の後頭部まで大きく振りかぶり、マジシャンらの魔法付加を待つ。

戦士「……え…な、何だ…っ?」

隊長めがけ、最初に到達したのは突風。

隊長「なん…だとぉ…!?」

しかしそれは、背後からの援護ではなく、正面の火焔山からである。

銀角「これは…!?くぅっ!!」

ババッ!!

マジシャン「よけろぉ!!」

男隊員「な…にぃ!?」

ゴオオォォォォッ!!

女隊員「く…っ……!!」

戦士「う…ぐあぁ!!」

魔道士「きゃああぁぁ!!」

大嵐のような突風に、その場の全員が巻き込まれ吹き飛んだ。
474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 18:15:14.84 ID:V3qyBgQo
戦士「…」
475 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:15:56.89 ID:I6nzVn6o
オオォォォォ…ドサッ

戦士「…っ……つう」

魔道士「……ぅ」

カツコツカツコツ…

うつ伏せに倒れる戦士と魔道士。その先に巨大な扇子を持った女の姿がある。

羅刹女「…何を遊んでいるんだい」

銀角「…うぅ…っ!ら…羅刹女…様」

戦士「…ア…アイツ…見た事あんぞ…!」

ググッ…

羅刹女「ほらっ、早く金角の元へ行き、合体でも何でもしなよっ」

銀角「…は、はは…っ!」

ググッ…ヨロッ…

羅刹女「全く、情けないねぇ…。助けてやった恩を忘れてさ…!」

戦士「ま…ちやがれ!!」

羅刹女「おや、意識があるのかい?他の奴ら同様…森の奥まで飛んで行きなっ!」
476 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:17:30.82 ID:I6nzVn6o
羅刹女は手にした芭蕉扇を大きく仰ぐ。

グググッ…ブオォッッ!!

戦士「ちぃ…っ!!」

魔道士「……やあぁっ!!」

ドドオオォォォォンッ!!……ベキベキベキィ!!

羅刹女「何だい!?巨大な壁…っ!?」

魔道士が放つ渾身の一撃。それは巨大な大地の壁を作り上げ、

芭蕉扇の作り上げた強風を防ぐ防御壁となる。

ドドオオォォンッ!!…ミシミシミシッ!!

羅刹女「ふん…っ!まぁいいさ。後は任せたよっ!」

銀角「は、ははっ!!必ずや牛魔王様の為に…!!」

戦士「…ま……魔王だ…と…!?」

魔道士「戦士さんっ!これ以上は壁が持ちませんっ!!」

戦士「!?……こっちだ!急げっ!!」

魔道士「は、はいっ!!」
477 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:18:42.44 ID:I6nzVn6o
タッタッタ……ゴシャアアァァッ!!…ドドオオォォ…

突風は土の防御壁を破壊しながら、森の奥へと吹き荒れていく。

戦士「…逃がすかっ!!」

羅刹女「ほーっほっほっほ!」

必死に追う戦士を横目に、羅刹女は火の中へと消えて行く。

戦士「熱…っち!!くそぉ!!」

魔道士「戦士さんっ!」

魔道士が指差す先、銀角が這う這うの体で山沿いを逃げる。

戦士「ちっ!そっちは逃がさねぇぞ!!」

タッタッタッタッタ

戦士は小走りで戟を拾い上げ、銀角の後を追う。

魔道士「せ、戦士さんっ!?」

戦士「ここで逃がすと厄介だ!トドメを刺す!!」

魔道士「で、でも…っ!」

戦士「隊長やオッサン達なら…きっと無事だ!今は奴を追うぞ!」
478 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:23:05.09 ID:I6nzVn6o
〜火焔山、西側〜

盗賊(どうする…!?くそっ、焦るな!冷静に考えるんだ…!!)

ザッザッザ

盗賊(こんな時…兄様や他の皆なら……えっ!?)

ザッザッザッザッザ

格闘家「……」

金角「何です?無防備で…降伏ですか?」

格闘家「……貴様」

盗賊「ま、待て…っ!!」

格闘家「それを…渡せ…っ!」

タンッ!!

盗賊「……!?」

金角「早いっ…!?」

ボキィ!!

金角「な……にぃ…!?」
479 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:27:35.33 ID:I6nzVn6o
瞬時の内に金角の懐へと入り込んだ格闘家。

瓢箪を手にした金角の右手首へ、格闘家の鋭い手刀が浴びせられる。

金角「う…ぐぁ…っ!」

格闘家「はあぁ!!」

バキィッ!!…ドゴォ!!

折れた手首を庇う金角。その隙にニ発程、金角の腹部へ拳が打ち付けられる。

金角「がふ…っ!!」

パシッ

格闘家「…瓢箪、頂くぞ」

金角「ま、待て…っ……」

格闘家「おいっ、一旦離れるぞ!」

盗賊「…う、うん!」

金角「逃が……すか…ぁ…!」

ググッ…ミシッ…ミシミシィ!!

格闘家「……!?」
480 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:32:43.63 ID:I6nzVn6o
盗賊「変身するぞっ!」

格闘家「森へっ!!」

ドドオオォンンッ!!…ガカアアァァッ!!

格闘家「…くっ!!」

瓢箪を抱え森まで退こうと試みる格闘家と盗賊。

その行く手を遮る落雷が、金角の手により放たれる。

金角「逃がすものか…!」

グググッ…ドズウゥンッ…

盗賊「…来たっ!」

ザッ

格闘家「……」

盗賊「…二人では…無理だ!」

格闘家「君はこの瓢箪を持って逃げてくれ。ここは自分が…」

盗賊「……駄目だ!」

格闘家「…いいからっ!」
481 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 18:43:09.59 ID:I6nzVn6o
盗賊「良くないっ!一人で勝てる相手じゃない!」

格闘家「……」

盗賊「…それなら、二人で足止めしよう!」

格闘家「…うまく…行くかな」

盗賊「…やるしか…ない!!」

ジャラララッ

金角「さぁ、瓢箪を返せ!」

盗賊「私が囮になる…。一撃…叩き込んでくれ」

格闘家「…分かった」

盗賊は鎖をくるくると振り回しながら、金角の右方へ回りこむ。

金角「無駄だっ!折れた腕など治ったわ!!」

盗賊「関係ないっ!!」

体の向きを捻る金角に対し、盗賊は一歩踏み出した右足へと鎖を巻きつける。

金角「な…っ!!」

盗賊「はあぁっ!!」
482 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 21:45:04.58 ID:PQlNM.AO
てかこの格闘家って戦士だったかに地下闘技場で負けてなかったっけ?

いまいち強キャラか凡キャラかわからない
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 22:40:39.43 ID:XciJ9WE0
>>482
読み直しておいで
484 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 23:41:53.20 ID:EZBwllQo
ギュルルッ!!……ギシィッ!!

金角「この程度の…っ、鎖いぃ…!!」

盗賊「……っく!!」

ギシッ……ギギギッ

盗賊(以前の…ままなら、きっと駄目だった…)

グッ…ググッ

盗賊(でもっ、今は……違う!!)

盗賊の持つ鎖が、徐々に金角の体を引き始める。

盗賊(鍛冶屋さんが作ってくれた新しい鎖…っ!!)

グイッ

盗賊(そして……修行の…成果っ!)

グイッ!!……ザシンッ!!

金角「バ…バカなぁ……!?」

盗賊「たあぁっ!!」

両手で力任せに鎖を引く盗賊。金角の体はバランスを崩し、地面へ仰向けに倒れた。
485 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 23:42:22.36 ID:EZBwllQo
ドズウウゥゥンッ!!

金角「まさか…っ、こ…こんな……」

盗賊「今だっ!」

格闘家「あ、ああ…っ!」

倒れた金角めがけ、格闘家が地面を蹴り、飛ぶ。

格闘家「はっ!!」

格闘家は空中で二回ほど周り、右膝を立てて金角へと落下する。

ドグォッ!!

金角「ぐ…ぶお…っ!!」

クルクルッ…スタッ

格闘家「…ふーっ!」

盗賊「…よしっ!今の内に…っ…!?」

格闘家「……?」

盗賊「後ろっ!!」

盗賊の叫びに振り返る格闘家。その眼前に…。
486 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 23:43:43.23 ID:EZBwllQo
格闘家「…敵…っ……」

バキャアァッ!!……ドシャアァッ

盗賊「……!!」

ザッザッザ

――「……フーン、確かに…返して貰ったよ」

いきなり格闘家を殴り飛ばし、瓢箪をポンポンと左手で弄ぶ男。

格闘家「…が……あぁ…っ!」

――「人間ってモロイね。今の一発如きでアバラがイッちゃったかぁ…」

盗賊「貴…っ様ぁ!!」

――「貴様とは無粋な奴だね。俺の名は紅孩児」

盗賊「……っ!!」

紅孩児「ああコレ…?魔族なんだから角くらいあっても不思議じゃないだろ」

盗賊「よ…くもっ!」

チャキッ

盗賊は薄緑を素早く構え、紅孩児への攻撃に備える。
487 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/09(月) 23:55:23.47 ID:EZBwllQo
紅孩児「へぇ、やる気マンマンって感じだね。……おい、金角!」

金角「こ…紅孩児様…っ…」

紅孩児「情けない声出してないでさぁ、もっと頑張りなよ」

金角「……も、申し訳…っ」

格闘家「く…っそ……」

グググッ…

紅孩児「手負いの武道家に、おなごが一匹…。お前一人でも充分でしょ」

金角「…む、無論…っ!」

紅孩児「じゃあ後はヨロシク。俺はコイツを父上に届けるとするよ」

チャプチャプッ

金角「ははぁ!」

盗賊「ま、待て…っ!!」

紅孩児「ん……?」

紅孩児は立ち止まり、山の左方向を見つめる。

盗賊「……な…んだ…っ!?」
488 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 00:04:36.75 ID:0whG1QAO
どんだけ主人公サイドが成長しても、絶望を感じる敵がどんどん出てくるな

毎回がラディッツの襲来並みのインパクトだわ


どうやってあと数年で魔王全員倒すつもりなのか気になって仕方ない
489 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 00:16:39.14 ID:LJtRrMAO
元気玉だろう
490 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 00:21:53.20 ID:RFc468wo
格闘家「くそ…っ、新手か……!」

金角「あれは銀角…っ!?」

紅孩児「……ハハハッ!銀角まで逃げ帰ってきたのかっ!」

ドズンドズンドズンッ

銀角「こ、紅孩児様…っ!?」

紅孩児「まぁ丁度良い。せいぜい二人で頑張ってくれよ」

紅孩児は声を上げて笑い、炎の中へとその身を寄せる。

ヒュッ……ガシィッ!!

紅孩児「……?」

盗賊「……逃…がすかっ!」

盗賊の放った鎖が、紅孩児の左腕へと巻きつく。

紅孩児「…フンッ。小賢しい」

紅孩児は背中を向けたまま、その鎖を振りほどく為に、腕を大きく上げる。

その刹那、上げた左腕へと、雷が直撃する。

ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァッ!!
491 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 00:27:34.76 ID:RFc468wo
紅孩児「ぐぅ…!!な、何だ…っ?」

格闘家「…!?」

盗賊「…え、嘘…っ!そ、そんな……っ!!」

ジャリッ

魔道士「はぁっ…はぁっ…はぁ…!!」

銀角「貴っ様あぁ!!」

ブンッ!!…ガキイィッ!!

銀角「……っ!?」

銀角の振り下ろす拳を、魔道士の前に立ちはだかり受け止める男は、ゆっくりと口を開く。

戦士「……よぉ、元気そうで何よりだ!」

盗賊「せ…んし……っ!!」

魔道士「盗賊さんっ!やっぱり…良かったぁ!!」

盗賊「魔道士…っ!!」

紅孩児「…フー、やれやれ。奴らの仲間まで連れて来たのか」

銀角「も、申し訳ありませぬ…!」
492 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 00:30:51.04 ID:RFc468wo
紅孩児「まぁ戦況は変わらんか。所詮は互いに倍となっただけの事…」

ヒュッ…スタッ

紅孩児「今の一撃、なかなか良かったぞ。お陰で瓢箪をどこかへ落としてしまった…」

テクテクテク

紅孩児「俺は瓢箪を探しているから、ソイツらは任せたよ」

金角「……ははっ!」

戦士「そこの兄さん、大丈夫かい!?」

格闘家「……あ、ああ。すまない…気にするな…っ」

戦士「あんた…どっかで……」

銀角「金角ぅ!!」

金角「おうっ!!」

二匹の鬼が同時に走りだし、一気に間合を詰める。

戦士「魔道士っ!そこの兄さん拾って退がれ!!」

魔道士「はいっ!!」

盗賊「……はぁ!!」
493 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 00:34:20.82 ID:RFc468wo
ガキイイィィンッ!!

金角を盗賊が、銀角を戦士がそれぞれ拳を刃で防ぐ。

戦士「お…お前っ、力付いたなぁ…!」

盗賊「……ふふっ」

銀角「何をベラベラとぉーっ!!」

戦士「うおっと!!」

ヒュンッ…スタッ

金角「チョコマカと小賢しい連中よ!」

魔道士「……あ、あれ…!?地下闘技場の…っ!!」

格闘家「…じ、自分に構わず…早く…援護を!」

魔道士「……は、はいっ!!」

紅孩児「……おっ、あったあった」

テクテクテクテク…

紅孩児は手を伸ばし、地面に落ちた瓢箪を拾い上げる。

紅孩児「……?」
494 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 00:38:37.42 ID:RFc468wo
ォォォォオオ

紅孩児「…風っ!?」

バッ!!

瓢箪の直前で腕を引き距離を取る紅孩児。真横から迫ったカマイタチのような風は、

火焔山の炎の中へと消え、消滅する。

ザッザッザッザッザ

紅孩児「…フー、やれやれ。また援軍か…っ」

紅孩児は右を向き、カマイタチを放った張本人をじっと見つめる。

盗賊「……っ!!」

ザッザッザッザッザ…

魔道士「う…っ、嘘ぉ!?」

ザッザッザ…

戦士「……やっと…来やがったか!ははっ!」

ザッザッサ……ザッ!!

召喚士「……みんな、お待たせ…!」
495 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/10(火) 00:44:51.98 ID:RFc468wo
今回ここまでにて…失礼致します!
ご支援ありがとうございました!おやすみなさーい!ノシ

〜オマケ〜

羅刹女「そーれっ!食らうがいいっ!!」

バッサァ…ビュオーッ

魔道士「きゃあぁーっ!!」

女隊員「ちょ…っとぉ!めくれるッスよぉ!!」

羅刹女「おーっほっほっほ!もういっちょ〜!」

バッサァ…ビュオーッ

南方弓長「う…っわ!ちょ…っ!もうっ!!」

盗賊「……きゃあぁ…ってズボン…だった」

マジシャン「……くれ」

羅刹女「はぁ?」

マジシャン「だから、その扇子を俺にく…うわあぁぁーっ!!」

バッサァ…ビュオーッ……キラーン

召喚士「マ、マジシャンさん…っ、さよならは言いませんよ…っ!」
496 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 00:46:47.21 ID:iZQIQKwo
召喚士のレイピアでも同じことが出来るな…ゴクッ

497 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 00:52:17.84 ID:zFC6DWIo
召喚士「こ・・・これで魔道士さんの・・・フ・・・フヒ・・・・」

こりゃ引くな・・・・
498 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 00:59:03.16 ID:S.Vt9VM0
>>1

今日も面白かったよ!
499 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 01:02:37.66 ID:NEqUDQAO
乙!新キャラは西遊記に出てきた奴だっけ
500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 01:11:57.40 ID:jYPOFMU0
召喚士パーティーは全員自分の命と引き換えになる可能性のある魔王すら倒せる技が用意されてるから現実味があるが、
皇太子とか上位ランカーほど腕が立つ訳でもなきゃ策がある訳でもないのに
どの口で魔王まとめて封印するとか言っちゃったんだろうな
国家錬成陣でもやるつもりか?
501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 01:29:04.55 ID:cggpvxw0
いや、皇太子なら、国軍付きのワーカーである召喚士パーティー動員できるし、いいんじゃん?
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 01:31:07.21 ID:iZQIQKwo
>>501
もう少し考えてレスしろ
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 01:54:04.68 ID:serAY6SO
>>1毎日乙鰈産です。

ちょっとまて、女隊員はスカート着用のグラマーポニテ=初期ブルマかよ!?
この娘を目の前にして、手を出さずに一ヶ月間暮らした隊長に男隊員、そして戦士よ。
お前ら、戦士じゃなくて賢者だろww
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 01:56:21.36 ID:HkJCtHgo
今日までどれだけwwktkしたことか…
いったいどんな場面でパーティが揃うかと思ったが…
物凄く熱いな
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 02:10:20.33 ID:ULqG8wEo
>>500
上に立つ者としてはどこかで決断が必要だったんじゃね?
内応者の存在もあるし長期戦になればなるほど不利だし、
一部封印済みの魔王の封印解除された瞬間敗北必死とか考えたんじゃ。
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 02:24:11.45 ID:horsONA0
ハァハァ…ハァハァ…続きが気になる…ハァハァ…
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 02:42:53.46 ID:cggpvxw0
>>502
考えたが、問題なくないか?
説明して
508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 03:19:48.34 ID:ULqG8wEo
>>507
他者を犠牲にすること前提だからとかではないかな。
というか現時点で可能なのって召喚士と魔導士がもしかしたら可能かどうか。
戦士は火の鉱石だけだし、盗賊は例のクナイがどれだけのものか謎だ。
仮に全員できても複数いる魔王には人数足りない。
509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 03:21:55.58 ID:iZQIQKwo
皇太子が魔王倒すって言い出したのは召喚士達が国軍付きになる前だ
何考えて魔王倒すとかいっちゃったんだろうね
まだ出てないキャラが魔王倒すとかじゃないかぎり問題ありな発言じゃね?
510 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 04:48:36.48 ID:T9XFdADO
こまけえこたあいいんだよ!

勝算なくても挑戦しなきゃいけない時期でもあるだろ
511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 05:26:46.98 ID:HkJCtHgo
海峡取り戻して防衛ライン完成したから、調子乗ったんじゃね?
512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 05:30:43.99 ID:/SPFOak0
はい、「予想」はここまで。

予想はよそうぜwwwwwwww
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 08:27:41.64 ID:0whG1QAO
>>1

とうとう揃っちゃったよ!思わず、ギャルのパンティお〜くれ!!って叫ぶところだったわ

これからまた魔道士ちゃんの幸せそうな顔が見られるはずなのに、おかしいな…なんだか素直に喜べないや…

こんなに辛いなら、こんなに苦しいのなら、愛などいらぬ…!!
514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 09:14:42.37 ID:iaw39QAo
4人揃ったら安定感がパネェ
成長して実力上がってても、個々の力はまだまだ天才とか隊長とかにはおっつかないのに

パーティっていいもんだな
515 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 14:04:09.80 ID:j/zdLCUo
皇太子が魔王倒すって言ったのは個人やパーティ単位じゃなくてあくまで国のトップとしての発言だろ
516 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 17:56:55.37 ID:knhCk/Io
〜赤壁〜

ドドッドドッ

騎兵「伝令ーっ!!」

赤壁兵「先鋒の騎兵隊から伝令です!」

南方参謀「首尾は!?」

騎兵「山の北側にて布陣完了!」

南方魔道長「…ああ。さっき黄色の3を確認した」

南方参謀「司令は?」

騎兵「はっ。ワーカー三名とともに先へ…」

南方魔道長「あんのバカ…!」

南方参謀「ワーカー?三人…?」

騎兵「詳細は分かりませんが…男二人、女一人のパーティーだったと…」

南方参謀「……」

南方魔道士長「まぁいい、どうする?陣まで進むか…?」

南方参謀「…当然よっ!赤壁には最低限の守備を残し…出陣っ!!」
517 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 17:57:44.97 ID:knhCk/Io
〜火焔山〜

召喚士「……」

盗賊「……来ると…信じてた」

戦士「お前がいなきゃ、始まんねぇよな…!」

魔道士「召喚士…さん……っ、召喚士さんっ!!」

金角「おい銀角!コ…コイツら…!!」

銀角「間違いない…。あの時の…!!」

紅孩児「フーン、なんだか因縁あるみたいだね」

ザッ

紅孩児「丁度いいじゃない。任せたよ」

紅孩児は瓢箪を拾い上げ、冗談交じりに一同へ会釈する。

戦士「あんの野郎…っ!」

盗賊「逃がすな!奴の瓢箪を…!」

召喚士「瓢箪…?」

盗賊「天才と司令が捕まった!あの瓢箪に閉じ込められているっ!」
518 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 17:58:50.72 ID:knhCk/Io
戦士「何だと!?」

紅孩児「おっと…。それじゃ…」

魔道士「魔法っ、駄目…!間に合わ……」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」

シュイイィン…ゴウッ!!

紅孩児「!?」

紅孩児の頭上へ現れた青龍召喚獣、ワイバーン。

その主である青年兵が、紅孩児の左方より現れる。

魔道士「青年兵さんっ!!」

紅孩児「感動のご対面と見せかけて、本丸はコッチかい」

青年兵「逃がすかっ!!」

紅孩児「…フン」

紅孩児はおもむろに火の中へ右腕を突っ込み、のそのそと手首を回す。

青年兵「……?」

戦士「何するつもりだ…?」
519 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 17:59:32.83 ID:knhCk/Io
ズズッ…ズズズッ

紅孩児一同へ目を向けたまま、炎に包まれた右腕をゆっくり引き抜く。

ズズッ……ゴウッ!!

魔道士「ほ…炎がっ!?」

激しく燃える炎は、徐々に収縮し、紅孩児の右手へ棒状となり握られる。

青年兵「ワイバーンッ!!」

召喚士「魔道士さんっ!」

魔道士「水行…っ、撃ちます!」

青年兵の号令で迂回し、再び紅孩児へ迫るワイバーン。

それと同時に、魔道士の放つ氷の矢が、ワイバーンの背後より追尾する。

紅孩児「……ハハッ!!」

紅孩児の右手のそれは、槍のような形状を模し、穂先に炎がともる。

刀身代わりの炎をゆらゆらと燻らせながら、槍は大きく振りかぶられた。

ヒュオッ……ズンッ!!

ワイバーン「っ!!」
520 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:01:22.86 ID:knhCk/Io
5メートル以上あろうかという巨大な槍の一振り。ワイバーンは即座にかわし、

炎はワイバーンの翼をかすめながら魔道士の氷を一気に溶かしてみせる。

ドジュウゥゥ…

戦士「な…っ!!」

召喚士「青年兵くん!?」

青年兵「大丈夫ですっ!直撃ではありません!」

紅孩児「…ハハッ、コイツは火炎槍。1丈8尺あるエモノだ」

戦士「…ほぉ、自信タップリだな。いっちょ…やるかい?」

紅孩児「そんな安っぽい挑発は受けないよ」

紅孩児は瓢箪を左右に揺らしながら、火炎槍を担ぎ背を向ける。

紅孩児「金角、銀角。しっかり頼んだぞ」

スゥッ

盗賊「待てっ!!」

青年兵「ワイバーン!!」

ワイバーン「おうっ!」
521 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:02:18.77 ID:knhCk/Io
盗賊とワイバーンが同時に紅孩児の後を追う。

その前に立ちはだかる金角の上空を、ワイバーンが飛び去る。

金角「貴様は通さん…!」

盗賊「…ちっ!」

戦士「仕方ねぇ!先にこの二匹始末すんぞ!」

銀角「ほざくなぁ!!」

ダッ!!

金角「待てぃ、銀角!!」

銀角「…!?」

金角「こやつ等には一度敗れている。最初から全力でいくぞ!」

銀角「……そうか、そうだな」

召喚士「…来るっ!!」

戦士「全員合流っ!隊形を組むぞ!!」

魔道士「格闘家さんっ、下がって下さい!」

格闘家「…くそ…っ、す…すまん…っ!!」
522 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:03:42.98 ID:knhCk/Io
金角と銀角が横並び、瞬時の内に同化する。

戦士「…合体の瞬間を狙うとか、そんな暇もねぇな…」

愚痴をこぼしながら戦士は先頭の盗賊と並び立ち、戟を構えた。

盗賊「……ふー」

戦士「お前と前衛張るのも…久々だな」

盗賊「……ああ」

チャキッ

魔道士「召喚士さん…っ」

召喚士「魔道士さん…すみません……」

魔道士「え…?」

召喚士「実は魔力を消耗していて…召喚出来ないんです…」

魔道士「…そ、そうなんですか!?」

召喚士「まぁ正確には一度くらいは出来ると思いますが…」

魔道士「む、無理はしないで下さいね!ここは私が…っ!」

召喚士「…うん。ありがとう!」
523 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:04:23.94 ID:knhCk/Io
ボゴォ…ズグッ…ズズズッ…

魔道士「来ますよっ!!」

金角と銀角。両者が合体し巨大な鬼へと姿を化す。

大鬼「……グ…フフッ…ハハハ!!」

戦士「力任せに振り回してくるだけだ!無理に攻める必要も…」

ヒュオッ

大鬼「…グハハァッ!!残念だったなぁ!!」

戦士「何…っ!?」

大鬼の背後に回り込もうと動く戦士。それを完全に捉え大鬼が体を反転する。

盗賊「戦士ーっ!」

大鬼「前とは違うのだあぁ!!」

大鬼の左拳が戦士の足元に叩きつけられた。

ブオンッ……ドッグオオォォンッ!!

戦士「ぐお…っ!!」

盗賊「ちっ!!」
524 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:04:50.54 ID:knhCk/Io
強烈な一撃に吹き飛ばされる戦士と地面。それをしっかりと追い、

大鬼は右手に握った巨大な剣を戦士めがけて振り下ろす。

大鬼「死ねえぇぇ!!」

ビタッ

宙へ舞い上げられた地面を、お構いなしに斬り進む大鬼の刀身。

それは戦士へと到達する前に、ピタリとその動きを止める。

大鬼「…ぬ…ぐぅ……!?」

盗賊「…っ!!」

ギリギリギリッ…ググッ…

大鬼の右腕に絡まりつく鎖。盗賊は懸命にその巨体の動きを制する。

だが腕力の差は大きく、次第に盗賊の足が前へと引きずられ始めた。

大鬼「……ぬ…ぐああぁぁ!!」

ブンッ!!

盗賊「……っ!!」

戦士「助かった……っぜ!」
525 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:05:17.55 ID:knhCk/Io
戦士は空中で体勢を立て直し、手にした戟を大鬼の右手へ投げる。

ブンッ……ザクゥ!!

大鬼「ぐう…っ!!」

盗賊が鎖を解き間合いを取ると同時に、戦士は雷切を抜刀し、

着地と同時に地面を蹴り、一気に大鬼の懐へと潜り込む。

大鬼「こ…ざかしいいぃぃ!!」

迫る戦士に左拳で殴りつける大鬼。戦士は冷静に体勢を左に捻る。

戦士「……っ!!」

大鬼の巨大な拳が衝撃音とともに戦士へぶつかる。

それは左手の盾で遮られ、軌道を変え左腕をかち上げた。

魔道士「いっけぇ!!」

ドドオオォォンッ!!

ガラ空きとなた懐に、魔道士の放った巨大な氷が着弾する。

盗賊「やったか!?」

召喚士「いや…っ!駄目だ!!」
526 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:05:52.78 ID:knhCk/Io
シュウウゥゥ

魔道士「き…効いてないっ!?」

戦士「ならばっ!!」

よろめく大鬼めがけ、雷切が稲光を発し斬り上げられる。

ヒュッ…ザシュゥッ!!

戦士「浅いか…っ!」

大鬼「グ…ガアアァァァァッ!!」

大鬼は虫を振り払うかのように両腕を上げ、一気に地面へと叩きつける。

ドッグオオォォンッ!!…ドシャドシャアァッ…

青年兵「……」

召喚士「いや…ワイバーンはそのまま……」

青年兵「!?……わ、分かりましたっ。しかし…」

召喚士「……いくしかないか」

砂塵の中、牙を剥き出しに唸る大鬼。召喚士はゆっくりと足を進める。

格闘家「は…早くしないとっ、師匠が……」
527 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:06:19.34 ID:knhCk/Io
魔道士「……っ」

戦士「チンタラやってる暇はねぇよな!」

召喚士「…ああ!」

盗賊「……行くか」

盗賊は薄緑を握りなおし、重心を低く落とす。

大鬼「…まとめて…ブリ殺してくれるわっ!!」

召喚士「……はあぁ!!」

勢いよく迫る大鬼に対し、召喚士が身構えたその時…。

後方より一筋の稲光が、大鬼の両足へと直撃する。

ガカアアァァッ!!……ドズウゥンッ

大鬼「…ぐっ……な、何……」

ザッザッザッザッザ

召喚士「……!?」

戦士「…来て…くれたかっ!!」

マジシャン「ハッハ!ここは…任せとけ!」
528 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:06:56.75 ID:knhCk/Io
盗賊「…っ!!」

隊長「急ぐんだろ?大体の話は聞いた」

隊長は上空のワイバーンを顎で指し、腰に手を当てる。

女隊員「大丈夫ッスか!?」

格闘家「…し、師匠を…っ!」

男隊員「ここは前座で我慢しとくかぁ…!ヒャハハ!」

大鬼「次から次へと小賢しい…!!」

マジシャン「ほらっ、早く行け!」

青年兵「……行きましょう!」

戦士「後は頼むぜ!!」

隊長「誰に言ってんだ…阿呆っ」

魔道士「い、いいんですか?」

召喚士「早くあの瓢箪を取り戻さないと…!」

盗賊「ああっ!」

五人は大鬼から離れ、再び火焔山めがけて走り出す。
529 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:07:32.29 ID:knhCk/Io
ダダッ

大鬼「逃がすかぁ!!」

男隊員「させっかよぉ!!」

マジシャン「だりゃあぁ!!」

マジシャンの放つ土の魔法が、巨大な岩の針を作り出し大鬼へと迫る。

ドドオオォォンッ!!…ドドドドドドォッ…

大鬼「くそ…ぉ!!」

その間を器用に隊長と男隊員は剣を手に、間合いを詰める。

隊長「ふんっ!!」

男隊員「とおりゃあぁ!!」

ブンッ…ビュオッ……ギイィィンッ

大鬼「……ぐく…っ…!!」

マジシャン「さぁて、お相手願いますぜ?……ハッハ!」

土の針に身動きを封じられ、二人の長剣を両腕で受け止める大鬼。

その鋭く恐ろしい目は、火焔山へと走り去る五人の姿を睨み付けた。
530 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 18:12:47.55 ID:Z9H9VI.o

 コカトリッサーV

24面 火焔山の戦い

A:15ターン以内に紅孩児の討伐
B:紅孩児を20ターン撤退させない
C:大鬼の討伐
531 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:15:08.77 ID:knhCk/Io
〜火焔山、ふもと〜

ワイバーン「……こっちだ」

タッタッタッタッタ

戦士「さっきの野郎の…動きを追ってたとはな!」

魔道士「さすがですねっ!」

青年兵「…あそこですね!」

タタッ…ザザッ

盗賊「……」

戦士「…あっちぃ…っ!こんな所…入れんのかよ!?」

魔道士「あ…でも……」

召喚士「……?」

魔道士「ここ…通れそう……」

スゥッ

戦士「お、おい…っ!!」

盗賊「!!……も、燃えて…ない!?」
532 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:20:31.45 ID:knhCk/Io
召喚士「そうか…っ!この一画だけ…幻術なんだ!」

青年兵「た、確かに…ここだけ…何ともないですね」

青年兵は炎の中へ腕を突っ込み、出し入れする。

戦士「…マ、マジかよ…っ!」

魔道士「…行きましょう!」

召喚士「魔道士さん……分かりますか?」

魔道士「…何となく…ですけど」

盗賊「…よし、行こう」

召喚士「すみません…。玄武が使えればもっと楽に…」

魔道士「大丈夫です!任せて下さいっ…ふふっ!」

魔道士は炎の中をゆっくり慎重に、前へ前へと突き進む。

ススッ…テクテクテク…ススッ…

魔道士「一応…水行も詠唱しておきます…!」

戦士「……待ってろよぉ…!」

魔道士を先頭に、五人は燃えさかる炎の中へと姿を消した。
533 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:29:17.16 ID:knhCk/Io
〜火焔山、城内〜

牛魔王「……」

ネクロマンサー「ほぉ、山中へ入られたようですねぇ」

羅刹女「全く…。やっぱりあんな奴らに任せるんじゃなかったよ」

ネクロマンサー「まぁまぁ、彼らもまだ全快ではなかったわけですし…」

羅刹女「それにしたって役立たずさ。人様の血まで頂いておいて…」

牛魔王「グッハハハ!まぁ良いではないか…!」

羅刹女「アンタ、何をそんな悠長な……」

牛魔王「紅孩児もおるのだろう?奴一人居れば…負けはせんよ」

羅刹女「それはそうだけど……」

ネクロマンサー「それより、援軍は動いているのですか?」

牛魔王「それは抜かりない。お前の言う通り、全てこちらに目を向けた事で…」

ネクロマンサー「街の守備は手薄でしょうね…。クッククク!」

羅刹女「街なんか潰したって…面白い事なんてないのにねぇ…」

ネクロマンサー「私が欲しいのは…街なんかではありませんよ。…ククク!」
534 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 18:30:30.04 ID:0whG1QAO
みんな各々の修行で得た力を大なり小なり披露しているというのに

おお主人公よ、枯渇してしまうとは情けない
535 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 18:40:33.75 ID:Ps5yJcAO
ブリ[ピーーー]は無いわwww

思わず2度見して笑ってしまったw
536 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/10(火) 18:42:06.49 ID:knhCk/Io
〜火焔山、山中〜

戦士「…へぇ、洞窟になってんのか」

青年兵「燃えているのは外部だけのようですね」

魔道士「…でも、熱はありますね」

戦士「なんだか、イヤな事思い出しちまうな…」

召喚士「……」

戦士「…そんで、その瓢箪に天才と司令が吸い込まれたんだな?」

盗賊「…ああ。はっきりこの目で…見た」

召喚士「魔法か何かですか?」

盗賊「…分からぬ。…ただ…会話しただけだった」

魔道士「持って…一日なんですよね…?」

盗賊「…奴らが言うには」

戦士「とにかく、まずは瓢箪を奪還でにゃ…何も始まらんな」

盗賊「…ああ」

召喚士「……急ぎましょう!」
537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/10(火) 18:50:55.62 ID:knhCk/Io
>>530
何時の間にVが!?RPGよりSLGっぽくなってきましたかね…?

>>534
召喚士「は…ははっ、いやいや…これから!これからですって…ははっ」

>>535
ブチなぶり殺す、の略です!嘘です!ごめんなさい…!

天気が崩れる前に失礼致します!
ご支援ありがとうございましたー!ノシ
538 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 19:11:36.27 ID:MOHi02AO
いちおつ
個人的にはSLGでやってみたいな!一番やりたいのは恋愛SLGだけどなwwww
539 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 21:14:36.44 ID:0AVN8hw0
牛魔王のおっちゃんが悪いことするはずがないよ!
540 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 22:38:48.79 ID:jYPOFMU0
>>515
方法もなく言うだけで良いなら
民主党は批判されてないよ
国軍で魔王に太刀打ち出来そうなのは
青龍先生と再来の生き残りマジシャンだけ
でも現実は恐らく2人揃っても軍団長クラスがせいぜいでしょ
国軍総動員でも魔王一体すら倒せそうにないのに、7体同時封印なんて策がなきゃ口だけとしか考えられないんだけど
そんな策がないのにマニフェストにしちゃ問題だよ
541 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 22:44:09.50 ID:nB6ffsg0
540へ
--------------
 ながい
--------------
  戦士より
542 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 04:08:44.73 ID:SQ4KoISO
懐かしい手紙だなwwwwwwww
543 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 08:32:31.66 ID:oj9j67A0
懐かしいwww
544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 11:09:31.49 ID:nnaf7d.o
ふもとがふとももに見えた・・・っどうしちゃったんだろ俺・・・
545 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 13:57:53.52 ID:WUzt/ESO
>>544

ナカーマ(*^o^)/\(^-^*)
546 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:27:04.45 ID:FEh6T.wo
〜火焔山、ふもと〜

隊長「っしゃあ!!」

マジシャン「ほいよっ!!」

ザシュッ…ドドオオォォンッ!!…ズガアアァァッ!!

女隊員「駄目ッス…!ほとんど効いてないッス!」

スタッ

隊長「……どうすんだよ」

マジシャン「そう言われてもなぁ…」

隊長「五行でちょちょいと片付けてくれよ」

マジシャン「はぁ!?こんな奴に五行使って死ねってか!?」

男隊員「手間省けていいじゃんか」

マジシャン「よくねぇよ!人の命を何だと思ってやがる!」

隊長「死ぬったって確立80%ぐらいのモンだろ?20%あんじゃんかよ」

マジシャン「ふざけんな!大体、俺の五行はなぁ……」

大鬼「何を…ゴチャゴチャとおおぉぉ!!」
547 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:27:44.23 ID:FEh6T.wo
マジシャン「アイツに一撃ブチかます為に…とってあんだよぉ!」

マジシャンは叫びとともに、突進する大鬼へ炎を放つ。

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォ!!

大鬼「無駄無駄ぁ!!」

マジシャン「おらっ!さっさと攻撃しろ!!」

隊長「足だけ狙えっ!動きを止める!!」

女隊員「はいッス!!」

ババッ……ズバッ…バシュッ!!

男隊員「硬ってぇな、くそ!…魔法剣でこれかよっ!」

隊長「徹夜は勘弁してくれよ、ほんと…」

男隊員「仕方ねぇ…おいっ、クソアマ!」

女隊員「……?」

男隊員「アレやんぞ!準備しろっ!」

女隊員「…ういッス、了解ッス!」

マジシャン「ん…っ?」
548 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:28:12.50 ID:FEh6T.wo
ザッザッザ

男隊員「隊長、時間稼ぎ頼むわ」

男隊員と女隊員が前へ進み、剣を構え並ぶ。

隊長「…はいよ」

男隊員「……いくぞ!」

女隊員「ういッス!!」

両手で得物を握り締め、示し合わせたかのように力を溜める二人。

ドドドドドド…

マジシャン「おぉ、すっげぇ魔力…!」

大鬼「何をするかは知らんが…っ!させるかぁ!!」

ドンッ!!……ガキイィィンッ!!

大鬼「……ッ!!」

隊長「こっからは…一歩も行かせねぇよ!」

大鬼の振るう大刀を隊長が渾身の力で受け止める。

大鬼「く…っ、ぬぅ……っ!!」
549 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:29:02.01 ID:FEh6T.wo
グググッ

隊長「…お…らぁ!早くしやがれっ!!」

男隊員「……いけるか!?」

女隊員「いいッスよぉ!」

マジシャン「ほぉぉ、ありゃ二行ずつで四行か…」

ザッ

マジシャン「無ぇのは土行…。そんなら……」

隊長の背後より男隊員と女隊員が、大鬼へと飛びかかる。

キイィィンッ……ブオンッ!!

男隊員「くらええぇぇ!!」

女隊員「てやあぁ!!」

マジシャン「こいつで……五行っ!!」

ドドオオォォンッ!!

大鬼「!!」

二本の剣とそれを追尾するように、マジシャンの放った光が大鬼へと襲い掛かった。
550 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:29:50.78 ID:FEh6T.wo
〜火焔山、山中〜

テクテクテク

先頭を歩く戦士が松明を左右に揺らす。

魔道士「……なんだか…物騒ですね」

召喚士「ええ……」

盗賊「…でも…魔物の気配は…ないな」

戦士「この洞窟を抜ければ、出て来るかもなぁ…」

青年兵「……」

召喚士「青年兵くん」

青年兵「はい…?」

召喚士「青年兵くんは、どう思う?」

青年兵「瓢箪ですか?うーん、そうですねぇ…」

召喚士「確か、会話をしただけと言ってましたよね?」

盗賊「…うん。些細な会話だった」

召喚士「具体的には…?」
551 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:30:28.46 ID:FEh6T.wo
盗賊「……えぇと」

戦士「……」

盗賊「…最初に天才が…瓢箪の事を…尋ねてた」

召喚士「それで…?」

盗賊「…それで…天才が挑発してたら…吸い込まれた」

戦士「何だそりゃ…」

盗賊「…ほ、本当だもん」

青年兵「そ、それで…司令も…?」

盗賊「…うん。発動とか解除とかの方法を尋ねて…問答してたら…」

戦士「サッパリ分からんな」

魔道士「…ですね」

召喚士「二人とも、魔物と会話をしていて吸い込まれた…と?」

盗賊「…そう…なるかな」

青年兵「ひとまず、会話は避けた方が良さそうですね」

召喚士「うん…。奴に話しかけられても、沈黙を貫こう」
552 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:31:56.26 ID:FEh6T.wo
戦士「よっしゃ、了解!」

召喚士「とにかく今は、この洞窟を抜けないと…」

魔道士「ですね…っ」

青年兵「召喚士さん、魔力はどうですか?」

召喚士「…うん。少しずつ…戻ってきてるよ」

戦士「何でそんな目に合ったんだ?修行か?」

召喚士「いや…実は……」

召喚士は南方での出来事を簡潔に話す。

魔道士「召喚フェス…!懐かしいですね!」

戦士「へぇ…っ、青年兵が優勝したのか!すげぇな!」

青年兵「いやいや、運が良かっただけですよ…ははっ」

召喚士「みんなも、修行は完璧…?」

戦士「完璧かは分からんが、やるだけの事はやったつもりだ」

魔道士「…はいっ!」

盗賊「…ああ」
553 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:32:49.60 ID:FEh6T.wo
召喚士「…それなら…良かった!」

魔道士「あの、戦士さん」

戦士「ん?」

魔道士「騎都尉さんの話…ですけど…」

戦士「……」

盗賊「……」

戦士「俺も確証掴んだわけじゃないんだ…」

召喚士「……」

戦士「ただ…東の街での噂が、かなり大きく広がってた」

召喚士「虚報ではない…?」

戦士「ああ。目撃情報が多数。それも日を追うごとにな…」

青年兵「アンデッド…という事ですが…」

戦士「魔物と一緒だったって話さ。信じたくはねぇけどな…」

魔道士「……戦士さん…っ」

召喚士「アンデッド…まさか……」
554 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:33:18.92 ID:FEh6T.wo
戦士「あのネクロマンサーって奴なら…最悪だな」

盗賊「……っ!!」

戦士「…どした?」

盗賊「…ネクロ…マンサー」

魔道士「盗賊さん…?」

盗賊「…じ、実は……だな…っ」

盗賊は、先で起きた東方での出来事を、一同へと伝えた。

召喚士「……」

戦士「……っ」

魔道士「影忍さんが…盗賊さんのっ……」

盗賊「…奴が死んだとは…思えない」

青年兵「同一の可能性は大いに考えられますね…」

戦士「…許せねぇ。死者を弄びやがって…っ!」

召喚士「……」

召喚士は下唇を噛み締め、鋭い目つきで洞窟の奥を見つめた。
555 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:35:13.31 ID:FEh6T.wo


戦士「…んっ?」

青年兵「どうしました?」

盗賊「…奥に…光が」

召喚士「出口だ!」

魔道士「行きましょうっ!」

戦士「待てっ!罠かもしれん。このままゆっくり進むぞ」

魔道士「あっ、は…はいっ!」

五人は列を崩さず、周囲を警戒しながらゆっくりと光の方向へ進む。

ザッザッザッザ…

召喚士「……」

戦士「外へ出るぞ…っ」

ザッ

魔道士「……こ、これ…は!?」

盗賊「……っ!!」
556 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:35:53.30 ID:FEh6T.wo
ドオオォォォォ…

出口の先へ前へそびえ立つのは巨大な城。五人はそれを見上げ、驚嘆する。

戦士「山の頂に…こんなバカでけぇ城が…っ」

召喚士「この先に…魔物が…」

青年兵「……衛兵一人見当たりませんね」

戦士「へっ、余裕かましやがって…」

戦士はゆっくりと左右を確認しながら正門へ近づく。

戦士「……」

グイッ…ゴゴオオォォン…

戦士「開いた…っ」

魔道士「罠も…なさそうですね…」

盗賊「……」

戦士が開いた正門の扉へ盗賊が近づき、中を覗き込む。

盗賊「…………」

戦士「…どうだ?」
557 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 17:36:33.64 ID:FEh6T.wo
盗賊「……気配…なし」

召喚士「…行きましょう」

魔道士「はいっ」

タタッ…スススッ…テクテクテク…

戦士「…城内はだだっ広い広間に…奥の階段だけ」

盗賊「……」

テクテクテク…ギイイィィッ……ゴゴオオォォンッ!!

魔道士「と、扉が…っ!!」

青年兵「くっ!!」

タタタッ……グイッ…グッグッ

青年兵「駄目です!開きませんっ!!」

戦士「罠かっ!?」

盗賊「…いやっ、気配は…ない」

召喚士「…閉じ込められたか」

戦士「まぁいいさ。ハナっから退くつもりもねぇ!先へ進むだけさ。…行こうぜ」
558 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 18:01:45.55 ID:qahNjT2o
おぉ、これはボスのダンジョンっぽいな
559 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 18:11:49.86 ID:1/S/7QAO
>>1

こ、この見えない敵に怯えながら進む感覚………!!!
初めのダンジョンみたいではないか
560 :e [eass]:2010/08/11(水) 21:08:39.06 ID:jZijY0I0
oituita
561 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 21:31:20.06 ID:ywIETBs0
>>560がなんだか怖くて仕方がない
562 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 22:10:58.45 ID:O0.wKUE0
wwwwktk
21部は全編クライマックスだ
563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 22:19:26.69 ID:1/S/7QAO
クライマックスってどういう意味か知ってるか?
英語で表すと
CRY涙 MAX最高潮
つまり、涙ちょちょぎれるって意味なんだよ嘘だよ
564 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 22:20:29.01 ID:smkMJKUo
後七十九篇か・・・胸が熱くなるな
565 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 23:20:48.76 ID:c4ZGSDoo
〜火焔山、ふもと〜

隊長「ブチかませっ!!」

大鬼「う…おぉぉ!!」

ヒュンッ…ズガアアァァンッ!!…ドドオォォォ…

男隊員「!?」

男女二人の斬撃が伸びると同時に、隊長が大鬼より離れる。

途端、マジシャンの土行が激しく大鬼へとぶつかり、轟音と煙を巻き起こす。

シュウウゥゥ…

マジシャン「やった…か…?」

ザザッ

男隊員「……いや、だめだ…っ」

マジシャン「お前っ!?」

腕に突き刺さる一本の矢。男隊員はそれを引き抜きながら、横の崖上を眺める。

女隊員「…大丈夫ッスか!?」

男隊員「大した事はねぇ。それよりも問題は…照準が狂っちまった…くそっ!」
566 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 23:33:52.52 ID:c4ZGSDoo
男隊員は目線を崖から、正面の煙へと移す。

シュウウゥゥ…

隊長「…ま、良い方じゃねぇの?」

大鬼「……ぐ…おぉ…うぉ…っ!!」

煙の中から顔を出す大鬼。その吹き飛ばされた右上半身を庇うように、よろよろと前へ進む。

男隊員「悪い…っ!外しちまった……」

女隊員「気にする事ないッス…!これだけやれば充分ッス!」

隊長「それより問題は…新手だな……」

マジシャン「あの物影…。相当数いんぞ!?」

男隊員「ああ、ちkらっとだが…ラクシャーサの隊列が見えた…!」

女隊員「早くこいつを何とかしたいとこッスね!」

大鬼「グオオオォォ!!」

大鬼は玉砕覚悟の特攻を見せ、一同に飛びかかる。

隊長「そんなモン…ただの自殺行為だぜっ!……!?」

反撃に打って出た隊長の足元が突如隆起し、地面は激しく地割れを起こす。
567 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 23:37:44.60 ID:c4ZGSDoo
マジシャン「何だぁ!?」

ゴガガガッ…ドドオオォォッ!!

女隊長「隊長っ!?」

隊長「う…おぉ…っ!!」

ゴゴゴゴゴ…ドドオオォォンッ

男隊員「な…なんだコイツは!?」

地中より姿を現した漆黒の蛇のような、巨大な魔物。

マジシャン「ヴ……ヴリトラ!?なぜこんな所に…っ!!」

ヴリトラ「キシャアアァァッ!!」

隊長「炎だっ!!回避しろぉ!!」

女隊員「くぅっ!!」

ドガオォッ!!…ゴオオォォォォ!!

男隊員「あっぶね……っ!!」

地中から姿を見せたヴリトラの、挨拶代りの一撃。その吐息は周囲を燃やし、四人が炎に包まれる。

マジシャン「ちぃ…!次から次へと…!!」
568 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 23:41:04.96 ID:c4ZGSDoo
大鬼「援軍……か…っ!?」

ドドオオォォ

隊長「くっそぉ…!あっちまで合流して来やがったか!」

崖側より砂埃が舞い上がり、黒い者影が徐々に数を増し、近づいて来る。

大鬼「…お、おぉ…っ!!」

ドドオォ…

ラクシャーサ「さぁ、今のうちにお下がり下さい!」

大鬼「す、すまんな…!」

ラクシャーサ「ここは我らと…ヴリトラにお任せを!」

隊長「待てっ!逃がすかよ!!」

ダッ……ザザッ

ラクシャーサ「撃てぃ!!」

退く大鬼を追う隊長めがけ、ラクシャーサの後続より一斉に矢が放たれる。

シュシュンッ…ババババッ!!

隊長「……くそがっ!!」
569 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/11(水) 23:46:07.46 ID:c4ZGSDoo
ラクシャーサ「ここは通さんぞ!!ヴリトラッ!!」

ヴリトラ「コオオォォ!!」

一匹のラクシャ−サの呼びかけに応じ、ヴリトラが再び地中より勢いよく飛び出す。

直後、口を大きく開き、今度はきらきらと光り輝く氷の吐息を吐きだした。

キイイィィィィンッ!!…ゴゴオオォォォォ!!

マジシャン「はぁ!!」

ドドオオォォンッ!!…ボシュウウゥゥッ!!

女隊員「炎で…相殺した…っ!?」

隊長「このデカブツから片付けるぞ!!」

男隊員「おうよ!」

ラクシャーサ「弓っ、もっと撃て!これ以上近づかせるな!!」

マジシャン「ちっくしょお…。数が多いな…こりゃあ、100以上か…?」

男隊員「とにかく殺るしかねぇだろ!悠長に構えてる場合か!」

マジシャン「それもそうだわな!……ハッハ!」

マジシャンは眉間に皺を寄せながら笑い、両手を身体の正面で構えた。
570 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 23:47:04.99 ID:xB783yco
ラクシャーサがラクシャータに見えたのは俺だけですね
571 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 00:00:05.97 ID:HbOQeD.o
もうそういうのいいから
572 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 11:04:07.66 ID:455JF2AO
>>571
妄想言うのいいから、
なのか?
573 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 11:47:08.48 ID:9Y.Eq8E0
>>1乙。
これから出張だから、夜ゆっくり読む事にするぜ。
574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 11:51:48.51 ID:ZgzrR/Q0
>>573
台風だし盆も重なってるから、気をつけなよ
575 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 12:27:53.62 ID:gxRMe6AO
>>1

里帰りしたんだが、電車内の冷房酷すぎて体調崩したわ
せっかく実家帰ってきたのに寝たきりって何しに来たんだよ…

何が言いたいかって言うと、俺もモニターにダイブして魔道士ちゃんに膝枕してもらいたいってこと!!じゃあな!!!!
576 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/12(木) 17:33:09.14 ID:bNgCAdQo
こんにちは!みなさま台風の影響など大丈夫でしょうか!?

>>573
悪天候&お盆時期にご苦労様です!

>>575
じゃ…じゃあな!お大事に!!

↓続き
577 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:35:03.05 ID:bNgCAdQo
マジシャン「とおりゃあぁ!!」

突き出した両手より渦巻く炎の風が、ヴリトラへと襲い掛かる。

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオオォォ

男隊員「うめぇ…っ!炎が縄のように……」

女隊員「魔物の動きを…止めてるッス…!」

隊長「感心してる場合かっ!!」

熱風に立ち往生するヴリトラ。その隙に隊長は間合いを一気に詰める。

ラクシャーサ「迎え撃てぇ!!」

ダダッ!!

ラクシャーサ「おおぉぉ!!」

隊長「っらぁ!!」

複数のラクシャーサがヴリトラの両脇より、次々と攻撃へ転じる。

マジシャン「このやろっ!!」

マジシャンのニ撃目は地面へと放たれ、それは地響きと同時に、

ラクシャーサの足元を崩し、大地をトゲ状の大きな針へと次々に形を変える。
578 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:38:27.44 ID:bNgCAdQo
ズガアアァァッ!!

ラクシャーサ「怯むな!突破しろぉ!!」

迷路のように行く手を阻む巨大な土の壁。魔物の群れは素早い動きで

右へ左へそれをかわし、一同の元へと到達する。

女隊員「来たッスよぉ!!」

隊長「離れて応戦しろ!囲まれると厄介だぞ!」

前衛の三人が散り散りに迎撃態勢を取り、押し寄せるラクシャーサを迎え撃つ。

ラクシャーサ「弓ぃ!援護射撃ーっ!!」

ババッ…ドシュシュシュッ!!

マジシャン「おいおい…なんて統制された動きだ…っつーの!」

後方より山なりに放たれる無数の矢。それを見上げマジシャンは叫ぶ。

マジシャン「コッチも援護射撃だ!受け取りなっ!!」

手前の隆起した土壁に飛び乗り、マジシャンは大きく両腕を広げる。

マジシャン「はあぁ…っ!!」

開いた左右の掌が赤く輝き、次第にそれは炎の球へと形状を変化させる。
579 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:38:57.87 ID:bNgCAdQo
キュイイィィ…ボオオォォッッ!!

マジシャン「いっくぜぇ!!」

ズシャッ

マジシャンは大きく振りかぶると、火球を投げ飛ばした。

ゴウッ!!…ゴゴウッ…ゴウッ!!

マジシャン「さぁ、ドンドンいくぞぉ!おりゃっ、おりゃあぁ!!」

左右交互に、次々と放たれる火球。宙では矢を燃やし、

地面では後衛のラクシャーサの動きを、ものの見事に止め始める。

男隊員「なんつう…っ、炎の連続…放射…!?」

隊長「これで楽になった!押し返せっ!!」

隊長は指示を出しつつ、長剣を前後左右へ忙しなく振るう。

ラクシャーサ「はぁーっ!!」

背後から迫るラクシャーサ。それを女隊員は後転でかわしつつ、宙で小剣を伸ばす。

ドスッ!!……ドシャアァ

伸びた小剣はラクシャーサの後頭部を一突きし、引き抜くと同時に魔物は息絶えた。
580 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:40:07.78 ID:bNgCAdQo
女隊員「まだ来るんスかぁ…!?本当にキリないッスよぉ!」

男隊員「しかも…あの大蛇まで残ってやがる…!」

男隊員の目線の先、ヴリトラが大口を開けて地面へ潜る仕草を見せている。

マジシャン「うりゃうりゃうりゃあぁーっ!!」

ドドドドドドドッ!!…ズズウウゥゥンッ!!

ラクシャーサ「く、くそ…っ!矢が燃やされてっ……」

隊長(徐々に囲まれつつあるな…。何が狙いだ…?)

ラクシャーサ「うらぁ!!」

ズバッ…ドシュッ!!

隊長(あの…火の山にも多数の魔物が…!?だとしたら…やべぇな!)

マジシャン「…一気に襲ってこないな。随分とまぁ…教育された戦術だよ」

隊長「もしくは……時間稼ぎだな」

マジシャン「…稼ぐ必要あんのか?」

隊長「あの山に大軍が潜んで…いや、それはねぇな」

マジシャン「ああ。そうなら時間稼ぎはおろか、援軍出す必要すらねぇよ!」
581 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:40:51.21 ID:bNgCAdQo
隊長(最初にぶつかったラクシャーサ…。あれは少数だったな…)

ザシュッ

隊長「…おいっ、コイツらどこから来やがった!?」

男隊員「どこって…っ、そこの崖上だよ!」

隊長「南…。ラーヴァナの本体か…?」

マジシャン「それでか…。軍隊みてぇに統制取れた動きを……」

隊長「赤壁まではここを破らんと抜けられない……」

マジシャン「…って事は…?」

隊長「…くそぉ!!やられた!!」

女隊員「…っ!?」

隊長「奴らの狙いは街だ!本丸を囮に…別働隊を出してやがるんだ!」

男隊員「な…にぃ!?」

マジシャン「どうすんだよ!引き返しても間に合わんぞ!?」

隊長「シロヨン二つ!!今すぐ打ち上げろっ!!」

女隊員「シロハチッスね!了解ッス!!」
582 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:41:36.01 ID:bNgCAdQo
女隊員は強く頷き、腰のポーチから二本の筒を取り出す。

チチチッ……バシュウウゥゥッ!!

ラクシャーサ「何だっ!?」

マジシャン「んなモンで気付くかね?」

隊長「伝令さえ来ればいい!問題はないっ!!」

隊長は怒鳴り声でマジシャンへ答えつつ、背後に迫るラクシャーサを両断する。

ドンドンドンドンッドンドンドンドンッ…

女隊員「シロハチ…完了ッス!」

隊長「おーし…っ、引き続き応戦しろっ!」

男隊員「下からデケェの来んぞ!!」

声を張る男隊員に頷き、土の壁より飛び降りるマジシャン。

その直後に壁は大きくひび割れ、中よりヴリトラが再び姿を現す。

ドガアアァァッ!!…ズズウウゥゥンッ

マジシャン「デカブツは任せたぞっ!!」

隊長「おうよっ!そのかわり…しっかり援護頼むぜ!!」
583 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:44:07.85 ID:bNgCAdQo


ドドッドドッドドッ…

南方参謀「白が8発?8発だったわよね!?」

南方魔道長「…ああ。間違いない」

南方参謀「……伝令っ!!」

ドドッドドッ…

伝令「はは!!」

南方参謀「発行弾の方向へ向かうわ!付いてきて!!」

伝令「はは!!」

南方魔道長「お、おいっ!」

南方参謀「アンタはこのまま陣へ向かって頂戴っ!」

南方参謀は伝令を引き連れ、馬を発行弾の上がった先へと急がせる。

南方魔道長「おーいっ!!無茶はすんなよーっ!!」

南方魔道長の声に腕だけ振り、二頭の馬は森の奥へと消えていった。

南方魔道長「…よぉし、こちらも陣へ急ぎ…即座に出陣するぞ!!」
584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:45:35.37 ID:bNgCAdQo
〜火焔山、城内〜

青年兵「……間もなく…階段ですね」

戦士「結局…魔物の一匹もいやしねぇな……」

召喚士「……」

魔道士「留守…なんですかね?」

盗賊「……登るぞ」

正面にそびえる横長の階段。盗賊はそれを見上げ呟く。

召喚士「魔道士さんと青年兵くんは後ろをお願いします」

魔道士「はいっ!」

戦士「行くぞ」

テクテクテクテクテク…

戦士「盗賊…気配は?」

盗賊「…特にない」

五人は前後を警戒しながら、ゆっくりと階段を登りきる。

召喚士「…光だ。どうやら抜けたみたい……」
585 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:47:13.85 ID:bNgCAdQo
テクテクテク…ザッ…

盗賊「何…っ!?」

戦士「何だコレは…っ!!」

魔道士「ここって……さっきと同じ…!?」

青年兵「召喚士さんっ!」

召喚士「…違うっ、ここは上の階層じゃない!さっきと同じ場所だ!」

戦士「一体…何がどうなって……」

ゾクゥッ

盗賊「……っ!!」

ババッ!!

戦士「…どうした!?」

盗賊「…何か…来るっ!!」

何かの気配を察知し慌てて背後を振り向く盗賊。その目線の先、人影が近づいて来る。

ザッザッザッザッザ…

紅孩児「ヘー。ここまで来るなんて、人間にしちゃやるじゃん」
586 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:48:09.56 ID:bNgCAdQo
〜火焔山、ふもと〜

男隊員「っりゃあぁ!!」

ヒュオッ…バシュウゥッ!!

男隊員「隊長っ、後はそっちだ!」

隊長「……おう」

隊長は長剣を両手で握り、身体の横へ大きく身構える。

グググッ…

マジシャン「…何が要る?」

隊長「ありったけの氷と雷だ!」

マジシャン「…ハッハ!了解っ!」

ザザッ

ヴリトラ「キシャアアァァァァッ!!」

女隊員「来るッスよぉ!!」

隊長「いくぞっ!!」

マジシャン「おうっ!!」
587 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:49:02.86 ID:bNgCAdQo
ダンッ!!

ヴリトラが巨体を大きく伸ばし、獰猛な牙を剥く。

その大きな口めがけ、隊長は土の壁を蹴り上げ、高く跳躍する。

ヴリトラ「ゴアアァァァァッ!!」

キュイイィィ……ゴオオォォォォ!!

男隊員「火炎放射っ!?やっべぇ!!」

マジシャン「補助…っ」

隊長「無用っ!付加に集中しろぉ!!」

ヴリトラの口内から放たれる大量の赤い輝き。

それは隊長の身体を飲み込み、更には辺り一面を火の海へと変える。

女隊員「隊長ーっ!」

オオォォォ……ボシュッ!!

男隊員「抜けたっ!!」

隊長「今だぁ!!」

マジシャン「おっしゃあ!ナイス根性っ!!」
588 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 17:50:07.26 ID:bNgCAdQo
強烈な火の息を潜り抜け、隊長は勢いそのままにヴリトラへと迫る。

隊長「うおりゃああぁぁ!!」

ググッ……ザンッ!!…ドボオォッ!!

長剣を槍のように突き出し、ヴリトラの口内へ身体ごと突っ込む隊長。

そこへマジシャンの付加による氷と雷が、光を帯びて追随する。

ヴリトラ「…………」

女隊員「ど…どうなったッスか…?」

男隊員「おいおい、食われちまったなんてオチは……」

ヴリトラ「……グギャアアァァーッ!!」

突如悶え出すヴリトラ。と、同時に体内から光が漏れ始める。

ピシッ…ピキピキッ……ズバアアァァァァッ!!

ラクシャーサ「ヴ…ッ、ヴリトラが…真っ二つに…!?」

クルクルクルッ…スタッ

隊長「……あー、息苦しかった」

左右真っ二つに分かれたヴリトラの体内から、返り血を浴びた隊長が飛び出した。
589 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 18:00:40.56 ID:bNgCAdQo
女隊員「隊長ーっ!」

マジシャン「ハッハ!すげぇ無茶しやがる!」

ラクシャーサ「お……おのれぇ…っ!」

男隊員「…?お、おい!あれ…っ!!」

男隊員は森からこちらへ向かってくる二頭の馬を指差し、声を挙げる。

隊長「……南方参謀か…?」

ドドッドドッドドッ

南方参謀「ごめんなさいっ、お待たせ!」

隊長「ここは囮だ!奴らの本当の狙いは……街だ!」

南方参謀「……!?」

隊長「急ぎ、街の防備を強化しろっ!」

南方参謀「既に指示は出してるわ!大丈夫…だとは思うけど…」

女隊員「おぉ、流石ッス…!」

南方参謀「…伝令っ、東の町への強化を強めるように…司令部へ伝えて!」

伝令「はは!!」
590 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/12(木) 18:37:47.79 ID:bNgCAdQo
クルッ…ドドッドドッドドッ…

隊長「さーて、こっちはこっちで…突破しねぇとな」

女隊員「そうッスね!もうちょいッスよ!」

南方参謀「っていうか、他の人達は…!?」

男隊員「ああ、あの山に突っ込んでったのと…」

隊長「とッ捕まったとよ…」

南方参謀「こんなところでチンタラしてる場合じゃないじゃないっ!」

隊長「したくてしてるワケじゃねぇよ!」

マジシャン「ヤバそうなのは片付けたし、先に行くか?」

南方参謀「仕方ないわね…。森まで誘導して頂戴っ!」

女隊員「どうするんスか!?」

南方参謀「赤壁からの援軍が来てるから…それで残党を叩きましょ!」

隊長「…よし、後退しつつ俺らは森から反転し、山に向かうぞ…!」

男隊員「了解っ!うまく引っ張れりゃいいけどな…っ」

隊長「…やるしかねぇ!……行くぞっ!!」
591 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 19:59:30.00 ID:5T39K/I0
天才と隊長の安定感は異常
あとマジシャンカッコよすぎワロタ
592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:58:03.81 ID:WCecXgSO
ヴリトラって何だっけと思い
ブリーフ&トランクスを思い出した俺は30歳
593 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 23:56:10.76 ID:aSQRcwAO
>>592
俺も思ったww
隊長がカッコよすぎて生きていくのが辛い
594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 23:58:54.26 ID:HugkokQo
俺はヴリトラと聞くとロマサガ2を思いだす
595 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 00:14:41.60 ID:A39uRSYo
>>591
その天才が真っ先に瓢箪に飲み込まれた件
596 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 01:05:34.21 ID:aCUFw86o
>>594
>俺はヴリトラと聞くとメガテンを思いだす
597 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 10:04:59.54 ID:I7arQ8Q0
ヴリトラ食い付きすぎだろ。




オレはディーヴァ。
598 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 13:33:58.18 ID:nFYMpkAO
コミケ行ってきた。>>1はそういう活動とかしてるのかな?
もし出す時は言って欲しいんだからねっ!

コカトリス本とかたまらんな。
599 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 15:00:11.12 ID:m9zAPAAO
もしあるのなら3kまでなら出す
600 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 15:48:22.95 ID:PXMXYGA0
んじゃ俺は3,5kまで出す
601 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 15:50:07.96 ID:bRH6K6.o
だったら私は4円出す
602 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/13(金) 17:44:03.70 ID:KCYYxMoo
こんにちは!お盆時期なので仕事もひまひまです…

>>591-597
隊長に女隊員…特殊遊撃に人気が?!…あれ、男隊員
ヴリトラはロマサガ2が浮かびますねぇ

>>598-601
久しく行ってないですねー。たまには行ってみようかな…
作る技術ないし、こんなの売り物になりませんよっ

↓続き
603 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:44:54.18 ID:KCYYxMoo
〜火焔山〜

戦士「出やがったな…!」

盗賊「……」

紅孩児「そんな怖い顔すんなって。ハハッ」

戦士「て…めぇ!」

ザッ

戦士「……?」

召喚士「…瓢箪は?」

紅孩児「ああ、ほら…ここにあるよ。ちゃーんとね」

青年兵「……」

紅孩児「なぁ、アンタ…名前は?」

召喚士「…?」

紅孩児「アンタの名前だよ。それが分からんとコレ、使えないんだよね」

召喚士「……」

紅孩児「良かったら、教えてくれないかなぁ?」
604 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:45:25.14 ID:KCYYxMoo
魔道士「名前…?」

紅孩児「そそ。名前呼んで、それに返答すると…」

紅孩児は左手で瓢箪を指差すジェスチャーを見せ、微笑む。

召喚士「…召喚士だ」

戦士「おい!?」

紅孩児「ハハハ!召喚士くんか、いい名前だ」

召喚士「……」

紅孩児「それに…素直で大変宜しい」

召喚士「もういいだろう。天才さんと南方司令を解放してくれ」

紅孩児「ねぇ、召喚士くん?」

召喚士「…………」

紅孩児「ハハッ、流石に引っ掛からないか!」

青年兵「貴様っ、馬鹿にしているのか!」

紅孩児「冗談だよ、ジョーダン!ハハハッ!!」

戦士「召喚士…もういい。力ずくで行くぞ!」
605 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:46:10.26 ID:KCYYxMoo
ジャリッ…

盗賊「……」

紅孩児「流石に五人相手はシンドイなぁ…」

戦士「じゃあ、さっさとその瓢箪よこせ!」

紅孩児「そうしてあげたいんだけど…俺が親父に怒られちまうよ」

青年兵「親父…?」

紅孩児「ハァ…。ま、仕方ない…やるだけやってみるかな」

紅孩児の右手より激しい炎が立ち上り、それは徐々に一本の棒状へと変化する。

ズズッ…ズズズッ…

戦士「盗賊っ、リーチが相当長げぇぞ…気をつけろよっ!」

盗賊「うんっ!」

薄緑を右手に構える盗賊に、戦士は戟を身構えながら叫ぶ。

召喚士「魔道士さん、氷をメインに…お願いします」

魔道士「はいっ!詠唱します!!」

魔道士は杖を両手でぎゅっと握り締め、一つ大きな深呼吸をした。
606 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:47:24.23 ID:KCYYxMoo
ボボボボボボッ

紅孩児「では…いざ、尋常に!なーんて……」

戦士「っりゃあ!!」

シュンッ!!…ガイィィンッ!!

紅孩児「オイオイ、不意打ちとは卑怯な…」

戦士「なーにが卑怯だ!戦いに卑怯もクソもあるかっ!」

紅孩児「ハハハ!そりゃそうだ…!!」

ぶつかり合う戦士の戟と紅孩児の火炎槍が競り合い、金属音を鳴らす。

戦士「盗賊っ!!」

盗賊「はあ…っ!」

競り合いにより空いた紅孩児の胴体めがけ、盗賊が懐に潜り込む。

だが、紅孩児はそれを容易に蹴り飛ばし、再び戦士へと顔を向ける。

魔道士「盗賊さん!?」

盗賊「…大…丈夫っ!」

反撃の蹴りを薄緑で防木直撃を避けた盗賊は、空中で魔道士に返答した。
607 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:48:10.91 ID:KCYYxMoo
ジャララッ

紅孩児の蹴りで弾き飛ばされた盗賊だが、空中で身を反転させ、

胴に巻いた鎖を紅孩児の左手へと飛ばし、巻きつく。

紅孩児「…!?」

グイッ

盗賊「これで左手は…戦士っ!!」

戦士「おうっ!!」

紅孩児「…甘い!」

グッ…グググ…

戦士「な…にぃ!?」

紅孩児「その程度の力なら、右腕一本で充分」

紅孩児が片手で握る火炎槍が、徐々に戦士の戟を押し返す。

紅孩児「はぁ!!」

ズシィ!!……ドゴオォッ!!

魔道士「床が…っ!?」
608 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:48:54.58 ID:KCYYxMoo
青年兵「何て力だ…っ!」

紅孩児「このまま押しつぶしてやるっ!」

グイッ

盗賊「っ!?」

紅孩児は右腕を押し付けると同時に、左手を上部へ勢いよく上げる。

ジャララッ…ビュンッ

巻きついた鎖ごと盗賊は宙へ投げ出され、止む無く鎖を紅孩児より解いた。

召喚士「戦士っ!!」

ドッゴオォォ!!

更に力を加える紅孩児。戦士は尻もちをつきながらも、それを懸命に防ぐ。

紅孩児「まず一人ぃ!!」

紅孩児は突如火炎槍を掬い上げ、身を捻りながら上空へと伸ばす。

盗賊「!!」

そこには投げ出された盗賊が体勢を立て直し、紅孩児の背後を突く姿。

戦士「気付かれて…っ!?」
609 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:50:02.13 ID:KCYYxMoo
魔道士「盗賊さん!!」

紅孩児「そうら、吹っ飛びながら…燃え尽きろぉ!」

ゴウッ!!

紅孩児「!?」

ゴオウゥッ!!…ブオンッ!!

紅孩児の火炎槍は盗賊の身を捉える事なく空振りする。

紅孩児「外した…!?いや、外されたのか…?」

突然吹き付けた突風。それにより盗賊の身体は背後へと飛ばされ、空を切った。

その発生源であるレイピアを構えた召喚士に対し、紅孩児は嘲笑うかのように笑う。

紅孩児「お前か…召喚士。やるじゃん」

召喚士「……余裕だな」

紅孩児「ハハハッ!まぁね……」

ドグオッ!!……ガオォォンッ!!

紅孩児「あ…!?」

手振りの為に上げた左手首に、ワイバーンの獰猛な牙が噛み付いた。
610 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:50:55.74 ID:KCYYxMoo
紅孩児「なにぃ…っ!?召喚獣……!?」

召喚士「無言召喚…っ!!」

青年兵「ワイバーン!!」

ワイバーン「おおぉぉ!!」

更に激しい力を加えるワイバーン。紅孩児の体が少しずつ押され始める。

やがてワイバーンによる渾身の一撃によって、左手より瓢箪が零れ落ちた。

戦士「しめたっ!!」

紅孩児「くっそ…!」

チョンッ…クルクルッ

宙を舞う瓢箪。いち早く紅孩児の指先が触れるが手中には収まらない。

紅孩児「…こ…んのぉ!」

紅孩児は、己の左手をワイバーンごと地面へ叩きつけて振りほどく。

ゴシャアアァァッ!!…ドズウウゥゥン…

青年兵「まずい…っ!」

追撃前に慌てて召喚解除を行う青年兵。消失と同時に紅孩児は跳躍する。
611 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:51:50.57 ID:KCYYxMoo
戦士「くそ…っ!届かな……」

紅孩児「ハハッ……」

ギュルギュルッ…パシィ!!

紅孩児「!?」

盗賊「……く…っ」

宙をくるくると舞う瓢箪へ、盗賊の放った鎖が絡みついた。

戦士「ナイス!!」

紅孩児「しつっこいんだよ!」

紅孩児は盗賊が引き戻す前に、火炎槍をくさりの上部より叩き込む。

盗賊「くぁ…っ!!」

その衝撃により鎖とそれを握る盗賊が、地面へと叩き落された。

ガシャッ!ア!…ドサッ!!

盗賊「ぐ…くっ!……瓢…箪を…っ」

懸命に伸ばす盗賊の手に、強い衝撃が走る。

ガシッ!!
612 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:53:00.04 ID:KCYYxMoo
盗賊「くぅ…っ!!」

紅孩児「…よっと。ん、すっげぇ絡まってんなぁ…」

盗賊の左手を踏みつけながら鎖に絡まる瓢箪を拾い上げる紅孩児。

召喚士「盗賊さん!!」

戦士「こ…の野郎っ!!」

飛び掛かる戦士を迎え撃つ為に振り向いた瞬間、紅孩児の側部へ、

地面より突如現れた一本の巨大な氷塊が突き刺さる。

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

紅孩児「…ぐぶ…ぉ…っ!!」

ズガアアァァッ!!…ドシャッ!!…ゴロゴロゴロッ

紅孩児「ぐ…っ、がはっ!……な、何が……っ!?」

魔道士「はぁ…っ!はぁ…はぁっ!!」

紅孩児「アイツかぁ…!チックショー、これは効いたぜ…」

魔道士「次…っ、いきます!」

紅孩児「マジかい…。そいつはヤベェ!」
613 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:54:17.72 ID:KCYYxMoo
紅孩児は脇腹を押さえながら、火炎槍を杖代わりに起き上がる。

戦士「させっかぁ!!」

起き上がる紅孩児めがけ、戦士は手にした戟を力任せに投擲する。

ビュオッ!!……ビイイィィンッ!!

紅孩児「あっぶ…っ!でも当たらなきゃ意味…」

戦士「あるんだよっ!!」

ババッ!!

紅孩児「上…っ!?」

投擲の瞬間、既に間合いを詰めていた戦士が、雷切を振り下ろす。

ズガァッ…ガカアァァッ!!

雷撃により一瞬、動きを止めた紅孩児。それを見て戦士が叫ぶ。

戦士「魔道士っ!いけぇ!!」

魔道士「やあぁっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

紅孩児「ぐがああぁぁ…っ!!」
614 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:55:08.64 ID:KCYYxMoo
ドシャアァッ…ググッ…

紅孩児「くっ…ぐく…っ……」

戦士「まだ動けるのか…。タフな奴だ…」

タッタッタ

召喚士「盗賊さん…っ」

盗賊「…だ、大丈夫。動けるから…っ」

青年兵「…!?」

ヨロヨロッ…

紅孩児「はぁ…。流石に5対1はシンドイわぁ…」

紅孩児は左右に首を鳴らし、大きく息を吐く。

紅孩児「続けてもいいけど、今日はやめとくよ。ね?召喚士くん…?」

戦士「返事すんなよ…?」

召喚士「…分かってるよ」

紅孩児「ハハ、引っ掛からなかったかぁ。残念…」

紅孩児は子供のように笑い、後方の階段まで大きく跳ぶ。
615 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:55:55.84 ID:KCYYxMoo
青年兵「…っ!?」

戦士「待てっ!逃がすか!!」

バッ!!

紅孩児「しつっこいなぁ…ホント…」

苦笑しながら溜息を吐き、紅孩児は階段を昇っていく。

青年兵「待てっ!!」

タッタッタッタッタ

盗賊「…ちぃ…っ!」

盗賊は起き上がりながらクナイを一本投げ飛ばす。

キィンッ!!…カラカラッ

紅孩児「また跡で…相手してあげるよっ!」

タッタッタッタッタ

クナイを飛んでかわし、紅孩児は階段をあっと言う間に上へと進んだ。

戦士「……追うぞ!」

召喚士「何としても…あの瓢箪を…っ」
616 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:56:41.37 ID:KCYYxMoo
タッタッタッタ…ザザッ

戦士「……!?」

青年兵「また…入り口に戻って……」

魔道士「ど、どうなってるんです!?」

召喚士「……」

盗賊「……!?」

ババッ

召喚士「……最悪だ」

テクテクテクテクテク

紅孩児を追い、階段を駆け昇った一同の前へ、ゆっくりと歩み寄る魔物。

それは先程の槍を持った勇ましい男ではなく、妖艶な女性の姿の魔物…。

羅刹女「…これ以上、好き勝手にはさせないよぉ…?」

戦士「新手かよくそ…っ!!」

召喚士「……瓢箪はどこへ…?」

羅刹女「紅孩児の事かい…?さぁねぇ…。おーっほっほっほ!」
617 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:57:38.52 ID:KCYYxMoo
〜森の中〜

ザザッ!!

マジシャン「うりゃあぁ!!」

ドドオォンッ!!…ゴアオオォォ…

ラクシャーサ「ぐあぁ!火、火があぁ!がふ…っ…」

隊長「うまく誘導出来たな…!」

南方参謀「ええっ!しかも…グッドタイミングよっ」

駆ける一同の正面より松明の炎が点々と明るみはじめる。

ドドッドドッドドッ…

南方魔道長「正面だっ!撃てェ!!」

騎兵「続けぇーっ!突撃ぃー!!」

女隊員「援軍…ッスか?」

男隊員「遅せぇっつの…!!」

男隊員は背中の格闘家を背負い直し愚痴をこぼす。

マジシャン「さーてと、俺らは若い連中の助けに行くとすっかね」
618 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 17:59:41.22 ID:KCYYxMoo
隊長「……コイツを頼むぞ」

南方参謀「本当に四人で行くつもり…?」

隊長「下手に人数突っ込むより機動力が高くていい。構うな」

男隊員の背より格闘家を降ろし、騎兵に引き渡す隊長。

女隊員「安心するッスよ!お師匠はきっと助け出すッスから!」

格闘家「…っ…ぁ……!!」

男隊員「なかなか根性あるよ、お前」

隊長「…よし、山頂めがけ…一気に行くぞ!」

マジシャン「行くぞたって…どうやって行くんだよ!?」

隊長「知らん!お前の魔法で何とかしろ!」

マジシャン「アホか!そんな易々と出来るわけねーだろっ!」

隊長「アイツらが入れたんだから道はあるって事だ!」

ババッ…タッタッタ

女隊員「あっ、隊長…っ!?」

南方参謀「全くっ、ちょっと!気を付けてねーっ!!」
619 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:00:23.81 ID:KCYYxMoo
〜火焔山〜

召喚士「……っ」

羅刹女「ふふっ…」

盗賊「……」

チャキッ

召喚士「盗賊さん、いいんです。退がって下さい」

盗賊「…?」

召喚士「みんな、中央に密集して!」

魔道士「え…っ?」

戦士「ここは分散して囲んだ方が……」

召喚士「いいから早くっ!!」

戦士「…お、おう…っ」

タタタッ…ザッ

羅刹女「アンタ…なかなか利口だね」

召喚士「散り散りになるよりマシだと思っただけだよ」
620 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:01:37.15 ID:KCYYxMoo
羅刹女「…おーほっほっほ!」

戦士「ああ、そういう事か…」

青年兵「……」

羅刹女「せっかくここまで来たのに…残念だねぇ」

羅刹女は手にした芭蕉扇を大きく振りかぶり、ひと扇ぎする。

羅刹女「おーっほっほっほっほ!!」

ブンッ!!…ゴオウウゥゥゥゥッ!!

魔道士「きゃああぁぁーっ!!」

戦士「ぐ…あぁ!!」

召喚士「……っ!!」

近距離からの強烈な突風。五人の身体はあっと言う間に浮き上がり、

火焔山の頂上より、いとも簡単に上空後方へと投げ出された。

オオォォォォ…

羅刹女「機会があったらまた、会いましょう?おーほっほっほ」

羅刹女は衣服を正し、燃えさかる山頂から地面を見下ろした。
621 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:02:25.70 ID:KCYYxMoo
ゴオオォォォォ

青年兵「ワ…ワイバーン…ッ!!」

シュイィィン……ガシィッ!!

青年兵「召喚士さーんっ!!」

ワイバーンの背に乗った青年兵が、飛ばされる召喚士へ懸命に手を伸ばす。

召喚士「く…うぅ…っ!!」

ガシッ!!

召喚士「戦士いぃーっ!!」

今度は召喚士が、盗賊を抱えながら体制を整える戦士へと手を伸ばした。

ガシィッ!!

戦士「……サン…キュ!!」

召喚士「魔道士さんっ!?」

召喚士はワイバーンにぶら下がりながら、左右を見渡し魔道士を探す。

召喚士「…い、いたっ!!」

魔道士「……ぅ…」
622 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:03:05.65 ID:KCYYxMoo
ババッ!!

青年兵「召喚士さんっ!?」

ワイバーンから手を離し、懸命に魔道士の身体を宙で追う召喚士。

召喚士「もう……ちょっと…っ!!」

ゴオオォォ……ガシッ

魔道士「…召喚士…さんっ!?」

召喚士「魔道士さん、頭を下げてて…っ!!」

青年兵「ワイバーンも…流石に上昇は無理か…!?」

ワイバーン「なんとか…着地の衝撃は…和らげるさっ!!」

間もなく五人と一匹の召喚獣は、火焔山の正面にあたる森へと墜落する。

ゴオオォォッ……バキバキバキィッ!!

盗賊「…ぐ…っ!!」

青年兵「ぐああぁ!!」

戦士「…召…喚士…っ!」

無数の枝葉を突き破り、一同は森の中へと落下した。
623 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:03:43.49 ID:KCYYxMoo
タッタッタッタッタ

男隊員「…んで、どっから入ったんだっけか?」

マジシャン「…んー、サッパリ分からんぞ?」

隊長「お前、最初入ってみろよ」

男隊員「何でだよ!灼熱だぞ!?自分で行けよっ、隊長だろ!」

隊長「阿呆っ!隊長の命令は絶対……」

バキバキバキィ!!…ドサァッ!!

マジシャン「何だぁ!?」

召喚士「…う…ぐ…っ」

魔道士「……っ、召喚士…さん…っ!?」

男隊員「……何してんだ、お前ら?」

召喚士「…痛っ…つう!」

隊長「何だ…?仲良く空中デートかぁ?」

女隊員「おぉー、ロマンチックッスねぇ!」

召喚士「…ち、違います…っ」
624 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:04:17.55 ID:KCYYxMoo
マジシャン「…やられたか?」

マジシャンが魔道士と召喚士へ手を貸し、身体を起こす。

召喚士「はい…。やられました……」

男隊員「かぁー、情けねぇ奴らだ事…」

魔道士「……す、すみません」

男隊員「い、いや…。そう謝られると…だな…」

隊長「んで、現状は?」

召喚士「…はい。あ…っ、まずは他のみんなを…」

ザザッ…タッタッタッタッタ

戦士「大丈夫か!?」

魔道士「戦士さん!」

召喚士「こっちは何とか…。そっちは大丈夫?」

盗賊「…ああ、問題ない」

青年兵「特殊遊撃隊…!?」

隊長「さぁて、これで全員揃ったな…!」
625 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:05:40.25 ID:KCYYxMoo


タッタッタッタッタ

隊長「なるほど…。厄介な話だ」

マジシャン「んで、入り口は?」

戦士「えぇと……あれ、どこだっけ?」

召喚士「確かこの辺……」

戦士「おっし!」

タタッ…ゴアァッ!!

戦士「あちっ!!あちち…っ!!」

ゴロゴロゴロッ

マジシャン「何やってんだお前は…?」

魔道士「こっち…?あれ、こっち…!?」

男隊員「なーんで覚えてねぇんだよ!」

青年兵「でも、確かにこの辺りで……」

マジシャン「仕方ねぇ……」
626 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:06:36.21 ID:KCYYxMoo
隊長「あん?」

マジシャン「魔法で何とかしろっつったよなぁ?」

隊長「…出来るか?これだけの炎だぞ…!?」

マジシャン「盗賊ちゃん、この先にいる魔道長つれて来てくれっかな…?」

盗賊「…わ、分かった!」

タタッ…タタタッ

マジシャン「こん中で木行使える奴は…?」

男隊員と女隊員、それに魔道士の三人が手を挙げる。

召喚士「風なら俺も…このレイピアで」

青年兵「僕もワイバーンで助けられるかとっ」

戦士「……」

隊長「気にする事ぁねぇ。俺らはその分、身体で働くぞ」

戦士「…おう!」

やがて南方魔道長を連れた盗賊が戻ってくる。

南方魔道長「…一体何だってんだよ」
627 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:07:48.21 ID:KCYYxMoo
ザザッ…

マジシャン「……いいか?」

中央に立つマジシャンが問いかける。それに答えるは左右の男隊員と女隊員。

女隊員「準備オッケーッスよぉ!」

男隊員「ヒャハッ…!いつでもいいぜ…!」

加えて背後の魔道士、その両脇に立つ召喚士と青年兵も続く。

魔道士「集中…。集中…っ」

召喚士「……」

青年兵「ワイバーン、いくよ…!」

マジシャン「…合図を頼む」

隊長「おう……。いいか?」

隊長の問いかけに、一同が一斉に頷く。

隊長「………撃てぇ!!」

魔道士「やあぁ!!」

マジシャン「うおりゃああぁぁーっ!!」
628 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:08:46.20 ID:KCYYxMoo
ドドドドドドドドオオォォォォ!!

盗賊「…く…っ!!」

戦士「す…すっげぇ突風…っ!!」

マジシャンを筆頭に、一斉に放たれた風は一つとなり、

火焔山の一角へと物凄い勢いで吹きつける。

ゴオオオオォォォォ!!

羅刹女「……?」

ユラッ…ボオオォォ!!

羅刹女「なに…?なんなの…っ!?」

揺らめく炎に羅刹女は慌てて駆け寄る。

羅刹女「風で…押されている…!?」

吹きつける風は次第に炎を押し込み、徐々に山肌が露となり始めた。

羅刹女「…おのれぇ…っ!押し返してくれるっ!!」

グググッ…ブオォッ!!

盗賊「…!?」
629 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:09:37.16 ID:KCYYxMoo
ゴオオォォォォッ!!

マジシャン「来た…っ!向こうも応戦してきたぞ!!」

隊長「…出番だ!トドメ刺してやれっ!!」

ザッザッザ…ザッ

南方魔道長「……おう」

最後尾に立ちはだかるな南方魔道士長が、ゆっくりと両手を前へかざす。

南方魔道長「………おおぉぉ!!」

ドドドドオオォォォンッ!!…ゴオオォォォォ!!

男隊員「押し込めぇ!!」

召喚士「ぐく…っ!!」

魔道士「いっけぇーっ!!」

ドドオオォォンンッ!!

隊長「いいぞっ!!弾き返した!!」

戦士「そのまま…っ、踏ん張れぇ!!」

女隊員「てやあぁーっ!!」
630 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:11:26.16 ID:KCYYxMoo
ガオオオオォォォォンッ!!…ドドオオォォ…

羅刹女「う…嘘っ!!」

ぶつかり合う突風はその威力を倍増させ、火焔山の頂上めがけ一気に走る。

炎をなぎ倒し一掃した風は、頂上より天高く抜け、周囲は静けさを取り戻した。

マジシャン「……」

魔道士「や…った…!?」

召喚士「…よしっ!道が開けた!!」

ダダッ!!

炎が吹き飛ばされ丸裸となった火焔山の一角。隊長は猛スピードで駆け上がる。

男隊員「続けっ!!」

女隊員「了解ッス!」

戦士「…っ!!」

タタタッ!!…

マジシャン「何だアイツら…!?早えぇ!!」

魔道士「戦士さんまで…っ!?」
631 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/13(金) 18:15:54.16 ID:KCYYxMoo
タタタッ…

戦士「…へっ、修行の成果だな…!」

男隊員「…あん?何か言ったか?」

戦士「何でもねぇっす!!」

青年兵「僕らも急ぎましょう!!」

マジシャン「…だな。やがて炎も戻っちまうだろうしな」

召喚士「…ええ!」

タッタッタッタッタ

隊長「急げぇ!一気に駆け上がんぞ!!」

女隊員「頑張ってるッスよぉ!」

タンッ…タタッ…タタタッ…

男隊員「おっ、見えてきた!山頂だ!」

隊長「このまま突っ込む…!迎撃態勢用意ーっ!!」

戦士「おうっ!!」

隊長を先頭に、男隊員、女隊員…そして戦士の四人は、火焔山山頂へと到達した。
632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 18:30:10.65 ID:cnAq7UDO
お盆まで更新お疲れさまです
633 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/13(金) 18:41:16.59 ID:KCYYxMoo
お盆は特別企画要りますか?このまま本編で宜しいでしょうか!?
では帰宅致しますー!ご支援ありがとうございました!ノシ

>>632
いえいえ!こちらこそご愛読ありがとうございます!
634 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 19:22:36.31 ID:nFYMpkAO
大量更新キター!!おつおつ。いよいよって感じだな。

いや、同人あったらマジで買うぞ?俺だけじゃないはず
635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 19:57:29.10 ID:PXMXYGA0
是非ともやってください
お墓参りの話は回収したし祭りの話とかかな?
636 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 20:42:30.96 ID:h2eH0Jc0
本編でいい
企画やるならたまには敵側の日常を見てみたひ
637 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 21:36:32.58 ID:gVDI/WQo
特殊遊撃隊カコイイ!!
638 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 21:47:08.18 ID:nEUNlFgo
西遊記御一行の話みたいな・・・
今頃どこでなにしてるんだろ・・・
639 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/13(金) 22:17:40.65 ID:3q0m/kDO
本編に一票
せっかくだから今回の部は一気に読みたい
640 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/13(金) 22:33:51.22 ID:a07XGlso
ぼくはおまけは読んでないので本編がいいです
641 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 22:36:44.04 ID:eKZK4sAo
俺は本編をいっきに読みたいな
642 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 22:45:04.85 ID:O62dkMDO
>>1
本編が良いところ過ぎるので本編希望が多い感じだな
俺は>>1の書く日常編も好きなのでおまけも見てみたいに1票

>>1自身もおまけ書くことで本編の気分転換というかリフレッシュみたいになってるのかなー?とか深読みしてみたりww
643 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 01:23:07.68 ID:0MzKduwo
いつもだったらオマケをリクエストしてるが今回ばかりは本編で
だってこのままだと天才と南方司令が溶けちゃう気がして当事者達よりこっちの方が焦ってしまう
644 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 01:31:26.03 ID:c6abkiIo
※ひょうたんの中では漢と漢のあついry
645 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 07:12:00.87 ID:kWDdaESO
うぉおぉ〜
瓢箪の中の2人のやり取りをみたいです。
646 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 09:10:10.42 ID:pxh8oXQo
そういえばおまけの麻雀編ってどうなったっけ?
記憶がない…
647 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 09:27:45.69 ID:cCtoqM.0
麻雀編なんてなかった
あれは幻だったんだ
648 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 09:54:19.97 ID:FY4f7YDO
ぶっちゃけ麻雀編はわけわからなかったしどうでも……
649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 14:44:40.08 ID:5dtEiEQo
おまけは書かせてやれよ。作者にもリフレッシュだろ。
麻雀編面白かった。
650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 15:08:47.66 ID:40lxT9wo
書かせてやれて
651 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 16:08:02.34 ID:xrTM9wcP
瓢箪ひっぱりすぎ!こんなにヤキモキするくらいなら
いっそこんなひょうたんなんか割れてしまえばいい!

652 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 16:10:40.97 ID:xrTM9wcP
>お盆は特別企画要りますか?このまま本編で宜しいでしょうか!?

って企画をやらなきゃダメかどうか訊いてるんだから
このまま本編で宜しいに決まってる

という意見
653 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 18:25:45.97 ID:e1spuEYo
そういや、そろそろパー速の定休日かね? 今良いトコロなのに!
654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 01:36:59.47 ID:mQfikAEo
今日は来ないのかな?
655 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/15(日) 02:10:00.30 ID:eHN4AzEo
ちょっとあまり書き溜め出来ていないので、
後ほどまとめて投下致します!申し訳ありません…!

多数のご意見ありがとうございました。それではこのまま本編いきます!
オマケはいつも通り合間合間に挟みますので…宜しくお願い致します!

麻雀編は長くなった上に知っている人じゃないと分からないので、
そのうちまとめてあぷろだにでも…!
あぷろだといえば、うpありがとうございます!!
色付けたらツクールの顔グラとかに使えそう!
五人ともイケメン&美人で申し訳ないぐらいです!感謝!
656 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 02:14:35.07 ID:yNANK8Io
>>655
おぉ!>>1
今日は来ないのかと思った…
こちらは読ませてもらってる側だから、ちゃんと来てくれたことに本当に感謝します
ありがとう>>1
657 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 02:37:50.86 ID:cuxOBkDO
>>1
お盆だしゆっくり休んでる人も多いだろうし、>>1もたまにはゆっくり休みなよ−
いつも面白い話を読ませてくれて、ありがとうなんだぜ!
658 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 18:12:46.85 ID:yNANK8Io
やっぱりお盆だから>>1来ないなー
寂しいけど仕方ない
659 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 19:36:30.98 ID:eHN4AzEo
ダダダッ…ヒョイッ…タンッ

マジシャン「は…早えぇ!さっすが特遊……!」

魔道士「それに…戦士さんも…っ」

召喚士「追いつけているのは…盗賊さんだけか…」

タタタッ…

盗賊「……」

青年兵「……ん…っ!?」

盗賊「……まずい!……火が…またっ!」

マジシャン「うおぉ!?やっべぇぞ、走れぇ!!」

魔道士「ど、どうします…っ!?」

召喚士「……っ!」

タタタッ…キョロキョロ

召喚士「…あそこっ!洞窟の穴が…!!」

マジシャン「おいっ!あの穴に飛び込めっ!」

魔道士「は、はいっ!!」
660 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 19:37:09.44 ID:eHN4AzEo
タタタッ……ババッ

青年兵「……ふーっ」

マジシャン「…全員…無事か…?」

盗賊「…こっちは…大丈夫」

魔道士「はい…っ」

召喚士「しかし…また分断してしまいましたね…」

マジシャン「ま、あっちは特遊に戦士だろ?問題ないさ」

青年兵「南方魔道長と南方参謀がいらっしゃれば、森も大丈夫でしょうし…」

マジシャン「他人の心配も大切だが、今は自分達の心配せにゃなぁ…」

召喚士「……ええ」

盗賊「……この先…抜けられそうだな」

魔道士「行くしか…なさそうですね…」

召喚士「…ええ。…行きましょう」

マジシャン「退くも地獄、進むも地獄か…。難儀なモンだねぇ…ハッハ」

盗賊を先頭に、五人の男女は洞窟内を奥へと進んでいく。
661 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 19:37:38.09 ID:eHN4AzEo
〜南の森〜

騎兵「怯むな!進めーっ!!」

ガキイィィンッ…ザシュゥ

ラクシャーサ「駄目だっ、これ以上は…ええい、退却!!」

南方参謀「魔物が退くわよっ!追撃は少数で左右からあたって!」

騎兵「了解っ!!」

ドドッドドッドドッ

南方参謀「……あら、無事終わったの?」

南方魔道長「…ああ。こっちも粗方…終えたみてぇだな」

南方参謀「敵が退いていくわ。……こちらも陣をふもとまで移しましょ」

南方魔道長「…大丈夫なのか?見通し良すぎるきもするが…」

南方参謀「森で奇襲に遭うよりマシよ…。それに援軍はないわ」

南方魔道長「……?」

南方参謀「援軍があるなら、退却なんてしないもの」

南方魔道長「……なるほどな。確かにそうだわな」
662 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 19:42:03.87 ID:eHN4AzEo
南方参謀「…さぁ、陣を移すわよっ。準備に取り掛かって!」

騎兵「はは!」

南方魔道長「……街の方は…大丈夫かねぇ?」

南方参謀「まぁ、副司令の事だから上手くやってくれてると思うけど…」

南方魔道長「……まぁな」

南方参謀「東の町に弓長と青龍先生…それに、召喚士のみんな…

南方魔道長「司令部には副司令と、南方軍か…」

南方参謀「…ええ」

南方魔道長「押し込まれる事はないと思うが…背後がやや、手薄だな」

南方参謀「あとは…本部からの援軍……」

南方魔道長「司令も軍師も出張ってんだろ?有り得るのか…?」

南方参謀「来て貰わなきゃ困るわよっ」

南方魔道長「ま、そりゃあそうだわな……」

南方参謀「…頼むわよ…みんな」

祈るようにつぶやき、南方参謀は馬を転換させ、ふもとへと向かった。
663 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 19:42:46.78 ID:eHN4AzEo
〜南方司令部〜

南方兵「配備、完了致しました!」

南方副司令「ご苦労。我らも街の南と東へ防備に当たるぞ」

門兵「しかし、これだけ少数で…大丈夫なのでしょうか?」

南方副司令「ここまで押し込まれれば、どのみち終わりだ」

南方兵「……」

南方副司令「東の町で食いとめてくれる事を祈るさ。それに…本部からの援軍が来れば…」

タッタッタッタ

伝令「本部より報告っ!援軍は出せず、との事です!」

南方副司令「何だとぉ!?……くそっ!」

伝令「北に不穏な動きがあり、南方へ回せる戦力がないとの事っ!」

門兵「こ、これでは…万が一の事があった時……」

タタタッ

伝令「西方司令部よりご報告っ!南方北部までは援軍を進めるとの事です!」

南方副司令「……分かった!下がれ」
664 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 19:43:13.85 ID:eHN4AzEo
門兵「北部までが限界か……」

南方副司令「ないよりマシだ。西方に背中を任せて、兵を展開するぞ!」

南方兵「了解です!!」

南方副司令「先遣隊はもう到着した頃だろう。後は…託すしかないな…」

〜東の町〜

南方弓長「いい?町人の避難が優先だからね!」

ボス「…分かってる!」

親衛隊長「事はエレガントにフィニッシュしなくてはいけませんからね」

番長「さぁ、町へは一歩も通さんでゴワスよぉ!」

チンピラ「それじゃあ偵察に行ってくる!」

ボス「くれぐれも気を付けてな」

ゴロツキ「おうっ、ボス達もな!魔力全快じゃねーんだろ?」

番長「なぁに、お嬢がいる限り心配無用でゴワス!」

白虎嬢「頑張ります〜」

南方弓長「さぁ…来るなら来なさい!魔物達…っ!」
665 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 19:43:40.03 ID:eHN4AzEo
〜火焔山、洞窟〜

タッタッタ…

マジシャン「この道であってんのかぁ!?」

召喚士「分かりません!さっきとはまた、違う所のようで…」

青年兵「でも、上へ進むのは間違いないですよね…!」

マジシャン「確かにな…。ひたすら上を目指せばいいってことか」

タッタッタッタッタ…

盗賊「……出口だっ!!」

魔道士「頂上…っ?」

召喚士「気を付けてっ!魔物がいるかもしれません!」

マジシャン「だよな…。いない事を祈るばかりだぜ…」

青年兵「抜けますっ!!」

タッタッタッタッタ

魔道士「ここは…っ!?さっきと同じ……」

召喚士「…あ……れは……っ」
666 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 19:44:07.18 ID:eHN4AzEo
〜火焔山、頂上〜

隊長「この城が…敵のアジトか」

女隊員「でっかい城ッスねぇ〜」

男隊員「どうする?真正面から行くか!?」

隊長「…いや、ここは他の奴らの到着を待とう」

戦士「……」

女隊員「…誰か…来るッスよ…?」

ザッザッザ

男隊員「なんだ…アイツ…!」

ザッザッザ

隊長「人間…!?いやしかし、敵か…っ!?」

ザッザッザッザッザ

戦士「な…ならねぇんだよ!あっちゃ…ならねぇんだよっ!!」

ザッザッザ……ザッ

騎都尉「……」
667 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 20:17:00.49 ID:eHN4AzEo
男隊員「おいっ、何だコイツは!知ってんのか…!?」

戦士「……」

隊長「ま…さか、コイツが……!?」

騎都尉「……戦…士?」

戦士「…っ!?」

騎都尉「……戦士…お前か…?」

ザッザッザ

隊長「来るぞっ!!」

女隊員「く…っ!」

ジャキッ

戦士「待てっ!!」

男隊員「……?」

戦士「…いい。ここは俺が行く」

女隊員「で…でも…っ」

戦士「いいから!!」
668 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 20:17:33.79 ID:eHN4AzEo
ザッザッザ

騎都尉「……」

戦士「ここは…タイマンでやらせてくれ」

男隊員「おい!あのなぁ……」

戦士「……これは…俺の戦いなんだ」

隊長「……」

戦士「自分で…ケリを…!ケリをつけてやる!」

隊長「……分かった」

女隊員「隊長っ!?」

隊長「但し…お前が死んだら、後は俺らがやる。……いいな?」

戦士「……ああ」

ネクロマンサー「…おやおや、何を盛り上がっているのか」

フワッ……スタッ

戦士「……てんめぇ…っ!」

ネクロマンサー「…クッククク!」
669 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 20:18:06.53 ID:eHN4AzEo
隊長「魔物…。こいつが元凶か」

ネクロマンサー「私の大切な人形です。そう易々と……」

チャキッ

隊長「邪魔はさせねぇぞ」

男隊員「……」

女隊員「……」

ネクロマンサー「……ふん。まぁいいでしょう」

戦士「……」

ネクロマンサー「今度の人形は今までとは…一味違いますよぉ?」

騎都尉「……」

ネクロマンサー「死して間もない良質の素材でしたからねぇ……」

戦士「…貴……様」

ネクロマンサー「体をそのまま利用する事によって…これまでの人形以上のポテンシャルを…」

戦士「……っ!!」

ババッ
670 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 20:18:52.50 ID:eHN4AzEo
隊長「……待て!」

戦士「…っ」

隊長「相手を間違えるな。お前の相手は…アイツだろ!」

騎都尉「……」

ネクロマンサー「最初の人形では失敗しましたが、今回は完全体…ッ!」

騎都尉「……戦士」

ネクロマンサー「やりさない。私の……人形ッ!」

騎都尉「……は」

戦士「…何が人形だ…っ。何が……私の人形だぁ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ…

女隊員「な、なんて…威圧…っ!?」

ネクロマンサー「……ほぉ。怒りで力を増すとは…面白いっ!」

戦士「……騎都尉のオッサン」

ブンッ……パシィッ!!

騎都尉「……?」
671 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 20:19:34.52 ID:eHN4AzEo
ネクロマンサー「クッククク!自ら敵に武器を投げ与えるとは…!!」

男隊員「何やってんだ!?テメェはよぉ!!」

戦士「あれは元々…騎都尉のモンだ。返しただけよ」

騎都尉「……」

戦士「来いよ。俺が…終わらせてやる…っ!!」

騎都尉「……戦…士」

ギュッ…

隊長「戟と刀じゃ間合いが……」

戦士「分かってる!……さぁ、来やがれっ!!」

チャキッ

騎都尉「……おぉ」

戦士「……」

騎都尉「……おおぉぉぉぉ!!」

戦士「うりゃああぁぁっ!!」

ガキイイィィンッ!!
672 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 20:20:28.82 ID:eHN4AzEo
〜火焔山、洞窟〜

マジシャン「城の前に誰かいんぞ…?」

ザッザッザッザッザ

紅孩児「……ハァー、アンタらもしつっこいねぇ」

召喚士「瓢箪…。返して貰おうか」

紅孩児「だからさぁ……」

マジシャン「…いい。口で言っても分からん奴には…力ずくだ」

紅孩児「力ずく…?ハハハッ、俺相手に…?」

マジシャン「悪い子にはお仕置きしなくちゃあな」

紅孩児「ハァ…?ナメてんの?」

召喚士「マジシャンさん!相手は強敵です…油断は……」

マジシャン「ハッハ!強敵たって第一関門の雑魚みてぇなモンだろ?余裕余裕!」

紅孩児「……言葉に気を付けろよ?人間…!」

ズズズズッ…

マジシャン「ハッハッハ!」
673 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 20:21:11.02 ID:eHN4AzEo
紅孩児「死ねぇーっ!!」

召喚士「盗賊さん!援護を!!」

盗賊「分かってる!」

火炎槍を手にした紅孩児jは、マジシャンめがけ真っ直ぐ走り寄る。

紅孩児「はあぁ!!」

ビュオォッ!!

マジシャン「っとぉ!!」

ドドオオォォンッ!!…ドジュウウゥゥ!!

青年兵「氷の…壁っ!」

マジシャン「おほぉ、すんげぇ力…!」

紅孩児「……ぬ…ぅ!!」

頭上に巨大な氷の壁を発生させ、紅孩児の火炎槍による一撃を防ぐマジシャン。

多量の水蒸気が二人を包み、徐々に白煙が周囲へと広がる。

シュウウゥゥ……ボシュッ!!

紅孩児「なに…っ!?」
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 20:53:22.13 ID:Cl4VIgDO
展開が熱すぎる
675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 21:41:31.92 ID:pAkmsoAO
紅孩児jと言うことは、最低10匹は…((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
676 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 23:24:06.33 ID:eHN4AzEo
盗賊「はあぁっ!!」

ガキイィィンッ!!

紅孩児「…こ…んの…ぉ」

マジシャン「それを…止めるかいっ!」

盗賊「……っ!!」

マジシャン「だが…っ!!」

紅孩児「!?」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」

シュイィィン

魔道士「…撃ちますっ!!」

召喚士「これで…終わりだぁ!行けっ!コカ…」

ドズウゥゥンッ!!

大鬼「さ…せるかああぁぁっ!!」

マジシャン「何…ぃ!?背後からっ!!」

召喚士「魔道士さんっ!!」
677 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 23:24:32.70 ID:eHN4AzEo
魔道士「……!!」

青年兵「ワイバーン!!」

ワイバーン「おうっ!!」

青年兵の命により、ワイバーンは魔道士と大鬼の間に割って入り、大鬼を迎撃する。

ドシュンッ!!…ゴオオォォッ!!

紅孩児「こ…ざかしいぃっ!!」

ビキビキビキッ……ゴッ!!

盗賊「!!」

紅孩児が右手の火炎槍で放つ渾身の一撃は、轟音をあげ地面を粉砕した。

ゴシャアアァァッ!!…ズドドドドド…

マジシャン「うおぉ…っ!!」

盗賊「…くぅ…っ」

崩れゆく足元。盗賊は懸命にマジシャンへと鎖を伸ばし放つ。

盗賊「うあ…っ!!」

だが、無情にも鎖は届かず、盗賊もまた崩れゆく地面の奥へと消えていった。
678 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 23:25:24.97 ID:eHN4AzEo
召喚士「魔道士さんっ!!」

ダダッ

召喚士「くっそぉ!足場が…!!」

火炎槍の一撃で分断された足場は、召喚士と魔道士達の行く手を遮る。

青年兵「なんとか…間に合った!」

足場を崩した魔道士を間一髪拾い上げたワイバーン。その姿に青年兵が安堵する。

大鬼「ぐあぁ!!」

青年兵「ワイバーン!右だ!!」

ドシュウッ!!

大鬼「ぬがああぁぁ!!」

召喚士「青年兵くん!!」

青年兵「こちらは大丈夫です!それよりも奴を…っ!!」

青年兵は城内へと走る紅孩児を指差し、大声で叫ぶ。

青年兵「奴を追って下さい!すぐに行きます!!」

召喚士「…わ、分かった!」
679 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 23:30:16.18 ID:eHN4AzEo
タッタッタッタッタ

召喚士「はっ…はっ…はぁ…」

タッタッタ…ザザッ

紅孩児「……?」

召喚士「……はぁ…はぁ」

紅孩児「……ククッ…ハハハッ!」

召喚士「…………」

紅孩児「…ナメられてもんだ。君一人かい、召喚士…っ!」

召喚士「…お生憎様、そうみたいだね」

紅孩児「それで?まさか一人で俺の相手をしようってのかい?」

召喚士「…いや、無理だ。勝てないよ」

紅孩児「…ヘェ、じゃあ諦めてかい?それとも…俺の下で働きたいとか?」

召喚士「…お前の下につくぐらいなら…瓢箪に吸われて死んだ方がマシさ」

紅孩児「ハハハハハッ!言ってくれるジャン」

召喚士「……」
680 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/15(日) 23:34:52.31 ID:eHN4AzEo
紅孩児「そんじゃあ、お望み通り…瓢箪の中で極上の酒になるといいさ!」

召喚士「……その前に」

紅孩児「……ん?」

召喚士「君の名を聞かせてくれないか?」

紅孩児「…ああ、いいよ。俺の名は『紅孩児』…。よく覚えておくんだね」

召喚士「紅孩児…」

紅孩児「じゃあ念仏の時間はいいかい?いや、君の国だとお祈りかな?」

召喚士「必要ないよ。やるならやってくれ」

紅孩児「潔いジャン…。気に入ったよ!」

キュポッ

紅孩児「…それじゃあね、召喚士クン!」

召喚士「……ああ」

ギュルギュルギュルッ!!……キュポッ

紅孩児「……アッハハハ!あっけない、あっけなさすぎる!……ハハハッ!!」

瓢箪の中に吸い込まれた召喚士。それを見た紅孩児はあっけなく訪れた幕切れに、声高らかと笑った…。
681 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/15(日) 23:42:01.05 ID:eHN4AzEo
お盆…というか週末がなかなか忙しくてすみません…
週休三日…いや、四日ぐらい欲しいですね!
それではご支援ありがとうございました!また明日!ノシ

〜オマケ〜

大軍師と別れた戦士父は、サルを追いつつも次の村へと向かう為、森を彷徨っていた…。

戦士父「あんのコソドロやろー、どこ行きやがった……」

ガサッ…ザッザッザ

戦士父「……なんだか…妙な感じだな」

キョロキョロッ

戦士父「魔物…か…?」

ザッザッザ……ピクッ

戦士父「……こっちか!?」

タッタッタ…ガサッ

戦士父「!!…ひ、人が倒れて……!?」

タッタッタ…グイッ

戦士「おいっ!立てるか!?しっかりしろ…!」

眼鏡「…………」

〜つづく?〜
682 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 23:42:39.47 ID:RoXgJmUo
今回の展開は熱すぎる
続きが気になって寝れねぇ
683 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 23:44:22.84 ID:mKAiQ..o
戦士が戦士父と一緒に!?
684 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 00:43:21.82 ID:hzKf7qIo
>>683
今始まった事じゃないからスルーしる

きっと戦士は本来居ないところに登場できる位アクティブだからモテるんだよ
685 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 00:51:02.58 ID:I5P439so
コウガイジの前で名前呼びまくってるが大丈夫なのだろうか
686 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 01:04:02.11 ID:o8h89gSO

自分で名乗った名前じゃないとダメなんじゃね?
687 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 01:33:35.12 ID:KL.ib.DO
>>1
本編もオマケも熱いとか…
明日から仕事なのに寝れねぇよドS
688 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 01:34:24.01 ID:LGlJ8Lco
サイドストーリーとは言え、
ついに眼鏡君が戻って来た!

お盆だからか?

>1いつもありがとう!
689 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 04:28:52.01 ID:v3ZN1sAO
>>688
縁起でも無い事言うなよ
690 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 08:17:37.57 ID:LGlJ8Lco
>>689

すまん
心よりあやまる
691 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:43:58.21 ID:RvtHc9.o
〜火焔山、洞窟内〜

ドシャアッ!!…ガラガラガラッ…ゴトッ

マジシャン「っつぅ…!!」

ヨロッ…スタッ

マジシャン「下が砂地で助かったぜ…。そうだ…!」

キョロキョロ

マジシャン「いた!!」

タッタッタッタッタ…ガシッ

マジシャン「盗賊ちゃん!大丈夫かい!?」

盗賊「…うぅ…な、なんとか…っ」

マジシャン「しっかし…登れそうにもねーなぁ……」

マジシャンは自分達が落下してきた天井の穴を見て溜息交じりに呟く。

マジシャン「しゃーない。迂回して頂上を目指そう。…立てるか?」

盗賊「…うん、ありがと」

マジシャンの手を借り起き上がる盗賊。二人は岩場を掻き分け、奥へと進む。
692 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:44:27.86 ID:RvtHc9.o
テクテクテクテク

マジシャン「なんだか…さっきと雰囲気が違うなぁ」

盗賊「…うん」

マジシャン「こんなだだっ広かったっけか?」

盗賊「…いや」

マジシャン「だよねぇ…」

盗賊「……」

マジシャン(…どうなってんだ?場所を飛ばされたにしちゃあ…落下しただけだしな)

テクテクテク

マジシャン(そう考えると…元いた場所が偽者って事か…)

盗賊「……」

マジシャン「ああ、ゴメンゴメン。何でもないよ…ハッハ!」

盗賊「…そう」

マジシャン「思わぬアクシデントが…チャンスを生むかもしれないね」

盗賊「……?…そ、そうだね」
693 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:45:41.30 ID:RvtHc9.o
〜火焔山、頂上〜

騎都尉「……」

ダンッ!!……ヒュオンッ!!

戦士「そりゃあ!!」

ブンッ!!…ギキイイィィンッ

騎都尉「……」

戦士「……ぐぬ…ぬ…っ」

バチィ!!……スタッ

騎都尉「……」

戦士「……駄目だ」

ネクロマンサー「そうでしょうそうでしょう?これ程の力……」

隊長「そうじゃねぇよ。なぁ…戦士?」

ネクロマンサー「……?」

戦士「本当に…この程度なのかよっ。本当によぉ……」

騎都尉「……」
694 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:46:24.38 ID:RvtHc9.o
ネクロマンサー「何を言って…っ、ええい…構わぬ。続けよ!」

騎都尉「……は」

ザッザッザ…タンッ!!

戦士「なぁ、騎都尉のオッサンよぉ!!」

ガキイィッ…ギチギチギチッ

戦士「アンタ…こんなモンじゃなかっただろ!?」

チュインッ!!…ギキィィ……キインッ!!

戦士「もっと強くて…恐ろしくてっ、……熱かったじゃねぇか!!」

キイィンッ!!……ズバシュッ!!

戦士「斬っても…血も出ねぇなんて……」

騎都尉「……」

カランッ……ダダッ!!…ガシィッ!!

戦士「こんなんでいいのかよっ!!騎都尉!!」

騎都尉「……」

素手で騎都尉に飛び掛かり、胸倉を掴む戦士の声だけが辺りに響き渡る。
695 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:47:38.98 ID:RvtHc9.o
グラァ…ドサァッ

戦士「なんとか言えよ!!おいっ!!」

倒れる騎都尉へ馬乗りとなり、なおも胸倉をゆする戦士。

騎都尉「…戦…士」

戦士「ああ、そうだよ!覚えてんだろ!?南東国で…アンタは長男の為に…」

騎都尉「…南東国……長男…っ」

ゴゴゴゴ…

騎都尉「……長男…様」

ゴゴゴゴゴゴ…

男隊員「な…なんだ…っ、この…威圧…っ!!」

隊長「おいおい…ま、まさか……」

ドガァッ!!……ドシャアァッ!!

衝撃音とともに戦士が後方へ吹き飛ぶ。

戦士「ぐ…く……ぅ」

戦士を蹴り飛ばしたその右足を、ゆっくり地面へ付け、その男は立ち上がった。
696 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:48:36.73 ID:RvtHc9.o
ユラァ…

騎都尉「……」

女隊員「な…なんだか様子が、変ッスよ!?」

ネクロマンサー「なんだ…これは!?私は知らんぞ!」

ザッザッザ

戦士「……っ」

騎都尉「戦士、剣を拾え」

戦士「!!」

女隊員「なんだか…感じが違うッスよ…っ!」

隊長「いよいよ…本領発揮ってこった…!」

騎都尉「立て!さぁ、構えろ!」

戦士「……くっ」

ヨロッ…チャキッ

騎都尉「あの時…成し得なかったお前との戦い。今ここで全てをぶつけてやろう!」

戦士「……ああ!!」
697 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:50:16.30 ID:RvtHc9.o
騎都尉「行くぞっ!!」

戦士「……!!」

ヒュンッ!!

男隊員「早えぇ…っ!!」

隊長「今までとは比べモンにならんぞ!?」

騎都尉「はあぁーっ!!」

ブオッ!!…ギキィン!!

騎都尉の強烈な戟の一振り。戦士はそれを雷切でかろうじて防ぐ。

騎都尉「…どうした!その程度かっ!?」

グググッ…

戦士「何…ぃ…!?」

ズドオオォォンッ!!

男隊員「押し潰した!?」

騎都尉「…立て」

ガシッ
698 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:51:16.22 ID:RvtHc9.o
騎都尉は倒れる戦士の頭を掴み、無理矢理起き上がらせる。

戦士「…う…っ」

騎都尉「ふんっ!!」

騎都尉の右手は、その掴んだ頭部を再び地面へ叩きつけ、衝撃音が響き渡る。

ドゴオオォォッ!!

戦士「が…はぁ…っ!!」

ドサッ…

騎都尉「……あっけないな」

うつ伏せに地面へと倒れる戦士。その背中に騎都尉は戟を突きつける。

騎都尉「これで…終わりだ!」

戦士「!?」

ヒュオッ!!……ザクゥッ!!

騎都尉「…ほぉ、かわしたか」

戦士「…く…はぁ…っ、はぁ…っ」

女隊員「や…やばいッスよ!?隊長っ!」
699 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:52:15.92 ID:RvtHc9.o
隊長「言ったろ、これはアイツの戦いだ。手出しは無用!!」

男隊員「……っ」

隊長「俺らが手を貸す時は…戦士が死んだ時だ」

ネクロマンサー「何というか…人間の美学というところですか?」

隊長「テメェも余裕コイてる場合か?」

ネクロマンサー「…は?」

隊長「アレはもうお前の手を離れてんぞ。制御不能だろう?」

ネクロマンサー「…ククッ。この期に及んで何を言っているのやら」

隊長「…大人しく見てろよ?手を出せば…俺が貴様を殺す」

ネクロマンサー「殺せるものならどうぞ。ま…手を出す気は毛頭ありませんがね」

女隊員「戦士さん、頑張るッスよぉー!」

ジャキッ

騎都尉「…もう終わりか!?」

戦士「ま…さかぁ!!」

ビュオッ!!……ガキイィィンッ!!
700 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:52:52.47 ID:RvtHc9.o
騎都尉「…ほう、まだこれ程の力を出せるとは…」

戦士「うりゃあ!!」

鍔迫り合いをする雷切から、激しい電流が騎都尉へと流れる。

騎都尉「ぬ…っ!?」

バチチッ!!…シュウゥゥ

男隊員「騎都尉って野郎が初めて間合いを取ったぞ!?」

隊長「……」

騎都尉「…やるな、戦士」

戦士「…こんなモンで終われっかよ!!」

女隊員「死闘なのに…なんだか二人とも嬉しそうッスね…」

隊長「悲しい戦いだよ。だが…避けられない戦いなんだろうな」

戦士「はりゃあぁ!!」

騎都尉「ぬぅんっ!!」

ブンッ…ヒュオッ…ガキィンッ!!…キィンキィンッ!!

戦士と騎都尉。二人の攻防による金属音が夜空に空しく響き渡る。
701 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:53:40.43 ID:RvtHc9.o
〜火焔城、入り口〜

青年兵「魔道士さん!」

魔道士「大丈夫です…!あ、ありがとうございました!」

ワイバーン「青年兵っ!奴が逃げるぞ!」

青年兵「…!?」

大鬼「はっはっ…はぁ…っ」

魔道士「城の中へ…!?」

青年兵「後を追いましょう!召喚士さんも気になります!」

魔道士「はいっ!」

〜火焔山、城内〜

タッタッタッタッタ

大鬼「しつ…こい連中だ!」

青年兵「いたっ!あそこだ!!」

大鬼は必死で広間を走りぬけ、階段を駆け上がり二階へと向かう。

青年兵と魔道士もそれを追い、城の二階へと階段を上り進んだ。
702 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:54:30.68 ID:RvtHc9.o
〜火焔山、洞窟内〜

ザッザッザッザッザ

マジシャン「…うーむ」

盗賊「……」

マジシャン「さっぱり出られそうもない」

盗賊「……うん」

マジシャン「なぁ盗賊ちゃん?」

盗賊「……ん」

マジシャン「どこでもいいんだが、魔物の気配とか感じない?」

盗賊「……やってみる」

盗賊はその場に目を瞑り立ち、意識を集中させる。

マジシャン「…やっぱ月読だねコレ」

盗賊「…………」

マジシャン「忍だし東方出身だし、もしやと思ったが…」

盗賊「……」
703 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:55:34.91 ID:RvtHc9.o
マジシャン「ハナっから出来るんだもんなー。反則だよなぁ……」

盗賊「…うるさいっ。気が散る!」

マジシャン「おぉっと…ゴメン!ハッハ…」

盗賊「……あっち」

マジシャン「…ん?」

盗賊「…魔物の気配か…分からないけど」

マジシャン「……」

盗賊「…何か…風の流れが…違う」

マジシャン「どれ…」

テクテクテク…コンコン

マジシャン「この岩の向こうか…」

盗賊「…どうするの?」

マジシャン「ちぃっと下がっててくれ」

盗賊「……?」

マジシャン「………ふー」
704 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:56:02.38 ID:RvtHc9.o
マジシャンは目を瞑りながら両手を突き出し、意識を集中させる。

マジシャン「うりゃあぁ!!」

ドドドドオオォォンッ!!…ズガガアアァァッ!!

盗賊「!?」

マジシャン「ハッハッハ!水圧と突風の合体魔法でこんな岩場なんぞ…」

ドドオオォォッ…ガラガラガラッ!!

マジシャン「うおっ!?」

ジャララッ…ビュッ!!

盗賊「掴まれっ!!」

マジシャン「すまねぇ!!」

ドドオオォォンッ…ゴトッ…カラッ…

マジシャン「ふいー…あっぶねぇ…」

盗賊「……あ…っ」

マジシャン「…おぉ、ビンゴだな!」

崩れゆく壁の奥より、かすかな月明かりが二人を照らした。
705 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:56:46.95 ID:RvtHc9.o
〜火焔山、頂上〜

戦士「ぐわ…っ!!」

ドシャアァッ

騎都尉「…どうしたぁ!もう終わりか!?」

ネクロマンサー「さぁ、早くトドメを……」

騎都尉「黙れっ!!貴様…この俺に指図すると言うのか!」

ネクロマンサー「!?」

隊長「はっはっは!ほれ見ろ、だから言ったじゃねーか」

ネクロマンサー「残留思念のみだぞ!?まさか…感情を持つなどと…」

隊長「それ程までに重いのさ…。騎都尉の…大義ってヤツはな」

ネクロマンサー「御託を……」

ググッ…

戦士「まだ…まだぁ!」

騎都尉「それでこそ、さぁ…来るがいいっ!!」

戦士「でりゃあぁーっ!!」
706 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:57:12.98 ID:RvtHc9.o
ガキイィンッ!!

戦士「ぐく…っ!!」

騎都尉「その程度の早さでは…懐にも潜り込めんぞ!」

バキィッ!!…ズザザァ…ゴロゴロ

戦士「……っ」

女隊員「全く…歯が立たないッスね…」

隊長「そうでもねぇぞ」

男隊員「……?」

隊長「戦士はこん状況下で…随分、落ち着いてるよ」

女隊員「……」

隊長「それに、騎都尉も流石に全力で動けるわけじゃないみてぇだしな」

男隊員「…そ、そうなのか…?」

隊長「単撃の威力はとんでもねぇが、さっきから連撃が全くない…」

女隊員「つ、つまり……?」

隊長「素早く連撃する程…あの体じゃ付いてこねぇって事だ」
707 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:58:04.98 ID:RvtHc9.o
男隊員「……なるほどなぁ」

隊長「戦士もそれは分かってる。だから間合いと隙を計ってんのさ」

女隊員「そ…そうだったんスね!」

隊長「だが…それでも互角……」

男隊員「……」

隊長「おそらく…そろそろ覚悟を決めるはずだ」

女隊員「!?」

隊長の読み通り、戦士は起き上がり、無言で盾と防具を外す。

ガシャッ…ゴトッ

男隊員「おいっ!ま…まさか覚悟って……」

隊長「あれで速さは五分…。あとは生きるか死ぬか…だ」

戦士「……」

騎都尉「……次で、終わらせるか」

戦士「…ああ。色々と考えたが、これしか方法はない」

騎都尉「…そうか」
708 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:58:30.98 ID:RvtHc9.o
チャキッ

戦士「……」

騎都尉「思えば…お前とも不思議な縁よ」

戦士「……」

騎都尉「初見は、役人罪人の立場であったかな?」

戦士「……」

騎都尉「それが華国の動乱へと足を踏み入れ……」

戦士「……」

騎都尉「師弟の如く、鍛錬を施し……」

戦士「……」

騎都尉「しまいにゃ同列で馬を並べるときたもんだ…」

戦士「……」

騎都尉「…ふっ。これ以上、問答は無用だな」

雷切を鞘へと納め、銃身を低く構える戦士。その姿を見て騎都尉は言葉を止める。

騎都尉がゆっくりと戟を構えた瞬間、その場の刻がしばし止まった。
709 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:59:03.05 ID:RvtHc9.o
ザッ…

騎都尉「……いざ、尋常に」

戦士「……勝負っ!!」

ドンッ!!

両者が同時に前方へと飛び出す。騎都尉の右手からは戟が真っ直ぐに伸び、

戦士の右手からは雷切の居合いが水平に左の腰より伸びる。

騎都尉「……っ!!」

戦士「――っ!!」



戦士『……あん?何だ…っ、これ…!?』

空も地面も真っ白な景色。戦士はただ水に浮くように、その中を漂う。

戦士『あったけぇような…懐かしいような……』

戦士の正面にぼんやりと、人影が浮かび始める。

戦士『!?』

騎都尉『…戦士。……戦士』
710 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 17:59:29.99 ID:RvtHc9.o
戦士『騎都尉っ!?騎都尉か!!』

騎都尉『戦士…お前は何の為に戦い続けるのだ?』

戦士『……?』

騎都尉『強さを求める為か?それとも…己を誇示する為か…?』

戦士『俺は…そんな事の為に戦ってるわけじゃないよ』

騎都尉『……』

戦士『確かに村を出た時、俺は…自分の力でどこまでやれるのか…試したかった』

騎都尉『……』

戦士『でもな、今は違うよ。今は…自分じゃない。人の為に…戦いたいと思ってる』

騎都尉『……』

戦士『みんなが笑って…安心して暮らせる世界を…見てみたいんだ』

騎都尉『…ああ。そうだな』

戦士『それに…俺一人じゃない。頼もしい仲間が…仲間達がいる』

騎都尉『仲間……』

戦士『俺一人が強さを求めたってしょうがないんだ…』
711 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 18:00:13.62 ID:RvtHc9.o
騎都尉『……』

戦士『一人じゃ限界があるけどさ、仲間と一緒なら…無限大の力になる!』

騎都尉『……その通りだ戦士』

戦士『オッサンにも…仲間がいれば…』

騎都尉『…ああ。違った結果があったかもしれんな』

戦士『……』

騎都尉『だが後悔はしていない…』

戦士『…オッサン?』

騎都尉『最後に…お前という頼もしい仲間が…助けてくれたじゃないか』

戦士『オ……』

騎都尉『俺は先に行く。その先で見せて貰うぞ…お前の世界』

戦士『騎…都尉……!?』

騎都尉『皆が笑って暮らせる…世界……』

戦士『あ…りがとう……』

騎都尉『じゃあな…。戦…士……――』
712 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 18:00:41.28 ID:RvtHc9.o


その立ち合いは一撃であった。

騎都尉の突きをその両目で、わずかな隙も逃さず捉えた戦士。

やや下がり気味に繰り出されるその一撃は、頭髪を掠めながら顔の横を通過する。

懐に潜り込んだ状態で放たれる居合いの一刀。それはまさに後の先を取った一撃。

放たれた雷切の刀身が、騎都尉の腹部を完璧に捉え一閃する。

戦士がもう一歩踏み込んでいれば、胴は真二つとなっていたであろうが、

至らずは戦士の躊躇いか、はたまた騎都尉の動きが完全ではなかったからか。

雷切を振りぬいた瞬間、二人の顔が交差する。

騎都尉「……」

騎都尉が優しく微笑んだような気がした。

戦士「……っ」

戦士の目から涙が零れた。

先に見た光景は、夢か現か…。戦士は雷切を鞘に納め、天を見上げる。

その背後でゆっくりと倒れゆく騎都尉。二人の顔に日の出の光がきらきらと注いだ。
713 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 18:14:40.92 ID:Susm5qko
(;_;)
714 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/16(月) 18:18:01.86 ID:qnj0HkDO
戦士は力を受け継ぎ真・戦士に成長した
715 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 18:19:47.46 ID:v3ZN1sAO
。・゚・(ノД`)・゚・。
716 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/16(月) 18:23:29.20 ID:RvtHc9.o
キリいいのでここまでにて失礼致します!
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ

>>683-684
オマケで誤字とかww本当にもう…すみません…
717 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 18:24:03.15 ID:.WWbYQDO
イイハナシダナー
718 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 19:10:38.85 ID:Qzqh5ADO
お盆に合わせて魂が成仏した(:_;)
719 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 19:38:24.32 ID:8p5dtcAO
なんという熱い展開…>>1
だが
>銃身を低く
で戦士まさかの飛び道具!?きたねぇ!!って思ってしまったww
720 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 20:55:04.62 ID:SdPooYco
>>719
あれ?俺書き込んだっけ?
721 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/16(月) 21:15:08.15 ID:VMjJkEAO
一瞬戦士が主人公だと思っちまったぜ……それでも違和感ないか
722 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 21:26:31.53 ID:qXQKaISO
>>1乙!!
ああ、これでまた戦士のイケメン度が上がったわ…。
女装してる場合じゃなかったな。主人公(笑)
723 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 21:32:54.90 ID:AJmy6Zso
>>1
ふと思ったんだが、涙なくして語れないドラマが他の3人にはあるのに魔道士にはないのな
ストーリー上も生い立ちも才能も恵まれすぎてて嫉妬しちゃうぜ
724 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 22:39:16.32 ID:PwJktgDO
今だから言える…



騎都尉は漢だどいうことが・・・

男の中の漢だよあんたは
725 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 22:45:00.66 ID:PwJktgDO
騎都尉「行け! 戦士!!!!」
726 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 22:53:53.80 ID:.dmGjAAO
俺「行け!魔導士!」
727 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:02:09.23 ID:.6g7Q1co
ザッ…

戦士「…………」

ネクロマンサー「…バ…バカな!?アンデッド…不死なのですよ…!?」

隊長「そりゃ、あくまで肉体の話だろ。魂が離れちまった今…ただの器だけだ」

ネクロマンサー「こ、こんな事があって……」

隊長「お前にゃ永久に分かるまい…」

ネクロマンサー「お…のれぇ…っ」

隊長「さーて、次は貴様か?…ん?」

ネクロマンサー「……図に乗るなよ、人間…っ!」

バサッ…バサッバサッ…

男隊員「……あん?」

バサッ…バサッ……バサッ…

使い魔「もうお待ちかねですぞ?ネクロマンサー様…」

ネクロマンサー「……」

使い魔「お時間もだいぶ過ぎておられます。日の出も、とうに過ぎましたし…」
728 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:04:18.68 ID:.6g7Q1co
隊長「使い魔…!?どこの手の者だ!」

ネクロマンサー「……仕方ない。まさかここまでやりよるとはな」

ザッ

女隊員「…逃げる…ッスか?」

ネクロマンサー「逃げる…?クッククク…勘違いしないで頂きたい」

隊長「……」

ネクロマンサー「逃げるのではなく、逃がすのですよ。貴方達をね…。クククッ」

男隊員「んなろぉ!!」

ネクロマンサー「そこの貴方っ」

戦士「……」

ネクロマンサー「いいものを見せて頂きました…」

戦士「……」

ネクロマンサー「お礼といっては何ですが、ソレ…あげますよ」

戦士「…」

ネクロマンサー「立て続けに人形を失うとは…。私の負けです。素直に認めましょう」
729 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:09:04.86 ID:.6g7Q1co
ヒュッ…トンッ

男隊員「逃がすかボケッ!!」

隊長「戦士っ!!」

戦士「……?」

隊長「お前はここで他の奴らを待て!」

女隊員「無理は禁物ッスよ!」

隊長「コイツの言う通りだっ、魔物が来たら退け!いいなっ!」

戦士「……」

ネクロマンサー「せっかく逃がしてやると言うのに…しつこい」

使い魔「こちらです、ネクロマンサー様っ」

バサァッ…バサッバサッ

男隊員「行くぞっ、クソアマ!」

女隊員「分かってるッスよぉ!……隊長っ!」

隊長「…あ、ああ!」

呆然と立ち尽くす戦士を余所目に、隊長以下、一同はネクロマンサーを追った。
730 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:15:49.80 ID:.6g7Q1co
戦士「……なぁ…騎都尉」

ザシャッ

戦士「俺は…これで良かったのかな…?」

騎都尉『――答えなんて誰にも分かんねぇよ!』

戦士「!?」

騎都尉『悔いるなら…成すべき事を全うしてからにしな!』

戦士「……騎…都尉…!?」

戦士は思わず振り返り、地に伏せる騎都尉に目をやる。

騎都尉「――」

戦士「…そう…だよな」

テクテクテク

戦士「他の奴らも頑張ってんだ。俺一人、挫けてどうする…」

テクテク……パシッ

足元に転がる戟を拾い上げ、もう一度天を見上げる戦士はぽつりと呟く。

戦士「頼むぜ……召喚士!」
731 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 23:18:26.05 ID:m7fysiMo
戦士「行けっ!召喚士!!」って思い浮かんだ
732 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 23:20:41.43 ID:PwJktgDO
1乙
やっぱり騎都尉のイメージは呂布かな
戟だし龍狼伝の黄子虎かな
733 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:21:51.67 ID:.6g7Q1co
〜???〜

ボチャアァンッ!!

召喚士「……ぶは…っ!!」

チャプチャプッ

召喚士「こ…・・こは…?」

天才「ようっ!」

召喚士「天才さんっ!?」

南方司令「何だ、朱雀先生も捕まっちまったのか?」

召喚士「捕まったって…。違いますよ、お二人を助けに来たんです!」

天才「はーっはっは!そいつは有り難てぇ!!」

南方司令「まったくだ!わはははっ!!」

召喚士「……何を呑気な」

天才「ここは瓢箪の中らしいな…。んで、コイツが厄介だ」

天才は腰まで浸かる水を掬い上げ、召喚士に言葉を続ける。

天才「この水っつーか液体っつーか。こいつが魔力を吸い取っちまうらしいんだわ」
734 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:26:11.08 ID:.6g7Q1co
召喚士「……なるほど」

天才「まぁ、俺様みてーな魔力膨大には無関係だがな。コイツと違って…」

南方司令「何を強がって…!?俺だってなぁ!」

天才「ほら、足元ふらふらじゃんかよ!はーっはっはっは!」

南方司令「……」

ドンッ……バシャッ

天才「てめぇ!何しやがる!!」

南方司令「そーいうアンタだってこのザマだ!」

召喚士「ちょ、ちょっと…二人ともやめましょうよ!」

天才「……そうだな。んな事してる場合じゃねーや」

南方司令「…全くだ」

召喚士「…正直なところどうなんです?天才さん…」

天才「…だいぶ吸われてるな。個人の絶対量に比例して吸い上げるみてぇだな」

召喚士「……」

天才「俺もコイツも、おそらく4割…いや、半分近く魔力を持ってかれてるだろうな……」
735 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:29:25.43 ID:.6g7Q1co
召喚士「早いところなんとかしないと……」

南方司令「考えはあるのか?」

天才「なきゃあ来ねーだろ」

召喚士「…まぁ…やってみない事には分かりませんが」

南方司令「どうすんだい?」

召喚士「…コカトリスでこの水を石化します」

天才「出来んのか?」

召喚士「ですから、やってみない事には……」

天才「おいおい、一か八かかよ…っ」

召喚士「しかも…思った以上に広いので、石化出来たとしても魔力が持つかどうか…」

南方司令「しくじれば、三人仲良くお陀仏か」

天才「…ま、頼りはそれしかねぇ。任せたぜ」

召喚士「…はい。やってみます!」

ザッ…

召喚士「行けっ!コカトリス!!」
736 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 23:34:24.60 ID:r8VkM6wo
そうきたかwwwwwwww
737 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:47:52.52 ID:.6g7Q1co
シュイィンッ

コカトリス「……」

召喚士「…いけそう?」

コカトリス「…さぁな。こんなもの前代未聞だ」

召喚士「だ、だよねぇ……」

天才「よーし、頼んだぞぉ朱雀セーンセ!」

召喚士「だいぶ回復したとは言え…今の魔力では……」

コカトリス「固形ではないこれだけの量。難しいかもしれんな」

南方司令「…ふぅむ」

天才「何とか力になってやりてぇところだが…」

天才は左手を掲げ、掌の上に炎を作り上げる。…が、それは一瞬の内に跡形もなく消えた。

天才「…この通り、発動の瞬間に吸いあげられちまうってワケ」

南方司令「我らは祈るのみ!愛と正義の為に…!」

天才「愛と正義はともかく、頑張ってくれ」

召喚士「…はいっ、いきます!」
738 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:49:56.74 ID:.6g7Q1co
チャポッ…

召喚士「…コカトリス、一気に頼む!」

コカトリス「…おう」

バサッ……ドドオオォォンッ!!

南方司令「くお…っ!!」

召喚士「ど、どうだ…っ!?」

ゴオオオォォ……ピキッ……ピキピキッ

天才「いった!!石化してるぞ!!」

召喚士「足場が出来たら早くそっちに!」

南方司令「お、おうっ」

スタッ

召喚士「……い…っけぇ!」

コカトリス「はあぁーっ!!」

ゴオオォォォォ…

召喚士「……あ…あれ…っ?」
739 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/16(月) 23:53:27.73 ID:.6g7Q1co
ゴオオォォォォ…

天才「……どした?」

召喚士「魔力……減ってない…?」

南方司令「召喚獣だからじゃないのか?」

召喚士「い、いえっ…そうではなく……」

天才「召喚分の魔力も減ってないって事か…?」

召喚士「ええ…!石化を撃っても…全然……」

コカトリス「……どうも、この液体が関与しているようだが」

召喚士「そうか…!これが魔力を作り上げて……」

天才「っておいおい!俺らの吸われた魔力使ってるって事かよ!?」

南方司令「しかし何故だ?確か…人間は吸われて…魔物には餌になるんだよな?」

召喚士「召喚獣に対しても…餌になっているみたいですね」

コカトリス「…そのようだ」

天才「魔物だけじゃなくて…召喚獣もか?……不思議な話だな」

召喚士「…………」
740 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 00:25:37.55 ID:sOEoFqoo
ひょうたんの中で何が起こってるのかわからんのに飛び込んじゃう召喚士さんぱねーっす
741 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/17(火) 00:39:31.84 ID:abiYLgAo
なんという暑さ…それではここまでにて…
ご支援感謝です!おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

戦士父「…まぁ、放っておくわけにもいかんよなぁ」

ガシッ…グイッ

戦士父「いよ…っと。大丈夫か?」

眼鏡「……」

戦士父「この近くに村があったはずだな…。よぅし……」

テクテクテク

戦士父「しっかし…さっきの魔物の気配は何だったんだ?」

眼鏡「……ぅ…」

戦士父「誰かを背負うなんて…何年振りだろうか……」

テクテクテク

戦士父「おっと、そんな事言ってる場合じゃねぇわな…!」

偶然にも眼鏡を発見し救助する戦士父。一体、どうなってしまうのか…?

〜続く?〜
742 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 03:32:49.16 ID:H0ftlkSO
1乙♪

ユニコーン喚んだらまさに瓢箪から駒

ムフ
743 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/17(火) 04:11:42.55 ID:hCKdyIAO
ん?魔物の気配ということは、眼鏡はさっきまで魔物だったのか?
だったら今の姿は…
何はともあれ>>1
744 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 05:53:10.03 ID:ojKyd6DO
>>1乙!
南方司令が相変わらずで安心した。
745 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 08:52:59.00 ID:e24Qr12o
>>743
眼鏡の心の友が人里か自分の住処?辺りまで引っ張ってた途中じゃなかろうか

よって眼鏡は全裸です
746 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 09:40:37.36 ID:g54k3ewo
眼鏡の一物がさっきまで魔物だった まで読んだ
747 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 15:48:07.29 ID:9qrSZ3M0
眼鏡が賢者にジョブチェンジか・・・
748 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:18:59.80 ID:OJzLHaEo
南方司令「だが、つまりは魔力負担なく召喚を続けられるって事だよな?」

召喚士「…そういう事になりますね」

南方司令「結果的に良かったではないか」

天才「コイツの言う通りだわな。こまけぇ事ぁ後でいい。まずは…」

召喚士「ここからの脱出が優先ですね」

天才「そういうこった!」

ゴオオォォォォ…

召喚士「これで粗方…」

南方司令「しかし、本当に出られるのかねぇ……」

召喚士「それは問題ないと思いますよ」

天才「…ほぅ」

召喚士「盗賊さんの話では、『酒』とか『飲む』とか言っていたそうですから」

天才「しばらく経てば、向こうから開けてくれるって寸法かい」

召喚士「それに異変に気付いたとすれば…もっと早く開ける可能性もありますね」

南方司令「確かにな。刻を待つばかり…か」
749 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:20:36.54 ID:OJzLHaEo
天才「しっかし…お前も無謀というか何というか…」

召喚士「相手は強敵でしたからね。この方が手っ取り早いと…」

南方司令「虎穴に入らずんば…ってやつだな」

天才「ったく、大博打だぜ」

召喚士(……自分だってそうだったくせに)

南方司令(人の事言えねーだろ俺達……)

天才「あん?」

召喚士「い、いえっ!あ…でも、ちゃんと切り札は考えてありましたよ?」

天才「そうなのか?なんだよソレ?」

召喚士「いや…まぁ、実は……」

ボソボソッ

天才「……ハーッハッハッハ!そりゃいいや!!」

南方司令「出来るのか!?そんな事…っ!」

召喚士「バッチリ修行しましたから!」

天才「ま、使う必要はなさそーだな。あとは蓋が開くのを待つのみ!」
750 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:26:44.31 ID:OJzLHaEo
〜火焔山、洞窟内〜

盗賊「はっ…はっ…はっ……」

マジシャン「……見えてきたぞ!陽の光だっ!」

タッタッタッタッタ

盗賊は目を瞑り、ゆっくりと日差しに焦点を合わせる。

盗賊「……こ…こは!?」

マジシャン「…まっぶし。盗賊ちゃんよく見えるね」

盗賊「…直前で目を瞑って…少しずつ慣らすと…いいよ」

マジシャン「さっすが!」

盗賊「……修行の成果」

マジシャン「へぇ。……んで、ここは…山の中腹か」

盗賊「…もう…朝だな」

マジシャン「好都合かな。魔物にとってはよるより朝の方が弱いからね」

盗賊「…そっか」

マジシャン「さて、と…。ここから頂上目指して頑張りましょうかね」
751 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:27:13.78 ID:OJzLHaEo
テクテクテク

盗賊「…また…洞窟だ」

マジシャン「この山…中身はずいぶんと空洞なんだな」

盗賊「……」

マジシャン「仮に頂上が潰れたりしたら…一気に崩れちまうかもしれんぞ」

盗賊「……ん…っ!?」

ザザッ

マジシャン「…何だ!?……魔物か!?」

盗賊「……」

洞の中の開けた、刺々しい岩場。その先の闇に盗賊はじっと目を凝らす。

スゥッ

マジシャン「何かいるな……」

盗賊「……敵だ」

チャキッ

着物のような布に身を包んだ魔物の影。ゆっくりと二人の元へと近づき始める。
752 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:28:24.08 ID:OJzLHaEo
スウゥゥ…

マジシャン「……どちらさんかね?」

――「まさかこのような所まで人間が来るとは」

盗賊「……」

――「私の名は『道士』。この城の管理を任されております」

マジシャン「へぇ、って事はアンタがボスって事かね?」

道士「いえいえ、管理…を任されているだけですよ。人間サン」

マジシャン「……マジシャンだ」

盗賊「…あ、えっと…盗賊…です」

道士「マジシャンさんに盗賊さん。始めまして」

盗賊「……は、はぁ」

道士「こちらが名乗っても名乗らないので、名無し人かと思いましたよ」

マジシャン「……おちょくってんのか?」

道士「……まぁ、そういう事になりますね」

マジシャン「てんめぇ…っ」
753 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:29:51.03 ID:OJzLHaEo
道士「すみません。戦う気のようですが、私は苦手でして……」

マジシャン「そんじゃここを通して貰おうか」

道士「そうは参りませんよ。立ち入らせない事が私の仕事ですから」

パチンッ

マジシャン「な…んだ…っ!?」

ピョンッ…ピョン…ピョン…

盗賊「…!?」

道士「彼らは私の忠実なしもべ。私の代わりにお相手致しましょう」

マジシャン「なんだか…気味の悪い奴らだな…」

盗賊「…アンデッド…?」

マジシャンと盗賊を取り囲むように、南東特有の衣服を纏った人型の魔物が集う。

額には黄色の札が張られており、顔や肌に血の気はない。

道士「さぁ、相手なさい。……僵尸!」

マジシャン「キョン…シー!?見た事あっか…?」

盗賊「…いやっ、初見だ!」
754 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:31:23.89 ID:OJzLHaEo
ババッ!!

僵尸「…………」

マジシャン「そりゃあ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォ

道士「…くくっ」

マジシャン「…おいおい、燃え立ってのに」

盗賊「…また…起き上がって!?」

僵尸「……」

ヒュオッ!!…ブンッ…ヒュンッ

マジシャン「早い…っ!!だが…っ」

バキィッ!!…ドシャアァッ

僵尸「……」

ムクッ…ピョンピョンピョンッ…

マジシャン「大して強くはねぇが、とにかく数が多すぎる!」

盗賊「ああ!早く何とかしないと……」
755 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:32:17.14 ID:OJzLHaEo
ガシッ

盗賊「!?……たあっ!」

ブンッ!!…ズガアァッ!!

道士「それなりに強いようですね。しかし…この数相手に……」

僵尸「……」

ブンッ…ブンッ…ヒュオッ!!

道士「体力がどれだけ持つか…。くく…っ」

盗賊「やぁっ!!」

チャキッ…ザシュッ!!

マジシャン(道士って野郎が操ってんだ。何か仕掛けがあるハズだ…!)

おびただしい数の僵尸を振り払い、二人は防戦一方の状態で迎撃する。

道士「まだまだいますよ。さぁ、諦めてお引き取り下さいな」

マジシャン「んな易々と帰れるかってんだよ!」

ドドンッ!!…ゴアアァァ

マジシャン「……ん…?」
756 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:34:27.31 ID:OJzLHaEo
マジシャンの放つ炎から一匹の僵尸が両腕で頭部をガードする。

マジシャン「…もしやっ。……盗賊ちゃん!」

盗賊「……!?」

マジシャン「あの札…狙ってみてくれ!」

盗賊「…札?……分かった!」

タンッ…シュバッ!!

盗賊「たあぁっ!」

盗賊は正面の僵尸に飛び掛かり、額の札へ斬りつける。

ズバッ!!……シュウウゥゥッ

盗賊「…!?」

マジシャン「消滅してるぞ!やっぱりなぁ…!」

道士「…おや、気付かれてしまいましたか」

マジシャン「そうと分かりゃ…他は気にせず札だけひたすら狙ってくぞ!」

盗賊「よし…っ!」

マジシャンと盗賊の二人は左右に展開し、僵尸の札を狙って攻撃を続ける。
757 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 17:50:33.52 ID:OJzLHaEo
ススッ…ザザザザザッ

ネクロマンサー「ふぅ、なんとまぁ…しつこいですねぇ」

男隊員「待てこらぁ!!」

タタタッ…

ネクロマンサー「幻城では瞬時に移動出来ないのが…辛いところですね」

使い魔「もう間もなくですよっ」

隊長「……」

ネクロマンサーは使い魔の誘導で洞の一画へと入っていく。

女隊員「あっちに逃げるッスよ!」

隊長「分かってるよ!」

ダンッ!!

隊長は威勢良く岩場を蹴り上げ、先頭を切ってその後を追う。

男隊員「罠かもしんねぇ!支援すんぞ!!」

女隊員「いつでも…いけるッスよぉ!」

更にその後を追い、男隊員と女隊員が洞の内部へと足を進めた。
758 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 18:00:30.58 ID:OJzLHaEo
マジシャン「とりゃあぁ!!」

ドドオォンッ…ゴアオオォォ

盗賊「…しっ!」

ズバシュッ…ドシュッ!!

マジシャン「それにしても…凄まじい数だ事…っ」

盗賊「……!?」

クルッ…キッ

マジシャン「どしたぁ!?」

盗賊「あそこっ!魔物の気配…っ!!」

マジシャン「新手か!?」

バサッ…バサッ

使い魔「……おや…!?」

ヒュッ…ストッ

ネクロマンサー「…こちらも交戦中でしたか。クククッ」

道士「やぁ、助けに来てくれたのかな?」
759 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 18:01:53.70 ID:URQlYMco
おー、それぞれで熱い展開が
1乙です
760 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 18:04:45.73 ID:OJzLHaEo
ネクロマンサー「…残念ですが、ショーの観戦は終わりのようで」

道士「ああ、帰るのか。ご苦労様」

マジシャン「……ア…イツはっ!!」

盗賊「ネクロマンサー!!」

ネクロマンサー「……?」

ヒュウゥゥンッ……スタッ

ネクロマンサー「…貴方、先日…東方でお会いしましたね」

盗賊「……」

マジシャン「あいつはどこだ」

ネクロマンサー「……あいつ?」

マジシャン「とぼけてんじゃねぇ!魔剣士だよ!!」

ネクロマンサー「ああ、彼ならこれから…北で頑張って頂きますよ。クククッ」

マジシャン「…んだとぉ!?」

ネクロマンサー「私も待ち合わせに遅れてしまいそうなので…失礼いますよ」

ネクロマンサーはマジシャンと盗賊へ頭を下げると、再び岩場の上へと飛び乗る。
761 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 18:22:17.27 ID:OJzLHaEo
トンッ

ネクロマンサー「!?」

隊長「でりゃあぁ!!」

ダンッ!!……ズバッ!!

ネrクオマンサー「……っ」

男隊員「クソアマ!氷だっ!!」

女隊員「了解ッス!!」

上部の穴から飛び出した隊長が、ネクロマンサーを一刀の元に斬り伏せる。

更には二人の隊員が、後方支援の為の魔法を撃ち放つ。

ドドドドオオォォンッ!!…ゴガアアァァッ!!

ネクロマンサー「……無駄な事を…っ」

残撃と魔法をものともせず、ネクロマンサーはのらりくらりと着地する。

マジシャン「俺が追う!こっちを頼む!!」

隊長「あぁ!?」

マジシャン「そこの下にいるヤツがマスターだ!叩いてくれ!!」
762 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 18:25:17.73 ID:OJzLHaEo
道士「……僵尸」

バババッ

男隊員「何…だ。コイツらっ!?」

マジシャン「札が弱点だ!札だけ狙えっ!」

女隊員「了解ッスー!!」

隊長「こいつをやりゃあいいんだな!?」

道士「……」

マジシャン「この城の管理人…おそらく幻術の使い手だ!」

隊長「…そいつはまた厄介だ事…っ」

使い魔「ネクロマンサー様!」

ネクロマンサー「分かってますって…」

盗賊「待てっ!」

マジシャン「かまうな!ヤツは俺に任せておけっ!!」

盗賊「…で、でも…っ」

マジシャン「いいから!……聞かなきゃなんねぇ事もあるしなっ!!」
763 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/17(火) 18:28:25.70 ID:OJzLHaEo
盗賊「…わ、分かった」

使い魔「早くして下さいっ、伯爵様に叱られるのは私なんですよ?」

ネクロマンサー「……」

ザザッ…ヒュンッ

マジシャン「逃がすかあぁ!!」

洞の外へと逃げるネクロマンサーと使い魔。それをマジシャンが単身、懸命に追いかける。

隊長「っりゃあ!!」

ブンッ…ヒュオッ

道士「…危ないですね。私は戦いたくないのですよ」

隊長「お前がどうであれ、こっちにゃ戦わなくちゃならん理由があるんでな!」

道士「……」

隊長「さっさと幻術、解いて貰おうかっ!!」

ブンッ!!

道士「…おぉ、怖い怖い」

隊長「にゃろう、逃がすかっ!!」
764 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 19:39:37.05 ID:aa1TW6AO
ゆっくり「…おぉ、怖い怖い」
765 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 20:48:59.82 ID:BlpC1m.0
一瞬ネクロマンサーが歪んだぞ
幻城とかいう新ステージで戦ってるみたいだし




休め
766 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 21:24:17.71 ID:Hk71fyAo
火焔山にある全戦力が本気になったら、余裕で人間側を撃破出来そうだけど
力を持ってるが故の個の重視や肥大したプライドが原因で
人間側の思考と違って協力したり、戦局を見据えて本気で相手の戦力を削る思考が無かったりするんだろうな
男女間の思考のズレが一番近そう (何故分かってくれないの? 論理的に考えろよ!! って)
767 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/17(火) 21:29:00.09 ID:rh0VtyYo
あっそ
768 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 21:49:18.06 ID:6ng.QkYo
何言ってるかよくわからないけど魔道士ちゃんはかわいいと思った。
769 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 23:37:41.60 ID:DHSjxYAO
>>1

盆休み前以来です
これからまた1人暮らしで寂しい生活が始まるので、毎日魔道士ちゃんに癒されにきます
以前師匠にも渇をもらったので尚更頑張ります
>>1も体に気をつけてね
770 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 01:05:41.40 ID:dWhx6MAO
   /
ネr/クオマンサー
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隊長の一閃!みたいなのを表してるのかと思った
771 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 07:00:59.66 ID:dzgyaRk0
オマンサーって……
なんだか卑猥だな……
772 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 16:50:01.88 ID:M0STbcMo
考えすぎだ
773 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 17:30:03.86 ID:/UbKcjIo
ザザザッ

道士「…僵尸」

僵尸「……」

特殊遊撃の三人が、飛び掛かる僵尸の下半身を次々と切り捨てる。

隊長「足を止めろ!それから札を狙えばいいっ!」

男隊員「獰猛な牙と爪…。まるで獣じゃねぇか」

女隊員「死んでも…ああはなりたくないッスねぇ」

隊長「じゃあ必死で生きろ!ここで死んだら奴らの仲間入りだぞ!」

女隊員「頑張るッスよぉ!」

道士「…ふぅむ。僵尸では止められないか」

ズバッ!!……スタッ

隊長「さて、どうする?」

道士「うーん、どうしましょうかねぇ」

道士が口を開くと同時に、隊長の足元、即ち地面より多数の手が伸びる。

隊長「なに…ぃ!?」
774 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 17:30:47.12 ID:/UbKcjIo
ボコォッ!!……ガシッ

隊長「ぐ…っ!」

道士「動きは封じました」

隊長「ど…うするつもりだ!?」

フワッ…スタッ

道士「…何度も言いますが、私は戦いが苦手です」

道士は右腕を隊長の前に構え、長く垂れた袖から掌を出す。

隊長「……っ!!」

道士「自分自身と…戦って頂きましょうか」

フワァ……トンッ

隊長「!!」

ガクンッ

女隊員「隊長ーっ!?」

道士「ご安心下さい。死んではいませんよ」

男隊員「てめぇ!何をしやがった!?」
775 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 17:32:15.75 ID:/UbKcjIo
道士「まぁ、精神をやられて…廃人同然かもしれませんがね」

男隊員「んだとぉ…っ!」

男隊員が飛び掛かる瞬間、その行く手を僵尸が阻む。

男隊員「邪魔だああぁぁ!!」

ザシュウゥ!!…ドスッ!!

道士「下にも…いますよ?」

男隊員の足元を指差す道士。隊長の時と同様に、無数の手が伸びる。

ガバッ!!

男隊員「う…っぜぇ…!!」

僵尸「……」

女隊員「は…なせ…っ」

道士「……あとは」

ヒュオッ!!

盗賊「やあぁ!!」

道士「奇襲のつもりでしょうが…バレバレですよ」
776 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 17:33:05.91 ID:/UbKcjIo
ガシィッ

盗賊「……く…っ」

道士の背後から襲い掛かる盗賊であったが、既にその動きを察知していた道士により、

あっけなく無数の僵尸に囚われ、身動きを封じられる。

道士「駄目ですよ。貴方のような者が急に気配を消したりしたら…」

盗賊「……っ」

道士「すぐに悟られてしまいますよ」

スススッ……トンッ

盗賊「あう…っ!」

ゆっくりと人差し指で盗賊の額を押す道士。盗賊の視界が徐々に白み始める。

グラァ……ガクンッ

道士「…貴方達はどうします?」

男隊員「そうか…っ、くそっ…幻術かよ…!!」

道士「…ふふっ、ご名答。もう手遅れですがね」

女隊員「隊長ーっ!二人とも…目を覚ますッスよぉ!!」
777 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 17:33:50.38 ID:/UbKcjIo


盗賊「……ん」

パチッ……ガバッ

盗賊「ここ…は!?どこかの屋敷のようだが…」

テクテクテク

盗賊「……だ、誰…?」

正面に座らされた鎖に繋がれた人影。盗賊は目を凝らして様子を伺う。

ジャラッ…

盗賊「…せ、戦士っ!!」

スゥッ…ザッザッザ

盗賊「…だ、誰だ!?」

影忍「…経緯は覚えていないようだな」

盗賊「兄…様……っ!?」

影忍「いや、知らぬ方が良い事もあるというものか…」

盗賊「あ…あの…っ」
778 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 17:34:44.31 ID:/UbKcjIo
ザッ

影忍「…刀を抜け、盗賊」

盗賊「……え…っ?」

影忍「俺を倒さん限り、先へは進めんぞ」

盗賊「あ、あの…何を言って」

テクテクテク…シュバッ!!…サクッ

盗賊「っつう…!」

いきなり歩み寄り、盗賊の左腕を斬り付ける影忍。

一瞬の出来事に、盗賊は戸惑いと困惑の表情を浮かべる。

影忍「それとも…このまま死ぬか…?」

盗賊「…な、なんで…兄様と…っ」

影忍「俺はお前の敵だ。兄などではない…!」

盗賊「……」

影忍「貴様に殺された怨み…今、ここで晴らす!」

盗賊「……っ!!」
779 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 17:36:38.26 ID:/UbKcjIo
タタタタッ…ヒュンッ……ガキイィンッ

影忍「…小太刀でようやりおる」

盗賊「私が…殺したなんて……」

影忍「いいや、お前のせいだ。お前のような足手纏いさえいなければ…」

ブンッ…ドカァッ!!

影忍「俺はあの時、逃げおおせる事が出来たのだ」

盗賊「……っ」

影忍「貴様に殺されたも同然であろう…?」

盗賊「……兄…様」

影忍「それとも…既に死人である以上、罪悪感は湧かないか…?」

盗賊「……」

影忍「兄殺しの罪…償うがいいっ!!」

チャキッ

盗賊「……いいよ」

影忍「……?」
780 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 17:43:52.03 ID:DE.QdsQ0
盗賊「兄様なら……してもいいよ……」

影忍「……?何の事だ……?」

盗賊「兄様になら初めてを……あげても……つらくない……」
781 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/18(水) 17:51:57.63 ID:/UbKcjIo
>>780
ちょっとww
782 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 18:03:04.39 ID:/UbKcjIo
盗賊「でも…そんな事、償いにはならないよ」

影忍「…自分を正当化する為の詭弁だな」

盗賊「違う…!兄様はそんな事言ったりはしないっ!」

影忍「……」

盗賊「確かに私は足手纏いだった。でも、兄様は……」

影忍「……」

盗賊「私は…生きて兄様の意志を継ぐ…っ!」

ザッ

影忍「…ほう」

盗賊「それに…兄様はまだ諦めてない!!」

影忍「……盗賊」

盗賊「…お前は偽者だ!兄様なんかじゃないっ!!」

影忍「……ならば、刀を取って俺を倒してみろ」

盗賊「……言われなくてもっ」

薄緑を拾い上げ、盗賊は影忍の前でゆっくりと身構えた。
783 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 18:06:07.74 ID:DE.QdsQ0
ごめんなさいwwwwwwwwww
784 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 18:12:11.31 ID:/UbKcjIo


隊長「……この空間…作り、明らかに異常だ」

ザッザッザ

隊長「……そうか、幻術か。……どのタイプだ?」

ザッザッザ

隊長「……ああ、一番最悪なヤツか」

ピタッ

隊長の前に立ちはだかる一人の男。その手に構えるは二本の槍。

隊長「己の思考を具現化して、しかも…最も過酷な……」

戦士父「……」

隊長「尊敬に値する初代の一番槍様か…。勝てるかねぇ…」

戦士父「構えろ」

隊長「……お手柔らかに」

隊長は長剣を鞘から抜き、身体の横へゆっくりと身構える」

隊長「倒さなきゃ…開放はねぇよな…っ!!」
785 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 18:19:51.51 ID:/UbKcjIo
〜火焔山、洞窟〜

ヒュンッ……トンッ

ネクロマンサー「……幻城を抜けましたか」

使い魔「さぁ、お急ぎを…!」

バッ…スタッ

マジシャン「……」

ネクロマンサー「宜しいのですか?」

マジシャン「…あん?」

ネクロマンサー「私なんぞ追うより、他の者の助けにいかなくて…」

マジシャン「…んなヤワな連中じゃねーよ」

ネクロマンサー「…そうですか。それなら良いですけど…ククッ」

マジシャン「魔剣士、今は来たにいるんだな?」

ネクロマンサー「…さぁ、多分いるのではないでしょうか」

マジシャン「……」

ネクロマンサー「からかっているわけではないんですよ。あの人形は自律してないものでね」
786 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 18:27:25.04 ID:/UbKcjIo
マジシャン「いるんだな?」

ネクロマンサー「何もなければ…ね」

マジシャン「…分かった」

ネクロマンサー「どうするつもりですか?まさか…消すとでも?」

マジシャン「……あれ、器は魔剣士そのものだよな?」

ネクロマンサー「…ほぉ、よく分かりますね。あなた才能ありますよ」

マジシャン「……」

ネクロマンサー「私と人形作りでも如何ですか?クッククク」

マジシャン「殺すぞ」

ネクロマンサー「これは失礼…」

マジシャン「不死身の人間か…。皮肉なモンだな……」

ネクロマンサー「まさか五行でも放つつもりですか?」

マジシャン「…だとしたら?」

ネクロマンサー「あの人形を葬る程の五行…。貴方も死にますよ?」

マジシャン「……」
787 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 18:30:59.25 ID:/UbKcjIo
ネクロマンサー「…成程。そこまで執着する理由が分かりましたよ」

マジシャン「……」

ネクロマンサー「貴方…道連れに死ぬおつもりでしょう?」

マジシャン「……」

ネクロマンサー「クックク…やはり。しかしそうはさせませんよ」

スゥッ

マジシャン「…!?」

ネクロマンサー「私も悉く…二体の人形を失ったのです。これ以上は…」

使い魔「ネクロマンサー様っ!!」

ネクロマンサー「そういう事で、お先に失礼しますよ」

マジシャン「くそ…っ!待ちやがれっ!!」

ネクロマンサー「では…クッククク!!」

ネクロマンサーはにたりと笑い、使い魔と共に闇の中へと姿を消した。

スウゥッ…シュンッ

マジシャン「……ち…っくしょう!!」
788 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 18:36:36.27 ID:/UbKcjIo
ガンッ!!

マジシャン「……」

岩壁を殴りつけるマジシャンの拳から、血が滴り落ちる。

マジシャン「……っ」

マジシャンは一度、来た道を振り返るが、すぐさま正面を向き直し歩き始めた。

マジシャン「……すまねぇ」

搾り出すように謝罪の言葉を吐くマジシャン。

テクテクテク

マジシャン「ここは……任せたぞ!」

ダッ…タッタッタッタッタ

マジシャン「これ以上逃がすわけにゃいかねぇんだ…!」

タッタッタ

マジシャン「…待ってろよぉ、ネクロマンサー」

タッタッタッタッタ

マジシャン「……魔剣士!!」
789 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 18:42:41.04 ID:/UbKcjIo


ギインンッ!!…ギキイィンッ!!

隊長「……りゃあ!!」

戦士父「……」

遮二無二斬りかかる隊長。それを容易にかわし間合いを取る戦士父。

隊長(駄目だ!すぐに間合いを離されちまう…!!)

戦士父「……」

ブンッ!!…ヒュオッ…フォンッ!!

隊長「…かわすのが…精一杯かよっ、くそぉ!!」

戦士父の次々と繰り出される槍撃。隊長はかろうじてそれをかわし、剣で弾く。

隊長「俺の中の一番槍ってのは…美化されすぎてんだなぁ!!」

ブンッ!!…ガキイィィンッ

戦士父「…これが…実力差だ」

隊長「うっせぇ!!」

頭上より襲い掛かる隊長の一撃を、二本の槍が交差しそれを受け止める。そして両者の声が交差する。
790 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 18:59:44.68 ID:ound/0Yo
>>780
おいおい、
791 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 21:51:22.87 ID:rW7fXkDO
こっちはあっちか
792 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 22:19:10.77 ID:KvtD4sAO
>>1

じゃあ影忍はただの忍だな
把握


魔道士ちゃんだけあまり苦難に合ってないが大丈夫なのだろうか…まぁ、何もない方が俺としては安心なんだが
てかガイ児に一撃クリーンヒットさせただけでも花丸かな!僕は魔道士ちゃんには甘いからなぁ^^
793 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 22:46:43.96 ID:sUAEgADO
盗賊は毎回やられ役だな

雷は浴びるし腹は貫かれるし他にも色々
794 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:07:31.29 ID:.aXN6Jso
ガキイィンッ!!

隊長「……っ!!」

戦士父「……」

隊長(あれは……何十年前になるかな…)

ヒュバッ…シュンッ

隊長(俺がまだ新米兵卒だった頃…)

タタッ…ブオォッ…ヒュンッ

隊長(大規模な魔王軍討伐の折、一番槍を始めて見たっけか…)

スタッ…タタタッ…ギキイィィンッ!!

隊長(……第一次討伐で見た怒涛の一番槍。エゲつなかったわなぁ…)

ザザァ…

隊長(その夜…声かけて貰ったんだよなぁ…)

チュインッ…バスッ…ガキィィンッ

隊長(第二次討伐じゃ…俺のパーティーは全滅した…)

クルクルクルッ…スタッ…ババッ
795 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:19:18.71 ID:.aXN6Jso
隊長(もう終わりだと思った瞬間…背後から魔物を串刺した、矢のような投擲…)

その瞬間、正面に構える戦士父の手より、隊長めがけ槍が放たれる。

ボシュッ!!…ウウゥゥゥゥ

隊長(後ろからだったが…今でもハッキリ覚えてるぜ…)

ゴオオォォォォ…

隊長(ややカーブがかった軌道で、魔物の喉元めがけて真っ直ぐ飛んでった…)

向かい来る矢を潜るようにかわし、更に前進する隊長。

隊長(幾度も何十年も…脳裏から消える事のなかった軌道…っ)

ブオォッ!!

隊長「かわせねぇワケ…ねぇんだよぉ!!」

ガッ……ズバシュウゥッ!!

隊長「……俺は…更なる高みを目指す。それだけさ」

戦士父「……ああ」

隊長の右手に握られた長剣。その刀身が、戦士父の右側部へめり込む。

無言で振り抜くと、戦士父の体は砂のように、さらさらとその姿を消した…。
796 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:27:30.16 ID:.aXN6Jso


影忍「……」

盗賊「……」

ジリジリッ

刹那の立ち会い。刀身同士がぶつかり合い、火花を散らす。

盗賊「……ふっ……ふ…っ」

その鮮やかな金属音と、盗賊の細かな呼吸が辺りに響く。

兄妹であるが故、その似たような斬撃の応酬は、まるで剣舞のように流れる動きを見せる。

盗賊(兄様…見てくれたよね…。私は強くなったよ)

盗賊の抱く兄の面影。それは強大で勇猛で、気高いもの。

盗賊(だから…目の前の兄様が偽物ならば、…私は…負けない!)

盗賊の呼吸が徐々に短い間隔へと変わりゆく。それと同時に影忍の動きも徐々に鈍さを見せ始めた。

盗賊(この兄様は、きっと自分が作り上げた偽物なんだ…)

ヒュッ…タタタッ

盗賊「……だから、自分の強さを信じる…っ!」
797 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:31:07.12 ID:.aXN6Jso
影忍「……っ」

盗賊「はあぁっ!!」

術を使おうと間合いが離れた瞬間、盗賊の鎖が影忍へと素早く伸びる。

ジャララッ……ギュルギュルッ…ガシィ!!

盗賊「……捉えた…っ」

影忍「…………」

盗賊「……兄様、終わりです」

影忍「…お前に俺が殺せるのか?」

盗賊「……っ」

影忍「どちらかが死せぬ限り…この戦いは終わらんぞ」

盗賊「……」

影忍「さぁ、どうした!?」

盗賊を睨みつける影忍。その目を慈しみにも似た眼差しで盗賊は見返す。

盗賊「……私は…っ」

影忍「……出来ぬなら、お前とあの男が死ぬだけよ」
798 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:35:38.30 ID:.aXN6Jso
盗賊「戦…士……」

影忍「貴様一人の問題ではない。さぁ、俺を殺せるなら頃敷いてみせろ!」

盗賊「……兄…」

影忍「覚えておけ…」

盗賊「…え…っ?」

影忍「いつかまた…このような刻が訪れる……」

盗賊「……」

影忍「お前は俺を…殺せるのか?」

盗賊「……そんな…事」

影忍「その刻に決める…か?……愚かな奴よ」

盗賊「……」

影忍「……覚悟」

盗賊「……?」

影忍「直前での判断など愚の骨頂。……予め覚悟しておくのだな」

盗賊「……兄様」
799 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 23:35:55.67 ID:JOSksMQo
尊敬してる相手とかかつてのあこがれの対象を相手に戦うって展開は燃えるな
800 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:39:48.95 ID:.aXN6Jso
影忍「…今日のところは見逃してやる」

盗賊「……!?」

影忍「…その刻を…楽しみにしててやる…っ!」

シュウウゥゥ

影忍「せいぜいその葛藤に苦しむがいいさ…」

ウウゥゥゥゥ…

影忍「ふははははっ!!」

サラサラサラッ…

盗賊「……私は」

突如視界が乱れ、辺りが眩く白み始める。

盗賊「……っ!?」



盗賊「……ん」

パチッ

盗賊「こ……こは…?」
801 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:44:54.07 ID:.aXN6Jso
男隊員「くっそぉ…っ!!」

女隊員「二人を…v助けなくっちゃ…っ!」

道士「…無駄ですよ。しばらく…いえ、永久に目覚める事はないかもしれませんね」

フワッ…ストッ

道士「まずは貴方達の命…。頂きましょうか」

僵尸「……」

道士「心臓を一突き…。楽に殺して差し上げます」

道士の両脇に身構える二匹の僵尸。するどい爪を顔の前へと突き出し、二人の心臓を狙いすます。

道士「……ふっふふ」

ヒュオッ…ザクゥッ!!

女隊員「――っ!!」

男隊員「!!…………え…っ?」

突如倒れる二匹の僵尸。その事態に道士が顔を強張らせ、ゆっくりと背後へ振り向く。

ザッザッザッザッザ

隊長「……あの程度が幻術だぁ?…笑わせんじゃねぇぞ!」
802 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:47:21.45 ID:.aXN6Jso
道士「な……ぜ…っ!?」

シュバッ…ザクッ…ドシュッ

女隊員「足元の僵尸が!?」

男隊員「クナイ…!?まさか…っ!!」

道士「なぜだ…っ!!」

スタッ

盗賊「……」

隊長「これで逃げ場はない。さぁ…どうする?」

道士「まさか…二人揃ってあれを抜けたというのか…っ!?」

盗賊「……よくも」

ザッ

道士「……くっ!」

ババッ

隊長「逃がすかよぉ!!」

盗賊「…はぁっ!!」
803 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:50:18.40 ID:.aXN6Jso
上空へと逃げる道士の足元に、盗賊の放つ鎖が絡みつく。

隊長「……礼は…タップリくれてやるっ!!」

身動きの取れぬ道士へ振り下ろされる隊長の強烈な一撃。

ズガアアァァッ!!…ドグシャアアァァッ!!

道士「ごは…っ!!」

男隊員「燃え尽きろぉーっ!!」

女隊員「凍え死ぬッスー!!」

ドドドドオオォォンッ!!…ゴガアアァァッ!!

道士「がはぁ……っ!!」

ドシャアアァァッ

道士「……な…ぜっ、術が…術…が……」

隊長「……何だ!?」

フオオォォォォ

女隊員「視界が…変わるッスよ!?」

盗賊「……!?」
804 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:54:30.84 ID:.aXN6Jso
道士が倒れると同時に、周囲の景色が姿を変える。

洞窟内であった景色は、一本の長い石階段へと表情を変えた。

男隊員「…これも…幻だったのか…!?」

隊長「ようやく本物の城がお目見えってワケだ」

隊長は階段の先、山の頂上にそびえる禍々しい城をみあげ呟く。

道士「…げ…幻城が……っ」

盗賊「……」

僵尸「……」

ザザッ

隊長「あくまでボスは殺させないってか?」

道士「…今日は…退くとしましょう。完敗ですよ」

道士は残り僅かの力で起き上がり、僵尸の壁の向こうから声を絞り出す。

道士「その顔…覚えておきますよ」

隊長「…ちっ!」

道士が姿を消すと同時に、僵尸の群れは赤黒い土へとその姿を変えた…。
805 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/18(水) 23:57:11.46 ID:.aXN6Jso
〜火焔山、城内〜

魔道士「…こっちにもいません!」

青年兵「どうなっているんだ…!この城は…っ!」

シュイィィィィン

青年兵「な…なんだ!?」

魔道士「城が…消え…っ……」

フオオォォォォ

魔道士「!!」

青年兵「み…道が…っ!?」

魔道士「今までのお城は…偽物だった…!?」

青年兵「……そのようですね。あれが、本物…っ!」

魔道士「あっ!青年兵さん!」

魔道士が指差す先に見えるは、探す張本人である大鬼の姿。

青年兵「いたっ!……追いましょう!」

魔道士「……はいっ!」
806 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 00:00:15.39 ID:FJcXSNoo
〜火焔山、頂上〜

戦士「……」

ザッザッザ

戦士「悪いな騎都尉。後で丁重に葬ってやるから…今はここで我慢してくれ」

ザッ

戦士「……!?」

テクテクテクテクテク

戦士「……厄介な奴が来ちまったか」

紅孩児「……ヘー、君一人かい?」

戦士「…みてぇだな」

戦士は戟を手にとり、階段から登って来る紅孩児に身体を向ける。

紅孩児「やめといたら?勝てると思ってるのかい?」

戦士「…やってみにゃ分からん」

紅孩児「君ほどの使い手だ。分かるだろ」

戦士「分かってても…やらなきゃならん時もあんだよ」
807 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 00:02:37.06 ID:FJcXSNoo
紅孩児「……ま、止めはしないけどさ」

ザッ

戦士「……」

紅孩児「その前に、お友達がどうなったか見てみたくはないかい?」

ヒョイッ

戦士「瓢箪…!」

紅孩児「さっき召喚士もはいったところだよ」

戦士「――っ!!」

紅孩児「ハハハッ!しかも…自ら降伏して、ね」

戦士「……降伏?あいつが?……そりゃお前、やられたな」

紅孩児「……は?」

戦士「アイツがそんな真似するわけねぇよ。罠にかかったんだよお前は」

紅孩児「……戯言を」

戦士「そう思うなら中身、確かめてみろよ」

紅孩児「……言われんでも、みてやるさ!」
808 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 00:07:03.78 ID:FJcXSNoo
紅孩児は瓢箪の蓋を取り、己の口の上で逆さまにひっくり返す。

キュポッ

紅孩児「さぁ…美味な酒……」

戦士「……」

紅孩児「……?」

何も出てこない瓢箪。紅孩児は不思議そうに瓢箪を何度か振る。その瞬間…。

ブンブンッ……ボッ!!

紅孩児「何っ!?」

シュイイィィィィン……ドサドサドサッ!!

紅孩児「……馬鹿な!?一体…何が…どうな…って」

戦士「……やっぱりな!!」

転載「いってぇ……。ん?外に出られたみてーだな」

南方指令「……っ、一時はどうなるかと思ったけど…!」

戦士「おかえり!召喚士!!……流石だな!」

召喚士「……戦…士!?。……ただいま!」
809 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/19(木) 00:11:30.74 ID:FJcXSNoo
最近身体が重いので早めに寝るとします…寝違えて首も痛いし…><
ご支援ありがとうございました!おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

天才「……おしっこしたい」

南方司令「はぁ!?」

召喚士「が…我慢して下さい!」

天才「なぁなぁ、おしっこも石化してくれりゃいいからさっ!」

コカトリス「そのような事に使えるか!貴様ごと石化してくれようっ!!」

天才「ちょ…っ!?冗談だよ、冗談!」

召喚士「……はぁ」

南方司令「石化してみれば、ここもなかなか快適だな。正義の秘密基地に使用するか…」

天才「バッカじゃねーの?」

南方司令「いやっ!正義はいかなる時にも秘密の基地をもってだな……

召喚士「……はぁ」

コカトリス「お前も…苦労しているのだな……」

召喚士「……はぁ」
810 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/08/19(木) 00:34:06.58 ID:72DTjEDO
いちおつ!

不意の誤字脱字に和みながら毎日読ませてもらってるぜ!
811 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 00:48:00.87 ID:wN4w2.SO
1乙♪

夏風邪は自律神経失調症とも言うぞ。
体を冷やし過ぎるなよ〜
812 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 00:59:42.91 ID:O77Fe.Ao
転載「
おいうらる貼って無いとかこの転載不良品だな
813 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 01:39:56.47 ID:KxagxMDO
いちおつ!

ここでまさかの新キャラか
転載・・・こいつも強いのか・・・?
814 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 05:38:47.28 ID:1v9R6IDO
そろそろ誤字はスルーしようぜ
読めるんだからさ
815 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/19(木) 05:46:52.56 ID:nKj6fQAO
主人公(笑)……期待しているぞ……?
816 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 07:56:01.07 ID:YJ1RTgDO
いち乙乙!

やっと書き込めた。VIPはコカトリスしか見ないから、詳しくないのですが、心はエブリタイム支援

おしっこしてきます
817 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 08:26:52.37 ID:xvDcSgk0
転載wwwwwwwwwwwwwwアフィブログwwwwwwwwwwハム速かwwwwwwwwwwおkkkwwwwwwwwwwww
おkじゃないけどwwwwwwww修正されないでwwwwwwwwwwww
818 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 17:56:24.83 ID:8/CU0MAO
今日日草なんて流行らないんだよ!!!
今最もホットなのは句読点。これだね。
句読点の凄いところは、これ使いこなすだけでめちゃくちゃ知的な文章に見えちゃうところ。

例文をもって確認してみよう
「このウンコ凄く臭いですぅバブゥ」
これじゃあただのウンコ見つけたガキンチョだな!
次に、句読点を使った文だ。
「このウンコ、凄く臭いです。バブゥ。」

な?なんか知的に見えるだろ?これが句読点の効果だ!

句読点を使うだけでこの効果だ。これからもっと句読点が活躍する時代が来ると思う。
お前らも句読点、使いこなしていこうぜwwwwwwww
819 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/19(木) 21:14:47.24 ID:tNbSfxMo
そうだな、わかったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
820 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 22:50:35.78 ID:FJcXSNoo
紅孩児「オイオイ、何がどうなって……」

天才「ハーッハッハッハ!俺様にはあの程度のもの…無用!」

南方司令「その通りっ!正義は……勝つ!!」

紅孩児「何て奴らだ…っ、絶えやがったのかよ…」

召喚士「……ここは…?」

戦士「…山頂だ」

召喚士「他の人達は…?」

戦士「特殊遊撃の奴らはネクロマンサーを追った」

召喚士「!?」

戦士「……」

戦士は黙って背後の地面に寝そべる大男を見つめる。

召喚士「……あれ…って」

戦士「そういう事だ…」

召喚士「……」

戦士「騎都尉は…俺がやったよ」
821 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 22:51:05.59 ID:FJcXSNoo
召喚士「戦士……」

戦士「気遣いは無用だ。確かに…ちょいとキツかったけどよ…」

召喚士「……」

戦士「でも、さっき一人でボーっとしててさ…いや、後にしよう」

召喚士「……うん」

戦士「他の奴らもきっと無事だ。今は目の前の敵を…」

ザッ

召喚士「ああ…。そうしよう!」

紅孩児「ネェ、天才サン」

スッ…

紅孩児「……!?」

ヒュオッ!!……ゴッシャアアァァァァッ!!

紅孩児「あっぶね…っ!」

天才「だーれが返事するか、このバカ!」

紅孩児「ハハッ、流石にもう引っ掛からないか…!」
822 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 22:51:37.56 ID:FJcXSNoo
南方司令「観念しろ!もう奥の手はあるまい!」

紅孩児「四人相手にはしたくないなぁ…」

ズズズッ…

戦士「槍が来るぞ!」

天才「わーってるよ!!」

紅孩児の右手に形成され始める火炎槍。その軌道はすぐに前方の天才へと向けられる。

ゴウッ!!

天才「んにゃろうっ!!」

突きと薙ぎのニ連撃を綺麗にかわす天才は、ツヴァイハンダーを両手で握り直す。

天才「っりゃああぁぁ!!」

ビキッ…ビキビキッ…ピキイイィィン

戦士「ツヴァイハンダーが凍って…!?」

紅孩児「…っ!?」

天才が凍りを纏ったツヴァイハンダーを一気に振り下ろす。

それを辛うじてではあるが、紅孩児は火炎槍で受け止めた。
823 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 22:53:08.60 ID:FJcXSNoo
ズガアアァァッ!!…ドッゴオオォォンッ!!

戦士「じ…地面が…っ」

南方司令「防がれたか…!」

召喚士「いや…まだだっ!!」

火炎槍で防がれたツヴァイハンダーの刀身から、細かな氷の粒子が舞い始める。

紅孩児「…な…に!?」

紅孩児が言葉を続ける間もなく、氷の粒子は吹雪となり、紅孩児へと吹き荒れる。

ゴウウゥゥゥゥッ!!

紅孩児「ぐあ…ぁ…!!」

天才「ハーッハッハッハ!なかなかの威力だな」

ユラッ…ググッ

紅孩児「……その武器…風の属性持ちかよ…っ」

天才「おー、ご名答」

召喚士「そうか!風の鉱石を持つ剣に…水行の魔法で合体を…!」

天才「そーいう事。使い方一つで色々出来んのさ!覚えておきな!」
824 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 22:55:46.74 ID:FJcXSNoo
紅孩児「やってくれるぜ…」

天才「それじゃトドメを…」

ザッザッザ…

紅孩児「……」

ドドオオォォンッ!!

歩み寄る天才の足元より、地面が隆起し炎の柱が噴き出す。

天才「気付いてるっつの!」

紅孩児「…残念」

天才「こんなモン…水行で相殺……」

ゴオオォォォォ…

天才「…なんだ…この……火力!?」

紅孩児「あれ?そっちは気付かなかったんだ」

天才「…く……っは…!」

戦士「ど、どうしちまったんだ!?」

激しさを増す炎は、天才の周囲を覆いつくし、更にその火力を増し始める。
825 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 22:57:41.27 ID:FJcXSNoo
紅孩児「ハハハッ!炎だけなら幾らでも出せるよぉ!?」

天才「……か…っ!!」

召喚士「ま…さか…っ!?」

戦士「!?」

召喚士「ほ、炎で…空気を……」

南方司令「呼吸かっ!!」

火の海の中心部にて悶え苦しむ天才。その左腕で必死に喉元を掻きむしる。

天才「……っ!!」

南方司令「まずい…っ!!」

ダッ

戦士「召喚士、俺らも…!」

召喚士「うんっ!!」

南方司令「でりゃあぁぁ!!」

紅孩児「ハハッ!凄い迫力だ!!」

南方司令「正義の鉄槌…っ!グランドジャスティスパアァーンチ!!」
826 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 22:59:32.34 ID:FJcXSNoo
カッ!!……ズガガガガアァンッ!!

紅孩児「空振り……い、いや…っ!!」

南方司令の放つ上空からの強烈な右拳の一撃。

それは紅孩児の前方へ逸れ、大地を粉々に打ち砕く。

戦士「外した…っ!?」

召喚士「いやっ、これは……」

南方司令「おおぉぉ!!」

ドドオオォォ…

紅孩児「地面を砕き…っ、炎を吹き飛ばしたか!!」

南方司令「……」

紅孩児「だが……手遅れかもね」

召喚士「天才さんっ!!」

天才「……・・がはっ!!……はぁ…っ!!」

戦士「……っ!!」

紅孩児「……!?」
827 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 23:06:46.22 ID:FJcXSNoo
ググッ…ブチィ!!

地に染まる左腕を、己の喉元からゆっくりと降ろす天才。

天才「はぁ…はぁ…っ、はぁ…っ……」

戦士「……っ!」

紅孩児「コイツ…!自分の喉を…突き破って……」

天才「…呼…吸出来ないな…ら……っ、直に…風を…送り込むだけだ…っ」

紅孩児「喉に穴開けて…風の魔法……」

南方司令「うらぁっ!!」

紅孩児「な…っ!!」

バギャアァッ!!

南方司令「もう…いっちょおぉ!!」

ゴガァッ!!……ズシャアァァッ

南方司令「今の内に!」

召喚士「は、はいっ!」

召喚士と戦士が急ぎ天才の元へと駆けつける。
828 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/19(木) 23:45:43.94 ID:FJcXSNoo
タッタッタッタ…

戦士「大丈夫か!?」

天才「……うな」

召喚士「……?」

天才「こっち……構うな…っ。援護……」

戦士「……召喚士、天才さんを頼む!」

召喚士「戦士っ!?」

ダダッ

南方司令「うおおぉぉ!!」

紅孩児「しつ…っこい!!」

バキィッ!!……ドッ

南方司令「……ぐぅ…っ!」

紅孩児は南方司令を蹴り飛ばした後、口元を擦りながら起き上がる。

紅孩児「武器も持たぬ愚か者に…手こずっている暇など…ない!」

南方司令「……っ」
829 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/19(木) 23:53:32.55 ID:FJcXSNoo
すみません。明日には完治したいと思います…

転載はあの一か所だけキーボード操作をミスってgoogle日本語入力になってしまいまして…
あの…ちなみに転載は自由です。お好きなようにどうぞ…
830 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 00:11:28.73 ID:0FTzbIAO
>>1

今回はグロッキーな天才だったな
凡人なら死ぬんじゃなかろうか
俺だったら山に進入するだけで死んじゃいそうなもんだが
831 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/20(金) 03:02:20.31 ID:j2wZe9Mo
いちおつ

おれなら冒険に出た直後に死んでるな
832 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/20(金) 04:13:30.72 ID:wcbPB.SO
いちおつ

おれならゴブリンと間違えられて殺されてるな
833 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 08:44:18.85 ID:izaZpNg0
召喚士「うんっ!」←可愛すぎワロリン



女だろ?コイツ
834 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 09:32:32.18 ID:e7qnYESO
俺ならカッパに間違えられるな…
835 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/20(金) 12:43:26.17 ID:Sbjl9wDO
はげおつ
836 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 17:20:10.46 ID:AXtjnEs0
こんな可愛い子が女の子のはずがない
837 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 19:52:39.88 ID:izaZpNg0
あの二人いいですよね、あの二人。そう、例のパーティーの二人組。いつも仲良さそうな子ら。
一人は召喚士って言うんですよ。ああ、フルネームはしらないんですけど、召喚士。
どことなく男の子っぽくて、召喚術が上手な子。
彼女の隣にいるのが魔道士で、召喚士は彼女のことを魔道士さんって愛称で呼んでるみたいです。
あの二人なんでも魔王倒すために、色々な所歩いてるらしいんですよ。
なんていいましたか……。確か、戦士と盗賊っていうメンバーもついでにいたはずでしたね。
魔王倒すために、仲間と共に強くなろうっていうチームらしいですよ。
常識的に魔王倒すなんて有り得ないんですけど、そんなの関係ないですよね。可愛い子ちゃんだし、許せますよね。
まあ、特別私は、召喚士が好きなんですよね。
最初は、リーダーシップ執れてて格好いいなあ、としか思ってなかったんですけど、そのうち心奪われてしまいまして。
もう頭の上から足の先まで素敵です!お手手繋いでみたいなあ……。
(続きが省略されました。続きが読みたいならここをクリックしてください)
838 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 21:01:28.36 ID:WZ2sOz.o
アッー
839 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 21:37:18.62 ID:Mfq4csDO
>>1
体調悪そうだったけれど大丈夫なのかな…
無理せずゆっくり休めよー
840 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 22:54:01.31 ID:Wdt2ZPgo
スウッ

紅孩児「こいつで…決めるっ!!」

紅孩児の構える火炎槍が、一層けたたましく燃え盛る。

南方司令「……!!」

紅孩児「……喰らえぃ!!」

ゴウッ!!…ゴゴゴゴゴゴ

召喚士「まずい!コカトリスを…っ」

戦士「駄目だ!まだ…こんなところで使うなっ!」

召喚士「!?」

戦士「……ここは……俺がぁ!!」

戦士の手に握りしめられた戟が、空を切り裂き紅孩児めがけて投擲される。

紅孩児「な…っ!?」

ビュオッ!!……ザシュウゥゥッ!!

紅孩児「が…あぁ…!!」

戟が紅孩児の右手に直撃し、そのまま紅孩児ごと地面へと突き刺さる。
841 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 22:54:54.13 ID:Wdt2ZPgo
ゴシャアアァァ

紅孩児「ぐは…っ!!」

戦士「まだ…まだぁ!!」

まだ起き上がる事の出来ない紅孩児に、戦士は雷切を片手に飛びかかる。

紅孩児「ふ…ざけるなぁ!」

戦士「!?」

ゴウッ!!

南方司令「ま…ずいっ!」

召喚士「戦士っ!炎だ…避けろ!!」

戦士「しま……っ…」

ダッ!!

南方司令「間合いが遠い…!何か…得物が……」

紅孩児「燃え尽きろぉーっ!!」

南方司令「っ!!あれは…っ!!」

ダダッ…ガシッ!!
842 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 22:55:41.84 ID:Wdt2ZPgo
紅孩児が左手で巻き起こす、竜巻のような炎の柱。それは勢い良く、戦士めがけ襲いかかる。

戦士「盾で…っ!」

紅孩児「無駄だぁ!そんなものでこの炎を……」

ヒュンッ

紅孩児「……ア?」

右の視界から飛び込んでくる一振りの巨大な刀身。

南方司令「はぁーっ!!」

天才のツヴァイハンダーを手にした南方司令の一撃が、紅孩児の右肩へ伸びる。

紅孩児「――ッ!!」

ドズッ!!……バシュウウゥゥッ!!

戦士「……っ」

召喚士「……」

天才「…な…んだよ……出来…」

ゴシャアアァァッ

大剣の一刀を直撃した紅孩児の体が、砕け散る地面へ大きく倒れ込んだ。
843 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 22:56:20.13 ID:Wdt2ZPgo
南方司令「…はぁ…はぁ……はぁ」

戦士「やった…のか……!?」

召喚士「……っ」

天才「……ぐ…っ」

召喚士「天才さん!じっとしていて下さい!」

天才「大……丈夫」

召喚士「その傷では……」

天才「俺様を……誰だと……思って…やが…る…」

上半身を起こす天才の右手が白く輝き始める。

パアアァァ…

召喚士「!?……そっか、天才さんは治癒魔法も…」

ザッ

天才「げほ…っ!……問題ねぇ!」

召喚士「……」

天才「それより…奴だ…!」
844 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 22:57:16.83 ID:Wdt2ZPgo
ザクゥッ!!……カランッ

戦士「こ、こいつ…まだ……」

ヨロッ…ザッザッザ

紅孩児「……ぺっ!」

南方司令「……」

テクテクテク…ガシッ

南方司令「!?」

天才「……続けるかい?紅孩児さんとやら」

天才は南方司令の手からツヴァイハンダーをもぎ取り、紅孩児へ言葉を発す。

紅孩児「……フンッ」

ザッザッザ…

戦士「……ちっ」

南方司令「……」

召喚士「……まだ…続ける気か…っ!」

紅孩児「……ヤメだヤメだ、降参」
845 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 22:58:10.11 ID:Wdt2ZPgo
召喚士「!?」

天才「ほぉ、身の程わきまえたか。潔いなぁ」

紅孩児「……ん」

紅孩児は腕を伸ばし正面、即ち一同の背後を指差す。

戦士「……?」

召喚士「あ…れって…!」

タッタッタッタッタ

魔道士「……召喚士さんっ!!」

青年兵「ご無事ですか!?」

南方司令「おぉ、君達は…!!」

戦士「魔道士に青年兵!!」

天才「ま、こんだけの相手をいっぺんにすんのは無理だろうなぁ」

紅孩児「……それだけじゃないよ」

南方司令「…あっちに…!!」

召喚士「!!」
846 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 22:59:33.92 ID:Wdt2ZPgo
タタタタッ……ザザッ

盗賊「……!?」

男隊員「おっとと…。こっちもお忙しいみたいです事…」

女隊員「皆さんご無事ッスか!?」

隊長「……全員集合か」

紅孩児「流石にこんなの相手にしてらんないよ。…降参だね」

ザッ

南方司令「どこ行きやがる!」

紅孩児「降参だってば。退却だよ」

男隊員「おいおい…。そう簡単に見逃す…」

紅孩児「何だ、結局口だけなんだ」

召喚士「……」

紅孩児「正義だ大義だ謳ってて、結局は手負いの一人を大人数で囲んじゃってさぁ」

男隊員「何だとぉ!?」

南方司令「……ぐぬ…っ!」
847 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 23:00:26.02 ID:Wdt2ZPgo
天才「ほっとけ。見逃してやろうじゃねーか」

隊長「……だな」

青年兵「宜しいのですか…?」

南方司令「まぁ…あの怪我では離脱せざるを得まい」

天才「そゆこと」

紅孩児「フーン、言ってみるもんだね」

男隊員「てめぇ!やっぱり……!」

紅孩児「おぉ、怖っ!ささと消えよ…!!」

召喚士「……紅孩児!」

紅孩児「……?」

召喚士「この上…城には家族がいるんじゃないの?」

紅孩児「……いるよ」

召喚士「……」

紅孩児「だから何?放っておいていいのかって事?」

召喚士「…俺達は、倒さなくちゃいけないんだ」
848 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 23:03:44.80 ID:Wdt2ZPgo
紅孩児「……それで?」

召喚士「そ、それでって……」

紅孩児「勝てると思ってるの?」

ザッ

戦士「勝てる、じゃなくて…勝つんだよ」」

紅孩児「……」

盗賊「…ああ」

魔道士「…絶対に…負けません!」

召喚士「……」

紅孩児「…ハハッ、ハッハッハッハッハ!!」

男隊員「何がおかしい!」

紅孩児「…まぁ、せいぜい頑張ってよ」

クルッ…スタスタスタ

紅孩児「それに……いや、まぁいいか…」

紅孩児は不敵に笑い、一同の前から姿を消した…。
849 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 23:07:26.87 ID:Wdt2ZPgo
青年兵「……消え…た」

南方司令「大丈……」

パシッ

天才「お前に心配される程…ヤワじゃねぇ」

男隊員「残るはあの城だけか…」

隊長「なぁ、どう見る…?」

召喚士「……?」

隊長「この先さ。魔物の数はどう見る?」

召喚士「……おそらく、さほどいないかと」

隊長「やっぱそうか…」

女隊員「分かるんスか?」

召喚士「ここまでの警備、魔物の数……」

隊長「それに…魔物の撤退が早い。どいつもこいつもな」

女隊員「なるほど…」

天才「そっち、何匹かいたのか?」
850 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 23:08:24.15 ID:Wdt2ZPgo
男隊員「幻術使いがな。今は退却したよ」

青年兵「そうか…っ、それで城が急に消えて……」

魔道士「あれ…?そういえばマジシャンさんは……」

盗賊「……ネクロマンサーを追って…消えた」

魔道士「え…っ…?」

盗賊「…気配がない。おそらく…」

戦士「や…やられちまったってのか!?」

盗賊「…いや、奴を追って…ここにはもういないと思う」

召喚士「どちらへ…?」

盗賊「……多分…北」

南方司令「北…?」

隊長「北でも魔王軍の動きがあんのか?」

南方司令「特に報告は受けてないが……」

天才「とにかくだ。今は先へと進むだけってこった」

男隊員「だぁな…。ヒャハハ!」
851 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/20(金) 23:14:21.91 ID:Wdt2ZPgo
隊長「んで、どうする?」

南方司令「10人か…。3パーティーだな」

魔道士「…?」

天才「人数が多すぎる。パーティーを三つに分けんぞ」

戦士「そう…か?」

隊長「ひと固まりで当たって全滅するのはまずい。ルートを分けてあたるぞ」

男隊員「つー事は……」

たいちょう「特遊三人で一パーティー務める」

天才「んじゃ、お前らは四人でやれや。慣れてんだろ」

召喚士「…は、はい」

戦士「…久々に復活だな!」

魔道士「ですねっ!」

天才「残りの俺達三人が一つ…。これで三つだ」

青年兵「なかなかバランスもよくて…問題ないと思います!」

南方司令「よーし…っ、一気に乗り込んでやろうじゃないか!」
852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 00:00:26.18 ID:bk3/vxQo
Yボタンでパーティー切り替えクポッ!
853 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 00:04:51.91 ID:bpTJIUAO
隊長が原始人に…?
854 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/21(土) 00:27:38.64 ID:sHfbXwAO
ひらがな だと幼くなった気がするな

隊長がショタ化
855 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 00:37:52.77 ID:VxYFbbgo
ザッ

隊長「俺らは左側を登る」

天才「んじゃ俺らは……右で行くか」

召喚士「では…正面ですね」

天才「オイシイところゆずってやるよ!」

戦士「……」

青年兵「では、城で…!!」

盗賊「…ああ」

男隊員「ちゃっちゃと終わらせて帰ろうぜ」

女隊員「皆さん…気を付けるッスよ!」

南方司令「よーし!それでは……進軍!!」

魔道士「が、頑張りましょうっ!」

10人の男女が3つのパーティーに分かれ、城を目指し進む。

召喚士「……もう少し…もう少しで終わる…っ!」

正面の階段を登る召喚士。強い眼差しで言葉をかみしめた。
856 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 00:41:41.25 ID:VxYFbbgo
ザッザッザ…

戦士「……良かったのか?」

召喚士「…?」

戦士「あの…紅孩児って奴、逃がしちゃってさ」

召喚士「ああ…。もうしばらくは抵抗出来ないと思うし…それに…」

盗賊「……」

召喚士「なんだか、あまり悪い魔物には見えなくてさ…」

戦士「う〜ん…確かになぁ。無邪気というか…純真というか…」

魔道士「確かに…あまり悪そうにはみえませんでしたね…」

召喚士「人間とか魔物とか…世界とか、そういう事を考えてる感じじゃなかった…」

盗賊「……私欲…か?」

召喚士「おそらく…。家族や他の仲間の事も気にしていませんでしたし…」

戦士「倒せっかな、俺達……」

召喚士「紅孩児には悪いけど…ここで食い止めなきゃね」

魔道士「……ええ…っ」
857 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 01:09:09.25 ID:VxYFbbgo
戦士「そういや、マジシャンのオッサンはネクロマンサーを追ったって…」

盗賊「……ああ」

召喚士「……」

盗賊「逃げてきた奴と偶然鉢合わせて…。マジシャン一人……」

召喚士「そうですか…」

魔道士マジシャンさん…大丈夫ですよね?」

戦士「まぁ…心配はねぇと思うけど…」

召喚士「…北…か」

盗賊「……とにかく今は」

戦士「ああ、そうだ。ここの魔物を何とかしないとな!」

魔道士「はい…!」

盗賊「…見えてきたっ」

戦士「おーし…!このまま一気に……」

召喚士「!?」

魔道士「あれ…は…!?」
858 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 01:40:49.56 ID:VxYFbbgo
タッタッタ…ザザッ

盗賊「……っ」

戦士「魔道士…援護頼むぜ」

魔道士「…はいっ!!」

コツコツコツ

召喚士「…紅孩児は退いたぞ」

羅刹女「…そうかい。それで…?」

召喚士「……まだ、やるつもりか?」

羅刹女「当たり前だろう?ここはワタシ達の家さね!」

盗賊「……」

召喚士「ならば、もう抵抗は止めて…諦」

羅刹女「もう遅いね!既にラーヴァナ様の兵は動いているのさ…!」

召喚士「……!!」

羅刹女「ここが本命だと思っていたのかい!?アハハッ!呑気なモンだねぇ…」

戦士「ま…さか……」
859 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/21(土) 01:42:57.10 ID:VxYFbbgo
>>839
体調は少しずつ回復の兆しを…

>>854
たいちょうは少しずつショタ化の兆しを…
嘘です。すみません…。なんかブリーチにいましたね、そんな隊長…
860 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 02:18:50.80 ID:VkEKAYAO
>>1

俺も今日で13日間大便が出なくてお腹パンパンに腫れ上がってきて体調すこぶる悪いわ
お互い死なないよう気をつけような

こんな時魔道士ちゃんの手作り料理があれば元気モリモリうんちブリブリなんだけどな
861 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 02:21:29.85 ID:n13gPBY0
>>860
下剤か……
862 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 03:24:53.67 ID:wLBvBkAO
>>1乙!
パーティ分割すると南極と北極やらトライピラーやらが思い浮かぶ
863 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/21(土) 14:59:39.08 ID:.jGdUVY0
1さん乙です
面白くて一気に読んでやっと追いつきました
これからもずっと応援し続けます
864 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 20:30:49.89 ID:88ekuQQo
>>860
夏だから水分足りてないんじゃね?
865 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 20:50:25.39 ID:/b43Tjw0
瓢箪から2人を救うのは定員オーバーでだと思ってたww

>>862
同年代(゜∀゜)ハケーン
866 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 22:24:12.57 ID:bpTJIUAO
パーティ分割=スパロボのゆとりが通りますよっと
867 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:17:09.73 ID:VxYFbbgo
〜南方司令部〜

伝令「東の町南方に多数の魔物を確認!!」

魔道兵「交戦中の火の山より南西、魔物の群れを確認!」

南方兵「南の軍勢、真っ直ぐこちらへ向かっております!」

南方副司令「何が…どうなっているんだ!?」

南方兵「兵の展開を急がせろ!南に集結ーっ!」

伝令「東の町へのご伝言は…!?」

南方副司令「……っ!!」

バンッ!!

南方副司令「魔道兵及び衛兵も全て南へ回せっ!!」

南方兵「ははっ!」

南方副司令「西方へもっと兵を近づけろと要請しろ!!」

魔道兵「りょ…了解!!」

南方副司令「東の町へは……生きて戻れ、と伝えておけ!」

伝令「か…かしこまりましたっ!!」
868 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:18:15.26 ID:VxYFbbgo
〜東の町〜

衛生兵「駄目です…!囲まれております!」

ボス「道は北…司令部への街道のみだ…」

ゴロツキ「て…撤退だ!」

番長「何を言うでゴワス!町の人々を見捨てるでゴワスか!?」

チンピラ「でもよぉ!あの数みろよ…!倒せるわけねーじゃんかよ!!」

親衛隊長「確かに…。ベリーデンジャーですね…」

ザッザッザ

南方弓長「…でも、国軍がここで逃げだすわけにはいかないわ」

ボス「……姉御の言う通りだ」

南方弓長「誰がアネゴよっ!……あ、それより…」

白虎嬢「……?」

南方弓長「青龍先生見なかった?どこにも見当たらないのよ……」

番長「さぁ…?見てないでゴワスが?」

南方弓長「そう…。この忙しい時に、何をしてるのかしら…全く」
869 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:19:00.91 ID:VxYFbbgo
〜赤壁南の陣〜

南方参謀「無理よっ!こっちだってこれ以上援軍なんか出せないわよっ」

南方魔道長「……こいつはちとマズイな。赤壁まで後退しよう」

南方参謀「…そうね。ここでは双方の連絡が取り辛いわ……」

騎兵「伝令と僅かの兵を残し、赤壁まで退却します!」

南方参謀「手筈は任せるわっ。急いで頂戴っ!」

騎兵「はっ!」

南方魔道長「慌ただしくなってきたな……」

南方参謀「……」

南方参謀は炎の山を見上げ、ぽつりと呟く。

南方参謀「…大丈夫よね、みんな」

南方魔道長「…………」

ザザッ

騎兵「馬のご準備…整いました!」

南方参謀「ありがとう…。各員、赤壁まで退却っ!!」
870 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:19:36.95 ID:VxYFbbgo
〜火焔山〜

羅刹女「今頃…てんやわんやしてるんじゃないのかい?うふふっ」

盗賊「…貴様」

戦士「よせ」

盗賊「……!?」

戦士「あっちはあっちで、みんないるんだ…。心配するな」

羅刹女「へぇ、随分冷静だねぇ。早く帰った方が良いんじゃないのかい?」

召喚士「冗談言え」

羅刹女「ふぅん…」

戦士(マズイ…。あの突風をここでやられたら……)

召喚士(うん…。今吹き飛ばされたら…タイムロスになる…)

戦士(どうする?ひと固まりになって…後に備えるか……)

召喚士(一か八かの賭けに出るか……)

羅刹女「仕方ないねぇ。強制的に帰って貰おうかねぇ…」

召喚士「ちょ、ちょっと待って下さい!」
871 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:20:33.56 ID:VxYFbbgo
羅刹女「……?」

召喚士「み、みんなと…相談したいなぁ…って」

羅刹女「…はぁ?」

召喚士「流石に…一人一人では返答出来ませんから…ははっ」

魔道士「……?」

戦士「そうだな…時間はかけない。40秒でいいや」

羅刹女「……何か、企んでるね?」

召喚士「…まさか」

羅刹女「まぁいい。時間をやるよ…その代わり……」

召喚士「……」

羅刹女「コッチまで聞こえるよう、大きな声で喋るんだね!」

召喚士「……分かった」

羅刹女はニッコリと微笑むと、一歩後ろに下がり、召喚士へ顎で合図する。

ザッザッザッザッザ

魔道士「…召喚士さんっ」
872 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:22:56.57 ID:VxYFbbgo
三人が召喚士の元に集まり円になる。

シュイィン

盗賊「!?」

魔道士「あっ!!」

戦士「……さぁ、どうする?」

羅刹女「声が小さいよ!」

召喚士「ここまで来て、帰るわけにはいかないなぁ」

戦士「そりゃあそうだ。でも相手も強いぞぉ」

召喚士「それでも、帰るわけにはいかないなぁ」

戦士「お前らは、どうするー?」

盗賊「…え?」

戦士「どうすんだよ?」

魔道士「…あ、か…帰りたく…ないです」

戦士「そうかー。分かったぁ」

羅刹女「……40秒経ったよ。さぁ、どうすんだい?」
873 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:23:56.37 ID:VxYFbbgo
クルッ……ザッ

召喚士「……俺達は…帰るわけにはいかない!」

羅刹女「……ほぉ」

羅刹女は両手で芭蕉扇を握りしめ、大きく肩の横へと担ぐ。

召喚士「ちょ、ちょっと待って下さい!」

羅刹女「何だい…。往生際悪いねぇ」

召喚士「最後に一言だけ……」

羅刹女「……?」

召喚士「……目には目を、だよ」

召喚士が言葉を発した瞬間、横の魔道士から強風が巻き起こる。

羅刹女「!?」

魔道士「やあぁっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴオウウゥゥッ!!

羅刹女「……っ!!」

召喚士「いっけぇ!!」
874 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:24:45.80 ID:VxYFbbgo
ダダッ!!

一瞬の隙を突かれ、突風をモロに受ける羅刹女。

懸命に足を踏ん張り、両手を顔の前に構え何とかそれを耐える。

羅刹女「そんな程度でぇ…」

ブオッ!!

態勢を立て直し再び芭蕉扇を構える羅刹女。そこへ放たれる盗賊の飛び道具。

盗賊「…しっ!」

放たれたクナイは羅刹女の手元へ真っ直ぐ向かうが、羅刹女はそれをあっさりとかわす。

ヒュオッ!!

羅刹女「さぁ、終わりだよ!」

盗賊「はあぁ!!」

ジャララッ…ビュンッ!!

羅刹女「……!!」

ガシッ!!…ギュルギュルギュルッ!!

羅刹女「……ふん、こっちが本命かい」
875 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 23:25:23.64 ID:Gvunuuco
羅刹女優しいな…
876 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:51:23.18 ID:VxYFbbgo
右腕に巻きつけられた鎖を見つめ、羅刹女は苦笑する。

戦士「まだまだぁ!!」

間髪いれず羅刹女へ走り向かう戦士。そのまま両者は掴み合いとなり均衡を保つ。

羅刹女「……っ」

戦士「…ぐ……ぬぅ…!」

グググッ

戦士「!?」

羅刹女「勘違いしてないかい?…お前なんかより、よっぽど力はあるんだよぉ!」

グイッ!!

盗賊「!!」

ブンッ!!

羅刹女はその細い腕で、盗賊の鎖ともども戦士を投げ飛ばす。

召喚士「魔道士さんっ!!」

魔道士「は、はいっ!!」

召喚士の指示により魔道士は羅刹女の横を懸命に走り去る。
877 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:54:07.72 ID:VxYFbbgo
盗賊「召喚士!」

召喚士「任せて下さい!大丈夫です!」

鎖を引き戻し走る盗賊が召喚士へ頷いて返し、魔道士の後を追う。

それと同時に召喚士は高く飛び、吹き飛ばされる戦士の手を懸命に掴む。

召喚士「くぅ…っ!!」

ブンッ!!…スタッ

戦士「召喚士!!」

戦士は羅刹女の背後に着地し、必死に叫ぶ。

シルフ「アンタ!早く逃げなさいよ!!」

召喚士「分かってますって!!」

盗賊「召喚士!」

ジャラッ!!…ビュオッ

盗賊「掴まれっ!!」

弧を描くように放たれた盗賊の鎖。召喚士は鎖に掴まり、懸命に真横へと飛んだ。

タンッ
878 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/21(土) 23:54:41.78 ID:VxYFbbgo
盗賊「くぅ…っ!!」

ダダッ

戦士「引けぇ!!」

魔道士「は、はいっ!!」

グイッ!!

羅刹女「逃がすかいっ!!」

盗賊、戦士魔道士の三人が召喚士の握る鎖を力ずくで一気に引っ張る。

四人は再び合流し、羅刹女は芭蕉扇を大きく振りかぶった。

羅刹女「もうチョコマカは出来ないねぇ…!」

ググッ…

羅刹女「終わりだよっ!」

召喚士「……」

羅刹女「……!!」

召喚士「……」

羅刹女「……く…っ」
879 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 00:33:30.46 ID:eo77vpoo
召喚士「…どうした?撃たないのか?」

羅刹女「……これも…狙いかい」

戦士「その団扇ブン取れなかった時は…ヒヤッとしたけどな…」

羅刹女「そこまで考えて…。ふふっ……くそぉ!!」

召喚士「戦いは、二手三手先まで読んで…始めて活路を見いだせるものだよ」

シルフ「やったね!大成功っ!!」

羅刹女「まさか城を盾に取るとは…恐れいったよ」

戦士「この状態で撃てば…城ごと消し飛んじまうもんな…!」

戦士は背後にそびえる城を親指で指し、にやりと笑う。

羅刹女「しかし…いつの間にそこまで作戦を…。話す暇などなかったはず…」

召喚士「さっき貰った時ですよ」

羅刹女「……?」

魔道士「シルフさんから、全て作戦は聞きましたから!」

シルフ「エッヘン!!」

羅刹女「そ…うか!隠れて小型の召喚士獣を…!……やってくれるよ」
880 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 00:45:41.34 ID:JkrppUAO
>>1

魔道士ちゃんの魔法は毎度毎度ナイスだな
さすが魔道士ちゃん


てか、南落ちるんじゃないかってくらい悲惨だな…国軍本部なにしてるん…
881 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 00:49:23.14 ID:tXmTFYAO
脳裏にはピッチャーマウンドに集まる召喚師達が…
882 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 02:38:46.52 ID:aGeQzQSO
>>881お゛わ゛ら゛な゛い゛ゆ゛め゛を゛お゛お゛お゛お゛
883 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 02:43:58.18 ID:pwMYyYAO
ライスあったけー!ライスあったけー!
>>1
884 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 08:21:45.67 ID:0zedNMg0
ああやっぱりシルフちゃん小さいのね
人型である程度は身長あると思ってたわ
885 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 08:58:27.07 ID:iS6HYxgo
>>882
メジャースレにお帰りください
886 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 09:03:06.90 ID:1O6Zk9co
コカトリスも魔翌力の入れ方?で大きさ変わったし
シルフも変わるんじゃね?
887 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 11:45:20.45 ID:JkrppUAO
手のひらサイズのコカトリスやスフィンクスならほしいな
888 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 19:44:39.90 ID:0zedNMg0
コカトリスがポケモンのチルタリスみたいならかわいいけど
にわとり小さくしてもなあ・・・


あれかヒヨコか
889 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 19:48:08.21 ID:SeT1WcDO
コカトリス「ピヨ」

萌……え……?
890 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 19:51:20.19 ID:jel5d9wo
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 コカトリス「ピヨ」
召喚士「行けっ!スフィンクス!!」 スフィンクス「にゃー」
891 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 21:40:43.58 ID:eo77vpoo
ザッ

羅刹女「…それで、お終いかい?」

魔道士「……?」

羅刹女「これで勝ったつもりかい?って言ってんのさ!」

戦士「……」

羅刹女「詰めが甘いねぇ!おーっほっほっほっほ!」

召喚士「二手三手…」

羅刹女「…?」

召喚士「さっき…言ったよね。先を読んでこそって…」

羅刹女「……だから…何?」

召喚士は無言で羅刹女の背後を指差す。

羅刹女「……?」

クルッ

羅刹女「ひっ!!」

そこへ佇むは大きな両翼を広げ、嘴を開いた召喚獣の姿。
892 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 21:41:22.48 ID:eo77vpoo
羅刹女「やめ…っ……」

召喚士「コカトリス!!」

コカトリス「がああぁぁ!!」

ゴオオォォォォッ!!

羅刹女「くああぁぁーっ!!」

シュウウゥゥ

羅刹徐「ク……ククッ…!!」

召喚士「残り僅かの魔力…。前進は無理でも…右腕の一本ぐらいなら…」

コカトリスの吐息により石化する羅刹女の右腕と芭蕉扇。

召喚士「これでもう…扇子は使えない!」

戦士「終わりだな…」

羅刹女「馬鹿な…っ!こんな…こんな事が…っ」

ザッ…チャキッ

盗賊「……」

羅刹女「……っ」
893 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 21:42:02.71 ID:eo77vpoo
戦士「魔力も限界だろ?あとは俺に任しておけ」

召喚士「戦士…」

羅刹女「くぅ…っ!!」

戦士「さぁて……」

ザッ

盗賊「戦士っ!!」

戦士「!?」

羅刹女へ近づく戦士の真横から激しい岩の破片が飛び散る。

戦士「ぐっ…!」

ゴシャアアァァッ!!

大鬼「バハハアァーッ!!」

魔道士「あ…っ!」

羅刹女「……」

タッ

盗賊「待てっ!!」
894 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 21:42:35.20 ID:eo77vpoo
タタタッ

羅刹女「助かったよ!」

大鬼「グオオオォォ!!」

盗賊「城に逃げるぞ!」

召喚士「こい…つっ!!」

魔道士「召喚士さん下がって…!」

キュイイィィ…

大鬼「……グゥ」

ドスッドスッドスッ…

魔道士「逃げ…た…?」

召喚士「戦士、大丈夫!?」

戦士「…ああ、不意討ち喰らっただけだ。問題ねぇ!」

盗賊「…どうする?」

召喚士「二匹とも城内へ退いたか……」

戦士「簡単な話じゃねーか」
895 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 21:43:38.88 ID:eo77vpoo
盗賊「……ああ」

魔道士「…行きましょう!」

召喚士「ええ…行きましょうか!」

四人は火焔山の頂上に高くそびえる、その門をくぐった。

〜火焔山、城内〜

ジャリッ…

隊長「さーて…第一ラウンドだ」

男隊員「付加は俺が引き受ける。クソアマは風と土で防御力を極限まで上げろ」

女隊員「……了解ッス!」

隊長「……ふー」

牛魔王「……」

ドンッ!!

目にも止まらぬ早さで、一気に駆け抜ける隊長。同時にその右手で抜刀する。

男隊員「うおりゃあぁ!!」

女隊員「てやぁ!」
896 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 22:03:04.14 ID:ypG42Mgo
男隊員のイケメンLvが段々あがってきやがった・・・クソッ
897 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 22:05:53.45 ID:jel5d9wo
男隊員は前から格好良いよ
実は俺…男隊員のこと前からっ…///
898 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 22:59:26.25 ID:Tf0g.b2o
アッー
899 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 23:08:47.69 ID:eo77vpoo
タタンッ…フォンッ!!

軽快な音と同時に、両隊員の魔法が隊長へ到達する。

男隊員の魔法付加、女隊員の魔法補助。隊長の戦闘能力はそれで上限へと達す。

隊長「っらああぁぁぁぁ!!」

ドズンッ!!……ドッゴオオォォッ!!

女隊員「きゃあ…っ!!」

男隊員「…すっげ……威力っ!」

スタッ…シュウウゥゥ…

隊長「……ふー」

男隊員「やった…か…!?」

隊長「こいつは…お手上げだな」

女隊員「…!?」

シュウウゥゥ…

牛魔王「……ふはははっ、次はどうする?…ん?」

隊長「ガードもなしでほぼ無傷…。どうなってんだ…最近の魔物はよぉ」
900 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:11:13.38 ID:SeT1WcDO
隊長たち頼むから死なないでくれよぉ……
901 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 23:30:38.73 ID:eo77vpoo
牛魔王「どうするのだ?…特になければ殺すが…?」

男隊員「隊長、一旦退がれ!」

隊長「……」

男隊員「わーったよ。んじゃ五行放つから…名誉の戦死を…」

隊長「……」

牛魔王「…何だ、何もないのか」

ズラッ

女隊員「とてつもなくデカイ剣ッスよ!?隊長、早く退……」

ビュオッ!!

その巨体には似つかわしくない程、高速の一閃。足元の隊長へと一瞬にして振り降ろされる。

隊長「!!」

天才「うおらあぁ!!

ババッ!!……ドッゴオオォォッン!!

牛魔王「……それで?」

天才「はは…っ、不意討ちも関係なしってか!半端ねぇな…!」
902 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 23:36:44.37 ID:eo77vpoo
タッタッタ…

南方司令「……うおっ!」

牛魔王の巨大な剣を受け止め、血だらけの隊長を見て、南方司令は驚きの声をあげる。

青年兵「……何と言う巨大な魔物…っ!」

隊長「下……がれ、コイツは……」

天才「…そこの。さっさとこれ救出しろい」

女隊員「は、はいッス…!」

タタッ…ガシィ

女隊員「隊長!大丈夫ッスか!?」

男隊員「何やってんだ!アンタは…!!」

隊長「今の…で、確認出来た……」

男隊員「…あ!?」

隊長「闇雲に…攻めて…も、駄目だ」

女隊員「……っ」

隊長「攻撃の瞬間に…僅かだが、隙が出来る…。そこを……」
903 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:39:45.80 ID:VZTrUBgo
ベジータ「いい作戦だな」
904 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 23:42:31.55 ID:eo77vpoo
ザッザッザ

天才「さーて、お次は俺様だ」

ザッ

南方司令「手負いの状態で無茶を…」

天才「……ちっ」

牛魔王「どれ、来るがいい」

天才「……余裕コキやがって…!」

ザッ

天才「三行ブチ込む。耐えろよ」

南方司令「……おうっ!」

青年兵「…ワイバーンで牽制します」

南方司令「はああぁぁぁぁ…っ!!」

ゴゴゴゴゴゴ…

牛魔王「ほぉ…」

南方司令「いくぞ…っ!!」
905 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/22(日) 23:56:18.79 ID:eo77vpoo
ドンッ!!

両腕を身体の横へ大きく広げ、牛魔王へと駆ける南方司令。

そこへ天才の放つ火、風、土…三行の魔法が両拳へと付加を始めた。

青年兵「ワイバーン!…頭部だ!」

ワイバーン「はぁ!!」

牛魔王「……蝿が」

振り払おうと伸ばす牛魔王の手を、うまく掻い潜り囮になるワイバーン。

南方司令「うおおぉぉぉぉ!!」

牛魔王「……ふん」

バッキイイィィッ!!…ドグシャアアァァッ!!

南方司令の両拳と、牛魔王の左拳が激しくぶつかり合う。

南方司令「……」

牛魔王「…見事だな」

牛魔王の左腕が、激しい炎の風により煙を吐き出す。

それと同時に南方司令の両腕から、おびただしい量の血が噴き出した。
906 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/23(月) 00:07:41.70 ID:Mbgd4yIo
こんばんは!夜はようやく涼しくなって参りましたね!
お陰で体調もほぼバッチリ!ご迷惑をお掛け致しました!

〜久々のオマケ〜

森の中で眼鏡を拾った戦士父。小さな村へと辿り着く。

村人「…怪我人かえ?」

戦士父「ああ、すまないが…少し置いて貰えんか?」

村人「……なーんもない。寝る所くれぇしか用意出来ねぇが?」

戦士父「構わん。薬草や応急処置程度の物ならある」

村人「…こっちだで」

テクテクテクテク…

村人「ここを使いんさい」

戦士父「すまんな。頼む」

村人「……?」

戦士父「道中拾っただけだ。これ以上の面倒は見れぬ」

村人「ちょっと…困るだで……」

戦士父「ワーカーでも呼ぶがいいさ。こちらからも依頼しておく」

〜続く?〜
907 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 00:20:44.78 ID:B2gRNdoo
>>1乙!
さすが魔王と名乗るだけはあるな…
908 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 00:53:43.31 ID:dEa39QAO
>>1

なにこれお先真っ暗すぎて続き読むのが怖い

てか、街も攻め入られて増援も無し
これでここが南方なんだから…北方で本格的にやりだしたらどうなるんだろうか
909 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 06:38:21.59 ID:2qecVdY0
牛魔王のおっちゃんがそんな悪い人だったなんて



信じられないよ><
910 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 07:04:20.62 ID:I/luuLso
           __________     
          /__)      )_\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        //<  ●  ●>.\\< どうするのだ?
       \\ /       l  // │…特になければ[ピーーー]が…?
          ̄/   ヽ(  o o)  ̄   \_________
 ̄ ̄ ̄\  /⌒        `\    
      \ l_ r       /`> )  
 ̄ ̄ ̄ ̄ }(_)━━━━━(__/━━ 
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____/    | /    )  ) 
          ヒl     (  \ 
               \二) 
911 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:42:26.90 ID:JYlnCCco
ブシュウウゥゥッ

南方司令「……ぐあ…っ!」

ガクンッ

牛魔王「…このまま潰してやろう」

牛魔王は左掌を開くと、南方司令へ向けてそのまま押し潰す。

ドグシャアアァァッ!!

鈍い音と共に飛び散る破片と血飛沫。それは南方司令の死を表していた…。

誰もがそう思った瞬間、地面と掌の間を滑るように飛び込むワイバーン。

南方司令「!?」

ワイバーンは背に南方司令を背負い、間一髪救出を完遂していた。

青年兵「間に合った……」

牛魔王「……」

牛魔王は地面のみを押し潰した左手を、ゆっくりと引き上げる。

天才「…三行でも駄目。こりゃあいよいよ…かな」

南方司令「…くっ…はぁ……はぁ」
912 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:43:18.85 ID:JYlnCCco
ヨロッ…

隊長「もうちょっとだ…。もうちょっと……」

天才「…あ?」

隊長「アイツらが…来れば、四人で一行ずつ…ぶっ放せる」

南方司令「……」

隊長「攻撃の瞬間を狙えば…いける…っ!」

天才「アイツら…ねぇ」

男隊員「その前に…っ、現状を何とかしろぉ!」

男隊員は牛魔王の振り回す巨大な剣を避けながら懸命に叫ぶ。

牛魔王「フハハッ、これは面白い余興よ。さぁ…逃げろ逃げろ」

ブンッ…ドゴォ!!…ズガァッ!!…ドゴォッ!!

女隊員「ちょお…ぉ!」

男隊員「どうすんだよこれ!」

隊長「今考える……待……」

南方司令「…来た…っ!」
913 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:44:55.48 ID:JYlnCCco
タッタッタッタッタ

羅刹女「はぁ…はぁ…はぁ…っ」

大鬼「フゥ…フゥ……」

天才「魔物じゃねーか、バカッ!!」

青年兵「いや…っ、後ろ…!!」

ザザッ

盗賊「!?」

戦士「おいおい…あれがボスか!」

魔道士「だ、大丈夫ですか!?」

召喚士「……」

牛魔王「新手…?」

タッタッタ

羅刹女「アンタ!」

牛魔王「おぉ、良いところに来た!」

大鬼「……?」
914 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:46:34.58 ID:JYlnCCco
羅刹女「見とくれよ…コレ。召喚獣に石化されちまってさぁ…」

牛魔王「……」

羅刹女「アンタ……?」

牛魔王「紅孩児はどうした?」

羅刹女「…え!?こっちにいないのかい…?」

戦士「紅孩児なら退いたぜ」

羅刹女「なんだって!?」

牛魔王「……そいつは残念だ」

召喚士「……」

牛魔王「奴がいれば…完璧だったんだがなぁ…」

羅刹女「そうそう!私ら親子が揃って負けるわけ」

ガシッ

羅刹女「きゃっ!?」

突如、羅刹女を掴み抱える牛魔王。反対の手で大鬼も同時に掴みあげる。

大鬼「牛魔王様…っ!?」
915 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:48:19.75 ID:JYlnCCco
牛魔王「ま…これだけでも良し、とするか…」

グアァッ!!

羅刹女「…っ!!」

大鬼「う…わああぁぁ!!」

パクッ…ゴシャッ…ボリッ…ボリッ…

魔道士「う…っ!!」

隊長「食って…やがる…っ」

天才「編制いぃーっ!!」

羅刹女と大鬼を貪る牛魔王の姿に呆然とする一同。その折、天才の怒声が響き渡る。

青年兵「っ!?」

南方司令「隊長と女隊員、戦士と男隊員、盗賊と魔道士!固まれ!!」

魔道士「え…?え…っ!?」

男隊員「…来い!」

戦士「お、おう…っ!」

戦士は慌てて男隊員の元へと駆け寄る。
916 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:49:54.24 ID:JYlnCCco
タタッ…ザッ…

南方司令「召喚士二名は奴が攻撃に転じる隙に、牽制を頼む」

召喚士「…分かりました」

南方司令「…一瞬でもいい。とにかく時間をくれ」

青年兵「畏まりました!!」

南方司令「…これでいいよな?」

天才「……ああ」

ググッ…パアアァァ

南方司令「…!?」

天才「最後の気休めだ。ないよりマシだろ?」

天才は南方司令の傷を治癒しながら隊長の元へと向かう。

スタスタスタ…パアアァァ

隊長「…!!」

天才「てめぇもだ。しくじるなよ…?」

隊長「…コッチの台詞だ」
917 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:51:40.78 ID:JYlnCCco
牛魔王「……ウオオオオォォォォーッ!!」

ゴゴゴゴゴゴ

戦士「なんつう…威圧…!!」

天才「さぁ、おいでなすったぜ。あちらも本気モードだ」

隊長「まさか…仲間を食ってパワーアップとはな。恐れ入ったぜ」

南方司令「正義の欠片も無い輩だ。…正してくれるわ!」

男隊員「お前、雷切あったよな?」

戦士「…?」

男隊員「こちらは雷で行く!」

女隊員「隊長はどうするッスか!?」

隊長「お前の得意な…そうだな、氷でいい」

天才「こっちゃあモチロン…火だ!!」

魔道士「じゃ、じゃあ風ですね!」

盗賊「……頼むぞ」

二人四組。総勢八人が一列に横並び、その後方に召喚士と青年兵が備えた。
918 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:53:14.20 ID:JYlnCCco
ザッ

青年兵「召喚士さん、どうします?」

召喚士「…召喚出来てあと一回。それで魔力はほとんどなくなる…」

青年兵「ええ。それ以降は基本精霊程度しか……」

召喚士「じゃあ…ワイバーンでいこうか」

青年兵「……なるほど!アレ、ですね」

召喚士「…修行の成果、見せてやろうっ!」

青年兵「はい!!」

ズズッ…ズズズズ…

魔道士「!?」

南方司令「せっかくやった左腕が…綺麗に治ってやがる…!」

牛魔王「グオオアアァァァァ!!」

グググググッ…ズズンッ!!

男隊員「更に巨大化すんのかよ!?」

女隊員「本当に…うまくいくッスかぁ!?」
919 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:54:18.08 ID:JYlnCCco
大きな雄叫びをあげながら一回りも二回りも巨大化する牛魔王。

城の天井と床を破壊しながら、更に大きさを増している。

南方司令「ど…どうすんだよコレ!!」

天才「やるしかねぇ!!」

隊長「…突撃いぃーっ!!」

隊長の号令で八人が一斉に前へ走り出す。

牛魔王「…こ…ざかしいぃ!!」

巨大化する牛魔王。その両腕で先程までの剣をナイフのように持ち、振りかぶる。

召喚士「今だっ!!」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」

召喚士「行けっ!ワイバーン!!」

シュイィンッ!!……ゴウゥッ!!

牛魔王「ガアアァァァァ!!」

隊長「前衛…突撃いいぃぃ!!」

隊長の二度目の号令。それにより後衛の四人が立ち止まり、

前衛の四人が一気に左右へと分かれ更なる前進を始める。
920 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:55:00.23 ID:JYlnCCco
戦士「うおりゃああぁぁ!!」

盗賊「……はあぁ!!」

戦士と盗賊が刀を構えながら、左右より高く跳躍する。

その中央を通過し、牛魔王へ一直線に向かうワイバーン。

ゴゴウッ!!

ワイバーン「はああぁぁ!!」

牛魔王「召喚士一匹で…何が出来るかぁ!!」

ブオンッ!!…ドシュウゥゥッ!!

ワイバーン「……ぐ…ぅ…!!」

牛魔王の剣に呆気なく一刀両断されるワイバーン。

青年兵「……ぐっ!」

グラァ…ドサッ

召喚士「青年兵くん!後は…任せて!!」

真っ二つに消えゆくワイバーンの中から、再びワイバーンが姿を現す。

牛魔王「……な…に…!?」
921 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 17:55:55.10 ID:JYlnCCco
召喚士「誰が…一匹だなんて言ったあぁ!!」

隊長「一匹の下にもう一匹隠して伏兵とは…。やってくれんじゃねーか!」

牛魔王「なんと…!!」

振り下ろされた牛魔王の両手をめがけて突撃するワイバーン。

それは突撃とは言い難く、両腕をかち上げる為の特攻である。

ズガガアアァァンッ!!

牛魔王「……!!」

召喚士「あ…とは……」

ガクンッ…ドサッ

天才「一瞬どころか……上出来!!」

消えゆくワイバーンと同時に倒れる召喚士。それを見て天才は呟く。

南方司令「後衛いぃーっ!!」

男隊員「おらよぉ!!」

女隊員「頼んだッス!隊長っ!!」

ドドドドオオォォォォンッ!!
922 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 17:56:18.56 ID:dEa39QAO
え…司令死んだん…?
923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 17:57:50.16 ID:dEa39QAO
と思ったら無事だったー!
早とちりしちまったよ…
924 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 18:03:32.22 ID:JYlnCCco
魔道士「…撃ちますっ!!」

天才「おーらよっ!!」

ドドドドオオォォォォンッ!!

四人が放つ魔法がそれぞれ前衛四人の得物へと付加する。

ヒュイイィィン…

上空の戦士が握る雷切へ、男隊員の雷が到達する。

バシィッ!!

その右方に飛ぶ盗賊の薄緑へ、魔道士の放つ風が刀身を包み込む。

ゴオオォォ!!

地で構える隊長の長剣めがけ、女隊員の水行…氷の刃が付加する。

ギキイイィィンッ!!

南方司令が勇ましく構えた二本の腕。その両拳が、天才の火行により激しく燃え盛る。

ボオオォォッ!!

天才「…ぶちかませぇ!!」

総勢八名による四行の一撃。それは同時に、牛魔王の巨大な四肢を捉えた。
925 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 18:05:32.49 ID:q7mQU2AO
巨大化は敗北フラグ
926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 18:15:21.45 ID:q/sFAYYo
後で伝授するかという話だったけど、
ちゃっかりワイバーンラーニングしたのか。
927 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 18:20:32.88 ID:JYlnCCco
ドッグオオォォォォンッ!!……ズガアアァァッ!!

戦士「くおぉ…!!」

盗賊「っ!!」

けたたましい轟音と共に吹き飛ぶ戦士と盗賊。

牛魔王「ガアアァァァァーッ!!」

南方司令「下がれっ!倒れるぞ!!」

魔道士「は、はいっ!!」

グラアァッ……ドッズウウゥゥンッ!!

女隊員「……」

男隊員「やった…のか……?」

徐々に全身が真っ白に変わりゆく牛魔王。

天才「……はぁ」

隊長「あー…シンドかった……」

戦士「……きっつ…ぅ」

魔道士「召喚士さんっ!」
928 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 18:23:40.58 ID:JYlnCCco
タッタッタ

魔道士「だ、大丈夫ですか!?」

召喚士「…魔道士さん…終わりましたか?」

魔道士「ええ!皆さんの力で…終わりましたよ!!」

戦士「…ほれっ」

青年兵「ありがとう…ございます…っ」

グイッ…ガシッ

盗賊「…長かったな」

戦士「ああ。これでようやく……」

ゾクゥ

盗賊「…!!」

戦士「な…んだよ……これっ!!」

隊長「まだだっ!!全員下がれ!!」

天才「――っ!!」

真っ白な姿に成れ果てた牛魔王のその体は、再び膨らみ始め巨大化していた。
929 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/23(月) 18:24:32.55 ID:JYlnCCco
こんばんは!もう終盤ですがこのスレで終わるかな…頑張ります!
では失礼致します!ご支援ありがとうございましたー!ノシ
930 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 19:54:04.18 ID:dEa39QAO
>>1

読み物やゲームで、ボスを倒せてこんなに安心出来たのは久々だよ…
と思った矢先これだよ!

続きもヒヤヒヤしながら読ませて頂きます
どうか魔道士ちゃんだけでも無事に帰れますように
931 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 20:39:22.43 ID:9M4KvNIo
こうなったら五行だ!は死亡フラグ
932 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 20:43:28.46 ID:sl4bc4Io
四行なら・・・四行ならやってくれる・・・!
933 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 20:52:18.31 ID:yTnZORQo
あと何がたりないんだっけ?金行だっけ?
934 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 21:02:03.87 ID:B2gRNdoo
土だよ
935 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/23(月) 21:08:41.44 ID:hNn1kwg0
盗賊ちゃんもネクロマンサーに火を放ったから
術を使えるはず
936 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 21:26:25.84 ID:2qecVdY0
皆伝したのか盗賊ちゃん


というか挨拶しておきながら姿を消す>>1はいやらしい
937 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 23:46:22.86 ID:wr3reoDO
>>1乙!
うおー!倒したと思ったのになんだよー!!
続きが気になりすぎるぜー!!!!
938 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 23:54:50.89 ID:Mbgd4yIo
ズッ…ズズズッ…ズズッ…

男隊員「ここまでやって…冗談じゃねぇぞ!!」

ダッ!!

天才「無茶すんじゃねぇ!!」

突如巨大化の早まる牛魔王。阻止の為に近寄る男隊員が、

巨体を支えきれず崩れる城の瓦礫へと飲み込まれる。

ググッ…グオオォォッ!!

男隊員「こんの…程度おぉーっ!!」

タンッ…タタッ…

男隊員「――っ!!」

瓦礫をかわし飛ぶ男隊員の目の前に、巨大な拳が迫る。

バキィッ!!……ベキベキベキィッ!!

男隊員「ぐ…っは…!!」

隊長「バッカヤローッ!!」

牛魔王の拳を受け、吹き飛ぶ男隊員。更なる追撃の一撃が迫る中、隊長が走る。
939 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 23:55:29.87 ID:Mbgd4yIo
ダンッ!!

隊長「おおぉぉぉぉ!!」

ブオォッ!!…ズドンッ!!……パキイイィィンッ!!

隊長「!?」

ゴッシャアアァァッ…ドドオオォォ…

女隊員「隊長ーっ!!男隊員ー!!」

南方司令「これ以上は危険だ!後退するぞ!!」

戦士「盗賊っ、急げ!」

盗賊「う、うん…っ!」

ググググッ…

青年兵「一体…どれだけ巨大化するんだ!?」

タッタッタ

魔道士「も、もう…城の大きさと変わりませんよ!?」

盗賊「……急いで下山しよう!」

召喚士「!?」
940 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 23:56:02.89 ID:Mbgd4yIo
盗賊「マジシャンが言っていた!この山の中身はほとんどが空洞だ!」

召喚士「そうか…!重さと衝撃で下手したら……!」

青年兵「…まずいですね」

南方司令「お前らは早く行けっ!!」

女隊員「!?」

天才「俺とコイツであの二人を救出する!任せとけ!」

召喚士「……」

天才「早く行けぇ!!」

召喚士「…わ、分かりました!お願いします!」

タッタッタッタッタ

南方司令「さーて…間に合うかねぇ…」

天才「……知るか」

南方司令と天才は、巨大化を続ける牛魔王の横たわる身体を見上げる。

天才「ノンビリしてる暇はねぇぞ!」

南方司令「おうっ!!」
941 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 23:56:29.12 ID:Mbgd4yIo
タッタッタッタッタ…

戦士「召喚士…」

召喚士「……ん?」

戦士「何か…あるか?」

召喚士「……四行でも無理…どうしようもないよ」

盗賊「……」

戦士「……」

召喚士「残るは…五行、か」

青年兵「…前のように召喚士がいるわけでもないですしね」

召喚士「五行なんて到底……」

魔道士「……私」

召喚士「え…っ……?」

魔道士「私なら……五行…撃てますよ!」

戦士「…馬鹿な事言ってんじゃねぇよ」

召喚士「魔道士さんの言う通りかもしれません…」
942 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 23:56:57.60 ID:Mbgd4yIo
戦士「召喚士!!」

召喚士「でも……それは間違ってます!」

魔道士「……」

召喚士「誰かが犠牲になって勝ったとしても…それは本当の勝利ではありません…」

青年兵「青龍先生も…仰ってましたね…」

盗賊「…召喚士の言う通りだ」

戦士「それならどうす……」

ズズウウゥゥンッ!!

女隊員「…!?」

背後を振り向く一同は、ただただ唖然とする。

巨体はとうに城を押しつぶし、山の頂上からはみ出し始めていた。

戦士「冗…談だろ……っ!?」

ボコォッ……ゴトゴトッ

盗賊「まずいっ!!やはり…山が…!!」

召喚士「亀裂が大きい!とにかく一気に降りましょう!!」
943 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/23(月) 23:57:48.58 ID:Mbgd4yIo
ドゴオオォォォォ…

魔道士「きゃあぁ!!」

青年兵「くぅ…っ!!」

戦士「もう駄目だ!!飛べぇーっ!!」

ドドドドドドオオォォォォ…

女隊員「…………っ」

盗賊「……う…ぅ」

ゴトッ…ドシャアアァァッ…

召喚士「……みんな…大丈夫…?」

青年兵「なんとか…っ」

魔道士「……はい…っ」

ザッ

戦士「……おいおい…嘘…だろ…っ」

召喚士「こんな事が……っ、こ…こんな……」

崩れゆく山の奥より、再び同等の大きさを模した影がゆっくりと浮かび上がった。
944 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 00:00:59.76 ID:WgCIuYko
盗賊「…や、山じゃ…ないのか…!?」

女隊員「隊長達は……?」

正面を呆然と見つめる女隊員の瞳に、二つの人影が飛び込んでくる。

女隊員「っ!!」

青年兵「司令っ!!」

召喚士「天才さん!!」

タッタッタッタッタ

天才と南方司令は、隊長と男隊員を抱え懸命に走り、一同の元へと合流する。

天才「……ふー」

ドサッ

南方司令「これは……どうすればいいのだ…」

召喚士「…ええ。どう…しましょう」

天才「五行しかねぇだろ。俺が行く…」

南方司令「待ってくれ!そうはいかん!」

天才「…あ?てめぇは俺に指図出来る立場か?」
945 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 00:02:24.31 ID:VpQam2ko
どんなデカさだよ…
同じ牛繋がりでミノタウロス思い出したけど…あの時以上の絶望感だな…
946 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 00:05:10.21 ID:WgCIuYko
青年兵「ちょ、ちょっと…!揉めてる場合ではありませんよっ!!」

女隊員「そ、そうッスよ!」

牛魔王「ゴアアアアァァァァッ!!」

バキバキバキィッ!!

戦士「ぐあぁ!!」

青年兵「声の衝撃波だけで…じ、地面が…っ!」

南方司令「ここでもまだマズイ!もっと退がるぞ!!」

女隊員「隊長っ!大丈夫ッスか!?立てるッスか!?」

隊長「……ああ」

天才「剣が折れただけで済むなんぞ奇跡だよ」

南方司令「こっちもアバラと右腕やられてるが…命に別状はない」

男隊員「…まだ…まだぁ、こんなところで…終われ…っかよぉ!」

召喚士「よし、一旦崖の方向へ……」

盗賊「っ!!」

戦士「マ…ジかよ…っ、嘘だろ……っ!!」
947 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 00:10:44.59 ID:WgCIuYko
天才「……ゲームセットだ。動ける奴だけとにかく街へ逃げろ」

崖の上にずらりと並ぶ魔物の大軍。それを見て天才は絶望的に口を開いた。

南方司令「ゴブリンにワーウルフにオーク、トロルやガーゴイルまで……」

隊長「魔物の博覧会だな。最後にふさわしいこった」

青年兵「僕は…最後の最後まで戦いますよ!」

戦士「……ああ!」

男隊員「…最後にパーっとやってやろうじゃねぇか!」

女隊員「…そうッスね!!」

牛魔王「フッハハハハ!!これは素晴らしい!!」

ドズズウウゥゥンッ!!

召喚士「く…っ!!」

牛魔王「我が同胞よ!さぁ…宴の最後を飾るが良い!!」

牛魔王の一声により、魔物達は一斉に弓と剣を構え、戦闘態勢に入る。

魔道士「召喚士…さん…っ」

召喚士「大丈夫…。魔道士さんは決して…死なせません!」
948 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/24(火) 00:17:32.11 ID:WgCIuYko
では寝ます…多数のご支援ありがとうございました!
それでは、おやすみなさい!!ノシ

>>945
Wikiによると【本相(正体)は体長1000丈(3330m)、体高800丈(2666m)の白牛。】
だ、そうです!!

うへぇ、もう>>950だ…。このまま本編続けます!
しかし、レスは気にせず節約不要ですので!!どうぞ!!

〜オマケ〜

小さな村を去った戦士父は北の港へと来ていた…。

店員「では、小さな村への救助ワーカーを一名派遣…ですね?」

戦士父「…頼んだ」

ガチャッ

男「聞いたか?また魔王軍が迫っているそうだぞ」

商人「本国の商人に聞いたが、今…南でも戦闘が起きているらしい」

男「どこもかしこも物騒な事だよ…全く」

商人「平和な世界は訪れないものかねぇ……」

戦士父「……」

〜続く!!〜
949 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 00:21:44.19 ID:VpQam2ko
>>1
やりやがった!ドSのことだからもしやとは思っていたが、本当にやりやがった!!
この展開でお預けとか…>>1は真性のドSだな…
ていうか牛魔王どうやって倒すんだよ……
950 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 00:28:57.52 ID:pH2gGIAO
>>1

召還士め…どさくさに紛れて魔道士ちゃんに猛烈かっこつけアピールしやがって…
俺だって画面にさえダイブ出来れば魔道士ちゃんを命をかけて守ってやるのに…

てか、もう、絶望の次に絶望でさらに絶望とか…ランク1位の天才も初登場時ほどの最強オーラはなくなってるし…

これはもうダメかもわからんね
951 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 00:42:30.80 ID:BN9TwJgo


囲まれたのは牛魔王じゃね?
952 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 00:49:50.22 ID:AOz6RoDO
ドS乙〜
953 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/24(火) 01:29:43.85 ID:tFUcxwSO
このSSで何度、絶望感を味わえばいいんだよドSおつだよ
954 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 01:42:45.11 ID:f9XIQWgo
出てきた魔物が多種族な時点で西遊記登場フラグだな。
955 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 02:32:48.82 ID:CX7m9USO
>>1乙ゥ!!
俺は山が魔族のマンションで、突然住居を倒壊させられ、怒った住民(魔族)が抗議しに来たと予想。
956 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 05:05:45.65 ID:lrt3J6DO
牛魔王「酸素ウス…シヌ…」
957 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 05:12:39.84 ID:GmGHfYAO
崖の上の魔物は、法師さまの風穴でおk
958 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:18:57.00 ID:.EvLenEo
〜南方司令部〜

伝令「ラクシャーサの軍勢、その数およそ300近く…近郊まで迫っております!」

南方副司令「……」

伝令「しかしながら…南側より迂回し、手薄な西側へと移動を…」

南方兵「くそぉ…!奴らも馬鹿ではないか…っ」

南方副司令「いや、それで構わん」

南方兵「……?」

南方副司令「南の兵を半分程、東へ追撃に回せ!」

伝令「ははぁ!」

南方副司令「我らも西側へ移動する。弓兵と魔道兵中心に…進め!」

南方兵「了解であります!」

衛兵「なるほど…。西方司令部の連中をぶつけて…」

南方副司令「こちらまで来れないなら、無理にでも戦って貰うさ!」

衛兵「これで西方には借りが出来てしまいましたな…」

南方副司令「…いずれ返すさ。今は迎撃の事のみ考えろ!続けっ!!」
959 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:19:27.25 ID:.EvLenEo
〜東の町〜

南方弓長「構え…っ!……斉射ぁ!!」

シュシュシュシュシュンッ!!…シュシュンッ!!

弓兵「撃て撃て撃てぇ!近づけさせるなぁ!!」

バシュッ…ドドドドッ…ドシュッ

ゴロツキ「土塁をもっと積み上げろぉ!侵入させんなよ!」

チンピラ「ボスッ!谷間に引きつけたぞ!!」

ボス「よし…!」

ザッ

ボス「来いっ、スキュラ!!」

シュイィィン…ドドオオォォッ!!…ザッパアアァァンッ!!

番長「おぉ…!見事な水計…っ!!」

谷間に追い込まれたラクシャーサを、スキュラの津波が一気に飲み込む。

番長「こちらも負けてられぬでゴワス…!いざっ、カトブレパス!!」

親衛隊長「カモーン!リンドヴルム!!」
960 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:20:15.58 ID:.EvLenEo
ドドオオォォ…ズガアアァァッ!!

白虎嬢「いらして、ベヒーモス」

シュイィン……ドズウウゥゥンッ

ラクシャーサ「何だこのバケモノッ!?」

キュイイィィ……カッ!!

ラクシャーサ「ぎゃああ……っ……」

ドジュウウゥゥ…

ゴロツキ「すっげ…。一撃で10匹近く…」

ボス「よぉし…!いける、いけるぞ!」

南方弓長「まだよっ!敵は500近くいるわ、油断しないでっ!」

伝令「た、大変です…!!」

南方弓長「何っ!」

伝令「更に後方…魔物の大軍が出現…っ!!」

ボス「……!?」

伝令「その数……1000近くかと!!」
961 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:20:59.98 ID:.EvLenEo
南方弓長「…な…何ですって!?」

チンピラ「も…もう駄目だ、そんな数どうやって…」

親衛隊長「ゲーム…オーバーですね……」

ボス「…まだ終わったわけじゃないだろうがっ!諦めるなよ!」

ゴロツキ「でもそんな数どうやって……」

南方弓長「…考えるわ。とにかく目の前のラクシャーサを撃退してっ!」

番長「やるしか…ないでゴワスな…!」

白虎嬢「頑張ります〜」

タッタッタ

ボス「姉御っ!」

南方弓長「…何よ」

ボス「そうは言っても…策はあるのか?」

南方弓長「あるわけないでしょ…!」

ボス「どうすんだよ!?動揺が広がっちまうぞ…」

南方弓長「…考えるわよ。とにかく今は…数を減らしてっ!」
962 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:21:26.56 ID:.EvLenEo
〜赤壁〜

伝令「南の街、東の町ともに魔王軍が侵攻中!」

南方参謀「…ラーヴァナの狙いはこれだったの…?」

タッタッタ…ザザッ

南方魔道長「おい!!外をみてくれっ!!」

南方参謀「……!?」

タッタッタッタッタ

南方参謀「…な、何よ…あれは!?」

赤壁の城壁からも確認が出来る程巨大な牛魔王の姿。

南方魔道長「あんなでけぇ魔物見た事もねぇ…」

南方参謀「……駄目ね。増援に出ましょう」

南方魔道長「……到底敵う相手じゃねぇぞ?」

南方参謀「それでも戦っている仲間がいるのよ!見捨てるわけにいかないじゃないっ!」

南方魔道長「…おい、正門に馬を回せ。騎兵隊もだ!」

騎兵「了解致しました!」
963 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:21:52.30 ID:.EvLenEo
ザッ

南方参謀「……回復役も準備して!」

衛生兵「はは!!」

南方魔道長「……さて、行くとするか」

南方参謀「…魔道長は赤壁の防衛を頼むわっ」

南方魔道長「……おいおい、そうもいかんだろ」

南方参謀「私達の帰る場所…残しておいてくれないと」

南方魔道長「…分かったよ。その代わり…無事に帰ってこい!」

南方参謀「…モチロンよっ!みんなも…一緒にね!」

南方参謀は正門へと足を進め、馬に跨り手綱を握り締める。

南方参謀「…では、しゅっぱ……」

ザッ

南方参謀「……あなた…っ」

ザッザッザ

格闘家「……」
964 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 17:22:20.37 ID:IoYpvp6o
どうあがいても、絶望 のキャッチコピーが浮かんだ
965 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:22:22.17 ID:.EvLenEo
〜南の街、郊外〜

南方兵「……」

ザッザッザ

南方兵「…!?お疲れ様です!!」

南方副司令「……どうだ?」

南方兵「南より一気に迂回してきた為、兵に多少の混乱があります…」

南方副司令「……」

南方兵「しかし…弓と魔法で牽制し、街には近づかせないようにしております!」

南方副司令「…それでいい。倒す必要はない…うまく追いやれ!」

南方兵「はは!」

南方副司令「…数が足りんぞ!どんどん射かけんか!!」

弓兵「撃てぇ!!」

魔道兵「付加と炎を交互に放て!!」

南方兵「ん…!?魔物が進行方向を変え始めました…!!」

南方副司令「…よぅし!食いついてくれたか!」
966 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:23:06.93 ID:.EvLenEo


ラクシャーサ「背後に敵ィ…!?」

ジャリッ

ラクシャーサ「ああ、厄介だな!街の前に叩いちまおうぜ!」

ラクシャーサの群れは南の街より西へと向きを変える。

ラクシャーサ「こんだけの数だぁ!蹂躙しろ!グハハハ!!」

ドドオオォォ…

西方兵「魔王軍の侵攻ルートが変わりました!こちらに来ます!!」

ザッザッザ

西方参謀「…ヒック。南の軟弱野郎共が…こっちを餌にしやがったなぁ?」

西方副司令「援軍に主戦させる気…!?信じられない!」

西方司令「ああぁ…もう終わりだ!これは退くしかない…っ」

西方参謀「ただ退いてもしゃあないでしょう。少しは減らしましょうや」

西方副司令「全軍、迎撃の構えっ!」

西方司令「あわわ…っ、い…遺書…遺書を書かなきゃ!」
967 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:23:51.55 ID:.EvLenEo
ガチャガチャガチャッ…ザザッ

西方副司令「魔道兵は火と氷の付加を交互にかけなさい」

弓兵「……構えーっ!」

西方参謀「…射よ!……ヒック」

西方副司令「参謀、アレを…」

西方参謀「使うのかい?」

西方副司令「博士にテストを頼まれてるのよ」

西方参謀「へいへい。……霹靂車の用意をしろいっ!」

西方兵「もう出せます!」

西方参謀「準備いいねぇ〜!」

西方副司令「司令っ!貴方は指揮を執って下さいな」

西方司令「し、しかし…!遺書がまだ…っ」

ビリビリッ…ポイッ

西方副司令「司令部に何百枚も用意してあるでしょう?」

遺書を破り捨てながら、西方副司令はツヴァイハンダーを西方司令へと手渡す。
968 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:24:20.31 ID:.EvLenEo
ガシッ

西方司令「……」

西方参謀「霹靂車…前方へ!」

西方副司令「はい、司令も行ってらっしゃい!」

ドンッ…ヨタッ

西方司令「お…うわわっ」

西方兵「司令が出撃なさるぞ!最前線へ送り込め!!」

ドンッ…ポイッ…ヨロッ…ゲシィッ…

もみくちゃんびされながら最前線へと到達する西方司令。

西方司令「ひゃああぁぁ!!」

ラクシャーサ「……なんだ…コイツ」

ヒュンッ!!…サクッ

ラクシャーサ「…かわした?」

ツツーッ

西方司令「…血…血がぁ!?」
969 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:24:48.46 ID:.EvLenEo
西方兵「来るぞ!!後退ーっ!!」

ラクシャーサ「…あん?」

ドドドドドド…

ラクシャーサ「へ…っ!?」

ドンッ!!…ブシュウウゥゥ!!

西方司令「……」

ムクリッ……ザッザッザッザ

ラクシャーサ「な、なんだ!?一人で近づいてくるぞ…!?」

西方司令「……血が…っ」

ラクシャーサ「……?」

西方司令「血が…たぎるぜぇ…!ブッ殺してやる!!」

ヒュオッ!!

西方司令「うーおりゃああぁぁ!!」

西方司令の振りかぶる大剣が、目の前の魔物もろとも地面を叩き割る。

ドッグシャアアァァァァッ!!
970 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:25:38.04 ID:.EvLenEo
ラクシャーサ「グギャアアァァーッ!!」

西方司令「もう…百丁!!」

ドゴンッ!!…ドッグオオォォンッ!!…ゴシャアアァァッ!!

ラクシャーサ「何なんだコイツ…ッ!退が…ぐがあぁ!!」

ドズウウゥゥンッ…

西方参謀「司令もスイッチ入ったみてぇだな。こっちも行こうかねぇ…ヒック」

ガラガラガラッ…ゴトンッ

西方兵「装填!!」

西方副司令「何発分あるの?」

西方参謀「試作機だしな。テスト用の小せぇのが5発だ」

グググッ……ゴトンッ

西方兵「……装填完了!」

西方参謀「さぁ…記念すべき一発目!ぶちかませっ!!」

西方兵「霹靂車……発射ぁーっ!!」

バシュンッ!!
971 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:26:04.75 ID:.EvLenEo
霹靂車と呼ばれるそれは、大型の荷車を改造した投石機である。

スプーンのような発射部分をゴムで固定し、発射と同時にそれを外す。

ビュオッ!!…ゴオオォォォォ…

テコの原理で勢いよく飛ぶ仕掛けは、バーテンが使用したバリスタと同様である。

だが、投石となる対象物…それは巨大な結界石であった。

ラクシャーサ「空から巨大な岩が…!!」

ドッズウウゥゥゥゥンッ!!

ラクシャーサ「岩じゃな……結界…石…」

ジュウウゥゥゥゥ!!

西方兵「着弾確認!次弾装填っ!!」

西方参謀「想像以上の威力だな…!」

西方副司令「普通の岩でも牽制程度には使えそう…」

西方参謀「ま、結界石を使えるのは西方の特権みてぇなモンよ…ヒック」

西方副司令「そりゃそうね…」

西方参謀「それ、次々ぶっ放してやんな!味方に当てんなよぉ!」
972 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:26:31.87 ID:.EvLenEo
ズドンッ!!……ゴッシャアアァァッ!!

西方司令「皆殺しだぁ!!一匹も逃がすなよおおぉぉ!!」

西方兵「司令!前方奥より人影が…!味方のようです!!」

西方司令「南方の迂回してきた奴らか!よーし……」

ザッ

西方司令「奴らに得物を奪われんなよ!全て西方の手柄にしろぉ!!」

西方兵「うおおぉぉ!!」

ラクシャーサの群れを迎撃する西方軍。その背後には、先程まで南側を

防衛していた南方軍の半数が、背後を突く形で戦闘に加わる。

〜南の街〜

南方兵「南の兵が追いつきました!挟撃の形となってます!」

南方副司令「勝機!我らも討って出るぞ!!」

南方副司令は馬に飛び乗り、一直線に戦地へと駆ける。

南方兵「副司令に続けーっ!遅れを取るなぁー!!」

南方副司令「これで三方向からの詰め…!狙い通りだ!」
973 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:27:01.04 ID:.EvLenEo
〜東の町〜

伝令「魔物の増援が…まもなく到達致します…!」

ボス「くっそぉ!!姉御っ!!」

南方弓長「……駄目っ、無策よ」

白虎嬢「それっ!」

ドドオオォォンッ!!

親衛隊長「ホワイトタイガーガール、そろそろ退きましょう」

番長「これ以上は…危険でゴワス!」

ボス「こうなったら…町中に篭城するしか…」

南方弓長「そんな事っ、駄目よ!」

ボス「じゃあ…どうすりゃいいんだよ!!」

ゴロツキ「…ボ…ボス…」

ボス「あんんだよ!!」

ゴロツキは後方に砂塵を巻き上げ迫る、魔物の大軍を指差す。

南方弓長「……な…んて数…っ!」
974 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:27:30.89 ID:.EvLenEo
ボス「……くっそぉ!!どうしろってん……」

チンピラ「そうなんだけど、よ…様子が…」

ボス「…!?」

ゴロツキ「さっきから…揉めてないか?」

南方弓長「え…!?な…何っ!?」

ゴロツキ「ほら、魔物同士…ぶつかり合ってる」

南方弓長は眼鏡の位置を直し、じっと目を凝らす。

ワアアァァァァ…

番長「何が…どうなって……」

親衛隊長「とにかく…今のうちにリトリートしましょう!」

白虎嬢「はいぃ〜」

タッタッタッタ…

南方弓長「ど…どういう事っ!?あの魔物の群れは…味方なの!?」

ボス「分からん…分からんが、この機を逃すわけにゃいかないよなぁ!」

ゴロツキ「…行くか!?」
975 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 17:27:49.83 ID:VpQam2ko
相変わらず、西方司令が頼りないwwwwww
よく司令になれたな…
976 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:27:56.74 ID:.EvLenEo
ボス「…モチロンだ!!一気に殲滅すっぞぉ!!」

チンピラ「いよっしゃあ!続けーっ!」

南方兵「若い連中に負けてられるか!行け行けぇ!!」

同士討ちする魔物達の間隙を縫い、剣をてにした兵が一気に再出撃を始める。

番長「おぉ!あそこに合流するでゴワス!!」

親衛隊長「リンドヴルム!スカイから援護ですよぉ!」

ボス「姉御!ボサッとしてねぇで援護射撃しろいっ!」

南方弓長「あ…っ、そ…そうね!……弓隊!」

ザザッ

南方弓長「撃てぇーっ!!」

バシュシュシュシュッ!!

ラクシャーサ「なにがどうな……ぐぶぅ…!!」

ボス「いけるぞ!今度こそ押し返せ!!」

ラクシャーサ「援軍じゃないのか!?何で…っ!!」

挟撃されるラクシャーサの大軍は潰走し、形勢はほぼ逆転の形となった。
977 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:28:46.20 ID:.EvLenEo
〜火焔山〜

牛魔王「グッフフフ…!!」

――「総員っ…構えぃ!!」

ザザッ

牛魔王「壮観…壮観!」

南方司令「……っ」

盗賊「……」

崖の上に並ぶ1000匹以上と思われる魔物の大軍。

弓を引く者、剣を構える者、羽を大きく広げ羽ばたかせる者…。

牛魔王(……なんだ…この……違和感は?)

ザッザッザ

崖の上、最前列に一匹の魔物が立ちはだかる。

牛魔王「――ッ!!」

召喚士「……あ……あぁ…っ!!」

牛魔王「……ハヌ…マーンッ!!」
978 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:29:37.82 ID:.EvLenEo
ハヌマーン「目標は…牛魔王!!一斉に放てぇ!!」

バシュシュシュシュシュッ!!…

おびただしい数の矢が空を覆い、牛魔王へと一斉に放たれる。

オーク「撃てぇ!!頑張れーっ!!」

マーマン「おらぁ!左右からデカブツの足を止めろぉ!」

牛魔王「ヌゥ…ッ!?…小…賢しい!!」

ハヌマーン「敵はたったの一人!怯む事はないぞ!」

ドドドドドドオオォォ…

戦士「あ…いつら…っ!!」

隊長「味方……なの…か!?」

天才「…そうか、そういう事か」

南方司令「……?」

天才「行方を眩ました各地の魔物の小隊…。やっと分かったぜ…!」

牛魔王「…ええいっ!ウジ虫どもが、纏わりおってぇ!!」

魔物の群れはナイフや矢を射かけながら、牛魔王の両足へと纏わり付く。
979 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:30:05.92 ID:.EvLenEo
タタッ

ハヌマーン「盗賊殿っ、無事か!?」

盗賊「……ハヌマーン……ありがと」

マーマン「遅くなって悪りぃな!」

戦士「いんや…助かったぜ!」

オーク「…オラ、頑張るから!!

魔道士「オークさん…!皆さん!ありがとうございますっ!」

テクテクテク

法師「遅くなり…申し訳ありません」

召喚士「…いえっ、助かりました」

南方司令「こちらは…?」

召喚士「先の南東国第二皇子、次男様です」

法師「やめて下され。今はただのしがない法師でございます」

南方司令「助太刀感謝。しかし…この魔物達は…?」

法師「細かい説明は後ほど。今は眼前の敵を倒す事が先決かと」
980 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:30:43.72 ID:.EvLenEo
ザッザッザ

天才「…法師サンの言う通りだ。世間話してる場合じゃねーぞ」

隊長「…んで…どうすんだ?」

天才「……全員集まれ」

天才の掛け声で一同は天才を中心に輪を囲むように集う。

天才「…一度しか言わねぇ。よーく聞け」

女隊員「……はいッス」

天才「四行でも食い止められなかったとなると、残るは……」

隊長「五行か…。しかしどうやって……」

天才「俺が撃つ」

召喚士「!?」

天才「もちろん死なん程度に微弱のやつだ」

盗賊「……」

天才「……つーか、残る魔力じゃそんなモンが限界だ」

戦士「……んで?」
981 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:31:15.55 ID:.EvLenEo
天才「当然、そんな五行じゃあのデカブツの足止め程度にしかならん」

ハヌマーン「だろうな。あの巨体を滅するには相当量が必要だろう」

天才「そこで、だ。お前ら全員で一行ずつ…さっきみてぇに援護してくれ」

魔道士「……?」

天才「アレの四肢、頭部…そこに各一行ずつブチ込んでくれ」

南方司令「…出来んのか?そんな事……」

天才「やるしかねぇんだよ」

隊長「……編制を始めよう」

南方司令「……分かったよ」

天才「お前らは、さっきと同じだ。頼んだぞ」

盗賊「…ああ」

魔道士「が、頑張りますっ!」

南方司令「当然、俺は前衛だ」

隊長「…俺もだな」

天才「剣もねぇ分際で何言ってやがる。それにその怪我じゃもう役に立たん」
982 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:31:48.87 ID:.EvLenEo
隊長「……しかしだな」

天才「後衛に回れ。土行は十八番だろう」

隊長「……あ、ああ」

戦士「あとは…俺か」

女隊員「戦士さんの付加は自分がやるッスよ!!」

戦士「…頼む!」

青年兵「しかし…これでは三行しか……」

ザッ

ハヌマーン「某が行こう」

召喚士「ハヌマーンさん…!」

魔道士「でも…付加は…?」

法師「頼もしい男がいますよ」

法師はマーマンを指差し、にっこりと笑う。

マーマン「お…俺かよっ!」

ハヌマーン「お主の水行は強力だ。お主以外おるまい…」
983 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:32:16.62 ID:.EvLenEo
マーマン「……わ、分かったよ!」

戦士「これで四行……」

南方司令「…おいおい、これで終わりか?」

天才「……」

――「俺が……火を……」

ヨロッ…テクテク…テク…

天才「…いけんのか?」

男隊員「四の五の言ってる…場合じゃ…ねぇだろ…っ」

青年兵「前衛があと一人…」

戦士「オークか…青年兵か……召喚士か…」

召喚士「…俺が行くよ!」

天才「いけんのか?」

召喚士「分かりません…。しかしこのままでは…」

隊長「前衛じゃない奴に任せるのは…ちと不安が残るぞ…?」

天才「……賭けるかそれとも…」
984 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/08/24(火) 17:33:19.25 ID:.EvLenEo
ドドッドドッドドッドドッ…

戦士「…何の音だ…?」

オーク「う、後ろ…!」

一同の背後、森の奥より数頭の馬が飛び出す。

騎兵「……おぉ!ご無事か!!」

南方司令「援軍か!!」

ドドッドドッ…ドドォ…

南方参謀「司令っ!みんなも無事…じゃなさそうね…」

天才「お前…っ!!」

格闘家「し…師匠」

天才「いいところに来た!……最後の一撃、いけるか!?」

格闘家「…その為に…来ました」

天才「……これで駒が揃ったぞ」

隊長「ナイスタイミングだ!」

召喚士「これで揃った…っ!最後の一撃……いきましょう!」
985 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 17:37:43.38 ID:VpQam2ko
頼りないと思ってたら……前に見せてたのは本来の姿だったのか…
ていうか熱いな、扇風機かけてんのに風が足りねぇよ
986 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 17:43:58.57 ID:U2J9Hzw0
緊迫する場面だな
まさに胸が熱くなる展開だ





が、もみくちゃんにワラタ
987 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/24(火) 17:49:17.15 ID:.EvLenEo
魔道士「19スレ目です!よろしくお願いいますねっ!えへへ!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/

>>986
本当だ…これは失礼致しました…

続きは次スレからがいいですかね…残り少ないし…
では、一旦抜けさせて頂きます!ノシ
988 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/24(火) 17:50:40.68 ID:346Es3Qo
ここでお預けか・・・
989 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 18:01:50.57 ID:pH2gGIAO
>>1

>>977で鳥肌がたちましたよ…
絶望が一気に希望に!

俺もこの機に乗じて魔道士ちゃんのハートをゲットだぜ
990 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 18:05:15.53 ID:VpQam2ko
>>1

>>989の発言で、魔道士と盗賊がプリ○ュアになってる姿がイメージされた
20でプ○キュアはキツイな
991 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 18:05:22.96 ID:viSteIAO
ハヌ×盗か…
992 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/24(火) 18:17:37.53 ID:.EvLenEo
>>988
む…それではちょっとオマケを…!

宇宙世紀00xx…。世界は核の…違った、人類は宇宙(略

クワトロ「クワトロ・バジーナ、百式…出る!」

ハリー「良いMSだ。私のスモーに勝るとも劣らん…!」

ピピピッピピピッピピピッ…

南方弓長「十時の方向より金色のMSが二機…早いっ!」

南方司令「総員っ、第一戦闘配備!!」

ゼクス「あれが…国軍の新型艦『セキヘキ』か…」

ブオンッ!!……ブウウゥゥンッ!!

ゼクス「…!?……ビームツヴァイハンダーだと…っ?」

天才「ハーッハッハッハ!ガンダムジーニアスの力…見せてやるよ!」

ガシイィンッ!!

青年兵「ガンダムワイバーン…出ますっ!」

召喚士「…ガンダムコカトリス、召喚士…行きますっ!!」

ゴウッ!!

――続かない
993 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 18:20:43.13 ID:VpQam2ko
カオスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
逆に見たいわwwwwwwwwwwwwwwww
994 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 18:48:27.87 ID:cpa.XoSO
ワロタ
995 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 18:54:39.93 ID:JtuTrLIo
金色が1機はぶられててワロタ
暁ェ…
996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 19:10:05.41 ID:pH2gGIAO
なんと…ガンダムジーニアスとな?

まだ誰も気づいてないようだが…
お、俺の推理が正しければやはり…マスク・ド・ジーニアスの正体は………!!


南方司令ですね
997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 19:10:44.75 ID:f9XIQWgo
正直クワトロとゼクスの立ち位置がどうでもいいほど気になる作品だ。
998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 19:33:42.07 ID:7ljukx.o
続けろよ。
999 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 19:46:54.59 ID:f9XIQWgo
今気が付いたがこのままだと最後召喚士の出番ない…
1000 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 19:53:08.00 ID:ZJwOt3ko
1000
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
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    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
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魔王と勇者 @ 2010/08/24(火) 15:48:45.70
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けいおんSS 総合雑談スレ Part2 @ 2010/08/24(火) 14:59:07.41 ID:KNNeFwQo
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