このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

上条「恋は!」美琴「儚く!!」心理「愛は」垣根「虚しく」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/11/15(火) 15:24:11.96 ID:ZfHP8tF70
1スレ目 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1304/13045/1304506297.html

2スレ目 美琴「当麻♪」上条「なんだ、美琴」垣根「俺も仲間に入れて」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1305/13053/1305377166.html

3スレ目 上条「美琴、愛してる」美琴「私も♪」垣根「俺も♪」心理「ジャマしないの」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306063255/

4スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「えへへ//」垣根「速さが足りない」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306724889/

5スレ目 上条「放さないからな」美琴「うん♪」垣根「話さないからな」心理「しゃべりなさいよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307282872/

6スレ目 上条「抱きしめようか?」美琴「うん//」垣根「抱こうか?」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307709819/

7スレ目 上条「守り続けるからな」美琴「うん//」垣根「これがリア充です」心理「あなたもよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308139244/

8スレ目(番外編) 美琴「私の好きな人のことを、それ以上悪く言わないで!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308667506/

9スレ目 上条「結婚に必要な物は?」美琴「愛!」心理「お金」垣根「念のため三行半」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308992651/

10スレ目 上条「まずは!」美琴「そのふざけた!」心理「幻想を!」垣根「守るのこそ愛だ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309355502/

11スレ目 上条「マイホームか・・・」美琴「い、いいわね//」心理「そうね」垣根「欠陥住宅か」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309860801/

12スレ目 テクパトル「あの月はもう、空には出ない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310283821/

13スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「//」垣根「心理定規可愛いハァハァ」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310641032/

14スレ目 上条「恋といえば!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311066610/

15スレ目 上条「旅行かぁ・・・」美琴「どこ行く?」垣根「ヤっちゃうのか?」心理「黙って」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311506386/

16スレ目 上条「愛って何かな」美琴「守ること?」心理「信じること」垣根「疑い続けることさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311939697/

17スレ目 上条「始まった・・・」美琴「大覇星祭・・・」垣根「アナウンスは俺」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312451177/

18スレ目 上条「引き続き!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスも俺!」心理「もうイヤ・・・」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312969940/

19スレ目 上条「まだまだ続く!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはMeダヨ!」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313206497/

20スレ目 上条「そして終盤!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはワシじゃよ」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313568339/

21スレ目 上条「みこと!」美琴「とうま!」垣根「マン」心理「そこまでよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313987737/

22スレ目 上条「1に愛情!」美琴「2に愛情!」心理「3、4がなくて?」垣根「後藤さん」一同「誰だよ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1314/13145/1314512717.html

23スレ目 上条「海外旅行!」美琴「イギリス!」心理「ご飯がまずい」垣根「ひもじいよぉ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1315/13152/1315277970.html

24スレ目 上条「デートの定番は?」美琴「遊園地!」心理「映画館」垣根「特別な場所なんていらねぇさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316091462/

25スレ目 上条「熱い思いは!」美琴「止められない!」心理「燃える心は」垣根「バーニングハート!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316955436/

26スレ目 上条「異性のどこが好き!?」美琴「優しさ!」心理「温かさ」垣根「声」テクパトル「背中」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318038036/

黒歴史 今日も学園都市には雨が降る
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1303/13037/1303730725.html
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 : ◆G2uuPnv9Q. [sage  saga]:2011/11/15(火) 15:25:22.43 ID:ZfHP8tF70
キャラ紹介

上条・・・言わずとしれたそげぶマン
美琴の彼氏、第一の主人公であり、正義感溢れます
美琴をかなり愛しています

美琴・・・ヒロイン
可愛いです、可愛いです、可愛いです
ツンデレがデレデレになってますが、それもまた(ry
上条さんにメロメロ

垣根・・・本シリーズでおそらくもっとも愛されてるキャラクター
イケメルヘンからギャグまでなんでもござれ
心理定規と付き合ってます、フリーダム
たまにツッコミ

心理定規・・・垣根の嫁
ていとくんに踊らされながらも彼を支えます
おそらく、心理定規タンハァハァって方もいるかと、俺もそうだ
ホント、マスコットキャラ

エツァリ・・・本シリーズで地味なキャラの一人
ショチトルと付き合ってる変態ツッコミ

ショチトル・・・地味キャラだった一人
エツァリと付き合ってます、自称ドMの実際ドM
もはや、ボケキャラ

削板・・・熱い男
黒子の彼氏、地味なはずがわりとキャラが濃い

黒子・・・ですの
削板の彼女、でもお姉さまも相変わらず好きなのでご安心を

一方・・・歪みないセロリ
番外個体の彼氏、そしてロリコン、意外とまともになった

番外個体・・・一方の嫁
やっとセロリと付き合うことに、マジ可愛いよワースト
わりと奥手

テクパトル・・・ダークホース
途中でレギュラーになったにも関わらずていとくんとならび本シリーズの目玉に
こんなはずではなかった
美月こと19090号と恋人に、さまざまな苦難も乗り越えイチャイチャリア充、背中フェチ

19090号・・・テっくんの嫁
勝手に美月と名づけました
後悔はしてません
テクパトルと結ばれましたが未だに照れ屋さん、そしてエロい

20000号・・・変態
しかも、テっくんでヤったこともある変態 、たまに男前

14510号・・・セロリのことが好きな乙女
めちゃくちゃ乙女

10033号・・・セロリのことが好きな乙女
恋する乙女は強かった

御坂妹・・・可愛いです
なぜかツッコミに

17600号・・・やや遅れて合流した妹達
意外と男前、おっとこまえー

■■・・・名前が思い出せないキャラ
まさかの存在感、俺には理解できない
準レギュ、というかエツァリよりも輝いてる気がする

吹寄・・・垣根に告白、失恋するもやはり友達がいいと気づいた強いキャラ
まさかの準レギュ、そしてツッコミ、おっぱい吹寄

ウイーハルさん・・・違った、初春
削板、黒子の出番でたまに登場

13577号・・・かつて20000号に公開オ○ニーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
まさかの復活、でもトラウマは奥底に眠る

10039号・・・かつて20000号に公開オナ○ーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
お茶なら緑茶派らしい
3 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/15(火) 15:25:48.63 ID:ZfHP8tF70
食蜂・・・レズ、美琴に恋してる
最近本当の友達が出来て喜んでいる

打ち止め・・・一方通行と番外個体の娘ポジション
しかし寝取りを企んでいるという噂もある

麦野・・・魅力的なはずなのにアイテムで唯一恋の香がしない
がんばれおばさ・・・お姉さん

絹旗・・・超可愛い超キュートな超ヒロイン
海原に淡い恋心を抱いている
絶賛パンチラ

浜面・・・リア充

滝壺・・・浜面の彼女
ときどき黒い、実は腕力が半端ない

フレンダ・・・空から帰ってきた我らがアイドルな訳よ!
美人でスレンダー、完璧なスタイルな訳よ!
ゴーグル男なんてす、好きじゃない訳よ!

ゴーグル・・・スクールの中で一番地味だった人
語尾が「〜っす」とかいう、若者口調
なぜかフレンダと共にこの世に戻ってきた
冷え性


アレイスター・・・冷蔵庫
一体どうしてこうなったのか
最新式の家電

海原・・・絹旗にフラグを立てた男
本物
エツァリと鉢合わせしたら恐ろしいことになるはず


4 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/15(火) 15:27:25.83 ID:ZfHP8tF70
スレ内容

上琴、未元定規がメインのギャグほのぼの

一方通行×番外個体
テクパトル×19090号
削板×黒子
エツァリ×ショチトル
浜面×滝壺
俺×サトリナ


何もおかしいところはない

サトリナさんは俺の嫁

ほのぼの、グダグダ、原作崩壊、キャラ崩壊、マンネリが嫌いな方はご覧にならないほうがいいかと

あと、一部オリキャラ化していますのでそこもご了承を


注意事項

速さが足りないコメは諸事情によりお控えいただけたら幸いです

たまに筋肉動画を貼ります、耐性がない人はそっと戻るボタンを

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/15(火) 21:06:06.91 ID:5HHKVQyDO
>>1
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福岡県) [sage]:2011/11/15(火) 23:31:44.55 ID:QCO78sZr0
改めてスレ一覧を見たらあれだな
数が・・・その・・・・・ハンパないな
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/11/16(水) 02:17:02.38 ID:xXYS70IU0
>>1は人生を楽しんでますか?
8 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:43:49.78 ID:wDwdjSjS0
>>7 >>1の大好きな松ちゃんも言っていたように人生なんて楽しいもんじゃない、だから楽しく生きなきゃいけないってことですよ

目の前に大金が落ちていて、それを「拾う」か「拾わない」

その確率は二分の一

「拾う」を選択して、謝礼をもらい幸せになるか、実はそれが汚れた金で変な疑いをかけられ不幸になるかも、確率云々は抜きにしても幸せ、不幸、どちらの可能性もある

「拾わない」を選択すれば、謝礼をもらえなくて不幸か、それが汚れた金でスルーして幸せだったかの、どちらの可能性もあり

結局どの選択肢を取っても人生なんて幸せと不幸、二分の一の確率が用意されている

ならそのとき選んだことでウジウジしないで選んだ選択肢の中で適当に楽しもうぜベイベーが一番ですよ

そんときは幸せか不幸かの一択でも、そのあとにゃ面白い展開も待っているわけで

そういう考えをしながらのらりくらりしてきた>>1も大学に合格し、割と人生を楽しんでいると思います

天国があって神様とやらがいるのならば唾でもかけてやりたいほどの楽しい人生ですよ、マジで

では続きをば



9 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:51:35.24 ID:wDwdjSjS0
写真映りがいい人って得だな、とゴーグル男は思った

なぜ彼がそんなことを思ったかというと目の前にある携帯電話会社の広告に映っているお姉さんが綺麗だったからだ

ではなぜ携帯電話会社の広告が目の前にあるのか

それはもちろん、彼が携帯電話会社の店舗に来ていたからだ

地下街にある支店の前に彼はいる

では最後の質問

ゴーグル「・・・なぜ俺はこんな所にいるんですか・・・?」

時は遡る

アイテムの朝は騒がしい

騒がしいと言っても普段の騒がしさでは騒ぎもしない

だが、その朝は違った

ゴーグル「・・・」

ゴーグル男はその日も起きた瞬間にため息をついた

フレンダが自分の布団の中に入り込んで来ていたのだ

もはや当たり前の光景


10 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:52:08.29 ID:wDwdjSjS0
そう、だからそれでも騒ぎはしない

問題は男特有の朝の生理現象だ

そんなものどうしようもない

ゴーグル「・・・なんかデジャヴュがすごいんですが」

それが収まる前にフレンダが目覚めたらおしまいだ

ゴーグル「・・・いや、まぁ収まれと思って収まるもんじゃないですよね」

はぁ、とため息をついてからゴーグル男がフレンダの顔を見つめる

その寝顔は何度見ても慣れることはない

もちろん、ひどいという意味ではない

むしろその逆だ

本当にお人形のような寝顔だ

美しい金髪がゴーグル男の顔に少しだけ触れている

すやすやと寝息の聞こえる唇は綺麗に潤んでいる

鼻はすっと流れるようで、まぶたも人形のようだ


11 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:52:38.73 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル(・・・いや、だからなんだって訳じゃないんですけど)

ゴーグル(・・・でも、さすがに毎朝毎朝これは・・・)

世の中の悲しき男子学生なんかから文句を言われそうな幸せだろう

しかし、残念ながらゴーグル男はそこまで図太くはない

やましい気持ちは全くと言っていいほどない

ただ、この状況から脱出して自分の無実を証明することだけを考えている

ゴーグル(た、たしかにちょっと柔らかいから心地好いですけど)

恐らく胸の感触だろう、ゴーグル男の鳩尾辺りに柔らかなものが当たっている

それを手放すのは心苦しかったりする

いや、手放さなければいけないのだが

ゴーグル「・・・ですが、強く抱きしめられてるのにどうやって放れれば・・・?」

ゴーグル男が思考を巡らせる

背中にはがっちりとフレンダの腕が回されている

身を捻ってみたが、ほどけない

その行動が間違いだったのだ


12 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:53:19.65 ID:wDwdjSjS0
フレンダ「ん・・・」

フレンダの人形みたいな目がパッチリと開いた

さすがにフレンダも慣れているもので、そんなことでは動揺しない

フレンダ「おはよう・・・また私を抱きしめてた訳?」

ゴーグル「どこをどう見たら俺が加害者になったんですか」

そういうやり取りも完璧だった

そこまでで終われば、微笑ましいただの朝だった

たった一つ、間違いがあったとすれば例の生理現象だろう

もっと言えば、それが当たっている場所だ

それはフレンダの脚の間にちょうど先が当たっていた

そう、デリケートな場所に

フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「ねぇ、これは・・・わざと?」


13 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:53:47.09 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「俺にそんな度胸はありませんよ」

フレンダ「・・・にしてはいい感じに当たってる訳よ」

ゴーグル「ち、違い・・・」

フレンダ「へぇ・・・そうなんだ」

段々とフレンダの顔が怖くなっていく

あぁ、こりゃもうダメだとゴーグル男が覚悟を決めた瞬間

フレンダ「最低な訳よ!」

フレンダのビンタが飛んだ

それが、その日の朝の出来事だった


そして、アイテムでの会議が開かれた

ゴーグル「・・・」

絹旗「つまり、ゴーグルはフレンダの下半身に自分の下半身を・・・」

浜面「そ、それは多分誤解だって!な!?」

ゴーグル「・・・というか俺は被害者なんじゃ・・・」


14 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:54:17.28 ID:wDwdjSjS0
滝壺「男って最低だね」

浜面「滝壺ぉ!?」

麦野「・・・ゴーグル君、そこはどうなのよ」

ゴーグル「あぁもう!毎朝布団に入ってきて抱き着いてくるのはアンタでしょうが!」

フレンダ「私のせいじゃない訳よ!絶対・・・」

浜面「いやいや!布団に入ったのはフレンダなんだろ!?」

ゴーグル「そうなんですよ!」

絹旗「でも下半身を押し付けたのは?」

ゴーグル「体が密着してれば自然とそうなりますよ!」

滝壺「・・・じゃあなんで密着したの?」

ゴーグル「フレンダさんが抱きしめてきてたからですよ!」

麦野「はいはい・・・で?二人はどっちが悪いと言いたいの?」

フレンダ「ゴーグル!」

ゴーグル「フレンダさんが・・・悪いかと」


15 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:54:53.63 ID:wDwdjSjS0
麦野「分かったわ・・・とりあえず、それは二人の問題なのよ」

フレンダ「そ、そりゃそうだけどさ・・・」

麦野「まぁ・・・仲直りに二人で出掛けて来なさい」

フレンダ「二人で?」

麦野「昨日約束してたじゃない」

ゴーグル「・・・まぁ仕方ないですね」

フレンダ「うっわ、仕方ないから行くんだ」

ゴーグル「別にそんなこと言ってないじゃないっすか」

二人の視線がぶつかる

浜面「はいはい・・・とりあえず、仲良くしようぜ?」

フレンダ「ふん!私の迷惑にならないでよね!」

ゴーグル「分かってますよ・・・」

渋々ゴーグル男が頷く

そして、外出用の服に着替えた二人は地下街に来た



16 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:55:26.23 ID:wDwdjSjS0


そこまでは、理解できる

ならばなぜ彼は携帯電話会社の前にいるのか

フレンダがよく分からない契約をしたい、と言ったからだった

ゴーグル「・・・あの、これってどういう?」

フレンダ「なんでもハンディアンテナみたいな機械を携帯に取り付ければいいみたいな訳よ」

ゴーグル「へぇ・・・」

フレンダ「男女限定のペアだけど、通話料とか安くなるみたい」

ゴーグル「男女限定・・・ですか」

ゴーグル男が肩を落とす

そのプランの書かれた広告の端に、「引き続きゲコ太ストラッププレゼント!」という字を見つけたからだ

フレンダはこう見えて人形を集めていたりする

きっと、今回のストラップもそういうのの一貫で欲しいのだろう

ゴーグル「まぁ・・・たしかに浜面さんとは契約出来ないっすね」

フレンダ「そ、そりゃアンタじゃなきゃ・・・」

ゴーグル「アイテムには残りの男、俺しかいませんからね」


17 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:56:02.99 ID:wDwdjSjS0
淡々とゴーグル男が意見を述べる

正直、ストラップなんかのためにここまで来たなんて納得出来ない

若干だが、腹が立っている

朝の言い掛かりもそうだが、フレンダは時々彼を振り回すのだ

それが心地好いのも事実だが、たまに少しだけ鬱陶しくも感じる

ゴーグル(・・・いや、誰にだって少しの欠点はありますよ)

首を振り、どうにか気持ちを入れ替える

フレンダ「さ、早く行く訳よ」

フレンダに手を引かれ、ゴーグル男はその店舗に入る

中の受付嬢は綺麗だった

その美しさに少し驚いていたら、なぜかフレンダに脚を踏まれた

ゴーグル「いったぁ!」

「い、いらっしゃいませ・・・」

いきなり大声を上げたゴーグル男に、一応の営業スマイルを浮かべる受付嬢


18 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:56:46.85 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「何するんすか・・・」

フレンダ「鼻の下伸ばしすぎな訳よ」

怒ったような表情になりながら、フレンダが椅子に座る

フレンダ「ほら、アンタも早く」

ゴーグル「はいはい・・・」

「こちらの用紙に電話番号と・・・」

受付嬢が早速説明を始める

プランごとに受付が異なるため、わざわざどのプランにするのかを伝える必要はない

ゴーグル「えっと・・・これだけでいいんすか?」

「後は、お二人がペアであることを証明出来る写真が必要になります」

フレンダ「写真?」

「はい、携帯電話のカメラ機能で撮った写真で結構ですので」

ゴーグル「へぇ・・・でもわざわざそういうことをするんですか」

「こちらのプランはカップルの方にオススメとなっていまして・・・」

フレンダ「カ・・・」


19 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:57:33.37 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「あぁ・・・じゃあ、ちょっと待ってて下さいね」

ゴーグル男は普通に椅子から立ち上がる

フレンダ「カ、カップル!?」

ゴーグル「ほら、早く早く」

入店した時とは真逆で、ゴーグル男が手を引く形になって一度店を後にする


フレンダ「どういう訳よ!?」

ゴーグル「いや、男女限定なら普通そうでしょ」

フレンダ「だ、だって私とアンタはカップルなんかじゃ・・・」

ゴーグル「・・・そりゃ勘違いされてイヤでしょうけど・・・我慢して下さいよ」

今更辞めるなんてことは出来ない

冷やかしに思われるのは御免だった

それにお得なプランなので、ゴーグル男としてもイヤなものではない

フレンダ「そ、そうよね!アンタなんかとカップルだなんて思われたら・・・」

ゴーグル「はぁ・・・とにかく、カップルらしく写真でも撮りますよ」


20 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:58:20.99 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル男が自分の携帯を取り出す

フレンダの携帯は受付に預けてしまっている

ゴーグル「はい、とりあえず近づきますよ」

フレンダ「仕方ない・・・」

ゴーグル男が突然、フレンダの肩を抱き寄せる

急に近づいた二人は、傍から見れば仲のいいカップルだ

フレンダ「な、何よいきなり!」

ゴーグル「はぁ・・・あのプランのためには必要なんですから」

フレンダ「でもいきなり過ぎて・・・」

ゴーグル「ほら、表情柔らかくして」

フレンダ「・・・なんか手慣れてる訳よ」

ゴーグル「こんなことで一々顔真っ赤にはしてられないですよ」

ゴーグル男が苛立ったように答える

彼は実際、怒っていた


21 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 09:59:26.78 ID:wDwdjSjS0
受付嬢に鼻の下を伸ばしたのは悪かったが、脚を踏まれるほどのことなのだろうか

一つ一つは小さなイライラだが、それが積もると怒りに変わっていく

だが彼はまだそれを抑えていた

朝の件で少しピリピリしているだけなんだ、と言い聞かせて

ゴーグル「じゃあ撮りますよ・・・」

フレンダ「う、うん」

電子音と共にフラッシュがたかれる

画面を見ると、若干引き攣った顔のフレンダと極普通の顔をしたゴーグル男が映っていた

ゴーグル「なんで引き攣ってるんですか・・・」

フレンダ「そ、そりゃ緊張しちゃう訳よ!」

ゴーグル「もしかして写真とか苦手なんですか?」

フレンダ「ち、違うけど・・・」

ゴーグル「なら気楽にやりましょうよ・・・」

もう一度、ゴーグル男がフレンダの肩を抱き寄せる


22 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 10:00:00.46 ID:wDwdjSjS0
フレンダ(よし・・・気楽に!)

再びフラッシュがたかれた

今度は二人とも自然な表情だった

ゴーグル「よし、これなら大丈夫ですね」

フレンダ「よかった・・・早く行く訳よ」

安心したような声を出してから、フレンダが店へ戻る

ゴーグル「・・・俺と写真撮るのって、そんなにイヤだったんですかね」

ため息をついた後、ゴーグル男はそのあとを追い掛けた


「はい、ではこちらの記念写真がプリントされた充電器も・・・」

ゴーグル「・・・え?」

プレゼントはゲコ太ストラップだけだと思っていた

だが渡されたものは、携帯の充電器だった

しかも二人の先程の写真がプリントされている

仲睦まじいですね、と言われそうな充電器だ


23 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 10:00:28.09 ID:wDwdjSjS0
フレンダ「な、何これ!?」

「お二人の記念写真ですので、どうぞ」

ニコニコと笑う受付嬢

だがその営業スマイルさえも、馬鹿にしているように見えてしまう

公開処刑だ

そんなものは公開処刑だ

ゴーグル「・・・ゲコ太ストラップも一応もらえるんですね」

「はい、当店限定となっております」

フレンダ「・・・じゃ、じゃあまた・・・」

「またのお越しをお待ちしております」

ペコリ、と頭を下げる受付嬢

だがそんなものは無視して、二人が駆け足で店の外に出る

持っている袋の中には充電器が入っている

それをアイテムのメンバーの前で使えるわけがない

肩を組んだ二人が映っているのだから


24 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 10:01:15.09 ID:wDwdjSjS0
フレンダ「どうしよう!?なんかいらないオマケがついてきちゃった!」

ゴーグル「はぁ・・・たしかにそうですね」

フレンダ「しかもこの充電器じゃなきゃハンディアンテナは充電出来ないみたいな訳よ!」

ゴーグル「・・・これ、カップルに対する嫌がらせが目的なんでしょうか」

フレンダ「カ、カップルじゃない訳よ!」

ゴーグル「他の契約者がですよ・・・」

こんな充電器を平気で使えるカップルなんているのか、とゴーグル男が鼻で笑う

ちなみにある不幸な少年と超エリートな少女は、そんな充電器を毎日ニコニコしながら使っている

そんなこと、ゴーグル男が知るわけはないが

ゴーグル「・・・お目当てのストラップは手に入りましたし・・・もういいっすか?」

フレンダ「お、お目当て?」

ゴーグル「このストラップが欲しかったんじゃないんすか?」

ゴーグル男がゲコ太ストラップを取り出す

あまり可愛いとは思えないそのキャラは、笑っていた


25 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 10:03:36.73 ID:wDwdjSjS0
フレンダ「ううん、私あんまりゲコ太には興味ないかな・・・」

ゴーグル「え・・・じゃあなんでわざわざこんなプランに契約したんですか」

フレンダ「!そ、それは・・・その・・・」

ゴーグル「まさか俺を連れ出すための言い訳だったとか?」

フレンダ「そ、そうだったらどうする!?」

ゴーグル「めんどくさい人っすね・・・」

フレンダ「冗談な訳よ!」

ゴーグル「あなたはやりそうですから・・・」

フレンダ「そ、そんなこと・・・」

ゴーグル「あ、いや・・・」

フレンダ「・・・べ、別にこのストラップが目的じゃなかったんだ」

ゴーグル「?じゃあなんで俺と?」

フレンダ「そ、それは・・・」

じーっとフレンダが一点を見つめる

顔がどんどん真っ赤になっていく


26 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 14:54:09.72 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「・・・あぁ、もしかして」

フレンダ「!!」

ゴーグル「この地下街を確認したかったんですか」

フレンダ「・・・はぁ?」

フレンダが素っ頓狂な声を上げる

ゴーグル「ほら、ここってこの前の事件でちょっと被害がありましたし」

フレンダ「・・・それを・・・どうして私が確認する訳よ」

ゴーグル「あれ、違うんですか」

フレンダ「・・・もういい、次行こう」

ゴーグル「あ、はい」

不機嫌になったフレンダの後ろを、ゴーグル男が追いかける

一体どうして不機嫌になったのかはわからない

ゴーグル(・・・じゃあなんでフレンダさんはここに来たんでしょうか)

首を捻るゴーグル男には、やはり女心は分からない


27 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 18:58:10.37 ID:wDwdjSjS0
幸せとは安っぽいものだなぁ、とゴーグル男は思った

そしてそれは万人に愛される言葉でもある

「幸せになりたい」と思えば、それは生きる力になる

恋人に「今幸せだよ」と言えば、喜んでもらえる

「幸せとは何か」を考えれば好奇心を満たせる

とにかく、誰もが幸せになりたいのだ

そして平等な幸せなんてあり得ない

誰もが全く同じ日常を送れば、それは「当たり前」であって「幸せ」ではないのだ

当たり前が幸せなんだ、という人もいるだろう

だが、それはいつしか幸せとは感じなくなる

当たり前を幸せと感じるには、ある程度の不幸が必要になる

それでは「平等」ではなく一人だけ「不幸」なのだ

結局、平等な幸せはあり得ない


フレンダ「美味しい!!!」

そして、ケーキの一つで幸せなんて簡単に作れるのだ


28 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 18:58:38.03 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「そんなに幸せなんですか?」

フレンダ「めちゃくちゃ美味しい訳よ!」

ショートケーキを食べながら、フレンダが笑う

ほっぺにクリームをつけているのが子供っぽい

だがそれが似合うのは、フレンダの容姿が子供っぽい可愛さを持っているからだ

ゴーグル「クリーム、ついてますよ」

フレンダ「あ、ありがと」

ゴーグル男がハンカチでクリームを拭き取る

フレンダ「アンタは食べなくていいの?」

ゴーグル「うーん・・・あんまり食べる気がしないっす」

フレンダ「はぁ・・・せっかくケーキ屋に来たんだから」

二人が今いるのはケーキ屋だ

今日はケーキバイキングがお得になっているらしく、学校をサボった女子学生がわんさか集まっている

もちろん教師に見つかったら大変だろう

ゴーグル「はぁ・・・女ってなんで甘い物が好きなんですかね」

フレンダ「男でも好きなんじゃないの?」


29 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 18:59:03.33 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「俺は甘い物はあんまり・・・なんか口に味が残るじゃないですか」

フレンダ「あぁ・・・ちょっと分かるかも」

ショートケーキのイチゴを頬張りながらフレンダが頷く

少し甘酸っぱいイチゴは、すぐに口の中で無くなった

フレンダ「うん、じゃあ次は・・・」

ゴーグル「い、今ショートケーキ食べたじゃないですか」

フレンダ「ケーキバイキングなんだけど」

ゴーグル「太りますよ・・・」

フレンダ「バイキングって何か知ってる!?」

ゴーグル「バイキングってアメリカじゃ通用しないんですよ」

フレンダ「外国人に何言ってる訳よ」

ゴーグル「それもそうですね」

フレンダ「とにかく!私は食べまくる訳よ!」

ゴーグル「・・・無理しないでくださいよ」

フレンダ「当然!!」

トレイを持ったフレンダが、再びケーキの吟味を始める


30 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 18:59:53.82 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル(よくあんなに入りますよね・・・)

呆れつつも、そんな光景に微笑んでしまう

先ほどまでのイライラは消えていた

ゴーグル(・・・そうっすね、イライラしててもしょうがないっす)

伸びをしながら、ゴーグル男が苦笑する

すると、隣の席にいた女子学生二人の話が聞こえてきた

佐天「ねぇねぇ初春」

初春「・・・いいんですか?学校サボって・・・」

佐天「それはもういいって、それよりどうだったの!?例の爆破事件!!」

初春「だから犯人も捕まったんですよ」

佐天「でもさでもさ!!やっぱりあれって何か裏がありそうじゃん」

初春「ないですよ・・・ミステリードラマの見過ぎです」

一人は、頭に花畑を抱えた女子だ

若干、見た目が幼いのが特徴だろうか

しかしその小さな体には似合わず、先ほどからケーキをかなり食べている

甘いものは別腹、というのはよく聞く言い訳だがそれを見ていると、なんとなくウソではないとさえ思えてしまう


31 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:00:26.01 ID:wDwdjSjS0
一方、もう一人の女子はどちらかといえば大人っぽく見えるタイプだった

胸も相当大きい

だがその制服を見る限り、中学生のようだ

ゴーグル(・・・あっちのお花畑さんは風紀委員みたいですね)

話の流れからして、お花畑は風紀委員だ

こんな人でもなれるんだな、とゴーグル男は呆れる

彼は知らないが、初春の右に出るパソコン関係者はいないと言ってもいい

それだからこそ、彼女は風紀委員にいることができるのだ

ゴーグル(もう一人は中々美人ですね・・・)

その二人は、かなりモテそうな容姿をしていた

大人っぽい女性と、かわいらしい女の子といった感じだ

佐天「?あの、どうかしましたか?」

ゴーグル「え・・・?あぁ、いや・・・」

初春「?も、もしかして!!私達の学校の関係者とか!?」

佐天「な、なんだってー!!!」


32 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:00:52.28 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「違いますよ・・・あの、学校サボってケーキ食べるのって普通なんですか?」

思いのほかフレンドリーな女子らしく、初対面なのにも関わらず自然に話すことが出来た

だからどうというわけではないが

初春「ちっちっち!!甘いものの次に学校があるんですよ!!」

ゴーグル「・・・それ、学生が言うべき台詞ではないですよね」

佐天「でも、あなたも学校サボって来てるんじゃないんですか?」

ゴーグル「俺は学校行ってませんから」

佐天「も、もしかしてスキルアウト!?」

ゴーグル「なんでそうなるんですか・・・」

ゴーグル男が肩を落とす

むしろ、彼はスキルアウトなんか比べ物にならないほどの人間ではあるのだが

現在はそれも引退している

初春「でも珍しいですね・・・こんなところに男性が来るなんて」

ゴーグル「あぁ、違いますよ・・・」


33 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:01:19.13 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル男が苦笑する

彼だって、好きでこんなところに来たわけではない

佐天「?」

ゴーグル「ある人の付き添いですよ」

初春「あ、もしかして彼女さんですか!?」

花畑の女が身を乗り出してくる

意外とそういう話が好きなのだろうか

ゴーグル「ただの友達ですよ・・・」

佐天「ふーん・・・でも、女の人なんですよね!?」

ゴーグル「そうっすよ?」

佐天「ふっふーん・・・こんな所に連れてくるってことは結構いい感じなんじゃないですか!?」

ゴーグル「いや・・・そうでもないっすよ」

無料提供のコーヒーを飲みながら、ゴーグル男が考える

フレンダは決して、そういう対象ではないだろう

たしかに仲は良いし、なぜか一緒に風呂に入ったこともある

でも決して、そういう関係ではないと思う


34 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:01:46.18 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル(・・・うん、そうっすよね)

佐天「ふーん・・・そうなんだ」

ゴーグル「二人は中学生なんですか?」

初春「そうですよー」

佐天「私は佐天涙子」

初春「初春飾利です・・・んー!!美味しい!!」

ゴーグル「どうも・・・ゴーグルとでも呼んでください」

佐天「?変わった名前」

ゴーグル「いやぁ、孤児みたいなもんなんで通称ですよ」

佐天「へぇ・・・」

ゴーグル男が苦笑したとき、ガン!!と何か大きな音が後ろから聞こえた

見ると、フレンダが鬼のような形相でトレイをテーブルに置いているところだった

かなり勢い良くトレイを叩きつけたのだろう、その上に乗ったケーキが少しだけ崩れている

ゴーグル「あ、おかえりなさい・・・」

フレンダ「・・・初めまして、ゴーグルの唯一無二の相棒、フレンダな訳よ!!」


35 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:02:17.87 ID:wDwdjSjS0
佐天「あ、は・・・初めまして」

フレンダ「・・・」

フレンダが二人を睨みつける

初春「?」

佐天(あ、なるほどね・・・)

佐天がニヤニヤと笑う

佐天「フレンダさん、今日はゴーグルさんと二人で?」

フレンダ「そ、そうだけど」

佐天「いいなぁ・・・まるでカップルみたいですね!!」

フレンダ「!!」

佐天(よし!!これで初春もフォローして・・・)

初春「あはは、さっきゴーグルさんが自分で否定してたじゃないですかー」

佐天「初春ぅぅぅ!!!」

フレンダ「へぇ・・・否定、ねぇ・・・ほぉ・・・」


36 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:02:49.29 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「いや、だって違うじゃないですか」

フレンダ「このろくでなし!!」

ゴーグル「はぁ!?」

佐天「はぁ・・・初春、私達はこれからどうしよっか」

思惑が外れてしまい、一気に佐天のテンションが下がる

初春「あ、じゃあセブンスミストにでも行きませんか?」

佐天「そうだね・・・この時間ならもう学校も終わってるし!!」

初春「合法的に出かけられますね!!」

ゴーグル(学生って大変ですね・・・)

佐天「じゃあ・・・フレンダさん、頑張って」

小さな声で佐天が囁く

フレンダ「・・・サ、サンキュー」

佐天「私は佐天です、またいつか」

フレンダ「じゃあ、また」

佐天と初春が店から出て行く


37 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:03:21.81 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「・・・あ、あの・・・なんか怒ってます?」

フレンダ「・・・怒ってない訳よ」

フレンダがケーキを口に運ぶ

だが、やはり少しだけ怒っているように見える

ゴーグル「その・・・ごめんなさい」

フレンダ「?なんで謝る訳よ」

ゴーグル「今日はフレンダさんとの二人の時間っす、そりゃ他の人と話してていい気にはならないっすよね」

フレンダ「そ、そそそそそそういうわけじゃないから!!」

ゴーグル「?」

途端に、フレンダの顔が赤くなる

コロコロと表情が変わるものだな、とゴーグル男は驚く

フレンダ「・・・そ、その・・・ありがと」

ゴーグル「はい?何がですか?」

フレンダ「そういうところはたまに気づくんだ・・・」



38 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:03:58.31 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「いや・・・まぁ、人のことを考えるようにってよく言われたもので」

フレンダ「誰に?」

ゴーグル「垣根さんにっすよ」

フレンダ「ふーん・・・たしかに垣根はそういうのちゃんと考えられそうな訳よ」

ゴーグル「でも、なんでそれであそこまで不機嫌になったんすか?」

フレンダ「そ、それは・・・」

ゴーグル「いや・・・まぁいいんですけどね」

コーヒーを飲みながらゴーグルが苦笑する

それは無料提供のものだ

先ほどから、ゴーグル男は一つもケーキを食べていない

さすがに金の無駄だろうか

先払いなので、少しそれが気になってしまう

フレンダ「・・・ねぇ、食べないの?」

ゴーグル「うーん・・・食べる気がしないんですよね」


39 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:04:30.58 ID:wDwdjSjS0
フレンダ「一口も?」

ゴーグル「いや・・・でも、丸々一つなんて無理っす」

フレンダ「あ、じゃあこれならどう?」

フレンダが一口だけ、ケーキを差し出してくる

フレンダ「はい、あーん」

ゴーグル「」


ゴーグル(こ、こここここここれはどういうイベントなんすか!?)

ゴーグル男の思考回路が一気にヒートする

フレンダが少し顔を赤くして、ケーキを差し出しながら「あーん」なんて言ってきている

ゴーグル(もしかしてあれっすか、食べようとしたらあげないよん的なイベントっすか!!)

ゴーグル男の思考がいろいろな結果をシュミレーションする

もちろん、一番いいエンディングはそのままあーんしてもらえることだろう

だがそんな素敵イベントがゴーグル男に待っているとは思えない

思えないのだが、今のフレンダの好意がもしも本物だとしたらどうだろうか


40 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:04:58.36 ID:wDwdjSjS0
それをウソじゃないっすか、あっははと笑ってしまえば彼女を傷つけるだろう

ゴーグル(そ、そうっすよね!!俺が傷つく分にはいいですけど・・・)

ゴーグル男がゆっくりと口を開ける

ゴーグル(・・・フレンダさんの好意を無駄にしたら・・・)

パク、とケーキを口に含む

その瞬間、あぁフレンダの好意はウソではなかったんだ、と感動する

一口しか食べられないゴーグル男のことを考えて、わざわざ一口だけ食べさせてくれるなんて

実際、少しその好意のベクトルは違うのだが

フレンダはいわゆる、ほんの少し異性に対する好意を持っている

だがゴーグル男は、フレンダが自分に「友情」を向けていてくれているんだと勘違いしているのだ

ゴーグル「あ、美味しいっすね」

フレンダ「よ、よかった!」

ニコニコとフレンダが笑う

どうしてそんなに嬉しそうなのか、とゴーグル男が首を捻る


41 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:05:31.18 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「・・・なんかめちゃくちゃ嬉しそうですね?」

フレンダ「そ、そうかな?」

ゴーグル「うーん・・・なんか」

ゴーグル男がちらり、と他の席を見つめる

偶然か必然か、そこにはカップルがいた

ちょうど、彼女が彼氏に「あーん」なんていうことをしている

ゴーグル(へぇ・・・やっぱり今でもあーんってやるもんなんすね)

先ほど自分がされていたのは棚に上げて、彼は感心する

耳を澄ますとなにやら、その彼女が何かを言っている

どうも、あーんなんて恋人以外にはしたくない、と言っているようだ

ゴーグル(へぇ・・・あーんって、たしかに恋人にやるもんですよね)

ゴーグル男が心の中で頷く

そして、疑問に思う

ゴーグル(・・・?じゃあさっきのフレンダさんはなんなんですかね)


42 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:05:53.30 ID:wDwdjSjS0
恋人にしかしたくないような行動

それは、おそらく間違いないだろう

つまり、あーんというのは少なからず特別な感情を抱いているのではないか

ゴーグル「・・・あの、フレンダさん?」

フレンダ「ん?何?」

ゴーグル「なんであーんなんかしたんすか?」

フレンダ「!!そ、そりゃ・・・」

ゴーグル「・・・あぁ、いや・・・なんでもないっす」

ゴーグル男が頬杖をつく

フレンダ「・・・!」

その横顔が、なぜか男前に見えてしまう

フレンダがいきなり顔をブルブルと振り出す

ゴーグル「?どうかしたんすか?」

フレンダ「な、なんでもない!!」


43 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:09:43.97 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「で?そろそろ出ましょうよ」

フレンダ「えー・・・まだ食べたいのにぃ・・・」

ゴーグル「・・・もうおやつの時間を1時間以上過ぎたわけですよ」

ゴーグル男が時計を指差す

時刻は4時半

もう、これ以上食べれば夜食が入らなくなってしまう

ゴーグル男としては、フレンダにもしっかりと栄養を摂ってもらわなければならない

彼女が体調を崩したら、世話をするのは間違いなく自分だ

ゴーグル(なんとしてもそれは避けたい)

フレンダ「ぶー・・・ゴーグルのケチ」

ゴーグル「なんとでも言って下さい・・・」

フレンダ「人でなし!!デブ!!ハゲ!!」

ゴーグル「後ろ二つには明らかに当てはまらないっすよね!?」


44 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:14:22.36 ID:wDwdjSjS0
フレンダ「・・・まぁ・・・仕方ない訳よ」

ケーキを食べ終え、フレンダがトレイを片付ける

結局、ゴーグル男が食べたのはフレンダがくれた一口だけだった

かなり金の無駄だと言える

ゴーグル「・・・女性って、こういうところ好きなんですね・・・」

フレンダ「ん、だって甘いものが嫌いな女っていない訳よ」

ゴーグル「いや、いるでしょ絶対に」

フレンダ「それ、多分オカマ」

ゴーグル「甘いものが嫌いな女の人を敵に回しましたね」

フレンダ「ふん、世の中に媚は売りたくない訳よ」

ゴーグル「なんですかそれ・・・」

フレンダ「よーし!!で、これからどこ行くの?」

ゴーグル「そうっすね・・・なんかいい景色の所とか」

フレンダ「えぇ・・・」


45 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:19:16.73 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「なんでそんなにテンション低いんすか・・・」

店から出た二人が、適当にぶらつき始める

フレンダ「なんかゴーグルの口からいい景色、とか聞きたくない訳よ・・・」

ゴーグル「どういう意味ですか・・・」

フレンダ「世の中のいい景色がかわいそう」

ゴーグル「それひどいっすよね!?」

フレンダ「・・・で?どこがいい景色なの?」

ゴーグル「うーん・・・」

ゴーグル男が腕を組む

彼は、そんな場所なんて知っていない

暗部にいた頃はもちろんそんなこと、気にしていなかった

その後はすぐ死んだため、綺麗な場所を探す必要もなかった

ゴーグル「・・・聞いてみますかね」

フレンダ「聞くって誰に?」

ゴーグル「そういうのに一番詳しい人っすよ」


46 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:23:23.60 ID:wDwdjSjS0

ゴーグル「・・・あ、もしもし?」

ゴーグル男が電話を掛けたのは垣根だった

彼なら、綺麗な景色なんてゴマンと知っているだろう

何しろ彼は「メルヘン」が大好きなのだから

垣根『・・・ただいまお掛けになりました電話番号は』

ゴーグル「垣根さん、こんにちは」

垣根『ツッコめよせめて』

ゴーグル「・・・で?」

垣根『どれは俺の台詞なんだけどな』

ゴーグル「・・・綺麗な景色の場所とか知らないですか?」

垣根『はぁ?』

電話の向こうの垣根が、素っ頓狂な声を上げる

垣根『お前・・・カメラマンにでもなったのか』

ゴーグル「いえ、ちょっとフレンダさんと・・・」


47 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:32:43.05 ID:wDwdjSjS0
垣根『あーあー、フレンダのご機嫌取りか』

ゴーグル「ちょっと違いますけど・・・」

垣根『・・・で?綺麗な景色の場所が知りたい、と』

ゴーグル「そうっすよ」

垣根『7学区の鉄橋にでも行けよ』

ゴーグル「鉄橋?」

垣根『俺とか上条とかもお気に入りの場所なんだよ』

ゴーグル「へぇ・・・」

垣根『・・・まぁ頑張れ』

ゴーグル「はい、それじゃ」

ゴーグル男が通話を切る

それを見ているフレンダの目は冷たい

ゴーグル「?どうしたんすか?」

フレンダ「そういうのって・・・他人に聞くもの?」


48 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:40:51.22 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「いや・・・だってせっかくだしいい所に行きたいじゃないですか」

フレンダ「まぁそれは分かるけど・・・」

ゴーグル「7学区です、行きましょう」

ゴーグル男がくるりと向きを変える

目指すのはバス停だ

フレンダ「・・・うん、分かった」

ゴーグル「じゃ、急ぎましょう」



ゴーグル「・・・で、7学区のどこなのかを聞くのを忘れてましたよ」

フレンダ「バッカじゃないの・・・」

7学区のバス停で、フレンダが呆れたように呟く

ゴーグル男は先ほどから何度か、垣根に電話をしている

しかし、一向に通話が始まらないのだ

恐らく何か用事でもあるのだろうか

フレンダ「・・・道行く人に聞いてみる?」

ゴーグル「・・・どこに道行く人がいるんですか」

現在時刻は午後5時半

学生達は、ほとんどが寮に帰っている


49 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:46:36.47 ID:wDwdjSjS0
最近の学園都市は、ずいぶんと規制が緩やかになった

完全下校時刻も、今までより1時間も遅くされた

しかし、それでも大抵の学生は寮に帰ってそれぞれの生活を送っている

わざわざ外に遊びに行っても、大したことはないのだ

朝からずーっと遊べる休日なら話は別だが、学校が終わってから完全下校時刻までの2時間程度では、何も出来ない

そのためこの時間、歩いている学生はほとんどいない

スキルアウトも未だにいるため、一人で歩くのは相当な物好きだろう

フレンダ「・・・寒い」

太陽もそろそろ、完全に隠れようとしている

もしも一人だったらかなり不安になる状況だろう

隣にゴーグル男がいるのでなんともないが

ゴーグル「あ、これどうぞ」

フレンダ「?」


50 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:52:41.41 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル男が自分の上着を差し出す

フレンダ「な、何?」

ゴーグル「何って・・・寒いんでしょ?」

フレンダ「で、でもアンタ・・・」

ゴーグル男は、上着の下にはTシャツ一枚だ

フレンダ「寒くない・・・?」

ゴーグル「いいっすよ、寒いのは慣れてます」

フレンダ「なんかいろんなものに慣れてる訳よ・・・」

ゴーグル「はいはい・・・」

ゴーグル男の手から上着を受け取り、フレンダがそれを羽織る

フレンダ「あったかい・・・」

ゴーグル「そりゃよかった・・・ほら、適当に探しましょう」

フレンダ「あ、うん」

ゴーグル男が適当に辺りを見回す

二人がいるのは平地だ

そのため、あまり見通しがいいとは言えない


51 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 19:57:24.41 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「・・・はぁ、見渡しても見つからないですね」

フレンダ「ねぇねぇ、この地図には載ってない?」

ゴーグル「ん?」

フレンダが指差しているのは、学区のマップだった

バス停や大きな店の前など、目立つ場所に設置されているものだ

二人がいるのはバス停なのだ

ゴーグル「えっと・・・あ、これじゃないですかね?」

フレンダ「うっわ、地図で見ても目立つ訳よ・・・」

ゴーグル「っていうか、なんでこんなただの鉄橋が思い出の場所なんですかね?」

フレンダ「ここで何かやったのかな?」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「すいません、なんでもないっす」

フレンダ「うん、私もなんでもない訳よ」

二人が地図に従って歩き出す



52 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 20:01:20.95 ID:wDwdjSjS0


ゴーグル「・・・こっちですね」

フレンダ「あ、見えた訳よ!!」

ゴーグル「ホントだ」

しばらく歩いて、二人が鉄橋を見つける

もう辺りは真っ暗だ

ゴーグル「ほら、急ぎましょう!!」

フレンダ「え、あ・・・」

ゴーグルに手を引かれるまま、フレンダがついていく

ゴーグル「早く早く!!」

フレンダ「ど、どうしてそんなに急ぐの?」

ゴーグル「いいじゃないっすか!!」

ゴーグル男が楽しそうに笑う

まだ、日は沈んでいない

あと少しで、それは地の果てに消えてしまう


53 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 20:11:41.19 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「もう少し・・・」

フレンダ「な、何が?」

鉄橋に登り、その中央へと向かう

そこから見えるのは、町並みや遠くにある緑だ

そして、その遥か向こうには沈みかけた太陽がある

フレンダ「あ、綺麗・・・」

ゴーグル「よかった・・・間に合いましたよ」

フレンダ「もしかして・・・これのために?」

ゴーグル「ここからなら綺麗だと思ったんで」

真っ赤に染まる空の果て

そして、少しだけその赤を跳ね返しているビル

フレンダ「幻想的・・・」

ゴーグル「あはは・・・自然と科学の作り出した絵画ってことっすね」

フレンダ「・・・うん」

突然、フレンダがゴーグル男の肩に頭を乗せる


54 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 20:30:22.50 ID:wDwdjSjS0
ゴーグル「ど、どうしたんすか?」

フレンダ「・・・いいじゃん、ちょっとくらい」

ゴーグル「は、はぁ・・・」

フレンダ「ねぇ、ゴーグル・・・」

ゴーグル「ん?なんすか?」

フレンダ「・・・あのね・・・」

フレンダが顔を真っ赤にしている

夕日はもう、沈んでいるのに

フレンダ「私・・・」


上条「美琴!!綺麗だったな!!」

美琴「うん!とっても綺麗だった!!」

上条「だよなぁ!!」


フレンダ「」

ゴーグル「あれ、あの二人・・・」


55 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 20:39:11.63 ID:wDwdjSjS0
上条「あれ?ゴーグルとフレンダだよな?」

美琴「あ、ホントだ」

ゴーグル「お久しぶりっすね・・・えっと、正月以来ですかね」

上条「そうだな・・・二人はなんでこんなところに?」

ゴーグル「ちょっと今日は二人で出掛けに・・・」

美琴「なになに!?デート!?」

ゴーグル「違いますよ・・・」

上条「あれ、なんかフレンダさん固まってないか?」

フレンダ「わ、わ・・・」

上条「わ?」

フレンダ「私の一世一代の大勝負がぁ!!こんなバカップルに破られた!!」

美琴「バカとは卑怯ね!!」

フレンダ「バカバカ!!!」

美琴「何よぉ!?」



56 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 20:50:47.58 ID:wDwdjSjS0
フレンダ「最低!!クソカップル!!」

美琴「いいわよ!!私と当麻の仲の良さを見せてあげる!!」

上条「こ、こら!!上条さんは平和的に・・・」

フレンダ「逃げてる訳よ!!」

ゴーグル「・・・あの、お二人はデートですか?」

上条「あぁ、ちょっとな」

美琴「ヒマな時はずーっとこんな感じだから」

フレンダ「へぇ・・・そう」

フレンダが美琴を睨みつける

あまり、彼女のことを気にいってはいないのかもしれない

ゴーグル「・・・この後二人はどうするんすか?」

上条「これから垣根の家だよ」

フレンダ「あ、それ楽しそう」

上条「二人も行くか?」

ゴーグル「あ、いや・・・」


57 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 21:01:56.72 ID:wDwdjSjS0
フレンダ「行く訳よ!!ついでにご飯ももらう訳よ!!」

ゴーグル「はぁ!?」

上条「お、それいいな」

美琴「いいわよ、じゃあ行きましょう」

フレンダ「ふん!!私のほうが多く食べる訳よ!!」

美琴「どうかしら!!」

上条「あぁ・・・くだらない戦いが始まる・・・」

ゴーグル「・・・垣根さんの家ですか・・・」

美琴「私は負けないからね!!」

フレンダ「私だって!!」

上条「・・・なんかよくわかんないけど・・・」


上条「ヤな予感がしますよ・・・」

ゴーグル「楽しそうっすね」


58 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/16(水) 21:06:40.17 ID:wDwdjSjS0
今日はここまで

いつの間にかゴーグル達もレギュラーになりつつある

もうやだ

今日はリーの2011年ゲストポーズ

そりゃ絞ってないですが、腕太いですね

これ、絞ってオリンピア出ればまだまだ活躍できるんじゃ?

http://www.youtube.com/watch?v=SBDpUl7rO0s

ではおやすみなさい
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/16(水) 22:43:14.11 ID:A1dockwj0
マッスル
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海) [sage]:2011/11/16(水) 22:57:23.29 ID:hTG1280AO
>>59
次からでいいからsageとけよ

>>1乙です
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/17(木) 00:27:11.79 ID:oaidHJUi0
マッスル
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/17(木) 15:04:45.95 ID:lAqtMqQfo
よくこんなに大量に書けるな...
すごいわ
63 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:15:04.38 ID:kyykcQOg0



上条「お邪魔しまーす」

垣根「おぉよく・・・」

フレンダ「お邪魔する訳よ」

ゴーグル「どうも」

垣根「・・・お前達がなんで来てるんだよ」

垣根がしかめっつらになる

本気で嫌がっているのではないが、若干不思議に思っているのだ

美琴「いいじゃない、友達でしょ?」

垣根「てめぇ!俺から聞いた場所でフレンダとイチャイチャしたんじゃねぇのかよ!」

フレンダ「イ、イチャイチャなんかしてないから!」

ゴーグル「はぁ・・・とにかく上がっていいっすか?」

垣根「お前達は何しに来たんだ!上条はいいけどさ!」

美琴「だから、ご飯食べに来たんだって」

垣根「知らねぇよそんな事情!」

フレンダ「うわケチ臭い」


64 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:15:42.46 ID:kyykcQOg0
上条「お、おい・・・」

垣根「うっせぇ!大体お前を上げる義理がねぇんだよ!」

フレンダ「いいじゃん!いつもゴーグルと一緒にいてあげてる訳よ!」

ゴーグル「おかしいっすよそれ」

美琴「いつも一緒?」

美琴が首を捻る

たしかに少し引っ掛かる表現だ


フレンダ「あ、いや・・・」

上条「もしかして二人って・・・」

ゴーグル「あぁ、俺はアイテムの皆さんと暮らしてますから」

上条「なんだ・・・」

美琴「ちょっと面白いかなって思ったのにな・・・」

ゴーグル「いや・・・何がですか」

垣根「・・・まぁ仕方ないな、上がれ」


65 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:16:08.22 ID:kyykcQOg0
垣根がドアを思い切り開く

やはりフレンダを睨んだままだが

垣根「言っておくけど、俺達はちょっと学校のことで話があるんだからな」

ゴーグル「邪魔にならないようにしますから」

美琴「ゴーグルは礼儀正しいわね」

上条「そうだな・・・」

垣根「こいつはワシが育てた」

上条「分かった分かった・・・」

フレンダ「何!?私は礼儀正しくない訳!?」

ゴーグル「いや、フレンダさんはたしかに礼儀正しくないですよ」

フレンダ「ひっどい!」

フレンダがゴーグル男の肩をポカポカと叩く

ゴーグル「痛い痛い!」

垣根「・・・なぁ、そういえばお前・・・Tシャツ一枚で寒くないのかよ」

垣根がゴーグル男を指差す


66 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:16:40.08 ID:kyykcQOg0
美琴「ホントだ・・・こんな時期にTシャツ一枚?」

ゴーグル「違いますよ、上着はフレンダさんに貸してるんです」

垣根「はぁ?」



垣根がフレンダの着ている上着を見つめる

それはたしかに男物だ

しかも、ゴーグル男にピッタリのサイズに見える

上条「・・・優しいなお前」

垣根「さすが俺が育てた男だ」

ゴーグル「何を言ってるんですか・・・」

美琴「ゴーグルってなんかモテそうじゃない?」

ゴーグル「はい?」

上条「そうだな・・・顔もわりかしいいほうだし」

ゴーグル「平均ですよ・・・それに全然女っ気ないっす」

フレンダ「私は女っ気にカウントされてない訳?」

ゴーグル「なんか・・・違う気が」

垣根「喧嘩すんなよ・・・ったく」

垣根が呆れたようにため息をつく


67 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:17:16.22 ID:kyykcQOg0
普段の彼はむしろふざける側の人間だ

だがなぜか、ゴーグル男がいる時はあまりふざけられない

いい格好をしたいという訳ではないのだが

垣根「・・・心理定規も喜ぶぞ」

ゴーグル「あぁ・・・心理定規さんと同棲してるんでしたね」

垣根「羨ましいだろ」

ゴーグル「多少」

フレンダ「・・・」

上条「ま、まぁあれだな!垣根は最近どうだ!?」

垣根「・・・いや、同じ学校だしわざわざ聞くことか」

美琴「わ、私は知らないから気になるのよ!」

垣根「普通だ普通・・・」

リビングのドアノブを捻り、垣根が肩を竦める

垣根「今・・・ちょっと心理定規が集中してるとこだから」

上条「は?」


68 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:17:52.42 ID:kyykcQOg0
垣根「あんまり大声とか出さないでくれよ」

美琴「う、うん」

ゴーグル「分かりました・・・」

フレンダ「な、なんか緊張する訳よ」

一体、心理定規は何をしているのだろうか

彼女が集中するということは何か重要な作業なのだろう

ネイルを塗っているのか、化粧をしているのか

だがこんな遅い時間にそんなことをするだろうか

上条「何してるんだ?」

垣根「見れば分かるさ」

ドアを開け、一同がリビングに入る

そこでは、心理定規が机の前に座っていた

トランプタワーを作りながら

上条「・・・は?」

心理「・・・いらっしゃい」



69 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:18:18.26 ID:kyykcQOg0
言葉では歓迎しながらも、視線は一切動かない

彼女の細い指が一枚のトランプを掴んだ

そのトランプは、既に積み重ねられているタワーの上にゆっくりと置かれる

一瞬、タワー全体が揺れた

上条や美琴は、ゴクリと息を飲む

自分達の息でさえ、そのタワーに届くのではないかと思えてしまう

揺れたはずのタワーは、決して崩れることはない

静けさを取り戻したタワーに、また心理定規がトランプを乗せようとする

美琴「な、なんでそんなことしてるの?」

心理「分からないなら分からなくていいのよ」

上条(なんか怖い!)

ゴーグル「こ、こんばんは・・・」

心理「ゴーグル君も来てたの・・・いらっしゃい」

冷たい声で歓迎し、心理定規がトランプを掴む

トランプケースの中にはもうその一枚しかない

つまり、それを無事に乗せられたら成功なのだ


70 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:18:45.50 ID:kyykcQOg0
心理「・・・」

上条「な、なんかすごい・・・」

心理「黙ってなさい」

上条「はい」

一同が邪魔をしないように口をつぐむ

美琴(・・・な、なんか息をするのもまずい気になるわ・・・)

フレンダ(めちゃくちゃ驚かしたいけど・・・驚かしたら恐ろしいことになりそう・・・)

上条(こ、怖かった!めちゃくちゃ怖かった!)

垣根(なんでトランプタワーやってんだ)

ゴーグル(・・・めちゃくちゃすげぇっす)


心理「・・・最後よ、これで」

心理定規がトランプを上に乗せる

完璧な位置を計算し、そこに必要最低限の力を加えて乗せた

角度、重さ、摩擦力

全てを計算した一手

それはただのトランプタワーなどではない


71 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:19:29.82 ID:kyykcQOg0
そこには科学と数学の総力が注ぎ込まれている

もしもこれが崩れてしまえば、科学と数学という二つの大きな学問は52枚+ジョーカー2枚の前に敗れ去るのだ

心理定規一人の問題ではない

薄っぺらい紙に、人類がひれ伏すか否かの戦いなのだ

なんでこんなことを彼女がしているのか

上条も美琴も、垣根も知らない

実は心理定規も知らない

心理「いくわよ」

ゆっくりと、最後の一枚が頂上に置かれ、そして

上条「はっくしょん!」

悪魔の一手が、トランプタワーを打ち砕いた

皆さんは神の一撃という言葉をご存知だろうか

宇宙はビッグバンによって生まれたとされる

宇宙が生まれる前の空間は全くの無であり、そこには何の法則もなかった

だがそれでは矛盾が生じる

ビッグバンはなぜ起きたのか


72 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:20:06.57 ID:kyykcQOg0
何かしらの力が加わらなければ、ビッグバンなど起きないはずなのだ

しかしビッグバン以前の空間は無なのだ

つまり、何かしらの存在がそこに力を加えなければならないのだ

それが何であるかは解明されていない

もしかしたらそれは、本当に神様の奇跡かもしれない

かくしてこの現象は「神の一撃」とされている

今の心理定規も、そんな「神の一撃」によって衝撃を覚えていた

そこにはミスなどなかった

しっかりと計算された全ての条件

確実に、数式の中では成立していた答え

そう、間違いなど起きるはずはなかったのだ

上条のくしゃみというイレギュラーが起きなければ

だがそれは起きたのだ

もう、紛れもない事実なのだ

その一撃によって彼女が積み上げた53枚は床に散らばった


73 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:20:59.89 ID:kyykcQOg0
彼女の手には何もない

最後に乗せた一枚だけは、綺麗に机の上に留まっていた

固まっていた

心理定規が

そして、部屋の空気が

垣根「心理定規・・・?」

上条「ご、ごめん・・・なさい」

フレンダ「お、惜しかった訳よ!」

ゴーグル「ちょっと、フレンダさん!」

フレンダ「あ、しまった・・・」

美琴「ほ、ほら!当麻にも悪気は・・・」

心理「・・・崩れちゃった」

心理定規の一言で、部屋の気温が5度は下がった

大袈裟な表現ではない

エアコンが急激な気温変化に、急に音を立てて動き出す


74 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:21:38.44 ID:kyykcQOg0
上条「わ、悪かった・・・」

ゴーグル「ぶち壊しっすね・・・」

垣根「さすが幻想殺しだな・・・」

心理「・・・私が・・・頑張って積み上げたトランプタワーが・・・」

美琴「う・・・」

怒号が飛んで来る

それか、静か過ぎる怒りが上条の胃をキリキリとさせる

そう思っていた

心理「・・・崩れちゃった」

心理定規の目元に、ジワリと涙が滲む

上条「・・・はい?」

フレンダ「な、泣いてる!?」

心理「せっかく・・・垣根のために頑張ったのに・・・」

垣根「俺のためだったのかそれ!?」

心理「昨日・・・テレビでトランプタワー見て・・・すっげぇって言ってたから・・・」


75 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:22:09.00 ID:kyykcQOg0
垣根「それだけのために・・・お前・・・」

心理「なのに・・・崩れちゃった」

心理定規の小さな肩が震える

上条「ご、ごめん!」

美琴「ほら・・・その、やり直せば・・・」

心理「・・・やっと出来たのに・・・」

垣根「心理定規!俺は幸せなんだよ!お前がそこまで俺を思ってくれててさ!」

心理「・・・ホント?」

涙目のまま、心理定規が垣根を見つめる

上条もゴーグル男も、ついその心理定規に見とれてしまう

まるで映画から抜け出してきたような美しさだ

上目遣いってすごい、と二人は感動する

美琴「・・・当麻」

上条「はひぃ!?すいませんでした心理さん!」

心理「・・・いいわよ、不可抗力だから」



76 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:22:37.14 ID:kyykcQOg0
涙を拭い、心理定規がそっぽを向く

フレンダ「でも・・・トランプタワーなんかわざわざやるなんて変わってる訳よ」

心理「楽しそうじゃない」

ゴーグル「は、はぁ」

たまに心理定規はこういう不思議な行動をすることがある

それを周りは微笑ましく見守ることが多かった

心理「それで?ゴーグル君は分かるけどフレンダはどうして?」

フレンダ「ゴーグルと出掛けてて、そこで・・・」

上条「俺達と会ったからついでにってさ」

心理「・・・つまり、ゴーグル君とデートしてたの?」

フレンダ「!だから違うんだって!」

美琴「こうやってずっと否定してるのよ」

フレンダ「だって違う・・・」

上条「あれ、その袋ってなんだ?」

上条がフレンダとゴーグル男が持っている袋を指差す



77 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:23:26.42 ID:kyykcQOg0
それは、朝に携帯電話会社から持ってきた袋だ

フレンダ「こ、これは・・・!」

ゴーグル「あぁ・・・知ってないっすか?ハンディアンテナキャンペーン」

美琴「知ってるわよ、私と当麻も入ってるし」

上条「懐かしいな・・・たしか付き合う前だったよな?」

美琴「そうそう」

垣根「へぇ・・・なんだそりゃ?」

上条「なんでもそれぞれの携帯を小さい電波塔代わりにすることで電波を届きやすくするんだって」

垣根「うっわ、果てしなく無駄だな」

心理「でもそれって料金も安くなるんじゃなかった?」

ゴーグル「そうっすよ、ただ男女ペア限定なんで俺とフレンダさんが・・・」

上条「あ、じゃあ充電器も持ってるんだろ!?」

垣根「充電器も何かあるのか?」

美琴「そのキャンペーンさ、ペアって証拠にツーショット撮らされるのよ」

ゴーグル「よ、よく覚えてますね」



78 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:24:14.28 ID:kyykcQOg0
上条「そのツーショットをそのまま写真立てみたいにした充電器も貰えるんだよ」

心理「あら、素敵じゃない」

美琴「今からすればいい思い出よね・・・」

上条「あのキャンペーンでもらったゲコ太ストラップ、まだ使ってるもんな」

ゴーグル「俺も貰いましたよ」

ゴーグル男が袋からゲコ太ストラップを取り出す

彼には魅力の分からない物だ

美琴「!嘘、私たちの時とデザインが違うんだ!」

ゴーグル「え?あぁ、そうなんすか・・・」

美琴「可愛い!」

ゴーグル「・・・もしかして御坂さんってゲコ太好きなんですか?」

上条「好きなんてもんじゃない・・・フリークに近いかな」

美琴「だって可愛いじゃない!」

ゴーグル「か、可愛い?」

ゴーグル男がもう一度ゲコ太ストラップを見つめる

可愛くない



79 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:25:07.27 ID:kyykcQOg0
少なくとも彼の感性からすればそれは微妙な類に入る

ゴーグル「・・・可愛い、ですか?」

美琴「可愛いじゃない!」

フレンダ「ふん、悪趣味ー!」

美琴「何がよ!?人形爆発させるアンタよりマシでしょ!」

フレンダ「な、何よ!?」

垣根「おいおい、喧嘩は・・・」

ゴーグル「じゃあこれあげますよ」

美琴「え?」

フレンダ「え?」

ゴーグル男がゲコ太ストラップを差し出す

彼には分からないが、美琴は欲しがっているのだ

心理「あら優しいわね」

ゴーグル「いえ・・・俺には必要ないですから」

美琴「で、でも・・・」


80 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:25:59.98 ID:kyykcQOg0
フレンダ「・・・貰えばいいじゃん」

美琴「・・・」

美琴がじっとゲコ太ストラップを見つめる

それは恐らく非売品なのだろう

美琴が持っている中に、そんなデザインの物はない

フレンダが持っているのは、どうやらゴーグル男のとお揃いらしい

上条と美琴の時もそうだったが、紐の色以外はペアで同じ物なのだ

つまり、それはフレンダとお揃いの品なのだ

ゴーグル「?どうしたんすか?」

美琴「・・・ううん、いいわ」

上条「いいのか?」

美琴「それはアンタとフレンダの物じゃない」

フレンダ「!」

ゴーグル「でも・・・」

美琴「明日店に押しかけて貰ってくるから!」


81 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:26:39.96 ID:kyykcQOg0
ゴーグル「そんなことするくらいならこれ・・・」

美琴「とにかく!それはアンタが持ってなさい!」

ゴーグル「は、はい」

あまり腑に落ちないが、渋々ポケットにそれをしまう

垣根「はぁ・・・じゃあ晩飯食いながら話しますか」

心理「もう出来てるわよ」

上条「今日はなんなんだ?」

心理「カレーよ」

美琴「美味しい匂いがするわね」

ゴーグル「あ、ホントっすね」

先程まで、心理定規のトランプタワーを邪魔しないように息を潜めていたので分からなかった

部屋にはいい匂いが漂っている

垣根「さて・・・注いでくるな」

心理「お願い」

上条「じゃあ俺と心理さんで先に話すか」


82 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:27:17.81 ID:kyykcQOg0
上条が劇の台本を取り出す

ゴーグル「なんすかそれ」

上条「今度学校で劇やるんだ」

フレンダ「へぇ・・・」

美琴「今日はそれの話し合いなのよ」

ゴーグル「御坂さんって皆さんと違う学校っすよね?」

美琴「ちょっと混じるだけよ」

美琴が上条の隣に座る

上条「えっと・・・垣根が桃太郎・・・」

ゴーグル「桃太郎!?」

ゴーグル男が吹き出す

心理「あら、おかしいかしら?」

ゴーグル「ははは!そりゃいいっすね!」

フレンダ「め、めちゃくちゃ笑ってる訳よ」

ゴーグル「桃を真っ二つに切って中から垣根さんですか!怖い怖い!」

床を叩きながらゴーグル男が笑う


83 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:27:53.17 ID:kyykcQOg0
どうやらツボに入ったらしい

上条「ちなみに俺は鬼なんだ・・・」

ゴーグル「あっはは!垣根さんと交代したほうがいいっすよそりゃ!」

上条「だよな・・・俺もそう思う」

ゴーグル「明らかに桃太郎が上じゃないっすか!オーバーキルっす!」

美琴「当麻だって強いもん!」

心理「あら、垣根には敵わないんじゃない?」

ゴーグル「は、はは・・・垣根さんがきびだんご持って旅するんすか・・・」

涙を拭いながらゴーグル男が身を起こす

垣根「うるせぇな・・・いいだろ」

全員のカレーをお盆に乗せた垣根が帰ってくる

ゴーグル「いやいや・・・ってワインもあるんすか」

垣根「言っておくけど御坂は飲むなよ」

美琴「わ、分かってるわよ!」

上条「お前がいつも飲ませるんじゃないか・・・」


84 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:28:19.42 ID:kyykcQOg0
垣根「飲ませねぇよ」

グラスを置き、垣根も台本を手に取る

垣根「いつだったっけ?」

上条「一週間ないんだよ、もう」

垣根「一方通行からの許可は下りたぜ」

上条「マジか!よかった・・・」

フレンダ「?一方通行にも手伝ってもらうの?」

垣根「あぁ・・・打ち止め達が見に来るんだってさ」

上条「配役は残念だけどな」

ゴーグル「一方通行は何役なんですか?」

垣根「お婆さん」

ゴーグル「あ、あれがお婆さん・・・」

プルプル肩を震わせながら、ゴーグル男がグラスにワインを注ぐ

心理「よく怒らなかったわね」

垣根「相方だからな」


85 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:29:02.15 ID:kyykcQOg0
心理「相方?」

垣根「それに、番外個体が爆笑したから許してくれた」

上条「単純だよな一方通行・・・」

美琴「たまに心配になるわよ・・・」

ゴーグル「・・・あ、このワイン美味いっす」

垣根「だろ?」

フレンダ「私も飲みたい訳よ」

ゴーグル「?フレンダさんって飲めるんですか」

フレンダ「わかんない!」

心理「飲んでみたら?意外といけるかもよ」

フレンダ「よーし!」

美琴「・・・ワイン・・・」

上条「お前は常盤台の模範的生徒だ!思い出せ!」

美琴「世間体なんか気にしないで!」

上条「法律の問題だ!」



86 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:29:38.76 ID:kyykcQOg0
垣根「気にするな、お前らの目の前にいる人間達は元人殺しだし」

上条「おかしいよな!?大で小を隠すな!」

フレンダ「ぷはーっ」

上条「もう飲んでますよ!」

美琴「私も飲む!」

上条「ダメだからな!」

垣根「いいからいいから・・・で、一方通行の許可はあるから・・・」

上条「スルーしないで!」

心理「はい、美琴」

美琴「ありがと!」

上条「法律がぁぁぁ!」

フレンダ「・・・ねぇ、ゴーグルぅ・・・」

フレンダがゴーグル男に寄り添う

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「・・・なんか、酔っちゃった・・・」



87 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:30:13.82 ID:kyykcQOg0
ゴーグル「はい?」

垣根「うわぁ、下戸だこいつも」

心理「ダメだったわね」

フレンダ「・・・ねぇ、私のこと好き・・・?」

ゴーグル「なんだこのめんどくさいパターン!?」

上条「・・・なんか酔った美琴と似てる」

美琴「にゃはー・・・当麻ぁ」

上条「あ、こっちも酔って・・・ってお前かなり飲んだな!」

美琴「えへへ//」

上条「褒めてないからなこれは!」

垣根「おいおい、常盤台のお嬢様がまさかの法律違反か」

上条「お前が奨めたんだったよな!?」

心理「あなたが止めないのが悪いのよ」

上条「俺!?」

フレンダ「・・・ゴーグル、なんか熱い・・・」

ゴーグル「・・・フレンダさん、いいから寝てください」



88 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:31:03.10 ID:kyykcQOg0
フレンダ「ア、アンタと寝るの!?」

ゴーグル「あぁダメだこの人・・・」

心理「酔うと素直になっちゃうタイプかしら」

ゴーグル「フレンダさんっていつも頭の中ピンクなんですか!?」

心理(ゴーグル君も鈍感ね)

垣根「で・・・ここでまず犬に出会う」

美琴「えー、そこはゴジラがいいよ」

上条「美琴!お前は黙って・・・」

美琴「・・・」

美琴の目元に涙が浮かぶ

上条「ぐわぁ!いやいや!面白いんだけどちょっと違うんじゃないかなぁ!」

美琴「つまらないんだ・・・」

上条「いやいや!面白いですよ!?」

垣根「ゴジラはねーよ」

上条「フォローしろよ!」



89 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:31:35.06 ID:kyykcQOg0
フレンダ「にゃっはっは!ゴジラだってさゴーグル!」

ゴーグル「こ、こら・・・」

美琴「・・・面白くないんだ・・・」

上条「面白いって!でもそしたら鬼の俺がすぐ負けちゃうからさ!」

美琴「当麻がすぐに負けるのはイヤ!」

上条「だろ!?」

美琴「誰よゴジラなんて言い出したの!?」

上条「お前だ!」

心理「・・・それで?桃太郎を通してどんなメッセージを伝えたいのよ」

ゴーグル「あぁ、メッセージも持たせるんすね」

垣根「時間って大切だよ、とか」

ゴーグル「それ浦島太郎っすよ」

垣根「他人じゃなくて自分を見ろ、とか」

ゴーグル「ウサギと亀っすね」

垣根「堅実なヤツが生き残る、とか」



90 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:32:27.62 ID:kyykcQOg0
ゴーグル「三匹の子豚っすね」

垣根「人間だもの」

ゴーグル「みつをっす」

フレンダ「ねぇねぇ、なんで桃太郎なの?」

心理「誰もが簡単にイメージできるじゃない」

上条「しかも、役もそこまで多すぎないし」

垣根「少ないわけでもなくてちょうどいいからな」

美琴「でもさ、桃太郎って垣根なんでしょ?」

垣根「あぁ」

美琴「なんだかかなりチートだよね」

垣根「違うんだよ・・・人間ってのは仲間がいてこそ本当に強くなれる、それを伝えるんだ」

ゴーグル「中々いいテーマじゃないっすか」

垣根「だろ?」

上条「・・・はぁ、俺は最後には負けるからなぁ・・・」

心理「何かカッコイイ捨て台詞でも考えてたら?」



91 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:33:07.11 ID:kyykcQOg0
上条「そうだな・・・」

美琴「上条死すとも自由は・・・」

上条「おかしいからな・・・」

垣根「まぁ話の大筋は変えずにな」

珍しく垣根がまともに話題を進めていく

上条「・・・なんだか今日は大人しいんだな」

心理「あら、家ではいつもこんな感じだって言ってるじゃない」

ゴーグル「というか・・・こっちの垣根さんが俺にとっては普通ですね」

上条「そうなのか・・・」

垣根「どっちも普通なんだよ」

台本を読み返し、垣根が眉をひそめる

体験入学でやって来た学生が喜んでくれなければならない

なんとしてでも拍手の渦を巻き起こしたいのだから

美琴「ふにゃあ・・・当麻ぁ」

上条「こら・・・今は話し合いしてるんだから」

美琴「・・・当麻、私のこと嫌いなの?」



92 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:34:02.76 ID:kyykcQOg0
上条「大好きだけど今は人前だから!」

フレンダ「・・・」

美琴「えー・・・私は人前でもいいんだよ?」

上条「ダ、ダメだから!」

心理「甘える美琴も可愛いわね」

ワインを飲みながら、心理定規が笑う

上条「甘えるのは可愛いけど・・・たまにしつこいんだよ」

美琴「!?」

上条「な、なんでそんなに驚いたようなリアクションしてるんだよ!?」

美琴「しつこいの!?」

上条「気づいてなかったのか!」

垣根「・・・桃太郎をチョイスしたのがそもそも間違いだったか?いやだが・・・」

フレンダ「ねぇ、ゴーグル・・・」

ゴーグル「なんすか」

フレンダ「・・・私のこと、好き?」

ゴーグル「人並みには」



93 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:35:02.17 ID:kyykcQOg0
フレンダ「もーっと分かりやすく言ってほしい訳よ!」

フレンダがゴーグル男の腕を抓る

ゴーグル「痛い痛い!」

心理「あらあら、仲良しじゃない」

ゴーグル「笑ってないで助けて下さいよ!」

心理「助ける?どうして?」

ゴーグル「俺はめちゃくちゃ困ってますから!」

垣根「スーパーピンチクラッシャーが助けてくれるって」

ゴーグル「ないっすから!」

フレンダ「ねぇ!」

ゴーグル「あぁもう!フレンダさんが俺に対するのと同じくらいじゃないですか!」

フレンダ「//」

ゴーグル「なんでそこで赤くなるんすか!なんか怖いです!」

美琴「当麻の馬鹿・・・しつこくないもん」

上条「いやいや!普段はめちゃくちゃ可愛いからな!?」

心理「ふふ・・・これは中々面白い空間ね」



94 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:35:44.55 ID:kyykcQOg0
垣根「だー・・・なんできびだんご食べたら力が強くなるんだよ、スッポンの血でも入ってるのか」

上条「垣根!ワイン持ってきたのはお前だからな!お前が収拾つけろ!」

垣根「うるせぇな!今は劇に集中したいんだよ!」

上条「だったらなんでワイン持ってきたの!?」

垣根「・・・そうだな、やっぱりギャグも入れていかないと・・・」

上条「聞いちゃいねぇ!」

美琴「当麻・・・ね、当麻・・・したい」

上条「何を!?」

フレンダ「にゃっはっは!フレンダ様が来たからにはもう安心な訳よ!」

ゴーグル(静かに飲みたかった・・・)

上条「おい垣根!どうすればいいんだよこの状況!?」

垣根「お前らちゃんとカレーも食べてくれよな」

心理「そうよ、さすがに余るとキツイんだから」

上条「聞けよ!あとそんなところで生活感を醸し出すな!」

美琴「んっ・・・当麻・・・」

上条「うわぁ!垣根!寝室とゴムを借りてもいいですか!?」



95 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:36:29.18 ID:kyykcQOg0
垣根「てめぇ!今は劇の話し合いだって言ってるんだよ!」

上条「それどころじゃないんだよ!」

心理「はぁ・・・近所迷惑ね」

上条「心理さん!アンタ最近ボケになってきてないか!?」

ゴーグル「上条さんは元気っすね」

上条「元気じゃなけりゃツッコミなんて・・・」

垣根「あぁもう!お前らうるせぇんだよ!」

垣根が足を机に叩きつける

バン!という大きな音に、一同が静まり返る

美琴「ビ、ビックリ・・・」

垣根「酒ばっか飲みやがって・・・」

上条「お、お前が持ってきたんだよな?」

垣根「こっちは真面目に頭働かせてんだよ」

フレンダ「だ、だけど・・・」

垣根「騒ぎたきゃ動物園にでも行けよ」

垣根が台本を読み直す


96 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:37:12.98 ID:kyykcQOg0
上条「な、なんかいつになく真面目だな・・・」

垣根「俺が主人公なんだ・・・そりゃ真面目にもなるさ」

上条「やっぱりお前不真面目だろ!」

ゴーグル「でも劇なんて・・・」

垣根「何事にも全力で取り掛かるのが男なんだよ」

心理「違うと全力でツッコみたいわね」

垣根「上手くないからな」

美琴「・・・だって、当麻は負けちゃうんでしょ?」

垣根「鬼が負けないでどうする」

ゴーグル「そこは変えないんですね」

垣根「てか俺が負けてどうする」

フレンダ「なんていう自己中・・・」

垣根「・・・お前ら、まだ起きてられるか」

上条「だ、大丈夫だけど」

美琴「どうかしたの?」

垣根「高いクオリティーのものを作るには時間が必要なんだよ・・・」

上条「ま、まさか・・・」


垣根「今日は徹夜でシナリオ考えるんだからなぁ!」

一同「不幸だぁぁ!」



97 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:38:00.62 ID:kyykcQOg0

とある学校の体験入学



上条「・・・体験入学ってこんなに人が集まるもんだったか?」

体験入学一日目

上条の通う学校の前には長蛇の列が出来ていた

何か特別な催し物がある時の遊園地か、と思わせるほどの賑やかさだ

ちなみに、体験入学は一度、去年の10月辺りにやっている

その時はほとんど人は来なかった

上条の通う学校なんてその程度の人気のはずなのだ

土御門「にゃー、垣根万々歳ってことだぜぃ」

青ピ「校長とかは大喜びやろうなぁ」

吹寄「全くよね」

姫神「・・・でも。正直私のような地味な女にはキツイ」

土御門「更に埋もれるからにゃー」

垣根「おー、集まってる集まってる」

上条「おっす」

垣根と心理定規が教室に入ってくる



98 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:38:31.84 ID:kyykcQOg0
よくもまぁあんな状態の正門から入ってこれたものだ、と感心する

上条「混んでなかったか?」

垣根「空に渋滞はありません」

上条「飛んできたのかよお前は!」

心理「楽しい朝だったわよ」

上条「・・・ま、まぁいいや」

クラス全員が窓際に詰め寄っている

正門に並ぶ人だかりを見つめているのだ

青ピ「あっはぁ!可愛い子がたくさんおるでぇ!」

土御門「にゃー、垣根が目当てなんだから女子率はすげぇな」

吹寄「はぁ・・・やましい気持ちを抱えて体験入学ね・・・」

姫神「・・・埋もれちゃう」

上条「まぁまぁ・・・頑張っていこうぜ」

垣根「劇は明日なんだしよ」

土御門「あー!緊張するぜよ!」



99 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:39:02.55 ID:kyykcQOg0
青ピ「ホンマやな・・・」

垣根「緊張するな、お客さんが全部大統領だと思ってみろ」

上条「むしろ逆効果だ!」

垣根「Yes we can」

上条「出来ないから!」

姫神「・・・今日は普通の授業風景を見せるだけ」

吹寄「・・・みんな真面目にやりなさいよ」

土御門「分かってますたい」

青ピ「でもあんまり堅苦しいのもどうなんやろ?」

上条「いいんだよそれくらいが・・・にしてもホント多いな」

垣根「学校も特別に欠席を許可してるみたいだぜ?」

心理「超能力者に接する機会なんだから、当たり前よね」

上条「・・・なんだか格差を感じるな」

吹寄「・・・垣根はいつも超能力者って感じがしないものね」

土御門「にゃー、ただの馬鹿だぜぃ」



100 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:39:45.46 ID:kyykcQOg0
青ピ「自然体やからね」

姫神「そんなところが素敵なんだと思う」

垣根「土御門、あとで屋上な・・・姫神はあとで保健室だ」

心理「何をするつもりよ」

土御門「さーて・・・そろそろ授業の時間だにゃー」

垣根「めんどくせぇ・・・」

チャイムが鳴り響く

それを聞いた学生達が、まるで訓練でもしていたかのように綺麗に着席する

普段なら決してこんなことはないのだが、今日ばかりは仕方ない

小萌「皆さんおはようございまーす」

青ピ「あっはぁ!おはようございます小萌センセ!」

垣根「・・・朝からそんな甘ったるい声聞かされるとやる気無くすな」

小萌「ひどいのですよ垣根ちゃん」

垣根「・・・はぁ、これが教師だって知らない連中も来るんだぜ?」



101 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:40:12.51 ID:kyykcQOg0
吹寄「学校が子供を誘拐してるみたいね」

青ピ「監禁されるロリ!?」

上条「あぁもう!話が進まないから先生どうぞ!」

小萌「か、上条ちゃんがいつになく真面目なのですよ!」

上条「こっちだってさすがにこの雰囲気の中じゃふざけられないんだよ!」

正門の前の列は、更に長さを増している

ここまで来ると、まるでアイドルのコンサート会場のようだ

上条「あれだけの数の女子学生が、恐らくこの教室目掛けてまっしぐらだ!」

小萌「すごいことなのですよ!」

上条「すごいとかじゃない!なんでそんなマイペース・・・」

心理「あら、慌てたところで頭が良くなるわけじゃないわよ?」

垣根「馬鹿は馬鹿らしく馬鹿やってりゃいいんだ」

上条「馬鹿馬鹿言うな!大体なんでみんなは頷いてるんだ!」

姫神「上条君。あなた疲れてるのよ」

上条「ここでそれを!?」



102 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:40:58.95 ID:kyykcQOg0
土御門「にゃー、慌てなくてもなるようになるって、カミやん」

上条「マジかよ!?」

小萌「とち狂った上条ちゃんはほっといて出席を取りますよー」

上条「とち狂った!?」

小萌「青髪ちゃん」

青ピ「はいはーい!」

上条「もうダメだこのクラス!」

上条が頭を抱え、机に突っ伏す

長蛇の列は、正門に立っている整理員を押しのけ、無理矢理学校に入ってきたようだ

もう、賽は投げられたのだ

ルビコン川が三途の川に思われる

上条「あぁもう!」


上条「不幸すぎんだろ!」

一同「うるせぇ上条!」



103 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:41:25.78 ID:kyykcQOg0



美琴「・・・なんでアンタも来たのよ」

黒子「あら、わたくしも超能力者の授業風景を見てみたかったんですの」

美琴「本音は?」

黒子「今日の授業はつまらないので、抜け出すいい口実に・・・」

美琴「やっぱりね・・・」

常盤台中学の制服を着た二人は、列の波から離れた場所にいた

どうやら正門が開いたらしく、たくさんの学生が猪のように校内に突進していく

黒子「まぁまぁ、野蛮ですこと」

美琴「仕方ないんじゃない?超能力者なんて生で話せる機会、普通はないんだから」

黒子「ですが・・・あまりにも節操がありませんわ」

美琴「同感よ・・・」

美琴が大きくため息をつく

彼女がここに来たのは、上条の傍にいるためだ

超能力者の授業風景なんて彼女はよく知っている

ゲコ太をノートに書きながら適当に話を聞く、そんなものなのだ


104 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:41:52.52 ID:kyykcQOg0
黒子「・・・あのほとんどが一つの教室目当てですのね」

美琴「怖いわよね・・・床とか抜けたりして」

黒子「・・・有り得ないとは言い切れませんの」

美琴「とりあえず私達も行きましょう」

黒子「気が進みませんが・・・」

美琴「私もよ・・・」

初春「あれ、御坂さんと白井さんじゃないですか!」

黒子「あら?初春?」

美琴「久しぶり・・・佐天さんもいるんだ」

佐天「いやぁ!超能力者の授業風景が見られるっていうから来たんです!」

美琴「や、やっぱり」

佐天「でもすごい人数ですね・・・」

黒子「ここの生徒より明らかに多いですの」

初春「人口密度がすごそうですね・・・」

佐天「そういえば、なんで二人はここに?」



105 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:43:09.96 ID:kyykcQOg0
黒子「学校を抜け出す口実ですの」

美琴「当麻に会うため」

初春「・・・二人とも、普通とは違う理由なんですね」

佐天「さすが・・・」

黒子「・・・大体、垣根さんの普段の行動など見慣れていますの」

美琴「今更あれから学ぶことなんてないわよ・・・」

佐天「そっか!二人は垣根さんと友達なんだっけ」

美琴「そうそう・・・でも佐天さんも話したことくらいはあるんじゃない?」

佐天「ありますけど・・・でも優しい人ってイメージしかなくて」

美琴「優しい・・・ねぇ」

黒子「間違いとは言いませんが・・・」

初春「優しくないです!!怖い人です!!」

佐天「そうかな?」

美琴「・・・とにかく、二人が期待しているような授業態度じゃないと思うわよ」

黒子「そうですのよ」

佐天「まぁまぁ、それでもやっぱりこの高校って面白そうじゃないですか」

初春「私達の学力でも十分行けそうですからね」

美琴「あぁ、なるほどね・・・」



106 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 17:48:48.97 ID:kyykcQOg0
黒子「はぁ・・・では行きましょうか」

初春「この人数だと、整理券でも配られるんですかね」

美琴「そうなるんじゃない?」

佐天「・・・みんな垣根さんのクラスに行くんだろうなぁ・・・」

黒子「当たり前ですの・・・」

美琴「・・・すっかりみんなの人気者よね・・・」

佐天「だって大覇星祭であれだけ面白いアナウンスしてるんですから」

初春「お偉いさんは眉をひそめてますけどね」

黒子「・・・はぁ、もう少し節操を・・・」

美琴「いいじゃない、私達だってそれ見て楽しんでるんだし」

美琴がぐっと伸びをしてから、校門をくぐる

黒子「・・・わたくし達ももちろん上条さん達のクラスに行きますの」

美琴「そうね・・・」

少し汚れた校舎を、四人が見上げる


美琴「・・・体験入学なんて何回目なのよ・・・」


107 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 18:07:16.80 ID:kyykcQOg0

上条「・・・来た来た・・・」

教室の前後にあるドア

そのガラス越しにでも分かるほど、教室の前には行列が出来ている

出来る限り声は抑えているのだろうが、それでも女子達の話し声が聞こえる

青ピ(なんやすごいなぁ・・・)

吹寄(・・・文化祭のときより人が集まってるわね)

心理(・・・なんか面白いことになりそう)

姫神(私が埋もれる)

土御門(にゃー、こりゃ先生達は大忙しだぜよ)

上条(・・・無事に終わればいいんだけど・・・)

垣根「あーあ、かったりーかったりーかったりーなー」

上条「・・・」

この行列の原因である垣根は、大して興味もなさそうに机に突っ伏している

今は朝のホームルームが終わった直後だ

先生が教室から出るときでさえ、なぜか廊下の女子達は歓声を上げていた

もう少しで授業が見られるのだから、無理もないが

垣根「なぁ、悲しくなるしりとりやろうぜ・・・」

心理「少しは真面目になりなさいよ・・・模範的生徒でありなさい」


108 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 21:08:48.25 ID:kyykcQOg0
垣根「だってさぁ・・・真面目な雰囲気とかイヤだぜ俺・・・」

上条「いや・・・昨日の夜はかなり真面目だったじゃないか」

垣根「うるせぇ・・・あぁ、うるせぇ・・・」

垣根がドアの外を睨みつける

そこには恐らく垣根を目的にしてきた女子学生がわんさかいるのだろう

なんとなくだが、彼はそういうのにイラつきを覚える

垣根「なぁ・・・ブームってのは無理矢理作り出されるんだろうな」

姫神「何を言っているの」

吹寄「?なんか垣根がナイーブね」

土御門「にゃー、でも仕方ないぜよ」

青ピ「・・・ボクは楽しみなんやけどな」

垣根「面倒なんだよこういうのは・・・」

垣根が頬を膨らませる


垣根「あーあ・・・めんどくせぇな・・・」



109 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/17(木) 21:11:31.79 ID:kyykcQOg0
今日はここまで

筋肉動画はお休み

どうも風邪をひいたみたいで、漫才の映像ばっか見てます

やっぱいとしこいしさんとダウンタウンとやすきよはレベルが違いますね

本当に面白い

ではおやすみなさい


110 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:52:59.70 ID:5gQ/EMvg0
上条「・・・さて、一時間目だな」

垣根「もうやだ・・・」

学校に、チャイムの音が鳴り響いた

その瞬間、ドアが勢いよく開かれた

「!いたいた!」

「すっごーい!本物だ!」

「静かにしなさいよ!」

女子学生が次々と入ってくる

先程までクラスの仲間しかいなかった教室が一転して賑やかになる

授業が始まった途端にこれだ

心理(・・・はぁ、確かにこれはイヤになるわね)

姫神(・・・私が。空気になっちゃう)

吹寄「・・・騒がしくなったわね」

垣根「全くだ」

小萌「はいはーい!先生の話をしっかり聞いて下さいね!」

青ピ「はーい!」


111 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:53:37.97 ID:5gQ/EMvg0
土御門「にゃー、気にせず頑張るぜぃ」

一同がノートを広げる

だがやはり、教室の後ろから聞こえる黄色い悲鳴が気になる

小萌「このESPカード実験において・・・」

上条「・・・」

小萌「よって、これは・・・」

垣根「・・・なぁ小萌・・・先生」

小萌「なんなのですか垣根ちゃん?」

垣根「こう・・・あれだ、もう少し分かりやすく説明してくれ」

小萌「でも、これでも簡単にしてるんですよ?」

垣根「一応中学生も来てるんだからよ・・・」

「聞いた!?カッコイイ!」

「私達に気遣ってくれてる!」

吹寄(・・・垣根、貴様あんまり発言しないほうがいいわよ)

垣根(・・・そうだな)


112 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:54:09.38 ID:5gQ/EMvg0
上条「なぁ先生・・・それって結局なんなんだ?」

小萌「ですから、これは・・・」

小萌が何かよく分からないことを黒板に書いていく

青ピ「・・・なんなんやこれ?」

土御門「・・・つまり、メイドはすげぇってことだにゃー」

小萌「土御門ちゃんはあとでコロンブスの卵なのですよ」

土御門「にゃー!」

垣根「・・・あーあーつまんねぇ」

垣根が机に突っ伏す

気を張ってもそんなもの、すぐさま切れてしまう

わざわざ女子学生の前でいい格好をする必要もない

心理「・・・ねぇ、もっと中学生のためになるような話をして下さい」

小萌「・・・じゃあこの学校について説明しますよ」

姫神「そういうのを。待っていた」

吹寄「・・・でもなんだか授業じゃないわよね」

青ピ「えぇやんえぇやん」



113 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:54:49.50 ID:5gQ/EMvg0
上条「はぁ・・・なんだか違う気がする」

上条が校庭を見つめる

別のクラスの生徒がサッカーをしている

上条「・・・あ・・・あれ!?」

垣根「何大声出してんだよ上条・・・」

上条「美琴がいたんだよ!」

垣根「あぁそうかいそりゃよかったな・・・」

上条「なんだよ・・・わざわざ俺に会いに来て・・・」

小萌「上条ちゃーん」

上条「ん?なんですか先生・・・」

小萌「授業中に大声を出さないでくださいねー」

上条「」

ニコニコとしながら、上条を見つめる小萌

後ろに並んでいる女子学生も、何かヒソヒソと上条を指差しながら笑っている

いきなり授業中に大声を出したのだから、笑われても仕方ないだろう

小萌「上条ちゃん、後でお説教なのですよ」

上条「ふ、不幸だ・・・」

上条が肩を落とす

教室に、苦笑いだけが響いた


114 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:55:25.08 ID:5gQ/EMvg0

美琴「・・・ここからもかなり人が多く見えるわね」

黒子「本当ですわね・・・」

まだ、四人は校舎の外にいた

中に入ろうとは思ったものの、まず校舎の入口さえもが混んでいるのだ

靴箱の周りには入り切らなかった靴が乱雑に置かれている

佐天「・・・なんだかすごいんですね」

初春「でもこれじゃ進めないですよ・・・」

美琴「仕方ない・・・どっか別の入口でも探してみる?」

黒子「そんなものがあるのでしょうか」

表の入口は全てこんな状況だ

どこか別の入口を探す以外にない

黒子「・・・なら、屋上はいかがでしょう」

美琴「屋上?」

黒子「わたくしが空間転移で送りますから」

初春「じゃあそれ、お願いします!」

黒子「初春だけは送りませんの」


115 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:56:17.45 ID:5gQ/EMvg0
初春「な、なんでですかぁ!」

黒子「冗談ですの・・・先にお姉さまから送りますので、二人は少しだけ待っていて下さいな」

佐天「はーい!」

黒子「では、お姉さま」

美琴「うん」

二人が屋上に移動する

美琴と黒子が、二人きりで

黒子「ふふふ・・・」

美琴「な、何よ?」

屋上に到着してすぐ、黒子はまた二人の元へ帰るものだと思っていた

だがなぜか、黒子は美琴の後ろで怪しく笑っている

黒子「お姉さまー!」

美琴「ここでか!」

ぎゅっ、と黒子が美琴に抱き着く

その胸を服の上から撫で回し、よく意味の分からない笑顔を浮かべている

美琴「ちょっと・・・んっ・・・」


116 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:56:53.86 ID:5gQ/EMvg0
黒子「な、なんですの!?まさかここまで感じやすい・・・」

美琴「違ーう!」

ビリビリ、と美琴が電撃を放つ

黒子「あぁぁぁ!これが気持ちいいんですのぉ!」

美琴「あぁもう!アンタは削板がいるでしょ!」

黒子「この思いは止められませんの!」

美琴「黒子!」

黒子「あぁん!」


佐天「・・・ねぇ、なんで白井さんは帰ってこないのかな?」

初春「御坂さんと一緒にいるんですよ?」

佐天「あぁ・・・なるほどね」

初春「きっと今頃白井さん、御坂さんに電撃撃たれてますよ」

佐天「うーん」

佐天が屋上を見上げる

何かピカリと光るものが空を駆けた

佐天「あれも青春・・・なのかな」


117 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:57:28.33 ID:5gQ/EMvg0

上条「・・・休み時間だな」

垣根「休み時間だな、逃げよう」

心理「見なさい、あの廊下の混み具合」

授業の終わった教室

小萌が授業の終わりを伝えた瞬間、並んでいた女子学生が一斉に垣根の元に駆け出す

ちなみに、何人かが上条の元に駆け寄ったのに周りのクラスメイトは驚いている

「垣根さん!サイン下さい!」

「握手お願いします!」

垣根「はいはい並んで並んで・・・」

上条「人気だな・・・」

吹寄「ホント・・・貴様は人気よね」

土御門「カミやんも人気やで」

上条「どこがだよ!」

姫神「なら君の元に集まってきた女子学生は何」

青ピ「ホントやで!うらやましいわぁ!」

上条「いやいや!だったら垣根を羨ましがれ!」



118 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:57:54.21 ID:5gQ/EMvg0

心理「・・・はぁ、ちょっと外の空気を吸って来るわね」

垣根「おう」

人混みを視線だけで掻き分け、心理定規が外に向かう

下の階まで行列が繋がっているため、ついつい屋上に向かってしまう

心理(はぁ・・・垣根が人気なのは嬉しいけど、なんだか複雑なのよね)

ため息をつきながら心理定規が階段を登る

心理(・・・ヤキモチかしら、情けないわ)

ゆっくりと屋上のドアノブを捻る

それを開けると眩しい日差しが心理定規を照らし


美琴「ちょっと・・・ぁっ・・・」

黒子「お、お姉さま・・・美しいですの・・・」

怪しい二人が目に入った

黒子の細い指が美琴の柔らかな乳房を服の上からなぞる

流れていく、少し淫らな汗がワイシャツをべたつかせる

体をくねらせる度、まるでそれは更なる刺激を求めているように見えてしまう


119 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:58:20.31 ID:5gQ/EMvg0
服の上からうっすらと見える胸のライン

そして、短パンの中の恥部が何か嫌な熱を

心理「何やってるのあなた達」

帯びる前に、心理定規がツッコミを入れる

美琴「!こ、これは・・・」

心理「黒子、あなた美琴にちょっかい出さないでよ」

美琴「そうよそうよ!」

心理「私のものなんだから」

美琴「え?」

黒子「な、なんですってー!?」

心理「冗談よ・・・大体なんであなた達はこんなところにいるのよ」

美琴「それは・・・ほら、下の階がかなり混んでるじゃない」

黒子「ですから、わたくしがお姉さまをここまで・・・」

心理「だったらさっさと校内に入って来ればいいじゃない」

黒子「下にあと二人、友人がいますの」

心理「はぁ・・・だったらさっさと連れて来なさいな」



120 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:58:51.19 ID:5gQ/EMvg0
黒子「!忘れてましたの!」

黒子が校庭に空間転移する

残された二人がため息をついてから顔を見合わせる

心理「・・・とりあえず、いらっしゃい」

美琴「うん・・・」

心理「大変ね、あなたも」

そんなことを言いながら心理定規が腕時計を見つめる

心理「・・・もうそろそろ授業ね」

美琴「じゃあまた後でね」

心理「えぇ、後で」

手を振りながら心理定規が屋上を後にする

美琴「・・・なんだか」

ぽつり、と一人で美琴が呟く


美琴「体験入学・・・不安になるわよね、毎回」



121 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 15:59:33.97 ID:5gQ/EMvg0

垣根「お、常盤台中学の子か」

「お、覚えていて下さったのですか?」

まだサインなどを求められている垣根

今彼が話しているのは、常盤台の女子学生だった

さすがお嬢様なだけあって、他の生徒とは違う

靴も袋に入れて持参し、また制服もしっかりと着こなしている

垣根「やーっぱお嬢様は違うな・・・清々しい」

「あ、ありがとうございます!」

垣根「授業はどうだ?常盤台よりレベルが低くて退屈だろ」

「そ、そんなことありませんわ!」

「そうですわ!垣根さんの授業態度や上条さんの素晴らしいお冗談、とてもためになりますわ!」

上条「お、お冗談」

垣根「ははは!お冗談だってよ上条!」

上条「ひでぇ・・・」

「御坂様とお付き合いされておられるだけありますわ!」

上条「あぁそうね・・・」

土御門「にゃー!カミやんの裏切り者!」


122 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 16:00:07.00 ID:5gQ/EMvg0
青ピ「女子にそうやって絡まれるなんて羨ましいわぁ!」

上条「い、いや!」

姫神「上条君は。そういう星に生まれたんだから仕方ない」

吹寄「・・・クラスメイトとして情けないわ」

上条「そこまで言うか!?」

垣根「・・・まぁ、授業だけじゃなくて色々楽しんでくれよ」

「は、はい!」

お辞儀をしてから常盤台の生徒が教室の後ろに下がる

垣根「・・・で、次は何の授業なんだ」

心理「じゃじゃーん、心理定規ちゃんが帰ってきたぞ」

垣根「・・・」

心理「・・・」

心理定規が勢いよく教室に帰ってきた

しかも何やらよく分からないことを言いながら

垣根「お前、どうしたわけ」

心理「ちょっとあなたの目を引き付けたくて」


123 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 16:01:00.67 ID:5gQ/EMvg0
垣根「頼むからやめてくれ・・・もう頭がおかしくなる」

上条「・・・心理さん、早く着席してくれ・・・」

心理「なんだかスベったみたいでイヤなんだけど」

垣根「うるせぇ・・・真面目にやれって言ったのはお前だろ」

心理「はぁ・・・分かったわよ」

心理定規が自分の席に座る

次の授業は自然というもののようだ

垣根「てかさ、自然なんて科目初めて聞いたぞ」

吹寄「なんでも、来年から試験的に開始するみたいで・・・」

姫神「今回はうちの学校が実験台みたい」

青ピ「まぁ、楽しいんならええんやけど」

垣根「つまらなそうな授業だなおい・・・」

心理「ホント・・・退屈だわ」

吹寄「ほら、しっかりしなさいよ」

垣根「ちくしょう・・・分かったよ」

垣根が椅子にしっかりと座る

垣根「授業やろうぜ授業!」

一同「おう!」



124 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 16:01:33.75 ID:5gQ/EMvg0

佐天「あ、帰ってきた」

黒子「お待たせしましたの・・・」

初春「御坂さんとじゃれてたんですか?」

黒子「そうですの!途中で邪魔が入らなければ・・・」

佐天「白井さん、彼氏もいるんだからそろそろ御坂さんも卒業・・・」

黒子「無理ですの!」

初春「白井さん、いい加減にしないと御坂さんに嫌われますよ?」

黒子「嫌われませんの!お姉さまはわたくしを実は愛しておられますから!」

佐天「どうかなぁ・・・御坂さんは案外、束縛する人は嫌いなタイプだと思うけど」

ニヤニヤ笑いながら、佐天が呟く

黒子「お、お姉さまは常に上条さんと束縛し合っていますの!」

佐天「愛があるからこそだと思うけどなー」

初春「そうですよ、愛のない束縛なんてただの鎖です」

黒子「わ、わたくしは・・・」

初春「それより早く屋上に連れていって下さい」


125 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 16:02:02.34 ID:5gQ/EMvg0
佐天「あぁそうだった!忘れるとこだったよもう!」

黒子「はいはい・・・」

黒子が二人の肩に手を乗せ、自分ごと転移する


美琴「やっと来たわね」

黒子「無駄話をしすぎてしまいましたわ・・・お姉さま、申し訳ありませんの!」

美琴「アンタはむしろいないほうが安全なんだけど」

佐天「そんなことありますよ!」

黒子「ひどいですの二人とも!」

初春「そんな当たり前のことを話してないでさっさと教室に行きましょう!」

黒子「当たり前とは失礼すぎますの!」

美琴「早く、私は当麻に会いたいのよ!」

佐天「超能力者の授業風景かぁ・・・なんだか楽しそう!」

初春「私達も参考にしないといけませんね!」

美琴「当麻の真剣な顔かぁ・・・カッコイイわよね!」

キラキラ顔を輝かせながら、三人が屋上のドアを開ける

黒子「・・・あの、わたくし・・・」

美琴「ありがとう黒子、もういいわよ」

黒子「ひどいですの!」

美琴「ほら、早く来なさいよ」

黒子「!わ、分かってますのよ!」


126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/18(金) 20:03:35.88 ID:8/0ITFs8o
黒子くろくろ
127 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 20:36:42.74 ID:5gQ/EMvg0

垣根「・・・なぁ」

上条「・・・分かってる、つまらないんだろ?」

教室の中は、なんとも微妙な空気になっていた

自然、という授業はその名の通り、自然について学ぶものだった

学園都市は現在、緑化計画やら温暖化対策やらに力を入れている

学校でもそれらの取り組みを積極的に行いましょう、というのが統括理事会の考えらしい

よって、彼らは常識とも言えるようなことを一から教えられている

温暖化の原因や、その対策法など

土御門「にゃー・・・俺達だって自然のことを考えてるんだぜぃ?」

小萌「じゃあどんなことをしているのか、土御門ちゃん言ってみてください!」

土御門「空き缶はゴミ箱に」

小萌「当たり前なのですよ!!」

吹寄「でも先生・・・これは、さすがに高校生にもなって学ぶことではないかと・・・」

小萌「仕方ないのです!!」

青ピ「なんや、せっかくの体験入学やのに」

心理「地味すぎるわよ・・・」

吹寄「・・・自然は大切なんだから、しっかり聞きなさい」



128 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 20:39:38.98 ID:5gQ/EMvg0
垣根「大切なのは分かってるけど、地味なんだよ」

垣根がノートに何かを書き込む

垣根「自然について人間が考えました、そしたらどうなる?」

上条「?そりゃ、自然が増えて・・・」

垣根「そんな簡単に行くかよ・・・」

どうやら、何かの絵を描いているようだ

垣根「見ろ、まず人間がもっともやることといえばゴミの分別だ」

吹寄「そうね」

垣根「で?ゴミの総量は減ったわけ?」

吹寄「・・・でも、燃やしてはいけないゴミをしっかりと分ければ・・・」

垣根「不法投棄だって増える、それに大した変化はないかもしれないんだぜ?」

姫神「・・・たしかに」

青ピ「せやけど、やらないよりはマシなんやで?」

垣根「マシな方法を考えなきゃならないんだよ・・・大体な、無駄な建物が多すぎるんだよ!!」

心理「たとえば?」

垣根「パチンコ店なんてそうだろ、ずーっとネオンピカピカ光らせてるし!!俺ももっと輝きたい!!」

上条「・・・いや、それは違うぞ」


129 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 20:42:33.77 ID:5gQ/EMvg0
垣根「と!に!か!く!人間はまるで自然の管理者、みたいな言い方をやめるべきだな、うん」

上条「はぁ?」

垣根「自然が壊れていきますー、自然を大事にー、じゃねぇんだよ!!」

心理「なんだか元気ね」

垣根「俺達だって自然の一部だよ!?自然が壊れりゃ人間だって壊れる!!」

青ピ「よっ!!大統領!!」

土御門「じゃあどうしろって言うのかにゃー?」

垣根「まずはこの授業が無意味だ!!よって自由時間に・・・」

小萌「垣根ちゃん、それ以上ぬかしやがったらスケスケミルミルですよー」

垣根「やってやろうじゃねぇか!!」

吹寄「やめなさいよ・・・ほら、体験入学の生徒もちょっと怖がってるし」

垣根「怖くないよ俺!!オレ、ミンナノトモダチ!!!」

上条「はぁ・・・でもたしかにこの授業は地味だよ先生・・・」

小萌「じゃあどうすればいいのですか?」


130 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 20:45:28.49 ID:5gQ/EMvg0
垣根「うーん・・・そうだな」

垣根が顎に手を当てる

垣根「あれだ、もっと話すだけじゃなくてディベートしようぜディベート」

上条「お、それは楽しそうかな」

吹寄「自然を守る派と、バンバン開発する派に分かれるのね」

垣根「俺は後者な」

心理「さっき自然について熱く語ってたじゃない」

小萌「そういう勝手は許さないのですよ!」

垣根「だー!!上手く誤魔化せそうだったのに!!」

土御門「先生は堅いんだにゃー、もっと体験入学の生徒を楽しませようぜぃ」

小萌「もちろん、楽しませるつもりなのですよ!!明日!!」

垣根「明日は劇やるから楽しいに決まってんだよ!!」

上条「はぁ・・・授業なんてつまんねぇ・・・」

上条が机に突っ伏し、校庭を見つめる

そこにはもう、美琴の姿はない


上条「早く来てくれよ美琴・・・」


131 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/18(金) 20:50:07.59 ID:5gQ/EMvg0
今日はここまで

筋肉動画はこちら

驚異的なバルク、伝説とも言われている「バーティル・フォックス」

当時としては素晴らしすぎるバルク、更に完璧と言ってもいいシンメトリーやカット

前時代的でありながらも、大きさを兼ね備えていました

1998年、フィアンセとその母親を殺害

終身刑を言い渡されています

どうしてそんな事件を起こしたのでしょうか

http://www.youtube.com/watch?v=HrWnr0syHlk  

上半身が完璧に近いですね

ではおやすみなさい


132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/18(金) 22:04:01.22 ID:+c/HnLTIO
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 00:27:27.51 ID:U0r/RHeYo
乙なんだよ!
134 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:18:17.22 ID:1ZRaQx4N0
美琴「うわ・・・なんか廊下も混んでるのね」

屋上から入ればすんなり教室に向かえる、と思っていた四人の思惑は外れた

見事なほど、四人が進もうとした道は塞がれている

黒子「このままでは進めませんわね・・・」

初春「・・・白井さん、ここからは空間転移できないんですか?」

黒子「こんなに人がいる所で出来るわけがありませんの」

佐天「じゃあこれは掻き分けて行かないと・・・」

美琴「よし!当麻に会うためよ!」

黒子「はぁ・・・あまり気が進みませんが!」

初春「私達も進みませんが!」

佐天「よーし行こう!」

並んでいる女子学生を掻き分け、四人が教室を目指す


上条「・・・あの、つまり温暖化ってのは昔の状態に戻すのは無理ってことか」

小萌「そうなのですよー」

青ピ「なんや、せやったら解決策なんてないやん」



135 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:18:44.87 ID:1ZRaQx4N0
小萌「少しでも進行を遅らせるのが目的なのです!」

垣根「あぁそうかよ・・・」

心理「・・・さっきからずっと温暖化の話ばかりじゃない」

吹寄「ダメとは言わないけど・・・たしかに、温暖化以外の問題も扱わないといけませんよ」

姫神「世の中には。採伐もある」

土御門「しっかり考えなきゃダメだにゃー」

上条「よーし、上手くまとまった!」

上条がガッツポーズをしたのと同時、授業終了を伝えるチャイムが鳴った

小萌「次は黄泉川先生の授業なのです」

吹寄「じゃあ・・・起立!」

吹寄の号令で、全員が立ち上がる

吹寄「姿勢、礼!」

やはり体験入学者の目が気になるのか、礼も深々となってしまう

上条「よっしゃあ!次は黄泉川先生だし、なんか面白い授業してくれるだろ!」

心理「あら、そうかしら」


136 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:19:11.01 ID:1ZRaQx4N0
垣根「・・・あぁ、めんどくせぇ」

再び、女子学生が垣根と上条の元に駆け寄る

もう慣れてしまった光景だ

誰も、何も言わない

男子は冷たい視線を浴びせ、女子はため息をついている

土御門「あぁ、羨ましい・・・」


美琴「当麻!いる!?」

土御門の台詞を遮り、ドアが開かれた

上条「おぉ!美琴、来たか!」

「み、御坂様よ!」

「やはりいらっしゃったのですわ!」

黒子「・・・あら、教室の中まで混んでいますのね」

初春「あ、垣根さんも本当にいるんですね」

垣根「よぉ・・・」

佐天「あちゃー・・・ちょうど授業終わったところだったかー!」


137 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:19:38.65 ID:1ZRaQx4N0
上条「みんな来てたのか・・・」

青ピ「なんやこれまた可愛い女の子が勢揃いやなぁ!」

佐天「あ!なんか見たことある気がする人達!」

土御門「・・・なんか見たことあるってひどいにゃー」

垣根「・・・ちっ、また面倒なことになったな」

垣根がため息をつく

美琴「何よ、面倒って言わないでよね」

垣根「・・・御坂、お前が来たら上条がハッスルしちまうんだよ!」

上条「そ、それの何が悪いんだよ!?」

美琴「そうよそうよ!」

垣根「うるせぇ!大体な!」

心理「ほら、授業始まるから静かにしなさいよ」

垣根「・・・ちっ」

垣根が時計を睨みつける

すでに休み時間は残り1分になった


138 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:20:06.61 ID:1ZRaQx4N0
姫神「はぁ・・・次の授業は楽しければいいけど」

吹寄「そんなこと言ったら、小萌先生に失礼よ」

青ピ「ボクはどっちの先生も好きやけどな」

初春「なんだか危険な人ですね」

青ピ「あっはぁ!ロリっぽい女の子にそんなこと言ってもらえるなんて最高や!」

佐天「な、何この人?」

垣根「あんまり関わるな・・・お前達まで汚れるぞ」

黒子「ところで次の授業は何ですの?」

垣根「黄泉川の授業だから、保健体育のはずなんだけどな」

心理「はず・・・ねぇ」

美琴「なんでそんな曖昧なのよ」

垣根「黄泉川って結構ふざけたヤツだから、授業とか勝手に変えるんだよ」

吹寄「そんなこと言わないの」

垣根「事実なんだよなぁ・・・」

土御門「にゃー、でも楽しければ関係ないぜぃ」


139 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:20:41.95 ID:1ZRaQx4N0
チャイムが鳴り、生徒が席に着く

佐天「私達は見てるだけですね」

美琴「当麻・・・座ってる姿も凛々しいわね」

黒子「もう重症ですわね・・・」

初春「彼氏さんにベタ惚れなのは仕方ないですよ」

美琴「ベ、ベタ惚れなんかじゃないわよ!」

黒子「ベタ惚れなのですわ」

美琴「冷やかさない・・・」

垣根「うるせぇ!ちょっとは静かにしろよベタ惚れ!」

美琴「ベタ惚れじゃないって言ってるでしょ!」

垣根「黙れよ!毎晩毎晩抱き合ってるくせに!」

美琴「だ・・・」

「だ、抱き合ってる・・・」

「さ、さすが御坂様ですわ・・・」

黒子「み、みなさん!これは垣根さんの冗談ですの!」

垣根「冗談ねぇ、よく言うぜ」

机に天使を書きながら、垣根が呟く

かなり退屈そうだ


140 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:21:08.23 ID:1ZRaQx4N0
上条「・・・垣根、お前なぁ・・・」

垣根「あーあー・・・」

黄泉川「はーい!静かに!」

バァン!と勢いよくドアが開かれる

ニコニコとしながら入ってきた黄泉川は、何かクジのような物を持っている

垣根「ん?なんだよそれ」

黄泉川「いやぁ、普通の授業なんかしても面白くないじゃんよ」

上条「それで?そのワンダーボックスの中には何が入ってるんですか」

黄泉川「ここには、保健体育に関わる様々な問題の書かれたクジが入っている!」

心理「それで?引いた問題の答えを言えたらいいってわけ?」

黄泉川「ちょっと違うなぁ・・・今回は体験入学の生徒がいるじゃんよ!」

黄泉川がビシッと教室の後ろに並んだ生徒を指差す

黒子「?わたくし達が何か関係あるのですか?」

黄泉川「お前達、見学の生徒はみんな好きな生徒の隣に向かってほしいじゃん」

美琴「!」


141 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:21:43.55 ID:1ZRaQx4N0
真っ先に動いたのは美琴だった

もちろん目指すのは上条の隣

上条「・・・あ、あの?」

黄泉川「この学校の生徒と違う学校の生徒、二人が協力し合う素晴らしい授業じゃんか!」

黒子「な、なるほど」

「で、では私は垣根さんの隣に!」

「みんな!常盤台中学に負けたらダメだよ!」

「おー!」

黄泉川の説明を聞いた女子生徒が動き出す

実にほとんど全員が垣根の隣を目指している

吹寄「す、すごいわね・・・」

土御門「全く・・・ん?」

土御門が少し驚いたような顔をする

彼の机のそばに、黒子が立っている

黒子「あら、わたくしでは不満なのでしょうか」


142 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:22:10.60 ID:1ZRaQx4N0
土御門「そういうわけじゃないけどにゃー・・・」

上条「でも白井ってかなり頭いいんだろ?」

土御門「!これって競争なのかにゃー!?」

黄泉川「もちろん!勝ったら今日の宿題一人だけチャラにしてやるじゃん!」

そんな適当な提案でいいのだろうか

体験入学に来た生徒全員が首を捻る

だが、上条達は大喜びである

姫神「よし。私は頑張る・・・そこの常盤台の」

食蜂「私は吹寄と組むわ」

吹寄「よかった・・・食蜂は頭かなりいいから」

姫神「・・・じゃあ」

初春「私、そこの人と組みますね」

青ピ「なんやなんや!?ロリっ子がボクを指名してくれるなんて!」

初春「そういうこと、言わないで下さい・・・」

姫神「あ・・・」


143 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:22:41.85 ID:1ZRaQx4N0
垣根「佐天、俺と組まないか」

佐天「いいんですか!?」

垣根の一言に、他の女子生徒が肩を落とす

心理「・・・私はどうしましょう」

婚后「では私が組んで差し上げますわ!」

心理「あら、ありがとう」

姫神「・・・私は」

垣根「誰か姫神と組んでやってくれよ」

「で、では私が・・・」

常盤台の生徒が一人、手を挙げる

垣根「よし、他の生徒もペアは出来たみたいだぜ」

黄泉川「なら、早速始めるじゃんよ!」

黄泉川が一人目の生徒の前に箱を差し出す

黄泉川「さぁ!引くじゃんか!」

「よっしゃあ!」

男子生徒が箱に手を突っ込む


144 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:23:32.48 ID:1ZRaQx4N0
中のクジを一枚選び、それを読み上げる

「問題!ボクシングヘビー級・・・」

上条「ちょっと待ったぁ!」

上条が手を挙げる

黄泉川「はい、上条!」

上条「答えるんじゃないから!なんだよその問題!?」

黄泉川「いや、これから読み上げるじゃんよ」

上条「そうじゃなくて!明らかにただのアンタの趣味だろ!?」

黄泉川「何言ってるじゃんよ、これくらいじゃないと不公平・・・」

上条「おかしいから!授業じゃないよなこれ!?」

心理「上条君、気持ちは分かるけど我慢しなさい」

上条「マジかよ!?」

青ピ「ほら、続き続き」

「ヘビー級チャンピオン、カス・ダマトと・・・」

土御門「はいはい!」


145 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:23:59.24 ID:1ZRaQx4N0
黄泉川「はい、土御門!」

土御門「簡単だにゃー!マイク・タイソン!」

「ですが!」

土御門「なんでだよ!?」

土御門が机に突っ伏す

黄泉川「お手付きはその問題には答えられないからなー」

美琴「な、中々ハードね」

吹寄「・・・私、ボクシングとか全然知らないんだけど」

黒子「わたくしもですわ・・・」

食蜂「はぁ・・・能力使えば出題者の心読めちゃうんだけどなぁ」

垣根「・・・早く問題の続き」

「そのマイク・タイソンに代表される、親指を噛むように・・・」

初春「はいはい!」

黄泉川「はい、初春!」

青ピ「も、もしかしてボクシングとか詳しいん!?」


146 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:24:45.60 ID:1ZRaQx4N0
初春「マイク・タイソンって誰ですか!?」

青ピ「やっぱりそうに決まってるわなぁ!」

姫神「・・・はい」

黄泉川「他に誰か分かるヤツ!?」

姫神「あ。あの」

黄泉川「早く手を挙げないと時間制限じゃんか!」

姫神「私が手を挙げてる」

黄泉川「・・・はい、お前」

姫神「・・・なんだか辛辣」

黄泉川「で?答えをどうぞ!」

姫神「・・・実は分からない」

上条「だったらなんでお前は手を挙げたんだよ!?」

姫神「なんとなく。目立ちたかった」

垣根「あぁ分かった」

黄泉川「はい、垣根!」



147 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:25:39.09 ID:1ZRaQx4N0
垣根「ピーカブーだな」

黄泉川「正解!垣根と佐天に1ポイント!」

美琴「な、なんでそんなマイナーな問題なのよ!?」

黄泉川「いいじゃんか・・・次」

姫神「・・・次は。私が引く番」

姫神が一枚のクジを取り出す

姫神「問題。人間の体の中で、一番癌になる可能性が低いのは・・・」

美琴「はい!」

黄泉川「御坂!」

美琴「心臓!」

姫神「ですが」

美琴「ふにゃあ!?」

上条「黄泉川先生!アンタどんだけそのパターンが好きなんだよ!?」

黄泉川「はい、続き!」

姫神「乳癌には男性もなる。丸かバツか」


148 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:26:19.51 ID:1ZRaQx4N0
土御門「はい!」

黄泉川「土御門!」

土御門「にゃー!乳が男にはない、だからなるわけがないにゃー!」

黒子「な、何を言っておられます・・・」

黄泉川「ブッブー!男性だってなるじゃんか!」

土御門「何ぃ!?詐欺だ!名前が詐欺だ!」

黒子「はぁ・・・この場合は次の問題が答えられないんですのね」

黄泉川「はい、次!」

垣根「よーし、俺が引くか」

垣根が問題を読み上げる

垣根「筋肉増強剤として使用されるアナボリックステロイド、その使用に関しては日本で違法にはならない、丸かバツか」

上条(・・・当たる確率は半々だよな)

吹寄「はい」

黄泉川「吹寄!」

吹寄「使用だけならば、違法にはなりません」


149 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:26:48.79 ID:1ZRaQx4N0
黄泉川「正解!だからって使うなよ!」

上条「あぁちくしょう!テクパトルにテレフォンすればよかった!」

心理「そういうルールじゃないわよ」

黄泉川「次は上条が引く番じゃんか」

上条「はいはい・・・」

食蜂「・・・なんだか全然授業じゃないんだけど」

上条「えー・・・オリンピックの競技の中で、唯一動物を使用・・・」

美琴「分かった!」

黄泉川「お、上条よかったじゃんか!ペアの御坂が答えてくれるぞ!」

上条「美琴ぉ!」

美琴「乗馬なんでしょ!」

上条「正解!」

美琴が胸を張ると同時に拍手が巻き起こる

常盤台中学の生徒の何人かは、もう卒倒しそうにさえなっている

初春「御坂さん・・・本当に人気ですね」


150 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:27:19.02 ID:1ZRaQx4N0
青ピ「なんやドラマ見てるみたいやなぁ」

上条「はい、次はお前な」

青ピ「あぁそうやった」

青ピがクジを引く

変態が引くのはやはり変態な問題だ

青ピ「えー・・・人間が成長期などに、快感を求め自ら・・・」

上条「ちょっと待て!」

黄泉川「保健の問題じゃんよ」

上条「アンタ教師だろ!?」

黄泉川「はぁ・・・授業でそこまでやましいことを考えてたのか、お前」

上条「誰だってこれはアウト・・・」

心理「はい」

上条「」

黄泉川「心理定規!」


151 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 10:29:10.29 ID:1ZRaQx4N0
心理「自慰行為ね」

土御門「へ、平然と・・・」

心理「ふふ・・・宿題がなければその分遊べる時間が増えるじゃない」

垣根「宿題のためなら恥ずかしさは捨てる、か」

吹寄「・・・よし!私だって負けてはいられないわ!」

姫神「私も」

黄泉川「さぁ!みんな、こっからが本番じゃん!」

一同「やってやるよぉ!」



黄泉川「さぁ、最終問題じゃん」

垣根「・・・ここまで、俺チームと上条チーム、そして吹寄チームが同率一位・・・」

上条「これで勝てば宿題がチャラだな・・・」

美琴(宿題がなくなれば、当麻との時間も増える!!)

黄泉川「最終問題!!」

垣根「来いやぁ!!」


152 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 11:01:35.98 ID:1ZRaQx4N0
黄泉川「問題!!」

上条(・・・恐らく、今回もマイナーな問題だ・・・)

美琴(周りの誰かが間違えて、お手つきするのを狙うか・・・)

垣根(はん、そんな必要はねぇんだよ!!)

黄泉川「オリンピック競技にもなっている槍投げ、その槍の重さは男子でどれくらい!?」

垣根「・・・は、はぁ!?」

姫神「これまたマイナーな・・・」

青ピ「知るわけないやんか・・・パスパス」

土御門「にゃー、大体槍投げの槍とか注目したことないぜぃ」

心理「槍投げ自体が・・・」

吹寄「はい」

上条(え、マジ?)

黄泉川「吹寄、答えをどうぞ!!」

吹寄「800グラムです」

黄泉川「正解!!」

垣根「ちょっと待てや!!なんでてめぇそんなこと知ってるんだよ!?」

上条「しかも意外と軽いのな!!」

吹寄「この前ニュースで言ってたのよ」

心理「知らないわよ・・・」


153 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 11:04:36.73 ID:1ZRaQx4N0
黄泉川「ということで、吹寄は今日の宿題免除!!」

吹寄「・・・よかったのかしら」

食蜂「いいんじゃない?そんなめんどくさいの」

青ピ「あぁ!!ボクは結局宿題をしなきゃならないんやなぁ!!」

初春「ま、まぁまぁ・・・」

黒子「宿題なんて可愛そうですわね」

美琴「ごめんね当麻・・・」

上条「い、いやいや!!いいんだって!!」

垣根「よかねぇよ!!宿題なかったら明日の劇の練習できたのに!!」

吹寄「私は一人で頑張っとくわ」

垣根「うっせぇ!!お前はチョイ役だからいいじゃねぇか!!」

黄泉川「はいはい静かに・・・ちょうど授業も終わりじゃんか」

垣根「・・・ちくしょう・・・宿題なんて食べてやる・・・」

心理「黒ヤギさんね」

垣根「読まずに食べてやる・・・」

黄泉川「じゃ、次の授業に備えるじゃんよー」


154 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 11:31:30.24 ID:1ZRaQx4N0

上条「・・・ちくしょう・・・」

垣根「そうガッカリすんな・・・オレだってガッカリしてるんだ・・・」

青ピ「おかしいやん、そもそも保健体育関係ないやん」

土御門「にゃー、あの先生頭おかしいぜぃ・・・」

デルタフォースと垣根が机に突っ伏す

宿題免除を逃したため、かなり落ち込んでいるらしい

上条「・・・垣根はまだいいじゃないか・・・」

垣根「よくねぇ・・・なんか精神衛生的によくねぇ・・・」

食蜂「何そんなに落ち込んでるわけぇ?」

垣根「あぁ?てめぇいたのか・・・」

食蜂「さ、さっきからずっといるじゃない!!」

垣根「お前は姫神より影が薄いんだよ」

食蜂「」

姫神(ふふふ。勝った)


155 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 11:39:20.58 ID:1ZRaQx4N0
垣根「・・・はいはい、サインね・・・」

垣根がサラサラ、とメモ帳にサインをしていく

本当に、超能力者というのは人気者のようだ

美琴の周りや、食蜂の周りにも人だかりが出来ている

上条「・・・同じ学校の中に三人いるんだよな」

青ピ「なんや急にエリート校みたいやん」

吹寄「実際は違うけどね・・・」

土御門「にゃー、それよりみんな早く着替えようぜぃ」

垣根「着替える?」

土御門「次、体育だってさ」

垣根「おっといけねぇ!!」

パン!!と垣根が手を叩く

垣根「体験入学の生徒は校庭に今すぐ向かってくれ、俺達は今からここでセクシーストリップショーだ!!」

心理「違うでしょ・・・」

黒子「では、また後ほど」

佐天「高校生の体育って何か特別なことでもするのかな?」

初春「きっと、騎馬戦とかですよ!!」

垣根「ただのサッカーだからな」

美琴「なんだ、普通・・・」

垣根「普通で何が悪いんだ・・・ほら、出た出た」

教室の中には男子生徒だけが残る

女子は、それ専用の更衣室があるのだ



156 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 13:38:23.01 ID:1ZRaQx4N0
上条「・・・はぁ、サッカーか・・・」

垣根「やる気起きないよな・・・」

土御門「でも、隣のクラスとの試合なんだぜぃ?」

青ピ「なんや、そうなん?」

土御門「この前言ってたぜよ」

垣根「そりゃ初耳だ・・・」

上条「体験入学にでも合わせたのかな・・・」

垣根「あぁ、そうかもな・・・」

土御門「よーし!!じゃあ勝っていいところでも見せてやろうぜぃ!!」

土御門が拳を上げる

青ピ「オッケィ!!頑張るでぇ!!」

垣根「よっしゃぁ!!」

男子生徒が全員、校庭へ向かう

すでに隣のクラスは、準備運動も終えていた


157 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 13:55:06.60 ID:1ZRaQx4N0

垣根「・・・なるほどな・・・試合は授業一コマまるごとね」

上条「そして、男子と女子の混合チーム・・・」

心理「あら、早かったわね」

垣根「よぉ・・・お前、相変わらず体育服似合わないのな」

心理「ほっときなさい」

心理定規が上条たちと合流する

どうやら、他の女子生徒はまだらしい

すでに準備運動を終えたほかのクラスの生徒と、体験入学の生徒は今か今かと待ちわびている」

授業とはいえ、自分達のクラスの結束力が試されるのだ

土御門「にゃー・・・思ったより緊張するもんやなぁ」

美琴「当麻!!頑張ってね!!」

上条「おう!!」

常盤台の生徒達は、全員綺麗に列を組んで木陰にいる

一方、他の学校の生徒はそれぞれバラバラになって見やすい位置を陣取っている

垣根「はっはぁ!!まるでプロサッカー選手になったみたいだ!!」

上条「はぁ・・・観客がいると緊張するな・・・」


158 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 16:11:22.71 ID:1ZRaQx4N0
吹寄「気にしなくて良いのよ」

垣根「よぉ・・・お前は体育服が似合うよな」

吹寄「・・・褒めてるのか分からないけど、ありがとう」

心理「・・・姫神は相変わらず地味ね」

姫神「それが私の魅力」

土御門「自分で魅力なんて言うもんじゃないぜぃ」

姫神「誰もがそう思っている」

上条「・・・まぁそれはおいとこうぜ、今は相手チームに対する作戦だ」

垣根「・・・能力使用っていいのか?」

吹寄「まぁ、一応はいいんじゃないの?」

学園都市では、スポーツにさえ能力使用を許されている

その代表が大覇星祭なのだ

スポーツだけではなく、ちゃんと勉強もしないとダメなんだよ、ということなのだろうか

上条「はぁ・・・なんだかスポコンを全て否定してるよな」

垣根「根性論なんて科学の前じゃ無意味ってことだ」

心理「夢がないわね・・・」


159 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 16:35:07.68 ID:1ZRaQx4N0
上条「でも、諦めずに努力するのは重要だ!」

靴紐を結び、上条がクラスの仲間を見回す

女子達が大勢見ているからか、男子生徒はどこか力に溢れている

上条「いいかみんな!!」

一同「おぉ!!」

上条「体験入学の生徒達にいいところを見せたいとか、そんな理由でも構わない!!」

一同「決まってんだろぉ!!」

上条「だからこそ!!」

ビシッ!!と、上条が隣のクラスを指差す

上条「あいつらに小萌クラスの実力を見せ付けてやろうぜ!!」

一同「おっしゃぁぁぁ!!!」


美琴「さすが当麻!!みんなをまとめたわね!!」

黒子「・・・心理定規が呆れてますの」

初春「でもでも、あれだけの人数をまとめるのはすごいですよ!!」

佐天「さすが御坂さんを落とした男なだけあるね!!」

食蜂「あっつい・・・なんで冬なのにこんな暑いのよ・・・」


160 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 17:20:50.88 ID:1ZRaQx4N0

上条「・・・土御門、頼むぞ」

土御門「任せてくださいですたい」

土御門がゴールキーパーに選出された

彼は運動神経が抜群で、反射神経もいい

それならば、適任というわけだ

垣根「俺が翼広げれば問題ないのによ・・・」

青ピ「それじゃつまらないやんか」

心理「そうよ、フェアプレーの精神を持ちなさい」

吹寄「・・・相手は中々しっかりと作戦を考えてるようね」

姫神「ふふふ。観客が私を見ている」

上条「違うと思うけど・・・」

審判が笛を鳴らす

相手チームのキックオフで、試合は始まった


上条「しゃあ!!いいとこ見せてやるよ!!」

垣根「あーあー、暑い暑い」

心理「・・・というか、体験入学が関係ないわよね・・・」


161 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 17:33:30.65 ID:1ZRaQx4N0

上条「しゃあ!!青髪!!」

試合は、上条達のペースになっていた

そもそも、超能力者の垣根がいるのだ

相手チームがどの場所にボールを蹴っても、それは垣根の能力によって弾き返される

垣根「・・・なんだよ、つまんねぇ」

心理「・・・ねぇ、これって面白いの?」

垣根「さぁ」

垣根が地面に落としたボールを、上条や青ピ、姫神が相手のゴールに蹴りこむ

それだけだった

1点、また1点と点数は増えていく

気づけば2ケタ得点にさえなっていた

垣根「・・・なぁ、これって何のための試合だっけか」

心理「・・・私達の結束力を・・・」


佐天「すっごーい!!見た見た!?垣根さんの翼!!」

美琴「見慣れてるから驚かないわ・・・っていうか、相手チーム泣いてるわよ」

黒子「かわいそうですわね・・・」


162 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 17:41:30.30 ID:1ZRaQx4N0
青ピ「あっはぁ!!ボクのこと、みんなが見てるんやでぇ!!」

上条「いや・・・MVPは垣根だろ」

垣根「・・・いいのかよ、こんな生ぬるい試合で」

双方が、既にやる気をなくしている

あまりにも差のつきすぎた試合というのは面白みがない

体験入学の生徒達も、休憩時間のように友達と話しこんでいる

上条「あ、チャイム鳴った」

そのチャイムが、どれだけ待ち遠しかったか

試合終了のホイッスルを聞く前に、選手全員が呆れたように教室に帰る

佐天「お、終わった!!」

食蜂「なんかあんまり面白くなかったわねぇ」

美琴「それで・・・次は何の授業なの?」

黒子「次は・・・」

手元のパンフレットを見ながら、黒子が確認する

どうやら、次が一日目最後のようだ


黒子「なんのことはありませんわ・・・明日の劇に向けた話し合いのようですの」

美琴「えぇ・・・」

163 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 17:58:41.94 ID:1ZRaQx4N0

上条「・・・さて、明日はとうとう劇の本番ですが!!」

上条がバン!!と教卓を叩く

なぜ彼がそこにいるのか

今回の話し合いのまとめ役だからだ

ではなぜ、吹寄ではないのか

いや、正確には吹寄もまとめ役ではあるのだが、話の進行をしているのは上条なのだ

吹寄は黒板に全員の意見を並べている

とは言っても、すでに配役や脚本は済んでいて、それについて話し合う必要は無い

問題なのは、全員がまだ一度たりとも合わせたことがない、ということだろう

上条「えー・・・まぁ後ろに並んでいるみんなを見れば分かるとおり、明日もかなりの学生が見学に来るはずだ」

土御門「にゃー、緊張するぜぃ」

上条「被り物とかは作ってるし・・・あとは、合わせるだけだな」

垣根「だったらぶっつけ本番にしようぜ・・・そっちのほうが緊張感出て面白いだろ」

吹寄「ちなみに、一方通行が協力してくれるのも決定よ」

青ピ「なんや、そうなん?」

吹寄「本当はこのクラスの生徒だけでやりたかったけど・・・仕方ないわね」

姫神「・・・じゃあ。他に何を話し合う?」

上条「・・・そうだな、あとは・・・どうしよう」


164 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 18:16:15.68 ID:1ZRaQx4N0
垣根「・・・そうだな、時間の確認は?」

上条「えっと・・・」

吹寄「体育館が解放されるのが朝の8時30分、私達の劇は11時からよ」

美琴「・・・11時、よし!」

垣根「みんな期待しとけよ、上条さんが大活躍だ」

上条「俺、鬼なんだけど」

黒子「まぁそうでしたの」

土御門「にゃー、あとは他のクラスがダンスやらちょっとした映画みたいなのとか・・・」

姫神「そこまで期待できるものではない」

吹寄「・・・ま、まぁ・・・楽しんでもらえたらそれでいいわよね」

土御門「にゃー、そう願うぜぃ」

垣根「オッケー・・・じゃああとは雑談ってことで」

吹寄「ちゃんと台本でも読んどきなさい・・・」


吹寄が垣根に台本を手渡す

もちろん、それは垣根の作ったものだった



165 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 18:45:24.36 ID:1ZRaQx4N0
垣根「・・・読む必要はないんだけどなぁ・・・」

垣根がパラパラと台本を捲る

彼は主人公の桃太郎役なのだ

上条演じる鬼と、二大キャラと言っていい

垣根「・・・オッケー、一応台詞は頭に叩き込んどくからさ」

吹寄「頼むわよ」

垣根「あいよー」

チャイムが鳴ったため、そこで話し合いは終わる

この時期はテストの準備期間も重なっていて、午前だけの授業だ

よってこのまま下校することになる

垣根「んじゃあ・・・さっさとホームルーム終わらせて帰ろうぜ」

青ピ「ボクは小萌センセ呼んでくるわぁ!!」

心理「じゃ、よろしくね」

青ピ「ラジャー!!」


166 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 21:20:33.92 ID:1ZRaQx4N0

小萌「はいはーい!みなさん、明日はお待ちかねの劇があるのですよ!」

垣根「分かってるからさっさと帰らせてくれよ・・・」

小萌「か、垣根ちゃんは先生なんかと一緒にいたくないって言うんですか・・・」ウルウル

垣根「端的に言えば」

小萌「ひどいのですよ」

上条「でもさ先生・・・俺たちも、早く帰って宿題とか劇の練習とかしたいんですよ」

小萌「上条ちゃんが真面目になりました!!明日は台風になるのですよ!」

上条「ならねぇよ!!」

吹寄「じゃあ・・・特に連絡もないようなので、起立!!」

吹寄の号令に従い、生徒がめんどくさそうに立ち上がる

吹寄「礼!」

一同「じゃあまた明日!」

小萌「はーい、さようならなのですよー」


心理「さて・・・美琴と黒子はこれからどうするのよ?」

教科書や宿題のプリントをカバンに詰めながら、心理定規が問いかける

そのカバンもかなりオシャレに変えられているのが気になる


167 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 21:29:09.54 ID:1ZRaQx4N0
美琴「私はこれから当麻のところだけど?」

黒子「わたくしは軍覇さんと・・・そうですわね、風紀委員の後始末ですの」

心理「あぁ、たしかもう支部も直ったのよね」

黒子「おかげでいろいろと忙しくて・・・」

心理「まぁ頑張りなさいよ」

垣根「おーい、心理定規、御坂」

上条「どっかコンビニにでも寄って行こうぜ」

美琴「あ、うーん」

心理「それじゃ、無理はしないようにね」

黒子「分かっていますの」

四人が手を振って、教室から出て行く


上条「・・・今日って何か面白い週刊誌発売だっけ?」

美琴「うーん・・・特にはないかも」

垣根「至って普通の平日だぜ」

心理「そうね・・・そうかも」


168 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 21:53:49.45 ID:1ZRaQx4N0
上条「はぁ・・・そういえば、みんなはどうしてるんだろうな」

垣根「知るか・・・テクパトルは仕事が忙しいんじゃねぇの?」

心理「そうかもしれないわね」

美琴「・・・なんか、大変よね」

上条「そうだなぁ・・・」

そんな話をしながら、四人が近くのコンビニに向かう

いつもヒマな時はそこに寄っているのだ

いらっしゃいませ、という店員に軽く会釈をして、週刊誌の並んでいるコーナーへ向かう

上条「おっと、俺ちょっと見たいものがあるんだった」

垣根「なんだよ?」

上条「最近出た飲み物だよ、炭酸」

垣根「あー、そうかい」

興味なさそうに垣根がファッション雑誌を手に取る

上条「あるかな・・・」

飲料のコーナーに行くと、ちょうどそれがプッシュされているようですぐに目に入った

上条「お、ラッキー・・・」

上条がその商品に手を伸ばすと、誰かの手も一緒に伸びた

その白さに、見覚えがある


上条「あれ、一方通行?」

一方「あァ?上条じゃねェか」




169 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/19(土) 22:00:11.91 ID:1ZRaQx4N0
今日はここまで

筋肉動画はメルビン、2006年オリンピアのプレジャッジ

なんかこの年のロニーもそうでしたが、みんななんか仕上がりが甘い印象でしたね

でもプレジャッジでもダンスを入れてくるメルビンさん

彼のポージングは前半、しっかりと規定のポーズを取り、後半に持ち味のポッピンをしますね

普通のダンス好きなビルダーはずーっとダンスばっかやって、そのために中々いい写真が撮れないらしいですが、メルビンは前半部分がしっかりしているため、撮影家としてもありがたいようです


http://www.youtube.com/watch?v=syTZ-A0XjR8


ではおやすみなさい


170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 22:25:53.99 ID:NMTRRc/IO
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(鹿児島県) [sage]:2011/11/20(日) 00:43:17.06 ID:PWQbnG/J0
鹿児島県鹿児島市在住の俺が来ましたよ

なんか>>1とは家が近そうでなんかうれしい

俺も高校生だぜ
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/20(日) 01:36:22.52 ID:f3EkpvXAo
乙なんだよ!
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道) :2011/11/20(日) 08:35:55.82 ID:Ci8X/9750
乙です!
174 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:06:11.52 ID:Y7KF6RQ60
>>171 灰が降るとホントいやになる今日この頃

上条「お前・・・なんでこんなとこにいるんだ?」

一方「俺がどこにいよォが勝手だろ」

上条「いや、そうじゃなくてさ・・・」

上条が、自分の掴もうとした商品を見る

それは最近、新しく発売された炭酸飲料だ

上条「お前ってこういうの好きだったっけ?」

一方「・・・俺が飲むンじゃねェ」

上条「あ、もしかして打ち止めと番外個体か?」

一方「あァ・・・なンかこのシール集めたらゲコ太グッズが当たるンだとよ」

一方通行が炭酸飲料のペットボトルを二つ掴む

その蓋には、確かにシールが貼られている

ゲコ太キャンペーン、なんていういかにも子供を狙っているキャンペーンだ

上条「へぇ・・・知らなかった」

一方「オリジナルから聞いてねェのかよ」

上条「おーい、美琴!」



175 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:06:40.92 ID:Y7KF6RQ60
美琴「ん、何・・・って一方通行じゃない」

一方「よォ・・・」

上条「お前、このシールのキャンペーンって知ってるか?」

美琴「あぁ、知ってるけど・・・でもその商品にも付いてるんだ」

上条「いくつかの商品に付いてるんだな」

一方「・・・他はコーヒーと茶だけだ」

上条「お前はコーヒーでシールを稼ぐってことか」

一方「おかげで最近は好きでもねェ微糖のコーヒーばっか飲ンでるンだよ」

美琴「あら、打ち止めと番外個体のため?」

一方「・・・うるせェ」

美琴「うわぁ・・・なんかアンタってあの二人にはホントデレるわよね」

一方「上条にデレるてめェには言われたくねェけどな」

美琴「な、何よそれ!?」

上条「まぁまぁ・・・美琴も一本買ってみるか?」

美琴「まぁ・・・試しに飲むのも悪くはないわね」


176 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:07:10.18 ID:Y7KF6RQ60
一方「・・・で?お前達はなンでこンなコンビニにいるンだよ」

上条「学校帰りだよ・・・ほら、あっちには垣根と心理さん」

上条の指差した先では、二人がファッション雑誌を読んでいる

そんなもの、必要ないほどオシャレに見えるのだが

垣根「・・・なんか最近の流行りは総じてガキっぽいな」

心理「仕方ないわよ、学園都市がそもそも学生ばかりなんだから」

垣根「これ、全国区の雑誌だろ」

心理「・・・あれよ、みんな子供に戻りたいとか」

垣根「・・・流行りなんてすぐに廃れるのにな」

心理「流れて行くから流行りなのよね」

垣根「全く・・・こんなもんに必死にしがみつくヤツらの気が知れないな」

心理「流行ってのは日本人でも信仰してるのよ」

垣根「ふーん・・・」

ペラペラと、適当にページをめくっていく

モデルが誰も、同じようなポーズを取って同じような服を着ている



177 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:07:39.11 ID:Y7KF6RQ60
垣根「これのどこがオリジナリティーなんだろうな」

心理「オリジナリティーという名前を借りた現実逃避よ」

垣根「だろうな・・・」

一方「何しみったれた会話してンだよ」

垣根「あぁ?なんだよお前、いたのか」

一方「ひでェ言いようだな」

垣根「・・・で?なんでいるんだよ」

上条「打ち止め達のためにジュース買ってるんだよ」

垣根「はぁ・・・お前がパシリねぇ」

一方「パシリじゃねェ」

美琴「似たようなもんじゃない」

一方「ちっ・・・てめェと似てて我が儘なンだよあいつら」

美琴「私のどこが我が儘なのよ!?」

一方「鏡ってのを知ってるかオリジナル」

美琴「・・・喧嘩売ってるの?」



178 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:08:06.26 ID:Y7KF6RQ60
一方「てめェの命でも払い切れないくらいでけェ額だ」

美琴「・・・アンタってホントムカつくわよね」

一方「あァ?」

上条「だから喧嘩するなよ・・・な?」

心理「くだらないわよ二人とも」

美琴「くだらないって・・・」

心理「子供がオモチャを買ってくれってねだってる時に、あなた達は一緒になって地面転がるのかしら」

一方「何が言いたいンだよ」

心理「大人でありなさい、相手が子供ならなおさら」

一方「・・・てめェはオリジナルよりムカつく野郎だ」

垣根「おい、人の女に何言ってくれてんだよ」

一方「ちっ・・・」

上条「そ、そうだ!一方通行は明日の劇の台本、ちゃんと読んでるか!?」

一方「一応な」

美琴「おばあさん役なんだっけ?」


179 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:08:38.73 ID:Y7KF6RQ60
一方「あァ・・・腑に落ちねェが番外個体が楽しみにしてるみたいだからな」

垣根「よかったじゃねぇか」

心理「あなた、怖いイメージがあるからここでキャラチェンジしてみなさい」

一方「なンでわざわざそンなことしなきゃならねェンだよ」

上条「・・・とにかく、なんか買おう」

上条がレジの方を指差す

先程までの言い争いがかなり目立ったようだ

店員のにこやかだった表情がいくらか冷たくなっている

心理「仕方ないわね・・・あの店員さん、私がちょっと説得・・・」

垣根「しなくていいから適当に買おうか」

垣根がジュースや菓子を手に持つ

一方「・・・俺はこの二つだけだ」

美琴「自分のは?」

一方「ここには好きなコーヒーがねェンだ」


180 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:09:33.92 ID:Y7KF6RQ60
上条「お前・・・たまには他のコーヒーにしようとか思わないのかよ」

一方「興味ねェ」

垣根「さーて、支払い支払い」

財布を取り出し、垣根がさっさと支払いを済ませる

店員の顔にはまた暖かさが戻った

上条「・・・俺はおでん・・・大根と玉子と牛スジ」

美琴「私も同じの」

心理「はんぺん三つ」

垣根「お前、ホントはんぺん大好きだよな」

心理「いいじゃない」

専用の容器に入れられたはんぺんを満足げに持ちながら、心理定規が笑う

一方「・・・お前ら、これからどォすンだ」

上条「俺の家に行って、ちょっとした話し合いかな」

一方「熱心だな・・・」

垣根「俺と上条が重要だからな、今回の劇」


181 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:10:08.28 ID:Y7KF6RQ60
美琴「・・・当麻が悪役っていうのは納得いかないけど」

心理「あら、上条君なら鬼だとしてもどこか憎めない鬼になりそうじゃない」

美琴「そ、そうかな・・・」

一方「なンでオリジナルが照れてンだよ」

美琴「だって当麻が褒められたら私だって嬉しいじゃない!」

上条「こらこら美琴さん!?そりゃ俺を誇ってくれてるのは嬉しいけど大声は控えて!」

美琴「ご、ごめん」

道を歩いている学生達が美琴の声に振り返っている

一方「・・・俺は帰る、また明日な」

垣根「番外個体も連れて来いよな」

一方「あァ」

拳をぶつけ合ってから、一方通行が去っていく

心理「なんだか、最近あなたと一方通行・・・仲良しよね」

垣根「昔から友達だったじゃねぇか」

心理「それにしても・・・」


182 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:10:38.42 ID:Y7KF6RQ60
美琴「ねぇ、それより早く行こう!」

上条「コタツに早く入りたい・・・」

心理「・・・そうね、私も少し寒いわ」

垣根「んじゃあ行きますか」


上条「・・・で、まずは明日のことだけど」

垣根「うっひゃー!久しぶりだな上条の部屋!」

心理「そうでもないでしょ・・・」

垣根「あぁ、それで明日のことだったな」

上条「・・・心理さんは終盤まで出番がないから、出来れば前半は照明係に回ってほしい」

心理「あら、私に雑用を押し付けるのかしら」

上条「そ、そうじゃ・・・」

垣根「お前さ・・・女には気を遣うべきだろ」

上条「いやいや!だってこれはクラスの問題だし!」

美琴「当麻、当麻は間違ってないんだから強気でいなさい!」

上条「だよな!?」



183 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:11:20.04 ID:Y7KF6RQ60
心理「あら・・・まぁいいわ、照明係に回るのね」

垣根「待てよ、上条も中盤からの出番だろ」

上条「俺は裏でセットの準備とかなんだよ」

垣根「はぁ・・・大変なもんだな」

上条「仕方ないだろ・・・」

上条が台本を広げる

彼の出番は劇が始まって20分ほどしてからだ

ちなみに、劇は1時間近い物になっている

垣根はほぼフルで出演するため、かなり大変だろう

美琴「よくこんなに時間もらえたわね・・・」

心理「あら、今回の体験入学はそもそも垣根のおかげなのよ?」

垣根「学校としても俺を客寄せパンダにしたいんだろ」

上条「そういうもんなのかな・・・」

垣根「それを別にどうこう言うつもりはねぇよ」

垣根が台本の隅々をチェックする


184 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:11:46.54 ID:Y7KF6RQ60
彼が休憩できるのは場面転換の短い間、そして鬼である上条にスポットが当たる時の二つだけだ

それ以外はほとんどフルで登場する

美琴「そういえば、桃から生まれるのよね」

垣根「あぁ」

美琴「服はやっぱり着てるの?」

垣根「それがな、中々クオリティー高い衣装作ったんだよ、姫神が」

上条「あいつが?」

垣根「あぁ、だからそこは問題ない」

心理「・・・私はホント、終盤だけね」

垣根「出来れば女はゆっくりさせたいからな」

美琴「変なところでフェミニストね・・・」

垣根「さて、後は台詞を覚えるだけだな」

心理「私はともかく・・・垣根と上条君は台詞もかなり多いわね」

上条「全くだよな・・・」


185 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:12:23.09 ID:Y7KF6RQ60
垣根「いいじゃねぇか、これくらいないと張り切れないし」

美琴「私は台本読んでいいの?」

垣根「楽しみが無くなっていいならな」

美琴「・・・やめとく」

心理「でも、ぶっつけ本番だからあまり高いクオリティーにはならないでしょうね」

垣根「いいんだよ、高校は楽しいんだって伝えられればさ」

上条「そうだな・・・それが一番の目的なんだからな」

心理「・・・さて、私も台本読み直さないと」

美琴「・・・」

垣根「ここで上条が初めて出てくるから、出来る限り目立つようなライトの当て方で頼む」

心理「あら、鬼にもちゃんとスポットを当てるのね」

垣根「愛と涙の物語だ」

上条「・・・そして、ここで俺と垣根の初対面」

垣根「音響に頼んでとびっきりいいのにしてるから」


186 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:12:51.52 ID:Y7KF6RQ60
心理「期待していいのかしら」

垣根「ボチボチな」

上条「・・・へぇ、まだ鬼の存在を知る前に桃太郎は鬼と出会うのか」

垣根「実は鬼の正体は、昔あったヤツでした」

心理「なんだか安物のドッキリみたいね」

美琴「・・・ね、当麻」

上条「あぁごめん・・・今ちょっと打ち合わせ中だから」

美琴「・・・ふーん」

上条「な、なんで不機嫌なんですか!?」

美琴「別に」

上条「美琴が素っ気ない!」

垣根「うるせぇな・・・御坂は上条が構ってくれないから寂しくて一人悶々としてんだよ」

美琴「し、してないわよ!」

上条「構ってほしかったのか・・・」

美琴「う・・・」


187 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:13:24.70 ID:Y7KF6RQ60
心理「自分の思いを相手に知ってもらいたいなら、ちゃんと言葉にしなさい」

美琴「・・・違うもん」

美琴が上条のベッドに向かう

そのまま布団の中に隠れてしまった

垣根「こいつ、いつもこんな感じなのか」

上条「あぁ、俺と二人だとこんな感じだけど」

心理「なんとも言えない可愛さね」

上条「だろ?」

布団の中の美琴が真っ赤になる

それは外の三人には見えていないが

垣根「ま、御坂が何でもないって言うんだからほっといて続けようぜ」

心理「ずいぶんと意地悪なのね」

垣根「いいだろ、でここは・・・」

上条「俺が犬、猿、キジを拾う場面か」

垣根「まぁ簡単にサクサクと進めていく」



188 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:14:02.45 ID:Y7KF6RQ60
上条「・・・あとは俺が仲間と鬼の被害にあった村を助けていくのか」

心理「桃太郎そのままね」

垣根「まぁそうだな」

垣根がコタツに足を突っ込んだまま横になる

貧乏な上条はエアコンを出来る限り使わない

そのため、コタツだけが暖を取る方法だ

垣根「・・・てか、御坂はいつまでそこに隠れてるつもりなんだよ」

心理「そうよ、美琴」

美琴「・・・だって、私だけなんか仲間外れだもん」

心理「そんなことないわよ」

上条「な、美琴・・・おいで」

美琴「・・・」

無言のまま、美琴が布団から出てくる

いつの間にか枕を抱きしめている

心理「・・・ねぇ、この可愛い生き物は何」


189 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:14:29.56 ID:Y7KF6RQ60
垣根「知るか、未確認だ」

上条「み、美琴!おいでおいで!」

美琴「・・・当麻」

美琴がゆっくりと上条に近づく

そして、彼の膝の上に座った

垣根「・・・御坂ってあれだよな、そういう緩急の付け方が上手いんだろうな」

心理「さすがツンデレね」

美琴「ツンデレじゃないわよ!」

上条「はいはい・・・さて、一応の話し合いは終わったな」

垣根「じゃあ飯にしようぜ」

心理「御馳走になるわ」

上条「やっぱり俺が作るんだよな・・・」

美琴「いいじゃない、いつもは奢ってもらってるんだから」

上条「そうだけどさ・・・」

垣根「ほらほら、俺はもう腹が減ってるんだ」



190 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:15:06.12 ID:Y7KF6RQ60

上条「分かったよ・・・」

上条がめんどくさそうにキッチンへ向かう

垣根「さて、ニュースっと」

テレビのスイッチを入れると、すぐにニュースのチャンネルに切り替える

アナウンサーが様々な事件を取り上げている

なんでも外の議員の一人が脱税していた、とか事故で二人が死亡、とかそんなものだ

垣根「飲酒運転ねぇ・・・あれってなんで殺人罪じゃないんだろうな」

心理「さぁ?私は知らないわよ」

美琴「・・・脱税なんて、議員のやることじゃないわよ」

垣根「まぁ税なんて納めたくない時もあるけどな」

心理「議員なんてがっぽり儲けてるじゃない」

垣根「間違いないな」

呆れたようにニュースの画面を見つめる

そこで、地方ごとのニュースに切り替わった


191 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:15:36.72 ID:Y7KF6RQ60
見慣れたアナウンサーが、学園都市のニュースを読み上げる

来年度、学園都市に新しく入ってくる外からの学生の数やその年齢層の割合

風紀委員の一人が溺れていた子供を助けて表彰された、などだ

美琴「やっぱり外から入ってくる学生も多いわね」

垣根「親は何がしたいんだろうな」

美琴「・・・自分の子供の可能性を信じてみたいんじゃない?」

垣根「可能性を信じる?危険性に怯えただけだな」

心理「あら、でも超能力なんて子供からしたらカッコイイ物なのよ?」

垣根「だとしても、そんな綺麗な世界じゃないだろ・・・大体、超能力者ってだけで厳しくされるし」

美琴「模範になれるように・・・とかよく言われるわね」

垣根「模範に憧れて、それを追い求めて何になるんだろうな・・・そりゃただの模倣・・・」

そこまで言って、垣根が口をつぐむ

画面の端には風紀委員支部連続爆破テロの真犯人の処分が決定した、と書かれている

どうやらあと5分ほどでそのニュースらしい

垣根「・・・表はどうやってあいつを罰するのかね」



192 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:16:05.85 ID:Y7KF6RQ60
心理「何のこと?」

垣根「いや、何でもない」

チャンネルを変え、垣根が肩をすくめる

変わったチャンネルでは、子猫の特集をしていた

美琴「可愛い!私も子猫飼いたいなぁ・・・」

心理「ここにも猫ならいるじゃない」

美琴「スフィンクスは愛嬌がありすぎて・・・可愛いんだけどね」

スフィンクスの喉を撫でながら美琴が苦笑する

警戒心なんて微塵もない、ゴロゴロと喉を鳴らすスフィンクス

垣根「・・・そいつはずいぶん人間に慣れてるよな」

美琴「当麻に飼われて長いからかしら」

垣根「かもしれないな」

心理「・・・でも野生の勘が鈍りすぎよね、絶対」

美琴「あはは・・・分かる分かる」

垣根「・・・」


193 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:16:37.35 ID:Y7KF6RQ60
無言で垣根が立ち上がる

心理「あら、どこに行くの?」

垣根「隣の部屋、土御門なんだよ・・・あいつにも台本の細かい打ち合わせ、伝えないと」

心理「ずいぶん熱心なのね・・・」

垣根「俺が主人公なんだぜ?」

心理「・・・なんて簡単な理由」

垣根「うるせぇ・・・ちょっとだけ行ってくる」

心理「いってらっしゃい」

美琴「早くしなさいよ」

垣根「分かってるって」

手を振り、垣根がドアを閉める

肌寒い空気が彼を包んだ

隣の部屋のドアをノックする

少しだけ間が開いたあと、土御門が中から顔を覗かせた


194 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:17:03.46 ID:Y7KF6RQ60
土御門「よぉ、まさか隣にいたなんて思わなかったぜぃ」

垣根「んなことより、ニュース見たか」

土御門「いいタイミングだ、入れよ」

土御門が垣根を中に招く

すぐさま、テレビのチャンネルを先程のニュースに合わせる

「次は、風紀委員支部連続爆破テロの続報です」

垣根「・・・」

「一連の事件の容疑者である、スタン・ウィリアムズは大まかな犯行を認めているものの、反省の意を認められないと・・・」

土御門「上手く演技してるみたいだな、一から十までなんでも認めたら疑われる」

垣根「ところどころ否定しちまえば、かなりリアリティーが出る」

「統括理事会は、全会一致で禁固3年を言い渡し・・・」

土御門「ま、風紀委員からは一人の死者も出てない」

垣根「学校を爆破するって思惑はお前達のおかげで明るみには知られてすらいない」

土御門「風紀委員支部の再建費用は学園都市が出すし・・・世間ではこれで一件落着だ」



195 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 13:17:30.23 ID:Y7KF6RQ60
垣根「呆れちまうな、こんな茶番劇を誰もが信じてるなんて」

土御門「画面を通してしか聞かされていない結末だ、そこには報道規制というフィルターが掛かってるんだからな」

垣根「はん・・・そんなもんか」

垣根がテレビの電源を切る

暗くなった画面に映ったのは、冷めた顔の彼自身だった

垣根「さて、俺は帰るかな」

土御門「そうだ、台本はちゃんと読んだかにゃー?」

垣根「それはこっちの台詞だ」

土御門「なら大丈夫そうだな」

垣根「ま、明日は上手くいくことを祈ろうぜ」

土御門「俺は犬だからあんまり活躍出来ないぜぃ」

垣根「ははは!妹が泣くんじゃねぇの」

笑いながら、垣根がドアを開ける

垣根「せいぜい頑張れよ、犬公」

土御門「主人公とか羨ましい限りだにゃー・・・」

垣根「じゃあな」


 
196 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 14:57:27.96 ID:Y7KF6RQ60

上条「おう、お帰り」

垣根「ただいま・・・今日はなんだ?」

上条「今日はって・・・いつもうちで食べてるみたいに言うなよ」

垣根「お、から揚げじゃねぇか」

心理「・・・太るわね」

美琴「・・・気にしたら負けよ」

上条「仕方ないだろ・・・余ってる材料で作れたんだから!!」

垣根「なんでモモ肉が余ったんだよ」

そんなことを言いながら、四人がから揚げを頬張る

垣根「おー、味付けいいじゃんか」

上条「そうかな?」

美琴「さすが当麻ね・・・何個でも食べられるわ」

心理「・・・いいお嫁さんになるわよ」

上条「なれませんから・・・」


197 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 15:00:58.03 ID:Y7KF6RQ60
垣根「・・・そういえばさ、御坂ってここに住んでるのか?」

美琴「うーん・・・そうなるのかな」

心理「たしか、常盤台からも許可もらってるんだっけ?」

美琴「うん、エツァリさんが上手くやってくれたみたい」

垣根「あいつ・・・どうせ常盤台のお偉いさんにでも化けたんだろうな」

上条「・・・だろうな」

美琴「でも、おかげで当麻と暮らせてるもん」

心理「・・・でも、この歳で同棲なんて不謹慎よ」

美琴「アンタが言わないで・・・」

心理「あなたは学生じゃない」

美琴「そ、そうだけど・・・」

上条「いいじゃんか、俺は美琴がいると楽しいし」

美琴「と、当麻・・・」

垣根「・・・から揚げが甘くなるでござる」


198 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 15:19:31.79 ID:Y7KF6RQ60

垣根「ふー・・・食った食った」

心理「・・・ダイエット、しなきゃ・・・」

上条「・・・心理さんはむしろ痩せてるだろ」

美琴「そうよ、無理なダイエットは肌に悪いし」

心理「分かってるわよそれくらい・・・」

心理定規が溜め息をつく

垣根「じゃ、俺たちはこれで帰るかな」

上条「おう、また明日な」

心理「えぇ、美琴も見に来てね」

美琴「分かってるわよ」

手を振ってから、垣根と心理定規が上条の部屋を去る

肌寒さが、かなり辛い

見ると空にはもう月が綺麗に輝いている


199 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 16:05:46.66 ID:Y7KF6RQ60
垣根「寒くないか?」

心理「大丈夫よ」

垣根「そうか」

交わされたのはそんな会話だけで、二人の間には沈黙が流れる

音一つない、というのはこういう状況なのだろう

シンとした、音の存在しない世界

ロマンチックとも、不気味とも取れる世界

そんな中を、一組のカップルだけが歩いている

まるで世界から取り残されたような錯覚の中、垣根が心理定規を見つめる

彼女もまた、垣根を見つめていた

垣根「なんか、不思議だな」

心理「そうね・・・いつもならもっと騒がしいのに」

垣根「・・・あぁ、そういえば今日はあのビルが完成する日じゃなかったか?」

心理「あら、そうなの?」

垣根「オープン初日に行きたいっていうミーハーが多いのかもな」

心理「・・・そうかもしれないわね」


200 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 16:10:23.47 ID:Y7KF6RQ60
垣根「・・・でもそのおかげでこんな面白い空間になってるんだよな」

心理「それをあなたと二人占め出来るなんて、素敵じゃない?」

垣根「あぁ、メルヘンだ」

星の輝きが、少しだけ眩しい

月の灯りに照らされている心理定規の横顔は、どこか美しい百合の花のようだった

垣根「お前ってホント美白だよな」

心理「でもね、白すぎると染まりやすいのよ」

垣根「これ以上何に染まるんだよ?」

心理「・・・そうね、悪にも愛にも染まったし・・・」

垣根「だから、それ以上は染まらないさ」

心理「そうだといいわ・・・でも、世の中には悲しみに染まる日もあるのよ?」

垣根「俺といればそんな心配もないさ」

言葉は白い息となり、静かに空へと消えていく

それがとても幻想的で、心理定規は目を細める

心理「・・・ホント、静かで素敵な夜ね」

垣根「・・・真っ暗だな」

心理「そう?結構明るいじゃない」


201 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 16:13:00.38 ID:Y7KF6RQ60
垣根「・・・なぁ、世の中には愛って物があると思うか?」

心理「そうね・・・無い、とは思わないわ」

垣根「どうして」

心理「まず、あなたと私の間にあるじゃない」

垣根「・・・これが愛だとは言い切れないだろ?」

心理「愛だと信じてみましょうよ」

垣根「ふーん・・・」

心理「それに、上条君と美琴の間にあるのもそれなはずよ」

垣根「・・・そうなのかな」

心理「あなた、悪魔の証明を知らないの?」

垣根「ないって証明するのは不可能に近いってヤツだろ」

心理「えぇ、そういうこと」

垣根「・・・でも、愛なんて形が無いから分からないよな」

心理「形が無いからいいじゃない」

垣根「・・・そうだよな、その通りだ」


202 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 16:15:30.21 ID:Y7KF6RQ60
心理「・・・あら、自動販売機があるじゃない」

垣根「コーヒーでも買うか?」

心理「えぇ」

二人が近くの公園に立ち寄る

だが、そこにはコーヒーは売っていなかった

代わりに「ヤシの実サイダー」とか「いちごおでん」とかいう、ゲテモノが売っていた

垣根「・・・面白いもんが売ってるなおい」

心理「ヤシの実サイダーは普通に美味しそうじゃないの」

垣根「・・・俺は買わない」

心理「いいじゃない、何事もチャレンジよ」

心理定規が小銭を自動販売機に入れる

側面がなぜかへこんでいるが、それは気にしていない

心理「あなたは何がいい?」

垣根「・・・じゃあヤシの実サイダー、冷たいのはイヤなんだけどな」

心理「暖かいのは・・・いちごおでんだけね」

垣根「いらない」


203 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 16:18:20.81 ID:Y7KF6RQ60
心理「はい、ヤシの実サイダー」

垣根「あれ?お前はいちごおでんかよ」

心理「暖かいものが飲みたかったのよ」

垣根「・・・それさ、相当甘党じゃないと無理なんだろ」

心理「やってみなきゃ分からないわ」

心理定規が一口だけ飲んでみる

まずすぎる、というわけではないがおでんには合わない味だ

イチゴの甘さはいいものだが、それにダシが加わるとなんとも不愉快な味になる

しかも中途半端にイチゴの形が残っているため、舌触りもザラついている

心理「・・・ダメね、これ」

垣根「・・・ほれ、ヤシの実サイダーやるから」

心理「でももったいないじゃない」

いちごおでんの缶を振りながら、心理定規が言う

垣根「・・・じゃあ俺が飲むから」

心理「・・・大丈夫なの?」

垣根「多分」


204 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 16:21:20.94 ID:Y7KF6RQ60

垣根「・・・こりゃひでぇな」

心理「でしょ?これは失敗作よね」

垣根「名前からしてアウトだろ」

心理「・・・そうね、今更ながらに後悔してるわ」

垣根「はぁ・・・仕方ないな」

少し中身の残った缶をゴミ箱に捨て、垣根がもう一本ヤシの実サイダーを購入する

垣根「・・・あ、これは美味いな」

心理「これだけは良さそうだったものね」

垣根「あぁ」

一口飲んでから、その缶をベンチに置く

美味しいのではあるが、缶が冷えているためずっと持っているのはキツイ

垣根「・・・月、めちゃくちゃ綺麗だな」

心理「えぇ・・・とっても綺麗」

垣根「美しい月・・・か」


テクパトル「月ってのはいいもんだぞ、太陽の輝きの恩恵を受けて慎ましく輝く・・・女性に似ている」

垣根「あぁ?テクパトルじゃねぇか」


205 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 16:25:48.17 ID:Y7KF6RQ60
19090「あ、二人ともこんばんは!」

垣根「お?19090号もいるのか・・・って同じ勤務先か」

テクパトル「最近は肌寒いな」

心理「えぇ、風邪とかひいてない?」

テクパトル「今のところは大丈夫だ」

垣根「お前らもなんか飲むか?」

テクパトル「いや、コーヒー持ってるからいいよ」

手に握った袋を見せながら、テクパトルが笑う

垣根「・・・いいないいな、コーヒーっていいな」

心理「落ち着きなさい垣根」

19090「お二人はこんなところでどうされたんですか?」

心理「ちょっと散歩みたいなもんよ」

テクパトル「こんな寒い日にか?」

垣根「いいだろ・・・お前たちだって仕事の後に寄り道してんじゃねぇか」

テクパトル「まぁそうなんだけどさ・・・」

206 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 16:34:16.44 ID:Y7KF6RQ60
垣根「あーあー、羨ましいもんだな」

テクパトル「そう言うなよ・・・」

テクパトルが肩をすくめる

垣根「・・・で?最近どうよ、仕事のほうは」

テクパトル「まぁまぁかな・・・冬にジムに来たがるヤツは少ないからちょっとヒマだけど」

19090「ミサカはやっと慣れてきました・・・」

心理「あなたは事務系の仕事なの?」

19090「はい、一応そうですね」

垣根「ジムの事務ってか」

三人「」

垣根「ジムの」

心理「もういいのよ垣根・・・もう、いいの」

垣根「心理定規・・・」

テクパトル(この感覚が懐かしい俺はおかしいのか)


207 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 16:42:48.39 ID:Y7KF6RQ60
19090「・・・垣根さんと心理定規は、学校に通ってるんですよね?」

垣根「おう、わりと楽しいもんだな」

テクパトル「へぇ・・・そうか」

心理「明日は劇をやるのよ」

テクパトル「劇?なんで」

垣根「今体験入学でさ、まぁ歓迎会みたいな」

テクパトル「そんなことを体験入学でするのか?」

心理「うちの学校はちょっと変わってるのよ」

19090「・・・なんだか楽しそうで羨ましいですね・・・」

垣根「明日はお前、バイトあるのか?」

19090「!!そういえば休みです!!」

心理「じゃあ来なさいよ」

19090「で、でもテっくんは・・・」

テクパトル「いいって、俺はあんまり劇とか興味はないしさ」

垣根「冷めてるねぇ」

テクパトル「俺が気を遣ってるとは考えられないのかよ・・・」


208 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 21:29:02.53 ID:Y7KF6RQ60
垣根「・・・じゃあ19090号だけでも来てくれよ」

19090「はい!」

テクパトル「じゃあ・・・俺たちはそろそろ帰るな」

心理「えぇ、またね」

19090「それでは」

二人は、コーヒーを飲みながら去っていく

相当暖かいのだろう、ニコニコと笑う二人の顔は幸せそうだった

垣根「・・・いいなぁ」

心理「私達もそろそろ帰りましょう」

垣根「おうよ」

ヤシの実サイダーを一気に飲み干し、垣根がベンチから立ち上がる

垣根「明日は楽しくなるといいな」

心理「もちろん」


垣根「さーて、桃太郎の始まり始まり!!」

心理「まだよ」


209 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/20(日) 21:31:38.52 ID:Y7KF6RQ60
今日はここまで

クリス・カーミアの1998年

45秒辺りの腹筋すっげぇw

彼ってマイク・タイソンに顔が似てますよね

http://www.youtube.com/watch?v=mi_Fp7su7ns&feature=fvsr  


ではおやすみなさい


210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 00:28:42.44 ID:etsi2iJDo
1乙なんだよ
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 00:29:36.44 ID:MmVZncUGo
乙なんだよ!
212 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:22:45.36 ID:XiKOFH7X0
翌日

清々しい朝日が学園都市を照らす

冬の寒さに身を震わせながらも、学生達は歩いていた

上条「・・・寒いな」

美琴「寒い寒い・・・なんでこんなに寒いのよ・・・」

身を縮こまらせた二人が道を歩く

上条は学ランの上にコートを羽織り、マフラーを巻いて手袋もしている

だが一方の美琴はマフラーだけだ

常盤台中学は制服に関しての校則もかなり厳しい

スカート丈を短くしただけでも、教師からの印象が悪くなるほどだ

ましてや、制服の上にコートを羽織るなんてことをしたら大変なことになる

マフラーだけは許されているのだが、それだけでどうにか出来る寒さではない

上条「カイロいるか?」

美琴「ありがと・・・」

美琴が上条からカイロを受け取る


213 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:23:11.90 ID:XiKOFH7X0
かじかんでいた手先が、少しずつ温もりを取り戻す

上条「どうだ?」

美琴「はぁ・・・あったかい」

上条「こうするともっとあったかいぞ」

上条が手袋を片方外し、美琴の手を握る

余った手袋は、美琴の開いた手に被せる

美琴「あ、あったかい・・・」

上条「だろ?」

美琴の顔が赤くなる

寒いからではなく、恥ずかしいからだろう

周りを歩く学生が羨ましそうに上条を見つめている

美琴「・・・な、なんか恥ずかしいわね」

上条「そうか?」

美琴「・・・ううん、幸せなんだけどさ」

ニコリと笑う美琴を、抱きしめてしまいたくなる


214 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:23:43.43 ID:XiKOFH7X0
もしも周りに学生がいなかったらそうしていただろう

だが今は生憎、それは出来ない

代わりに少しだけ、手を強く握る

美琴「・・・あ、垣根と心理定規じゃない?」

道の先に、見慣れた二つの背中があった

上条「ホントだ!おーい!」

上条が垣根と心理定規に声を掛ける

垣根「あぁ?なんだ、上条じゃねぇか」

心理「・・・朝からずいぶんと見せ付けてくれるわね」

美琴「えへへ//」

垣根「うっぜぇ!なんだこいつうっぜぇ!」

上条「お前達だって二人で登校してるじゃねぇか!」

垣根「一緒に歩くだけ!手なんて繋いでない!」

心理「・・・しかも手袋を片方美琴に貸してあげてるわ」


215 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:24:11.45 ID:XiKOFH7X0
上条「い、いいだろ!?」

垣根「みなさん、これがリア充です」

美琴「何よ・・・いいじゃない」

垣根「まぁいいんだけどさ・・・それより上条」

上条「ん、なんだ?」

垣根「しっかり台本、叩き込んだか?」

上条「!?」

垣根「なんでビビってるんだよ・・・!」

垣根が驚いたような顔をする

気づいてしまったのだ

垣根「俺達が帰った後でヤったんだろ!」

上条「い、言うな!」

垣根「マジだったのかよ!」

美琴「ち、違うわよ?」

心理「明らかにキョドってるじゃない」


216 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:24:43.72 ID:XiKOFH7X0
上条「・・・し、してないし」

垣根「なぁ、何回くらい?」

美琴「あぁもう!そんなことより、当麻は台本覚えたの!?」

垣根「俺達が帰ってすぐヤったんだから覚える時間はなかったんだよな!?」

上条「う、うるせぇ!」

心理「はぁ・・・あのね、恋人に口を出すつもりはないけどプライベートと公は分けなさい」

垣根「そうだそうだ!」

上条「・・・そ、その・・・あれだ、覚えた」

垣根「ウソつくんじゃねぇよ」

心理「鬼の一番最初の台詞は?」

上条「こ、こんにちは・・・かな」

心理「違うわよ上条君・・・」

上条「う、ウソだろ!」

垣根「・・・御坂、てめぇが上条を誘惑したからこうなったんだよ」


217 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:25:13.50 ID:XiKOFH7X0
美琴「ち、違うわよ!」

垣根「はぁ・・・もういいや、黙れよバカップル」

上条「バカップルってなんなんだよ!」

垣根「てめぇらをバカップルって言うんだよ!台詞覚えないしよ!」

上条「覚えてるって!なんか色々あるよな!」

心理「・・・あら、あれ一方通行じゃない?」

上条「あ、スルーなんですか」

心理定規が指差した先には一方通行がいる

道行く学生を睨みつけるようにして立っている

学生はその視線から外れられるように歩いていた

垣根「通り魔的視線だな」

上条「なんだそりゃ・・・でもたしかにあれはまずいな」

美琴「私達を探してるんじゃないの?」

心理「・・・そうだとしたら会いたくないわね」


218 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:25:40.32 ID:XiKOFH7X0
垣根「いや、俺達に協力してくれるんだから会わないとダメだろ」

心理「じょ、冗談よ」

垣根「はぁ・・・つまんない冗談はやめろよ」

心理「・・・何よ」

心理定規が少し泣きそうな顔をする

上条「ほ、ほら!面白かったって!」

美琴「そ、そうよ!」

心理「・・・垣根が笑ってくれなきゃダメなのよ・・・」

上条「垣根!面白かったよな!?」

垣根「はぁ?いやいや、そうでもな・・・」

美琴「面白かったわよね!?」

垣根「お、おう」

心理「そ、そう?」

心理定規が垣根を涙目で見つめる

垣根「なぁ上条!上目遣いって卑怯だよなぁ!?なんかドキドキしちゃうよなぁ!?」


219 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:26:30.10 ID:XiKOFH7X0
上条「あ、あぁ」

垣根「・・・心理定規、素晴らしいぞ上目遣い」

心理「?」

垣根「っと、一方通行だったな」

上条「あぁそうだった」

四人が一方通行に近づいていく

上条「おーっす」

一方「あァ?やっと来たか・・・」

美琴「?もしかしてずっと待ってたの?」

一方「ずっとじゃねェ・・・」

上条「悪いな、待たせたのか」

一方「お前達と合流しないと学校に入れないからな」

上条「いや・・・今は体験入学中だから自由に入れるんだけど」

一方「・・・早く言えよ」

上条「お前が学校に行こうと思ってるって知らなかったんだけど・・・」


220 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:27:39.14 ID:XiKOFH7X0
心理「意外とやる気だったのね」

一方「打ち止めと番外個体にも見せないといけねェからな」

美琴「あの二人も来るんだ」

心理「いいの・・・?あなた、関係を周りから聞かれるわよ」

美琴「従姉妹ってことにすればいいもん」

上条「まぁそうだな」

垣根「・・・で?お前は台詞、覚えられたのかよ」

一方「当たり前だろ、なンで覚えられないンだよ」

上条「う・・・」

心理「・・・誰かさんに聞かせてあげたいわ」

一方「・・・上条、てめェまだ覚えてないのか」

上条「いや・・・ほら、忙しかったんだって」

垣根「御坂とのエッチで時間取っちゃったんだと」

上条「違うからなぁ!」

一方「ちっ・・・なンでサブの俺がここまで張り切ってンだよ」


221 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:28:31.31 ID:XiKOFH7X0
心理「・・・上条君、一方通行を見習いなさい」

上条「はーい・・・」

美琴「あんまり当麻を責めないで・・・私が悪いのよ」

上条「美琴・・・」

心理「同情なんてしないわよ」

美琴(ちっ)

垣根「・・・ま、一方通行も来てくれたんだし急いで学校行こうぜ」

一方「なンだよ、練習無しのぶっつけ本番なンだろォが」

垣根「まぁそうなんだけどさ・・・」

垣根が親指を立て、ニヤリと笑う

垣根「本番前の最後の気合いを入れなきゃな」


吹寄「・・・みんな集まったわね」

教室には凛とした空気が満ちていた

教卓の前に立っている吹寄に、全員が注目している

姫神「・・・吹寄。もうすぐ体育館に移動しなきゃいけない」


222 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:29:20.52 ID:XiKOFH7X0
土御門「それまでに話は終わらせてほしいぜぃ」

青ピ「大丈夫やって、ボク達はみんなしっかり台詞覚えてるからな」

吹寄「そうね・・・心配なんていらないわ」

上条「そうそう・・・俺もさっき、台本読み返したしさ」

垣根「お前が一番心配なんだろ」

上条「なんでだよ!?」

心理「静かにしなさい・・・みんなも集中してるんだから」

垣根「さて、じゃあ上条!」

上条「ん?なんだよ」

垣根「こういう時はやっぱりお前がまとめないとダメだからな!」

上条「お、俺が?」

吹寄「・・・悔しいけど、貴様は中々みんなをまとめるのが上手いのよ」

土御門「にゃー、しっかり頼むぜカミやん」

姫神「期待してる」

青ピ「カミやん、早く早く!」


223 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:30:21.36 ID:XiKOFH7X0
上条「・・・じゃあ」

吹寄の隣に上条が向かう

クラス全員の心が一つになっていた

上条「みんな、今日までしっかり準備をしてきた・・・俺達の努力を、本番にぶつけよう」

垣根「決まってんだろ」

上条「ぶっつけ本番ってのも、なんだかんだ俺達らしい」

心理「・・・ま、そうね」

上条「・・・体験入学のみんなに楽しんでもらおう」

吹寄「分かってるわよ」

上条「そして、俺達も楽しもう」

青ピ「当たり前やんか」

上条「・・・みんな、力を抜いて・・・」

姫神「・・・緊張は禁物」

上条「そして、しっかり自分の役目を果たそう」


224 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:31:16.26 ID:XiKOFH7X0


土御門「了解ですたい!」

上条「みんな!楽しい一日にしてやろう!以上!」

一同「おー!」

クラス全員が拳を高く突き上げる

体験入学二日目

彼らの劇の幕が上がるまで、あと3時間


美琴「・・・いたいた」

黒子「あら、お姉さま!探しましたのよ!」

美琴「ごめんごめん・・・」

佐天「御坂さんもやっぱり来たんですね!」

美琴「だって当麻が主人公で劇をやるのよ!?」

初春「でも劇まではもう少し時間がありますよ?」

美琴「そうなのよね・・・」

佐天「一応、他のクラスの舞台も見てみませんか?」



225 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:32:13.10 ID:XiKOFH7X0
黒子「そうですわね」

四人は体育館の前で集合していた

そこには体験入学の生徒がたくさん集まっている

早く並べば早く並ぶほど、いい席を取れるからだ

美琴「・・・私達は真ん中くらいの席でいいわよね」

黒子「えぇ、ちゃんとカメラも持ってきていますの」

佐天「わざわざカメラに撮るんですか?」

美琴「だ、だって・・・」

初春「上条さんの活躍を収めたいんですよね」

初春が笑う

美琴「・・・だって、当麻がこんなことするのって珍しいから・・・」

黒子「たしかに珍しいですわね」

佐天「御坂さんったら、彼氏さんにベタ惚れなんですね」

ニヤニヤと佐天が笑う


226 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:32:44.44 ID:XiKOFH7X0
美琴「い、いいじゃない!」

佐天「誰もダメだなんて言ってないですよ?」

美琴「う・・・」

黒子「全くお姉さまは・・・」

そこまで言った黒子が固まった

初春「?どうしたんですか」

佐天「?」

二人が黒子の視線を追う

そこには美琴にそっくりな二人がいた

打ち止め「あー!一方通行の出番は何時からなのか聞くのを忘れてた!ってミサカはミサカは頭を抱えて・・・」

番外「外ではその口調はやめなきゃダメだって、上位個体」

打ち止め「わ、忘れてた・・・」

番外「あーあー、こんなんじゃお姉様に・・・ってお姉様がいた」

打ち止め「あ!ホントだ!」

番外「・・・ちょっと待って、友達と一緒みたいだ」


227 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:33:39.99 ID:XiKOFH7X0
打ち止め「?それがどうしたの?」

番外「やっほー、美琴」

美琴「!ひ、久しぶり!」

初春「あ、あの・・・」

美琴「わ、私の従姉妹の・・・」

番外「美樹だよ、よろしく」

佐天「御坂さんの従姉妹!?」

黒子(よくもまぁ咄嗟に嘘が・・・)

打ち止め「あー!あなたは!」

初春「アホ毛ちゃん!」

打ち止め「アホ毛じゃないもん!」

番外「こっちはミサ・・・私の妹の美花だよ」

佐天「ま、また御坂さんの従姉妹!?」

打ち止め「よろしくだぜ!」

初春「な、なんだか前に会った時よりテンションが高い気が・・・」


228 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:34:43.06 ID:XiKOFH7X0
番外「初めてこの学校に来るからテンション上がってるんだよ」

番外個体が適当に答える

出来る限り早く、この場から去りたいのだろう

嘘をつき続けるのは中々頭を使うのだから

美琴「二人はこれからどうするの?」

番外「一方通行と合流するかな」

初春「一方通行さんと知り合いなんですか?」

番外「ま、まぁね」

佐天「すごい・・・あ、あの!やっぱり美樹さんも能力者なんですか!?」

番外「い、一応」

佐天「すっごいなぁ・・・さすが御坂さんの従姉妹ですね!」

黒子「まぁまぁ・・・その辺にしておきましょう」

黒子がパンパン、と手を叩く

佐天「あぁ、そうだった」

番外「じゃあ・・・またあとでね」


229 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:35:12.34 ID:XiKOFH7X0
美琴「うん・・・一方通行は多分、今は観客席の近くにいるはずよ」

番外「そうなの?」

美琴「関係者ではあるけど、ずっと舞台裏にはいれれないはずだから」

打ち止め「なら適当に探せばそのうち会えるね!」

番外「情報提供ありがとう!」

番外個体が笑いながら駆け出す

打ち止め「待ってー!」

そのあとを、打ち止めが追い掛ける形になった

どう見ても仲良し姉妹にしか見えない

番外個体が姉で打ち止めが妹に見えることだろう

実際はその逆なのだが

佐天「・・・仲良しですね」

美琴「まぁね・・・運命共同体なんだもの」

初春「?」


230 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 11:36:15.01 ID:XiKOFH7X0
美琴「あぁごめん、なんでもないわよ」

美琴が笑ってごまかす

時刻は8時半

ちょうど、体育館の入り口が解放された

黒子「あら、開きましたのね」

初春「早く行きましょう、みなさん!」

佐天「オッケー!」

美琴「はぁ・・・なんだか騒がしくなりそうよね」

黒子「大丈夫ですのよお姉さま」

美琴「そうだといいけど・・・」

美琴が不安そうに体育館を見つめる

中はすでに、半分近くの席が埋まっている

美琴「はぁ・・・」


美琴「・・・楽しまなきゃ損よね・・・」


231 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 18:29:58.58 ID:XiKOFH7X0

上条「・・・思ったより観客も多いな」

体育館を覗きながら、上条が呟く

用意された椅子だけでは足りなかったため、急遽実行委員がパイプ椅子を並べている

吹寄「・・・すごいわね」

青ピ「垣根の宣伝効果、抜群なんやねぇ・・・」

姫神「・・・これが。貧富の差」

垣根「いや、違うからな」

土御門「・・・緊張するぜぃ・・・」

心理「私達の出番までまだ2時間もあるのよ?」

上条「たった2時間だろ!?」

上条が頭を抱える

彼はまだ、全ての台詞を覚えていない

このままでは美琴が見ている前で台詞をすっ飛ばし、そのまま気まずい空気になるなんていうベタなイベントを発生させてしまいそうだ

上条「はぁ・・・どうすりゃいいんだ・・・」

吹寄「残りの時間で出来る限り叩き込みなさい」

上条「よーし!やってやるよ!!」


232 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 18:37:12.80 ID:XiKOFH7X0
垣根「・・・なぁ、一方通行はどこだ?」

心理「たしか・・・まだ外にいるはずよ」

垣根「あいつ時間ギリギリまで打ち止めとか番外個体とかと遊んでるつもりだな・・・」

吹寄「?何のこと?」

垣根「なんでもねぇよ・・・それで、吹寄は照明のほう大丈夫そうか?」

吹寄「まぁ、やってみるわ」

姫神「・・・私は。なぜかおじいさん役」

青ピ「えぇやん、ボクは結局猿なんやで?」

土御門「俺だって犬だぜぃ・・・せめて人間の役を欲しかったにゃー」

垣根「文句を言うな!!現実とは得てして残酷なんだよ!!」

上条「はぁ・・・台詞長いな・・・」

心理「文節で区切って覚えなさい」

上条「むしろ文節を考えないといけないから分からないんだよ!!」

垣根「これだからおバカちゃんは」

上条「おバカ言うな!!」


233 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 19:47:26.39 ID:XiKOFH7X0
垣根「まぁまぁ、さっさと覚えろよ」

上条「分かってるよ・・・」

台本をペラペラと捲り、自分の台詞だけをチェックする

上条(・・・ここは、しっかりと大きな声で・・・)

垣根「そして、おっぱいを愛でるように優しく」

上条(・・・ちょっとここは、悲しげでありながらも強く・・・)

垣根「まるで初めての性行為のときのように怯えながら」

上条(・・・ここは、鬼の名台詞だから一番声を張って・・・)

垣根「僕たちは歩いた」

上条「あぁもう!!邪魔すんじゃねぇよ!!」

垣根「はっ、こんなことで気が散るようじゃダメだな」

上条「・・・うぜぇ・・・」

吹寄「上条、貴様の出番は始まって10分くらいからよ・・・だから、それまではしっかりと読み返しなさい」

上条「分かってるって」

土御門「さて、そろそろ他のクラスの発表だぜぃ」

姫神「まるで。文化祭みたい」


234 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 19:51:31.57 ID:XiKOFH7X0

美琴「あ、始まったわね」

黒子「やっとですの・・・」

舞台から少し離れた、中ほどの席

そこに四人は座っていた

初春「あ、見てください佐天さん!!なんだかギターがありますよ!!」

佐天「へぇ・・・なんだろ、合唱でもするのかな?」

美琴「ギターで弾きながら・・・ね」

黒子「ですが、クラシックギターの前にマイクとは中々不思議な光景でもありますの」

美琴「ちょっと時代が違うわよね」

初春「そ、そうなんですか?」

佐天「私は普通だと思うけどなぁ」

黒子「風情がどことなく崩れる気がしますの・・・」

美琴「うーん・・・仕方ないけど」

常盤台の二人は注意深く舞台を見つめている

どうやら、演奏するのは一人だけのようだ


235 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 19:57:14.67 ID:XiKOFH7X0
美琴「・・・あの人はギターが得意なのかな?」

黒子「そうなのかもしれませんわね」

一人の生徒だけが、舞台の真ん中に現れる

観客席からは少し野次のようなものが飛んでいる

それにニコニコと返しているのを見ると、友達からの野次のようだ

美琴(・・・ギターかぁ・・・いいわね)

黒子(わたくしも、たまにギターの音色を聞きたいことがありますの)

佐天(・・・なんだか、やっぱり二人はお嬢様なんだなぁ・・・)

初春(私も、ギターが好きです!!)

佐天(・・・すごいなぁ、ギターについて熱く語れるなんて)

一礼をした生徒が、ゆっくりとギターを手に持つ

シン、とした会場の中に、ギターの音だけが響き始める

美琴(・・・綺麗)

黒子(・・・中々ですわね)


236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 20:00:56.06 ID:nV9e/uGko
                          おまえに足りないものは―、それは!!
            ,.   __,,,...   ,.-'"!`ヽ、   情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さーーー
         ,.r''"´''''''"´,.=/,. -'"   人   \   そして何よりもーーーーーー!!!!!
        l__,,,...、-''"´‐''゙" __,,..、-'゙   \  ヽ.
        /,-‐','" l゙ l ゙̄,/   ``ヽ、.,_\.,_,'、          ______
        `j‐'゙/‐、l_,、 i__        r'-、l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         `゙゙      'ヽ、r ゚`。‐----、_ ゙uulj
                `ヾ―‐‐‐----、`'''======‐‐‐--、..,,,,_______
                          `'――――――----------------―‐
                       ―二      三=
                     ―=≡   r--   二=―      _―――
                    ――二   二―\   ≡=    ―三=― ̄
                   ――三   ≡―  ̄\    三=―= ̄     二=―
                 ――‐二   三=―‐ ―=二    ̄   _==― ̄ ̄
                  ―=/   ≡=―‐     ―二_    二=―
              ――‐二/   /=―  

  ヽ ‐┼‐  ‐‐\‐‐     __/  、ヽヽ ┌─┐   l   l   _/            | ̄| | ̄|. | ̄|
  '''7 lココ      〉    ̄ /``ヽ\  └┬┘   レ  l   / ̄ \  l    l   | |  | |  | |
   ) /|\   、       /    |    ./├       l     __l.     l    l   |__|  |__|  |__|
  ∠-‐‐‐‐--   ゙''‐--   /   、/    /''‐┴‐--    /     し'ヽ     レ    l  □  □  □
237 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 20:02:05.36 ID:XiKOFH7X0
舞台の端から、だんだんと生徒が出てくる

アルトサックスやトランペット

そして、舞台の端にあるピアノにも生徒が座った


上条「・・・なんだか、よく聞く曲だな」

青ピ「でもこれ、なんていう曲なんやろ?」

垣根「アランフエス協奏曲だな」

土御門「・・・アランフエス?」

心理「ホアキンの代表曲よ・・・哀愁漂う第二楽章は有名よね」

吹寄「そ、そうなの?」

姫神「・・・よく分からないけど綺麗」

垣根「デイヴィスとかジムとかのアレンジが有名かな」

心理「・・・あぁ、綺麗よね・・・あの子、中々ギター上手じゃない」

垣根「そうだな、他のヤツらもギターの音を殺さないように上手くやってる」


238 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 20:09:31.44 ID:XiKOFH7X0
上条「二人はクラシックとか詳しいのか?」

垣根「まぁボチボチかな」

心理「眠くなりたいときにはよく聞くわよ」

土御門「そんなもんかにゃー・・・」

青ピ「なんや、垣根もそういうオシャレなこととか好きなんやな」

垣根「俺は元々そういうキャラだ」

吹寄「そうかしら?」

垣根「・・・にしても、ホントにいい演奏だな・・・」

心理「金賞は取れないけど、しっかりと心を込めているわね」

垣根「あぁ、こりゃ相当生徒にも評判いいだろうな」

上条「・・・なんか、負けたくないよな」

垣根「当たり前だろ、俺たちのほうが印象には残るはずだ」

心理「・・・こんな台本で?」

心理定規が呆れたように台本を掲げる


239 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 20:12:00.67 ID:XiKOFH7X0
それは、垣根の作った台本なのだ

少々、というには多すぎるほどのボケも入っている

上条「・・・印象には残るかもな」

垣根「だろ?」

吹寄「まぁ・・・真面目すぎる演劇よりはこういうののほうがいいかもしれないわね」

垣根「文句は言うな、どうせもう変えられないんだ」

土御門「にゃー、そうだぜぃ」

心理「・・・いいんだけどね」

姫神「私は。おじいさん。ふふふ」

青ピ「・・・ボクは猿なんやで?姫やんが羨ましいわぁ・・・」

垣根「・・・にしても、一方通行はまだ来ないのか」

上条「・・・あいつ、何してるのかな」

垣根「・・・どうせ」


垣根「二人に振り回されてるんだろうな」


240 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 20:22:55.56 ID:XiKOFH7X0

番外「一方通行!!ミサカたちの席がないじゃん!!」

打ち止め「お前の席ねーよ、みたいな状況だってミ・・・っと、これはダメだったね」

一方「・・・お前たち、並ンでたンだろォが」

番外「いやぁ、アナタを探してたらその間にみんなが座っちゃっててさ」

一方「・・・俺のことなンかほっといて座ればよかったのによ」

打ち止め「そんなこと出来ないよ」

一方(ロリって可愛い)

番外「どうしたの?なんだか泣きそうな顔になってるけど」

一方「なンでもねェ」

打ち止め「それで・・・どうすればいいのかな?」

一方「・・・そォだな、関係者席から見てみるか?」

番外「え、それって大丈夫かな?」


241 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 20:29:55.04 ID:XiKOFH7X0
一方「・・・お前たちはオリジナルの従姉妹ってことにしとけ」

番外「いや、そうだけどさ・・・」

打ち止め「ミサカたち、関係者じゃないよ?」

一方「いいンだよ・・・俺が説得する」

一方通行が溜め息をつく

無理矢理劇に誘われたのだから、それくらいは許されるだろう

番外「ひゃっはー!!いい席からアナタの勇姿を見られるんだね!!」

一方「・・・見られたくねェけどな」

打ち止め「MNWに流す用意は出来てるぜ!!」

一方「流すンじゃねェ!!」

そんなやり取りをしている三人の近くに、一人のミサカが寄ってきた

19090「こ、こんにちは」

番外「ん?あれ、19090号じゃんか」

一方「あァ?お前も見に来た・・・」

一方通行が19090号のほうを見て


ぎょっとした



242 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 20:39:47.42 ID:XiKOFH7X0
20000「やっほー!!セロリたん!!」

14510「こ、これは緊張しますね・・・お、おはようございます!!」

御坂妹「・・・一方通行派のミサカが大暴れですよ」

17600「みんな静かにしろよな」

10033「おぉ!!ここがお義兄様の学校ですか!!」

13577「ほえー・・・こんなに微妙な校舎だとは思いもしませんでした」

10039「ぶっちゃけ、特徴のない学校ですね」

19090「そ、そんなことを言ったらダメですよ!!」

一方「・・・お前ら、何しに来てンだ・・・」

御坂妹「おはようございます、お義兄様や垣根、そしてあなたが大活躍する桃太郎を見に来ましたよ」

一方「帰れ」

御坂妹「出来ません、見てくださいよこの完璧な特殊メイク」

妹達は全員、17600号によって特殊メイクを施されていた

一見すれば、ただの仲良しグループにしか見えない


243 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 21:07:02.79 ID:XiKOFH7X0
一方「・・・ちっ、俺はもォ準備に向かうからなァ」

打ち止め「えっ、もう行っちゃうの?」

一方「・・・お前らみたいな騒がしいのと一緒にいられるか」

一方通行が一人、体育館の裏口に向かう

番外「ちょ、ちょっと!!関係者席・・・」

一方「そンな大人数はさすがに無理だ」

肩をすくめた一方通行が、完全に体育館の影に隠れてしまった

19090「・・・も、もしかして邪魔でしたか?」

番外「・・・いいよ、別に・・・」

10039「愛想のない一方通行ですね」

14510「そんなことを言わないでください!!」

20000「ま、立ってでもいいから見ようぜ」

体育館を指差しながら20000号が笑う


20000「・・・みんな、MNWの準備はいいか?」

ミサカ一同「もっちろん!!」


244 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/21(月) 21:08:34.24 ID:XiKOFH7X0
今日はここまで

筋肉動画は山岸選手の指導もしているミロスさんの現役時代

二頭にシンソール、いわゆる詰め物をしていたという疑惑がありますね

二頭は彼の弱点でしたから

それでも、偉大な選手です

http://www.youtube.com/watch?v=7_GH3XsELeU  


1999年のオリンピアは面白かった・・・今は個性がない選手がほとんどです

ではおやすみなさい


245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 22:00:06.72 ID:nV9e/uGko
乙乙乙乙乙乙乙
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 23:39:56.74 ID:C4x4EP7so
乙なんだよ!
247 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:29:30.11 ID:hjSqr42z0
上条「・・・あと少しだな」

時計を確認した上条が台本を閉じる

垣根「そうだな」

吹寄「・・・今更だけど、かなり緊張するわね」

青ピ「なんや、吹寄でも緊張するんかいな」

吹寄「当たり前でしょ・・・はぁ、なんだか息苦しい」

姫神「私は。目立てるから嬉しい」

土御門「気楽で羨ましいぜぃ」

心理「・・・私は出番がまだまだだから大丈夫だけど」

垣根「よし!じゃあ上条!」

上条「はいはい」

上条がクラス全員を集める

円陣を組み、顔を見合わせる

上条「さて・・・さっきのギターの演奏はかなり盛り上がってた」

心理「そうね・・・」



248 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:30:04.54 ID:hjSqr42z0
上条「だから、俺達にもかなり期待されているはずだ」

土御門「ハードルは高くなってるな」

上条「でもそんなことは気にするな!」

全員が、上条の言葉に頷く

上条「俺達は俺達がやるべきことをやればいいんだ!他人と比べた評価なんて好きにさせとけ!」

垣根「よっ!大統領!」

上条「みんな!頑張ろうな!」

一同「おー!」

ダン、と地面を踏み、一同が肩を叩き合う

ちょうど体育館には、次の劇に関するアナウンスが流れていた

上条「姫神、頑張れよ」

姫神「任せて」

一方「よォ」

上条「!来たか一方通行!」

体育館の端から、一方通行が上条に向かって歩いて来る


249 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:30:33.15 ID:hjSqr42z0
一方「悪いな、少し遅れた」

上条「気にするな・・・準備は出来たか?」

一方「衣装はこの上から着ればいいンだろ」

吹寄「そうよ・・・大丈夫そうね」

一方「演技力についてはとやかく言うなよ」

心理「楽しく出来ればいいのよ」

一方「あァ」

青ピ「!準備出来たみたいやで!」

青髪が二人を手招く

一方「・・・行くか」

姫神「了解」


美琴「!始まった!」

黒子「・・・まぁ、アナウンスは吹寄さんですのね」

佐天「アナウンスもあるんだ・・・」

初春「あ、アナウンスは吹寄さんの他にもいるみたいですね」

美琴「ふーん・・・あ!一方通行だ!」

黒子「あら、中々古びた衣装が似合ってますわね」


250 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:31:03.22 ID:hjSqr42z0
『昔むかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました』

姫神「ワシが。おじいさん」

一方「私がおばァさン」

『二人はとても仲良しです、いつも協力し合って生活していました』

一方「竹でも切って来いよジジイ」

姫神「うるせぇ。てめぇは服と一緒に心も洗って来いよババァ」

『ある日、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました』


美琴「・・・仲良し?」

黒子「殺伐としていますの」

佐天「これは・・・中々皮肉が効いてる!」

初春(佐天さんがおかしくなりました)


一方「あァだりィ・・・ジジイのヤツ調子に乗りやがって」

『おばあさんは洗濯物を必死に洗います』

一方「ちっ・・・こンな汚れつけやがってあのジジイ」


251 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:31:30.49 ID:hjSqr42z0
『洗濯の間も、大好きなおじいさんのことばかり考えています』

一方「大体よォ・・・あンなジジイだからセックスレスなンだ」


番外「」

打ち止め「セックスレス・・・か、かなり大胆な行動に出た!」

19090「が、学生の前でこれは・・・」

御坂妹「ですが、かなりウケてますね」

20000「いいじゃん、リアリティがあって」

14510「い、いいのでしょうか」


『しばらくすると、川の上流からどんぶらこどんぶらこと桃が流れて来ました』

一方「・・・なンだあれ」

『そのまま、桃は川を流れていきます』

一方「仕方ねェ・・・」

『おばあさんはベクトル変換で、川を逆流させました』



252 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:31:56.65 ID:hjSqr42z0
黒子「有り得ませんの!」

美琴「ひ、ひどいわね」

佐天「すごい!あぁいうことも出来るのかな!?」

初春「さ、佐天さん!演技ですから!」

美琴「はぁ・・・頭が痛くなってきた」


『おばあさんは無事に桃を手に入れました』

一方「・・・けどよォ・・・こンなでかい桃、どォやって持って帰るンだ」

『そう、桃は大きすぎるのです』

一方「仕方ねェ・・・能力使うか」

『おばあさんは能力を使い、軽々と桃を持ち上げました』

一方「・・・あァ、だりィな」

『悠々と歩きながら、おばあさんは家へ向かいます』


番外「な、なんだこりゃ」

19090「学園都市ならでは・・・でしょうか」


253 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:32:34.40 ID:hjSqr42z0
13577「でもなんか・・・ひどいクオリティーですね」

打ち止め「あの人が大活躍してるよ!」

御坂妹「上位個体は喜んでますね」


『家まで辿り着くのには、かなり時間が掛かります』

一方「や、やべェ・・・チョーカーの・・・電池・・・」

『おばあさんは倒れてしまいました』

一方「・・・クソ・・・」

『段々と、彼の・・・じゃなかった、彼女の体から熱が奪われていきます』

一方「・・・もォだめかもしれねェな」

『今更ながらに後悔しました、朝もおじいさんに素直な気持ちを伝えなかったことを』

一方「・・・はン、くだらねェ・・・」

『後悔しました、桃を拾ったことを』

一方「・・・もォいいじゃねェか」

『後悔しました、おじいさんに最後まで愛している、と言わなかったことを』


254 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:33:25.41 ID:hjSqr42z0
一方「・・・時間なンて戻せないンだよ・・・」

『もしも戻せたら、どれほど素敵だったでしょう』


姫神「おばあさん。それは間違ってる」

一方「!お前・・・」

姫神「時間なんて戻せたらいけない」

『おじいさんはなぜか、おばあさんの元に来てくれました』

一方「なンで・・・」

姫神「あなたが困っているなら。私はどこまでも駆け付ける」

一方「・・・なンでそンなことが出来るンだ・・・」

姫神「理由なんてない」

『おじいさんはおばあさんに肩を貸します』

姫神「それが。愛というものだから」

一方「!」


観客席から、拍手がなぜか起きる


255 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:34:07.43 ID:hjSqr42z0
美琴「な、何よこれ・・・桃太郎って桃太郎が産まれてからがメインよね!?」

黒子「・・・アレンジを加えすぎですわね」

佐天「いいじゃないですか!これくらいが一番楽しいですよ!」

初春「・・・でも、なんだかややこしいですね」


一方「・・・悪かった」

姫神「時間のベクトルは操れない。それだけ」

一方「・・・あァ」

『おじいさんが、なぜかとても男前に見えます』

姫神「ところで。この桃は何?」

一方「拾ったンだよ、川で」

姫神「なら。持って帰ろう」

『おじいさんは、桃を転がしながらおばあさんを運びます』

一方「・・・やっぱりお前は頼りになるな」

姫神「ありがとう」


256 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:34:46.69 ID:hjSqr42z0
一方「・・・」

『おばあさんは、なぜかときめきました』


番外「あぁ!なんかテンポ悪すぎない!?」

10039「・・・もう少しで桃太郎が産まれますよ」

御坂妹「それまでの我慢ですよ」

19090「そうですね・・・」


一方「さて、帰ってきたか」

場面転換は既に終わっていた

ここから、物語が始まる

姫神「じゃあ。桃を切ってみようか」

一方「あァ」

『おばあさんが包丁を桃に当てます』

姫神「スパッと。いっちゃって」

一方「任せろ」


257 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:35:21.35 ID:hjSqr42z0
『そして、まさにそれを切ろうとした時』

一方「!?」

姫神「な。何!?」

『桃から、不思議な翼が生えました』


美琴「おかしいおかしい!」

黒子「絶対垣根さんがカッコつけたいだけですの」

佐天「すごい!見てよ初春、翼だ!」

初春「すごいですね佐天さん!」

美琴(ダメねこの二人・・・)


『恐る恐る、その桃を切ると、中には一人の男の子がいました』

垣根「やぁ」

一方「やァ、じゃねェ!」

姫神「あなたは。一体何なの」



258 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:36:12.33 ID:hjSqr42z0
垣根「吾輩は男の子である、名前はまだ無い」

『その中にいた男の子は、かなりのイケメンでした』

一方「・・・なンなンだよ全く」

姫神「・・・君は。何?」

垣根「あれだよ、正義の味方」

姫神「・・・とにかく。私達には子供がいない」

一方「あァ・・・歓迎してやるよ」

垣根「マジか、サンキュー」


番外「軽すぎる!」

17600「ひどいクオリティーだな」

14510「・・・ですが、やっと桃太郎は出てきました」

打ち止め「これからだね!」

10039「むしろ、始まってはいけない気もしますが・・・」


259 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:37:06.95 ID:hjSqr42z0
『おじいさんとおばあさんは、男の子に桃太郎という名前をつけました』

垣根「桃から産まれたから桃太郎だぁ?」

一方「文句あるなら出ていけ」

垣根「それってさ、一番目に産まれたから一郎って名前にするのと同じくらいベタだぜ」

姫神「仕方ない。私達にセンスなんてないから」

『桃太郎はスクスクと育ちました』

姫神「しかし。お前はホントに成長が早い」

垣根「もう毛が生えました」

一方「・・・」

姫神「そうだ。きびだんご出来てるよ」

垣根「ちっ・・・白い恋人のほうが好みなんだが、仕方ないな」


美琴「・・・時代背景なんかは完全に無視してるのね」

佐天「・・・きびだんごが力の元なんですよ!」

初春「そうですよ!簡単に言えば、アンパンマンの新しい顔です!」

黒子「全く違う気がしますわ」

美琴「はぁ・・・それより、早く当麻の出番にならないかなぁ・・・」


260 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:37:48.29 ID:hjSqr42z0
『それからどれほどの月日が経ったでしょう、ある噂が村に流れました』

姫神「知ってる?鬼が出たらしい」

一方「鬼?なンだよそりゃ」

垣根「角が生えてんのかよ?オーガなのかよ?」

姫神「そうみたい」

一方「ちっ・・・どンなヤツなンだよ」

姫神「なんでも。人を襲い食糧を奪うみたい」

垣根「ひでぇなおい」

一方「・・・マジかよ」

姫神「この前は隣の村がやられた」

垣根「めんどくせぇ・・・」

『桃太郎がゴロン、と転がります』

垣根「ばあさん、頼みがある」

姫神「何?」

垣根「とっておきの衣装と・・・きびだんご、用意してくれよ」


261 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:38:25.16 ID:hjSqr42z0

上条「・・・悪いな」

『その頃、鬼はある村を襲っていました』

上条「でもな、この食べ物はお前達だけの物じゃないんだよ!」

小萌「そうなのです!あなた達はお金をたくさん持っているのに、こんなに食べ物まで蓄えて・・・」

黄泉川「貧乏な人々には分けようとさえしてないじゃん!」

「か、返せ!この鬼共が!」

上条「鬼で何が悪い!?角が生えてるから鬼か!?」

黄泉川「他人のことを思いやらず、自己中な生活を送るお前達のほうが鬼じゃんよ!」

『鬼達は、お金持ちから食糧を奪いました』

小萌「逃げますよ!」

上条「あぁ!」

『そしてそれを、貧乏な子供達の家に分け与えます』

黄泉川「見つからないようにするじゃんよ」

上条「分かってる」

『自分達を見たら子供は驚きます、だから決して見つからないように』



262 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:39:15.33 ID:hjSqr42z0
番外「鬼がめちゃくちゃいいヤツだ!」

19090「これは中々熱い展開になってきましたね!」

17600「ベタだな・・・」

10033「・・・ですが、観客席も盛り上がってますよ」


『桃太郎は、決意をおじいさんとおばあさんに伝えました』

垣根「二人とも、聞いてくれ」

一方「なンだよ改まって」

姫神「借金でもしたの?」

垣根「・・・俺は鬼を退治しに行ってくる」

一方「!?」

姫神「そんな危険な・・・」

垣根「うるせぇ、俺がやりたいんだよ」

一方「・・・お前がやる義理はねェだろ」

垣根「俺がやらない理屈もねぇ」

姫神「・・・鬼はかなり狂暴なはず」


263 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:39:43.81 ID:hjSqr42z0
垣根「知ってるよ、だからって誰もが立ち上がらないでいいのか?」

姫神「桃太郎・・・」

垣根「やだね、力がないとか怖いとか、自分には無理だとか誰かがやるとか、そんな言い訳ばっかり並べて偽った人生なんてよ」

一方「・・・分かった」

姫神「おばあさん・・・」

一方「だがな、無事に帰って来い」

垣根「・・・当たり前だろ」

『桃太郎は刀を握ります』

垣根「・・・ここ以外のどこに、帰ってくる家があるんだよ」

『笑いながら、家の戸を開けました』

姫神「無事でね」

一方「無理だけはすンなよな」

垣根「無茶なら大好きだぜ」

一方「またな」

垣根「あぁ」

『桃太郎は旅立ちました、鬼と戦うために』


264 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 15:40:28.89 ID:hjSqr42z0
美琴「・・・なんか、ちょっとおかしいわよねこの桃太郎?」

黒子「ちょっとではありませんわ、お姉さま」

佐天「・・・言い訳ばっかり並べて偽った人生・・・か」

初春「考えさせられますよね・・・」

黒子「た、たしかに少しはいい説教もありましたが・・・」

美琴「でもそれとこれとは別・・・なんじゃない?」

佐天「そんなことないですよ!」

初春「そうです!二人とも、もう少し肩の力を抜いて見てみましょうよ!」

美琴「う・・・分かったわよ」

美琴がステージを見つめる

今は場面転換中だ

真っ暗な中に、何人かの人影が見える

黒子「あら、黒子さんが頑張ってますわね」

初春「?白井さんはここにいますよ?」

黒子「・・・違いますの」

美琴「アンタってややこしい名前よね」

黒子「そうですわね」

 
265 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 17:35:30.28 ID:hjSqr42z0
初春「あ、再開するみたいですよ!」

佐天「ホントだ!準備終わったのかな!」

美琴「はぁ・・・ま、見るけどね」

黒子「・・・中々にだるい感じですわね」

美琴「このグダグダがいいのかもしれないけどね」


『桃太郎はきびだんごを持ち、旅に出ました』

垣根「・・・しかし、鬼を退治するって言っても何からすればいいか分からないんだよな」

『桃太郎は考えました、とりあえず仲間を作ろうと』

垣根「・・・きびだんごを餌にして釣ってみるか」

『桃太郎がきびだんごを振り回していると、一匹の犬が近づいてきました』

土御門「にゃー」

垣根「犬だって言ってんだよクソが」

土御門「いけね、ワンだワン」

垣根「・・・お前、今暇か?」


266 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 17:35:58.96 ID:hjSqr42z0

土御門「あぁ、暇だ・・・ワン」

垣根「どうだよ、きびだんごくれてやるから鬼退治に行かないか?」

土御門「いやいや、きびだんごだけで鬼退治なんか行けるかワン」

垣根「だよな」


番外「!ここに来て桃太郎批判だよ!」

19090「まさか・・・これがメタフィクションですか!」

御坂妹「そこまで衝撃的でもない気がします」

打ち止め「ねぇ、一方通行の出番はもうないのかな?」

17600「おばあさんはもう出てこないかもな」

14510「もうあの勇姿は見れないのですか・・・」

番外「大した活躍もなかったね」


垣根「・・・あれだ、鬼退治出来たらかなり人気が出るぞ」

土御門「な、なんだって?」


267 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 17:36:24.33 ID:hjSqr42z0
垣根「女にも人気が出るかもな」

土御門「!是非とも連れていってくれ!」

垣根「いいぜ、ならまずはその幻想を!」

土御門「違うだろ!」

垣根「おっと・・・いいぜ、ならまずはきびだんごを食えよ」

土御門「いいのか?」

『犬はきびだんごを一つ、口に含みました』

土御門「!なんだか力が湧いてきた・・・ワン」

垣根「いい加減語尾に慣れろよ」

土御門「でも二人だけだったらキツイんじゃないか?」

垣根「そうだな・・・他に仲間を探すか」

『再び、桃太郎はきびだんごをかざしました』


初春「あ、アナウンスの声が変わりましたね」

佐天「さっきまでの人の出番が近いのかな?」



268 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 17:36:54.59 ID:hjSqr42z0
美琴「そうかもしれないわね・・・」

黒子「となると・・・吹寄さんは猿かキジになりますわね」

美琴「このタイミングだとそうなるわよね」

佐天「・・・どっちなんだろ?」

初春「見ればわかりますよ!」


垣根「・・・ん?あれは猿か」

青ピ「ウキー、なんやアンタ?」

垣根「俺は桃太郎だ」

青ピ「桃太郎はんか、覚えたでー!」

垣根「・・・お前、きびだんご欲しいか?」

青ピ「是非とも貰いたいんやけど!」

垣根「なら一緒に鬼退治行こうぜ、女に人気も出るぞ」

青ピ「ホンマかいな!一石二鳥やんか!」

土御門「これで二人のお供だな」

垣根「二匹だ、なに人間と同等に並ぼうとしてやがんだ下等生物」

土御門「」



269 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 17:37:21.07 ID:hjSqr42z0
番外「桃太郎が鬼畜じゃん」

打ち止め「可哀相な犬さん・・・」

20000「でも実際はそうだよね」

御坂妹「仲間というよりお供ですからね」

13577「切り捨てることも出来る存在ですもん」


垣根「・・・あと一匹くらいお供が欲しいな」

吹寄「もしもし桃太郎さん」

垣根「ただいま留守に」

吹寄「そのもしもしじゃないわよ!」

『最後に桃太郎に話し掛けたのはキジでした』

垣根「こりゃ、記事になるな」

吹寄「それはもしかしてきびだんご?」

垣根「記事になるな」

吹寄「私はお腹が空いているの、出来れば一つくださいな」

垣根「記事になるな」


270 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 17:38:11.07 ID:hjSqr42z0
吹寄「・・・」

垣根「・・・」

吹寄「一つ私にくださいな」

垣根「・・・鬼退治に行かないか」

吹寄「どうしてですか?」

垣根「俺は鬼退治をして平和を取り戻してみせる」

吹寄「それは本当に平和なのですか?」

垣根「俺の世界の平和は俺が決めた基準に従うもんだ」

吹寄「な、なんという・・・」

垣根「着いて来いよキジ、てめぇなら俺達といい仲間になれる」

吹寄「分かりました・・・きびだんごを貰えるなら仲間になりましょう」

垣根「んなもんいくらでもくれてやるよ」

『こうして、桃太郎は三匹の下僕を手に入れました』


美琴「・・・なんだか、ところどころ垣根色が強すぎるわよね」

黒子「というか・・・アレンジがおかしいですわ」

初春「面白いからいいんですよ!」

佐天「そうそう!ノリで見ないと損しちゃいますよ!」

美琴「そういうもんなのかな・・・」



271 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 17:38:48.09 ID:hjSqr42z0


垣根「・・・吹寄、一旦お前は襲われた住人役になれ」

吹寄「キジ役はどうするの?」

垣根「・・・問題ない」

ステージの上で、二人はそんな会話を交わしていた

『桃太郎一行は旅を続けます、ですが中々鬼は現れません』

垣根「あー・・・めんどくせぇ、キジ!空から偵察して来いよ」

吹寄「わ、分かったわ」

『キジは空高く舞い上がりました』

吹寄(さて、村人に着替えないと)

土御門「にしても、鬼ってもっと派手に暴れるものなんじゃないかワン?」

垣根「俺達がいるのを知って怯えてるんじゃねぇのか?」

青ピ「だとしたらかなり怖がりやん」

垣根「鬼の目にも涙ってやつだろ」

『桃太郎が笑うと、どこからか悲鳴が聞こえてきました』

吹寄「お、鬼よ!」

垣根「あぁ?なんだかキジみたいなヤツが村人やってやがる」


272 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 17:39:14.04 ID:hjSqr42z0
吹寄「鬼だって言ってんのよ早く来なさい!」

土御門「!鬼がいるぞ桃太郎さん!」

垣根「どれだどれだ?」

上条「よし!みんな食糧は奪ったか!?」

小萌「もちろんなのですよ!」

黄泉川「たくさんもらったじゃん!」

上条「なら・・・」

垣根「待て待てぇ!」

上条「!?」


番外「・・・桃太郎と鬼の初対面か」

20000「初体験か・・・」

打ち止め「違うよ」

19090「・・・段々と物語が中盤に入っていきますね」

10033「これは桃太郎なのですか?」

御坂妹「ミサカの知っている桃太郎ならこの時間でハッピーエンドを迎える短さです」



273 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 17:40:05.60 ID:hjSqr42z0
垣根「ひとーつ人の世生き血を啜り!」

上条「桃太郎違いだ!ていうか桃太郎ってなんだ!?」

垣根「てめぇが鬼だな!」

上条「あぁそうだ!俺が鬼だ!」

垣根「貴様の悪事、嫌というほど聞かされた!」

黄泉川「悪事?」

上条「ふん、金持ちから食糧を奪って貧乏な子供達にそっと分け与える、これの何が悪事だ!?」

垣根「・・・あれ、そうだったの?」

上条「知らなかったのかよ!」

垣根「ちっ、やっぱり人から伝え聞いたことなんか簡単には信用出来ないな」

青ピ「で、でも村人は怯えてるんやで?」

上条「あぁそうだ・・・俺達みたいな図体のヤツが現れてみろ!誰だって怯えるに決まってる!」

垣根「はん!俺は怯えちゃいないんだよ!」

『桃太郎が6枚の翼を広げます』


美琴「おかしいわよね!?」

黒子「とうとう明らかなツッコミ所が出てきましたの!」

佐天「おかしいですかね?」

初春「翼があればキジはもういらないですね!」

美琴「おかしい!みんななんかおかしいよ!」


274 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 20:35:02.58 ID:hjSqr42z0

『桃太郎と鬼の戦いが始まりました』

垣根「・・・鬼とは名ばかりの義賊・・・ってか?」

上条「御託を並べるつもりはない!!」

『鬼の振るった金棒を、桃太郎は軽くなぎ払います』

上条「ちっ・・・子分鬼!!」

小萌「いくのですよ!!」

黄泉川「任せるじゃん!!」

垣根「無駄無駄ァァァ!!!!!!!!!!」

『桃太郎の力は、あまりにも強大でした』

土御門「俺たちも加勢する・・・ワン!!」

青ピ「ウキー!!」

『犬と猿、二匹の力も借ります』


美琴「・・・なんか、おかしい・・・」

黒子「・・・も、もう桃太郎ではありませんわ・・・」

初春「す、すごいですね!!」


275 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 20:40:00.48 ID:hjSqr42z0
上条「な、なんだ・・・こいつら・・・」

垣根「ははは!!桃から生まれた桃太郎!!」

土御門「お供の犬だ!!」

青ピ「同じく猿!!」

上条「くっ・・・一時退却だ!!退くぞ!!」

黄泉川「わ、分かったじゃんよ!!」

小萌「覚えとけなのですよ!!」

『鬼を追い払った桃太郎は、襲われていた女性に話を聞きました』

垣根「おい」

吹寄「あ、ありがとう・・・」

垣根「脱げよ、ほら」

吹寄「」


番外「だ、大胆だ!!」

19090「まだ抱いてません!!」

番外「?」

19090「?」

打ち止め(みんなが壊れていくよ、ってミサカはミサカは呆れてみたり)


276 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 20:44:36.91 ID:hjSqr42z0
『どうやら、その女性はお金持ちだったようです』

垣根「なるほど、鬼は金持ちばかり狙うのか」

吹寄「義賊気取りか知らないけど・・・なんだか、ね」

土御門「桃太郎さん、さっさと行くワン!!」

青ピ「そうやで!!ここだけと違う、他のところも荒らされてるんや!!」

垣根「あぁ、そうだな」

『桃太郎は刀を握り締めます』

垣根「・・・救ってやろうぜ」


垣根「間違った正義を貫き続ける・・・かわいそうな鬼達を」


美琴(・・・決まってないわよね)

黒子(ダメですのこれ)

佐天(か、かっこいい!!)

初春(刀の存在意義がないですね・・・)

美琴「・・・あ、場面転換」


277 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 20:50:03.67 ID:hjSqr42z0

上条「よし!!逃げるぞ二人とも!!」

小萌「了解なのですよ!!」

黄泉川「ラジャー・・・」

垣根「待てぇ!!」

土御門「ここで会ったが百年目、今日こそ決着を着けるからな!!」

青ピ「覚悟するんやで!!」

上条「くっ・・・」

吹寄「ふん、私の上空偵察を逃れることは出来ないのよ!!」

『桃太郎一行は、明くる日も、そのまた明くる日も鬼と戦いました』

上条「いってぇ!!こいつ本気で殴りやがった!!」

垣根「殴ったんじゃねぇ!!叩いたんだ!!」

上条「同じだろうが!!」

『いつの間にか、桃太郎一行は鬼達を、鬼達は桃太郎一行を、認めるようになって来ました』


20000「あれ、なんかおかしいぞ」

御坂妹「・・・感動の物語にするつもりですね」

13577「友情って大切だから高校に入ろう、みたいな感じですか?」


278 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 20:57:57.70 ID:hjSqr42z0
『そして、月日は過ぎました』

垣根「なぁ、お前たちってなんでそんなに盗み働くんだよ」

上条「・・・困ってる人が多いだろ、今の世の中」

土御門「そりゃそうだワン」

吹寄「でも、手を汚して手に入れたもので他人を幸せにしても・・・」

黄泉川「それは、綺麗事じゃんか」

青ピ「せやけどなぁ・・・真面目に働いて手に入れたもので誰かを笑顔にするほうがえぇんやで?」

小萌「私達は鬼ですから・・・どこも雇ってくれないのですよ」

垣根「へぇ・・・そうかい」

『かわいそうだな、と桃太郎たちは思いました』

垣根「・・・人と違うだけで虐げられる、ねぇ」


美琴(・・・こ、これ、桃太郎よね?)

黒子(なんですの・・・この悲しい現実は)

佐天(す、すごいリアリティ・・・)

初春(・・・お花が枯れそうです)


279 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 21:04:49.17 ID:hjSqr42z0
『しかし、桃太郎と鬼は敵なのです』

垣根「さーて!!それでも俺はお前たちを止める!!」

上条「いいぜ!!ならまずはその幸せすぎる幻想をぶち殺す!!」

土御門「やってやるぜぃ!!」

『信じた正義を貫くために、彼らは戦いました』

吹寄「くっ・・・桃太郎さん!!」

垣根「きびだんごじゃぁ!!!」

青ピ「ボクもボクも!!」

黄泉川「くっ・・・退却するじゃんよ!!」

上条「あ、あぁ!!」

『更に月日は流れました、気づけば桃太郎が旅立って二年も経っていたのです』


10039「・・・長いですね」

19090「ですが、もうそろそろ終盤の時間ですね」

打ち止め「鬼が島なのかな?」


280 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 21:11:41.89 ID:hjSqr42z0

『桃太郎たちは、ある日鬼に尋ねました』

垣根「・・・どうしても、これを続けるのか」

上条「当たり前だ」

吹寄「・・・こんな方法じゃ、誰も幸せにはなれない」

上条「・・・それでもやるんだよ」

『鬼は、遠くの島を指差しました』

上条「見ろよ、あそこには俺たちみたいな鬼がたくさん住んでる」

垣根「なに?」

小萌「・・・他の村では暮らせないから、島に篭るしかないのですよ」

青ピ「そんな可愛そうな・・・」

黄泉川「それでも、私達は構わないじゃん」

上条「・・・一度来てみろ、それでもお前たちがまだ綺麗事を並べるなら・・・」


上条「俺が、その幻想を殺すしかないんだ」


美琴(か、かっこいい!!)

黒子(なんですのこの茶番劇)

佐天(なんか、上条さんの台詞でも黄色い声援が上がってるね)

初春(・・・垣根さんと並んで、二大人気者になりますね・・・ブロマイドとか売れるかもしれません)


281 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 21:18:35.36 ID:hjSqr42z0

『桃太郎たちは、鬼が島に来ました』

垣根「・・・へぇ、たしかにこりゃひどいな」

青ピ「こ、ここ・・・本当に日本かいな・・・」

吹寄「・・・ひどい、子供達が地べたに寝てる・・・」

土御門「・・・すごい光景だな」

垣根「・・・知るか、俺はあいつらを止めに旅に出たんだ」

吹寄「で、でも・・・」

垣根「文句があるなら帰りな」

『桃太郎は一人で進みます、そしてたどり着いたのは大きなお城でした』

垣根「・・・どうせ、こんなところにいるんだろうな」


番外(よし、決戦だ決戦!!)

御坂妹(・・・能力使うんですかね)

14510(・・・生徒も期待してますね)

20000(やっべ、興奮してきた)


282 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 21:25:10.61 ID:hjSqr42z0
上条「・・・よく来たな・・・犬達はどうした」

垣根「あいつらは今頃街の中で驚愕の表情を浮べてるさ」

上条「ひどい有様だっただろう?」

垣根「あぁ、どこのスラムなんだよありゃ」

上条「・・・それでも、お前は綺麗事を並べるか?」

垣根「もちろん」

『桃太郎が翼を広げました』

上条「・・・なぜだ」

垣根「・・・理由なんてないさ、俺が正義を愛し、正義を貫き、正義に生きると決めたから、それだけなんだろうよ」

上条「・・・いいぜ、なら俺はお前の幻想を叩き切ってやる」

垣根「やれるもんなら」

『鬼は金棒を握ります』

上条「・・・行くぞ、桃太郎!!!」

垣根「ゴチャゴチャ言ってないでかかってこんかいウスノロォ!!!」



美琴(ほ、本当に能力使ってるわよ!?)

黒子(み、みなさん見惚れてますの!!)


283 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 21:31:19.20 ID:hjSqr42z0
『二人は戦います』

垣根「衝撃のぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

上条「まずは、その幻想を!!」


垣根「ファーストブリッドォォォォ!!!」

上条「ぶち殺す!!!」

『桃太郎は戦いました、しかしそれでも鬼は強かったのです』


垣根「く、くそ・・・」

上条「・・・こんなものだったのか、桃太郎?」

垣根「は・・・ははは・・・」

上条「俺たちの夢を否定して!!そんなお前の力はこれほどに小さかったんだ!!」

垣根「うるせぇ!!夢だと!?悲しい夢だな、哀れだぞ!!」

上条「もういい・・・お前たち!!」

小萌「はいなのですよー」

黄泉川「さて、これで終わりじゃん!!」

『二人の鬼が、後ろから現れました』

垣根「ちくしょう・・・このままじゃ・・・」


284 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 21:37:36.98 ID:hjSqr42z0
上条「桃太郎!!お前の正義は正しいのかもしれない、でもな!!」

『鬼は金棒を握り締め、桃太郎に向けて振り上げます』

上条「正しいことが通らない世の中なんだよ!!」

小萌「覚悟なのですよ!!」

黄泉川「恨むなよ!!」

垣根「・・・ふざけんなよ・・・」

『桃太郎は信じました、きっと自分の正義が正しいと』

上条「鬼の力を、甘く見るなぁ!!!」

垣根「・・・そうだ・・・そうだ、俺の正義は・・・誰もが笑顔になれる正義だ」


土御門「そこまでだぁ!!」

上条「!?」

吹寄「待たせたわね桃太郎さん!!」

垣根「お、お前達・・・」

青ピ「・・・何驚いてんねん!!」

『城の扉を開いたのは、三匹の仲間達でした』


土御門・青ピ・吹寄「仲間を見捨てることなんか、出来ないんだよ!!」


285 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/22(火) 21:40:23.47 ID:hjSqr42z0
今日はここまで

あれ、なんかおかしくなってきたけど気にしない

早くバレンタインの話が書きたいよ

筋肉動画は、ロニーの1991年

この頃はまだステロイドさえ使ってなかったらしいですね

二頭、背中はさすがです

http://www.youtube.com/watch?v=1fFOY4nkbPQ  

ではおやすみなさい



286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/22(火) 22:58:30.47 ID:KdFuvZBLo
乙乙!!
桃太郎…なのか
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福岡県) [sage]:2011/11/22(火) 23:55:12.90 ID:Lne1HdVC0
桃太郎は詳しくは読まなかったが
鬼を退治するまでにこんなドラマがあったとは
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福岡県) [sage]:2011/11/23(水) 00:32:51.36 ID:bgNxZ4AWo
ちょっと文化祭でやってくる
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/11/23(水) 02:02:03.46 ID:W53XYzFFo
桃鉄でもここまで飛躍してないけど…
面白いなwwwwwwwwwwwwww
290 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:52:24.25 ID:2tIbWPOs0
上条「な、なんで・・・」

土御門「あぁそうだ!お前達みたいな大層な理由なんてないんだワン!」

青ピ「ボク達には理由なんてないし、この正義でたくさんの人は救えないかもしれない!」

上条「だったら・・・」

吹寄「それじゃああなた達の正義で、あの子鬼達は救われるの!?」

上条「!」

『鬼の顔に、焦りが浮かびました』

吹寄「変わらないわ・・・こんなことを繰り返しても、結局は鬼が危険なんだって思われるだけよ!」

黄泉川「だったらどうすればいいじゃんよ!?」

垣根「・・・どうすればいいか・・・なんてなぁ」

『桃太郎が刀を握ります』

垣根「んなことはこれから考えればいいんだ・・・」

上条「ふざけんなよ・・・お前達みたいな幸せなヤツらには分からないさ!」

垣根「正しい道なんていつだって選べる!だがな!」


垣根「間違った道を正すには、今しかないんだよ!」

観客席から拍手が巻き起こる

何人かの生徒は、カメラで写真を撮っている



291 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:52:55.67 ID:2tIbWPOs0
初春「すごい盛り上がりですね、佐天さん!」

佐天「うん!なんかかなり面白いよ!」

黒子「おかしいですわ・・・何かがおかしいですの」

美琴「当麻が悪役なのがそもそもおかしいのよ・・・」


垣根「鬼がどうした!もしもお前が鬼じゃなかったら、悪事を働かなかったか!?」

上条「・・・うるさい」

垣根「違うんだよ、言い訳ばっかりしやがって!てめぇらは結局、誰かを傷つけなきゃ生きていけなかったんだ!」

上条「何がわかるんだよ桃太郎!」

垣根「分かっちゃいねぇさ!でもな、手を差し延べてもいいだろうが!」

『桃太郎が刀を振るいます、鬼もそれに応戦します』

上条「何が・・・何が正しくて何が間違いなんだよ!」

垣根「んなもんは決まってなんかいないんだ!」

上条「だったらお前は、どうして俺達を非難するんだ!」

垣根「死んだ目をしてるからだ・・・てめぇが!死んだ目をしてるからなんだよ!」

上条「!」



292 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:53:33.49 ID:2tIbWPOs0
垣根「あぁそうだな・・・ここにどれほどの鬼がいる、どれほどの捕えた人間がいる!?」

上条「お前には関係ない!」

垣根「関係あるんだ!俺は知ってる、お前達は普通に笑えて普通に怒れるヤツだって!」

小萌「!」

土御門「そうだワン!」

吹寄「一度化け物扱いされたからって・・・それだけで絶望しないで!」

青ピ「ボク達が手助けしてあげるから、立ち直るんや!」

上条「だったら俺を止めてみろ!」

『鬼が全力で、金棒を振り回します』

垣根「・・・あぁ、止めてやる」


垣根「てめぇの悲劇を、止めてやる!」


番外「熱い展開だね!」

19090「こんなに熱い劇だとは思いませんでした!」

打ち止め「一方通行があんまり出てない!」

御坂妹「というか・・・心理定規はまだ出ていませんね」



293 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:54:17.06 ID:2tIbWPOs0
『桃太郎の刀が、鬼の金棒を切り裂きました』

上条「・・・ちくしょう」

垣根「覚悟しやがれこの馬鹿野郎!」

黄泉川「避けろ!」

小萌「避けるのですよ!」

上条「・・・いいんだ」

吹寄「桃太郎さん!」

『桃太郎の刀が、鬼の頭の上から振り下ろされます』

土御門「桃太郎!」

青ピ「それじゃ・・・」

垣根「んなわけがあるかすっとぼけ!」

上条「ごふぅ!」


美琴「垣根!当麻に膝蹴りした!」

黒子「お、お姉さま、落ち着いてくださいまし!」

佐天「いいぞ!やれやれ!」

初春「写真撮りますよ!」



294 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:55:09.82 ID:2tIbWPOs0
上条「な、なん・・・」

垣根「斬ると思ったか!?馬鹿言うんじゃねぇ!」

『桃太郎が鬼の顔を殴ります』

上条「ぐっ・・・」

垣根「救ってやるって言ったんだ!」

上条「お前に何が出来る!?人間なんて簡単には変わらないんだ!」

垣根「だからどうした!変わらないわけじゃない!」

上条「今すぐ変わらなきゃ意味がないんだよ!」

垣根「んなこと言って逃げてんじゃねぇよ!」

上条「!」

垣根「いいか!悪事を働くよりも、綺麗事を並べたほうがいいだろ!」

上条「んなこと・・・」

垣根「・・・それに、お前達は決して化け物なんかじゃねぇ」

土御門「桃太郎・・・」

垣根「いいんだよ、ゆっくりでも・・・周りのヤツらがお前達を化け物だって笑ったら、俺がそいつらをぶん殴る」

小萌「・・・本当なのですか?」


295 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:55:56.98 ID:2tIbWPOs0
垣根「あぁ・・・当たり前だろ」

黄泉川「どうして・・・」

垣根「なんでかって?決まってるだろ」


垣根「友達だからだ」


番外「くっせぇ!あぁくっせぇ!」

10033「あれですか!これはどこかの学園物ですか!」

御坂妹「桃太郎じゃねぇ!」

打ち止め「でも観客は喜んでるよ?」


垣根「・・・さて、まずは捕まえたヤツらを解放しろ」

上条「・・・分かった」

『鬼が、檻を開けます』

吹寄「かなり捕まってたのね・・・」

垣根「人をさらってどうするつもりだったんだよ?」


296 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:56:41.49 ID:2tIbWPOs0
上条「・・・この人達に、俺達が化け物じゃないって理解してほしくて」

垣根「はぁ・・・無理矢理捕まえたらビビってそれどころじゃないだろ」

黄泉川「そうだったのか!気づかなかったじゃん!」

垣根「・・・あ?女もいるじゃねぇか」

心理「・・・あなた、誰?」

垣根「桃太郎だけど」

『檻の中には、一人の美女がいました』

心理「・・・中々男前じゃない」

垣根「は、はぁ?」

心理「決めた、あなた・・・私の旦那になりなさい」

垣根「はぁ?」

土御門「な、なんなんだワン!?」

青ピ「ホンマや!鬼退治したら女の子に人気が出るってホンマやったんや!」

吹寄「な、何よこれは!?」

上条「待てこら!そんな理由で俺達を退治しようとしてやがったのか!」


297 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:57:30.34 ID:2tIbWPOs0
垣根「い、いや・・・」

心理「ねぇ、今晩開いてる?」

垣根「開いてます」

黄泉川「こらこら!そういうのはまだ早いじゃんよ!」

小萌「大体、まずは私達をどうするか考えてほしいのですよ!」

心理「そんなことより私と桃太郎の育みのほうが先よ」

垣根「育みってなんだよ生々しいな!」

上条「あぁちくしょう!桃太郎、一発殴らせろ!」

垣根「ふざけんなぁぁぁ!」

心理「ねぇ、早くどこかの宿に行きましょう」

垣根「こんな桃太郎はイヤだぁぁぁぁ!」

『桃太郎も鬼も、笑っていました』

『人と鬼が幸せに暮らせるのか』

『それはまた、別のお話』

『ただ、桃太郎は鬼を救い、鬼は桃太郎を信じました』


298 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:58:05.58 ID:2tIbWPOs0
『そこに、確かな友情が芽生えたのでした』

『めでたしめでたし』

大きな拍手が観客席から鳴り響く

中には、泣きそうになっている生徒がいた

美琴「・・・なんなのよ・・・なんなのよこの桃太郎!?」

黒子「納得がいきませんの!大体、能力を活かすとか言っててそれほどでもありませんでしたの!」

初春「面白かったですよ?」

佐天「そうですよ、二人とも堅いなぁ」

黒子「わたくし達がおかしいんですの!?」

美琴「おかしくない!私達が正しいわよ!」


番外「・・・一方通行、あんまり出なかった」

打ち止め「でも面白かったね!」

17600「そうか?笑いも感動も中途半端だったじゃないか」

13577「・・・たしかに」

御坂妹「はぁ・・・ですが、一応は無事に終わりましたね」

ミサカ達が苦笑する



299 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:58:48.88 ID:2tIbWPOs0


垣根「終わったぁぁ!」

上条「意外とウケてたな!」

舞台裏では、一同が安堵の表情を浮かべていた

吹寄「はぁ・・・緊張したわ」

土御門「にゃー、このにゃー口調が懐かしいぜぃ」

青ピ「なぁ、ボク達って目立てたんかなぁ?」

小萌「こんなに楽しいのは久しぶりだったのですよ!」

黄泉川「まさか生徒の劇を手伝うことになるなんて思いもしなかったじゃん!」

心理「私の出番が少なかったのは納得いかないけど・・・楽しかったわ」

垣根「はぁ・・・緊張が解けるな」

垣根がケラケラと笑う

クラスの仲間も、みんなが拍手をしている

既に舞台では次のクラスが出し物をしていた

それを見る余裕は、今の垣根達にはないが

垣根「はぁ・・・無事に終わったな・・・」

上条「よかったな、楽しかったよ」



300 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 16:59:34.78 ID:2tIbWPOs0
垣根「あぁ・・・俺も楽しかった」

吹寄「・・・ありがとう、垣根」

垣根「あぁ?なんだよ急に」

吹寄「・・・確かに、台本の出来は微妙だったわ」

垣根「待てやこら」

吹寄「でも・・・私が書いても、ただ真面目になってたと思う」

姫神「・・・今回みたいなふざけていて楽しい台本は。垣根にしか書けなかった」

垣根「・・・」

姫神「何」

垣根「お前いたんだな、一方通行と一緒にどっか行ったかと思ってた」

姫神「ひどい」

垣根「悪い悪い・・・でも姫神もかなりよかったな」

姫神「ありがとう」

土御門「・・・さて、じゃあ最後もカミやんに締めてもらうか」

上条「俺でいいのか?」


301 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:00:31.17 ID:2tIbWPOs0
垣根「当たり前だろ、こういうのはお前が一番向いてるんだから」

心理「早くしてよね、私も観客席で他のクラスの出し物を見たいんだから」

上条「はいはい・・・じゃあみんな」

上条がクルリ、とクラスの仲間を見回す

体験入学という機会があったからこそ、今回のような劇をすることが出来た

そして、そんなことに必死になって打ち込める仲間達なのだ

上条「・・・みんな、本当にお疲れ様」

青ピ「そんなの、みんな思ってることやって」

小萌「でも、誰かが言わなきゃいけないことなのです」

黄泉川「ホント、楽しかったじゃんよ!」

上条「まぁ、今回の劇は観客からしたらツッコミ所満載だったかもしれない!」

吹寄「私達もツッコみたいけど・・・」

上条「でも、それでも俺達にとっては大切な思い出になるはずだ!」

土御門「あぁ!」

上条「じゃ、お手を拝借!」

一同が手を翳す


302 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:01:29.23 ID:2tIbWPOs0
上条「一本締めだ!よーっ!」

パン!と小気味のよい音が舞台裏に響いた


美琴「・・・はぁ、体験入学も終わったわね」

上条の学校からの帰り道

美琴はぽつりと呟いていた

結局、舞台のピークは上条達のクラスの出し物だった

そのあとは段々と右肩下がりになってしまった

中には途中で寝てしまう者もいた

上条「あぁ・・・終わったな」

隣を歩く上条が頷く

学校も早々に終わったため、美琴と寮に向かって帰っている

打ち上げが明日あるため、今日のうちに美琴とイチャイチャする必要がある

上条「・・・どうだった?常盤台のみんなは楽しめたのかな」

美琴「当麻と垣根の二大政党が出来そうな勢いよ」

上条「そ、そうなのか?」

美琴「はぁ・・・まさか観客席に妹達までいたなんて知らなかった」


303 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:02:19.80 ID:2tIbWPOs0
上条「あいつらも来てたのか・・・楽しめたかな」

美琴「うん、きっと楽しめたわよ」

美琴がニコニコと笑う

冬の冷たい空気も、なぜか暖かく感じた


一方「・・・」

番外「アナタがあんまり出てなかったからがっかりだよ!」

一方「俺はあのクラスじゃねェンだ、仕方ないだろ」

御坂妹「とか言って、ホントは目立ちたかったんじゃないですか?」

19090「一方通行は意外と出たがりですからね」

一方「あァ?」

打ち止め「でも面白かったよ!ってミサカはミサカは感想を述べてみたり!」

一方「だよなァ!?」

14510「・・・はぁ、たしかに面白かったですけど」

10039「あれは桃太郎だったんですか?」

一方「・・・知るか」

ミサカと一方通行という異質の組み合わせで、病院へと向かう


304 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:03:28.09 ID:2tIbWPOs0
妹達は病院に住んでいるのだ

一方「・・・でもまァ」

番外「?何?」

一方「・・・なンでもねェ」

一方通行が妹達を置いて、少し先に歩き出す

打ち止め「ま、待って!」

一方「・・・はン」


一方「楽しかったな」


垣根「・・・だから、姫神は可愛かったけどやっぱり心理定規が一番だったんだよ」

姫神「それは。惚気」

心理「私は嬉しいからいいわよ」

吹寄「・・・」

垣根は三人に囲まれるようにして歩いていた

桃太郎で主人公を演じた彼も、友達といる時は普通の学生だった

垣根「吹寄も中々よかったな」


305 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:04:37.90 ID:2tIbWPOs0
吹寄「そ、そう?」

姫神「吹寄。顔がにやけてる」

吹寄「そんなことないわよ!」

心理「垣根・・・あなた、そうやって誰にでもフラグを建てないでよね」

垣根「悪い悪い・・・ま、許してくれや」

垣根がケラケラと笑った

白い息が、空へと昇っていく

垣根「・・・楽しかったか、みんな」

姫神「楽しかった」

吹寄「もう少し真面目にしたかったけどね」

心理「私も楽しかったわよ、ありがとう」

垣根「そうかい」

垣根が楽しそうに笑う

本当に、無邪気な子供のような笑みだった

垣根「俺も楽しかったからな」

満足そうに、垣根が振り向いた

垣根「それにしても・・・」



垣根「みんなの楽しんでる表情はやっぱり、メルヘンだったな!!」

三人「・・・はぁ?」

冷たい空気の中に、垣根の笑い声だけが響いた


306 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:40:47.42 ID:2tIbWPOs0
バレンタイン とある青年の場合

ゴーグル男はわりと冷めた性格だ

世の中の色んなお祝い事にも、それほど興味はない

もちろん、お正月などはテンションが上がるのも事実だが

そして、そんな彼が最も理解出来ないお祝い事がある

「バレンタイン」

あれって何のためにあるのだろう、とゴーグル男は考える

まず、恋人のためにあるという意見

それは違う、バレンタインは告白するためのお祝い事なのだから恋人がわざわざ祝うことはない

ならば、告白するためのお祝い事という意見

だとしたら、そんなきっかけでもない限り告白出来なかったのだろう

そこまで弱い意志で、交際が続くとは思えない

よって、ゴーグル男にとってバレンタインとは、ただチョコを作ってる会社が売上を上げるためだけに作り出したお祝い事、なのだ

なのだが

ゴーグル(・・・明日はバレンタインっすか)

ゴーグル男は胸をときめかせていた



307 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:41:19.40 ID:2tIbWPOs0
期待などしてはいない

しかし、なぜか彼は少しドキドキしていた

理由はある一件のメール

心理定規からのものだった

「明日の午前、垣根が用事のために外出する」

「その間、チョコを選ぶのに付き合ってもらえないか」

という内容だ

つまり、心理定規は垣根のためにチョコを買いたいのだろう

ゴーグル(いや、分かってますけど・・・)

心理定規はゴーグル男に異性として興味はない

それに、ゴーグル男も心理定規のことはとっくに諦めている

それでもドキドキするものだ

憧れのアイドルとデート出来る、といってドキドキしない男性はいないはず

それと全く同じなのだ、彼にとっては

ゴーグル「・・・緊張します」



308 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:41:48.91 ID:2tIbWPOs0
浜面「お?明日か、明日のことか!」

ゴーグル「あぁ浜面さん・・・おはようっす」

リビングに浜面がやってきた

いつも一緒に降りて来るはずの滝壺がいない

ゴーグル「滝壺さんはどうしたんすか?」

浜面「出かけたよ、たしか麦野と絹旗と一緒に」

ゴーグル「あの三人がですか・・・なんか珍しいっすね」

浜面「チョコ買いに行ったに決まってるだろ!」

ゴーグル「あの三人がですか?」

ゴーグル男が驚いたように呟く

三人はあまり、そういうことに興味がありそうではない

浜面「・・・いや、バレンタインなら誰だってチョコくらい用意するぞ?」

ゴーグル「・・・そうなんですかね?」

浜面「そういうお前は、明日に予定とかないのかよ?」

ゴーグル「心理定規さんと出かけることになってますけど」

浜面「」


309 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:42:37.35 ID:2tIbWPOs0
浜面が、この世の終わりとでもいいたげな顔になった

浜面「フレンダとじゃないのかよ!てかあの姉ちゃんと出かける!?なんかちょっと羨ましいぞお前!」

ゴーグル「浜面さんは滝壺さんがいるじゃないですか」

浜面「そうだけど美人には興味あるんだよ!」

ゴーグル「ダメっす、垣根さんに殺されますよ」

浜面「そうだった・・・じゃなくて!なんであの姉ちゃんは垣根と出かけないんだ?」

ゴーグル「垣根さんは午前に用事があるみたいで、その間にチョコを買いたいらしいっす」

浜面「・・・お前、それでよく付き合う気になったな」

ゴーグル「あの二人の仲は取り持ちたいっすから」

ゴーグル男が携帯を開く

一番最近来たメールが心理定規のもの

心の中に、何か複雑な感情が生まれる

嬉しいのではある

憧れていた彼女からのメールなのだから

だが、その何件か下からはずっとフレンダとの会話だ


310 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:43:07.09 ID:2tIbWPOs0
たわいもない、あまり色気もないフレンダからのメール

その上に心理定規からのメールがあることが、なぜか少しだけ悲しい

ゴーグル「・・・フレンダさんは買い物、行ってないんすか」

浜面「あいつが一番そういうのに興味ありそうなのにな・・・」

ゴーグル「ミーハーっぽいですからね」

浜面「ははは!なんか分かるなそれ」

ゴーグル「・・・浜面さんは行かないんですか?」

浜面「いや・・・バレンタインは女が男にチョコをあげる日だろ」

ゴーグル「それ、迷信っすよ」

浜面「そうなのか?」

ゴーグル「まぁバレンタイン自体が胡散臭い記念ですからね・・・」

浜面「そういうのはチョコを貰えない悲しい男が言う台詞だ!」

ゴーグル「えぇどうせ悲しいっすよ・・・」

浜面「俺は滝壺からのチョコがあるからな・・・期待出来るんだよ!」

ゴーグル「羨ましいっすよ、正直」

浜面「だろ!?」



311 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:45:46.77 ID:2tIbWPOs0
ゴーグル「俺もチョコが欲しいっす」

はぁ、とため息をついてからコタツの強さを上げる

興味がない、とは言いつつも、ゴーグル男だって何だかんだで男なのだ

そりゃ、可愛い女の子が顔を真っ赤にしながら「こ、これ・・・バレンタインのチョコです!」なんて言ってチョコを差し出してきてくれたら、包装紙まで大切にとっておくだろう

チョコももったいないからとすぐには食べず、消費期限ギリギリまでは鑑賞するのだ

ゴーグル「なんか、俺が段々とおかしな人間になっていきますね」

浜面「ん?なんか言ったか?」

ゴーグル「・・・なんでもないっす」

溜め息をついてから、ゴーグル男が寝転がる

フレンダはどうやら、まだ寝ているようなのだ

彼女のことだから、バレンタインの前日からチョコを選びに行きそうなものだ

浜面「・・・あぁ、そういや明日買いに行くって言ってたな、フレンダ」

ゴーグル「そうなんすか?」

浜面「・・・でもなんでだろうな」

ゴーグル「そうっすね・・・フレンダさん、前々から選びそうなタイプなのに」


312 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:50:31.57 ID:2tIbWPOs0
浜面「だよな・・・」

浜面が頷いたのと同時に、リビングのドアが勢い良く開かれた

フレンダ「寒い!!もう2月も半ばなのに寒い訳よ!!」

ゴーグル「あ、おはようございます」

浜面「おっす」

フレンダ「おはよ・・・うー・・・」

震えながら、フレンダがコタツに入る

上半身まですっぽりと埋め、顔だけを外に出しているのだ

可愛らしい仕草ではあるが、足を蹴飛ばされたゴーグル男からすれば鬱陶しいものである

ゴーグル「・・・フレンダさんは出かけないんすね」

フレンダ「?どうして?」

ゴーグル「いや・・・明日バレンタインっすよ?」

フレンダ「な、なに変な期待してる訳よ!?」

浜面「えー・・・お前はチョコくれないのかよ」

ゴーグル「たまには甘いものも食べたいっす」

フレンダ「そ、それなら麦野とか絹旗とか滝壺とかからもらえばいい訳よ!!」

ゴーグル「・・・まぁ、そうっすね」

そっけないゴーグル男の言葉に、少しフレンダの表情が固まる


313 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 17:56:58.49 ID:2tIbWPOs0
フレンダ「ほ、本当にチョコが食べたいだけだったのね・・・」

ゴーグル「・・・まぁそうっすね」

つまらなそうに答えながら、ゴーグル男が携帯を開く

心理定規からのメールが届いたのだ

「他に予定があるなら、そちらを優先しても構わない」とのことだ

だがそんな日に予定があるのは恋人がいるか、もしくは好きな人がいる人間だけだ

ゴーグル男には元来、関係のない記念日

フレンダ「?どうしたの?」

ゴーグル「なんでもないっすよ」

短い返信をしてから、ゴーグル男が携帯を閉じる

ゴーグル「・・・にしても、今日も寒いっすね・・・」

浜面「なんかやることないかな・・・寒いのが気になって仕方ないんだよ」

ゴーグル「・・・酒でも飲みますか?」

浜面「・・・そうするか」

フレンダ(まるで親父な訳よ・・・)


314 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 18:02:23.89 ID:2tIbWPOs0

垣根「・・・なぁ、さっきから何のメールしてるんだよ?」

フカフカのソファーに座っている垣根は、少し不機嫌だった

同じ部屋にいる心理定規は、先ほどからずっと誰かとメールをしている

別にメールをされるのは構わないのだが、それを一時間近く続けられると少しばかりイライラしてしまうのだ

心理「・・・ゴーグル君よ」

垣根「あぁ、あいつかよ」

その名前が出た瞬間に、いくらか垣根の表情が柔らかくなった

ゴーグル男なら安心なのだ

浮気の心配はまずないし、それに悪影響もない

垣根「でもなんであいつとわざわざメールしてんだ?そんなに親密だったか」

心理「明日、あなたが午前に用事があるでしょ?」

垣根「おう、ちょいとな」

心理「その間にチョコを買いたくて・・・で、男性の意見の参考にゴーグル君も一緒に行くのよ」

垣根「はー、デートとは羨ましいもんだな」

心理「あら、ヤキモチかしら」

垣根「・・・相手がゴーグル馬鹿だとどうもヤキモチ妬けないよな・・・」

心理「・・・彼、なんか安全だものね」


315 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 19:02:37.98 ID:2tIbWPOs0
垣根「・・・でもよ、あいつはいいのか?」

心理「彼に予定があるならそっちを優先するように言ったわよ」

心理定規が、自分の送信BOXを垣根に見せる

確かに、そこにはそんな内容のメールがあった

しかし気になるのはそのメールではない

垣根「・・・おい、これ御坂だよな?」

心理「えぇ、美琴がちょっとね」

垣根「・・・なんで俺の寝顔写メ載せてんだよ」

添付データは、垣根の寝顔だった

心理「あら、あなたの寝顔があまりにも可愛くてね」

垣根「許可を取れよ!!っていうかなんで御坂に見せたんだよ!?」

心理「普段よりもイケメンに見える、って返信だったわよ」

垣根「あーあー更に傷ついた!!ブロークンマイハート!!」

心理「・・・それはどうでもいいのよ、ゴーグル君のことでしょ?」

垣根「あぁ・・・そうだったな」


316 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 21:20:20.28 ID:2tIbWPOs0
心理「それで・・・彼は、予定がないのかしら」

垣根「フレンダのことだ、どうせ素直に誘ってないんだろ」

心理「それもそうね」

二人が呆れたように溜め息をつく

素直になれない時期というのは誰にだってあるものだ

もちろん、二人にもあった

垣根「・・・でもさ、バレンタインがどうにか奇跡を起こすかもな」

心理「そうかしら?あの二人はどっちも案外鈍感だから」

垣根「・・・それもそうだな」

心理「ま、私は明日チョコを買いに行くから・・・何がいい?」

垣根「お前が選んだのならなんだっていいさ」

心理「あら嬉しい」

垣根「・・・バレンタイン、ねぇ」

呟いてから、垣根が外を見つめる

窓の桟にも雪が積もっていた


垣根「・・・いいね、メルヘンじゃねぇか」


317 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/23(水) 21:24:37.20 ID:2tIbWPOs0
今日はここまで

フランク・ゼーンの1983年を

http://www.youtube.com/watch?v=-_TWrnkGez4  

筋肉を纏うのではなく、無駄を削ぎ落とした肉体ですね


余談ですが、>>1の小学生の頃の文集を発見しまして

そこのあるコーナーで「あなたの短所(弱いところ)はどこですか?」ってあったんです

低学年だから、わざわざ先生が短所という言葉の解説までつけて

みんなは「すぐ泣く」とか「頭が悪い」とかを書いてるんですが、何を血迷ったか>>1は「みぞおち」と書いてました

みなさん、勉強はちゃんとしましょう

ではおやすみなさい



318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 06:01:43.16 ID:BMDtBzLHo
おつおつつおつつ
319 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:43:22.27 ID:oKIbyubC0
フレンダ「・・・ねぇ、二人とも」

浜面「なんだよ?」

ゴーグル「なんすか?」

アイテムの家のリビング

その中心にあるコタツ

更にその上に並べられたビールの空き缶が6つ目になったのと同時、フレンダが切り出した

フレンダ「・・・二人はやっぱり、チョコが欲しい?」

浜面「うーん・・・でも滝壺からもらえるからな、無理にとは言わないな」

フレンダ「そっか・・・」

フレンダがゴーグル男を見つめる

二人は、なんて聞いていたが実際に知りたいのはゴーグル男の意見だった

そんなことを素直に言えない辺り、フレンダは初心なのだが

ゴーグル「俺は・・・そうっすね、欲しいと言えば欲しいですけど」

フレンダ「!欲しいんだ・・・へぇ、欲しいんだ」

ゴーグル「何ニヤニヤしてるんすか・・・」


320 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:44:02.87 ID:oKIbyubC0
フレンダ「ううん、なんでもない訳よ!」

浜面(・・・ゴーグルは無意識のうちにいい選択肢を選んだんだな)

ゴーグル「・・・にしても、バレンタインなんてこんなにはしゃぐほどのことなんですかね?」

フレンダ「当たり前じゃない、女の子にとっては一大事な訳よ!」

ゴーグル「女の子ですか・・・」

少し面食らったような表情のゴーグル男

普段は普通に接しているが、時々こうしてフレンダが異性なんだと実感する

不思議なような、おかしいような感覚だ

ゴーグル「・・・やっぱりフレンダさんもあげたい相手とかいるんですか?」

フレンダ「!そ、そりゃ一応は・・・」

浜面「お、なんだなんだよ!?なんかいいなぁおい!」

フレンダ「冷やかさないでよ、キモい!」

浜面「えぇ・・・」

ゴーグル「・・・そんなもんなんですか」

フレンダ「・・・なんかアンタは興味なさそうな訳よ」


321 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:44:51.47 ID:oKIbyubC0
ゴーグル「あんまり興味が湧かないんですよ」

フレンダ「・・・そっか」

ゴーグル「そんなことより、ビールも飽きましたね」

浜面「じゃあ酎ハイにでもするか?」

ゴーグル「そうします」

男二人は相変わらず酒を飲んでいる

それを見つめるフレンダは、頭の中で翌日の予定を考えていた

フレンダ(・・・やっぱり、ゴーグルに着いてきてもらったほうがいいかな)



垣根「・・・なぁ、チョコ・・・くれるんだよな」

心理「?どうしたのよ急に」

垣根宅

ぽつり、と垣根が呟いた

その声はなぜか、少し悲しそうだった

垣根「・・・いや、なんでもないさ」

心理「何よ、気になるじゃない」

垣根「なんでもないって、くれるなら有り難く受け取るって」

心理「そう?」


322 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:45:54.56 ID:oKIbyubC0
垣根「あぁ」

ゴロン、とソファーに寝転がった垣根が目を閉じる

垣根(・・・俺を愛してくれる相手がいる・・・か)

瞼の裏に迫るのは、もしかしたらあの日の闇なのかもしれない

垣根(・・・怖いんだよな、こんな幸せが)

心理「・・・どうしたの?なんだかおかしいわよ」

垣根「・・・俺が帰ってきて、初めてのバレンタイン・・・覚えてるか?」

心理「忘れるわけないじゃない」

垣根「・・・俺が帰ってきたのはさ、風呂があるからでも食事があるからでも、テレビが見られるからでもなかった」

心理「私がいるから帰ってくるんでしょ?」

垣根「・・・お前がいる場所に帰るのが当たり前なんだ」

ゴロン、と垣根が寝返りを打つ

心理定規に、自分の表情が見えないように

垣根「だとしたらさ・・・お前がいなくなったら、俺の帰る場所は無くなるんだよな」

心理「何言ってるのよ?私はずっとあなたの傍にいるわよ」


323 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:46:40.55 ID:oKIbyubC0
垣根「・・・いつかは別れがくるだろ」

心理「・・・」

くだらないことなのかもしれない

そんな別れは、今考えなければならないことではない

まだまだずっと先の、それこそ途方もないほど先の話なのだ

それでも、垣根は考えた

垣根「・・・俺は・・・お前がいなくなった世界なんて愛せないだろうな」

心理「私だってそうよ」

垣根「お前の思いがどれほどの思いに埋もれても・・・俺は見つけ出してみせる自信がある」

心理「・・・分かってる、前にも言われたわよ」

垣根「・・・だとしたらさ、お前の思いが無くなったら・・・俺は何を見つけ出せばいいんだよ」

心理「・・・あなた、考えすぎなのよ」

垣根「・・・そうだな、分かってる」

心理「・・・」

垣根「分かってるけどさ」


324 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:47:39.38 ID:oKIbyubC0
垣根がぽつりと呟く

心理定規が知っている限り、垣根はとても強い人間だ

彼女が泣いていたら、いつでも駆け付けてくれる人間だ

だが、今の彼の声は泣き出しそうな子供のものだった

垣根「・・・俺は知ってるんだ、無くす悲しみを」

心理「・・・そう」

垣根「あーあ、ダメだな・・・ちょっと寝るわ」

心理「いいの?そんな気分のまま寝たら、嫌な夢を見るわよ」

垣根「・・・いいんだよ」

クッションを頭に乗せ、垣根が意識を止める

シンとした部屋の中に響いているのは、心理定規の鼓動だけだ

いや、もしかしたら垣根の物だろうか

ただ、静かな部屋に響くそれは不安で高鳴っていた


心理「・・・あなたは考えすぎなのよ」


325 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:48:20.10 ID:oKIbyubC0
ソファーの上では、垣根が寝息を立てている

それを悲しげな目で見つめる心理定規

自分もその横で眠れたら、どれだけ楽なのか

だがそれは叶わない

心理「・・・失うことの悲しみを知ってるなら、守り通すことの喜びも知っているでしょう?」

答えがないと分かりながら、しかし心理定規は言う

心理定規だってそうだった

ずっと追い求めた垣根を、一度は失ってしまった

そして戻ってきた垣根を、強く抱きしめている

彼がもう逃げてしまわないように

そんな彼は、ずっと傍にいてくれている

この前なんて、離れていた距離をものともせず、心理定規を救ってくれた

垣根は、心理定規を守っている

彼は自分をけなしているが、心理定規のほうがよほど情けない気がする

彼と違い、心理定規は何一つしてあげられないのだから



326 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:49:15.49 ID:oKIbyubC0
悲しんでいる彼を慰めることさえ、今の彼女には出来ない

心理「・・・垣根」

返事はない

涙が零れそうになるのを堪えて、心理定規が笑う

心理「あなたは自分をダメだと思っているのかもしれないけどね・・・」

こんなこと、彼に聞かれていたら恥ずかしくて言えないだろう

今だからこそ、言えるのだ

心理「あなたは・・・最高の男性なのよ、私にとって」




浜面「・・・でさ、滝壺ったらその時どうしたと思う?」

ゴーグル「知らないっすよ・・・」

浜面「キスしてきたんだよ!あれは驚いたなぁ!」

フレンダ「・・・」

コタツの中、浜面は二人を相手に惚気ていた

酒が少し回ったのか、若干顔が赤い



327 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:50:14.04 ID:oKIbyubC0
飲むほど饒舌になるタイプなのだろう、先程から延々と滝壺との話を聞かされている

それが面白いならまだしも、ただの幸せ自慢なのだから堪らない

ゴーグル「それ、いつまで続くんですか?」

浜面「俺と滝壺の愛情は永遠だぜ?」

フレンダ「はぁ・・・だから、その惚気はいつまで続く訳よ?」

浜面「?聞きたくないのか?」

ゴーグル「二人の幸せは、二人だけで抱きしめてて下さい・・・」

フレンダ「そうそう・・・私たちにどうしろって言うの?」

浜面「うーん、じゃあ滝壺との初デートの話を・・・」

ゴーグル「だから・・・惚気なんて聞かされても困りますよ」

浜面「・・・そうか?」

フレンダ「はぁ・・・でも羨ましい訳よ、そうやって好きな人と付き合ってるの」

ゴーグル「フレンダさんも好きな人と付き合いたいんですか?」

フレンダ「そりゃ、好きな人と付き合いたくない人間なんていない訳よ」


328 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:51:20.41 ID:oKIbyubC0
浜面「フレンダの好きな人は誰なんだ?」

ニヤニヤと浜面が笑う

もちろん、彼は感づいているのだ

フレンダ「そ、それは内緒な訳よ!」

ゴーグル「身近な人なんですか?」

フレンダ「・・・アンタにだけは教えない」

ゴーグル「う・・・そこまで嫌わなくてもいいじゃないっすか」

フレンダ(嫌ってるんじゃないわよ・・・馬鹿)

ゴーグル「・・・まぁ、気になりますけど深くは追求しないっす」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「な、なんで不機嫌なんですか?」

フレンダ「別に」

フレンダがそっぽを向く

浜面「・・・ゴーグル」

ゴーグル「な、なんですか?」

浜面「もう少し、人の気持ちを考えような・・・」



329 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:52:10.32 ID:oKIbyubC0
ゴーグル「な、なんのことですか!?フレンダさん!?」

ゴーグル男が慌てながら、二人を交互に見つめる

だが浜面は呆れたように笑い、フレンダは相変わらずそっぽを向いたままだ

ゴーグル「な、なんなんですかこの疎外感は・・・」

フレンダ「ゴーグルの馬鹿、もうどうでもいい訳よ・・・」

ゴーグル「だから何が悪いんですか!?」

鈍感で初心なゴーグル男には分かるわけなどない

女心が分かるようになるのは、かなりの経験を積んだ後なのだから

ゴーグル「な、なんだか分かりませんけど・・・」


ゴーグル「不幸かもしんないっす・・・」



垣根「・・・おはよう」

心理「おはよう・・・どうだった?いい夢は見れたかしら」

垣根「夢は見なかったよ・・・ちくしょう」

心理「・・・そう、でも嫌な夢を見るよりはマシだったんじゃない?」


330 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:52:52.11 ID:oKIbyubC0
垣根「そうかもな・・・」

ゆっくりと垣根が体を起こす

けだるさも残っているが、それについて一々文句を言ってはいられない

垣根「・・・なぁ、寝る前の会話・・・やっぱり覚えてるか」

心理「当たり前でしょ、忘れられないわよ」

垣根「・・・忘れてほしいんだけどな、俺としては」

心理「・・・あなたはね、私を守ってくれたのよ?素敵な男性なんだから、自信を持ちなさい」

垣根「・・・自信、か」

心理「・・・お願いだから、自分を好きになって」

垣根「嫌ってなんかいないさ、俺は俺を好きだけどな」

心理「嘘をつかないで」

心理定規の言葉に、垣根が口をつぐむ

心理「・・・おかしいわよ、やっぱり」

垣根「暗部に戻ったばっかりだからな、少しおかしいんだよ」

心理「・・・そんなに・・・あなたは自分を憎んでるの?」

垣根「違うんだよ、ただ自分を愛する方法が分からないんだ」


331 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:53:47.50 ID:oKIbyubC0
苦笑いを浮かべながら、垣根が心理定規を見つめる

垣根「・・・お前を愛するのは簡単さ、ただ思いのままに愛すればいいんだ」

心理「・・・分かったわ、教えてあげる」

垣根「お、おい・・・」

心理定規が垣根の膝の上に座った

どこか妖艶な瞳には、垣根だけが映っている

心理「・・・私があなたを愛してあげるから、あなたはそれを真似すればいいだけなのよ」

艶やかな表情のまま、心理定規が垣根をソファーに押し倒す

心理「・・・だから」

垣根「やめてくれ、虚しくなるだけだ」

心理「!」

下から見上げる形の垣根が、心理定規の体を抱きしめる

抵抗するのは簡単だろう、だが彼女にはそれが出来ない

垣根「それは結局、お前の愛情なんだ・・・俺が見習うことなんか出来ない」

心理「でも・・・」


332 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:54:17.85 ID:oKIbyubC0
垣根「気持ちだけでいいんだ、俺を心配してくれるのはお前だけだよ」

無理矢理な笑顔が、心理定規の胸を締め付ける

今まで何度、こんな気遣いを受けただろうか

心理「私は・・・私だって、あなたを慰めることが出来るのに」

垣根「こんな慰め方なんかじゃダメなんだ」

心理定規の体を、優しく押し返す

抵抗しない彼女の体はとても軽かった

垣根「・・・頼むよ、軽い女なんか演じないでくれ」

心理「・・・ごめんなさい」

垣根「いいんだ、飯にでもしようぜ」

優しく笑ってから、垣根が立ち上がる

その背中は、なぜか大きいはずなのに小さく見えた

心理(・・・あなたは、馬鹿なのよ・・・垣根)


333 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:55:11.61 ID:oKIbyubC0

フレンダ「・・・ねぇ、ゴーグル」

ゴーグル「なんすか?」

深夜というのは、人が最も無防備になってしまう時間帯だ

眠気が襲ってくるからでもあるが、それ以上に闇というものは人を原始に帰してしまう

だから、フレンダが自分の心を無防備に晒しても、誰も馬鹿には出来ないだろう

フレンダ「明日さ・・・私、出かけるんだ」

ゴーグル「へぇ・・・」

フレンダ「5学区の綺麗な噴水あるでしょ、そこで待ち合わせしよう!」

ゴーグル「誰とですか?」

フレンダ「ア、アンタに決まってる訳よ!」

ゴーグル「ま、待って下さいよ!」

フレンダ「何よ・・・どうせアンタのことなんだから用事もないでしょ・・・」

ゴーグル「明日は・・・心理定規さんと出かけることになってるんですよ」

ゴーグル男がそう言った瞬間、部屋の空気が凍りついた

フレンダ「・・・そうなんだ」


334 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 14:58:49.97 ID:oKIbyubC0
ゴーグル「あ、あの・・・」

フレンダ「ううん、ならいい訳よ」

冷たい声が返ってくる

何かを我慢して抑えているような、そんな声だ

ゴーグル「あの・・・怒ってます?」

フレンダ「ううん・・・なんでもない、ごめんね」

フレンダが布団に頭から隠れる

ゴーグル「・・・そうですか」

静かな部屋の中に、気まずい沈黙が流れる

フレンダ(・・・そうだよね、ゴーグルにだって・・・予定くらいある訳よ)

フレンダ(・・・私が・・・もっと早く言っておけばよかったかな)

そんなことを思いながら、フレンダが目を閉じる

フレンダ(・・・チョコ・・・あげたら、少しは気づいてくれるかな)


ゴーグル(・・・そ、そんなに俺が悪いのか?)

335 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 16:38:41.13 ID:oKIbyubC0

垣根帝督を表す言葉はたくさんある

男前、イケメン、優男、柄の悪い男、プレイボーイ、ジゴロ、誑し、おちゃらけ、優しい、馬鹿

しかしそのどれもが、彼の本質とは少し違うような気がする

垣根帝督を表すのに最もぴったりなのは「メルヘン」だろう

というか、垣根がそう自負している

そんな彼の朝もやはりメルヘンなのだが、それにはいくつか理由がある

本日がバレンタインであること

素晴らしい記念日の朝は、誰だろうとメルヘンなはずだ

彼の隣には最愛の心理定規が寝ていること

愛している人がいるなら、男はメルヘンになれるのだ

そして何より、夢に出てきたのが心理定規だったこと

彼女との幸せな夢を見られたため、わりと彼は上機嫌だった

昨日の少しセンチメンタルな感情は、影を潜めていた

垣根「・・・おはよう」


336 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 16:42:26.59 ID:oKIbyubC0
心理「あらおはよう・・・なんだか上機嫌ね」

垣根「おう、いい夢を見られたからな」

笑いながら、垣根がベッドから起き上がる

ぐっと伸びをすると、眠気もどこかへ吹き飛んだ

爽やかな朝日が窓の外から差し込んでいる

垣根「・・・バレンタイン、か」

心理「ちょうど休日でよかったわよね・・・」

垣根「あぁ、おかげで一日ゆっくりメルヘンな気分でいられるよ・・・」

心理「・・・ねぇ」

垣根「ん?昨日の話なら忘れてくれよ、ちょっとセンチメンタルになっただけだからさ」

心理「・・・そうね」

ベッドから飛び起きた垣根が、リビングへと向かう

朝にはコーヒーを飲む、これが彼の日常だ

ブラックコーヒーを飲めば目が覚める

心理「・・・そういえば、今日の用事って何なのよ」

垣根「あぁ・・・吹寄と姫神に呼び出された」

心理「あら、もしかしてあの二人もあなたにチョコを渡すつもりなのかしら」


337 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 16:48:29.97 ID:oKIbyubC0
垣根「そうかもしんないな・・・」

心理定規の分のコーヒーも用意し、垣根がそれをテーブルに置く

心理「あら、ありがとう」

垣根「・・・あのさ」

心理「何?」

少し熱くなっているカップを持ちながら、心理定規が首を傾げる

そんな動作がかなり可愛らしいのだが、垣根は特に言及しない

垣根「その・・・昨日は本当に悪かった、お前との別れとかそんなもんを考える必要はねぇよな」

心理「そのことね・・・いいのよ、何かあったのかと思って心配しただけだから」

垣根「うーん・・・何もねぇときに不安になることってあるよな」

心理「分かるわ、イヤなほどに」

コーヒーの苦さに顔をしかめながら、二人がうんうんと頷く

垣根「・・・こうやって幸せな日常を過ごせるのがどれほど幸せなのか・・・よく分かるよ」

心理「それを幸せと思えることも、ね」

垣根「おうよ」


338 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 17:11:47.53 ID:oKIbyubC0
心理「・・・でもよかった、本当に何もなくて」

垣根「何かあったらお前に相談するさ・・・一番頼れるのはお前だからな」

コーヒーを飲みながら、垣根が笑う

その一言に、心理定規がきょとんとする

垣根「なんだよ?」

心理「・・・私を頼りにしてくれてるの?」

垣根「当たり前だろ」

心理「・・・そう、嬉しいわ」

心理定規が嬉しそうに微笑む

垣根「・・・お前が、一番俺のことをよく分かってくれてるよ」

心理「愛しているもの」

垣根「あぁ、俺も愛してるよ」

笑ってから、垣根がコーヒーをもう一度注ぎなおす

心理「・・・さて、私はゴーグル君とお出かけかしらね」

垣根「・・・あいつ、今日が何の日かも知らないかもな」

心理「それくらいは知ってるわよ」


339 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 19:44:59.57 ID:oKIbyubC0
垣根「・・・お前さ、どこに買い物行くんだ?」

心理「そうね・・・第6学区のデパート、分かるかしら」

垣根「おう、知ってるけど」

心理「あそこでバレンタインフェアをやってるのよ」

垣根「ふーん・・・そうかい」

心理「・・・あなたから聞いてきたんだから、もう少し何かリアクションを取りなさいよ」

垣根「仕方ないな・・・」


垣根「な、なにぃ!?買い物に行くぅ!?しかも第8・・・」

心理「そこまで大げさにしないで」

垣根「ちっ・・・で?そこにわざわざ出かけるのかよ」

心理「えぇ、あなたも来てくれたら嬉しいんだけどね」

垣根「・・・あの二人との用事が終わればすぐに行くよ」

心理「あら、嬉しい」


340 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 19:59:16.33 ID:oKIbyubC0
垣根「・・・じゃ、俺はさっさと行ってくるよ」

歯磨きと洗顔を済ませた垣根が、めんどくさそうに呟く

服装も、あまりオシャレにしました、という感じはしない

もちろん一般人と比べれば十分オシャレなのだが

垣根「いってきまーす・・・めんどくせぇ」

心理「女の子が呼び出してくれたんだから、ちゃんとしなさい」

垣根「はーい」

垣根のいなくなったリビングで、しばし心理定規は口を閉じていた

だがやがて、自分も外出の仕度を始める

心理(・・・垣根のついでに、みんなにもチョコを買わないと・・・)

財布を手に取り、鏡で服装を確認する

今日もいつもの、オシャレな心理定規だ


心理「それじゃ・・・行きましょうか」


341 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 20:05:06.27 ID:oKIbyubC0

ゴーグル「・・・あの、浜面さん」

浜面「おっす・・・おはよう」

アイテムの家のリビング

女子達は、すでに友達にチョコを配りに行っている

フレンダだけは違い、ちょうど今から買いに行くそうだ

ゴーグル「・・・なんか、フレンダさんが昨日から不機嫌というか・・・」

浜面「・・・そりゃそうだろうな」

ゴーグル「なんでですかね?」

浜面「・・・お前、本当に分からないのかよ・・・」

ゴーグル「ってことは・・・浜面さんは分かるんですか!?」

ゴーグル男が身を乗り出す

彼の前のテーブルに並べられたビールの缶が、少しだけ揺れる

浜面「・・・でもな、これは俺の口からは言えないことだ」

ゴーグル「そ、そんなにグロテスクかつエロチックな理由なんですか・・・」

浜面「180度違うけどな」


342 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 20:17:07.68 ID:oKIbyubC0
ゴーグル「・・・でも、それってどんな理由なんですか」

浜面「・・・これは、フレンダの口から聞いてくれよ」

ゴーグル「・・・そうっすね」

ゴーグル男がフレンダの部屋に向かう

そこは、既にゴーグル男の生息地帯でもある

広く分布していますよ、という注意書きも必要かもしれない

ゴーグル「失礼します・・・」

ノックをしてから、ゴーグル男が中に入る

フレンダ「あ、ゴーグル・・・」

ゴーグル「おはようございます・・・その、ちょっと聞いてみてもいいですか?」

フレンダ「・・・うん、何?」

フレンダは、妙に大人しかった

いつもなら会うたびに、少しの冗談でも言ってくるはずなのに

ゴーグル「・・・なんで、不機嫌なんですか」

フレンダ「不機嫌・・・かな」


343 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 20:22:23.00 ID:oKIbyubC0
ゴーグル「・・・はい、なんだかこう・・・ピリピリしてますよ」

フレンダ「あはは・・・そう見えるのかもね」

フレンダが、人形をいじりながら笑う

その光景だけを見ていると可愛げだが、彼女の表情は今すぐ抱きしめたくなるほど弱弱しかった

フレンダ「・・・そのさ、私・・・買い物行くじゃん」

ゴーグル「?はい」

フレンダ「・・・それでね」

フレンダがぎゅっと人形を掴む

駄々をこねるようなその仕草が、なぜか似合っていた


フレンダ「・・・アンタにも、来て欲しかったんだ」

ゴーグル「・・・俺にですか?」

フレンダ「うん」

ゴーグル「・・・あぁ、チョコを選ぶときの参考ですか」

フレンダ「うん」

ゴーグル「・・・なんで俺なんですか?」

フレンダ「当たり前でしょ・・・アンタにあげるからな訳よ」

ゴーグル「・・・お、俺にですか?」


344 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 20:28:02.76 ID:oKIbyubC0
フレンダ「も、もちろん浜面とか・・・垣根にもあげる訳よ、アンタだけが特別じゃないんだから!!」

ゴーグル「そ、そりゃそうっすよね・・・」

ゴーグル男が肩を落とす

なんだか今みたいな言い方をされると勘違いをしてしまう

ゴーグル「・・・それで、俺に男としての意見を聞きたい・・・と」

フレンダ「・・・ううん、アンタとしての意見を聞きたかった訳よ」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「で、でもさ!!心理定規に付き合うなら仕方ない訳よ!!」

フレンダがニコニコと笑う

無理をした笑い方だと、すぐに分かる

フレンダ「・・・だ、だから・・・上手くやってきてね」

ゴーグル「・・・何をですか」

フレンダ「心理定規はアンタを頼った訳よ、だからその期待に応えなさい!じゃね!」

勢い良く、フレンダが部屋から出て行く


浜面「ん?もう出かけるのか」

フレンダ「いってきまーす!!」

リビングに少しだけ顔を出し、フレンダが外へと向かった


345 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 20:34:09.72 ID:oKIbyubC0
ゴーグル「・・・」

一人、残されたゴーグル男は考えていた

心理定規が彼を呼んだのは、男の意見を聞きたかったから

フレンダが彼に頼もうとしたのは、彼の意見を聞きたかったから

周りからしたら、まるで大差ないことだろう

実際、そこまで差のあることでもない

どちらにしろ、二人はゴーグル男を頼ったのだ

ゴーグル(・・・そうっすよ、それだけっす)

はぁ、と溜め息をついてから落ちている人形を拾う

フレンダのお気に入りの一つで、たしかキルなんとかグマーみたいな名前だったかな、と考えながら

ゴーグル(・・・そういや、人形に触るの・・・最初の頃は怒ってましたね)

いつからだろうか、ゴーグル男が人形に触れても笑ってくれるようになったのは

ゴーグル「・・・あーあ、一一細かいことを考えるのは俺の悪いクセっす」

ぶんぶん、と頭を振る

ゴーグルから飛び出しているプラグも一緒に揺れた


346 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 20:41:47.14 ID:oKIbyubC0
ゴーグル(・・・そうっす、難しく考えて答えが出るなら世の中偉人だらけですよね)

携帯を開き、短いメールを打つ

それだけの動作の後、上着を羽織った

ゴーグル(・・・ごめんなさい、でも俺は行かなきゃならないんす)

急いで階段を駆け下り、リビングへと向かう

浜面「ん?お前も今か」

ゴーグル「はい、ちょっと遅くなりますけど」

浜面「それじゃあな」

ゴーグル「はい!」


勢い良く、玄関のドアを開く

今日も一日、寒くなるとニュースで言っていた

だがそんなことを気にはしていられない


ゴーグル「さて、行きますか!」



347 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 20:50:27.63 ID:oKIbyubC0

垣根「あーかーいーゆうーひがー」

冬の寒い空気の中、静かな道を垣根は歩いていた

垣根「あぁ寒い・・・吹寄と姫神の野郎・・・これでつまんねぇ用事だったらブチコロシかくていね」

吹寄「何言ってるのよ」

垣根「どわぁ!!!てめぇ、いつから後ろにいやがった!?」

吹寄「貴様がちょうど高校三年生を歌いだした辺りから」

垣根「・・・怖いぞお前・・・ってか、待ち合わせは公園だっただろ・・・」

吹寄「あぁ、ちょっとこっちに用事があってね」

垣根「ウソだな、俺をストーキングしてたんだな」

吹寄「違うわよ・・・それにしても寒いわね」

垣根「あーあー、あーあーあー」

吹寄「再開しないでよ」

垣根「・・・寒いな、上着貸そうか?」

吹寄「い、いいわよ!!」

垣根「そうかい」


348 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 20:56:05.12 ID:oKIbyubC0
吹寄「・・・それよりよかったの?心理定規と一緒じゃなくて」

垣根「いいんだよ・・・お前たちとの用事が終わればすぐ行くしな」

吹寄「やっぱりね」

垣根「悪いかよ」

吹寄「いいじゃない、そういう恋人は素敵だと思うわよ」

垣根「・・・あっそう」

興味なさそうに垣根が他の方向を見つめる

すれ違うのは、学生ばかりだ

学園都市なのだから当たり前ではあるが

垣根「・・・バレンタイン、ねぇ」

吹寄「何よ、やけに静かね・・・」

垣根「・・・いんや、今年もどっさりチョコ贈られるんだろうな・・・」

吹寄「・・・大変ね」

垣根「あぁ・・・」


垣根「モテるって、罪なのかもな」

吹寄「世の中の男性を敵に回したわ、貴様」


349 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 21:03:05.21 ID:oKIbyubC0

心理「・・・あら、メール・・・」

心理定規の携帯電話が、可愛らしい音を立てた

美琴からもらった着信音で、なにやら最近流行っているアニメのopらしい

どうせゲコ太関係なのだろう、と予想はついているが

心理「・・・ゴーグル君ね」

短い文章だった

その内容を見たあと、小さく心理定規が笑う

心理(そう・・・彼もやっと一人前になったじゃない)

母親の気持ちはこういうものか、と心理定規が一人で笑う

心理「・・・さて、私も行かないと」

待ち合わせ場所に行く必要は無くなった

ゴーグル男は、こちらには来ないのだから

心理「・・・あぁ、そうそう」

携帯を取り出し、垣根に短いメールを送る

そのあと、マフラーの端を握りながらデパートへと向かった


「寒いから、早く来てちょうだい」という、短いメールを送って


350 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 21:09:48.59 ID:oKIbyubC0

フレンダ「・・・何やってるんだろ、私」

第五学区の噴水の近くのベンチ

そこで、フレンダは一人待っていた

来るわけがないはずの、彼を

周りは大学生が歩いている

カップルもかなりいるようで、そんな中一人待ち続けるのは辛かった

フレンダ(・・・来るわけないのに)

昨日、一応予定はゴーグル男にも伝えた

だがそんなこと、彼は覚えてなどいないだろう

彼は今頃、心理定規と買い物をしているのだろう

ゴーグル男はきっと、楽しい思いをしているはずだ

フレンダと違い、心理定規は魅力的だから

ゴーグル男の憧れの女性だから

フレンダ(・・・そうだよね)


351 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 21:16:28.30 ID:oKIbyubC0
何人かの男子大学生が、フレンダを指差している

ナンパでもするつもりなのだろうか

フレンダ(・・・いいわよ、どうせ私にはそういう男しか寄り付かないから)

はぁ、と溜め息をつく

一人の男子大学生が、フレンダのほうに近づいてきた

「ねぇ、君・・・」

また始まった、と呆れる

今までも、何度かそういうことは経験している

麦野や絹旗と一緒に居るときにも、よくあったことだ

だからこそ断り方はわきまえている

強く断るだけ、それだけで大抵の男は怯んでしまう

目の前の男もそうだろう

フレンダ(・・・結局、男なんてそんなもんな訳よ)

可愛い女がいればそちらに着いて行く

それが、男なのだ

「もしかして、ヒマなの?だったら俺たちと遊ばない?」



352 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 21:19:53.58 ID:oKIbyubC0
フレンダ「・・・私は」

アンタたちに興味が無い、と言おうと思ったそのとき、誰かがフレンダの肩に手を回した

男の仲間だろうか、無理矢理連れて行くつもりなのか

フレンダ(・・・なんなのよ)

フレンダがその手を叩こうとする

だが、そんな考えはすぐにやめてしまった

肩に回された腕に、見覚えがあった

そこに残っているのは、ちょっと大きな傷だった

それはたしか、彼女を守るときに負った傷だった

彼女を絶望の淵から助け出したときに負った傷だったのだ

フレンダ「・・・もしかして・・・」

ぱっとその方を振り向く

ゴーグル「・・・」

「な、なんだよお前?」

ゴーグル「お前こそなんだよ、人の女に手出してんじゃねぇよハゲ」

「ハ・・・」

フレンダ「ひ、人の女!?」



353 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 21:24:25.17 ID:oKIbyubC0
「お前、なんだよ・・・」

ゴーグル「行くぞ」

ゴーグル男が、無理矢理フレンダの手を引っ張る

呆然としているフレンダと大学生を無視し、ゴーグル男は歩いた


フレンダ「ど、どうしてアンタがここにいる訳よ!?」

混乱する思考を制御しながら、どうにかフレンダが言葉を紡ぐ

ゴーグル「心理定規さんのほうには行かないことにしましたから」

フレンダ「ど、どうして・・・」

ゴーグル「・・・フレンダさんといるほうが楽しいですから」

フレンダ「!?そ、そそそそそそそそれどういう・・・」

ゴーグル「・・・あの男に何かされませんでしたか?」

フレンダ「う、うん・・・大丈夫だけど」

ゴーグル「それならよかったっす」

ゴーグル男がフレンダの手を放す

いつもの笑顔を浮べながら、ゴーグル男が振り向いた


354 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 21:32:03.08 ID:oKIbyubC0
ゴーグル「フレンダさんに何かあったら、俺もイヤっすから」

フレンダ「!!」

ボン、という音が聞こえるのではないかというほど、フレンダの顔が赤くなる

フレンダ「ア、アンタって・・・」

ゴーグル「?なんすか?」

フレンダ「・・・ううん、なんでもない」

真っ赤な顔のまま、フレンダが笑う

フレンダ「よーし!!なら私のほうに来たことを後悔させてやる訳よ!!」

ゴーグル「な、なんすかそれ!!」

フレンダ「ほらほら、急ぐ訳よ!!」

ゴーグル男の手を握り、フレンダが駆け出す

その横顔は、とても幸せそうだった



ゴーグル「って、赤信号ですからぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!」

フレンダ「二人で渡れば怖くない訳よ!!!」


355 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/24(木) 21:38:43.28 ID:oKIbyubC0
今日はここまで

明日も、というかしばらくバレンタインを引っ張ります

筋肉動画はこちら

若干23歳、若手の星、アレクシー・レスコー

背中の精密さはあれですが、とにかくでかいですね

若いのにすんげぇバルクです

将来が楽しみな選手ですね

http://www.youtube.com/watch?v=7KjRRMHU3Zs  


というか、リーにしろショーンにしろケビンにしろ、若い頃からトレーニングしてる人が多いですね・・・


ではおやすみなさい


356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/25(金) 01:51:33.17 ID:CzkLDqpao
乙なんだよ!!
357 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:19:21.54 ID:93I/VZVK0
垣根「おいっす・・・姫神、元気してたか?」

姫神「君こそ。元気そうで何より」

待ち合わせの公園では、姫神がベンチに座って待っていた

吹寄「さて、三人とも集まったし・・・」

姫神「どうして。吹寄と垣根が一緒に来たのかを聞きたい」

吹寄「ぐ、偶然同じ道だったのよ!」

垣根「こいつがストーキングしてたんだよ」

吹寄「してないわよ!」

姫神「吹寄、それは良くないこと」

吹寄「あなたまで疑わないでよ!」

垣根「まぁ冗談はおいといて・・・なんの用なんだよ?チョコか?」

吹寄「・・・平たく言えばその通りよ」

姫神「吹寄が君に渡したいんだけど、一人じゃ勇気が出ないって」

吹寄「ち、違うわよ?」

垣根「あぁそう・・・じゃあ早いとこ渡してくれよ」


358 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:19:50.20 ID:93I/VZVK0
吹寄「・・・何よその態度」

垣根「俺はな、早いとこ切り上げて心理定規とデートしたいんだよ」

そんな台詞と同時に、垣根の携帯が鳴った

心理定規からの着信だ

姫神「・・・なんだかタイミングが良すぎる」

垣根「ほら見ろ!寒いから早く来てくれってさ!」

携帯の画面を二人に見せつけ、垣根が満足そうに笑う

吹寄「・・・そうね、なら早いところ渡すわよ」

吹寄がチョコを取り出す

恐らくは手作りなのだろう、包装もかなり丁寧だ

垣根「もしかして・・・わざわざ作ってくれたのか?」

吹寄「・・・バレンタインくらいは、ね」

垣根「サンキュー・・・なんか悪いな」

姫神「私は義理だけど」

姫神も、垣根にチョコを差し出す



359 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:20:25.82 ID:93I/VZVK0
垣根「私・・・は?」

吹寄「わ、私だって義理よ義理!」

姫神「・・・本命のくせに」

吹寄「違うわよ!」

垣根「ははは・・・二人ともありがとうな」

苦笑してから、垣根がチョコを見つめる

どちらも丁寧に包装されている、やはり女の子はそういう細かいことが得意なのだろう

垣根「・・・ホワイトデーのお返し、何がいい?」

吹寄「そういうのは内緒でやってよね・・・貴様、メルヘンなんでしょ?」

垣根「うるせぇ、そういうメルヘンは心理定規だけにしてるんだ」

姫神「なんとも羨ましいかぎり」

垣根「思ってねぇだろ、明らかに思ってねぇだろ」

姫神「・・・リア充は消えて」

垣根「なんなんだこいつ!?」

吹寄「・・・姫神、ちょっとだけいいかしら?」


360 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:21:03.09 ID:93I/VZVK0
姫神「分かってる」

姫神が無表情のまま、ベンチから立ち上がる

二人から少し離れた場所で、姫神は立ち止まった

まるで二人を見守るかのような形だ

普通の人間なら、無表情というのはかなり無愛想に見える

それが、姫神の場合だとなぜか似合っているのだから困ってしまう

垣根「・・・なんだあいつ?」

吹寄「ねぇ、垣根」

垣根「なんだよ?」

吹寄は何か、真剣な表情をしている

緊張しているように見えるのは気のせいなのだろうか

吹寄「・・・その、ありがとう」

垣根「何がだよ?」

吹寄「わざわざ来てくれて・・・てっきり、心理定規との用事を優先するかと思ってたわ」

垣根「残念なことに先に俺を誘ったのはお前達だったんでな」


361 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:21:49.11 ID:93I/VZVK0
苦笑いしながら、垣根が答える

吹寄「・・・そう、なら心理定規のほうが先に誘ってたら?」

垣根「心理定規を優先したさ、当たり前だろ」

吹寄「はぁ・・・貴様は本当に、なんというか・・・」

垣根「プレイボーイか?んなことは今更言うことじゃねぇだろ」

吹寄「・・・今まで何人の女の子を泣かせてきたのかしら」

垣根「お前もその中の一人ってか?」

吹寄「・・・さぁ」

垣根「・・・俺はもうそろそろ心理定規の所に行きたいんだけどな」

吹寄「あぁ・・・ごめん、時間を取りすぎたわ」

吹寄が苦笑いを浮かべる

垣根「おーい、姫神!」

姫神「何?」

遠くから、姫神が垣根に問い掛ける

あまり声は聞こえないが、口の動きで何を言っているかの想像はつく


362 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:22:26.56 ID:93I/VZVK0
垣根「俺はこれから心理定規の所に行くから、またな!」

姫神「分かった。またね」

垣根「チョコありがとうよ!オカズにするからな!」

姫神「どっちの意味のオカズか分からないけど。練乳は合わないとだけ言っておく」

垣根「ご飯のお供の意味だよ!バーカ!」

姫神「馬鹿とは失礼な」

垣根「じゃあな!」

垣根がくるりと振り返る

垣根「・・・なぁ、吹寄」

吹寄「・・・何よ」

垣根「ありがとうよ、大事に食べるから」

吹寄「一番は心理定規のを食べなさいよ」

垣根「今年はあいつ・・・手作りじゃないかもしれないからな」

肩を竦めながら垣根が答える

吹寄「・・・それでもよ」


363 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:23:13.31 ID:93I/VZVK0
垣根「はいはい、分かりましたよ・・・じゃな」

垣根が駆け出していく

その背中をしばらく見届けた後、吹寄が姫神を呼ぶ

姫神「・・・よかったの?短かったけど」

吹寄「いいのよ、垣根は心理定規に会いたがってたじゃない」

姫神「・・・吹寄は純粋すぎる」

吹寄「・・・褒め言葉として受け取っておくわ」

姫神「・・・それじゃ。次は誰に渡す?」

吹寄「上条・・・は多分御坂さんとイチャイチャしてるわね」

姫神「・・・土御門君にでも渡しておく?」

吹寄「それがいいかもしれないわね」

二人が向かうのは、男子寮

ついでに上条にも渡せる・・・かもしれなかった



364 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:24:18.70 ID:93I/VZVK0


フレンダ「・・・ゴーグル、チョコだったら何味が好き?」

ゴーグル「なんすか唐突に」

大きなショッピングモールの中にある、お菓子の専門店

その中にあるチョコのコーナーで、フレンダが腕を組んでいた

慎ましい胸もある程度強調されるポーズだが、ゴーグル男は目を逸らしている

というより、並んでいるチョコを吟味しているのだ

彼は知らなかった、こんなにチョコにも種類があることを

ミルクとビターしか知らなかったが、どうやらカカオの含有量でも味が違うらしい

ゴーグル「・・・イチゴ味とかあるんすね」

フレンダ「な、何?アンタ知らなかった訳?」

ゴーグル「・・・チョコなんて、心理定規さんから昔一回もらったきりかもしんないっす・・・」

フレンダ「・・・たしか、昔はそういうのを食べられる状況じゃなかったんだっけ?」

ゴーグル「というより・・・今が特別な感じっす」

形も様々で、正統派とも言える四角いものから、キャラクターを象ったものまである

ゴーグル「・・・こんなに面白い形だと、なんだか食べるのがもったいないっすね」


365 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:25:11.32 ID:93I/VZVK0
フレンダ「そうそう・・・でも結局は食べないといけない訳よ」

ゴーグル「・・・すげぇ、こんな光景なんて見たことないっす」

フレンダ「・・・本当に初めてなんだ、こういうの」

ゴーグル「俺が一人でチョコの専門店なんかに来るとか、想像出来ますか?」

フレンダ「無理」

ゴーグル「でしょ?だから初めてなんすよ・・・」

ガラスの向こうに並んでいるチョコを見つめながらゴーグル男が笑う

トランペットを眺めている少年のような、純粋な瞳だ

初めて鏡を見た人間はこんな反応なのかもしれない

フレンダ「・・・アンタは、どういうのがいいと思う?」

もう一度、フレンダが問い掛ける

ゴーグル「・・・味なら、ビターがいいですけど・・・でも形はこれがいいっす」

ゴーグル男が指差しているのは、天使のような形のチョコだ

正直、彼くらいの年齢なら照れ臭く感じるデザインでもある

フレンダ「・・・なんか、意外と幼稚な趣味してる」


366 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:26:18.37 ID:93I/VZVK0
ゴーグル「違いますよ、なんかこう・・・翼が生えてるってカッコイイじゃないっすか」

フレンダ「垣根の見すぎな訳よ・・・それのどこがカッコイイの?」

ラッパを吹きながら笑っている天使

それをカッコイイと言うなんて、馬鹿馬鹿しいにもほどがある

ゴーグル「・・・ならフレンダさんはどういうのがオススメなんですか?」

フレンダ「これは?」

フレンダが指差しているのは、チョコとクッキーが一体になっているものだ

チョコの味とクッキーの食感を同時に楽しめる、お得な一品である

ゴーグル「・・・なるほど、欲張りっすね」

フレンダ「どうせ買うなら美味しいのを買いたい訳よ」

ゴーグル「・・・分かりました、それでいいっす」

フレンダ「でも・・・アンタはそっちがいいんでしょ?」

ゴーグル「フレンダさんが選んでくれたものが一番ですよ」

フレンダ「!ア、アンタってなんでそういう恥ずかしいことを普通に言える訳よ!?」


367 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:26:55.18 ID:93I/VZVK0
ゴーグル「大声出さないで下さいよ・・・恥ずかしいっす」

フレンダ「私のほうが恥ずかしいの!?」

ゴーグル「はぁ・・・それで?そのクッキーのヤツでいいんすよね?」

フレンダ「・・・ちょっと待って、なんでアンタが財布を取り出してる訳よ?」

ゴーグル「いや、それを買いたいんじゃないんすか?」

フレンダ「私が買う訳よ!大体アンタにあげるチョコをアンタが買ってどうすんの・・・」

ゴーグル「あ、それもそうっすね」

フレンダ「ったく・・・なんだかそういうのに鈍い訳よ」

ゴーグル「なんすか・・・ピンチを助けた俺に悪口っすか・・・」

フレンダ「ピンチ?」

ゴーグル「さっき大学生に絡まれてたの、助けたじゃないですか」

フレンダ「あぁ、あんなのピンチの中には・・・」

そこでフレンダが思い出した

あの時ゴーグル男はなんと言っていたか

フレンダ「そ、そうだ!人の女ってどういう意味だったの!?」


368 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:29:43.25 ID:93I/VZVK0
ゴーグル「あれはあの場から離れるための言い訳っすよ」

フレンダ「・・・」

一瞬にしてフレンダの熱が冷める

やはりゴーグル男は鈍感で、馬鹿だ

ゴーグル「な、なんすか!?」

フレンダ「なんでもない・・・」

フレンダが店員にチョコを買いたいと申し出る

浜面や垣根にあげるものはしっかり包装した

だが、ゴーグル男にあげるものは包装していない

ゴーグル(は、腹いせ!?)

絶望するゴーグル男をよそに、なぜかフレンダは少し顔を赤らめていた

ゴーグル「あの・・・なんで包装してくれないんすか・・・」

フレンダ「い、いいじゃん!!」

ゴーグル「いや・・・よくないっす」

フレンダ「いいから!!アンタの分は包装しないんだからね!」

ゴーグル「なんすかその新感覚ツンデレ・・・」


369 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:42:44.42 ID:93I/VZVK0
フレンダ「・・・アンタの分なんか特別にしない訳よ」

ゴーグル「めっちゃ傷つきますよそれ・・・」

ゴーグル男が深く溜め息をつく

フレンダ「い、いいから!!早く買って帰ろうよ!!」

ゴーグル「ん?もう帰るんすか?」

フレンダ「だって垣根とかにも渡さないといけない訳よ」

ゴーグル「・・・そりゃそうっすけどね」

フレンダ「なになに?もしかして私とのデートを楽しみたかったり!?」

ゴーグル「こんな面白いお店は楽しいっす」

フレンダ「アンタ・・・なんか悉く私を踏みにじる訳よ」

ゴーグル「いや・・・そういうつもりじゃないっすけど」

店員からチョコの入った袋を受け取り、二人が店の外に出る

ゴーグル「はぁ・・・じゃ、帰りますか」

フレンダ「ちょ、ちょっと待って!!」

ゴーグル「?」


フレンダ「い、行きたい場所があるんだけどさ・・・」


370 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 10:56:19.18 ID:93I/VZVK0

心理「・・・どれがいいかしらね」

心理定規は、一人でショッピングモールの中にいた

目の前には、高級そうなチョコが並んでいる

周りにいるのも常盤台のお嬢様や、一部のお金持ちだけだ

お金持ち御用達のチョコ専門店

そんな中にいても、彼女は全く違和感がない

心理「・・・垣根はビターよね・・・」

品定めをしながら、心理定規が首を捻る

じっとショーウィンドーを見ていたせいか、後ろから近づいてくる人影に気づかなかった

垣根「俺はビターがいいんだけどな」

心理「?あら、垣根」

垣根「よぉ・・・用事も終わったから来てやったよ、寒くないか」

心理「ちょっと寒いけど大丈夫よ・・・それより、何の用事だったの?」

垣根「チョコだよチョコ・・・家に置いてきたけどさ」

心理「あら、よかったじゃない」

垣根「・・・は、ははは・・・これから俺の家にはチョコの山が出来上がるぜちくしょう」

心理「・・・よ、よかったじゃない」

垣根「よくねぇよ」


371 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 11:10:51.20 ID:93I/VZVK0
心理「・・・それにしても・・・よくここが分かったわね」

垣根「世の中にはGPSという便利なものがあるんだよ」

心理「・・・こんな細かい場所までは分からないでしょ」

垣根「心が繋がっていれば、ノープロブレム」

心理「はぁ・・・そうかもしれないわね」

垣根「それで?みんなの分はどうするんだよ」

心理「他のみんなはこれにするのよ」

心理定規が指差したのは、少し砂糖の入ったチョコだ

一般受けしやすい、ベタな味とも言える

垣根「ま、それでいいかもな」

心理「あなたは、これでいいかしら?」

心理定規が指差したのは、ビターの中でもかなり高いものだった

垣根「・・・安いのでいいんだけど」

心理「あら、お金なんていくらでもあるでしょ?」

垣根「心を込めた手作りとかないのかよ!?」

心理「いいじゃない、これで」

垣根「あぁ神様、いつから我々の間にあった愛は冷めたのですか、アーメン」

心理「・・・何言ってるのよ」


372 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 11:28:40.97 ID:93I/VZVK0
垣根「お前の手作りチョコを最後に食べたのはいつだったかな・・・あぁそうだ、たしか小学二年生だ」

心理「稲川淳二にならないでよ」

垣根「・・・なぁ、ホントに作ってないのか?」

心理「・・・ほら、これでいいでしょ?」

心理定規が店員に注文を伝える

垣根のチョコは、一番おいしそうなのを選んだ

垣根「ぶーぶー、俺のチョコくらい手作りしろよー」

心理「はいはい・・・いいから、駄々をこねないの」

垣根「・・・」

心理「・・・ほら、行きましょう」

チョコの入った袋を受け取った心理定規が、垣根の手を引っ張る

垣根「あー!!チョコの手作りがほしいなぁ!!」

心理「・・・大声出さないの」

垣根「手作りが」

心理「どつき回すわよ」

垣根「」


373 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 11:49:54.89 ID:93I/VZVK0
心理「・・・ほら、行きましょう」

もう一度、心理定規が垣根の手を引く

垣根「・・・なぁ、ホントのホントに何もないの?」

心理「・・・お願い、今はそこまで詳しく聞かないで」

垣根「!ってことはサプライズで何かあったり!?」

心理「・・・さぁ」

垣根「おー・・・このミステリアスな雰囲気はたまらねぇな」

ニコニコと垣根が笑う

そういう、メルヘンなことが彼は大好きだった

心理「・・・それより、食事にしましょう」

垣根「お、じゃあ美味い店知ってるから連れてってやるよ」

心理「えぇ、お願い」

二人が垣根の知っている店へと向かう

まるで映画のカップルのような、そんな一日だった



374 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 12:55:11.23 ID:93I/VZVK0

あぁ、映画みたいな恋がしたい

そんなことは、誰だって思うだろう

めちゃくちゃ可愛い幼馴染がいて、自分が信じられないほどの運動神経の持ち主だったとしたら

それでもって、自分が県の代表になってスタンドではその幼馴染が応援してくれていて、もしも勝ったら告白しようと決めていて

結局負けてしまうのだけれども、逆にその幼馴染が慰めるために告白してきた

そんな恋愛、誰だって夢見ることがあるだろう

そして、ゴーグル男だってそんな恋愛を夢見たことはある

映画みたいな恋愛なんてないのだ、とは分かっていても


ゴーグル(だ、だったらこの状況はなんなんでしょう)

ゴーグル男は困惑していた

今、彼は公園のベンチに座っている

その隣には、フレンダがいる

そこまではいい

そこまではいいのだが、なぜかフレンダがチョコを自分に向けて差し出してきている



375 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 13:03:25.71 ID:93I/VZVK0
最近のプレゼント用のチョコというのは便利だ

中になんというか、小さなフォークのようなものが付いている

そのフォークを使えば、どこでも食べられるのだが

そのフォークの先にチョコを突き刺して、フレンダがゴーグルにチョコを差し出してきている

一体何があったのだろうか

ゴーグル「あ、あの・・・包装をしなかったのは、このためですか?」

フレンダ「・・・包装なんてしたら、外で破くのめんどくさいから」

ゴーグル「いや・・・そうっすけどね」

フレンダ「・・・食べないの?」

ゴーグル「た、食べますけど・・・」

パク、とゴーグル男がチョコを口に含む

それほど甘いチョコではないのに、なぜかイヤなほど甘ったるく感じてしまう

ゴーグル「・・・あ、あの・・・ありがとうございます」

フレンダ「うん」

自然と、二人の頬が赤くなる

周りにもそういう行動をしているカップルがたくさんいる

芝の上でゴロゴロ転がって笑っているカップルもいるのは少し面白いが


376 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 13:09:45.81 ID:93I/VZVK0
ゴーグル「・・・フレンダさんも食べます?」

フレンダ「うん」

ミニフォークの先にゴーグル男がチョコを刺す

こういうのって本当に便利だな、とゴーグル男が舌を巻く

ゴーグル「はい、どうぞ」

フレンダ「ん」

フレンダがチョコを口に含む

あれ、間接キスではないのか、と周りから見ていたら思うことだろう

だが今の二人は必死なためそこまで気は回らない

ゴーグル「・・・なんか甘いっすよね」

フレンダ「・・・上手いこと言う訳よ」

ゴーグル「?そうっすか?」

フレンダ「・・・はぁ、なんかドキドキしてきた」

ゴーグル「・・・そりゃ、こういうことするんだから緊張もしますよ」

周りのカップルを観察しながら、ゴーグル男が笑う

フレンダ「・・・そうかもね」


377 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 13:26:26.74 ID:93I/VZVK0
ゴーグル「・・・あの、なんで俺だけにわざわざこんなことしてるんすか」

フレンダ「・・・別にいいじゃん」

ゴーグル「いや、いいんですけどね」

ゴーグル男が溜息をつく

周りのカップルの中に紛れてしまえば、二人の行動なんて当たり前とも言える

ゴーグル「・・・フレンダさん、楽しかったっすか?」

フレンダ「うん、今日は最高な訳よ」

ゴーグル「・・・そうっすか」

フレンダ「アンタはどうだった?」

ゴーグル「楽しかったですよ・・・心理定規さんと出かけても、多分こんなには楽しめなかったかもしれないっすね」

フレンダ「そ、そうかな」

フレンダがニコニコと笑う

心理定規より、自分のほうがいいのだと言ってもらったのと同じだ

それは、とても嬉しいことだった

ゴーグル「さて、帰りますか」

フレンダ「うん、そうしよ」


378 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 13:30:53.35 ID:93I/VZVK0
二人が並んで歩き出す

すれ違うカップルに負けないほど、二人は仲良く見える

ゴーグル「・・・バレンタインって、あんまり楽しいもんだとは思ってませんでした」

フレンダ「うん、私も」

ゴーグル「恋人とかいる人だけが楽しめるものだと思ってました」

フレンダ「そうそう、そういうのがいないとホントに嫉妬ばっかする訳よ」

ゴーグル「・・・でも、今日はよかったですよ」

フレンダ「・・・うん、よかったね」

チラチラと雪が降っている

ホワイトバレンタイン、というのは少し珍しい気もする

それが幻想的で、うっとりとしてしまう

ゴーグル「・・・寒いっすね」

フレンダ「うん」


ゴーグル「やっぱり俺って冷え性っすかね」

フレンダ「・・・そうかもね」



379 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 13:40:14.66 ID:93I/VZVK0

垣根「あぁ、食った食った」

豪華な料理を食べた垣根と心理定規は、家へ向かう道を歩いていた

心理「・・・美味しかったわね」

垣根「だろ?」

心理「あなたって、よくあんなに美味しい店を知ってるわね・・・」

垣根「いろいろ情報を仕入れるのも、男前の仕事なんだよ」

心理「・・・そうなのかしら」

垣根「恋人を楽しませるのが、男の役割だとは思わないか?」

心理「そして、恋人を悲しませるのも、ね」

垣根「・・・そんなひどいことはしないって」

心理「・・・どうかしら、昨日だって私を悩ませたじゃない」

垣根「あ、あれは悪かったって」

垣根が罰の悪そうな顔をする

心理「・・・まぁ、いいんだけれどね」


380 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 13:46:49.24 ID:93I/VZVK0
垣根「・・・寒いな」

心理「あ・・・」

垣根が突然、心理定規の手を握る

ストレートな行動は、あまり垣根には似合わない

しかしだからこそ、何か特別な気がしてしまう

垣根「・・・寒いんだろ?」

心理「・・・急にこういうことされると、ドキドキするから・・・」

垣根「ふーん・・・意外と初心なのな」

心理「あなただってそうじゃない」

垣根「・・・顔、真っ赤になってるけど」

心理「寒いからよ」

心理定規が笑う

少し鼻の先が赤くなっているのが、なんとも可愛らしい

垣根「・・・お前ってさ、雪みたいに白い肌だよな」

心理「そうね・・・熱いとすぐに溶けちゃうもの」

垣根「・・・熱い恋のほうがいいじゃねぇか」


381 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 14:00:55.80 ID:93I/VZVK0
心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「おう、なんだよ」

心理「私も・・・あなたの思いは見つけられるのよ」

垣根「どれほどの思いに埋もれても、か」

心理「・・・当たり前じゃない」

心理定規が、垣根の肩に頭を乗せる

彼の肩が揺れるたび、少しだけ心理定規の頭も揺れる

垣根「なぁ、歩き辛いんだけど」

心理「いいでしょ、これくらい甘えても」

垣根「・・・あぁ、そうだな」

垣根が心理定規の体を抱きかかえる

お姫様抱っこというものだ

心理「あら、何?」

垣根「飛びたくないか?久しぶりに」

心理「あら、素敵じゃない」


382 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 14:20:46.55 ID:93I/VZVK0
垣根「んじゃ、行きますか」

翼を広げ、垣根がそれを羽ばたかせる

地面に積もっていた雪も、少しだけ舞い上がる

心理「・・・ホント、久しぶりね」

垣根「・・・そうだな」

視界が、一気に上へとぶれる

気づけば、彼らは空から学園都市を見下ろしていた


垣根「おー・・・やっぱショッピングモールの周りは人が集まってるな」

心理「そうね・・・学園都市にも春が来たのかしら」

垣根「まだ冬なのにな」

心理「・・・垣根」

心理定規が、そっと垣根の唇を奪う

垣根「ん、どした」

心理「・・・愛してるわよ」

垣根「・・・俺もだ」

心理「ねぇ、このまま家まで飛んでいかない?」

垣根「あいよ」


383 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 14:33:07.71 ID:93I/VZVK0

心理「・・・あのね、家に帰ったら・・・冷蔵庫見てみなさいよ」

垣根「あぁ、ていとうこか」

心理「・・・名前なんてつけないでよ」

垣根「それで?それの中がどうしたんだよ」

心理「・・・チョコ、あるから」

垣根「な、なんだよそれ?」

心理「・・・昨日、あなたがふてくされて寝てる間に作ったのよ」

垣根「す、すげぇ・・・さすが心理定規だぜ」

心理「だから、手作りのもあるのよ」

少し顔を赤らめながら、心理定規が呟く

垣根「おー、メルヘンだねぇ」

心理「メルヘンかしら」

垣根「・・・ありがとよ」

ケラケラと垣根が笑う

垣根「・・・いいバレンタインだ」


384 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 14:41:23.49 ID:93I/VZVK0
心理「・・・そういえば、美琴はどうしてるのかしら」

垣根「・・・上条のヤツはバレンタインとか忙しそうだな」

心理「上条君、かなり人気ですものね」

垣根「御坂のヤツはヤキモチばっかだろうな」

心理「そうね・・・あ、そうだ」

垣根「なんだよ?悪そうな顔しやがって」

心理「私も上条君にチョコ、あげるでしょ?」

垣根「そりゃそうだろ・・・それがどうした」

心理「・・・美琴のヤキモチって面白いから」

ニコニコと心理定規が笑う

かなりイタズラな笑みだ


心理「・・・ヤキモチ妬くような手紙もつけようかと思ってね」

垣根「うっわ・・・ひっでぇな」


学園都市の空で、一組のカップルが笑っていた


385 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 15:03:06.01 ID:93I/VZVK0
バレンタイン とあるカップルの場合


上条「・・・不幸だ」

上条当麻は不幸という名の星に生まれたと言ってもいい

道を歩けば転ぶ、車に轢かれる、上から何かが落ちてくる

それが怖くて家にいても、停電になる、魔術師がベランダに降って来る、宿題を見つけてしまう

彼の人生にはほとんど「ラッキー」なんてものはなく、ただ生まれてきたことだけが一番最初のラッキーだったのだろう

しかし、そんな彼も一つの大きな幸せを手にはしている

彼には愛する恋人がいる

そして、彼女もまた上条を愛してくれている

それは、本当に混じりけのない幸せだ

そんな彼にとって、もちろんバレンタインは楽しみなイベントなのだが


今の彼は不幸だった

嫌がらせだろうか、朝起きたら部屋のポストに10個以上のチョコが投入されていたのだ



386 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 15:10:49.88 ID:93I/VZVK0
それを見た美琴は、別にノーリアクションだった

ノーリアクションというのも中々悲しい

不機嫌になられたら、それはそれで面白いのだが

上条「・・・どう思います、これ」

美琴「そうね・・・なんか面白い光景よ」

上条に贈られたチョコを、美琴がしげしげと見つめる

かなり丁寧に包装されているが、一体誰からのものなのだろうか

美琴「・・・なんか、高級なチョコも多いわね」

上条「常盤台の子かな・・・」

美琴「そうかもしれないわね・・・」

上条「ふーん・・・あ、これはショチトルだな」

ショチトルからのチョコレートもそこに入っていた

子供用のチョコを贈ってきた辺り、ジョークも込めているのかもしれない

上条(な、なんなんだこれ・・・)


387 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 15:32:30.52 ID:93I/VZVK0
その他のチョコは、全て高級なものだ

だからこそ、ショチトルのチョコは余計に目立ってしまう

上条「・・・これだけ・・・どうやって処理するんだ・・・」

美琴「これだけで終わるわけないでしょ・・・」

二人が溜め息をつく

捨てる、という選択肢はない

だが誰かに分けるのもおかしいだろう

上条は自覚がないが、彼はかなりモテるほうだ

見た目はそこそこ、と自負しているが中々男前なのだそうで

しかも、彼のように真っ直ぐな人は好かれやすい

そんなこともあって、毎年彼の元にはチョコがたくさん来る


忘れてはいけない、海外からもだ


388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/25(金) 19:46:02.70 ID:C98BKXFFo
海外組もかwwwwww
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(鹿児島県) :2011/11/25(金) 20:28:01.12 ID:+934JXNL0
鹿児島県鹿児島市在住の俺が来ましたよ

>>1応援してるぞ〜
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海) [sage]:2011/11/25(金) 20:40:13.65 ID:HLrF6CJAO
>>389
>>1がSage更新してんのに上げんなよ
391 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/25(金) 22:53:39.32 ID:93I/VZVK0
今日は更新はここまで

筋肉動画はこちら

ロニー引退の年、2007年

もう引退を事前に決意していたのでしょう、ポージングの曲は、彼が初めてオリンピアの座に輝いたときのと同じもの

ファンが涙ぐんでいまして、しかもこの後の引退スピーチがかなり泣ける内容だったらしいです

背中のシンメトリーとかボロボロだし、もう内臓肥大もしすぎでおなか出てるけど・・・でも、やっぱり彼も偉大な選手ですね

今もゲストポーザーでがんばってるロニコーさん

http://www.youtube.com/watch?v=OBtx9hpLucs 


日本人も頑張って欲しいなぁ

ではおやすみなさい

392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道) :2011/11/25(金) 23:28:04.35 ID:aSvZrFUf0
乙ですの!
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/25(金) 23:54:30.15 ID:93tDBgxpo
おちゅなんだよ!
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/26(土) 10:18:41.88 ID:c0zmoG5DO
やっと追い付いた…
>>1おつです。
395 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 10:41:55.50 ID:I9q+czB60
上条「・・・はぁ、これでまだ朝なんだよな・・・」

美琴「・・・チャイムを連打されなかっただけマシなんじゃない?」

上条「常盤台の生徒は常識があって助かるよ・・・」

美琴「・・・そうね」

チョコにはそれぞれ、手紙が添えられていた

ポストに入れたことを詫びる文章もある

わざわざ彼の部屋の前に来てから書き加えたのだろうか

美琴「・・・これに、ショチトル以外のみんなと・・・」

上条「イギリス清教の分が加わるんだよな・・・」

上条がため息をつく

チョコを貰えるのは嬉しいことだ

彼を慕ってくれている人間がそれだけ多いのだから

上条「・・・というか、イギリス清教の人間はどうやって持ってく・・・」

るんだろう、と言う前に部屋のチャイムが鳴った

一回や二回ではない


396 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 10:42:36.58 ID:I9q+czB60
連打の世界記録でも作りたいのか、と思うほどに何度も押されている

どうやら今度の来客はあまり常識というものが無いらしい

美琴「垣根とかかしら?」

上条「そうかもな・・・あいつならこういうことしそうだし」

顔をしかめながら上条が玄関のドアを開ける

上条「はいはい・・・って」

建宮「はっはっはぁ!飛んで呼ばれてじゃじゃじゃ・・・」

上条「さようなら」

上条がドアを閉じる

心には固く鍵も掛ける

頭の中では危険を知らせるサイレンが鳴っていた

建宮「おいおい!開けるのよなぁ!」

ドアをガタガタとされるが、無視

美琴「だ、誰だったの?」

上条「不思議の国の住人だった、気にしないでくれよ」


397 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 10:43:42.70 ID:I9q+czB60
美琴「・・・なんか聞き覚えのある声だったんだけど」

上条「多分空耳だ!ていうか空耳でいいんじゃないのかな!?」

建宮「上条!五和もいるんだから開けてほしいのよな!寒い、寒いからぁ!」

上条「・・・」

もう一度、上条がため息をつく

さすがに五和を締め出しているのは可哀相だろうか

上条「はいはい・・・開けるから離れろよ」

そう宣言してから上条がドアを開ける

五和「こ、こんにちは!」

上条「おっす・・・元気そうだな」

建宮「当たり前なのよな」

上条「・・・お前は相変わらずのハイテンションか」

建宮「イギリス清教のみんなから、チョコのプレゼントだ」

建宮が手に抱えた袋を見せる


398 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 10:44:40.71 ID:I9q+czB60
上条「・・・それ、サンタクロースの袋じゃないのか?」

建宮「・・・サ、サンタさんがバレンタインチョコを届けに来たのよな」

上条「季節外れもいいとこだろ・・・」

建宮「仕方ないのよな!適当に取った袋がまさか季節外れの寒いヒゲ爺のなんて知るわけあるか!」

上条「サンタクロースをそこまで言うか・・・まぁ、上がってくれ」

上条が二人を部屋の中に招き入れる

美琴「あ、えっと・・・」

建宮「建宮なのよな、お嬢ちゃんもいたのか」

上条「そりゃ・・・恋人だし」

五和「そうですね・・・バレンタインですし、いないほうがおかしいかもしれません」

建宮「はぁ・・・羨ましいのよな上条」

上条「お前はそういうのと縁が無いのか?」

建宮「建宮さんには春なんて来ないのよな・・・」

コタツに足を突っ込みながら、建宮が首を振る


399 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 10:45:29.56 ID:I9q+czB60
五和「・・・女教皇様のことが好きなんでしたっけ」

建宮「うわ、中々ストレートに聞いてくるのよな」

上条「・・・そうだったっけ?」

建宮「・・・多分、そういうことになってるのよな」

建宮が短く息を吐く

上条「・・・そっか、ブラックマンの時も・・・お前が天草式を立て直したんだっけ?」

建宮「何言ってるのよな・・・あれは女教皇様が上手くやっただけだ」

上条「・・・そうか?」

建宮「・・・俺は、ただ正しい判断をする手助けをしただけだったのよな」

五和「でも、それを出来たのは建宮さんだけでしたよ」

上条「そうだな・・・お前が立派だったことには変わりないさ」

建宮「そう言われると照れるのよなぁ!」

建宮が無邪気に笑う

美琴「えっと・・・つまり、神裂さんが好きなの?」


400 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 10:46:39.46 ID:I9q+czB60
建宮「うーん・・・それが分からないのよなぁ」

建宮が腕を組み、顔をしかめる

そもそも、何をもって好きと決めるのだろうか

ただ慕っているだけで好き、なのか

それは明らかに違うだろう

ならば彼女を思うだけで胸が締め付けられれば、好きなのか

建宮「・・・好きってどういうもんなのか、迷うのよな・・・」

上条にチョコの入った袋を差し出しながら、建宮が呟く

上条「そうだな・・・相手のことを考えたら眠れなかったり」

建宮「それはないな」

上条「・・・あと、相手の顔を思い浮かべるだけで胸が高鳴ったり」

建宮「・・・いや、ない」

上条「・・・やっぱり、お前は・・・」

上条がちらりと五和を見つめる


401 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 10:47:19.12 ID:I9q+czB60
前にイギリスで会った時にも感じたのだが、建宮はどうも神裂ではなく五和を好いているようなのだ

本人さえ気づかないほど、些細な好意だが

建宮「今はそんなことはどうでもいいのよな!俺達はこれでお暇する!」

美琴「で、でもせっかく来たんだから何か・・・」

五和「・・・とは言いましても、学園都市を案内して下さる方はいませんし・・・」

上条「じゃあ俺達が」

美琴「・・・そうね、せっかくだから私がオススメの場所を教えるわ」

建宮「オススメ?」

美琴「ご飯が美味しかったり・・・景色が綺麗だったり、紅茶が美味しかったり・・・」

上条「美味しいか綺麗、だけなんだな・・・」

美琴「じゃ、じゃあこうしましょう!」

美琴が指を立てる

美琴「私と当麻はもちろんカップルよね!」

上条「あ、あぁ」


402 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 10:48:13.54 ID:I9q+czB60
美琴「でもそうなるとこの二人の立ち位置は!?」

ビシッ、と美琴が二人を指差す

五和「同僚・・・でしょうか」

美琴「なんでそんなつまらない答えを・・・」

建宮「もしかして、ダブルデートとか言うヤツなのよな?」

美琴「当たり!それだったら、なんか自然でしょ!?」

上条「・・・俺とデートしたいのは分かった、案内するだけじゃイチャコラ出来ないからな」

美琴「ち、違うわよ!誰がアンタなんかと・・・」

上条「なんだ違うのか・・・じゃあ一緒に行かなくてもいいな、俺は・・・」

美琴「い・・・一緒に来てくれないの?」

上条(やだ、なにこの子可愛い)

建宮「・・・分かった、それでも構わないのよな」

五和「私と建宮さんがカップル・・・ですか」

五和が若干顔を引き攣らせる



403 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 10:52:02.12 ID:I9q+czB60
建宮は良き同僚ではあるが、異性としての対象ではないようだ

建宮「仕方ないのよな・・・上条と御坂嬢がイチャコラするためなのよな!」

五和「私は目の前でイチャコラされると落ち込むんですけど・・・」

建宮「それを笑うための俺なのよな!」

五和「笑わないで下さい!」

上条「よっしゃ!じゃあ行きますか、ダブルデート!」

美琴「おぉ!」

建宮「行ってやるのよな!」

五和「・・・仕方ありません、おぉ・・・」

四人が拳を天井に突き上げる

五和だけは、どことなく溜め息をついているが


上条(よし、これで建宮と五和の距離を縮められる!)

上条(しかも、美琴とイチャイチャできる!!)


上条(あぁ・・・お得だ)


404 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 11:03:09.32 ID:I9q+czB60

みなさんはご存知だろうか

バレンタインの語源を

簡単に言えば、ローマで兵士の婚姻を王様が禁止したときに、裏でこっそり結婚させていたウァレンティヌスという神父さんの名前から来ている

きゃー、愛のキューピッドよ、と思うだろうがその後そのキューピッドは処刑されたのだ

つまり、彼の功績を忘れないように記念日を作った・・・というらしい

テクパトル「・・・だったらチョコを贈る必要は無いよな・・・花とかでいいのに」

公園のベンチで、テクパトルは溜息をついていた

花ならば、食べる必要が無いため飾ればはい、おしまいだ

嫌いな人もそこまではいないし、味の好みなんて関係ない

しかし、チョコなのだ

彼がミサカ達からもらったのはチョコなのだ

嬉しいけれども、チョコなのだ

19090「テっくん、仕方ないんですよ・・・」

テクパトル「・・・お前からもらえるのは嬉しいけどな」


405 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 11:31:00.66 ID:I9q+czB60
19090「・・・しかし、テっくんはかなりもらってるみたいですね」

19090号が苦笑する

仕事関係やらミサカ達やら、それになぜか佐天もチョコを贈ってきたのだ

世話をした覚えもない相手から届くのは、少し驚いてしまう

テクパトル「・・・いや、嬉しいんだけどな・・・」

19090号のほうを見つめ、テクパトルが肩をすくめる

結局、彼が一番愛しているのは19090号なのだ

彼女からチョコがもらえればそれが一番であり、他のチョコはオマケということにもなってしまう

恋は盲目、とは上手く言ったものだ

テクパトル「・・・お前は俺にくれるのか?」

19090「手作りのが家にありますよ」

ニコニコ笑い、19090号がテクパトルの手を握る

テクパトル「そっか・・・じゃあ、帰ったら食べるかな」

二人が公園にいるのは、デートの最中だからだ

尤も、先ほど始まったばかりのデートだが


406 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 11:43:50.94 ID:I9q+czB60
テクパトル「・・・それにしても、周りもカップルだらけだな」

ぐるりと見回すと、あちらこちらにカップルがいる

19090「バレンタインですからね・・・」

テクパトル「そうだな・・・あ、見ろよ、あっちのカップルなんかずーっと手繋いで歩い・・・」


上条「美琴、そんなにベッタリくっつかれてたら歩けないぞ」

美琴「だって、こうしないと寒いんだもん」

建宮「かーっ!!羨ましいぞお二人さん!!」

五和「・・・」

建宮(五和がめちゃくちゃ怖いのよな)


テクパトル「・・・あれ、上条だよな」

19090「えっと・・・隣にいるのはたしか・・・」

テクパトル「・・・天草式のヤツじゃなかったか?」

テクパトルが上条に手を振る

テクパトル「おーい、上条!!!」


407 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 11:57:32.53 ID:I9q+czB60
上条「ん?・・・ちっ、テクパトル!!」

テクパトル「待て、なんで今舌打ちしたんだよ」

美琴「・・・私達ね、ダブルデートしてるのよ」

19090「ダブルデートですか?」

19090号が残りの二人を見る

19090「お二人はカップルだったんですか?」

五和「あ、いえ・・・」

建宮「あれ?もしかしてこの前の・・・」

テクパトル「あぁ、テクパトルだ・・・なんでアンタたちがここに?」

上条「イギリスからわざわざチョコを届けに来てくれたんだよ・・・じゃあな」

テクパトル「ま、待てって!!久しぶりに会ったのにそっけないよななんか!?」

美琴「悪いな、このダブルデートは4人用なんだ」

テクパトル「誰だアンタ!?」


408 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 12:40:24.40 ID:I9q+czB60
上条「・・・俺たちはな、ダブルデートをしたいんだ!トリプルデートなんて出来るかぁ!!」

建宮「あ、じゃあ俺たちが帰ればいいんじゃないのか?」

上条「そ、それでいいのかよ!?」

建宮「というより、俺はそっちのほうがありがたいのよな」

建宮が携帯電話を見せる

どうやら、神裂からのメールらしい

美琴「・・・?早く帰って来いって・・・」

五和「未だに、いろいろと事後処理が残ってるんですよ」

五和が苦笑する

上条「・・・そっか、忙しいんだな・・・」

建宮「あぁ、みんなのチョコは渡せたし・・・俺達の役割は終わったのよな」

美琴「・・・なんだか、急ね・・・」

五和「これが私達の生活ですから」


409 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 12:53:52.21 ID:I9q+czB60
テクパトル「・・・もったいないぞ、そんな生活は」

背中を向けた二人にテクパトルが語りかける

建宮「もったいない?」

テクパトル「あぁ・・・もったいない、仕事ばかりの人生なんてもったいない!!」

19090(な、なんだかテっくんの目が輝いていますね)

テクパトル「いいか、人生というのは非常に短い、しかも一度しかないものなんだ」

五和「そ、そうですが・・・」

テクパトル「よくよく考えろ、恋を始めるのは・・・そうだな、10代後半としよう、そして結婚して身を固めるのが30代前半としても、その間は15年程度だ」

建宮「あ、あぁ・・・」

テクパトル「15年なんて、人生の5分の1程度だ、一日で5時間も恋しないのと一緒だな」

上条(なんでそこで一日に換算・・・)

テクパトル「いいか、人生の中で恋を楽しめるのはたった5分の1の時間だけなんだ、お前達はその重要な期間を無駄にしようとしている!!」

五和「で、でも私は恋なんて・・・」

テクパトル「恋してないから仕事をする?間違ってるな、まずは恋をすることだ」

上条「・・・そ、そうだって!!仕事ばっかりしてたらストレスも溜まるぞ、二人とも!!」

建宮「・・・そうだな、そうかもしれないのよな」


410 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 13:46:37.24 ID:I9q+czB60
テクパトル「恋とは潤いを与えるもんだ・・・俺はそれを知っている」

五和「で、ですから恋では・・・」

テクパトル「いいか!!互いの心を求めるうちに、自然と人生は色を持つ!!はい、義姉さん!!」

美琴「な、なに?」

テクパトル「義姉さんは上条のどんなところが好きだ!?」

美琴「や、優しくてかっこよくて強くてたくましくて可愛くて甘えん坊で・・・」

テクパトル「見てみろ!!これが愛だ、これが恋だよ若者!!」

建宮「・・・な、なんなのよなこの迫力は・・・」

テクパトル「・・・だから、仕事のことなんて今日くらいは忘れてみろ」

19090「そうですよ、せっかく学園都市に来たんですから・・・」

五和「・・・そうですね、では引き続き・・・」

上条「・・・どうせだし、トリプルデートにしてみるか?」

テクパトル「お、いいな」


411 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 13:53:14.53 ID:I9q+czB60
美琴「そうね・・・じゃあ、どこに行くの?」

上条「・・・今日は休日だからな」

上条が頭をかく

平日ならまだしも、休日のバレンタインとなるとアミューズメントパークはかなり混んでいるだろう

物好きでもない限り、そこまでして行きたいものではない

ショッピングモールに行くにも、あまり買いたいものはない

チョコはすでに用意してあるのだし、わざわざ行くことはないだろう

建宮「・・・そうだな、学園都市ってなんか面白いとことかないのよな?」

上条「うーん・・・何があるかな」

テクパトル「・・・動物園とか・・・か?」

美琴「あ、いいんじゃない?」

五和「でも、今日は混んでるんじゃ・・・」

19090「遊園地と違って順番待ちがないですから・・・自由に動ける分、まだマシみたいですよ」

上条「じゃあそうしてみるか」


412 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 15:35:42.05 ID:I9q+czB60

上条「・・・不幸だ」

上条は肩を落としていた

動物園が閉園していたわけではない

大体、バレンタインなんていう稼ぎ時に閉じているわけはないのだ

ではなぜ彼は肩を落としているか

彼は不幸な男だ

空を見上げれば鳥が糞を落としてくるし、あくびをしたら口の中にハエが突撃してきたりする

そんな不幸の中の一つに見舞われただけなのだ

簡単に言えば、動物園に入ってすぐ、みんなとはぐれたのだ

携帯で連絡を取ろうと思ったら、電池が切れていた

周りには人混みがあり、そのため移動もままならない

この人混みの中で、他の5人は上条を探しているのだろう

それがまた、情けないのだ


413 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 20:26:36.25 ID:I9q+czB60
上条「・・・どうしろって言うんだ・・・」

周りの客達は、少し遠くに見えるキリンを見てはしゃいでいる

上条もそちらを見て気を紛らわそうとするが、どうも前にいる客の頭が邪魔で見ることが出来ない

上条「はぁ・・・不幸だ」

もう一度、そんな口癖を吐いてしまう

がくりと肩を落としたとき、誰かが彼の手を掴んだ

その感触だけで、それが誰かを把握する

いつも、そうやって手を繋ぐ相手なのだから

美琴「・・・やっと見つけた、急にいなくなるんだから・・・」

上条「美琴ぉ・・・よかった、携帯も電池切れてて使えなかったんだよ!!」

上条が泣きそうな顔になる

ほっとしたのと同時に、美琴と二人きりになれたことに喜びを感じる

美琴「そ、そうだったんだ・・・てっきり電源でも切ってるのかと思ったわよ」

上条「こんな状況でそれはないだろ・・・」



414 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 20:35:11.53 ID:I9q+czB60
美琴「・・・でも、二人きりになれたから・・・よかったのかも」

美琴が上条の手を強く握ってくる

それだけで、はぐれる心配が無くなってしまう

上条(あぁ・・・この手を放したくないですよ、上条さんは!!)

美琴「な、何よニコニコして・・・」

上条「いやぁ・・・美琴と二人きりだと幸せだなぁ・・・と」

美琴「テ、テクパトル達は上手くやってるかしらね!?」

上条「あ、誤魔化した」

美琴「ご、誤魔化してなんか・・・」

上条「美琴、愛してますよ」

美琴「!!」カァッ

上条(赤くなった・・・可愛いな)

美琴「こ、ここここここんなところでどういうつもりよ!?」

上条「いやいや・・・どこでも、美琴を愛していますよ?」

美琴「ふにゃぁっ!?」


415 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 20:40:35.58 ID:I9q+czB60
上条「お、ちょっと進んだな」

上条が美琴の手を引いたまま、前へと進む

美琴「ど、どどどどどどどど」

上条「いい加減落ち着けよ・・・付き合ってるんだから、今更だろ?」

美琴「!!そ、そうよね!!」

上条「ヘンなやつ・・・あ、キリンだぞ美琴」

上条がキリンを指差す

優雅に首を伸ばして木の葉を食べている

美琴「・・・よくあんな長い首を支えられるわよね・・・」

上条「あぁ・・・骨が丈夫なのかな」

美琴「・・・どうなんだろ、なんだか不思議よね・・・」

上条「そうだな・・・それにしても、面白い模様だな・・・」

美琴「バナナみたい・・・」

ほっとしたためか、自然と気が抜けてしまう

ポワーンとした二人は、キリンをしばらく見つめていた


416 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 20:56:50.05 ID:I9q+czB60

テクパトル「・・・ここはのどかだな・・・」

19090「そうですね・・・」

若干年の差が広いカップルは、休憩用のベンチに座っていた

少し離れた場所にはライオンの檻がある

そこに人が集中しているため、二人のいる場所は空いている

テクパトル「・・・いいのか美月・・・ライオン見なくて」

19090「いえ・・・あの中に飛び込む元気はありません」

テクパトル「・・・すごい数のカップルだな・・・」

はぁ、とテクパトルが溜め息をつく

せっかく仕事の休みが取れたのに、これではあまり意味がない

テクパトル「・・・他のみんなはどうしてるんだ?」

19090「えっと・・・17600号がみんなの世話を見ているみたいです」

テクパトル「あいつにはあとで何か買ってやらないとな・・・」

19090「・・・」

テクパトル「ん?もちろんお前にも買うけどさ」

19090「//」

テクパトル(表情が豊かだよな・・・いいことだ)


417 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 21:14:16.56 ID:I9q+czB60
19090「・・・と、ところで・・・お姉様とお義兄様は・・・」

テクパトル「ほら、合流できたみたいだぞ」

テクパトルの携帯に、短いメールが入っていた

美琴からのメールだ

上条と無事に合流できたが、まだ身動きは取れないので各自デートを楽しんでくれ、と

テクパトル「はは・・・身動きが取れないのにメールは打てるんだな」

19090「きっと、二人きりの時間が欲しいんですよ」

テクパトル「そうだな・・・最近はいろいろあったから」

19090「・・・そうですね・・・」

笑いながら、空を見上げる

チラチラと雪が降っているが、それほど寒いという感じはしない

二人の周りは空いているとは言っても、すぐ近くには人混みがある

人混みというのはかなり暑いものだ

雪が降っているにも関わらず、少し汗さえかいてしまう


418 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 21:23:49.89 ID:I9q+czB60
テクパトル「・・・さて、俺達はどうする?天草式の二人でも探してみるか?」

19090「ふ、二人きりでいいじゃないですか!!」

19090号がテクパトルの手を強く握る

テクパトル「はは・・・冗談だって、悪い悪い」

19090「う・・・意地悪さんです・・・」

テクパトル「ついな・・・からかいたくなるときがあるんだよ」

19090「・・・じゃあ、ちゃんと二人きりでデートをしてくれるんですね?」

テクパトル「バレンタインだからな・・・」

19090「な、ならよかったです!!」

テクパトル「・・・でも、動物は中々見られないだろうな」

檻の前にはたくさんのカップルがいる

動物園で一番多い動物は?と聞かれた場合、ここでは人間が正解になるだろう

テクパトル「・・・はぁ、せっかく来たのに・・・残念だよな」


419 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 21:40:26.90 ID:I9q+czB60
19090「いいんですよ・・・テっくんと二人ですから」

テクパトル「そう言ってもらえると嬉しいよ・・・」

溜め息をつきながら、どこか人気のない檻はないかと探す

19090「あ、あっちの檻はあまり人気がありませんね」

テクパトル「・・・なんの檻なんだろうな」

19090「行ってみましょうか」

19090号がベンチから立ち上がる

テクパトルもその後に着いて行く

テクパトル「・・・ん?あれは・・・」

19090「み、見てください!クロヒョウですよテっくん!!」

テクパトル「か、カッコイイな・・・なんでこの檻には人気がないんだ?」

19090「この周りにはトラとかライオンがいますから・・・そっちにお客さんは回っているんじゃないですか?」

テクパトル「・・・そうだな、クロヒョウは少し地味だから・・・」


420 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 21:50:04.38 ID:I9q+czB60
19090「ですが、とても綺麗な毛並みですね・・・」

クロヒョウは、突然の来客にも驚くことなく、静かに横たわっていた

ライオンやトラの鳴き声が聞こえるが、そんなことも気にしていない

テクパトル「・・・優雅だな・・・」

19090「カッコイイですね・・・」

テクパトル「凛としてるな・・・」

二人が感心したようにクロヒョウを見つめる

興奮している二人を笑うかのように、クロヒョウはゆっくりと顔を上げた

テクパトル「あ、こっち見た・・・」

19090「目が可愛いです!!飼いたいですね・・・」

テクパトル「あ、あれは飼えないだろ・・・」

そんな話をしながら、しばらくクロヒョウを見つめる

気がつけば、二人の周りにも何組かのカップルが集まってきていた

どうやらクロヒョウの存在にも気づいたらしい

しかし、クロヒョウは興味なさそうに寝ている


テクパトル(・・・カッコイイな、クロヒョウ・・・)



421 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/26(土) 21:52:08.49 ID:I9q+czB60
今日はここまで

クロヒョウってカッコイイよね、ってことを伝えたかった

筋肉動画はこちら

やっと見つけた、オリバのトレーニング!

背中も腕も胸も脚も、とにかくでかい

ホント恵まれてますよね・・・43歳で、すでにこのときは衰えているほうなのですが

それでこのでかさ

すっげぇ・・・

http://www.youtube.com/watch?v=CoZd-R7_UA8  

ではおやすみなさい


422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/26(土) 23:12:54.01 ID:jWJ7Ix5j0
やっと追い付いた所でまた1スレ目から読み返して
来ます。
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/11/27(日) 00:47:30.57 ID:yJLzoPO8o
黒豹さん、マジクール
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/27(日) 10:14:50.52 ID:FSh9SGvDO
>>1乙です
425 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:34:48.27 ID:nDS2SjPD0
建宮「・・・なぁ」

五和「・・・はい」

建宮「これを、迷子と言うのよな」

五和「世間一般ではそう言うのかもしれません・・・」

天草式の二人は冷や汗をかいていた

気温が低いからだろうか

いや、そうではないだろう

他の四人の姿は見えない

はぐれてしまった

建宮「・・・右も左も知らない人なのよな!どうすりゃいいんだ五和!?」

五和「私に聞かないで下さいよ!」

建宮「そうだ!上条の携帯に・・・」

五和「電話なら掛けました・・・でも、どうやら電源を切っているみたいで・・・」

建宮「・・・いや、あいつのことだから電池切れだと思うのよな」

五和「・・・それじゃ、連絡なんて取れないじゃないですか」


426 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:35:30.79 ID:nDS2SjPD0
建宮「その通りなのよな」

五和「・・・一体どうすればいいんですか」

建宮「・・・泣きたいのよな」

建宮がため息をつく

知り合いがいなくなっただけで、ここまで不安になるものなのだ

五和「・・・はぁ・・・不幸とはこういうことを言うんでしょうね」

建宮「・・・でもまぁ・・・カップル同士で合流してるかもしれないのよな」

建宮が苦笑する

そうなると、それぞれのカップルが二人きりの時間を手に入れていることになるのだ

わざわざそれを邪魔するつもりなどない

五和「はぁ・・・羨ましいですよ、自分の大好きな人と二人きりなんて・・・」

建宮「俺だって羨ましいのよな・・・」

五和「・・・建宮さんと二人きりでも、あんまり意味がないですよね」

建宮「ひっでぇ!そこはもう少し、ときめいたりしてほしいのよな!」

五和「・・・そんなこと言って、建宮さんだって私と二人きりでも別に緊張なんかしてないでしょ」


427 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:35:58.13 ID:nDS2SjPD0
建宮「・・・それはそうだけど、でも言い方ってのがあるのよな!」

五和「・・・はぁ、御坂さんが羨ましいです・・・」

建宮「・・・なぁ、やっぱりまだ上条が好きなのか?」

五和「当たり前です!私達を救ってくれたヒーローなんですよ!?」

建宮「そうだな・・・あいつは強いからな」

五和「オルソラさんの事件の時も、アックアの時も・・・それに、それ以外でも!第三次世界大戦を止めたのも彼です!」

建宮「・・・そうだった、あいつがいつも事件の中心にいたな」

建宮が思わず苦笑してしまう

それほど波瀾万丈な人生を送っているにしては、上条は綺麗すぎる

普通なら汚れた世界に絶望するか、自らもその汚れに染まってしまう

しかし彼はそんなことにはならず、自分の信じた正義を貫き続けている

建宮「あいつはヒーローだ・・・それも、空を飛ぶような超人的なヒーローなんかじゃない・・・」

五和「・・・右手以外には特別な力なんてないのに・・・それでも、みんなを守ってくれたヒーローなんです」

建宮「手を伸ばせば届きそうな場所にいるヒーローだ・・・だから、俺だって少しは憧れたさ」

五和「・・・でも、結局彼に届いたのは御坂さんだけだったんです」


428 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:37:02.74 ID:nDS2SjPD0
建宮「・・・そうだな」

空の青さが少しだけ目に痛い

晴々とした空とは裏腹に、二人の心は靄が掛かっていた

建宮「・・・ベンチ、座るのよな」

五和「・・・そうですね」

近くにあったベンチに腰掛ける

まるでカップルに見える二人は、実際ただの同僚だ

男女の関係などではなく、ただの同僚なのだ

建宮「・・・あいつには本当、憧れたのよな」

五和「・・・今だって、私は憧れています」

建宮「・・・諦められないか、上条を」

五和「・・・彼に御坂さんが必要なのは分かっています、でも・・・私には彼が必要なんです」

建宮「全く・・・上条も罪なヤツなのよな」

五和「・・・女教皇様も、多分そうなんですよ」

建宮「他にもたくさん・・・オルソラ嬢やアニェーゼ部隊もだ」


429 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:37:33.97 ID:nDS2SjPD0
五和「・・・それほどたくさんの人を助けた彼は・・・たくさんの人に慕われています」

建宮「・・・あぁ、そうだ」

建宮が眉をひそめる

彼にとって上条とは、よき目標であった

オルソラの件で彼に救われた時、彼の真っ直ぐな瞳に憧れた

自分が守ることの出来なかった神裂を、彼は守ってみせた

力を言い訳になどせず、例え力が足りなくても立ち向かう

建宮には真似出来ないことだった

力が無ければ誰かを守れない

力が無ければ誰かを抱きしめられない

そんな固定観念に縛られていた建宮には、真似出来なかった

上条が常に事件の真ん中にいた

解決出来たのは、彼だけの力ではなかったのかもしれない

周りの協力があったからこそ、上条当麻というヒーローは世界を救えたのだ

だがそれがなんなのだろうか



430 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:38:11.85 ID:nDS2SjPD0
結局、周りの協力を仰いだのは上条だ

周りを纏めたのも、その協力を活かして世界を救ったのも上条だ

上条当麻は足りない力を恥じることなく、他人に補ってもらった

そしてその力を正しい方法で用い、正しい結果を生み出す

誰にでも出来そうで、実は誰にも出来ないこと

そんな困難を一人で行ってしまったのが上条当麻なのだ

もしも彼に特別な力があれば

それこそ、全てのベクトルを操ったり、存在しない物質を生み出したりするような絶対的な力があれば

彼は力があるから、そんな素晴らしいことができるのだと諦められただろう

だが上条はそんな者ではない

努力をすれば、上条の真似くらいなら出来そうなのだった

彼の二の舞でもいい、彼のような人間になれるかもしれない

そんな淡い期待を、一時期建宮は抱いていた

だからこそ、ブラックマンの事件の時には神裂を救おうとした

だが、それで彼は知ってしまった


431 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:39:13.97 ID:nDS2SjPD0
たった一人の人間を救うことの難しさを

神裂を助けただけで、建宮はボロボロになっていた

傷つき、立ち上がることなんて出来なかった

上条当麻はそんな苦しみを何度味わっただろう

建宮にはとても堪えられない

一人の人間が背負って立てるような重みではない

建宮「・・・上条はずるいヤツだ」

五和「?何がですか?」

建宮「・・・あいつみたいな人間はたくさんいる・・・そうだ、少し特別な力はあるが・・・あいつはただの男なんだ」

五和「・・・」

建宮「よく考えろ、俺やお前のほうがよっぽど強い・・・強いはずなのよな」

五和「・・・でも、私達は彼の足元にも及びません」

建宮「だからずるいんだ・・・俺達みたいな、なんでもない人間に期待させてしまう」

五和「・・・彼が普通の少年であるから、私は憧れました」

建宮「それもずるいのよな」

五和「・・・」


432 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:39:59.06 ID:nDS2SjPD0
建宮「一体、何人の女を泣かせたんだろうな、上条は」

五和「でも、たった一人・・・ただ一人の笑顔を守っていますよ」

建宮「その一人の笑顔のために、他を泣かせることを選ぶ・・・か」

羨ましいのだ

そうやって、難しい決断を正しく行える上条が

建宮「あいつはなんであんなに強いんだろうな」

五和「きっと・・・強い心を持っているからです」

建宮「・・・そうだな、あんなヤツを簡単に諦められるわけないよな」

五和「・・・今も・・・今も、彼を見ると胸がドキドキしてしまいます」

建宮「叶わない思いだと知っていても、か」

五和「当たり前です」

建宮「だったら大事にするべきだ・・・そんな思い、一生に何度もは味わえないからな」

ケラケラと建宮が笑う

建宮「・・・羨ましいな、上条が」

五和「私は・・・上条さんに辿り着いた御坂さんが羨ましいですよ」


433 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:40:53.76 ID:nDS2SjPD0
建宮「あの二人はお似合いだ、似た者同士なのよな」

五和「・・・そうですね、見ていて微笑ましいです」

建宮「・・・さーて!湿っぽい話はここまでにして、何か動物でも見てみるのよな!」

五和「何を見るんですか?」

建宮「白熊とか!」

五和「じゃあこっちですね・・・」

動物園の地図を確認しながら、五和が建宮を導く



上条「はっくしょい!」

美琴「だ、大丈夫?」

上条「うぅ・・・誰かが俺の噂話をしてる!」

キリンのゾーンから離れた二人は、プレーリードッグのゾーンに来ていた

まだ顔を覗かせてはいないが、しばらくすればその可愛らしい顔が拝めるだろう

といっても若干マイナーな動物なので、周りにはあまり人がいない

美琴「いい場所ね・・・私達だけなんじゃない?」

上条「あ、ホントだな・・・ここならなんでも出来ますよ」


434 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:41:41.78 ID:nDS2SjPD0
美琴「!?エッチ!」

上条「違いますよ何言ってんだアンタ!?」

美琴「だ、だってそんな雰囲気だったもん!目とか!」

上条「明らかに違うだろ!?」

美琴「じゃ、じゃあ何のつもりだったのよ!?」

上条「キスとか・・・かな」

美琴「う・・・こんなところで恥ずかしいじゃない」

美琴が顔を逸らす

綺麗なうなじが自然と上条の視界に入る

上条「・・・美琴」

美琴「な、何よ」

くるりと振り向いた美琴の唇を、半ば強引に上条が奪う

鼻先が冷たくなっているが、互いが触れたことによって少しずつ暖かさを取り戻していく

息苦しくなるのを我慢して、しばらく二人はそんな時間を楽しんでいた

上条「・・・ごちそうさま」


435 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:42:21.92 ID:nDS2SjPD0
美琴「い、いきなり・・・」

上条「いやだったか?」

美琴「いやなんじゃなくて・・・ビックリしちゃうじゃない」

美琴が頭を、上条の胸に押し付ける

サラサラとした髪が彼の顎をくすぐる

ほのかな髪の香に心臓が跳ねる

いつものシャンプーとは違うのだろう、初めての香だ

そんな新鮮さが緊張を煽る

思えばこうやって二人きりのデートは久しぶりだ

上条「・・・美琴」

上条が美琴の体を強く抱きしめる

分厚いコートが、クシャリと音を立てる

距離が近づいたことで、互いの鼓動が聞こえてくる

周りに誰かいないかを確認しながら、その場で出来る最大の愛情表現を行う

美琴「ん・・・」


436 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:43:15.06 ID:nDS2SjPD0
互いの体を抱きしめ合いながら、まるで貪るように唇を求める

官能的にならないように、と頭は命じている

それに逆らうように体が動くのは何故だろうか

上条「・・・美琴、可愛いな」

美琴「当麻・・・」

体が自然と火照ってくる

このままでは、本当に見境なくなってしまいそうだ

上条「ほ、ほら!そろそろプレーリードッグが・・・」

美琴「そ、そうね!」

意識を逸らすために、プレーリードッグのほうを見つめてみる

だが高鳴っている二人の鼓動以外、何の音も聞こえない

プレーリードッグも二人に気を遣っているのだろうか

上条「・・・あ、あの」

美琴「・・・何?」

上条「・・・このまま動物園にいたい?」

美琴「ど、どういう意味よ」


437 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:43:50.01 ID:nDS2SjPD0
上条「・・・恥ずかしながら上条さんは・・・さっきのキスで段々と出来上がってきていまして」

美琴「!?ホ、ホテルに行くつもり!?」

上条「だってさ!あれはまずいだろ!?」

美琴「い・・・いいけど、テクパトル達には?」

上条「美琴から・・・そうだな、友達に呼び出されたってメールすれば!」

美琴「わ、分かった」

美琴が携帯を取り出す

普段の彼女なら可愛い動物を見続けたいと言っていただろう

だが生憎、彼女も先程の官能的なキスのせいで出来上がっていた

美琴「あ、返信きた」

上条「早いな・・・」

美琴がテクパトルからのメールを見て、顔を真っ赤にする

美琴「な・・・」

上条「ん?どした」

美琴「・・・避妊はちゃんとしろって」


438 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:44:22.15 ID:nDS2SjPD0
上条「あ、あの野郎!」

美琴「・・・なんでばれたんだろ?」

上条「知るか・・・まぁ、伝えたんだからさっさと行きましょうか」

美琴「そ、そんなに急かさないでよ・・・」

上条「悪い悪い・・・でもこのままだとホテルに辿り着く前に上条さんは・・・」

美琴「分かったから!急ぎましょう!」

二人が大急ぎで動物園の出口に向かう

だが不幸だったのだろう、やはりそちらにも人混みが出来ていた

上条「あぁもう!美琴、急げ!」

美琴「ちょっと待って・・・にゃあ!」

上条「うわぁ!こっちも混んでる!」

美琴「ど、どうしよう・・・」

上条「あぁもう・・・不幸だぁ!」



439 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 15:45:12.82 ID:nDS2SjPD0


テクパトル「・・・はぁ、あいつらはお盛んだよな」

テクパトルは呆れたようにため息をついていた

原因は、美琴からのメールだ

隣では19090号が首を捻っている

テクパトル「動物園から出て、ホテルに行くんだってさ」

19090「ひ、昼間からですか!?」

テクパトル「・・・どうせそうなるとは思ってたけどな」

19090「・・・すごいですね・・・」

テクパトル「俺達はどうする?」

クロヒョウの檻から離れた二人は、またベンチに座っていた

どこの檻も人気が出ていて、もう見ることは出来なそうだ

自由に動けるから空いているだろう、なんて甘い考えは通じなかった

19090「・・・仕方ありません、帰りますか?」

テクパトル「あぁ」


440 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 18:15:19.43 ID:nDS2SjPD0
二人も動物園の出口へと向かう

ここまで来たのも時間の無駄だったかもしれない

テクパトル「ごめんな・・・ホント、時間がもったいなかったよ」

19090「いえ、テっくんと一緒でしたから」

テクパトル「・・・ありがとな」

19090号の言葉に、自然と顔が綻ぶ

こんな幸せを手にしてよかったのか、と疑問に思うときもあった

テクパトル(だったらなんだ・・・資格が必要なら、そんな資格なんて手に入れてやる)

テクパトル(俺が幸せになっちゃいけないなんていうなら、そんな理屈なんて壊してやる)

テクパトル(俺は手に入れたんだ、だったらそれに溺れて何が悪い)

19090「あ・・・かなり混んでますね」

テクパトル「ホントだな・・・こりゃ、上条達もまだ出られてないんじゃないか?」

19090「そうかもしれませんね・・・」

テクパトル「俺達は急ぎじゃないから、ゆっくりしようか」


441 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 18:15:47.08 ID:nDS2SjPD0
19090「これからどうしますか?真っ直ぐ・・・」

テクパトル「真っ直ぐ帰ったらミサカ達の世話だからな・・・どっか買い物にでも寄らないか?」

19090「いいですね!」

テクパトル「ちょうどバレンタインだから、お前に何かあげたいし」

19090「?バレンタインは女性が男性にチョコを贈る日ですよ?」

テクパトル「それは日本だけだ・・・そもそも外国にはホワイトデーなんてないぞ」

19090「ほぇぇ・・・そうだったんですか」

テクパトル「あぁ、だから俺もお前にプレゼント、贈るよ」

19090「あ、ありがとうございます!」

テクパトル「じゃ、行くか」

テクパトルが前を見つめる

少しだけ、人混みは動き始めていた


建宮「・・・混み過ぎてて動物どころじゃないのよなぁ!」

人混みの中で、建宮は頭を抱えていた


442 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 18:16:14.76 ID:nDS2SjPD0
周りの人も、笑うというより同意している

まさかここまで混み合っているなんて誰も思わなかったのだろう

五和「・・・どうしますか、これじゃ動物なんて見られませんよ・・・」

建宮「かと言って戻ることも出来ないのよな・・・」

二人の後ろには後続の列が出来ている

そのため、前には進めないし戻ることも出来ないという状況に陥っている

五和「・・・粘りますか?」

建宮「粘っても何の成果もなさそうなのよな・・・」

ため息をついてから、ふと建宮が思いつく

その案を、こっそりと五和に伝える

建宮「地脈を使って転移して、外に出ないか?」

五和「で、でも周りから怪しまれませんか・・・?」

建宮「ここは学園都市だ・・・というより、あれ見てみるのよな」

建宮が指差した先では、空中に人が浮かんでいた


443 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 18:16:41.18 ID:nDS2SjPD0
人混みで立っているのを億劫に感じた能力者が空中で優雅に横になっている

だが周りはなんとも思っていないようだ

建宮「どうせ俺達も何か能力を使ったと思われるのよな」

五和「それはそれで複雑ですけどね・・・」

建宮「さて・・・じゃ、やるのよな」

建宮が周りの地脈を読む

人の動きがあるため、少し術式を組み立てるのに時間は掛かるが問題なく行使出来る

五和「・・・それじゃ、行きますか」

建宮「マジック!なのよな!」

ひゅん、と二人の姿が消える

周りの客は一瞬だけ驚いたような顔をしたが、後はそれほど話題にさえならない

空間転移を使って、金を払わずに動物園に入る輩も多いと聞く

おそらくあの二人もその類と思われているに違いない



444 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 18:17:07.78 ID:nDS2SjPD0

美琴「んっ・・・はぁ・・・」

ホテルのベッドの上で、美琴は上条の体に抱き着いていた

流れる汗で少しばかり体がべたついている

だがそんなことを気にせず、二人は互いの体を密着させていた

上条「・・・疲れた・・・少し休憩・・・」

横から抱きしめる美琴の頭を撫で、上条が笑う

美琴「・・・当麻、どうだった?」

上条「よかったですよ・・・でもまだまだ出来るかも」

美琴のおでこにキスをした上条が呟く

美琴「・・・バレンタインだから、好きなだけしていいわよ」

上条「うぉ・・・なんだかエッチな台詞です」

美琴の柔らかな胸を優しく弄りながら、上条が答える

こういうことをするのも、少し久しぶりになる

最後にやったのはもう二週間近く前だろうか

顔を合わせれば毎回と言っていいほどの頻度だったが、最近は少し疲れが溜まっていたのだ


445 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 18:17:41.48 ID:nDS2SjPD0
ブラックマンの事件の後は体験入学と続いたため、二人だけの時間があまり取れなかった

美琴「んっ・・・ね、ねぇ」

上条「ん?なんですか」

美琴「ぎゅって抱きしめて」

上条「いいけど・・・なんで?」

震える美琴の体を抱きしめた上条が尋ねる

美琴「こうやってると・・・二人なんだって実感が湧くから」

上条「あぁ・・・でもさっきも抱きしめてただろ?」

美琴「あ、あれはまだ・・・その・・・」

上条「分かってますよ・・・美琴さんは甘えん坊だよな」

美琴「・・・時々デレたっていいじゃない」

上条「毎日デレデレでも構いませんよ」

美琴「う・・・そう言われるとそうしたくなるから・・・」

上条「俺はいつでも歓迎するけどな」


446 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 18:18:09.23 ID:nDS2SjPD0
美琴「・・・今日は甘えていいかな?」

上条「どうぞどうぞ」

美琴が上条の唇にキスをする

こんな状況にも関わらず、優しくて初心なキスだった

美琴「・・・幸せ」

上条「俺だって幸せだ」

美琴「・・・こういう時間がずっと続くといいな・・・」

外は、少しだけ雪が降っているようだ

そんなことを感じないのは、二人が互いの体を温め合っているからだろう

上条「・・・そうはいかないんだろうけどな」

美琴「でも・・・もうしばらくは続くわよね」

上条「美琴のことはいつまでも愛し続けますよ?ただ、ちょっと忙しい時もあるから・・・」

美琴「べ、別に毎日エッチがしたいわけじゃないわよ!」

上条「またまた・・・いつもは美琴から誘ってくるじゃないか」

美琴「!今日は当麻からだったじゃない!」



447 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 18:19:07.88 ID:nDS2SjPD0
上条「今日だけはな・・・」

美琴「・・・当麻とこうやってると・・・愛されてるなぁって思うから」

上条の顔をじっと見つめながら、美琴が笑う

体がビクリと一瞬震えたのは、上条が胸を弄り続けていたからだろうか

上条「・・・どうする?時間がそろそろないけど」

美琴「一応落ち着いたでしょ・・・続きがしたいなら寮に帰ってからでもいいじゃない」

上条「そうだな・・・じゃあ帰りますか」

荷物の確認をして、服を着てから部屋のドアを開ける

周りの部屋もほとんどが埋まっているようだ

中からは声が聞こえないが、恐らくどの部屋でも同じようなことが行われているのだろう

上条(・・・バレンタインだからな)

うんうん、と上条が頷いた

学園都市はリア充が多い、という結論にが出た瞬間である


448 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 18:20:08.10 ID:nDS2SjPD0
テクパトル「・・・やっと出られた」

19090「・・・ドラマ一本撮れるくらいの脱出劇でしたね」

テクパトル「あぁ・・・藤岡弘、に主演してほしいよ」

動物園の出口辺りに二人は突っ立っていた

荒れた息を整えるため、膝に手を当てて肩を上下させている

テクパトル「はぁ・・・こういうときに空間転移出来たら・・・」


建宮「っと・・・おぉ!出口ピッタリなのよな!」

五和「この辺りにちょうど地脈が重なっていましたから・・・あ」

テクパトル「あ」

建宮「お、いたいた・・・そちらさんも逃げてきたのよな?」

テクパトル「ずりぃぞ!お前達だけ転移魔術使いやがって!」

建宮「これでも天草式は便利なのよな!空間転移から治癒までなんでもござれ!」

テクパトル「・・・いいよな、そういうのは・・・」

テクパトルが羨ましそうに二人を見つめる

アステカの神話は、威力こそ大きな魔術が多いがそういう日常で便利な逸話はほとんど残っていない

というよりも、アステカ神話自体がそういった類のものではないのだ


449 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 19:50:39.39 ID:nDS2SjPD0
五和「そうですね・・・たしかに、日常でも使える魔術は天草式に多いですから」

19090「よ、よく分からないですが・・・具体的にはどのようなものがあるのですか?」

動物園から帰りながら、四人はそんな話をする

建宮「空間転移と治癒・・・もちろん、水や火を生み出したり、相手を拘束したり・・・」

テクパトル「万能型の魔術と言ったところだな・・・十字教の術式や日本神道、仏教・・・そういうものが混在して成り立っているのが天草式だな」

五和「つまり、様々な場面で様々な方法を使えるんですよ」

19090「・・・なるほど、臨機応変に対応できる、と・・・」

19090号が興味津々に話を聞く

彼女は、というよりも妹達は新しい知識を得るのが好きらしい

20000号は卑猥な方向、17600号はワイルドな方向の知識を、というふうに個体差はあるが

テクパトル「・・・その点、アステカの魔術はそうはいかないんだ、主要となる術式には黒曜石の槍が必要になるし・・・それに、威力が大きすぎるために照準を定めるのにも時間が掛かる」

19090「・・・なるほど、一発逆転型ですか」

450 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 20:14:11.50 ID:nDS2SjPD0
テクパトル「そうだな、ただし術式に必要なものは・・・威力が高ければ高いほど、不気味なものになる」

テクパトルが黒曜石の槍を取り出す

建宮「?それは別に不気味ではないのよな」

テクパトル「こいつが、何を意味しているか知っているか?」

五和「えっと・・・黒曜石は、アステカで古代に・・・」

五和がそこまで言って、少し顔をしかめる

たしか、古代アステカではその黒曜石を使って、人の心臓を取り出していたのだ

それは、太陽の神に対する生贄だった

五和「・・・た、たしかに不気味ですね・・・」

テクパトル「・・・そうだな、お前達の魔術のほうが・・・っと」

テクパトルが携帯を取り出す

いいタイミングで、美琴からのメールが届いた

テクパトル「・・・上条たちは二人で寮に帰るみたいだな」

建宮「それはよかったのよな・・・俺達はどうする?」

五和「・・・女教皇様は、早く帰って来いと言ってたんですよね」

建宮「・・・じゃあ、俺達はここで分かれるのよな」

建宮がふと立ち止まる


451 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 20:33:14.48 ID:nDS2SjPD0
テクパトル「なんだ、もう帰るのか?」

建宮が見つめているのは、バスの時刻表だ

もうすぐ空港行きのバスが到着するようだ

19090「・・・それじゃ、また」

五和「はい、今日はありがとうございました」

五和がペコリと頭を下げる

テクパトル「・・・楽しかったよ、俺は」

建宮「いやぁ・・・俺はただ適当にふらついてただけだったのよな!!」

19090「・・・でも、ごめんなさい・・・動物園もあまり楽しめなかったですね」

五和「い、いいんですよ!!上条さんにも会えましたし・・・」

テクパトル「・・・」

テクパトルが顔をしかめる

19090号は普通の表情だ

おそらく、五和の言葉に含まれている意味を理解していないのだろう

テクパトル「・・・名前は、建宮だったか?」

建宮「ん?あぁ、そうなのよな」

テクパトル「悪いな、ちょっと飲み物がほしくて・・・19090号と買いに行ってくれないか?すぐそこにコンビニがあるし」



452 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 20:49:00.36 ID:nDS2SjPD0
19090「?だったらミサカだけでも・・・」

建宮「いやいや!!五和はコーヒーでいいのよな!?」

五和「は、はい・・・」

建宮「女の子の一人歩きは危ないのよな!!」

19090「そ、そうですか・・・テっくんはコーヒーでいいですか?」

テクパトル「・・・ついでにビールも二、三本買ってきてくれ」

19090「はい!」

19090号と建宮が、すぐ近くのコンビニへ向かう

テクパトル「・・・さて、五和・・・だったかな」

五和「は、はい・・・なんですか?」

若干、五和が怯えたような目になる

よくよく考えれば、筋肉質な男がわざわざ二人きりになるように仕組んだのだ、不気味に思うだろう

だからこそ、変な疑いを持たれる前に話を切り出す

テクパトル「・・・アンタ、上条のことが好きなんだな」

五和「あぁ・・・それは、そうですよ」


453 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 20:56:28.76 ID:nDS2SjPD0
テクパトル「しかも、まだあいつを求めていると見える」

五和「それがあなたに関係あるのですか?」

五和が語気を荒げる

自然と、表情も険しくなってしまう

テクパトル「なに・・・俺も人に言えるほど経験はないが、いつまでも求めていてもしょうがないぞ」

五和「・・・そんなこと、分かってますよ」

テクパトル「ならなんでアンタはまだ求めてるんだ」

五和「・・・上条さんを、尊敬しているからです」

テクパトル「辛いもんだな・・・届かないものをずっと求めるなんて」

馬鹿にするのではなく、同情するようにテクパトルが笑う

五和「・・・いいじゃないですか、ずっと彼を尊敬しても」

テクパトル「アンタは幸せになりたくないのか」

五和「幸せですよ、彼の幸せを見ていられるだけでも」

テクパトル「そりゃあ言い訳だな」

五和「・・・」


454 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 21:00:37.27 ID:nDS2SjPD0
テクパトル「・・・アンタは幸せを手にするのが怖いんだ・・・正確には、上条以外の男と幸せになるのが」

五和「そんなことはありません」

テクパトル「いや、そうだ・・・そんな未来を思い描けないんだろ」

五和「・・・」

テクパトル「アンタ、音楽はよく聞くのか」

五和「聞きますよ・・・でも、それほどよくは聞きません」

テクパトル「・・・何事にも、始まりってものはある・・・たとえば、アンタが日本の・・・それも、最近のロックを好きになったとしよう」

五和「何が言いたいんですか」

テクパトル「そうだな、その時はそのアーティストを本当に尊敬し、崇拝し、愛している」

五和「・・・」

テクパトル「ある日、ふとアンタは他のロックも聴いてみたくなった、それもアメリカのゴテゴテのロックをだ」

五和「だから何が・・・」

テクパトル「アンタは衝撃を受ける、それはとてもかっこよく、最初にアンタが惚れたロックの何倍もカッコイイからだ」

五和「・・・」

テクパトル「・・・アンタは、最初の日本のロックのアーティストを次第にくだらないとさえ思うようになった」


455 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 21:32:12.92 ID:nDS2SjPD0
テクパトルが空を見上げる

日が傾き始めている

テクパトル「恋もそんなもんだ、最初はいいと思っていた相手も、他の相手と接するうちにそうでもなくなる」

五和「・・・もっと他の男性と接してみろ、と?」

テクパトル「そういうわけではないけどな・・・もったいないぞ、そんな人生は」

五和「・・・でも、私は上条さん以上に素敵な男性を知りません」

テクパトル「そうか・・・なら仕方ないかもな」

五和「・・・どうすればいいんでしょうか」

テクパトル「思い続けるか・・・それとも、他の男に変わるかのどっちかしかないさ」

テクパトルが肩をすくめる

彼に言えるのはそれだけだった

別に、恋愛相談が得意なわけでもない

テクパトル「・・・上条にチョコは渡せたのか?」

五和「い、一応は・・・」

テクパトル「・・・そうか」


456 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 21:41:16.85 ID:nDS2SjPD0
五和「・・・あの、私は結局、上条さんというブランドに惚れているのでしょうか?」

テクパトル「さぁな・・・それでもいいんじゃないか」

五和「・・・あの」

テクパトル「ん?なんだ」

五和「これ、どうぞ」

五和がバッグから何かを取り出す

それはどうも、チョコのようだった

テクパトル「・・・も、持ち歩いてるのか・・・」

五和「・・・安心してください、溶けないように魔術で常に冷やしてました」

テクパトル「怖いから・・・っていうか、もしかして上条にやったチョコにもそんな細工を?」

五和「あ、当たり前じゃないですか!!」

テクパトル(細かいヤツなんだな・・・)

テクパトルがチョコを受け取る

たしかに、ずっと持ち歩いていたにも関わらずヒンヤリとしている


457 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 21:49:04.59 ID:nDS2SjPD0
テクパトル「・・・ま、ありがたくもらっておくよ」

テクパトルが苦笑する

五和「・・・あ、帰って来ましたね・・・」

テクパトル「・・・あぁ」


19090「テっくん!!お酒も買ってきましたよ!!」

テクパトル「あぁ、ありがとうな」

建宮「五和、コーヒーなのよな」

五和「ありがとうございます」

五和がコーヒーを受け取る

その暖かさが、とても嬉しい

建宮「・・・そろそろバスが来るな」

テクパトル「あぁ」

もう、道の先にはバスが見えていた

19090「それじゃ・・・また機会がありましたら」

五和「はい、今日はありがとうございました」


458 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 21:52:21.99 ID:nDS2SjPD0

建宮「さて・・・それじゃ、乗るのよな」

1分ほどでバスは四人の前に到着した

五和が先に乗り、建宮が後から乗る形になった

テクパトル「・・・建宮」

建宮「ん?なんなのよな」

建宮がくるりと振り返る

急がなければならないため、テクパトルが手短に伝える

テクパトル「・・・五和は、多分しばらくは上条を思い続ける」

建宮「あぁ、分かってるのよな」

テクパトル「・・・だが、もしも誰かの温もりを必要とするときがくれば・・・」

建宮「言われなくても分かってるって」

手を振ってから、建宮がバスに乗り込んだ

ブザーが鳴り、ドアが閉じる

声は聞こえないが、口の動きだけで建宮の言っていたことは分かった


テクパトル(・・・俺に任せろ・・・か、羨ましいほど強いんだな)

459 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 21:55:21.67 ID:nDS2SjPD0

五和「・・・建宮さん、私って未練がましいんですかね」

建宮「むしろすっぱり諦めたほうがイヤなヤツなのよな」

五和「・・・」

バスの外の、流れていく景色を見つめる

そこに、何かを忘れてきたような気がしてならない

五和「・・・そっか」

建宮「ん?どうした」

五和「私は・・・今を生きてなかったのかもしれませんね」

建宮「・・・それでもいい、ゆっくり進んでいけばいつかは光が見えるのよな」

小さく建宮が笑う

五和「・・・それまで、私は何度か転ぶと思います」

建宮「支えてやるから、安心するのよな」

五和「ありがとうございます」

五和が嬉しそうに笑う


建宮(・・・全く、これだから教皇代理は大変なのよな・・・)

建宮(・・・でも、悪くはないのよな)


460 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/27(日) 21:58:16.76 ID:nDS2SjPD0
今日はここまで

バレンタインって意外と何もなしに終わることが多いですよね

筋肉動画はこちら

1999年のメルビンさん

この状態でオリンピア出ればかなりよかったんじゃないの?ってくらいの完成度

ですが、この時点ではオリンピア出場に必要な資格を持っていない若手だったんですよね・・・残念

http://www.youtube.com/watch?v=K5dA4EoDvUA   

胸が若干弱いことを除けば、本当に完璧と言っていいプロポーションですよね

ショーンと並ぶとさえ思っています

バランスいいなぁ・・・ポージングも上手いですし

ロニーとかジェイよりも、こういうバランス型の選手のほうが憧れます

ではおやすみなさい


461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/27(日) 22:39:38.57 ID:FSh9SGvDO
乙でした
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/27(日) 23:09:23.78 ID:nv3bgSeUo
乙なんだよ!
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/27(日) 23:22:28.13 ID:tf4EVREio
オツである
464 :小豆にかわりまして名無しがお送りします [sage]:2011/11/28(月) 00:26:35.20 ID:1/HM/g570
乙にゃーん\(^o^)/
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 00:55:43.70 ID:DnQ/DFAL0
や…やっと追いついた
466 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:17:14.09 ID:o8uUhiPD0
上条「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

上条は荒い息遣いのまま、美琴の体を抱きしめていた

寮のベッドの上で、二人は生まれたままの姿で抱き合っている

美琴「にゃっ・・・疲れた・・・」

上条「・・・美琴が激しく動くからだ・・・」

美琴「違うわよ・・・」

寮に帰ってきてすぐ、ホテルでの続きをしたのだ

本当に呆れてしまうほどの絶倫だ

それをしなければ死んでしまうのだろうか

上条「・・・今日は満足だ」

美琴「私も・・・ちょっともうキツイ」

上条「さてさて・・・」

ベッドから体を起こした上条がテーブルの上を見る

そこには山積みのチョコがあった

行為の最中は忘れていたが、かなりの数のチョコがまた届いたのだ


467 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:17:41.41 ID:o8uUhiPD0
ポストに無造作に突っ込まれていたため、いくつかは包装がくしゃくしゃになっている

上条「・・・いたずらとか混ざってないよな」

美琴「どうかしら・・・毒とか入ってたりして」

上条「いやだなおい・・・」

ため息をつきながら、上条が一つのチョコを手に取る

それだけは安心して食べることが出来るだろう

贈り主は心理定規だった

かなり高級そうなチョコに、なぜかハートマークのシールが貼られている

美琴「・・・なんでハートマークなのよ」

上条「ジョークなんじゃないか?」

上条が包装を破り、中身を取り出す

と、手紙が入っていることに気がついた

上条「なんだろ?」

便箋には入っていない

直接、チョコと一緒に包まれていたようだ


468 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:18:16.18 ID:o8uUhiPD0
美琴「・・・ねぇ、手紙の表に書かれているのは何かしら」

上条「愛しいあなたに愛を込めて・・・はぁ!?」

かなり焦りながら、手紙を開く

そこには信じられないようなことが書かれていた

「また今度、熱い夜を過ごそう」

とか

「あなたのことを思っているなんて垣根に知られたらどうしましょう」

なんていう、ありもしないジョークだった

上条「・・・心理さんもひどいいたずら・・・」

美琴「・・・どういうことよ、当麻」

上条「はい?」

上条が声のした方向を振り向く

そこにいたのは夜叉だった

ゴゴゴ、という擬音がよく似合う夜叉だった

というか鬼だった

美琴「アンタ・・・心理定規と浮気してたわけ、へぇ」


469 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:18:51.20 ID:o8uUhiPD0
上条「ち、違うって!心理さんがジョークで・・・ほら!手紙の最後にも、面白いジョークでしょ?って書いてありますよ!」

手紙の最後の一行を必死に指差しながら説得する

これが原因で喧嘩なんかになったら大変だ

バレンタインにそんなことにはなりたくない

美琴「知らないわよ・・・馬鹿」

布団を頭から被り、美琴が黙りこくってしまう

上条「あぁもう!心理さんに電話するから待ってろよな!」

上条が心理定規に電話を掛ける

コール音にイライラしながら待っていると、通話が始まった

心理『もしもし・・・何?今垣根と二人で素晴らしい時間を過ごしてたのよ』

上条「え、えぇ?」

電話の向こうの心理定規はかなり不機嫌だった

心理『あなたね、普通に考えなさいよ、恋人がバレンタインに一緒にいるのよ?何するか分からないの?というより、あなたも美琴としてるでしょ?ねぇ』

上条「す、すいません・・・じゃなくて!なんだよあのチョコの手紙!」

心理『あぁ、ジョークよ』


470 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:19:37.31 ID:o8uUhiPD0
上条「俺はいいんだよ!美琴がなんか変な風に勘繰っちゃったんだけど!」

心理『いいじゃない、私の楽しい時間を邪魔した罰よ』

上条「アンタがあんな手紙書かなきゃ電話なんてしなくて済んだんですけど!」

心理『・・・分かったわ、美琴と代わりなさいよ』

イライラしたような声で心理定規が催促する

上条「あの・・・美琴さん」

美琴「・・・何よ、浮気者」

上条「心理さん・・・お前と話がしたいって」

美琴「・・・」

布団から手だけを突き出した美琴が携帯を受け取る

どうやら布団の中にいるまま会話するつもりのようだ

美琴「・・・もしもし」

心理『美琴?よかった、あなた勘違いしすぎよ』

美琴「・・・浮気、してない?」

心理『あのね、大体私がなんで上条君みたいなポンコツを好きにならなきゃならないの?』


471 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:20:18.00 ID:o8uUhiPD0
美琴「・・・ポンコツ?」

心理『空気は読めない、金はない、顔も普通だし何より私の好みじゃない、暑苦しくてむさ苦しい』

美琴「何よ!アンタ当麻のことを悪く言うつもり!?」

上条「はぃぃ!?」

勢いよく布団を飛ばし、美琴がベッドの上にあぐらをかく

全裸なのでそれはかなり際どいポーズなのだが、美琴は気にしていない

心理『あら、事実じゃないの』

美琴「当麻はかっこよくて優しくて一途で私だけを好きでいてくれてるわよ!」

心理『あなた、浮気を疑ったじゃない』

美琴「そ、それは・・・」

心理『はぁ・・・とにかくね、上条君なんか興味ないから』

心理定規が笑う

表情は見えないが、恐らく馬鹿にしたように笑っているのだろう

美琴「何よ・・・垣根のほうがポンコツじゃない!」

心理『あら、それは聞き捨てならないわね』


472 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:20:57.01 ID:o8uUhiPD0
美琴「女たらしでキザなヤツだし!」

心理『上条君もでしょ』

美琴「所構わず騒ぐし、不真面目でいつも馬鹿みたい!」

心理『あら、明るいのはいいことじゃない』

美琴「当麻のほうがずーっと素敵よ!」

心理『はぁ・・・そうね、あなたにとってはそうでしょう』

美琴「ば、馬鹿にしてるわね!?」

心理『・・・とりあえず、安心しなさい・・・上条君は誤解を解くためだけに、わざわざ電話までしてきたのよ?』

美琴「う・・・」

心理『あなたのことをそれだけ大切にしてるのよ、本当に必死だったじゃない』

美琴「うん・・・分かってる」

心理『私も悪ふざけが過ぎたわ・・・ごめんなさい』

美琴「い、いいわよ」

心理『それじゃ・・・あ、そうそう』

何かを思い出したように心理定規が切り出す


473 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:21:33.26 ID:o8uUhiPD0
心理『あなた、上条君と何してるの?』

美琴「!?な、何って・・・」

心理『お楽しみ?』

美琴「何言ってるのよ!」

心理『へぇ・・・あなた、もしかして今服を着てないの?』

美琴「!」

心理『それで友達と話をするなんて・・・なんて変態なのかしら』

美琴「アンタだって垣根としてるんでしょ!」

心理『失礼ね、私達は今ティータイムよ、ねぇ垣根?』

垣根『何のことだか分からないんだけど』

心理『ほら、息遣いは荒くないでしょ?』

美琴「・・・そんなもの、整えればいいじゃない」

心理『・・・それで?あなたはどうなのよ』

美琴「う・・・」

心理『いいわね・・・全裸で私と話してる美琴、可愛いじゃない』


474 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:22:04.39 ID:o8uUhiPD0
クスクスと笑い声が聞こえる

なぜか美琴は寒気を覚えた

黒子の行為で、そういうことにある程度の耐性はついている

だが心理定規のそれは冗談に聞こえない

どこか官能的で焦ってしまう

美琴「馬鹿!アンタ、垣根がいるでしょ!」

心理『冗談よ、それじゃ』

プツリと通話が切れる

額に汗をかきながら、美琴が上条に携帯を差し出す

上条「そ、その・・・」

美琴「あぁもう!」

美琴が髪を掻きむしる

綺麗な髪の毛がサラサラと揺れるのが、なぜか美しく見える

美琴「当麻!やっぱり当麻は私だけの物よね!?」

上条「そうだけど・・・なんだよいきなり」


475 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:23:51.91 ID:o8uUhiPD0
美琴「・・・心理定規のヤツ、今度会ったら電撃浴びせようかしら」

上条「で、電撃って・・・」

美琴「・・・当麻、当麻はカッコイイわよ」

上条「は、はい?」

美琴「そ、そうよ!!当麻が浮気なんてしないわよ、しかも心理定規なんかと・・・うん、そうよね!!」

上条「お、おう・・・」

上条が頷く

なぜか、急に美琴は上機嫌になっていた

上条(何があったんだ・・・)

上条が冷や汗をかく

テーブルの上には、イギリス清教のメンバーからのチョコも積み重なっている

だがそれを食べるのは、美琴の怒りが収まってからのほうがいいだろう

上条は小さく、本当に小さく呟いた


上条「・・・不幸だ」


476 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:24:40.91 ID:o8uUhiPD0
バレンタイン とある恋人の治安維持編


黒子「・・・風紀委員は忙しいですの」

風紀委員支部

見慣れた建物ではあるが、壁はかなり新しい

少し前の爆破事件によって崩れた支部は、つい先日建て直されたばかりだ

内装は完全に再現されているため、勝手は変わらない

黒子「・・・忙しいですの」

初春「どうしたんですか・・・さっきからずっと」

黒子「・・・初春、今日が何の日か知っていますの?」

初春「バレンタインですよね?削板さんはたしか他の風紀委員の皆さんからチョコを・・・」

黒子「・・・わたくしはまだ、チョコを渡せていませんの」

目の前の書類に、ついため息をついてしまう

ただでさえ忙しい上に支部爆破事件の後処理もある

もちろん、まだ全ての機材を運び終えてもいない

支部の再建、書類整理、更には彼等の本来の仕事である治安維持活動も行わなければならない


477 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:25:17.39 ID:o8uUhiPD0
初春「・・・削板さん、結構人気みたいですよ?」

黒子「分かっていますの・・・ですが、忙しくて手が放せませんの」

書類に次々と目を通していく

全ての書類に目を通す必要はあるが、何かを書き込む必要はあまりない

初春「・・・大変ですね、白井さんも」

黒子「・・・はぁ、初春は誰かに渡したりはしないんですの?」

初春「削板さんにはもう渡しましたよ」

黒子「!?い、いつですの!?気づきませんでしたの・・・」

初春「さっき会ったときに・・・でも、その時にはもう両手一杯にチョコを抱えてましたよ」

パソコンのキーボードを叩きながら、初春が答える

カタカタという規則正しい音が部屋に響いている

黒子「・・・軍覇さんは人気なんですのね」

初春「・・・みたいですね」

黒子「はぁ・・・わたくしも早く二人に渡さないといけませんの」


478 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:25:49.60 ID:o8uUhiPD0
初春「?削板さんと誰ですか?」

黒子「お姉さまですの」

初春「あぁ・・・なるほど」

黒子「・・・はぁ、わたくしはいつ渡せば・・・」

削板「おーっす!」

黒子「!ぐ、軍覇さん!」

削板が勢いよく部屋に入ってくる

初春の言う通り、削板は両手一杯にチョコを抱えていた

黒子「す、すごいですわね・・・」

削板「あぁ・・・なかなか大変だったぞ」

チョコをテーブルの上に置いてから、削板が黒子に近づく

黒子「ど、どうしましたの?」

削板「ん・・・いや、お前は俺にくれないのかなと思ってさ」

黒子「よ、用意はしていますが・・・渡すタイミングが、今ではないような気がしていますの・・・」


479 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:26:29.69 ID:o8uUhiPD0
削板「よかった!ちゃんと用意はしててくれたんだな」

ニコニコと削板が笑う

てっきり黒子がくれないものだと思っていたようだ

初春「今すぐ渡したらどうですか?しばらく忙しいですよ・・・」

ぐっと伸びをしてから初春が二人を見つめる

黒子「・・・では、仕事が終わった後でいいでしょうか」

削板「あぁ!お前のタイミングでいいぞ!」

黒子「ありがとうございます」

黒子が笑ってから、また書類に目を通す

嫌になってしまうほどの量だが、終わった後の楽しみがあるだけで大分心意気は変わるものだ

黒子「・・・初春、そちらはどうですの?」

初春「ボチボチですよ・・・ただ、やっぱり細かいセキュリティは一から作り直しですね」

黒子「そうですか・・・」

削板「なんだか大変だな・・・」

初春「全くですよ・・・おかげで休日なのに出勤しなきゃいけない羽目になりましたし」


480 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:26:55.45 ID:o8uUhiPD0
削板「そっか、今日は休日なのか!」

初春「あの・・・学校に通ってたら分かりますよね?」

削板「いや・・・俺ってあんまり学校行かないからさ」

罰が悪そうに、削板が頭をかく

黒子「たしか・・・人助けをされてる代わりに学校にあまり行けないんですのよね」

削板「俺一人が不真面目扱いされるだけで誰かの人生が変わるなら儲けもんだろ!」

力強く削板が笑う

黒子「ですが・・・たまにはちゃんと行かれたほうがいいと思いますの」

初春「そうですよ、じゃないと大学にも行けませんよ?」

削板「いやぁ・・・全くその通りだな」

黒子「・・・はぁ、今日は休日でしかもバレンタインですから・・・」

初春「ハイテンションになった学生が悪ふざけをしそうですよね」

削板「悪ふざけか・・・喧嘩とかか?」

黒子「そうですの、わざわざ周りまで巻き込んで・・・」

初春「たしか別の支部には、二人拘束してるはずですよ」


481 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 15:28:44.80 ID:o8uUhiPD0
黒子「あら、今日の事件ですの?」

初春「ショッピングモールで派手に喧嘩を始めたみたいで・・・」

削板「情けない・・・有り余った力をなんで有意義に使えないんだろうな!」

黒子「・・・そうですわね」

初春「でも削板さんも有り余った力を変に使ってますよね」

削板「変とは失礼な!世のため人のために使ってるぞ!」

黒子「そうですの、ですからこんなにたくさんのチョコが貰えるんですのよ」

初春「・・・削板さんのお世話になった人はたくさんいそうですね」

削板「それが趣味だからな!」

黒子「素晴らしい趣味ですの・・・ですが、そういうことをしているといつか恨みを買ってしまいますわよ?」

削板「人助けとはそんなものだ!!ときとして悪に憎まれる!!」

初春「・・・削板さんなら悪なんて簡単に倒せそうですけどね」

削板「ははは!!そうだな!!」

コーヒーカップを手に持ちながら、削板が豪快に笑う

風紀委員の支部には似つかわしくない、風紀のカケラもない大きな笑い声だ


482 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 17:11:34.90 ID:o8uUhiPD0
初春「・・・はぁ、バレンタインだからって私達に休みはないんですよね・・・」

黒子「佐天はどうですの?」

初春「・・・佐天さんはたしか、いろんな人にチョコ渡してるみたいですね・・・」

黒子「はぁ・・・やっぱりそうですの」

削板「へぇ・・・やっぱり普通の学生ははしゃいでるんだな」

黒子「羨ましいですの・・・わたくし達なんてずーっと仕事ですの」

初春「そうですよね・・・肩が凝りますよ」

削板「・・・事務とか大変だよな」

削板がパソコンを覗き込む

なにやら分からない文字の羅列だ

初春はそれを、なんなく捌いていく

削板「・・・これ、なんなんだ?」

初春「セキュリティ構築ですよ・・・面倒な作業ですけど、やっと終わりそうです!」


483 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 17:57:04.48 ID:o8uUhiPD0
削板「へぇ・・・めんどくさそうだな」

英文字だけではなく、数字やよく分からない記号の羅列

こんなものと向き合うバレンタインなんて、初春もきっと御免だろう

削板「・・・ウイーハルさんは彼氏とかいないのか?」

初春「初春です・・・いたらこんなところにいませんよ」

初春が溜め息をつく

彼女は恋愛とか、恋とか彼氏とかロマンティックとかは遠い位置にいる

いや、メルヘンな頭の持ち主ではあるが

黒子「・・・もう3時ですのね・・・」

時計を確認した黒子が肩を落とす

このままでは、恐らく仕事が終わる頃には日が沈んでいるだろう

削板「・・・残念だな、せっかくのバレンタインなのに」

黒子「・・・お姉さまにはいつでも渡せますけど・・・他のみなさんは少し都合を合わせないといけませんわね」


484 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 18:04:39.98 ID:o8uUhiPD0
削板「・・・初春さんは渡したい人には渡せたか?」

初春「そうですね・・・佐天さんにはもう渡してましたし・・・あとは垣根さんだけですね」

黒子「あら、垣根さんに渡しますの?」

初春「なんだかよく分からないんですけど、チョコをくれってメールが」

黒子「ちょ、ちょっと待ってくださいな!!」

黒子が手で初春を制する

何かおかしい、何かがおかしい

黒子「あなた・・・垣根さんとメールしてますの?」

初春「たまにですよ・・・なんか、無理矢理御坂さんからアドレスを聞いたみたいで」

初春が黒子に携帯を見せる

垣根からのメールは、かなり素っ気無いようだった

初春「・・・なんか、急に来たから怖かったですよ」

黒子「そうでしょうね・・・っと、こんなことをしている場合ではありませんの」

黒子がまた書類に目を通す


485 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 20:02:34.08 ID:o8uUhiPD0
削板「・・・俺は何か出来ることとかあるかな?」

黒子「そうですわね・・・」

初春「じゃあ、あっちの荷物をこっちに・・・」

削板「おう!!」

初春の指示通りに削板が荷物を運ぶ

書類や電子機器、嗜好品など様々なものが段ボールに詰められている

削板「こんなに物があったんだな・・・」

黒子「わたくしも驚きましたの・・・先代の方々の資料も残っていたようですし」

初春「面白かったですよ、昔の風紀委員の記録!」

黒子「・・・初春」

初春「ちょ、ちょっと休憩中に読んだだけです・・・」

黒子「あなた、さっきからずっとパソコンをいじっていましたが・・・まさかそれを読んでたんですの?」

初春「ちゃ、ちゃんとセキュリティのほうもやってますよ!!」

黒子「・・・ま、構いませんけど・・・仕事はちゃんとやってくださいな」


486 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 20:09:45.04 ID:o8uUhiPD0
カタカタというキーボードを叩く音

書類を捲る音

時折、コーヒーを口に含んで飲む音

それだけが部屋の中に響いている

黒子「・・・初春、そっちはどうですの?」

初春「ほとんど終了ですよ・・・あとは、パスワードを設定するだけです」

黒子「では適当に決めていてくださいな」

削板「黒子のほうはどうなんだ?」

黒子「わたくしもある程度は終わりましたの・・・細かい手続きなどは明日で構いませんもの」

削板「そうか・・・じゃあ、三人でどっか飯でも行くか?」

初春「あ、私はちょっと用事があるので・・・」

黒子「あら、そうですの?」

初春「お二人だけで楽しんできてください!!」

黒子「・・・初春、わざわざ気を遣うなんてあなたらしくありませんわね」

初春「な、なんでですか!?」



487 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 20:35:53.45 ID:o8uUhiPD0
黒子「・・・ですが、今はありがたく受け取っておきますの」

黒子が書類をテーブルの上にぽん、と置く

削板「・・・じゃあ、ウイーハルさん・・・あとはよろしくな!!」

初春「あ、あの・・・私が残りをやるんですか?」

黒子「あら、だって用事ってそれですのよね?」

初春「よ、用事なんてなか・・・」

削板「じゃあよろしくな、ウイーハルさん!!」

黒子「頑張りますのよ、初春!」

初春「えぇぇぇぇぇ!?」

二人が勢い良く、支部から逃げていく

残された初春は信じられないといった表情でパソコンを見つめる

そして、最後の最後に決めようと考えていたパスワードを設定する


初春「・・・FUCK YOU・・・っと」


488 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 20:57:36.29 ID:o8uUhiPD0

黒子「・・・さて、せっかく初春が気を利かせてくれたのですから・・・」

削板「俺達が楽しまないとな!!」

黒子「そうですわね・・・」

夜の街というのは、普通なら少し艶やかでエロティックな香りがするものだろう

ネオンや店内から漏れる光を頼りに歩くカップル

自然と近づく肩と肩

夜が更ければ、二人の体も自然と近づく

というのが、普通の恋人であると思われる

だがこの二人にはそんな常識は通用しない

手を繋ぎ、ただ道を歩いているだけでも「デート」と言えるのだ

ホテルに行ったり豪華な食事をしたり、仰々しいプレゼントを買ったりする必要は無い

削板「・・・にしても、学園都市は夜も明るいよな・・・」

黒子「そうですわね・・・さすが科学の総本山ですの」


489 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 21:14:40.25 ID:o8uUhiPD0
削板「・・・はぁ、月明かりとかを楽しみたいカップルには向かないよな」

アーケードの天井から覗く、小さな星を見ながら削板が呟く

森の中なら、光る天井ともいえる美しい夜空が見えるはずだ

だがイルミネーションや街頭、店内の明かりや車のランプなどのちらつく街中では、どうも星空が綺麗に見えることはない

削板「もったいないよな・・・たしか、望遠鏡なんかの技術も学園都市が世界で一番進んでるんだろ?」

黒子「そうですわね・・・こんなに綺麗な夜空を、わたくし達一般人は楽しめませんのね」

削板「明るくなりすぎた地上・・・か」

削板が周りを見渡す

カップル達は何不自由なく笑っている

それはとても素晴らしいことだが、時々寂しく思うこともある

削板「・・・よし!!黒子、どっか景色の綺麗な所に行ってみないか!?」

黒子「け、景色の綺麗な所ですの?」


490 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 21:24:02.88 ID:o8uUhiPD0
削板「あぁ、こんな街中にいても星空が見えなくてもったいないだろ!!」

削板が空を指差す

たしかに、昼間からずっと天気がよかったため、星は綺麗に見えているようだ

黒子「・・・では、どこか行きましょうか」

黒子がそっと削板の手を握り締める

とても冷えているはずなのに、削板の手はとても暖かい

それがなぜか、黒子には嬉しかった

削板「よーし!!じゃあ、景色の綺麗な所にテレポートだ!!」

黒子「はいですの!!」

二人の姿が宙に消える

真っ白な雪が空から舞い降りて来ている

静かと言うには賑やか過ぎるが、騒がしいと言うには幸せすぎる

そんな夜の中、黒子と削板はある鉄橋の上にたどり着いた


491 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/28(月) 21:38:00.92 ID:o8uUhiPD0
早いけど今日はここまで

例の鉄橋、>>1がとあるの風景の中で一番好きなんですよ

いいですよね、あそこ

では筋肉動画

ウェストの細い、逆三角といえばまぁ「オリバ」が一般的な意見でしょうか

ウェストは74cmほどなのに、チェストは144cm近くのオリバは、1970年前半の選手とは思えない筋量でしたから

ですが、>>1がもう一人お気に入りの選手がいます

彼の異名は「スズメバチ」

細いウェスト、広がる広背筋、そしてバランスの取れた体

ブライアン・ブキャナン

http://www.youtube.com/watch?v=klS35HJLMbM 

10秒で止めてみてください、なんじゃこのウェストの細さ

脚が細いのが弱点ですが、この上半身は美しい

最近のビルダーではこういう選手はいませんからね・・・何か残念でもあります

それではおやすみなさい



オリバがやっぱりナンバーワンだけどね


 
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 21:39:05.19 ID:DnQ/DFAL0
>>1乙です
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 22:01:15.81 ID:w4WIvr+bo
乙なんだよ!
494 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:17:48.62 ID:L9ichaMV0
削板「いやぁ!やっぱり町外れだと光が無くて空が綺麗に見えるな!」

鉄橋の上で、削板は寝転がっていた

砂利が後頭部に当たっているが、気にしない

黒子「軍覇さん・・・汚れますわよ?」

削板「気にしない!こうやってると空が綺麗に見えるんだ・・・」

黒子「は、はぁ」

周りに人がいなくてよかっただろう

もしも誰かに見られていたら、かなり恥ずかしい光景である

黒子「・・・軍覇さん、わたくし・・・」

削板「・・・チョコだろ?」

黒子「!は、はいですの!」

黒子が削板にチョコを渡す

手作りなのだろう

包装も、プロがやったものに比べると若干だが劣っている


495 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:18:15.78 ID:L9ichaMV0
削板「・・・わざわざ作ってくれたのか、これ」

黒子「・・・あまり上手いとは言えませんが・・・ですが」

黒子が拳を握る

少しだけ緊張してしまう

黒子「・・・わたくしは、やはり軍覇さんに贈るなら手作りにしたかったんですの」

削板「御坂のは?」

黒子「お、お姉さまのも手作りですの・・・」

削板「あはは!お前らしいな!」

チョコを手に握ったまま、削板が笑う

黒子「・・・申し訳ありませんの、本当は軍覇さんを一番にしなければなりませんのに」

削板「・・・一番、か」

体をゆっくりと起こした削板が黒子を手招く

黒子「?なんでしょうか・・・」

削板「・・・ほら、これで座れるだろ?」

地面にハンカチを置き、削板が微笑む


496 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:18:42.88 ID:L9ichaMV0
黒子「あ・・・ありがとうございます」

体育座りをしながら、黒子が空を見上げる

雪の白と、月の黄色

そして暗闇の黒は、まるで絵画のように見えた

黒子「綺麗ですわね・・・」

削板「あぁ、ロマンチックだよな」

黒子「・・・あの、軍覇さん」

削板「さっき言ったよな、俺を一番にしなきゃならないって」

黒子「!そ、それは・・・」

削板「無理に一番に思わなくていいんだよ・・・俺は、お前が幸せならそれでいいんだ」

削板が空を見つめたまま呟く

黒子の顔を見つめることは出来ない

今の彼は、少し情けない表情をしているから

削板「・・・お前が笑っていられるなら、俺はそれでいいんだよ」


497 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:19:13.45 ID:L9ichaMV0
黒子「・・・そんな軍覇さんを、一番に思わなければなりませんのに・・・」

削板「御坂のことも同じくらい好きなんだよな?」

黒子「・・・はい」

削板「いいじゃないか・・・好きな人なんて、普通は一人しか出来ないもんだ」

黒子「ですから・・・!」

削板「同時に二人を愛するってのは・・・恋を二回するのと同じ経験になる、素晴らしい経験じゃないか」

黒子「・・・それは、世間一般では浮気と言われますの」

削板「浮気ってのは、結局は二人のうちどっちかのほうが好きなんじゃないか」

黒子「・・・」

削板「お前は違う・・・俺と御坂を、本当に同じだけ愛してるんだ」

同じだけ愛しているから浮気ではない

そんなのは、言い訳だった

黒子「・・・浮気には変わりませんの、お姉さまにも迷惑を掛けてしまいますし・・・」

削板「・・・そうか」


498 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:19:55.88 ID:L9ichaMV0
黒子「何より、軍覇さんに申し訳ありませんの・・・こんなにもわたくしのことを思って下さいますのに」

削板「・・・じゃあ、御坂より俺を愛してくれ、と言ったら・・・そうできるか?」

黒子「・・・難しいですわね」

削板「そうだろうな」

削板は知っていた

黒子がどれだけ、あの御坂美琴に憧れているかを

強く優しく、まっすぐな彼女を好きでいるかを

ヤキモチよりも、羨ましかった

そうやって純粋に愛されている美琴が

性別の壁を越えて愛されている美琴が

削板「・・・お前は、愛情を天秤に掛けたことはあるか?」

黒子「愛情を・・・ですの?」

削板「他人に対する愛情を・・・感情を、天秤に掛けたことが」

黒子「・・・ありますの」

膝を抱き抱えながら、黒子が小さく頷く


499 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:20:29.92 ID:L9ichaMV0
黒子「・・・友達、同僚・・・様々な他人を天秤に掛けることはあります」

削板「そうだろうな・・・人間はそういう生き方をしなきゃならない」

黒子「・・・ですが、軍覇さんとお姉さまを天秤には掛けられませんの」

削板「意味がないから・・・だろ?」

黒子「・・・お二人に対する思いは、本当に同じくらいの大きさですから」

削板「・・・辛くはないか?御坂を思い続けても、報われることはない」

黒子「・・・上条さんが幸せにして下さっていますから」

削板「・・・そっか」

小さなため息が、白く色を変える

削板が黒子に抱いていた感情と同じなのだ

愛している人を独り占めしたいのではない

その相手が笑顔でいられるなら、自分は泣いてしまっても構わない

そんな感情を、黒子は美琴に対して抱いている

黒子「・・・我ながら馬鹿馬鹿しいですの」


500 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:21:17.92 ID:L9ichaMV0
削板「・・・周りからの評価なんて気にするな」

黒子「モラルの問題ですわ・・・わたくしが、風紀を守れないなんて」

削板「仕事とプライベートは分けなきゃいけないぞ」

黒子「・・・何より、罪悪感がありますの」

削板「・・・」

黒子「軍覇さんのことが大好きですから・・・ですから、軍覇さんがそうやって笑って許して下さることが辛いんですのよ」

削板「そっか・・・俺はどうすればいいのかな」

黒子「・・・分かりませんわ」

削板「・・・辛いのか」

黒子「・・・どうして、すぐさま軍覇さんを抱きしめられないのでしょうか」

削板「・・・」

黒子と美琴の付き合いは長い

少なくとも、削板との付き合いよりは

削板「・・・黒子、そんなに自分を責める必要はないさ」


501 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:21:58.87 ID:L9ichaMV0
黒子「・・・そうやって優しくして下さる軍覇さんを選べませんの・・・」

何か熱いものが、黒子の頬を伝った

それが、削板の心をチクリと刺す

黒子「・・・わたくしは愚かですの、さっさと決めなければならないことですのに・・・」

削板「・・・黒子、少しだけ聞いてくれ」

削板が黒子の肩を叩く

そっと顔を上げた黒子が、削板の顔を見つめる

どこか悲しげな表情の削板が、ゆっくり立ち上がった

削板「・・・俺は、今までお前にはあまり手を出さなかった」

黒子「・・・そうですのね」

削板「それがどうしてか分かるか?」

黒子「・・・軍覇さんが純粋だからですの」

削板「違うんだよ」

ゆっくりと頭を振り、自嘲的な笑みを浮かべる


502 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:22:44.87 ID:L9ichaMV0
削板「・・・お前が俺を選ぶまで、俺はお前に手を出せなかった」

黒子「・・・どういうことですの?」

削板「・・・猶予期間ってわけじゃないけどな・・・お前に、選ぶ時間を与えたかったんだ」

欄干にもたれ掛かりながら、削板が続ける

削板「お前がどちらか選んでくれるはずだと、俺は思い込んでいた」

黒子「軍覇さん・・・」

削板「それがもしかしたら・・・お前を追い込んでいたのかもしれない」

黒子「そんなことありませんの!」

削板「無理矢理、お前を抱きしめて・・・自分の物にするべきだったのかな」

空を見上げると、自然と目を閉じてしまう

何かがこぼれ落ちないようにするためだろうか

削板「・・・お前が、俺と御坂の存在を天秤に掛けると思ってたんだ」

黒子「・・・わたくしは・・・」

削板「お前は優しいからな、そんなこと出来ないんだよ」


503 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:23:48.35 ID:L9ichaMV0
黒子「わたくしは卑怯ですの・・・そんなあなたの優しさに甘えていましたのよ!?」

削板「あはは・・・甘えてもらえるだけで嬉しいもんだよ」

ケラケラという笑い声は、簡単に闇に消えていく

残されるのは気味の悪い沈黙だけだ

泣き出せば、そんな沈黙を破れるはずだった

だが黒子にその資格はない

黒子「・・・軍覇さん」

削板「・・・俺は、勘違いしてたのかもしれないんだ」

黒子「勘違い・・・ですの?」

削板「お前を立派で強くて・・・それこそ、一人で何でもできるヤツだと思ってた・・・!」

ガン、と欄干に拳をぶつける

ヌルリとした温かい感触がした後、赤い物が流れ出す

削板「・・・違ったんだ、お前は一人の女なんだ・・・俺はそれを理解してなかった・・・」

黒子「違いますの・・・」


504 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:24:14.72 ID:L9ichaMV0
削板「・・・苦しかっただろ、ずっと・・・俺と御坂に対する愛情のジレンマに挟まれて」

黒子「違いますの!わたくしは苦しくなんて・・・」

削板「・・・俺は、お前に猶予を与えてたつもりだった・・・自惚れてたんだ」

髪をクシャクシャと掻き回す

削板「・・・高みからの見物を気取ってたんだ、お前はもっと高い所にいたのに・・・」

黒子「軍覇さん・・・違いますの!」

削板「馬鹿だったんだ・・・猶予を得てたのはお前じゃない、俺だったんだよ!」

そこまで悲しそうな削板を、黒子は見たことがなかった

いつもの覇気はそこになかった

今にも泣き出しそうな彼は、子供のようで

削板「・・・俺はお前を抱きしめるのが怖かったんだ、お前が御坂を選んだ場合を考えるのが怖かったんだ・・・」

黒子「・・・」

削板「・・・抱きしめたものが手の中から擦り抜けていくのが怖かったんだよ!」

黒子「・・・軍覇さん、わたくしは逃げたりしませんの」


505 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:25:04.28 ID:L9ichaMV0
削板「あぁ分かってる・・・だから、お前を辛い現実と戦わせてしまったんだ!」

黒子「・・・」

何か強い感情が、黒子の胸を締め付ける

美琴が一人で悩みを抱えていると知った、あの時の痛みだった

だがその痛みの大きさは、美琴の時の比ではなかった

キリキリとした、悲しい痛みが胸を溶かしていくのだ

削板「あぁそうだ・・・俺はお前を抱きしめようとしなかった、ただ遠くから笑って見つめているだけだった」

黒子「・・・もういいですの、軍覇さん」

削板「・・・お前を抱きしめてやれば・・・お前を一人にしないで済んだのに」

力無く、削板が地面に崩れ落ちる

削板「・・・俺は、お前を愛してやれてなかった」

シン、とした沈黙の中で、自棄にその言葉は重く響いた

削板「・・・なぁ、黒子」

黒子「・・・少し聞いてくれ、とのことでしたわね」


506 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:26:15.10 ID:L9ichaMV0
黒子が崩れ落ちている削板に近づいていく

キリキリとしていた胸の痛みが、涙となってこぼれ落ちる

目の前が霞んでしまう

削板の姿も、なぜかぼやけて見える

だが、それがなんなのだろうか

そこに削板がいるのだ

だとしたら、黒子がするべきことはただ一つ

削板「黒子・・・」

黒子「でしたら、今度はわたくしが話をする番ですわね」

ふぅ、と息を吐いてから黒子が手を振りかざす

パチン、という滑稽な音がした

削板は理解出来なかった、自分が何をされたのか

ヒリヒリとした頬の痛みが引きはじめた頃、やっと事態を把握した

削板「・・・黒子」

黒子「ふざけないで下さいまし・・・あなたがわたくしを愛していなかったですって!?」


507 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:26:43.98 ID:L9ichaMV0
削板の胸倉を掴み、無理矢理立ち上がらせる

黒子「あぁ・・・くだらないですわ!こんな話をするためにわざわざ景色のいい所に来たわけではありませんの!」

削板「だ、だって・・・」

黒子「あなたの行動に何一つとして非はありませんの!わたくしに時間を下さったのは優しさからではありませんか!」

削板「それがお前を苦しめて・・・」

黒子「苦しめていた!?何をもってそんなこと言ってますの!」

黒子の目尻に涙が浮かぶ

悲しいのではない、腹立たしいのだ

黒子「楽しかったですわ、その時間が!お姉さまには相変わらずのアプローチを出来ましたの!」

削板「・・・」

黒子「・・・あなたには、何かもっと大切なことを教えてもらいましたの」

削板「大切なこと・・・?」

黒子「お姉さまが教えて下さらなかったことをたくさん・・・そう、それこそわたくしの世界が変わるほどたくさんなことを」

黒子が、赤くなった削板の頬を撫でる

黒子「・・・わたくしが間違っていましたの、軍覇さんは強くて優しいと・・・勘違いしていましたの」


508 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:27:10.85 ID:L9ichaMV0
削板「何を・・・」

黒子「・・・あなたは、誰よりも純粋で・・・誰よりも弱い方ですの」

削板「俺は弱くなんか・・・」

黒子「そうですわね・・・力はあります、心も強いですの・・・だからこそ、弱い方々の気持ちを理解しています」

削板「・・・」

黒子「・・・軍覇さん、わたくしは感謝していますの」

震えている削板の唇に、優しくキスをする

黒子「・・・こんなにも優しいキスを教えてくれたのは、あなたですのよ」

削板「黒子・・・」

黒子「・・・そうですわね、お姉さまとは比べられないほど大切なことを、あなたは教えて下さったんですのよ」

黒子が微笑む

削板を安心させるためか

それとも、自分の照れ隠しのためか

黒子「・・・軍覇さん」


509 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:27:42.25 ID:L9ichaMV0
じっと削板を見つめる目には、力が篭っていた

迷いなどない、真っすぐな目だ

その真っすぐな目が見つめているのは、どんな未来なのだろうか

削板は、その未来を知っているような気がした

削板が夢見た未来だったのだから

彼が黒子と出会い、大切な物を得た時に夢見た未来と同じ

黒子「・・・わたくしは」

黒子の唇が動いた

静かな闇の中に、彼女の特徴的な声が響く


黒子「削板軍覇という一人の男性を、愛していますの」

削板「黒子・・・」

黒子「ですから、もう泣かないで下さいな・・・わたくしも悲しくなりますの」

削板の目元を拭った黒子が苦笑する


510 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:28:15.97 ID:L9ichaMV0
黒子「・・・わたくし達は少し不器用だっただけですの」

削板「お前・・・」

黒子「そうですわね・・・だいぶ前から気づいていたはずですのに」

黒子が自分の行動を思い返す

美琴と二人きりになる度に、前と同じような行動を取った

それをしている時は楽しかったし、幸せだった

だが削板と一緒にいられる時の幸せに比べれば、それは些細な物だった

黒子「・・・わたくしはお姉さまを愛していますわ、ですがそれ以上にあなたを愛していますのよ」

削板「黒子・・・」

削板が黒子の体を強く抱きしめる

黒子の知っている、削板の温もりだ

先程までは失われていたそれが帰ってきたことに安堵を覚える

緊張が緩んだからだろうか、黒子の目からとめどなく涙が溢れ出してしまう

削板「お、おい!」

黒子「・・・ここは景色が綺麗ですの」


511 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:28:42.78 ID:L9ichaMV0
削板「ん?あ、あぁ・・・そうだな」

黒子「ですが、なぜだか目が霞んでしまっていますの」

削板「・・・」

黒子「わたくしにはなぜだか分かりませんが・・・軍覇さんには分かりますか?」

削板「・・・あぁ、あと最高の対処法も知ってるよ」

黒子「では・・・お願いしてもよろしいでしょうか」

削板「もちろん」

削板が、強く黒子を抱きしめる

今までしたことのないような、深いキスをする

感じたことのない征服感が二人の中を駆け巡る

やっと、お互いを自分の物に出来たのだ

削板「どうだ?景色は楽しめそうか?」

黒子「・・・大丈夫ですの、軍覇さんも素敵に見えていますから」

涙を拭ってから、黒子が目一杯の笑みを浮かべる

削板「・・・黒子、俺はお前が世界で一番好きだ」


512 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:29:32.68 ID:L9ichaMV0
黒子「わたくしもですの・・・やっと言葉に出来ましたのね」

削板「本当、不器用な二人だよな」

黒子「・・・えぇ」

おでこを合わせた二人が笑い合う

冷たい雪は相変わらず降っていたが、二人の心は温かかった

黒子「・・・そろそろ帰らなければなりませんわね」

削板「ん、そうだな」

黒子「軍覇さんも疲れているでしょうし・・・」

黒子が削板の手を掴んだ

だが、削板はゆっくりと首を振った

削板「空間転移は今はいいじゃないか・・・歩いて帰ろう」

黒子「・・・はいですの!」

バレンタインの夜を、二人は幸せに過ごした

他のカップルと違い、まだ体を重ねることはない

だが、二人の心はどのカップルにも負けないくらい、綺麗に重なっていた



513 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:30:13.60 ID:L9ichaMV0
バレンタイン とある変態の変態編




ショチトル「・・・世の中はバレンタイン一色だな」

エツァリ「そうでしょうね・・・」

ショチトル「・・・なんだその興味なさそうな反応は」

エツァリ「いえ、興味はあるんですが・・・」

小さな、というには些か立派な家のリビング

そこで二人は向き合っていた

この家は、学園都市が用意してくれたものだ

どうやら暗部にいたことを周りにばらさないように、ということらしい

もちろん恩義を売っておけば口止めになるからだ

エツァリ「・・・ショチトル、あなた朝早くどこかに行っていたみたいですが?」

ショチトル「上条にチョコを届けにな・・・まだ起きてなかったからポストに投函しといた」

エツァリ「それは迷惑なのでは・・・」

ショチトル「何を言う、すでにたくさんのチョコで埋もれていたからな、一個や二個増えたところで何も問題ないさ」

悪びれる様子もなくショチトルが笑う

そういう考えの人が多いからあんな悲劇が生まれたのだが


514 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:30:41.52 ID:L9ichaMV0
ショチトル「それに引き換えお前は人気が無いな」

エツァリ「自分はあまり目立たないですからね・・・仕方ないことです」

コーヒーを飲みながら、エツァリが苦笑する

彼は元々あまり目立ちたがりな性格ではない

陰からちょこっとずつ手を出していく、という感じの人間だ

ショチトル「・・・悲しくないか?」

エツァリ「チョコの数が幸せの数ならば悲しいですが・・・そういうわけではないので」

ショチトル「・・・ご丁寧に、心理定規と19090号はちゃんと贈ってきてくれたみたいだな」

テーブルの上には二つだけ、チョコが並んでいる

宛名はその二人だった

友チョコだ

友達からしかチョコなんてもらえない

知らない女の子から告白のようにチョコを貰うなんて有り得ない

有り得ない

ショチトル「・・・でもいつ持ってきたんだ?まだこんな時間なのに」


515 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:31:18.13 ID:L9ichaMV0
時刻は朝の10時

ショチトルの記憶にある限り、彼女達はやって来ていない

ショチトルが上条の寮に行ってから帰って来るまでもそこまで時間は掛かっていない

その空白の時間だけで、二人がチョコを持ってきたとは思えなかった

エツァリ「宅配便で届いたんですよ」

ショチトル「宅配便?なるほどな・・・」

エツァリ「・・・つまり、バレンタイン当日である今日はあなた以外の女性とは顔を合わせていないんですよ」

ショチトル「寂し過ぎる男だな・・・」

エツァリ「いいではないですか、たくさんの女性に愛されることが幸せではありませんよ」

ショチトル「言ってて辛くないか?」

エツァリ「あなたはどうしても自分を馬鹿にしたいのですか・・・」

ショチトル「・・・ふん」

ショチトルがそっぽを向く

彼女がこんなに不機嫌なのに理由はない

いや、あるにはあるのだが今更言うことでもないのだ

エツァリはかつて、ショチトルの師匠のようなものだった


516 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:31:49.68 ID:L9ichaMV0
ショチトルは魔術をエツァリから習った

それはもう、尊敬していたし愛してもいた

今もそれは変わらないのだが

ただ、どうも彼の口調の変化が気に入らない

よそよそしいというか、何か気味が悪い

ショチトル「・・・お前は変わったものだ」

エツァリ「そうでしょうか・・・根本は昔となんら変わりませんよ」

ショチトル「・・・分かってる」

エツァリ「・・・やはり、口調に違和感がありますか」

エツァリの一言に、ショチトルが眉をひそめる

彼が自分の考えを言い当てたことに驚いているわけではない

そんな自覚があるにも関わらず、何も対処しないエツァリが少し腹立たしいのだ

ショチトル「ふん、違和感なんて生易しいものじゃないさ」

エツァリ「・・・自分はわりと気に入ってるんですけどね、この口調」

ショチトル「・・・お前はもっと逞しかった」


517 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:32:25.98 ID:L9ichaMV0
エツァリ「海原光貴がなよなよしい、みたいな言い方ですね」

ショチトル「それなんだよ」

ショチトルがエツァリの顔をびしっと指差す

ショチトル「お前、もう海原を演じる必要がないだろ」

エツァリ「で、ですがしばらく海原を演じていましたから・・・」

ショチトル「知るか!顔も素顔に戻してるんだ、だったら口調も元に戻せ!」

エツァリ「・・・みなさんに笑われてしまいますよ」

ショチトル「そんなくだらない理由のために私を苦しめるつもりか!?」

エツァリ「大袈裟な・・・」

ショチトル「大袈裟!?愛を取り戻せよエツァリ!」

エツァリ「な、何を言っているんですか・・・」

ショチトル「はぁ・・・私はな、本当のお前が好きなんだ・・・海原を演じているお前なんか見たくない」

エツァリ「・・・ですが」

ショチトル「だったらせめて・・・私の前だけででも昔の口調になってくれよ」

エツァリ「・・・そうですね・・・」


518 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:32:52.35 ID:L9ichaMV0
もう一度コーヒーを口に含んでから、エツァリが笑う

エツァリ「こっちのほうがいいか、ショチトル」

ショチトル「・・・あぁ、そっちのほうが男前で素敵だよ」

ショチトルが立ち上がり、冷蔵庫のほうへ向かう

ちなみに冷蔵庫の裏側には翼の落書きがある

垣根がしたのだろう、と思われるだろうが実は違う

ショチトルが冗談で書いたものだ

垣根とはなんら関係ない

ショチトル「・・・ほら、私からもチョコ」

エツァリ「あぁ・・・ありがとう」

ショチトル「・・・本当のお前に渡したかったんだよ、今年は」

エツァリ「俺はいつだって俺だ・・・ただ、海原を演じている期間が長かっただけで」

ショチトル「・・・懐かしい感じがするよ」

エツァリ「少しこしょばゆくもあるかな」

ショチトル「なに、昔はずっとそうだったじゃないか」


519 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:33:33.50 ID:L9ichaMV0
エツァリ「・・・そうだな」

ショチトルのチョコをじっと見つめる

派手な包装や、可愛らしい装飾はない

いかにもショチトルらしいチョコだった

エツァリ「あまり手が込んでないな」

ショチトル「チョコなんて味が良ければいいんだよ」

エツァリ「・・・御坂さんならもう少し手の込んだものを上条さんにあげてるはずだ」

ショチトル「私を美琴と比べるな・・・お前、まだ美琴のことを理想にしてるのか?」

エツァリ「あの人は・・・憧れに近いかな、たしかに理想でもあるさ」

素っ気ない包装を開け、中身のチョコを取り出す

手作りではあるのだろう、少し形が歪んでいる

とは言っても去年よりはかなり上達しているようだ

エツァリ「だが、愛しているのはお前だけだよ」

ショチトル「・・・そうか、よかった」

ショチトルが笑う


520 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:34:19.93 ID:L9ichaMV0
エツァリ「はぁ・・・この口調でいると、どうもテクパトルとキャラが被るな」

ショチトル「口調だけは似ていたからな、お前達は」

エツァリ「組織の人間はみんなこういう口調だっただろ・・・お前だってそうじゃないか」

ショチトル「私はお前達ほどわざとらしくない」

エツァリ「いや、随分と男勝りな口調だ」

ショチトル「ひどいことを言ってくれるな・・・」

エツァリ「けなしているわけではないさ」

ショチトル「・・・組織な厳格だったからな、自然とこんな口調になってしまったんだろ」

エツァリ「・・・トチトリはそうでもなかったが」

ショチトル「あれは特例だよ・・・というより、私をからかう口調だったな」

エツァリ「ははは・・・たしかにな」

自然と二人が笑い合う

この雰囲気は久しぶりだった

他の誰かがいるとただのカップルという感じの二人

だが、二人だけでいると運命共同体とも言える強い絆を感じる


521 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:35:26.03 ID:L9ichaMV0
ショチトル「・・・なぁ、エツァリ」

エツァリ「どうした?」

ショチトル「お前が・・・組織を抜けてからの話、聞かせてくれないか」

エツァリ「・・・つまり、御坂さんを好きになった経緯を話せと?」

ショチトル「そうだな・・・やっぱり気になるもんなんだ、恋人として」

エツァリ「ヤキモチか?」

ショチトル「なに、参考にしたいだけだよ」

エツァリ「簡単な話だ・・・組織の命令に従って、俺は彼女と接触した」

ショチトル「だが・・・美琴はとても魅力的だった」

エツァリ「あぁ、俺みたいな暗闇にいた人間からは想像出来ないほど、眩しい人だったんだ」

目を細めながら、エツァリが語る

誰しもが経験したことがあるだろう初恋

それはいつまでも懐かしく残るものだ

エツァリ「・・・憧れ、愛情、羨望、尊敬・・・言い方はたくさんあるだろうな」


522 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:35:56.98 ID:L9ichaMV0
ショチトル「・・・だが、それは叶わなかった」

エツァリ「今だから言えるが・・・それでよかったんだ」

ショチトル「結果として、美琴は上条と付き合い・・・お前は私と付き合っている」

エツァリ「不思議なものだよな、一度の失敗があってもそれを上回る一度の成功があれば・・・最初の失敗さえもが成功の一部になってしまう」

ショチトル「・・・綺麗事だな」

エツァリ「現実だ」

ショチトル「・・・なぁ、私と美琴・・・どっちが好きなんだ?」

エツァリ「ん?」

ショチトルの不安そうな声に、エツァリが少し戸惑う

ショチトル「・・・」

エツァリ「ヤキモチか?」

ショチトル「あぁ、やっぱり人並みにヤキモチしてしまうよ」

エツァリ「お前だよ、ショチトル」

ショチトル「!な、ならいいんだがな!」


523 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:36:59.57 ID:L9ichaMV0
エツァリ「・・・御坂さんにはもう何もないさ」

ショチトル「何も・・・か」

エツァリ「もちろん友人としての感情はあるがな」

ショチトル「なぁ、愛情が消えるって・・・どんな感じなんだ?」

エツァリ「・・・そうだな」

美琴に対する思いは、いつの間にか消えていた

ショチトルに対する思いが生まれたためだったのだろうか、それとも


エツァリ「なんでもないさ・・・くだらないほど呆気なく、笑えるほどにあっという間で・・・愛なんて簡単に消えるものさ」


ショチトル「・・・それはイヤじゃなかったか?」

エツァリ「イヤではなかったな・・・叶わない愛ならば捨ててしまったほうがいい」

ショチトル「・・・そうか」

エツァリ「その代わり、叶った愛情を捨てるつもりはない」

エツァリがチョコを一口食べる

ビターだろう、彼好みの味だ

自分のことをよく理解してくれていることに小さく笑う


524 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:37:53.69 ID:L9ichaMV0
エツァリ「・・・ショチトル、ありがとう」

ショチトル「な、何をいきなり・・・」

エツァリ「お前がいなければ、俺は誤った人生を送っていたかもしれない」

ショチトル「誤った人生・・・か、かつてのテクパトルのような?」

エツァリ「テクパトルも誤っていた・・・だが、彼には彼なりの理由があったんだ」

もしもショチトルが自分を愛してくれなければ

美琴への愛情が叶わなかったエツァリは、一体どうなっていただろう

狂っていたか、嘆いていたか、絶望していたか

どれにしろ、恐らくエツァリは壊れてしまったはずだ

それを防いでくれたのはショチトルだ

彼に愛情をくれたのは、ショチトルだった

ショチトル「・・・なぁ、エツァリ」

エツァリ「なんだ」

ショチトル「私は、お前にたくさんのことを教えてもらったんだ」


525 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:38:57.80 ID:L9ichaMV0
エツァリ「・・・魔術のことか」

ショチトル「たしかにそれもある・・・だが、他にもたくさんのことを」

ショチトルがソファーの背もたれに体重を預ける

柔らかな感触が背中を受け止める

ショチトル「人との接し方、正しい生き方、愛し方」

エツァリ「・・・俺が教えたわけではないさ」

苦笑しながら、エツァリがチョコを口に含む

甘味が増している

その理由が彼には分かる

エツァリ(・・・人並みの甘い恋・・・か)

ショチトル「・・・だが、お前がきっかけをくれたんだ」

エツァリ「・・・そうか」

ショチトル「だから、私の世界を作ったのはお前が半分だ」

エツァリ「もう半分は?」


526 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:39:54.48 ID:L9ichaMV0
ショチトル「残りは私とみんなだな」

エツァリ「・・・そうだな、俺もそうだよ」

ショチトル「・・・こんな平和な日常に、お前と私がいる・・・奇跡だとは思わないか」

エツァリ「奇跡だと思えるのは、それが現実になったからだ・・・現実にならなければそもそも考えはしない」

ショチトル「・・・つまらない考え方だぞ、それは」

エツァリ「そうだな・・・すまない」

ショチトル「・・・ん?」

ピンポン、と家のチャイムが鳴った

エツァリ「・・・誰かな」

ショチトル「多分誰かがチョコを届けに来たんだろ」

ショチトルが玄関に向かう

扉を開けると、見覚えのある顔がいた

20000「飛んで呼ばれてジャジャジャジャーン」

ショチトル「何しに来たんだ変態」


527 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:40:32.71 ID:L9ichaMV0
20000「チョコを届けに来たぞ、変態」

20000号だった

かつて他のミサカ二人に公開であんなことをさせたり、17600号と女の子同士でやろうとしたり、一方通行をペロペロチュッチュしたり、テクパトルを無理矢理襲おうとしたりした変態だった

しかし、なぜかショチトルは親近感も覚える

先程までのシリアスな雰囲気が崩れる音さえ心地好い

ショチトル「よく来たな・・・まぁ上がってくれ」

20000「お邪魔するよ」

ショチトル「邪魔するなら帰ってくれ」

20000「はーい」


20000「ってなんでやねん」

ショチトル「もう少し感情を込めてくれよ、こっちが寂しくなる」

20000「・・・なんでやねん!」

ショチトル「よし、上がってくれ」

二人がリビングに向かう


528 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:41:07.81 ID:L9ichaMV0
ショチトルは別段、ミサカ達と仲良しなわけではない

もちろん友人ではあるのだが、親交なら一方通行やテクパトルのほうがミサカ達とは深いはずだ

だがしかし、20000号だけは違う

彼女はショチトルも認めた数少ない変態の中の一人なのだ

ショチトルは変態だ

最近はすっかりなりを潜めているが変態なのだ

周りから変態と罵られるのがまた気持ちいい

自分が虐められるのが好きだし、自分を虐めるのも好きだ

ショチトル「エツァリ!20000号がチョコを持ってきてくれたぞ」

エツァリ「あぁ、ありがとうございます」

いつもの柔和な口調に戻ったエツァリがニコニコと微笑む

いつも笑っている印象の強い男性No.1だろうな、と20000号は呆れる

20000「みんなからもチョコだが・・・10032号のは気をつけろ」

エツァリ「失敗されたのですか?」

20000「いや、美味しいんだけどいくつか作ったチョコの中に一つだけ激辛を作っていたらしくてな」


529 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 17:45:20.16 ID:L9ichaMV0
エツァリ「」

ショチトル「なんでバレンタインにそんなことをしちゃったんだ」

20000「楽しもうぜベイビー」

エツァリ「じ、自分に贈られたチョコがそれかもしれないんですか!?」

20000「確率的には非常に低いな、大体お義兄様こと上条のほうが引く確率は高いと思われる」

ショチトル「あいつは不幸の代名詞だからな」

20000「安心しろとは言わないが、まぁそこまでビビらなくていいさ・・・あと、14510号のは少し甘いみたいだぞ」

エツァリ「おや、一方通行さんはビターがいいのでは?」

20000「そうなんだよ!あいつセロリたんに贈るのまで甘口にしやがって!もしセロリたんが痙攣起こしたらミサカがキスで起こしてやる!」

ショチトル「やめろ」

20000「それで・・・それで、もしも起きなかったらこっそり貞操を奪うんだ!!」

エツァリ「はぁ・・・やめましょうよ、そういう悪ふざけは」

20000「あれ、至って本気なんだけどな」

ショチトル「タチが悪いな」



530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/29(火) 20:08:51.28 ID:Qbgmd2xAo
ショチトルと20000号が新喜劇wwww
531 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 21:36:57.51 ID:L9ichaMV0
エツァリ「・・・それにしても、妹達のみなさんがチョコをくれるとは思いませんでしたね・・・」

20000「いやぁ、テっくんにもあげるつもりなんだけど、おかしくないかなってさ」

エツァリ「・・・毒見ですか、これ」

20000「冗談だよ・・・エツァリにはいろいろ世話になってるでしょ」

エツァリ「?」

エツァリが首を捻る

先ほども言ったが、彼はそこまで妹達と親密なわけではない

友人以上の関係ではなく、そんな風に感謝される覚えはなかった

エツァリ「どのような意味ですか?」

20000「お姉様の幸せを一番に考えたり・・・あと、セロリたんの仲間だったりさ」

エツァリ「あ、あぁ・・・でもそれは結果論ですよ」

ショチトル「ふん、美琴は二番目だからな」

20000「なになに?ヤキモチなの、キモーイ」

ショチトル「黙れ尻軽」

20000「なんだとクサレマ*コ」

ショチトル「・・・ふん、いい度胸だ・・・」



532 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 21:48:20.65 ID:L9ichaMV0
エツァリ「だ、大丈夫でしたよ!!チョコは美味しいです!!」

20000「あぁ?ショチトル、なんならミサカが全身にチョコ塗ってエツァリを誘惑してもいいんだぞ?」

ショチトル「ふん、お前みたいにガバガバな女なんか興味ないだろうさ」

20000「ミサカ、これでもバージンなの、バージン」

ショチトル「処女膜はとっくの昔にバイブででも突き破ったんだろ?えぇ?」

20000「ははは!!そんな馬鹿な真似なんかするもんか!!そっちこそ、とっくにアナルまで調教済みなんだろ!?」

ショチトル「ほっほう、お前はまだか・・・そうかそうか、可愛そうに」

20000「おぉぉぉぉ!?マジだ、マジだよこいつ!!」

ショチトル「ふん・・・変態さで私に勝てると思ったか、阿呆が」

20000「アホちゃいまんねん、パ」

エツァリ「そこまでにしておいてください・・・なんだか頭が痛くなります」

20000「最後まで言わせろよぉぉ!!」


533 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 21:55:42.98 ID:L9ichaMV0
エツァリ「・・・あの、20000号さんはもうしばらくここにいられるのですか?」

20000「んー・・・そうだね、実は今病院の部屋が大変なことになっててさ」

ショチトル「なんでだ?17600号がいるなら大丈夫だろ」

20000「テっくんが家を買うのは知ってるよな?」

エツァリ「ま、待ってください!!知りませんよそんなこと!!」

20000「ワァオ」

ショチトル「・・・買うってすごい金が掛かるぞ?」

20000「なんか知らないけど、垣根に相談したらいい不動産を紹介してくれてな」

エツァリ「・・・なんだかもうそれだけで納得してしまいますよ」

20000「それで、ボチボチ引越しの用意もしないといけなくてさ・・・」

20000号がソファーにもたれかかる

かなり疲れているようだ

20000「あーあー、今日は一人で絶倫大王、ドッキリ!こんなところで四十八手!?見るつもりだったのにさ」

エツァリ「なんだか不穏な響きですね・・・」

20000「そうかな?」



534 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 22:07:31.69 ID:L9ichaMV0
エツァリ「・・・そ、それで・・・引越しはいつごろに?」

20000「来月くらいかな、ちゃんとミサカ達も引き取ってくれるんだって」

ショチトル「ふーん・・・でも、そうなるとどうするんだろうな」

エツァリ「こっそりじゃないですか?」

20000「いや、リビングで堂々とかどうだ?」

ショチトル「一家団欒のときに、コッソリテーブルの下で・・・とか」

エツァリ「夢が膨らみますね」

20000「股間も膨らんでるぞ」

エツァリ「気のせいですよ」

ショチトル「・・・いいな、マイホーム・・・」

20000「そうでもないさ、ミサカ達は正直ちょっとな」

エツァリ「?なぜですか?」

20000「・・・テっくんと19090号の二人だけで暮らして欲しかったりもするんだよ」

ショチトル「・・・テクパトル思いだな」

20000「まぁな」


535 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 22:17:44.39 ID:L9ichaMV0
エツァリ「・・・ですが、きっとテクパトルはあなた達も一緒に暮らさせたいんですよ」

20000「あぁ、昨日みんなで話し合って・・・一応決着も着いたし、文句は言わないさ」

20000号がゆっくりと体を起こす

20000「・・・はぁ、でも今は帰りたくない・・・手伝いしたくない!!」

ショチトル「ちゃんとやれよ・・・」

20000「なに?ミサカが帰らないとセックスできないってか?」

エツァリ「・・・そういうわけではないですよ」

20000「ま、まさか3Pをご所望!?」

ショチトル「・・・いや、二人でイチャイチャしたいんだよ」

20000「えー、いいじゃんか今日くらい」

ショチトル「今日だけは二人にさせてくれよ・・・」

20000「ちっ・・・」

20000号が舌打ちをしてから立ち上がる

20000「はぁ・・・どうしようかな、これから」


20000「どうしようかな、これから」チラッ

ショチトル「帰れよ」


536 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/29(火) 22:21:17.33 ID:L9ichaMV0
今日はここまで

新喜劇はあんまり見ないけど、なんか懐かしい感じがする

筋肉動画はこちら

ショーン・レイの1996年

ドリアンよりも彼のほうが優勝するべきでしょう、美しすぎます

http://www.youtube.com/watch?v=f3SWtsU2wPM 

ボディビルは芸術でなければならない、という人ととにかくでかければいい、という人の二つに分かれますね

圧倒的に、>>1は前者ですが

ではおやすみなさい


537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/11/29(火) 22:55:50.64 ID:olK4lhnko
乙乙
変態なエツァリもこの二人の前だとまだまだだな
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/29(火) 23:21:31.04 ID:KsGNujh7o
乙なんだよ!
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/29(火) 23:31:53.69 ID:OeHcrhbDO
乙なのである
540 :小豆にかわりまして名無しがお送りします [sage]:2011/11/30(水) 07:57:29.26 ID:l3g5bSKs0
乙にゃーん\(^o^)/
541 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 12:20:42.17 ID:dIpu/lGM0
エツァリ「・・・静かになったな」

20000号が去った部屋のソファーで、エツァリがため息をつく

ショチトル「・・・そうだな、平和だよ」

エツァリ「まさかお前が彼女と仲良しとはな・・・」

ショチトル「共通点があるんだよ」

エツァリ「あまりいい共通点ではないな・・・」

ショチトル「何を、お前だって変態じゃないか」

エツァリ「お、お前に比べたらまだまだだよ!」

ショチトル「あんまり焦るなよ、マジでお前も変態っぽいぞ」

エツァリ「はぁ・・・イヤな、最近自分でも変態だと自覚が湧いてきてはいるんだけどさ」

ショチトル「変態だからな、本当に」

エツァリ「・・・俺はどうすればいい?」

ショチトル「変態は変態らしく変態に生きるしかない、変態は長所なんだよ」

エツァリ「明らかに短所だな」


542 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 12:21:27.48 ID:dIpu/lGM0
ショチトル「・・・しかし、最近はお前の変態もなりを潜めているな」

エツァリ「なりを・・・って、まるで登場人物みたいに言うな」

ショチトル「お前から変態を引いてしまったら何が残るんだよ」

エツァリ「・・・なんでそんなひどいことを言うんだ・・・」

がっくりとエツァリが肩を落とす

エツァリ「・・・はぁ、そもそもいつから俺は変態になったんだ!?」

ショチトル「思い出してみろ、私が脱いで告白した時・・・」

エツァリ「お前のその告白が問題だったんだよ!」

ショチトル「好きだぞエツァリ」

エツァリ「今やり直しても意味ないんだよ!っていうかなんだその棒読み・・・」

ショチトル「おっぱいは」

エツァリ「正義」

ショチトル「見ろ、お前は素で変態だ」

エツァリ「これは誘導尋問だ!なんでおっぱいが出てくるんだよ!?」


543 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 12:21:54.06 ID:dIpu/lGM0
ショチトル「私を縛って・・・」

エツァリ「お、おぉ・・・?」

ショチトル「やはり反応が変態だな」

エツァリ「誘導尋問だ!」

ショチトル「・・・ま、私に比べたらまだまだだがな」

エツァリ「さっき言ったじゃないか・・・」

ショチトル「・・・ん?また誰か来たみたいだな」

チャイムが二度鳴らされた

エツァリ「・・・行ってみるか」

エツァリが立ち上がり、玄関へ向かう

そこにいたのは土御門だった

土御門「にゃー、元気にしてるかエツァリ」

エツァリ「おやおや・・・土御門さんでしたか」

土御門「妹がお前にもチョコ作ってやったから届けに来たぜぃ」


544 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 12:22:29.14 ID:dIpu/lGM0
エツァリ「?妹さんですか?」

エツァリが記憶を辿る

だが、どう考えても彼と土御門舞夏に接点はない

つまり、チョコを贈られる理由がないのだ

エツァリ「あの・・・自分はあなたの妹さんと会ったことが・・・」

土御門「にゃー、当たり前だぜぃ」

エツァリ「いや、ならなんでチョコを・・・」

土御門「俺が言ってやったんだ、知り合いにほとんどチョコを貰えない悲しいヤツがいるからって」

エツァリ「・・・あの、それは感謝するべきなんでしょうか」

土御門「あぁ!俺の優しさに平伏すがいい!」

エツァリ「・・・ありがたく受け取りますが」

エツァリが土御門からチョコを受け取る

誤解を受けそうな言い方だが、それは舞夏が作ったチョコだ

決して土御門が作ったものではない


545 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 12:23:01.96 ID:dIpu/lGM0
エツァリ「・・・それにしても、かなり包装が丁寧ですね・・・妹さんはその関係の勉強でも?」

土御門「いや、メイドの学校に通ってるんだぜぃ」

エツァリ「・・・メイド?」

エツァリが眉をひそめる

メイドとはあれだろう

いわゆる、主人に仕える従順な女性だろう

土御門「あぁ」

エツァリ「素晴らしいですね・・・メイドならばやはりニーソックスですね」

土御門「いやいや・・・網タイも外せないぜぃ」

エツァリ「網タイなんてわざわざハードルを下げているだけじゃないですか」

土御門「ニーソックスなんて若者に媚びすぎだ、網タイは若干古いからこその妖艶さがあるんだよ」

エツァリ「露出が高ければいい、なんて安直な妖艶さですね」

土御門「絶対領域なるものを連想させるのはむしろニーソックスだ、ハードルが低すぎて飛ぶ気にもならない」

エツァリ「分かりませんか?目を凝らせば見えて来る美しい脚のライン」

土御門「網タイはわざわざ目を凝らさなくても脚が見える」


546 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 12:23:28.09 ID:dIpu/lGM0
エツァリ「目を凝らすという自分の努力、それが相手にバレるのではないかというスリル、網タイでは味わえないでしょう?」

土御門「何を言う、網タイから見えている脚を凝視してるなんて知られたら・・・という背徳感は何物にも替え難い」

エツァリ「背徳感?背徳を感じた時点で負けです、倫理や世間体などから飛び出し、自己と相手だけの世界を作り出す、エロに多人数は必要ありません」

土御門「中には多人数でなければ出来ないエロもある」

エツァリ「それはエロではありません、ただの統率の取れていない欲望だ」

土御門「それは同意だがな」

エツァリ「・・・メイドならニーソックスです」

土御門「ほざけ・・・やはりお前はメイドに関しては素人だな」

エツァリ「素人だからこそ、客観的に捉えられるんですよ」

土御門「お前には分からないだろうな」

エツァリ「ちなみに、妹さんにどんなことをさせてますか」

土御門「な、何もさせてないぜぃ!?」

エツァリ「たしか義理の妹さんなんですよね、倫理的には問題がありますが実の妹よりはマシではないですか?」

土御門「いやいや!俺は何も・・・」


547 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 12:24:06.28 ID:dIpu/lGM0
エツァリ「真実なら構いませんが・・・もしも嘘なら、なぜ嘘をつかなければならないんですか」

土御門「!」

エツァリ「恥じてはいけません、誇りなさい」

土御門「・・・恥じてはいない、ただ自分だけの秘密にしておきたいのさ」

エツァリ「・・・それもまた一つの独占欲でしょうかね」

土御門「自分のプライベートを守りたいと思うのは普通じゃないか?」

エツァリ「全てを曝け出し、外と自己との壁を取り払うことによって得られる快感もあるんですよ」

土御門「・・・お前、中々語れるヤツだったんだな」

エツァリ「何を今更・・・自分は熱く語れるんですよ」

土御門「なら最後に聞くが・・・お前にとって最高の辱めとはなんだ?」

エツァリ「全く何もしない、されないことでしょうか」

土御門「・・・」

エツァリ「自分だけでは自慰と同じです、それを強制させられるなんて最大の辱めでしょう?」

土御門「だがそれが快感に繋がることもある、か」

エツァリ「・・・その話はまたいずれ」

土御門「あぁ、その時を楽しみにしてるぞ」

二人が堅く握手を交わす

一体何の友情なのだろうか

たしかに、そこには友情があったのだが


548 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 14:28:16.06 ID:dIpu/lGM0

ショチトル「ん・・・誰だったんだ?」

テレビを見ながらショチトルが訊ねる

エツァリ「土御門さんだった・・・というか、妹さんがチョコをくれたみたいでな」

ショチトル「ふーん・・・」

興味なさそうなショチトルは、テレビのチャンネルを回している

ニュースやバラエティの再放送、ドラマ

そんなものの中で、遊園地の特集をやっていた

ショチトル「・・・なんだこりゃ、バレンタイン当日にわざわざ遊園地の特集してもな」

エツァリ「前日とかにしないといけないな」

ショチトル「大体・・・こんな混みあう日に遊園地に行くやつの気が知れないな」

エツァリ「まぁまぁ・・・ん?」

エツァリがテレビの端に映った人影を凝視する

白い髪に現代的な杖

その横には、小さな少女と高校生くらいの女性がいた


エツァリ「ア、一方通行さん!?」


549 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 14:31:19.03 ID:dIpu/lGM0
バレンタイン とある不器用な超能力者の場合


一方「・・・」

バレンタインの朝

一方通行は、頭を抱えていた

目の前には三人のミサカがいる

その時点でおかしい、番外個体と打ち止めがいるのはごく自然なのだ

もう一人、妹達が混じっていたのだ

朝起きて、リビングに行ったら家族が一人増えていたのだ

一方「・・・なンでお前がいるンだよ」

10033「ふっふーん、20000号はエツァリさんのところ、14510号は現在チョコを製造中ですから、ミサカは一人抜け駆けできました!!とミサカは胸を張ります!!」

一方「質問に答えろ」

番外「バレンタインだから遊びに来たんだってさ」

一方「・・・あァ?」


550 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 14:40:45.28 ID:dIpu/lGM0
打ち止め「他のミサカ達もあなたにチョコをあげたいんだよ、ってミサカはミサカは説明してみたり!!」

一方「もらう筋合いがねェンだよ・・・」

ソファーに座り、杖をその横に置く

能力使用モードでないと杖をつかなければならない

そのため、座れるときは座ったほうが楽なのだ

10033「いえいえ、あなたはミサカ達を救ってくださったのですから、とミサカはぶっちゃけます」

一方「あのなァ・・・たしかにそンなこともあったけどよ、その前には殺し合いしてたンだろォが、俺達は」

番外「いいじゃん、アナタのことを好きなミサカもいるんだってば」

一方「・・・俺は番外個体と付き合ってるンだけどよ」

一方通行が呆れたように溜め息をつく

別にアプローチをされるのは構わないが、ここまで積極的だと少し可愛そうになってしまう

10033「分かっていますよ・・・」チッ

打ち止め「リア充は爆発しろ・・・」チッ

一方(キレるロリも可愛いなァ)



551 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 14:55:12.53 ID:dIpu/lGM0
10033「ですが!!ミサカ達は決してアプローチをやめません、とミサカはここに宣言します!!」

打ち止め「お、おぉ!!後光が差してるぜ!!ってミサカはミサカは眩しげに10033号を見つめてみる!!」

一方「・・・くっだらねェ、大体よォ・・・チョコを渡すって目的はもォ完遂しただろォが」

一方通行が10033号の手からチョコの入った袋をかっぱらう

10033「そ、そんな豪快にチョコを奪われてしまうなんて・・・//」

一方「怪しい言い方するンじゃねェ!!」

番外「でもさ、せっかく来てくれたのにこのまま返すのは可愛そうだよ」

打ち止め「そうだよ、ってミサカもミサカも同意してみたり!!」

一方「・・・うるせェな・・・」

三人ものわがまま娘の相手などしていられない

ここは、寝るに限るのだが


10033「そういえば、今日は第六学区の遊園地でゲコ太のショーをやるみたいですよ、とミサカは独自に入手した情報を提示します」

番外・打ち止め「行こう、一方通行!!!」

一方「な、なンでこォなるンだ!?」



552 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 17:11:16.95 ID:dIpu/lGM0


一方「・・・上条の口癖はこォいう時に言うンだろォな」

番外「何言ってるの?」

一方「なンでもねェ・・・」

バレンタイン、しかも休日の遊園地

朝早くからよくも集まったものだ、と感心するほどの客の数

人混みが苦手、というわけではないが杖をついている彼には少し辛い

打ち止め「見て見て!ゲコ太のポスターだよ!ってミサ・・・」

一方「その語尾はここではやめろ」

打ち止め「おっと、忘れてた・・・」

10033「しかし、こんな人混みなんて大覇星祭以来ですね」

番外「そうだね・・・学園都市中の人が集まってるみたい」

一方「アホか、学園都市の人口は200万以上なンだよ」

10033「物の例えですよ」

番外「マジレスとかクソモヤシ!」

一方「・・・あァ!?」


553 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 17:11:42.72 ID:dIpu/lGM0
打ち止め「はいはい、喧嘩しないの・・・ってあぁ!」

一方「なンだよ目見開いて」

打ち止め「ゲコ太だ!」

一方「おいおい走ンじゃねェ!転ンだら怪我・・・」

打ち止め「おわっ!」

人混みの中を小さな子供が走り抜けるのは果てしなく難しい

もちろん、打ち止めも例外ではない

一方(ロリが・・・転ぶ!)

素早くチョーカーのスイッチを入れる

彼はその瞬間、全てのベクトルを操る能力を取り戻す

目の前には転びそうになっている打ち止め

人混みを無理矢理押しのける、というか蹴散らす

そして打ち止めの小さな体を抱き抱え、受け止める

その間わずか5秒

ロリは守られたのだ



554 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 17:12:14.86 ID:dIpu/lGM0
10033「う、羨ましい・・・」

番外「あぁぁ!ヤキモチなんてミサカのキャラじゃないのに!」

一方通行派のミサカ達は、それをネットワークを通じて見ていた

彼女達のヤキモチが集まって、番外個体の感情へと変化する

番外「ミ、ミサカも転ぶぅぅぅ!」

10033「!?ミサカもです!」

一方「な・・・」

わざとらしく二人が転ぶ

一方「ふざけンじゃねェ!」

そんな悪態をつきながら、番外個体を受け止める

ちなみに片腕にはまだ打ち止めを抱き抱えているのだ

空いていた手は片方

転んだミサカは二人

10033号は支えられることなく地面に倒れた

ビターン、という擬音が合いそうな、間抜けな転び方だった


555 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 17:12:47.08 ID:dIpu/lGM0
周りの客達は大して気にしないようにと心掛けていた

だが、10033号はいつも通りの短いスカートだ

中のシマシマパンツがまる見えになっている

何人かの男子学生はそれをじっと見つめていた

一方「・・・お前、何やってンだ」

10033号に手を差し出しながら一方通行がため息をつく

10033「・・・不覚でした、まさか上位個体を抱き抱えたままだったなんて」

ショックを隠せない表情で10033号が涙を零す

10033「あぁ、大衆の面前でミサカは下着を曝け出してしまいました・・・きっと男子学生の何人かはミサカの淫らな肢体をオカズに今晩・・・」

一方「てめェ・・・20000号じゃねェよな」

10033「ふん!あんな変態なんかと一緒にしないで下さい!」

一方「さっきの自分の言葉を思い出そうか」

10033「・・・こんな所で太股と下着を曝しました、恐らくミサカはオカズにされます、男性の脳内でミサカはお口で舐め回したり下の唇に受け入れたりするんですね」

一方「お前、そンなにおかしいヤツだったか?」


556 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 17:13:37.81 ID:dIpu/lGM0
10033「違いますよ一方通行・・・正確には、これはネットワークで流れている情報を基にして作り出した感想文です」

一方「!?打ち止めァ!」

一方通行が、10033号渾身のボケを無視して叫ぶ

打ち止め「うん、ミサカもなんとなく聞いてるよ」

一方「ふざけンな!俺のロリを汚してるンじゃねェよ!」

番外「ミサカだけがアナタの物なのにぃ!」

一方「今はてめェは黙ってろ!打ち止めにどンな情報を流しやがった!?」

10033「あなたが、意外と短小だと・・・」

一方「な、なンで知って・・・」

10033「え、本当ですか?」

一方「カマ掛けやがったな・・・!」

打ち止め「ねぇねぇ、短小って何?」

番外「アソコが」

一方「言うンじゃねェ!大体人混みの中で話す内容じゃねェ!」

一方通行が周りの客を睨みつける

それだけで人混みの真ん中に道が出来た


557 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 17:14:14.63 ID:dIpu/lGM0

10033「ま、まさか・・・ミサカ達をどこかへ連れていくつもりですか?」

一方「何をどォしたらそォなるンだろォな!?」

番外「ミサカ達を一人で犯すんだね・・・」

一方「ちげェ!お前ら頭おかしいンじゃねェのか!?」

打ち止め「ミサカは信じてるよ!」

一方「打ち止め・・・」

打ち止め「アナタは短小なんかじゃないよね!」

一方「ちげェよ!」

10033「一方通行、なんならミサカが・・・」

一方「ちょっと黙れよお前ら!」

一方通行が三人を睨みつける

だが悪びれる様子もなく、三人はどのアトラクションに乗るかの相談を始めた

打ち止め「ゲコ太ショーまではあと二時間・・・」

番外「となると、時間が掛かり尚且つ客の多そうなアトラクションは無理だね」


558 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 17:14:41.83 ID:dIpu/lGM0
10033「コーヒーカップとかなら良さそうですね」

番外「でもそれじゃ時間潰せないよ?」

打ち止め「ちょっとくらい列に並ぶ時間も楽しみたいな!」

10033「一方通行、そういうわけで若干の列が出来ているアトラクションに乗りましょう」

一方「・・・あのな、俺は杖をついてる哀れな」

番外「一方通行も二つ返事で承諾した!」

一方「してねェよ!」

打ち止め「さっすがアナタだね!」

10033「となると、このデッドコースター辺りがいいでしょうね」

一方「勝手に決めンな・・・大体名前が不吉すぎるンだよ」

番外「いいじゃん、座席は五人が横に並ぶ形だから」

一方「ちっ・・・一人他の相席客が来るかもしれねェだろ」

打ち止め「仕方ないよ」

10033「ほら、さっさと向かいましょう」

ミサカ達は楽しみでしょうがないようだ


559 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 17:15:08.29 ID:dIpu/lGM0
今にも駆けだしそうな勢いである

一方「・・・分かったからゆっくり行こうぜ」

打ち止め「うん!」

打ち止めが一方通行の手を握る

一方(勃った)

打ち止め「行くよ、一方通行!」

一方「あァ・・・?」

番外「よくやった上位個体!行くぜベイビー!」

10033「ラディカルグッドスピード!」

一方「な・・・」

打ち止めが突然駆け出す

そうなると、一方通行も走らなければならない

一方「てめ・・・」

番外「走れ走れ!」

10033「速さが足りませんよ、一方通行!」


560 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 17:15:59.63 ID:dIpu/lGM0
一方「俺は杖をついてンだよ!」

打ち止め「早く早く!」

一方「あァクソ!」

縺れる脚を無理矢理動かしながら一方通行が叫ぶ

一方「俺が何したって言うンだよ!?」


番外「ひゃー、思ったより並んでるね」

行列の最後尾に並んだ番外個体が前を見つめる

名前が災いして、あまり人気ではないはずのアトラクション

だがバレンタインではそんなこと、関係ないらしい

むしろ怖いアトラクションというのは恋人をより親密にするものだ

吊橋効果でも期待してるのか、と一方通行がため息をつく

そんな恋人達の駆け引きのせいで長い間立ちっぱなしになるのだから、堪ったものではない

恨みを持ってしまうが、それをどこかにぶつけるわけにもいかない

一方(・・・うぜェ・・・あァだりィめンどくせェ・・・)

打ち止め「楽しいね、並ぶのも!!」キラキラ

一方(素敵だ)


561 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 18:01:18.67 ID:dIpu/lGM0
番外「・・・喉渇くね」

10033「そうですね・・・飲み物でも買いに行きますか」

番外「じゃあミサカと一方通行が行ってくるよ」

一方「はァ?」

10033「ずるいですよ!!一人だけ一方通行と!!」

打ち止め「そうだよ!!ミサカだって一緒に・・・」

番外「二人が並んでないとダメじゃん」

一方「・・・仕方ねェな、行ってくる」

打ち止め「うぅ・・・」

一方「・・・後で構ってやるからよォ」

打ち止め「ホント!?」パァッ

一方(やべェ、可愛い)

10033「ミサカも甘えていいですか!?」

一方「中学生はババァだ」

10033「きーっ!!」


562 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 20:04:33.57 ID:dIpu/lGM0
一方「じゃあ少し待ってろ」

一方通行が杖をつきながら歩き出す

番外「んじゃ、二人ともココアでいいよね?」

10033「問題ないですよ」

打ち止め「早く帰ってきてね!」

番外「あーい」


一方「・・・これだから遊園地なンてイヤなンだよ」

飲み物を売っているだけの、たいしたことのない出店

その前にも信じられないほどの長い列が出来ている

番外「仕方ないじゃん、上位個体のためだよ」

一方「分かってるけどよォ・・・」

10分並んでやっと列が少し進んだのだ

店員を増やせ、とかもっと列を分けろ、とか悪態をついてしまうがそれも仕方ないだろう


563 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 20:09:58.36 ID:dIpu/lGM0
番外「それにしても並んでるねぇ」

一方「なーンだよなンなンですかー、ここには世界で一番美味しい牛乳でも売ってるンですかー」

番外「拗ねないでよ気持ち悪いし」ゲラゲラ

一方「ちっ・・・てめェ、ムカつくよな」

番外「あ、垣根の真似だね」

一方「ちげェよ・・・」

会話をするのが億劫になり、一方通行が口を閉じる

このままでは、彼らが飲み物を買う前にデッドコースターの番が来てしまいそうだ

一方「・・・」

番外「ねぇねぇ、アナタってロリが好きなんだよね」

一方「わざわざ聞くな、当たり前だろォが」

番外「だったら、やっぱり遊園地とかは絶好のスポットなの?」

一方「いや・・・遊園地は大抵親と来てるからな、声掛けられねェ」

番外(不審者だよこの人)


564 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 20:17:23.67 ID:dIpu/lGM0
一方「・・・なァ」

番外「ん、何?」

一方「お前は・・・チョコ、用意してねェのか?」

番外「し、してるわけないじゃん!!そんなもの!!!」

一方「・・・そォか」

番外(いっけね、ついツンデレのクセが出てしまったぜ)

一方「いらねェンだよな、チョコって」

番外「・・・へ?」

一方「・・・甘いだろ、俺は甘いのが苦手だからな」

番外「だ、だったらどうしてミサカ達のチョコは受け取ったの!?」

一方「・・・あいつらにはもォひどいことはしたくないンだ」

一方通行が杖に目を落とす

彼がそれを使うことになったのは、なぜだったか

彼が守りたいものは何だったか

一方「・・・苦手だからってよ、あいつらの好意をムダには出来なかったンだ」



565 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 20:30:08.69 ID:dIpu/lGM0
番外「・・・そうだったんだ」

一方「だからよ、お前がチョコを用意してたなら・・・俺はそれをもらっとくつもりだった」

番外「よ、用意してるんだよそれが!!」

一方「はァ?」

番外「さ、さっきのは照れ隠しというか・・・」

一方「マジかよ・・・甘いもの食べないといけねェのかよ・・・」

番外「こ、好意はムダにしないんでしょ!?」

一方「あァ・・・でもいらねェンだよな・・・」

番外「文句言わない!!列が進んだからさっさと進めモヤシ!!」

一方「モヤシじゃねェ・・・」


番外「・・・そして20分して、やっとミサカ達は自分達の番を迎えたのである」

一方「ナレーションすンな」

番外「だってさ・・・やっと買えるんだよ、飲み物!!」


566 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 20:38:17.00 ID:dIpu/lGM0
一方「・・・やっとだな、俺達のデッドコースターの番はまだだろォな・・・」

番外「うーん・・・どうだろ」

「次のお客様ー」

番外「あぁ、はいはい」

番外個体がメニューを見つめる

番外「コーヒー二つとココア二つ」

「少々お待ちください」

ペコリと頭を下げた店員が店の奥へ向かう

番外「こういう店って、どうやって作ってるのかな」

一方「インスタントとか作り置きだろ」

番外「うっわ・・・現実的過ぎるね」

一方「当たり前だろォが・・・ほら見ろ、もォ出来やがった」

「お客様、お待たせいたしました」

番外「はいはーい」

料金を支払ってから、飲み物を受け取る


567 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 20:42:57.60 ID:dIpu/lGM0
番外「・・・ねぇ、一本だけ持ってよ」

一方「あァ?二本持ってもいいンだけどよ」

番外「杖だから無理でしょ」

番外個体が三つを器用に持ち運ぶ

一方「・・・悪いな」

番外「いいっていいって」


打ち止め「あぁぁ!!もう少しでミサカ達の番が来ちゃうよどうしよう!?」

10033「お、落ち着いて素数をかじょえましょう!!」

打ち止め「10033号が落ち着いて!!せーの!!」


打ち止め・10033「ひっひっふー!!」


打ち止め「ってこれラマーズ法やがなー!!」

10033「おぉぉ!!ドッカーン!!ドッカーン!!」


一方「・・・あいつら何やってンだ」

番外「さぁ、とち狂ったんじゃないの」


568 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 20:53:09.23 ID:dIpu/lGM0
10033「おぉ!!帰ってきましたか!!」

打ち止め「ギリギリセーフ!!ギリギリだよ、ココアちょうだい!!」

一方「ゆっくり飲め・・・」

10033「ゲホゲホ!!ちっ、ココアの野郎ミサカに反抗してきやがった!!」

番外「・・・落ち着けよ」

10033「そ、それより!!そろそろミサカ達の番ですよ!!一方通行、ミサカの手を握りながら乗ってください!!」

打ち止め「ミサカが隣だもん!!」

一方「俺が間に入れば二人は手を繋げるだろォが・・・」

番外「でも、ミサカ達は三人いるんだよ?」

打ち止め「・・・」

10033「・・・」

番外「・・・」

一方(無言ほど、事を語るものはない)


569 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 20:57:58.33 ID:dIpu/lGM0
打ち止め「公平にジャンケンでいいと思うんだ!!」

10033「異論はありません!!」

番外「ミサカも!!このスリルがたまらないね!!」

一方「早くしろよな・・・」

番外「せーの!ジャーンケーン!!」



一方「・・・お前ら、強く握りすぎだ」

打ち止め「だって怖いんだもん!!」ギュッ

10033「高い高い高い低い!!!・・・高い高い・・・」ギュッ

一方(コイツ高いのダメなンだな)

番外「・・・」

一方「拗ねるな・・・10033号と手繋いどけよ」

番外「ミサカの一方通行なのにぃ!!!」

一方「あァそォかよ・・・ったく」


一方「ガキのお守りは疲れるな・・・」


570 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/11/30(水) 21:01:06.98 ID:dIpu/lGM0
今日はここまで

筋肉動画は、日本人としては異例のバルクを誇っていた「マッスル北村」こと北村克己さん

ステロイド疑惑など、様々な問題がありましたが・・・それでも、日本人でこれは素晴らしいですよね

常に笑顔で優しい、いい人でした

ですが減量によって死去

たしか40歳くらいだったと思います

http://www.youtube.com/watch?v=KmT-vn-r5Fk  


素晴らしい人ほど短命なものですよね、悲しいです

それではおやすみなさい


571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 23:13:21.94 ID:XWIhNieDO
>>1乙である
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 23:50:17.45 ID:hKRDyvREo
乙なんだよ!
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/01(木) 02:52:39.34 ID:NXLhbl4wo
ボディビルの画像食い入るように見てたら
後ろに家族が居た、変な誤解されなきゃいいけど……
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 08:46:46.77 ID:pw8LN67IO
>>573
母、妹「573ってやっぱり……アッーーー♂」
父「ハァハァ」
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 13:19:45.72 ID:2I22yV/SO
>>574
おい父wwwwww
576 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:46:56.77 ID:kUg7PzsI0
>>573 
母、姉、妹 「ダメだこいつ」
父「や ら な い か」 
犬「あうーん!!クンクン、ハァハァペロペロチュッチュ」
  

いいじゃない、ボディビルの何が悪いんだ

みんなに公言すればいいんですよ、俺はサトリナが好きなただのノンケだって

では続き


577 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:47:56.40 ID:kUg7PzsI0
10033「怖くない怖くない・・・」

番外「ミサカの一方通行・・・」

打ち止め「楽しみだね!」

一方「・・・なァ、意見を統一しろ」

番外・打ち止め・10033「ドキドキする」

一方「それでいいンだよ・・・楽しみにしとけ」

両手を力強く握られながら、一方通行が前を見る

彼等は前から6両目に座っている

全体ではちょうど真ん中辺りだ

スリルが減る場所ではあるが、初めて乗るのだからここで問題はないだろう

一方「つゥかよ・・・隣、やっぱり誰か乗せられるンじゃねェの」

番外「今日はバレンタインだよ?まさか、一人で来るお客なんて・・・」


食蜂「横失礼しま・・・」

一方「」

食蜂「」


578 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:48:26.01 ID:kUg7PzsI0
番外「あれ?食蜂じゃん」

10033「知り合いですか?」

打ち止め「だ、誰なのこの美人!?」

10033「一方通行・・・あなた、こんな美人なセフ・・・」

一方「ちげェ・・・こいつは食蜂だ、第五位だ」

番外「ちなみにお姉様と同じ学校の生徒だよ」

10033「なるほど・・・それはつまり一方通行のセフ」

一方「ちげェンだよ!」

食蜂「・・・全員妹達ね、羨ましいわぁ」

食蜂が番外個体の隣に座る

番外「でもなんで食蜂はこんなとこにいるの?」

食蜂「・・・バレンタインだからってみんな張り切っちゃってるからさ」

食蜂が眉をひそめる

食蜂「あぁ羨ましいわよね!世の中のカップルはデートとかして楽しんでるんでしょうねぇ!」

打ち止め「お姉さん、涙拭いて」


579 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:49:17.59 ID:kUg7PzsI0
食蜂「ありがとう・・・」

一方「泣くほどのことかよ」

10033「・・・なんだか哀れですね」

食蜂「・・・だから、悲しくてはしゃいでやろうと思ったのよ」

番外「ふーん・・・まぁいいんじゃない?ミサカは食蜂のこと可愛いと思うけど」

食蜂「え・・・?」

番外「食蜂って彼氏いないんだよね・・・意外だなぁ」

安全バーを確認しながら番外個体が何気なしに呟く

食蜂「・・・番外個体、あなた可愛いわよね・・・」

番外「ん?ありがと・・・」

10033「あの、もしかしてあなたはレズですか?」

食蜂「ち、違うわよ!?」

一方「ぎゃあぎゃあ騒ぐな・・・そろそろ始まるからちゃンと心の準備しとけよ」

打ち止め「でも、どうせデッドコースターなんて名前だけだよね!」


580 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:50:08.11 ID:kUg7PzsI0
10033「そ、そうですよね!怖いわけがないですよね!」

一方「だったら手を強く握るな」

10033「怖いんだから仕方ないじゃないですか!」

一方「怖いンじゃねェか!」

番外「・・・ミサカの一方通行に手出さないでよね!」

10033「そんなこと考えてないですから!とにかく怖いんですよ!」

食蜂「・・・なんか賑やかな四人ね」

打ち止め「お姉さんは一人だけでよく来れたね!」

食蜂「そんなこと言わないでよ!」

10033「怖いです高いです泣きたいです!」

番外「ミサカのもんに手出すな!代われその場所!」

食蜂「もう安全バーつけたから無理じゃない」

打ち止め「見て見て!人が小さく見える!」

10033「ぎゃぁぁぁ!やっぱり高いんですね!」


581 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:51:10.14 ID:kUg7PzsI0
番外「だから抱き着くんじゃねぇ!胸とか押さえ付けたらぶん殴るぞ!」

食蜂「楽しみ・・・ねぇねぇ!どんな風な動きするのかしらねぇ!」

一方「お前ら少し黙れよ!」

一方通行が叫んだのと同時にコースターが動き出す

食蜂「来た来た!ねぇ、スピードはどれくらいかしらね!」

打ち止め「きっと速いんだよ!」

10033「一方通行・・・ミサカ、あなたのことが大好きです・・・」

番外「ミサカのもんだって言ってるだろうが!叩き落とすぞ!」

10033「いやぁぁ!こんな高い所から落とさないで下さい怖い!」

一方「お前ら黙れよ・・・」

ガタガタという音を鳴らしながら少しずつ空へと向かっていく

実際はただレールの上を移動しているだけなのだが、まるでそのまま空へとダイブするのではないかという錯覚に陥る

不気味に鳴り響くレールの音は、天国までのカウントダウンだろうか

風が吹いただけでレールが横揺れしている気がする


582 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:51:54.47 ID:kUg7PzsI0
故障が発生するのではないか、安全バーが壊れないか

そんなことを考えてしまうことだけでも十分にホラーマシンなのだ

10033「一方通行・・・愛していました!多分14510号や20000号にも負けないくらいに愛していました!」

一方「お前何言ってンだよ」

番外「・・・ねぇ、なんかミサカヤンデレになりそうだ」

食蜂「すごいすごい!どんどん高く昇っていく!」

打ち止め「見て!ミサカ達のマンションが見える!」

10033「いぃやぁ!一方通行!一方通行ァァ!」

一方「騒ぐな!めンどくせェヤツだな!」

番外「そうだそうだめんどくさい!」

10033「ミサカにどうしろと!?」

一方「俺にどォしろって言うンだよ!?」

10033「あ、あれ!?止まりましたよ!?」

10033号があたふたとする

コースターが動きを止めたのだ


583 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:52:29.91 ID:kUg7PzsI0
ヒュウヒュウという音が、余計に不安を煽る

恐らくそれは風の音だ

まるで自然さえもが10033号を怖がらせようとしているようにさえ思える

番外「あ、多分頂上に着いたんだよ」

10033「頂上・・・?」

打ち止め「これからが楽しい時間だよ!」

食蜂「どれくらいスピード出るのかしら!」

一方「・・・たしか、遊園地のパンフレットには」

一方通行がパンフレットの文章を思い出したのと、再びコースターが動いたのは同時だった


一方「時速200キロ超えてるはずだったな」

10033「!?」

一瞬にして、地面が近づいてくる

今まで経験したことのない、不思議な感覚が胸を襲う

いわゆるGというものだ、あまりにも速い速度で移動したために胸を押し付けるような感覚が襲ってくるのだ

10033「落ちてます落ちてます!」


584 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:53:23.53 ID:kUg7PzsI0
一方「こりゃすげェ」

声はかろうじて出せた

だがそれも凄まじい風の音に掻き消される

レールもギシギシと軋んでいる

世界の縦横があべこべになり、急速に後ろへ流れていく

それを横目で確認することは出来ない

とにかく、近づいてくる地面だけを見つめていた

食蜂「おわっ!」

地面に激突するのではないか、という不安が募り始める前に、コースターはまた空へと昇っていく

10033「・・・」

番外「あ、なんか目の焦点が合ってない」

打ち止め「なんだかトリップしてるね」

食蜂「でも今度の頂上はもっと高いわよ?」

レールの先を指差しながら食蜂が言う

あまりにも先にありすぎるため、それは点にしか見えなかった

一方「今度はあそこから落ちるンだな」


585 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:54:07.41 ID:kUg7PzsI0
10033「!?落ちるんですか!?」

番外「あ、戻ってきた」

一方「落ち着け・・・」

一方通行が10033号の手を強く握る

安心させるための行動だったが、なぜか10033号は顔を真っ赤にする

番外「あぁぁぁ!」

打ち止め「一方通行、ミサカも怖い・・・」

一方「あァ?お前もか」

一方通行が打ち止めの手も強く握る

打ち止め「//」

番外「うわぁぁぁ!ミサカの一方通行なのにぃ!」

一方「落ち着けよ・・・」

食蜂「アンタモテるわねぇ」

一方「うるせェ・・・冷やかすな」

10033「もう、抱かれてもいいです」


586 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:54:58.83 ID:kUg7PzsI0
食蜂「・・・ほら、静かにしないと舌噛むわよぉ」

10033「ひぃっ!」

コースターが動きを止めた

もう分かる、すぐさま落ちるのだ

10033「一方通行!大好きです!」

打ち止め「ミサカも大好きだよ!」

食蜂「私も好きって設定にしておこうかしら」

番外「ミサカが一番愛してるんだよ!」

10033「ぎゃああ!動き始めました!」

ビュン、と風を切りながらコースターは進む

10033「うぇ・・・」

一方「吐くンじゃねェぞてめェ!」

番外「ミサカもアナタと手を繋いでロマンスしたかったな」

一方「何暗くなってンだよ・・・」

10033「もう!もう下り終わりましたね!」

食蜂「この後は縦の回転、横の回転が加わるみたいね」

打ち止め「ミサカ、楽しみだよ!」

一方「・・・10033号、大丈夫か?」

10033「大丈夫じゃないです・・・もう少し手を繋いでて下さい・・・」

番外「・・・」



587 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:56:04.76 ID:kUg7PzsI0



10033「・・・もう乗りません、もう二度と乗りません」

打ち止め「楽しかったのに・・・10033号はああいうのが苦手なの?」

10033「初めて気づきましたが・・・ダメみたいです」

食蜂「私は楽しかったわ・・・ありがとぉ」

打ち止め「お姉さん、帰っちゃうの?」

食蜂「あなた達の楽しい時間を邪魔は出来ないから」

食蜂が手を振りながら去っていく

一方「・・・あいつ、何しに来たンだ」

打ち止め「・・・きっと寂しかったんだよ」

10033「うぇぇ・・・」

一方「・・・お前、マジで大丈夫かよ」

10033「ちょっとまずいですね・・・ゲコ太ショーまでもう少し時間がありますよね・・・?」

一方「あるけどよォ・・・」

10033「ミサカはここでしばらく休憩しときます・・・」

一方「じゃあ俺はこいつの看病でもしとくか」

番外「え・・・」


588 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:56:51.04 ID:kUg7PzsI0
一方「吐きそうならトイレ行けよな」

打ち止め「じゃあミサカと番外個体はもう一回デッドコースターに乗ってくるね!」

番外「ちょ、ちょっと・・・」

打ち止め「ミサカだけじゃ保護者がいないからって断られるもん!」

番外「そうかもしんないけど・・・」

一方「行ってやれよ、番外個体」

番外「ア・・・」

番外個体が何かを言おうとした

だが、途中でそれを止める

番外「分かったよ・・・ミサカ、行ってくる」

打ち止め「じゃあ10033号をよろしくね!」

一方「あァ」

10033「申し訳ないです・・・うっ・・・」

一方「はしゃぎすぎなンだよ・・・」


589 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:57:28.73 ID:kUg7PzsI0
番外個体と打ち止めの背中を見送りながら一方通行が苦笑する

苦笑、というのも彼にはあまり似合わない表情だった

だが似合わないだけで、決してぎこちないものではなかった

かつての彼を知っている人間が見れば驚くだろうが、今の彼を知っている人間ならばなんとも思わないだろう

10033「・・・もう少し落ち着きを持つべきでした・・・」

一方「ほら、背中摩ってやるから・・・」

10033「!?だ、大丈夫ですから!」

一方「あ、あァ・・・」

10033(ア・・・一方通行に摩られたらドキドキして大変なことになります・・・)

一方(・・・はン、なンだかンだ言っても警戒されてンのかもな)

10033「・・・あの、そのかわり・・・」

一方「なンだよ」

10033「・・・い、いえ」

10033号が顔を反らす

恋する乙女は時として素直になれないこともある



590 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:58:20.21 ID:kUg7PzsI0


番外「・・・」

安全バーを降ろし終わった番外個体が、下を見下ろす

あまり細かくは見えないが、10033号と一方通行が仲良くベンチに座っているのは見えた

遠くから見ているとカップルにさえ見えてしまう

番外「・・・」

打ち止め「ねぇ、番外個体」

番外「・・・何さ」

打ち止め「ヤキモチなんて似合わないよ」

番外「!上位個体・・・」

打ち止め「それに・・・大丈夫、一方通行は番外個体にしか興味がないから」

番外「・・・そうかな、今日はやけに10033号に優しくしてたけど」

打ち止め「それはミサカだからだよ」

番外「どういうことさ」

打ち止め「・・・一方通行は、妹達を守るって決めたんだよね」


591 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:58:52.22 ID:kUg7PzsI0
番外「・・・うん」

打ち止め「それは10033号だって、ミサカだって含まれてる」

番外「ミサカも・・・」

打ち止め「違う、番外個体は違うんだよ」

番外「・・・ミサカは違うの?」

打ち止め「番外個体が妹達じゃなくても・・・あの人はあなたを守るんだよ」

番外「・・・どうして?」

打ち止め「恋人だから・・・ううん、番外個体が誰よりも大切だから」

番外「・・・」

打ち止め「ヤキモチなんてやめて・・・ミサカのほうが妬きたいんだもん」

番外「上位個体・・・」

打ち止め「でもね、あの人には番外個体しかいないから」

番外「そんなことないよ・・・一方通行は、誰だって」

打ち止め「世界中の中から番外個体を選んだんだよ?だったらそれを幸せに思って」



592 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 14:59:20.38 ID:kUg7PzsI0
番外「幸せ・・・」

打ち止め「・・・ミサカが・・・手にしたかった幸せなんだから」

番外「上位個体・・・!」

打ち止め「だから暗くなったらダメ!気まずくなるのはやだもん!」

ニコニコと笑いながら、打ち止めが前を指差す

打ち止め「動き始めたよ!」

番外「う、うん・・・」

ギシギシというレールの音も、段々と上がっていく視界も気にならなかった

先程も一度経験したのだから

そんなもの、番外個体は気にならなかった

ただ、隣から聞こえる小さな嗚咽だけは聞こえていた

番外「・・・上位個体、ゴメンね」

打ち止め「番外個体じゃなきゃ・・・あの人を幸せに出来ないから」

番外「・・・ミサカ、幸せだよ・・・すっごい幸せだよ」


593 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:14:30.67 ID:kUg7PzsI0
打ち止め「よかった・・・」

番外「・・・ヤキモチなんて馬鹿馬鹿しいよね、やめたやめた!」

コースターが動きを止めた

一回目は、少しだけその場で停止する

だから、番外個体は打ち止めの方を見つめた

番外「憎しみしかなかったミサカが・・・愛情なんて抱いてるんだからさ」

打ち止め「・・・羨ましいな」

番外「・・・上位個体もいつか、幸せになれるよ」

打ち止め「・・・うん」

ガクン、とコースターが動き出す

周りに乗っているカップルは楽しそうな悲鳴を上げる

たくさんの幸せの中、打ち止めは苦笑いを浮かべていた

打ち止め(違うんだよ、番外個体・・・)


打ち止め(ミサカの幸せは・・・もう、実らないんだ)

打ち止め(だから、せめてあなたの幸せを・・・少しでも共有させて)

打ち止め(あなたと・・・あの人の傍にいられることが私の幸せだから)



594 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:15:04.44 ID:kUg7PzsI0

10033「あ、お帰りなさい」

打ち止め「ただいま!」

番外「楽しかったな!」

番外個体がいきなり、一方通行に抱き着く

一方「おい・・・」

番外「ねぇねぇ、早くゲコ太ショー行こうよ!」

打ち止め「10033号、調子はどう?」

10033「もうバッチリですよ」

番外「ほら、だから早く行こうよ!」

一方「あァ分かったからそンなに急かすな・・・」

四人がゲコ太ショーの行われる広場まで向かう

打ち止めと10033号は年齢的に問題ない

番外個体は年齢的に問題がある

一方通行は絵面的に問題がある


595 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:15:38.06 ID:kUg7PzsI0
一方「・・・なァ、打ち止め」

前を歩くのは番外個体と10033号

見た目の年齢が高い二人のほうがはしゃいでいる

なんともおかしな光景だ

打ち止め「なに?」

一方「・・・番外個体に何か言ったのか」

打ち止め「あれ・・・どうして分かったの?」

一方「あいつの機嫌が良くなってンだよ」

打ち止め「・・・そっか、機嫌悪かったのにも気づいてたんだね」

一方「当たり前だろォが」

何気なく、一方通行が答える

彼にとって、番外個体の変化に気づくことなど当たり前だった

それが当たり前になっていることが、打ち止めにとっても幸せだった

しかしなぜか少しだけ胸を締め付けられる

打ち止め「・・・アナタは、番外個体だけを愛してるって言ってあげたの」


596 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:16:45.99 ID:kUg7PzsI0
一方「あいつヤキモチでも妬いてたのかよ」

打ち止め「・・・うん、だからヤキモチなんて妬く必要ないって」

一方「ありがとよ」

打ち止め「アナタ達が喧嘩したら大変だもん!」

一方「・・・なァ、打ち止め」

打ち止め「何?」

一方「お前・・・幸せか?」

打ち止め「・・・」

打ち止めが口をつぐむ

本当なら、すぐに答えられるはずだった

だがその幸せは、百パーセントの物ではない

本当は一方通行を独り占めして、彼を愛して、彼に愛されたかった

ませた子供だと思われても構わない

打ち止めにとって一方通行は初めて出来た家族であり、初めて笑ってほしいと思った相手だったのだから


597 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:17:12.32 ID:kUg7PzsI0
打ち止め「・・・ヒーローさんがね」

一方「上条か」

打ち止め「・・・言ってたんだ」

一方「何をだよ」

途切れ途切れの言葉を、打ち止めが続ける

打ち止め「インデックスっていう人には泣いてほしくなかった」

一方「・・・」

打ち止め「そしてお姉様には・・・笑っていてほしかったんだって」

一方「あいつらしいな」

打ち止め「それがすっごくかっこよくて・・・羨ましかった」

打ち止めが笑う

それは、子供の浮かべるものとは思えないほど儚い笑顔だった

打ち止め「インデックスさんは守る対象・・・でも、お姉様は幸せにする対象だったんだなって」

一方「・・・」

打ち止め「一方通行、アナタは・・・」


打ち止め「番外個体に笑っていてほしくて、ミサカには泣いてほしくないんだよね?」


598 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:19:43.26 ID:kUg7PzsI0
一方「・・・どォいうことだ」

打ち止め「ミサカを家族として見ていて、番外個体は愛する人として見ているってこと」

一方「・・・そォか」

つまらない話だ、と一方通行が吐き捨てる

子供は子供らしく笑っていればいいのに

打ち止め「・・・それでもいいんだ、アナタと番外個体の幸せを見ているだけで、ミサカも幸せだから」

一方「ならお前は今、幸せなんだな」

打ち止め「・・・うん」

それは決して、一方通行によって作られた幸せではなかった

一方通行の幸せを眺めて、無理矢理作り出した偽りの幸せだったのだ

遠くから綺麗な物を見つめて心を清めるのに似ている

実際に美しいのはその物であって、自分の心ではない

打ち止め「・・・ミサカね、アナタのことが大好き」

一方「分かってる」


599 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:20:12.75 ID:kUg7PzsI0
打ち止め「・・・番外個体のことが大好き」

一方「あァ」

打ち止め「でも・・・なんでかな、二人が幸せなのを見てるとモヤモヤする時があるんだ」

一方「・・・」

無言のまま、一方通行が打ち止めの頭に手を乗せる

その優しい温もりは、ロシアで打ち止めを抱きしめたものと同じだった

いつまでも変わらない、無くなることはないが、大きくなることもない温もり

一方「・・・いつかお前にも別の幸せが訪れる」

打ち止め「ミサカの幸せは・・・」

一方「決め付けるな、それは今のお前の考えだ」

打ち止め「・・・そうだね」

一方「急ぐぞ、あいつらはもォ着いてやがる」

広場の前に出来ている人垣

その中に見慣れた姿を見つけた


600 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:21:06.91 ID:kUg7PzsI0
番外「早く早く!」

一方「分かってる・・・」

10033「一方通行!上位個体!」

打ち止め「うん!」

打ち止めが一方通行の手を握る

一方「・・・打ち止め、ありがとよ」

打ち止め「うん」

一方「・・・お前にも早く、幸せが来るといいな」

打ち止めが小さく頷く

そして、すぐに口を開いた

打ち止め「・・・でも、忘れないで」

一方「・・・なンだよ」

打ち止め「・・・たしかに、ちょっと寂しい時もあるけど」

駆け出しながら、打ち止めが笑う


打ち止め「それでもやっぱり、ミサカは幸せだよ!」



601 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:22:18.70 ID:kUg7PzsI0
バレンタイン編終了

それぞれのカップルを描きたかったけど、詳しくやりすぎると取りとめがなさそうなのでこれくらいで

次は、風紀委員に捕まったていとくん編





黒子「ジャッジメントですの!強盗、傷害の現行犯・・・」

初春「白井さん!こっちも終わりました!」

黒子「よくやりましたの!」

風紀委員

学園都市の治安を守るため、学生によって結成された組織

得に収入があるわけではないが、就職や進学に便利であったり、飲食店のクーポンがもらえたりもする

それを目当てで入ったが最後、地獄を見て諦める羽目になるのだが

そんな風紀委員の中で、活躍している二人がいる

黒子「全く・・・張り合いのない相手ばかりですわね」

空間転移能力の持ち主、白井黒子

初春「いいじゃないですか、平和なんですから」

コンピュータのプロフェッショナル、初春飾利

この二人の活躍は、風紀委員の間でもかなり広まっている

もちろん、中には尾鰭のついた噂もあるが


602 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:22:53.65 ID:kUg7PzsI0

そんな二人は本日、パトロールの仕事をしていた

バレンタインの翌日ということもあり、気の抜けた学生が問題を起こすのだ

初春「はぁ・・・昨日は散々でした」

黒子「あの後はどうでしたの?」

初春「すぐ帰りましたよ・・・白井さん、削板さんとどっか行っちゃうんですから」

黒子「昨日は素晴らしかったですわ・・・こう、わたくし一皮剥けましたの」

初春「・・・何したんですか」

黒子「あなたの考えて・・・」

呆れたように首を振った時、遠くに何かが見えた

黒子「!煙・・・」

初春「あっちはたしか・・・ただの大通りですよね」

黒子「事故かもしれませんわね、行きますわよ!」

初春「で、でもこの人達・・・」

二人の足元には強盗紛いなことを働いた無法者が転がっている


603 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:23:21.08 ID:kUg7PzsI0
黒子「すぐに他の風紀委員が来ますの、今はあちらが優先ですわ!」

初春「わ、分かりました!」

黒子が初春の手を掴む

一瞬にして、かなりの距離を移動する

風紀委員においても、黒子の能力はかなり有効なものだ

黒子「・・・あら、事故ではないようですわね」

大通りの近くに移動したものの、そこには異常がない

初春「あっちの裏路地から煙が上がってますよ?」

黒子「はぁ・・・スキルアウトが花火でもやってるんでしょうか」

もう一度空間転移を使い、裏路地に入る

スキルアウトのたまり場になっているのだろう、あちこちにタバコの吸い殻や鉄パイプが落ちている

治安が良くなったとは言っても、未だに能力のないことにコンプレックスを持つ人間はいるのだ

初春「・・・音がしますね」


604 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:24:15.62 ID:kUg7PzsI0
黒子「・・・なんの音でしょうか、ずいぶんと大きいですわね・・・」

初春「・・・こんな音、初めて聞いたかもしれません」

耳を澄ますと、裏路地の先から悲鳴と何かを壊す音が聞こえる

一般学生がスキルアウトに絡まれているのか

初春「行きましょう!」

黒子「はいですの!」

勢いよく駆け出し、音のした方向に辿り着いた

黒子「風紀委員ですの!大人しく・・・」


垣根「てめぇらふざけてんじゃねぇぞぉ!」

スキルアウト「ひぃぃっ!」

黒子「」

初春「」




605 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:25:10.99 ID:kUg7PzsI0


垣根「ははは!いい度胸だ、俺に喧嘩を売るなんてなぁ!」

スキルアウト達はやられているほうだった

裏路地の宙には垣根が浮かんでいる

いや、飛んでいると言ったほうが近いだろうか

純白の翼を背中に生やし、遥か上空からスキルアウトを見下していた

黒子「な、何をされていますの垣根さんは・・・」

初春「絶対、絶対何か理由があるはずです!」

垣根「あぁ?白井に初春じゃねぇか・・・そうか、風紀委員だもんなお前ら」

ジロリと横目で二人を確認し、つまらなそうにそんな言葉を吐く

黒子「大人しくされて下さいな、垣根さん!」

垣根「・・・こいつらだけは潰さなきゃならないんだ」

初春(まさか・・・まさか、そんなに大層な理由が?)

黒子(・・・よほど怒っていますのね)

垣根「こいつらは俺の・・・」


606 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:25:44.45 ID:kUg7PzsI0

翼を振りかぶり、それを鈍器として扱う

わざわざスキルアウト相手に全力を出す必要などない


垣根「俺の名前を垣根ていと、って言いやがったんだ!」

黒子「は?」

初春「え?」

垣根「確かにていとくんって呼ばれてるけどなぁ!」

凄まじい轟音と共に、強大な烈風が巻き起こる

初春「くっ・・・ってあれ?」

黒子「わ、わたくし達のいる場所だけ無傷ですの・・・って今はそうではありませんわ!」

黒子が地面を転がっていくスキルアウトを掴む

黒子「初春、署に連絡!不正な能力使用により、一名拘束!」

初春「あ、あれをどうやって拘束するんですか!?」

黒子「垣根さん!」


607 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:26:14.43 ID:kUg7PzsI0
垣根「なんだよ!俺の怒りは収まらねぇ!あぁ、燃えたぎって火花を散らしてるんだよぉ!」

黒子「あなたの名前は・・・帝督ですの!」

垣根「はっ!」

黒子「ていとでも、提督でもなく・・・帝督ですの!」

初春(最後の二つ、何が違うんですか?文面じゃないと分かりません)

垣根「・・・」

翼を畳んだ垣根が、空から下りて来る

そのままがっくりと膝をつき、その場に崩れ込んだ

垣根「悪気はなかったんだ・・・」

初春「もろにあったじゃないですか・・・」

垣根「なのに・・・なのにあいつらはぁ・・・!」

初春「ミステリーっぽくしてもダメです、支部まで着いてきて下さい」

垣根「ちぇー」

黒子「はぁ・・・転がっているスキルアウトは他の風紀委員に任せますの」


608 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:26:41.21 ID:kUg7PzsI0
初春「デジャヴュです」

垣根「・・・お父さんお母さん、都会って怖いです」

黒子「黙って歩いて下さいな」

電子式の手錠を垣根の腕に嵌める

鍵を紛失することがない、こじ開けられることがない、かなり便利な物である



垣根「こんなもの、必要ないってのー」

垣根が手錠を見つめて言った途端、変な音を立てて手錠が取れた

黒子「こ、故障ですの!?」

垣根「電子式だったらさ、御坂とかだったら簡単に破れちまうだろ?ちゃんと対策取れよ」

初春「か、垣根さんはどうやって・・・」

垣根「未元物質で電子を操りました」

黒子「でたらめですの・・・」

垣根「正しい動き以外をさせれば、大抵こんなのは壊れるんだよ」


609 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:27:09.06 ID:kUg7PzsI0
黒子「!こ、これ高いんですのよ!?」

垣根「後で弁償してやるよ」

初春「・・・事情聴取、もう始めていいですか?」

垣根「歩きながらか、いいぜ」

黒子「では・・・スキルアウトにはそもそもなぜコンタクトを・・・」

垣根「あいつらが金よこせって叫びながら鉄パイプで殴ってきた、多分近くに落ちてるはずだぜ」

黒子「あぁ、そういえば裏路地の入口・・・って、それじゃスキルアウトも加害者ではありませんか!」

垣根「で、未元物質使って鉄パイプ弾いたら・・・」


垣根「やべぇ!こいつ、垣根ていとだ!」


垣根「って言いやがったんだ、人の名前間違えるのと顔を指差すのはダメだと思うんだ、僕」

初春「誰ですか」

黒子「はぁ・・・つまり、過剰防衛ですのね」

垣根「あーあ、今日はせっかく学校サボったのによぉ!」


610 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:27:36.31 ID:kUg7PzsI0
黒子「な、なんでサボったんですの?」

垣根「行くのがめんどくさかった」

初春「でも彼女さんも行ってるんですよね?」

垣根「心理定規は真面目に行った」

黒子「はぁ・・・垣根さんも真面目に行かれたほうが・・・」

垣根「俺の未元物質に常識は通用しねぇ」

黒子「あなたに常識がないんですの」

垣根「・・・にしても、裏路地を女の子二人と歩く・・・か」

初春「・・・はい?」

黒子「な、何を考えていますの!?」

垣根「おっぱい揉もうと思ったけどやめた、お前ら無いもんな」

初春「ありますよ!」

垣根「ふーん、証拠は?」

初春「しょ、証拠は・・・」

垣根「揉めば分かるってか!誘ってるねぇ初春!」


611 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:28:05.36 ID:kUg7PzsI0
初春「誘ってません!」

垣根「冗談だ・・・あんまり悪ふざけしすぎると心理定規に怒られるからな」

黒子「はぁ・・・空間転移、使ってもよろしいでしょうか」

垣根「あぁ」

黒子が垣根と初春の手を掴む

一分ほどで、彼女達の支部に着いた

黒子「着きましたの」

垣根「相変わらず便利な能力だな」

黒子「・・・あなたのそれには言われたくありませんわ」

初春「さて・・・まずは書類を書かないと・・・」

垣根「いいじゃん、優しい垣根は反省しました、おしまい」

黒子「終わらないで下さいな」

垣根「だってさ・・・お前ら忙しいんだろ?書類めんどくさいだろ?」


612 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 17:29:11.27 ID:kUg7PzsI0
黒子「仕事ですので」

垣根「お父さんお母さん、私はついに前科持ち」

黒子「少し黙っていて下さいな・・・初春、まずは飲み物の用意ですの」

初春「はーい」

支部のソファーに腰掛けた垣根と黒子

初春が飲み物を準備している間、なぜか気まずい雰囲気だった

垣根「・・・そういえばお前と二人きりになるって中々ないよな」

黒子「そうですわね・・・というより、あなたと二人きりになるとセクハラされそうですの」

垣根「しねぇよ・・・」

黒子「わたくし、垣根さんとの初対面でいきなり胸を揉まれたのは覚えていますの」

垣根「あぁ・・・削板には悪いことしたな」

黒子「論点がズレてますの」

垣根「でも、俺は今はもう落ち着いた大人だぜ?」

初春「名前間違えられただけで暴れるくせに・・・」

垣根「揉むぞ」

初春「ひぃっ!!」

黒子(・・・垣根さんの揉むは、揉みしだくの間違いですの)


613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/01(木) 17:50:36.22 ID:48zZOg8co
今更だけど禁書目録たんだと19999号は一番低くて冷徹な声なんだよな…
製作者なにやってるんだ
614 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 18:17:50.56 ID:kUg7PzsI0
>>613 落ち着いて、19090号だ

アニメでは19090号めっちゃ可愛かったのに、たんのほうでは10033号が一番可愛かった


初春「・・・罪状は暴行・・・」

垣根「膀胱?」

初春「セクハラも加えておきますね」

垣根「咥えて起きます?」

初春「垣根さん、それ以上言ったら録音して証拠取りますよ?」

垣根「ごめんなさい」

黒子「はぁ・・・垣根さんは初犯ですのね」

垣根「当たり前だろ、悪いことは隠れてやるんだ」

初春「前に私の肩を外したときは目立ってたくせに・・・」

垣根「うるせぇな、あれは悪かったよ」

初春「謝って許されることじゃありません!!」

垣根「じゃ、じゃあ・・・体で支払えって言うの!?鬼畜!!!」

初春「白井さん、この人殴って良いですか」

黒子「蹴ってもいいですの」

垣根「やめてください」


615 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 20:35:54.05 ID:kUg7PzsI0
初春「・・・はぁ、まだ他の仕事もあるのに・・・」

垣根「どんなのがあるんだよ?」

黒子「あなたの手は借りませんの」

垣根「貸すかよバーカ!!」

いじけたように言ってから、垣根がソファに寝転がる

初春「・・・何してるんですか?」

垣根「疲れたんじゃありません、初春のパンツを見ようとしてるんです」

初春「白井さん、この人通報しましょう」

黒子「ここが風紀委員ですの・・・それより、調書をさっさと書きますの」

垣根「イケメンなことです」

黒子「長所じゃありませんの、そして自分で言わないでくださいな」

616 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 21:11:54.21 ID:kUg7PzsI0
垣根「・・・にしても、相変わらず殺風景な部屋だよな」

垣根が部屋を見渡す

書類やパソコン、手錠などの仕事関係がほとんどを占めている

残りも、ティーセットとソファーなどという、休憩のためのものだけだ

垣根「・・・なぁ、なんでもっと派手にしないんだ?」

初春「派手にする理由がありませんから」

パソコンで作業を進めながら、初春がそっけなく答える

垣根「・・・もったいないな、こんないい建物なのに」

黒子「仕事場をオシャレにする必要はありませんの」

垣根「いやいや、仕事場をもっと好きに・・・」

初春「黙れ犯罪者」

垣根「ごめんなさい」

黒子(初春がなぜか怖いですの)



617 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 21:49:28.02 ID:kUg7PzsI0
垣根「・・・」

初春「あ、そういえば私・・・ちょっと外に用事があるんですよ」

黒子「またパフェでも食べに行くんですの?」

初春「違いますよ・・・他の支部のセキュリティの構築も頼まれてるんです」

黒子「あぁ、破壊された支部ですのね・・・」

初春「はい、ちょっと行ってきますね!!」

初春がパソコンを持ち、支部から出て行く

彼女なら2時間もすれば終わらせられるだろう

黒子「・・・」

垣根「二人になったな」

黒子「・・・そうですわね」

垣根「・・・とりあえず、コーヒー淹れようか」

黒子「お願いしますの・・・」

珍しい組み合わせの二人が、気まずそうにコーヒーを飲む


垣根(・・・え、マジで二人なの?)


618 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/01(木) 21:55:23.08 ID:kUg7PzsI0
今日はここまで

明日もていとくんと黒子の悲しい悲しい二人きりタイム・・・かも

筋肉動画は昨日に続き日本人のビルダー

山本義徳さん

下半身はバルクが若干ないと言われますが、上半身、特に腕は恐ろしいです

上半身だけなら山岸選手を超えているという意見もあります

http://www.youtube.com/watch?v=Vw5x4_7ttK0  

顔がドイツ人っぽいですが、完全な日本人ですw


ではおやすみなさい


619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/01(木) 22:44:05.49 ID:HAJxNtyuo
>>1乙!

これで思い出したんだが黒子って初めて垣根に会ったときにいかされてるんだよな
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 22:45:48.86 ID:pMa7T+lqo
乙なんだよ!
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 22:48:51.00 ID:5Kp4kbIWo
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 23:17:40.51 ID:2I22yV/SO
イク前に心理さんがとめてなかったっけ?
623 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:38:41.61 ID:5NDFpVM70
黒子「・・・あの、垣根さん」

垣根「なんだよ」

黒子「ご相談があるのですが・・・よろしいでしょうか」

垣根「おっぱいを大きくしたいって?揉んでやるからとりあえず脱げよ」

黒子「や、やっぱりいいですの!」

垣根「冗談だ・・・ったく、なんでマジに受け取るんだか」

黒子「当たり前ですの・・・垣根さんは普段からセクハラ発言のオンパレードですもの」

垣根「で?相談はなんなんだよ」

黒子「あの・・・わたくし、軍覇さんのことをさん付けで呼んでいますわよね?」

垣根「あぁ」

黒子「・・・垣根さんは心理定規を呼び捨てにしてますの」

垣根「はぁ?だからなんだよ」

黒子「お姉さまは上条さんを、上条さんはお姉さまを呼び捨てにしてますの」

垣根「だから・・・?」


624 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:39:14.98 ID:5NDFpVM70
黒子「わ、わたくしも軍覇さんを呼び捨てにするべきなのでしょうか!?」

黒子が必死といった感じで垣根に問い掛ける

垣根「知るかよ、本人に聞け」

黒子「それが出来るならあなたに尋ねてはいませんの・・・」

垣根「呼び捨てでもさん付けでも、お前達が恋人なのには変わりないだろ」

呆れたように垣根が答える

もちろんその通りなのだが、それでは何の解決にもならない

黒子「ですが・・・やはり、親密さを増したいんですの」

垣根「なら呼び捨てにしろよ」

黒子「で、ですが軍覇さんはわたくしの礼儀正しい所を愛して下さっていますの!」

垣根「あぁうぜぇ!なら呼び捨てにするなよ!」

黒子「ですが親密さを・・・」

垣根「一日の始まりにクジでも引いて決めたら!?今日は呼び捨て、明日はさん付けとか!」

黒子「そんな適当な関係はイヤですの!」

垣根「なんなんだよお前!?」



625 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:39:45.46 ID:5NDFpVM70
黒子「はぁ・・・どうすればよろしいのでしょうか」

いかにも真剣な黒子

垣根「・・・呼び捨てじゃなくても親密だと思うけどな」

黒子「・・・そうでしょうか」

垣根「親密ってのは心と心の問題だ、名前なんていう字面だけでの問題なわけねぇだろ」

黒子「・・・ですが、まずは形から入りたいんですの」

垣根「愛に形なんてない、結局フワフワとしたままなんだよ」

黒子「・・・掴めないではないですか」

垣根「だから掴もうともがくんだろうが、分かってないな」

黒子「・・・呼び捨てというのは、いきなりされたら驚きますの?」

垣根「そうは思わないぜ、黒子」

黒子「な、ななな何を・・・」

垣根「あぁ、やっぱり下の名前をいきなり呼び捨てはきついな」

黒子「そ、そうですのね!」


626 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:40:28.77 ID:5NDFpVM70
垣根「何焦ってんだよ」

黒子「・・・垣根さんは・・・心理定規を呼び捨てにすることに抵抗はありましたの?」

垣根「ないな、出会った時から呼び捨てだ」

黒子「それは羨ましいですわね・・・」

垣根「・・・」

コーヒーを置いた垣根が、ぽつりと呟く

垣根「羨ましいな、お前達はまだまだこれからの恋愛って感じで」

黒子「?垣根さん達もまだまだですの」

垣根「愛を伝え、夜を過ごし、共に暮らして・・・この後には何がある?」

黒子「結婚がありますの」

垣根「知ってるか?男は怠惰から結婚し、女は物好きから結婚するらしいぜ」

黒子「そんなことありません、あなたと心理定規の関係はそんな物ではありませんわよ」

垣根「他人の関係を分かったように言えるくせに・・・自分のことになると分からなくなるんだな」

黒子「う・・・」

垣根「本当にお前は若いな・・・青いんだ」


627 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:41:06.92 ID:5NDFpVM70
黒子「・・・馬鹿にしていますの?」

垣根「褒めてるんだよ、理屈じゃなくて感情で恋をしてる」

黒子「あなたは違いますの?」

垣根「・・・いや、俺もそうだ」

黒子「ならいいではありませんか」

コーヒーを飲んだ黒子が微笑む

垣根「・・・削板な、呼び捨てにしようがしまいが関係ないと思う」

黒子「どうしてですの?」

垣根「あいつはそんな細かいことを気にしたりしない」

黒子「それもそうですが・・・」

垣根「呼び捨てだから親密か?そんなこと、削板だったら笑い飛ばすような考え方だろ」

黒子「・・・では、わたくしはこのままでよろしいのでしょうか」

垣根「問題ないんじゃないか?」

黒子「・・・それならよかったですの」

垣根「・・・なぁ、お前の相談は聞いてやった、今度は俺の番だ」


628 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:41:37.47 ID:5NDFpVM70
黒子「えぇ、いいですわよ」

黒子が頷く

仕事のことなんか忘れている

今の垣根の真剣な表情を見ては、そんな些細なことは

垣根「能力を今以上にメルヘンにしたいんだ」

黒子「仕事しますの」

垣根「あぁ待て待て!結構真剣な悩み事なんだぜ!?」

黒子「・・・あなたの能力はメルヘン過ぎますのよ」

垣根「・・・そうだけど」

黒子「・・・これ以上延びしろがありますの?」

垣根「・・・それがさ、なんか新しい力も手に入れたんだ」

黒子「・・・ですが、能力はすでにメルヘンですから・・・中々それを変えても目立ちませんの」

垣根「だよな・・・決め台詞とかかな、やっぱり」

黒子「明らかに違うと思いますの」


629 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:42:24.84 ID:5NDFpVM70
垣根「そのふざけた常識を覆す!」

黒子「パクリですのね、メルヘンじゃありませんの」

垣根「・・・俺の未元物質に常識は通用しねぇ」

黒子「あぁ、それがあるではありませんか」

垣根「それは普段の力の時の決め台詞だ、新しい力の時には別にしたいんだ」

黒子「・・・なんですのそのつまらない創意工夫」

垣根「・・・っていうかお前、仕事は」

黒子「・・・しますわよ」

黒子が垣根の調書を書いていく

初犯ならば罪は軽く済む

しかも、過剰だったとはいえ身を守るためだったのだ

黒子「・・・さて、垣根さんは恐らく罪にはなら・・・」

垣根「てかさ、お前やっぱりおっぱい小さいよな」

黒子「」


630 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:43:12.55 ID:5NDFpVM70
ムニムニ、と黒子の胸に触れているのはなんだろう

言うまでもない、垣根の掌である

黒子「な、何をしていますの!?」

垣根「いや、チェックだよチェック」

黒子「何を・・・っ!」

垣根「昔出会った時よりかはでかくなってるな・・・お前、削板とやったか?」

黒子「まだ・・・ですの!」

垣根「ふーん・・・」

黒子「手を放して下さいな!」

垣根「なんかこうやってると原点回帰っぽくていいよな」

黒子「イヤですの!そんな原点・・・あっ・・・」

垣根「・・・そうそう、たしかあの時は御坂と上条がいて・・・お前、俺の手でイ」

黒子「イってませんでしたの!」

垣根「そうか?お前、俺にちょっとだけ気があっただろ」


631 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:43:54.12 ID:5NDFpVM70
黒子「あ、あんなことをされたら誰だって・・・!」

垣根「・・・ま、削板が現れてからはぱったりだったな」

黒子「お、お願いしますの・・・あ、軍覇さん以外の男性となんて・・・」

垣根「チェックだって言っただろうが、んなやらしい理由じゃねぇよ」

手を放した垣根がケラケラと笑う

黒子「垣根さん・・・あなたという人は」

垣根「御坂よりは小さいな・・・ショチトルや番外個体とは比べものにならないし」

黒子「!あの二人のも揉んでましたの!?」

垣根「てか、会ってる女性のは大抵揉んでる」

黒子「最低ですの!心理定規に言い付け・・・」


心理「どういうことよ垣根!」

バァン!と支部のドアが開かれた

垣根「な、なんでお前がここにい」

心理「他の女性の胸を揉んだですって!?大体、今まさに黒子の胸を揉んでたわよね!?」


632 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:44:40.67 ID:5NDFpVM70
垣根「だからなんでここに・・・」

心理「初めて黒子と会った時もそうだったわ、私の目の前で黒子をイかせて!」

黒子「イってませんの!」

垣根「違うんだって!勘違いなんだよ!」

心理「せっかく・・・せっかくあなたの元に辿り着いたっていうのに!」

垣根「ちょっと待て!だからなんでお前はここにいるんだよ!?」

心理「あなたが帰って来ないからGPSで探したのよ!」

垣根「怖いぞお前!」

心理「あぁもうイヤ・・・あなた、そんなに胸が好きだったのね!」

垣根「違うんだって!お前の胸が一番好きだぁ!」

心理「な、何言ってるのよ馬鹿・・・」

黒子「えぇぇぇ!?なんでそれで真っ赤になってますの!?」

心理「あ、あなたが他のみんなの胸を揉んでたってことに変わりは・・・」

垣根「あぁそうだ・・・俺はこの手にたくさんの胸を掴んできた、だが!」


633 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:45:27.37 ID:5NDFpVM70



垣根「心を掴んだのはお前だけだったんだ!」

心理「」ズキューン

黒子「おかしいですの今日の心理定規!」

垣根「・・・まぁ、座れよ」

心理「・・・あ、あなたの隣に行ってもいいかしら」

垣根「当たり前だろ」

心理「・・・私、今幸せよ」

垣根「俺も・・・」

黒子「ストップ!心理定規、あなたは帰って下さいな!」

心理「あらどうして?」

黒子「ここは遊び場ではありませんの!垣根さんは罪を犯して・・・」

心理「何したのよあなた」

垣根「過剰防衛」

心理「・・・過剰防衛?誰に襲われたのよ」


634 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:46:47.31 ID:5NDFpVM70
垣根「スキルアウト」

心理「ちょっと殴ってくるわね」

黒子「錯乱しないで下さいな!」

心理「・・・冗談よ」

心理定規が肩をすくめる

この寒い時期に、なぜかドレス一枚だけだった

垣根「お前、部屋着のまま飛び出して来たのか」

心理「あなたが心配だったのよ・・・」

垣根「・・・心理定規・・・」

心理「ダ、ダメよ垣根・・・黒子が見てるわ・・・」

垣根「関係ないさ・・・俺達の愛に傍観者はいても侵入者はいないんだ」

心理「あら素敵・・・」

黒子「ボケ倒さないで下さいまし・・・心理定規、あなたはツッコミでしょう」

心理「垣根とだったら何でもしていいわよ」



635 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:47:49.98 ID:5NDFpVM70
黒子「はぁ・・・分かりましたの、すぐに垣根さんが帰られるようにしますから」

黒子がパソコンの前に座る

初犯なら、簡単な署名をするだけで帰宅できる

黒子「垣根さん、申し訳ありませんがこちらに名前と年齢・・・」

垣根「泣ーいーたー日もーあるー恨んだことーもー」

心理「ヤンヤヤンヤ」

黒子「お願いですの、心理定規はツッコミでクールな心理定規でいて下さいな」

心理「こんな私は可愛くないかしら」

黒子「昔のあなたのほうが可愛いですわよ」

心理「ありがとう、あなたも可愛いわよ」

心理定規が黒子の手から書類を受け取る

個人情報を書かなければならないため、本人以外が書いても意味がないようだ

心理「垣根、書きなさい」

垣根「ちっ・・・垣根帝督」


636 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:48:48.22 ID:5NDFpVM70
黒子「・・・こちらに年齢を」

垣根「年齢不詳」

黒子「ふざけないで下さいまし!」

垣根「わ、分かってる・・・16歳」

心理「あら、あなたって16だったのね」

垣根「上条と同じクラス・・・ってそうだ、お前学校行ってなかったのか?部屋着だけど」

心理「学校終わって家に帰って部屋着に着替えてからあなたがいないことに気がついたの」

垣根「もうそんな時間か」

垣根が時計を見る

すでに午後の5時を回っていた

垣根「めんどくせぇ・・・なぁ、明日書いたらダメか?」

黒子「あ、明日・・・」

垣根「お前と俺は友達だろ?逃げたりしないって」


637 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:49:30.07 ID:5NDFpVM70
黒子「・・・絶対来て下さいまし」

垣根「分かってますの」

黒子「・・・」

垣根「お姉さまぁん!」

黒子「・・・」


垣根「ジャッジメントですの!」

黒子「・・・帰しませんわよ」

垣根「ごめんなさい」



翌日

初春「もう、白井さんったら垣根さんを帰しちゃうなんて・・・」

黒子「あれは仕方ないんですの・・・時間を取られたくありませんでしたし」

朝から、二人は風紀委員の支部にいた

ついこの間大変なことになった支部の所属である二人は、学校を欠席して後処理を行っているのだ


638 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:50:32.65 ID:5NDFpVM70
黒子「はぁ・・・授業に着いていけなくなりますの」

初春「仕方ありませんよ・・・」

黒子「・・・常盤台は一日休むと一週間掛かっても取り返せませんの」

初春「我慢です」

黒子「はぁ・・・補習になるのでしょうか」

初春「・・・仕方ありません・・・ん?」

黒子「どうしましたの初春?」

初春「・・・あれ」

窓を指差した初春の顔は、呆れていた

窓の外に見覚えのある翼が見えたのだ

黒子「垣根さんですわね・・・わざわざ能力を使って来たのでしょうか」

初春「でも、ずっと同じ場所にいますよ?」

黒子「・・・わたくし、ちょっと行ってきますの」

639 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 15:51:07.78 ID:5NDFpVM70
空間転移を使って、翼の見える方向に向かう

そこではやはり、垣根が戦っていた

垣根「俺は・・・俺は冷蔵庫じゃねぇんだよ!」

黒子(また意味不明な理由でキレてますわね)

スキルアウト「ひぃっ!」

垣根「感謝しろよ・・・お前達にいいもん見せてやる」

黒子「!?あ、あれは!」

垣根の翼の色が変わった

純白だったはずのそれは、形容出来ない光を放つ翼へと変化した

直視しているだけで気がおかしくなりそうな、それでいて感動さえ覚えてしまうほどの美しい翼

黒子「これが垣根さんの新しい力・・・!」

垣根「よかったな・・・ついでに最高の決め台詞も言ってやるよ」

黒子(それを言いたいからだったんですのね)


640 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 17:30:20.38 ID:5NDFpVM70
スキルアウト「に、逃げろ!」

垣根「無駄だよ、てめぇらは逃げられやしねぇ」

キラキラと舞った羽根が、信じられないほどの風を生み出す

スキルアウト「わぁぁぁぁっ!」

黒子「こ、これは風力使い・・・いえ、それ以上の威力ですの」

垣根「これが俺の新しい力、未元物質、新しい世界」


垣根「ここはてめぇらの常識が通用する世界じゃねぇ」


黒子(なんか微妙ですの)

ため息をついてから黒子が手錠を取り出す

そして


初春「・・・何しに来たんですか」

垣根「どうも、昨日の書類を書くついでに喧嘩しに来ました」


641 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 17:31:01.99 ID:5NDFpVM70
黒子「罪状が増えましたの」

垣根「あいつら、俺のこと冷蔵庫って言ったんだぜ!?人の名前を間違えるのは最低だ!」

黒子「名前を間違えたわけではありませんの」

初春「・・・たしか、昨日垣根さんを襲ったスキルアウトの仲間だったみたいです」

垣根「なんだよ、報復が悪口とは笑わせるな」

黒子「・・・はい、今日はしっかりと書いて下さいな」

黒子が書類を垣根に渡す

黒子「わたくしはスキルアウトの調書を書いてきますから・・・初春、お願いしますの」

初春「えぇっ!?垣根さんと二人きりなんですか!?」

黒子「胸を守れば大丈夫ですの」

垣根「無いものは守れません」

初春「ありますから!」

黒子「では・・・わたくしが帰ってくる前に書き終わっていて下さいまし!」

垣根「はいはい」


642 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 17:31:46.01 ID:5NDFpVM70

初春「・・・」

垣根「なぁ、初春」

初春「なんですか」

垣根「あの時は悪かったな」

初春「あの時?」

パソコンと向かい合っていた初春がくるりと振り向く

垣根はソファーの背もたれに体を預けながら、天井を見つめていた

垣根「昔お前を襲撃したことがあっただろ」

初春「あぁ・・・なんであんなことしたんですか?」

垣根「・・・色々あったから、かな」

垣根がよっこいしょ、と呟いて体を起こす

垣根「本当に悪かった、あれに関してはまだ謝ってなかったからさ」

初春「い、いいですよ・・・今はもうまともになってるみたいですし」

垣根「まともかな」


643 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 17:32:33.93 ID:5NDFpVM70
初春「あ、まともでもないですね」

垣根「ひでぇなおい」

苦笑した垣根がコーヒーを飲む

初春(こうやって真剣な顔してたら王子様みたいな顔なのに・・・ちょっとガラ悪いですけど)

垣根「・・・」

初春(・・・垣根さんってモテるみたいですけど、なんとなく理由が分からなくもないですね・・・)

垣根「・・・なぁ、最近どうだよ」

初春「なんですかその昔別れた彼女に対する話の振り方みたいなの」

垣根「適確なのがムカつくな」

初春「・・・最近は楽しいですよ、そういえばうちの学校にも垣根さんと上条さんの二大派閥が出来ちゃいました」

垣根「上条は人気みたいだな」

初春「私のクラスにも、何人か助けてもらった子がいるみたいなんですよ」

垣根「人助けもほどほどにしないとな」

初春「・・・佐天さんは垣根さんの派閥にいるみたいですけど」


644 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 17:33:14.96 ID:5NDFpVM70
垣根「あぁ?女子は強制入会か」

初春「だって!みんな恋愛の話しかしないんです!」

垣根「女子中学生はそんなもんかもな」

初春「はぁ・・・でも佐天さん、本当は誰も好きな人がいないみたいで・・・」

垣根「待て、俺が聞いたのはお前の近況だ、佐天の近況じゃないんだけど」

初春「いいじゃないですか、佐天さんは私の親友です!」

垣根「はぁ・・・」

初春「佐天さんに素敵な人を教えてあげて下さい!」

垣根「そういや土御門との合コンもまだだったな・・・分かった、今度やってやる」

初春「あ、ありがとうございます!」

垣根「ついでだからお前も来いよ」

初春「私もですか?」

垣根「佐天にちょくちょくフォローを入れるならお前が一番だろ?」

初春「なるほど・・・」


645 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 17:33:57.14 ID:5NDFpVM70
垣根「まぁ、俺と心理定規、上条と御坂、そして土御門・・・」

初春「?ほとんどカップルじゃないですか」

垣根「いいんだよ、出来レースで」

初春「じゃあ私の相手役の人は・・・」

垣根「お前、彼氏欲しかったのか」

初春「違います、土御門って人が佐天さんの好みじゃなかった時の保険です!」

垣根「さらっとえげつないこと言うよな、お前」

初春「誰かいませんか?」

垣根「うーん・・・」

垣根が眉をひそめる

青髪はない、あれは合コンに連れていってはいけない

砂皿もない、コミュニケーションが苦手だから

ゴーグル男も違う、フレンダがついてきそうだ

他の男性の知り合いは彼女がいる


646 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 17:34:29.50 ID:5NDFpVM70
となると

垣根「・・・ダメだ、いない」

初春「い、いないんですか!?」

垣根「・・・あぁもういいや、エツァリでも呼ぼう」

初春「エツァリさん・・・ってあの外国の人ですよね?」

垣根「彼女いるけどまぁいいだろ」

初春「こ、断られる可能性・・・」

垣根「巨乳のJCが来るって言ったら飛び付いてくるはずだ」

初春「最低ですね」

垣根「・・・っと、無駄話が過ぎたな・・・調書はもう書いたからよ」

初春「あれ、いつの間に・・・」

垣根「こんなもん話しながらでも書けるだろうが」

初春に調書を手渡した垣根が支部のドアを開ける

初春「もう帰っちゃうんですか?」


647 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 17:35:00.64 ID:5NDFpVM70
垣根「寂しいなら残ってもいいんだぜ?」

初春「寂しくないですよ」

垣根「ひでぇな・・・まぁいいか、またな」

手を振ってから、垣根が支部を去る

初春「全く・・・ん?」

垣根から受け取った調書

その端に、小さく「本当に悪かったな」と書いてあった

初春「・・・あの人」


黒子「ただいまですの・・・垣根さんとちょうどすれ違いでしたわ」

初春「・・・」

黒子「?どうしたんですの、初春?」

初春「白井さん」

黒子「はい?」


初春「垣根さんって、意外と可愛い人なんですね!」

黒子「・・・はぁ?」



648 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 20:03:13.88 ID:5NDFpVM70

上条「・・・合コン?」

垣根「そうそう、佐天って知ってるか?あのおっぱいでかい中学生」

上条「その説明はどうかと思うけど・・・一応、美琴の友達だからな」

垣根「でさ、その子に彼氏を作ってあげたいんだ」

上条「・・・はぁ」

学校の教室の隅っこ

放課後の今は、もう教室には二人と心理定規だけしかいない

垣根「それでさ、お前と御坂と俺と心理定規と初春と土御門とエツァリで行こうと思うんだ」

上条「待て、なんでエツァリ?」

垣根「出来レースにするには彼女のいるやつがいい」

上条「・・・佐天と土御門を付き合わせたいのか?」

心理「少なくとも、彼女にも機会を与えたいのよ」

上条「・・・はぁ、分かったよ・・・時間と場所は?」

垣根「よーし、伝えよう」



垣根「今日の夜、俺の家の前で集合、それから移動する」

上条「」



649 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 20:06:21.98 ID:5NDFpVM70

垣根「・・・よぉ、来たか」

上条「・・・」

垣根宅の前

そこに、合コンに参加するメンバーが全員集まっていた

美琴「・・・急だったわね、もし今日私がダメだったらどうするつもりだったのよ?」

垣根「お前はどうでもいいんだよ」

美琴「な、何よそれ!!」

初春「まぁまぁ・・・御坂さん、落ち付いてください」

佐天「にしても、御坂さんの私服は可愛らしいですね!」

美琴「そ、そうかな?」

土御門「そうだにゃー」

垣根「訳 ガキっぽいですね」

美琴「垣根、アンタ死にたいの?」

垣根「まさか」

エツァリ「・・・あの、なんで自分が呼ばれたんですか」


650 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 20:15:36.26 ID:5NDFpVM70
佐天「えっと・・・自己紹介は」

垣根「そういうのは移動してからにしようぜ」

心理「そうね・・・まずは焼肉に行くわよ」

上条「いきなりだな・・・」

美琴「・・・親睦を深めるほど他人なわけじゃないのに」

初春「いいじゃないですか、焼肉!!」

エツァリ「・・・あの、なんで」

垣根「じゃあ行こうか」

土御門「にゃー、腹減ったぜぃ!!」

佐天「行きましょう行きましょう!!」

美琴「はぁ・・・初春さんも災難ね」

初春「いえ、焼肉が食べられますから!!」

エツァリ(自分は一体何なのでしょうか)



651 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 20:24:42.18 ID:5NDFpVM70

垣根「・・・さぁ、まずは乾杯と行きますか!!」

焼肉店の店内

その座敷で、垣根がグラスを掲げる

ちなみに酒ではなくただのジュースだ

最初から酔っ払っては元も子もない

上条「・・・かんぱーい」

美琴「ねぇねぇ、何から食べる?」

佐天「私はカルビがいいな!!」

初春「えー、豚バラも欠かせませんよ!!」

土御門「にゃー、なんでも食べられるぜぃ!!」

垣根「じゃんじゃん食えよ!!俺の奢りだ!!」

上条「マジかよ!?じゃあ精一杯食べますか!!」

エツァリ(・・・これって合コンなんですか?)


652 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 20:43:59.09 ID:5NDFpVM70
垣根「さて・・・じゃあ早速だが、これは合コンだ」

佐天「あ、そうだった!!」

上条「主役は自分なんだから覚えとけよ・・・あ、美琴サラダバー食べるか?」

美琴「うん、後で取ってくるわよ」

土御門「健康的だにゃー」

初春「私も食べますよ!!」

心理「あらあら、なんだか合コンっていうよりもただのお食事会ね」

垣根「いいんだよ、この後の二次会で仲良くなれれば」

エツァリ「あの、帰ってもいいですか」

垣根「あきません」

エツァリ「・・・」


エツァリ「・・・合コンって、こんなのじゃないはずですよね・・・?」


653 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 20:47:40.53 ID:5NDFpVM70
早いですが今日はここまで

筋肉動画ではなく、>>1のバイブル、「スクライド」劇場版の予告映像を

見た友達によると、総集編みたいな感じの映画らしく、新パートは1割にも満たない、他の部分はアニメ版の映像を使い回しみたいです

ですが声優さんが全て新アフレコらしく、中々楽しめたと

見たいですねぇ・・・


ではおやすみなさい

654 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/02(金) 20:52:54.87 ID:5NDFpVM70
動画貼るの忘れてた

http://www.youtube.com/watch?v=w6OdKqdU448 

Reckless Fire大好きです

速さが足りない!


655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/02(金) 21:24:13.55 ID:unfKd4bp0
やっと追いついた
>>1乙です

656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/02(金) 22:53:16.06 ID:OmssunhPo
乙なんだよ!
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/12/03(土) 10:17:23.75 ID:UCw1WyFI0
乙です

毎回更新楽しみにしてますとミサカは・・・!
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/03(土) 11:01:44.80 ID:e3Pf7WJNo
                          おまえに足りないものは―、それは!!
            ,.   __,,,...   ,.-'"!`ヽ、   情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さーーー
         ,.r''"´''''''"´,.=/,. -'"   人   \   そして何よりもーーーーーー!!!!!
        l__,,,...、-''"´‐''゙" __,,..、-'゙   \  ヽ.
        /,-‐','" l゙ l ゙̄,/   ``ヽ、.,_\.,_,'、          ______
        `j‐'゙/‐、l_,、 i__        r'-、l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         `゙゙      'ヽ、r ゚`。‐----、_ ゙uulj
                `ヾ―‐‐‐----、`'''======‐‐‐--、..,,,,_______
                          `'――――――----------------―‐
                       ―二      三=
                     ―=≡   r--   二=―      _―――
                    ――二   二―\   ≡=    ―三=― ̄
                   ――三   ≡―  ̄\    三=―= ̄     二=―
                 ――‐二   三=―‐ ―=二    ̄   _==― ̄ ̄
                  ―=/   ≡=―‐     ―二_    二=―
              ――‐二/   /=―  

  ヽ ‐┼‐  ‐‐\‐‐     __/  、ヽヽ ┌─┐   l   l   _/            | ̄| | ̄|. | ̄|
  '''7 lココ      〉    ̄ /``ヽ\  └┬┘   レ  l   / ̄ \  l    l   | |  | |  | |
   ) /|\   、       /    |    ./├       l     __l.     l    l   |__|  |__|  |__|
  ∠-‐‐‐‐--   ゙''‐--   /   、/    /''‐┴‐--    /     し'ヽ     レ    l  □  □  □
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/03(土) 11:38:45.97 ID:m8IkA6m6o
乙乙
サトリナの可愛さは異常
660 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:36:40.56 ID:t9+rvsYB0
垣根「・・・さて、みんなそれぞれ自分のプロフィールを紹介しようぜ」

上条「?いや、みんな知り合いだから・・・」

垣根「ちげぇよ・・・自分の秘密とか、細かい性癖とかだよ」

美琴「なるほどね」

土御門「性癖とか語れないぜぃ」

心理「性癖はエッチな意味じゃないわよ」

佐天「そうだったんだ」

初春「・・・そんなことより、早くしましょう!」

上条「じゃあ俺から・・・一応名前は上条当麻」

垣根「一応ってことは、本名は違うんだな」

上条「そういう意味じゃない!」

佐天「あはは・・・上条さんって御坂さんと付き合ってるんですよね」

上条「あぁ、結婚まで考えてるよ」

美琴「にゃ!?」



661 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:37:06.94 ID:t9+rvsYB0
土御門「にゃー、羨ましいぜぃ死ねよ」

上条「そこまで言うのか!?」

エツァリ「・・・自分はなぜここにいるんですか」

上条「えっと・・・趣味は人助けかな」

初春「な、なんて素敵な趣味なんですか・・・」

佐天「眩しすぎる!」

垣根「次は御坂な」

美琴「・・・御坂美琴よ、趣味はファンシーグッズ集め」

垣根「スリーサイズは?」

美琴「答えないわよそんな質問!」

土御門「ノリ悪いにゃー」

エツァリ「そうですよ御坂さん!是非とも教えて下さい!」

一同「黙れ変態」

エツァリ「」


662 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:38:02.66 ID:t9+rvsYB0
垣根「次は俺だな・・・垣根帝督だ、趣味は・・・オシャレかな」

佐天「オシャレな男性、いいですよね!」

初春「てっきり趣味は人を困らせることだと思ってました」

垣根「・・・次は心理定規」

心理「心理定規よ、趣味はショッピング、好きな男性のタイプは優しい人」

初春「な、なるほど・・・じゃあ垣根さんは好きではないんですね?」

心理「?大好きだけど」

初春「え?」

心理「ん?」

垣根「が?」

エツァリ「わ?」

垣根「黙れ変態」

エツァリ「」


663 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:38:54.43 ID:t9+rvsYB0
土御門「俺は土御門元春、趣味はメイドを愛すること!」

佐天「メ・・・メイド?」

垣根「・・・土御門、女の子が引くような発言は慎め」

土御門「にゃー、メイドはとっても可愛いんだぜぃ!?」

上条「そこまで!次は佐天!」

佐天「佐天涙子です!趣味は音楽を聴くこと、好きな男性のタイプはカッコイイ人です!」

垣根「音楽か・・・どんなの聴くんだよ?」

佐天「一一一とかかなぁ」

垣根「あぁ、そういや最近新しいシングル出したんだっけ」

佐天「そうそう!」

上条(・・・やっぱり垣根はこういうのにも慣れてるんだな)

美琴(プレイボーイだけど・・・合コンでは便利なのかもね)

心理(・・・プレイボーイっていうより優しいのよ)

エツァリ「では・・・エツァリです、趣味は」


664 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:39:52.75 ID:t9+rvsYB0
垣根「調教することです、次は初春な」

エツァリ「」

初春「初春飾利です、趣味はお花を愛すること、好きな男性のタイプは王子様です!」

垣根「・・・お前は夢見てるって感じだよな」

初春「ゆ、夢ですかね?」

垣根「いいんじゃねぇの?いつか素敵な男が現れるかもしれないしな」

初春「はい!」

美琴「さて・・・じゃあ、次の催し行ってみましょうか!」

上条「な、なんだよ急に!?」

美琴「いいからいいから!」

美琴がテーブルの上にあったアンケート用紙を手に取る

それを丁寧に破り、クジのような物を作る

美琴「フィーリングカップルって分かる?」

上条「あぁ・・・自分がいいと思った相手を書いて、その相手も自分を書いてたらカップル成立ってヤツか」


665 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:40:55.29 ID:t9+rvsYB0
美琴「そうそう、それやりましょうよ!」

心理「じゃあ、自分の恋人は禁止ってことで」

土御門「にゃー、楽しくなりそうだぜぃ!」

佐天「自分の好みの人かぁ・・・」

佐天がグルリとメンバーを見渡す

佐天(上条さんは優しそうだなぁ・・・なんだか、暖かく包んでくれそう)

佐天(でも自分以外にも優しくしちゃうから・・・そう考えたら、御坂さんって我慢強いんだなぁ)

佐天(・・・垣根さんは本当にイケメンだよね・・・能力もすごいし、それにさっきみたいに優しくフォローしてくれるし・・・)

佐天(でも、プレイボーイだからなぁ・・・ヤキモチ妬いちゃいそう)

佐天(エツァリさんは・・・変態って言われてるけど実際はそうでもないかも)

佐天(イケメンだし・・・あ、でも本当に変態だったらキツイかも)

佐天(・・・土御門さんかぁ・・・見た目は怖いのに実はファンキー、ってギャップはいいよね)

佐天(でも・・・なんかメイドについて熱く語られそう)

男全員を吟味してから、紙に自分の選んだ男性を書く


666 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:41:47.15 ID:t9+rvsYB0
美琴「みんな終わった?」

土御門「にゃー、OKだぜぃ」

初春「大丈夫です」

垣根「俺も」

上条「はぁ・・・美琴って書きたかったな」

美琴「わ、私も当麻って書きたかったけど!」

佐天「仲良しですね二人とも!」

エツァリ「見ていて微笑ましい・・・おや?心理定規さんはまだ悩んでいるんですか」

心理「・・・冷静に三人を分析してるのよ」

土御門「にゃー、どんな風に・・・」

心理「上条君は優しいわ、でも少し間違いをしただけで説教をして来そうでしょ?」

上条「う・・・」

心理「それに対して反論したらまたギクシャクする、そんな関係になるわよ」

美琴「そんなことないわよ!当麻はいつだって優しいもん!」



667 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:42:17.16 ID:t9+rvsYB0
心理「あくまでフィーリングカップルでは、ってこと」

心理定規がペンでテーブルを叩く

コツコツ、と小気味の良い音がする

心理「土御門君はギャップは面白いけど・・・一度優しいと知ってしまえば、そのインパクトはおしまいよね」

土御門「たしかに・・・」

心理「不良ぶるのは勝手だけど・・・なんだか、ギャップを狙いすぎてる感じもしてイヤよ」

垣根「童貞を捨てるために必死なんだよ、察してやれ」

土御門「だ、誰が童貞だ!」

初春「そ、そんなことを大声で言わないで下さい!」

垣根「そんなことってどんなこと?」

初春「な・・・」

エツァリ「童貞・・・」

垣根「てめぇに言われても誰も得しねぇんだよ黙れ」

エツァリ「」


668 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:42:52.12 ID:t9+rvsYB0
心理「そしてエツァリ君、変態はネタとしても・・・優しすぎるのは考え物よ」

エツァリ「そ、そうでしょうか」

心理「常にニコニコしているのは怖いもの、時々笑顔を見せるのがいいのよ」

佐天「そうかなぁ?」

心理「あなた、ポーカーフェースって言葉を知ってる?」

佐天「うん、あのずーっとクールで表情に変化がないことでしょ?」

心理「それと同じよ、常に笑っていると相手に考えていることが伝わらないの」

上条「・・・ポーカーフェースの笑顔版ってことか?」

初春「考えすぎじゃ・・・」

心理「あなた達、自分がどんなわがままを言っても笑いながら許容されて嬉しいの?」

美琴「それは・・・」

心理「時には叱ってほしいものでしょ、エツァリ君はやんわり断りそうだから、少し頼りないわ」

エツァリ「う・・・」

心理「でも、長所だってそれぞれにあるわ・・・上条君は優しいから、絶対に守ってくれそう」


669 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:43:57.23 ID:t9+rvsYB0
心理「土御門君は不良っぽい所を無くしたら、純粋に優しい素敵な人」

心理「エツァリ君は自分が困っている時も笑顔で癒してくれそう」

心理「どう?こんなに分析してたら、誰に入れようか迷っちゃうのよ」

初春「・・・あの、一つ聞いてもいいですか?」

心理「何かしら」

初春「だったらなんで垣根さんを恋人にしたんですか?垣根さんにも同じくらい長所と短所が・・・」

心理「あら、垣根の短所は可愛いもの」

初春「」

垣根「見ろ、これがカップルだ!」

上条「自分で言うなよ」

佐天「いいなぁ・・・垣根さんと心理定規さんって美男美女だから羨ましい!」

心理「そんなことないわよ・・・とりあえず、書くわね」

心理定規も一人だけ決めたようだ

上条「じゃ女の子が発表してくれ」

美琴「はーい!」



670 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:44:50.03 ID:t9+rvsYB0
美琴「私はエツァリさんね」

垣根「ほぅ、なぜ」

美琴「変態的なことはされそうだけど、私のことを愛してくれそうだから」

エツァリ「へ、変態的なことはしませんよ」

土御門「顔が笑ってるにゃー」

美琴「エツァリさんは?」

エツァリ「自分も御坂さんですね」

心理「あら、いきなりカップル成立ね」

初春「二人とも隣同士に座ってください!」

佐天「おー!なんかお似合いですよ!」

美琴「そうかな?」

エツァリ「少し変な感じですね」

上条「・・・」

垣根「ひゃっひゃっひゃっ!ヤキモチを妬く上条うめぇ!」

上条「うるせぇ!」


671 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:45:34.00 ID:t9+rvsYB0
垣根「そんな上条君は!?」

上条「・・・心理さん」

垣根「はぁ?」

心理「あら、私も上条君よ」

土御門「にゃー!すげぇすげぇ!」

心理「じゃあ上条君・・・お酌してあげるわよ」

上条「これジュース・・・」

美琴「・・・」

垣根「・・・」

初春「わ、私は垣根さんです!知り合いですから!」

垣根「俺、佐天だったんだけど」

初春「」

上条(垣根のヤツ・・・これは土御門と佐天をくっつけるための・・・)

佐天「私は土御門さんだったな、あんまり話したことないから仲良くなりたかったし」


672 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:46:56.43 ID:t9+rvsYB0
土御門「俺も佐天だにゃー」

上条(神様よくやった!)

垣根「うっぜぇ!初春、やけ酒だ!」

初春「酒はダメですけど自棄には賛成です!」

心理「あら、情けないわね」

垣根「黙れ黙れぇ!次はカップル内での親睦でも深めてろ!」

美琴(いじけた)


佐天「土御門さんは・・・やっぱり能力者なんですか?」

土御門「いや、LEVEL0の能無しだにゃー」

佐天「私もですよ!無能力だと苦労しますよね・・・」

土御門「でも別に能力なんか無くても構わないけどにゃー」

佐天「ど、どうしてですか?」

土御門「能力なんて一つの手段に過ぎない、それが無いなら他を探せばいいだけだ」


673 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:47:49.01 ID:t9+rvsYB0
佐天「・・・そうですかね」

土御門「それに、無駄に高い能力を持って周りから距離を置かれるより、今みたいに力が無くてもみんなと仲良くやれてるほうがいいぜぃ」

佐天「・・・そうですね、そうですよね!」

上条(・・・土御門もやるときはやるんだな)

心理「上条君、上条君はどんなことが好きなの?」

上条「うーん・・・休みの日は適当に遊んだり・・・」

心理「オシャレなんかに興味は?」

上条「いや・・・金が掛かる趣味はな」

心理「ふーん・・・でも上条君ってオシャレにしたらもっとモテると思うけど」

上条「モテる必要がないからなぁ・・・」

心理「もったいないわよ、素材はいいんだから」

上条「う・・・」

心理「そうね、もう少しオシャレだったら私とも釣り合うかもよ?」

上条「な、何言ってんだよ!?」


674 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:48:36.45 ID:t9+rvsYB0
心理「ふふ・・・冗談よ」

上条「や、やめてくれよ・・・」


美琴「エツァリさん、最近ショチトルとはどう?」

エツァリ「上手くいっていますよ」

美琴「そっか・・・ショチトルって甘えるタイプ?」

エツァリ「かなり甘える時は甘えますね・・・ですが普段はわりとさっぱりしてますよ」

美琴「なんだ、私と似てるわね」

エツァリ「御坂さんは常に甘えてるじゃないですか」

美琴「と、当麻が優しいのが悪いのよ!」

エツァリ「いえいえ・・・御坂さんがそういう性格だったんですよ」

美琴「違うもん!」


垣根「重いにーもつをー枕にーしたらー」

初春「深呼吸ー青空にーなるー!」

垣根「ははは!愉快だねぇフィーリングカップルはよぉ!」


675 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 13:49:14.13 ID:t9+rvsYB0
初春「私達だけは上手くいきませんでしたけどね!」

垣根「全くだな!」

垣根・初春「あはは!」

垣根「って笑い事じゃねぇんだよ!」

初春「なんで垣根さんは佐天さんを選んだんですか!」

垣根「お前こそ俺のこと苦手だっただろうが!」

初春「いいじゃないですか!克服しましたよ私は!」

垣根「心理定規がダメなら、一番胸がでかいのは佐天だったんだよ!」

初春「胸が基準だったんですか!」

垣根「どさくさに紛れて揉みたかったんだよ悪いか!」

初春「悪いです!」

垣根「あぁあぁ!こんなことなら御坂って書けばよかったなぁ!」

初春「そこは私ですよ!」


676 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 15:34:29.98 ID:t9+rvsYB0
上条「心理さん・・・ち、近いって!!」

心理「あらあら、今はカップルなのよ?」ズイッ

上条「そ、それ以上は・・・」

美琴「心理定規!!一応これはゲームなんだから!!」

心理「分かってるわよ」

垣根「そうだそうだ!!リア充共が!!」

土御門「にゃー、自分が上手くいかなかったからって文句言うなにゃー」

佐天「あ、土御門さんジュース飲みますか?」

土御門「あぁ、サンキュー」

初春(・・・佐天さんったらデレデレしすぎです!!)

エツァリ(なんか・・・御坂さんが上条さんばかり睨んでるんですが)

垣根(寂しいよぉ・・・)


677 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 20:28:37.47 ID:t9+rvsYB0
上条「・・・はぁ、美味かった・・・」

心理「上条君、ご飯粒がついてるわよ」ヒョイッ

上条「あぁ、サンキュー・・・」

心理「・・・」パクッ

上条「」


上条・美琴「パクッ!?」

心理「あら、だって・・・」

垣根「おぉぉぉぉぉぉ!!!!か、上条のほっぺたについてた米粒をなして食べたのかなぁ!?」

心理「もったいないじゃない」

垣根「か、かかかかかかか間接キス!?」

心理「頬だから違うでしょ」

美琴「・・・心理定規・・・やるわね!!」

土御門(なんだこの合コン)

佐天(心理定規さんはグイグイいくなぁ・・・)



678 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 20:50:09.13 ID:t9+rvsYB0
初春「垣根さん、泣かないでください」

垣根「俺の心理定規が上条に汚されたぁ!!!!」

上条「お、俺は悪くないからな!?」

垣根「うるせぇうるせぇ!!この誑しが!!」

上条「なんでそんな結果に繋がるんだよ!?」

心理「ほら、それより食べ終わったんだから・・・」

佐天「二次会、ですね!!」

エツァリ「・・・どこに行くんですか」

垣根「そうだな・・・カラオケ、とかかな」

美琴「みんな、どうしたい?」

上条「とりあえずカラオケは無しな!!」

垣根「なんでだよ!?俺だってアランフエス協奏曲歌いたいんだよ!!」

上条「あれに詩はないんだよ!!!」

垣根「し、しがない歌ってことか!?」

上条「上手くないからな」



679 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 20:53:03.41 ID:t9+rvsYB0
美琴「・・・それで?どこにするのよ」

垣根「そうだな・・・」

垣根が腕を組んで考える

カラオケが無しとなると、一体どこに行けばいいのか

佐天「そうだなぁ・・・あ!!バッティングセンターとかどうですか!?」

初春「あぁ、確かにいいかもしれないですね・・・」

エツァリ「なるほど・・・」

土御門「じゃあ、フィーリングカップルで決まったペアで同じ場所に入るってことで・・・」

上条「待て待て待て!!」

垣根「メ、心理定規が上条に手取り足取り教えられちゃうのか!?」

心理「あら、刺激的ね」

垣根「おぉぉぉぉぉ!?」


680 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 20:55:46.55 ID:t9+rvsYB0
上条「エツァリ!!」

エツァリ「は、はい」

上条「もしも・・・もしも美琴のいろんなところを触ろうなんて考えてるなら、まずはその」

エツァリ「考えてませんよ!!」

上条「なんで考えないんだよ!?こんなに魅力的な子なんだぞ!?」

エツァリ「あなたはどう答えても説教するんですか!?」

土御門「なぁ、早く行こうぜぃ」

初春「・・・私は垣根さんとですか」

垣根「なんでイヤそうなんだよ・・・てか俺だってイヤだよ」

初春「垣根さんみたいな人と一緒にバッティングしても、ヘッドバットされそうだからイヤです」

垣根「上手くないぞ」

美琴「・・・と、当麻が心理定規を・・・」ブツブツ

佐天(・・・恋人って大変だなぁ・・・)

681 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 21:15:14.26 ID:t9+rvsYB0

垣根「トンネルを抜けると、そこはバッティングセンターでした」

上条「違うからな・・・」

美琴「ふーん・・・こんな所にバッティングセンターあったんだ」

土御門「そういえば、バッティングセンターなんて久しぶりだにゃー」

上条「俺も・・・あんまり来ないな」

心理「私なんか初めてよ?」

初春「私は佐天さんと来たことがあります!」

佐天「あぁ、あったあった!!」

美琴「へぇ・・・」

エツァリ「自分も初めてですね・・・御坂さんは?」

美琴「一回だけ・・・だから、正直上手じゃないわよ」

垣根「いいじゃねぇか、教えてもらえばよ・・・」

垣根が手を振りながらバッティングセンターへと入る


682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/03(土) 21:19:41.60 ID:o6KjDhn1o
>>681
あれ、心理ちゃんって結構前のスレでバッティングセンター行って垣根の股間にバットぶちかまさなかったっけ?wwww
記憶違いだったらスマン…
683 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 21:20:09.16 ID:t9+rvsYB0
垣根「・・・おぉ、空いてる空いてる」

上条「えっと・・・一応説明すると、それぞれ球の速さとか球種とかが違うんだ」

上条がそれぞれのボックスを指差しながら説明する

土御門「まぁ、初心者は90kmで練習って感じかにゃー」

初春「な、なるほ・・・」

垣根「行くぞ初春、150kmを打ってやろうぜ」

初春「無理ですから!!」

美琴「私達はどうする?」

エツァリ「そうですね・・・100kmくらいにしておきましょうか」

土御門「俺達もそうするかにゃー」

佐天「はい!」

上条「俺達は・・・」

心理「いいわよ、あなたに教えてもらえばいいんだから」

上条「じゃあ120kmで」

心理(・・・この子、ちょっと細かい気遣いは出来ないのね)


684 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 21:30:45.75 ID:t9+rvsYB0
>>682 そういえばそんなこともあったかもしれないですww

まぁ、とにかくバッティングセンターなんて慣れてないんです、心理さんは!!


垣根「・・・あぁ、速い速い・・・」


垣根「速さが足りないっ!!」カキーン

初春「じょ、上手ですね・・・」

垣根「ふん・・・速すぎるものを見慣れた目には、通常の人間が目視することの出来るものは遅く」

初春「次の球、来ましたよ」

垣根「にょわぁぁぁぁぁ!?」


心理「・・・楽しんでるわね、垣根・・・」ビキビキ

上条(ヤキモチ全開だこの人!!!)

心理「・・・」

上条(あ、球飛んでき・・・)

心理「ふっざけんじゃないわよぉぉぉぉ!!!!!!!!!」バキィ!!!

上条(き、金属バットがひしゃげたぁ!?)

心理「ふん・・・ねぇ上条君、このバットで人を殴ったらどうなるのかしらね」

上条「そんなことを言いながら垣根たちのボックスに近づいていかないで怖いから!!!」


685 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/03(土) 21:49:53.68 ID:t9+rvsYB0
速いですが今日はここまで

風邪気味なので少し投下がチマチマになります

筋肉動画はこちら

身長、なんと150ないビルダー、フラビオさん

その小ささから、ビルダーの中でも可愛い存在として知られています


でも素晴らしい肉体ですね・・・

http://www.youtube.com/watch?v=M3-OCFiAEOU

ではおやすみなさい


風邪のとき、ミサカに看病してもらえたらどれだけ幸せか、そりゃもうビ(ry


686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/03(土) 21:59:24.62 ID:9vQkjPgPo
早く良くなるといいですね、とミサカは(ry
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/03(土) 22:55:27.08 ID:yVCYWzsDO
>>1乙である
早く風邪を治す為によく暖めて寝るのである
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/03(土) 22:59:57.75 ID:qxOXYU2N0
>>1乙です
早く良くなってねってミサカはミサカは(ry
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 00:15:41.66 ID:W66Zt9r/0
>>1乙〜

いや〜すっかり心理さんもボケキャラにwww
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 00:42:58.63 ID:krT7FQNbo
         /|
       /  |   φ(・ω・´)
           |  /  oノ )
     |\   L/     〈〈
  __  \
__   |
   |  |
   |
691 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 09:59:54.69 ID:4TslUKMY0
上条「・・・心理さん、落ち着きましたか・・・」

心理「ちっ・・・垣根の馬鹿、初春さんとイチャイチャして・・・」

上条(青筋が浮かんでますよ!)

心理「いいわ・・・上条君」

上条「ふぉぉっ!?」

心理定規が上条の胸の中に潜り込む

上条「な、何を・・・」

心理「上手な打ち方・・・教えて」

上条「い・・・い、いやいや!さっき打ててた・・・」

心理「教えなさいよ」

上条「は、はい!」


美琴「!?心理定規・・・!」

エツァリ「おや・・・中々大胆にくっついていますね」

美琴「当麻になんてことしてるのよ!」



692 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:00:56.37 ID:4TslUKMY0
エツァリ「御坂さん、球が来てますよ」

美琴「あぁもう!」

快音を響かせた美琴のバッティング

見事にホームランだ

だがそんなことなんてどうでもいい

上条と心理定規の近すぎる距離が気になって仕方ない

美琴「あぁ・・・!そ、そんなに密着したら・・・にゃぁぁぁぁ!」

エツァリ「お、落ち着いて・・・」

美琴「当麻!あんまりくっついたら怒るわよ!」

上条「俺が好きでやってるんじゃないって!」

美琴「顔がにやけてるじゃない!」

上条「に、にやけてなんかないって!」

エツァリ「・・・御坂さん、球が・・・」

美琴「あぁもう!エツァリさんちょっと打ってて!」

エツァリ「自分がですか!?って早い!」


693 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:01:58.11 ID:4TslUKMY0
美琴「心理定規!当麻をどうするつもりよ!?」

心理「あらあら・・・こんなに固くしちゃって」

美琴「か・・・」

上条「してません!してませんから美琴も構えたりしないで!」

心理「ふふ・・・可愛いわねあなた・・・」

上条「い、息を耳に吹き掛けないでぇ!」

美琴「心理定規ォォ!」

心理「いいじゃないの、今は私とカップルなんだから」

美琴「う・・・」

心理「フィーリングカップルだって、あなたが言い出したことだったし」

美琴「にゃあ!でもそれとこれとは別なのよ!」

心理「別じゃないわよ、私はそう思ってるけど」

美琴「・・・とりあえず、あんまり変な真似はしないでよね!」

心理「そんなふうに言われたらしたくなっちゃうわね」

上条「それ以上美琴を挑発しないで下さいよ!」


694 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:02:59.67 ID:4TslUKMY0
心理「してないわよ・・・ちょっとからかってるだけ」

美琴「・・・エツァリさん、私がバッティング教えてあげるわよ」

エツァリ「あ、はい」


土御門「こうやって・・・もう少し脇を締めて」

佐天「ふむふむ・・・」

土御門「そして、腰をこう・・・」

佐天「土御門さんったらどこ触ってるんですか!」

土御門「ち、違うんだにゃー!」

佐天「ウッソだぁ・・・さっきから際どい所ばっかり」ニヤニヤ

土御門「いやいや!あくまで俺はバッティングを教えてるんだぜぃ!?」

佐天「ふーん・・・触りたいんじゃなくて?」

土御門「さ、触りたいのもあるけどにゃー!」

佐天「ほーらやっぱり!」

土御門「嵌められたぁ!」



695 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:03:50.83 ID:4TslUKMY0


上条「・・・土御門達は上手くいってるみたいだな」

心理「カップルみたいね、あの二人・・・ねぇ、ここからどうやって打つの?」

上条「だから腰をこうやって・・・」

心理「触りながら教えてちょうだい」

上条「あんまり俺を困らせないで!」

心理「・・・そんなこと言っちゃって、本当は触りたいんじゃないの?」

心理定規が上条の手を自分の腰に持っていく

上条「う・・・」

心理「どう?美琴以外の女の子の腰は」

上条「ふ、服の上からだからなんともないな!」

心理「・・・じゃあ・・・生で触ってみる?」

上条「助けて!美琴、助けて!」

美琴「ふん!鼻の下なんか伸ばしちゃって!」

上条「えぇ!?」

美琴「心理定規と仲良くしとけば!?」


696 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:04:55.91 ID:4TslUKMY0
上条「い、いやいや!俺は美琴なら色んなとこ触りながら教えますけど!」

美琴「そ、そんなこと言わないでよ馬鹿!」

心理「ねぇ上条君・・・」

上条「あぁもう!ダメですから、俺は美琴一筋・・・」

心理「・・・ふーん、ならいいわ」

心理定規が球を見据える

時速120km

高速道路を走る車より、それは速いのだ

人間が肉眼で捉えることは不可能に近い

プロ野球選手でさえ、球を目で見ることは不可能だ

相手の投手が投げる瞬間に、ある程度の憶測をつけているらしい

だからこそ、球をじっと見つめても意味はない

上条「な、何を・・・」

心理「・・・そんな理屈はどうでもいいのよ」


697 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:05:40.70 ID:4TslUKMY0
シュッと音が鳴る

かろうじて、球が打ち出された瞬間だけは目に見えた

そのあとの球の動きなど、一体誰が肉眼で確認出来るか

出来るわけがないのだ

心理「・・・」

無言で、心理定規がバットを振るう

当たったような、カキンという音はしなかった

代わりに何か、カッというようなおかしな音がする

上条「う、打てなかったんだな・・・」

心理「・・・どうかしら」

美琴「!た、球が・・・」

上条「ん?」

上条が心理定規の後ろに落ちている球を見つめる

もしかしたらファールだったのか

そういう考えが浮かんだが、すぐにそれを撤回する


698 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:06:31.76 ID:4TslUKMY0
ただのファールならば、どうして白球が真っ二つに切り裂かれているのだろうか

上条「き・・・斬った!?」

美琴「バットで斬るって・・・」

心理「・・・ねぇ、教えてくれないかしら?」

上条「こ、こんな芸当が出来るなら・・・」

心理「教えろ」

上条「なんでそんなに必死なんですか!?」

心理「ヤキモチ妬いてる美琴が見たいじゃないの」

美琴「何よそれ・・・」

心理「・・・それに」

心理定規が、垣根と初春のいるボックスを指差す

心理「あれを見てると、なんだかイライラしちゃうのよ」


垣根「こう・・・そうそう、もう少し体に力を入れて・・・」

初春「こ、こうですか?」


699 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:07:07.78 ID:4TslUKMY0
垣根「今度は力みすぎだな・・・あんまり力を入れすぎるのもダメなんだよ」

初春「難しいです・・・」

垣根「貸してみ」

垣根が初春からバットを受け取る

垣根「こうだ、あくまで体は芯を地面と垂直に・・・」

初春「なるほど・・・」

垣根「バットを鞭と思え、当てるんじゃなくて振るうんだ」

初春「分かりました!」

初春が再びバッターボックスに入る

しかし、中々上手く打つことが出来ない

初春「・・・ダメです、やっぱり私には・・・」

垣根「諦めるな・・・俺も一緒にやってやるから」

初春の掌に、垣根が自分の掌を被せる

体も非常に密着している

初春の体を後ろから抱き抱えるような形で一緒に打つつもりなのだ


700 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:07:47.46 ID:4TslUKMY0
初春「こ、これで打てますか?」

垣根「俺を信じろ・・・」

白球が打ち出された

垣根「今だ!」

垣根が軽く手を動かす

後は初春の役目だった

初春「えい!」

カキン、という高い音が鳴る

球は美しい軌道を描いて前へ飛んだ

初春「う・・・打てました!」

垣根「上出来じゃねぇか」

初春「垣根さんのおかげですよ!」

垣根「俺は手を貸しただけだ、前に打ったのはお前じゃないか」

初春「は、はい!」



701 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:08:35.72 ID:4TslUKMY0


心理「どう?あれ」

上条「垣根・・・さすがプレイボーイだな」

美琴「あそこまで爽やかな垣根は久しぶりに見たわ・・・」

心理「あんなの見せつけられてるのよ、私だって他の男の子とイチャイチャしたって文句言われないわよね?」

美琴「ダメだってば!」

上条「・・・心理さん、落ち着いて・・・垣根だって下心からやってるわけじゃないんだから」

心理「・・・分かってるわよ」

美琴「ほ、頬っぺた膨らませないでよ」

心理「・・・いいわ、自分で打つから」

上条「そりゃ助かる・・・」

エツァリ「御坂さん、次は御坂さんの番ですよ」

美琴「うん・・・じゃあ当麻、頑張ってね」

上条「美琴もな!」


土御門「垣根のヤツ・・・なんであんなにナチュラルなタッチが出来るんだ!?」

佐天「あれは相当慣れてるみたいですね・・・」


702 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:09:15.28 ID:4TslUKMY0
土御門「何ぃ!?あんなことを何度もやったことがあるって言うのか!?」

佐天「しかも、彼女がいるのに・・・」

土御門「くっ・・・佐天、俺もタッチしていいかにゃー!?」

佐天「ダメですよ、そういうのは」

土御門「あぁ!何のためにバッティングセンターに来たんだ!?」

佐天「ストレス解消のためですよ!」

土御門「ストレスが溜まっていくぅ!」


垣根「・・・バッティングセンターも終了だな」

バッティングを始めてから二時間

時刻は夜の9時

外を歩く学生の数もかなり減っている

心理「・・・これからどうするの?」

エツァリ「そうですね・・・」

上条「どうせまだ遊ぶんだろ・・・」


703 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:10:04.17 ID:4TslUKMY0
美琴「いいじゃない、こんなに遊べるなら」

佐天「でもちょっと疲れちゃったな・・・」

土御門「体を動かすのはやめようぜ」

初春「となると・・・」

垣根「カラオケか!?」

上条「お前とカラオケには行きたくないんだよ!」

垣根「はぁ!?俺が何したって言うんだよ!?」

上条「胸に手を当ててよく過去を思い出してみようか!」

垣根「過去は振り返らない主義なんだよ!」

上条「知るかよ!」

佐天「あの・・・前に何かあったんですか?」

美琴「・・・ビリだったカップルが全裸、とかね」

初春「ぜ、全裸!?」

土御門「それは羨ま・・・けしからんにゃー!」

エツァリ「・・・今はやめておきましょう」


704 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:10:45.76 ID:4TslUKMY0
垣根「ちっ・・・じゃあ何があるんだよ」

上条「合コンだから・・・やっぱり個室のある店がいいな」

美琴「じゃあ・・・」


美琴「やっぱり、ホテルとか?」

一同「」

美琴「!?ち、違うわよ!変な意味じゃなくて・・・」

上条「・・・いや、分かってるけどさ・・・」

エツァリ「・・・ですが、他にいい案がありませんね」

垣根「・・・人の女に手を出したらどうなるか分かってるよな?あぁ?」

上条「お前こそ・・・エツァリ、美琴に変なことするなよ」

エツァリ「分かってます・・・土御門さんが一番心配なんですけどね」

土御門「お、俺は何もしない!」

佐天「初春はいいなぁ・・・垣根さんってなんだか二人きりだとロマンチックにしてくれそう!」

初春「そうですか?」


705 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:11:31.74 ID:4TslUKMY0
心理「・・・垣根に変なことされたら逃げなさいよ?」

初春「は、はい」

美琴「・・・心理定規、当麻に変なしたらただじゃ済まないからね」

心理「お口でくらいならいいのかしら?」

美琴「ダ・・・ダメに決まってるでしょ!」

心理「冗談よ・・・上条君はそういう対象じゃないもの」

上条「というか・・・ホテルっていいのか?」

土御門「い、いまさらかにゃー!?」

垣根「・・・合コンなら全員で顔を合わせていたい・・・かもな」

エツァリ「ならば全員、同じ部屋にいればいいのではないですか?」

上条「それがいいかもな・・・」

美琴「なんだ・・・心配して損したわよ」

垣根「ちっ・・・初春の成長をチェックしてやろうと思ったのによ」

初春「は、はい!?」


706 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:12:32.60 ID:4TslUKMY0
心理「やっぱりそのつもりだったのね・・・!」

垣根「お前だってお口で、とか言ってたじゃないか」

心理「あれは冗談なの!」

垣根「まぁまぁ・・・とにかく、さっさと移動しちまおうぜ」

エツァリ「そうですね」


垣根「・・・よかったな、個室が空いてて」

佐天「大きな個室・・・」

美琴「・・・ホント、学園都市にもこんな大きな個室のあるホテルがあったなんて・・・」

心理「・・・見て、夜景が綺麗よ」

土御門「ベッドがフカフカだぜぃ!」

エツァリ「・・・なんだか眠くなりますね」

初春「・・・綺麗な夜景に綺麗な部屋・・・お嬢様になった気分です!」

佐天「初春はそういうのにホント憧れるよねー」

初春「当たり前じゃないですか佐天さん!」

上条「・・・で?これからはどうするんだよ」


707 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:13:32.98 ID:4TslUKMY0
垣根「うーん・・・そろそろこの合コンも終わりに入る」

佐天「えー、もう?」

土御門「やっとみんなのことが分かってきたとこなのににゃー・・・」

エツァリ「仕方ないですよ・・・明日は学校があるのでしょう?」

上条「う・・・思い出したくないことを言わないで!」

心理「・・・それじゃ、ここが最後なのね」

垣根「そんでもって・・・最後にもう一度、フィーリングカップルをしようぜ」

初春「?なんでですか?」

垣根「まぁ少しの間だが、みんなのことを知れただろ?バッティングセンターでも他の異性も見ていたはずだ」

土御門「・・・あぁ」

美琴「ここで最終的な決定を下すのね」

垣根「誰が一番いいか・・・もちろん、今度は自分の恋人を書いても構わない」

上条「なんだ、いいのかよ?」

垣根「あぁ」

心理「・・・じゃあ、書きましょう」

美琴「・・・」



708 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:14:22.83 ID:4TslUKMY0

上条「・・・俺は美琴だな」

美琴「わ、私は当麻よ!」

垣根「俺は心理定規だな」

心理「私も・・・垣根を書いたわよ」

エツァリ「・・・自分は初春さんを書きました」

初春「あれ、私は垣根さんを書いたんですけど・・・」

エツァリ「な、なぜですか!?」

初春「い、いや・・・だって垣根さん以外とあんまり親密じゃないですから」

エツァリ「で、ですがここは垣根さんが心理定規さんを書くのは決まってるじゃないですか!」

初春「そ、それでもあなたはイヤなんです!」

エツァリ「」

垣根「へぇ・・・初春、お前中々可愛いとこあるじゃねぇか・・・」

初春「な、何言ってるんですか!」

心理「・・・垣根、上手く纏まったんだからゴチャゴチャにしないでよ」

垣根「はいはい・・・で?土御門は誰を書いたんだ?」


709 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:14:54.75 ID:4TslUKMY0
土御門「俺は佐天だにゃー」

垣根「へぇ・・・気に入ったのか」

土御門「まぁ・・・気が合いそうだからにゃー」

美琴「それでそれで!?佐天さんは誰を書いたのよ!?」

佐天「わ、私は・・・」


佐天「垣根さん・・・」

垣根「は?」

上条「な、なんで!?土御門といい感じだったじゃんか!」

美琴「そうよそうよ!」

初春「どうしてなんですか佐天さん!?」

佐天「いやぁ・・・土御門さんも優しくて素敵だったけど・・・」

エツァリ「だったけど?」


佐天「やっぱり、垣根さんのほうがイケメンだから!」

土御門「」


その日、土御門は心に傷を負った

忘れてはいけない、世の中は顔だけではない

だが決して、中身だけでもないということを


710 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:20:17.27 ID:4TslUKMY0

愛と涙と友情のひな祭り編


垣根「灯りをつけましょシンボリにー」

心理「ルドルフなの?」

垣根「あぁ」

心理「・・・それで?どうしてそんな歌を歌ってるのよ」

垣根「あぁ、だって今日ってひな祭りだろ?」

心理「あら・・・もうそんな時期?」

心理定規がカレンダーを確認する

たしかに、今日はひな祭りだった

心理「・・・ひな祭り・・・ねぇ」

垣根「そういえば御坂たちはひな祭りするのかな」

心理「さぁ・・・どうかしらね」

垣根「・・・派手にやりたくないのか?」

心理「派手にって・・・もうひな祭りを祝うような年齢じゃないのよ」



711 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:31:00.30 ID:4TslUKMY0
垣根「なんでだよ!!男の子の日なんてないのに、ひな祭りは女の子の日なんだぞ!!」

心理「分かってるわよ」

垣根「女の子の日なんて月に一回あるのになぁ!!」

心理「そうね」

ペラペラと雑誌を捲りながら適当に心理定規が頷く

垣根「・・・なんか不機嫌だな」

心理「別に」

垣根「ま、まさか女の子の日か!?」

心理「違うわよ・・・ボケキャラなんて言われちゃってるからクールなキャラに戻したいのよ、そうしないと私の人気はがた落ちよ」

垣根「そういうネタはやめろ」

心理「・・・それに、家には雛人形なんてないでしょ?」

垣根「ちっちっち、あるところにはあるんだよぉ!!」


712 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 10:45:20.12 ID:4TslUKMY0

打ち止め「灯りをつけましょ!」

番外「ボンボリにー!!」

一方「・・・お花をあげましょ・・・」

打ち止め「もう!!もっと元気に歌ってよ!!ってミサカはミサカはぶーたれてみたり!!」

番外「元気がないねぇ・・・」

一方「・・・なンで俺が雛人形飾らなきゃならねェンだよ・・・」

番外「当たり前じゃん、そこに雛人形があるからだよ!!」

打ち止め「女の子のためだよ、ってミサカはミサカは性別の違いを武器にしてみたり!!」

一方「うぜェ・・・」

一方通行だけが雛人形の準備をしている

なぜか彼だけが準備をしているのだ

それが非常に気に食わない

一方「お前らも手伝えよ」

番外「だって今日は女の子の日だもん!!」

一方「・・・せ、赤飯でも炊くかァ?」

番外「そっちじゃなくて」



713 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 11:03:22.84 ID:4TslUKMY0
一方「・・・そォいや他の連中は雛人形とか飾ってンのか?」

打ち止め「どうなんだろう・・・持ってる人も少なくなってるから、ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」

一方「なンで家にはあるンだよ」

番外「さぁ?黄泉川のじゃない?」

一方「はァ・・・ンなわけねェだろォが」

打ち止め「ミサカはそうだと思ってたけど・・・」

一方「・・・クソ・・・他のヤツらは絶対にこンなこと・・・あ?」

文句を言っていた一方通行のポケットから軽快な音が鳴る

一方「・・・垣根か」

番外「なになに?携帯?」

一方「あァ・・・メールだ」

メールの内容は簡単だった


「みんなでひな祭りパーティーしようぜ」というものだった



714 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 11:14:18.92 ID:4TslUKMY0

エツァリ「・・・ひな祭りパーティーか」

ショチトル「一斉送信とはやる気だな、あいつ」

エツァリ「・・・ついこの間も俺は振り回されたんだけどな・・・」

ショチトル「合コンだったか?」

エツァリ「もうイヤだ・・・」


19090「テっくん、ひな祭りのお誘いです!!」

テクパトル「ん?あぁ・・・ひな祭りね」

19090「?乗り気ではないようですね」

テクパトル「いや・・・いいんだけどさ、どこでやるんだ?」

19090「えっと・・・どうやら近くのホテルを取ったらしいです」

テクパトル「金持ちはこれだからイヤなんだよ!!こっちはやっとこさ一軒家買えたって喜んでるとこなのにな!!!」

19090「と、とりあえず行きましょう!!」


715 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 11:27:35.95 ID:4TslUKMY0

削板「ん?ひな祭りか・・・」

黒子「ちょうどよろしいのでは?風紀委員のほうもひと段落着きましたし・・・」

削板「でも、わざわざホテルを借りるなんてすごいよな」

黒子「垣根さんはお金持ちですの・・・」

削板「そうだな」


上条「・・・ひな祭りか」

美琴「全員集まるみたいね・・・」

上条「そういや、みんなが集まるのって久しぶりじゃないか?」

美琴「あ、そうかもしんないわね」

上条「楽しみだな・・・なんだか懐かしいよ」

美琴「あはは・・・そんなに会ってない訳じゃないのにね」

上条「行こうか美琴」

美琴「うん!!」



716 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 11:40:19.67 ID:4TslUKMY0

垣根「集まったかみんな!!」

19090「なんだか久しぶりなメンバーですね!!」

打ち止め「ミサカも混じってるぜ!!ってミサカはミサカは胸を張ってみたり!!」

エツァリ「賑やかですね・・・」

心理「・・・あら、もう雛人形は飾られてるのね」

番外「すごいすごい!!家にあるのよりずっとでかいね!!」

削板「いやぁ!!思っていた以上に豪華だな!!」

黒子「そうですわね・・・」

美琴「ねぇ・・・ところで、なんで垣根はマイクを握ってるの?」

垣根「もちろん、司会は俺と上条じゃなきゃな!!」

上条「ま・・・まさかあれを!?」

垣根「ひゃははは!!男も女も騒げや歌え!!!」

上条「甘酒自棄酒美味い酒!!!」

垣根「五人囃子の笛太鼓!!」

上条「その6人目は俺がなる!!!」


上条・垣根「とあるラジオのイマジンマター、inひな祭り!!」

垣根「ぶっちゃけどんな企画やってたか忘れたから適当にお便りとか文句でも書きやがれスペシャル!!」

上条「世の中への不満もぶちまけろ!!」



717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/04(日) 11:48:05.07 ID:Qnf1eev0o
心理定規ちゃんとイチャイチャしたいんだけどどうすればいいですか?
718 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 11:51:53.88 ID:4TslUKMY0
垣根「お前は俺を怒らせた」

上条「やめろ」

心理定規ちゃんとイチャイチャしたいんだけどどうすればいいですか?


心理「そうね・・・想像の中で、とか」

垣根「いけないよ!盗みと浮気とタンデムは!!」

上条「落ち着けよ・・・そうだな、イチャイチャは脳内でなら自由だぞ」

心理「そうね・・・」

美琴「もちろん、いきすぎたらダメだけどね」

ショチトル「ふん、最後はイかなきゃ終わらないだろ」

19090「?何の話ですか?」

テクパトル「落ち着け・・・イチャイチャしたいなら、想像の中で、度は過ぎない範囲でな」

垣根「笑えばいいと思うよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

一方「落ち着け・・・打ち止めは甘酒飲むなァ!!!」

打ち止め「ぷはーっ!!ってミサカはミサカは酒を飲んだ後の黄泉川の真似をしてみたり!!うっへっへ!!」

一方「こいつ酔いやがった!!」


719 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 11:57:20.05 ID:4TslUKMY0
削板「いやぁ!!雛人形って可愛いよな!!」

黒子「少しおっとりした顔をしていますの」

番外「そう?なんだか生気を吸い取られそうな顔じゃない?」

美琴「えぇ・・・可愛いわよね?」

ショチトル「いや、怖い」

垣根「美味しそう」

上条「こう・・・夜中に見ちゃうと怖いかもな」

エツァリ「夜に見る機会がありませんけどね」

一方「打ち止めァ!!!酒臭ェンだよ!!!」

打ち止め「ぷはーっ!!!」

一方「おォォォォォォ!!!!」

心理「うるさいわね・・・こんなときくらい静かにしなさいよ」

垣根(誰もツッコんでくれない・・・俺、寂しいよ)



720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/04(日) 12:07:27.08 ID:IDuTI0qAo
友人Aが最近右腕を抑えながら「ぐッ…!鎮まれッ!!」とか言い始めたんですが、どうやって嘲笑えばいいですか?
721 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:19:18.63 ID:4TslUKMY0
上条「こ、これは・・・」

友人Aが最近右腕を抑えながら「ぐッ…!鎮まれッ!!」とか言い始めたんですが、どうやって嘲笑えばいいですか? 


美琴「ほ、ほらそういうのは・・・」

垣根「いいか、そういうヤツは厨二、とかキモイ、とか言われるのは慣れている・・・中途半端だということを教えてやるんだ」


垣根「ぐっ・・・タルタロスが世界の秩序を乱しているのか・・・カムペーともあろうものが、まさか囚人達を解き放ってしまうとは・・・」

垣根「・・・あぁ、ガイアよ・・・お前の同胞は、お前の兄弟は・・・なぜ世界をそこまで憎む、ペテロの書だけになぜ収まろうとしないのだ・・・」


垣根「みたいな感じで、若干高いクオリティの厨二を見せてやればいいんだ」

心理「ごめん、間違ってると思うわ」

エツァリ「あ、あの・・・そうですね、そんな友達を嘲笑うには・・・」

黒子「・・・ヤケドしたの?とか聞けば良いのでは?」

垣根「その前に、Aっていう名前にツッコもうぜ」

上条「それは名前じゃなくて通称だ」

垣根「俺はもう鎮まってるけどな!!!って言いながら鼻で笑うとか」

美琴「意味分からないわよ」


722 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:31:32.20 ID:4TslUKMY0
垣根「そうそう、ひな祭りって女の子の健やかな成長を願う祭りなんだぜ」

美琴「知ってるわよ」

垣根「やっぱり、女の子の成長といえば胸だよな」

ショチトル「そうだな、そこが一番確認しやすいし」

テクパトル「おかしいだろ・・・」

19090「で、ですがそこだけではなく身長や心も成長しますよ!?」

テクパトル「よく言った!!」

垣根「はっはぁ!!心なんてな、成長したと思っている間は成長してねぇもんなんだよ!!」

削板「そんなことはない!!成長を考えることが、もう成長したことになるんだ!!」

黒子「そうですの!!」

垣根「黙れ小僧!!!」

一方「打ち止めァ!!てめェはもォ酒飲むな!!」

打ち止め「にゃーっはっは!!!!」

番外(・・・ミサカも飲もうかなぁ)


723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府) [sage]:2011/12/04(日) 12:32:41.57 ID:FkYJaqsbo
ポケモン初代赤のコクーンのグラが怖すぎるんですが
724 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:39:05.58 ID:4TslUKMY0
垣根「あぁ、それは思うな」

ポケモン初代赤のコクーンのグラが怖すぎるんですが
 

垣根「というか、ポケモンの初期は下ネタがひどかったよな」

上条「いやいや!!」

垣根「ゴールデンボールとか、ダグトリオの穴を掘るとか」

心理「それは、受けて側の問題でしょ?」

エツァリ「・・・コクーン自体が若干不気味なキャラですけどね」

美琴「・・・コクーンって可愛げないわよね、やっぱりトキワのビリビリが可愛いわよ!!」

上条「な、なんか自画自賛っぽいぞ」

テクパトル(・・・な、何の話をしているんだこいつらは・・・)

一方(番外個体まで飲みやがった・・・)

番外(うへへ・・・いい気分だ・・・)

垣根(オレ、オマエ、マルカジリ)


725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/04(日) 12:41:22.28 ID:VPyQSi6h0
土御門君はサングラスなしだと
かなりかっこいいと思うんですが
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海) [sage]:2011/12/04(日) 12:42:37.47 ID:BgQnQKLAO

ポケモンシリーズで一番面白いなと思ったのはプラチナ何ですが皆さんはどうですかね?
727 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:48:42.53 ID:4TslUKMY0
垣根「ん?」

土御門君はサングラスなしだと
かなりかっこいいと思うんですが
  

垣根「そうだな、俺だってそうは思うさ」

上条「あいつって目がカッコイイからな」

垣根「だがな、能ある鷹は爪を隠すんだ・・・いざというときにあのグラサンを外すと、かなり決まって見えるだろう?」

美琴「あぁ・・・そうかも」

心理「・・・サングラスがあるとただの不良だけどね」

垣根「・・・サングラスはアクセントじゃない、あれはカモフラージュなのさ」

テクパトル「・・・そ、そういうもんなのか?」

心理「・・・土御門君はむしろ、変態で損してるタイプよね」

上条「・・・あぁ、性格がかっこよければかなりモテそうなのにな」

美琴(全国の土御門好きさんたち、ごめんなさい)

728 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 12:51:56.87 ID:4TslUKMY0
垣根「実はな、これにはある重要な問題があるんだ」


ポケモンシリーズで一番面白いなと思ったのはプラチナ何ですが皆さんはどうですかね?  


垣根「>>1は、ポケモンを友達がやってるのを見たことはあるがやったこと自体はない」

上条「なんだってー」

垣根「つまり、あれが面白い、とかこれは微妙だった、というのは言えないんだな」

削板「でもさ、RPGとかのほうが面白そうだとは思うな」

番外「あっひゃひゃ!!ポケモンみたいなのも面白そうじゃん、好きな名前をつけたペットを飼える
んだぜ!!」

一方「ポケモンはペットじゃねェ、仲間だ」

垣根「・・・俺はバハムートラグーンがいいと思うけどな」

上条「あぁ・・・サラマンダーよりずっと早いのやつか」

垣根「・・・あれは、あらゆる意味ですごいゲームだ!!」

エツァリ「自分はテトリスみたいなみなさん出来るのが好きですね」

ショチトル「・・・なるほどなぁ」


729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海) [sage]:2011/12/04(日) 13:00:41.74 ID:BgQnQKLAO

今この場にいるメンバーで能力使用禁止で戦ったら誰が一番強いのやら……
730 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 13:03:58.55 ID:4TslUKMY0
垣根「それにしても、最近の子供って外で遊ばないのかな?」

心理「外でゲームをするって子もいるみたいね」

上条「そ、それは意味あるのか?」

ショチトル「・・・今の子供は、缶蹴りとか知ってるのかな」

美琴「うーん・・・どうなんだろう?」

テクパトル「こう、もう少し体を使った遊びもいいよな」

19090「鬼ごっことか、懐かしいですね・・・」

エツァリ「今はそんなことを出来るスペースを減りましたね・・・」

一方「はン・・・ムダに体力使うだけじゃねェか」

打ち止め「一方通行はだからモヤシなんだよ!!ってミサカはミサカはアルコール攻撃!!」

一方「吹きかけンなァ!!!」

削板「みんなもたまには体を動かそうな!!」

黒子「じゃないと太ってしまいますの」

上条(・・・草の生えた坂を転がるのって楽しいよな)


731 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 13:08:50.99 ID:4TslUKMY0
垣根「・・・これは、そうだな・・・」

今この場にいるメンバーで能力使用禁止で戦ったら誰が一番強いのやら……
 

上条「・・・テクパトルか削板かな」

削板「うーん・・・でも、戦うって何でだ?」

垣根「チェスか」

心理「・・・みんなは分かってないわね、戦いというものを」

美琴「な、何言ってるのよ?」

心理「いい?力が強いだけで勝てると思う?だったら世の中は筋肉マンだらけよ」

ショチトル「は、はぁ?」

心理「頭、体、そして心・・・それらの全てを破壊し尽くすことが勝利なのよ」

垣根「怖いぞお前!!」

心理「相手の考える知識を奪い・・・相手の動く体を奪い、相手の逆らう心を無くす・・・どれか一つを欠けさせるだけじゃダメなのよ」

心理「力で負ければ武器を持ち、武器を折られれば言葉で穿つ、人間なんてそんなものよ」

心理「戦争だってそう、兵器を無くせば平和、なんて甘っちょろい考えはやめなさいな」

心理「言葉を弾丸に変え、憎しみを銃へと化す・・・理性という安全装置を放ち、怒りを持ってその引き金を引くのよ」

心理「ニュースを見なさいな、言葉の暴力だけで死に追いやられる人がいるのよ」

心理「つまり、戦いというのは誰だって勝てるし誰だって負けるもの、ここにいる誰が一番強いかと言ったら・・・」


心理「こういう話をして、あなた達の戦意を削いだ私なんじゃないかしら」

一同「」



732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 13:45:47.94 ID:DXmvMaGUo
心理タソ結婚してくれええええええ!!!!
733 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 13:51:52.75 ID:4TslUKMY0
心理「あら」

心理タソ結婚してくれええええええ!!!!
  

美琴「・・・心理定規は人気ね」ムスッ

19090「そうですね・・・」ムスッ

ショチトル「こうやって放置されるのも悪くないな」ムラッ

黒子「・・・心理定規だけがヒロインですのね」ムスッ

番外「へっ、羨ましいな」ムスッ

打ち止め「・・・人気なんていらないもん!」ムスッ

心理「そうね・・・結婚は無理よ、私垣根が好きだもの」

垣根「そうだそうだ!!!」

心理「ただ、気持ちはありがたく受け取っておくわね」

垣根「なにぃ!?」

心理「ありがとう、あなたも素敵な男性よ」

垣根「>>732、お前はもう死んでいる」


734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/04(日) 13:53:35.24 ID:m2d9MoyGo
エツァリはぶっちゃけ美琴とショチトルを比べて
お世話になった回数どっちが多いの?

ほかのメンツもお世話になった人を
kwwsk(恋人何回とか、そのほかで何回とか)
735 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 14:00:51.23 ID:4TslUKMY0
エツァリ「な、何を!?」

エツァリはぶっちゃけ美琴とショチトルを比べて
お世話になった回数どっちが多いの?

ほかのメンツもお世話になった人を
kwwsk(恋人何回とか、そのほかで何回とか)


エツァリ「自分は御坂さんでは5回しかありません!!」

美琴「当麻、この人おかしい」

上条「その幻想をぶち殺す!!!」

エツァリ「ぎゃぁぁぁぁ!!!」

垣根「俺は心理定規は何度も、でも他のヤツはほとんどないかな」

心理「・・・待って、ほとんど?」

垣根「一度だけ・・・あぁ、あれはそうだたしか三ヶ月前に、かなみで」

心理「そういうのはやめなさい」

ショチトル「私はもうみんなに犯された想像をしているぞ」

一方「・・・俺は打ち止めならあるな」

番外「うっわ・・・ミサカはないや、そういうの」

テクパトル「俺もないな」

19090「ミサカもです」

上条「俺も・・・ないな」

美琴「私もないわよ?」

黒子「わたくしはお姉さまなら・・・」ハァハァ

美琴「やめなさい!!!」


736 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 14:03:45.13 ID:4TslUKMY0
削板「待ってくれ、何の話だこりゃ?」

打ち止め「さ、さぁ?」

上条「お前達はいいんだ!!!」

垣根「・・・待て、ショチトルに誰かツッコもうぜ」

ショチトル「お、お前に突っ込まれるのか・・・」ドキッ

垣根「ちげぇよ」

上条「・・・一方通行も問題だろ」

一方「あァ?ロリは正義なンだよ」

美琴「黒子、アンタ・・・ってそういえば、心理定規は?」

心理「そうね・・・垣根なら何度か、あとはたまに・・・」


心理「美琴かしら」

美琴「」

心理「はぁ、じょうだ・・・」


美琴「当麻ぁぁぁぁぁ!!!」ウワァァァァン!!

上条「だ、大丈夫だからあの人を見ちゃいけません!!!」

心理「」


737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/04(日) 14:05:02.10 ID:Qnf1eev0o
テっくん!嘘はいけないな
昔は組織の女をあんなにも……
738 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 14:14:44.31 ID:4TslUKMY0
テクパトル「おぉぉぉぉ!?」

19090「そ、そんな過去が!?」

テっくん!嘘はいけないな
昔は組織の女をあんなにも……


テクパトル「違う違う!!おかしいぞこの情報は!!」

垣根「でも、トチトリとかいう子を骨抜きにしたって・・・」

テクパトル「それは物理的にな!!」

垣根「うっわー・・・」

美琴「テクパトル、アンタ・・・」

テクパトル「違うんだって!!」

19090「テっくん・・・ミ、ミサカは信じてますよ!?」

テクパトル「し、信じてくれるか!!」

19090「テっくんは骨集めが趣味だったんですね!」

テクパトル「あれぇ!?」

美琴「テクパトル・・・組織の女の子でどれくらいやったの?」

テクパトル「いやいや!!抜いたのは骨だけだったからな!!」

垣根「上手い!!」

テクパトル「上手くねぇよ!!」


739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/04(日) 14:18:41.01 ID:m2d9MoyGo
この際はっきりさせてほしい
心理定規は百合もいけるのかいけないのか
(判断基準は、ガチで美琴に迫られたら許すのか許さないのかで)
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/04(日) 14:19:25.77 ID:Qnf1eev0o
じゃあ、組織に居た時下の処理はどうしてたんだよ!
やったことないってのは無しだかんな!
741 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 14:23:35.28 ID:4TslUKMY0
心理「あら、決まってるじゃない」


この際はっきりさせてほしい
心理定規は百合もいけるのかいけないのか
(判断基準は、ガチで美琴に迫られたら許すのか許さないのかで)


心理「NOよ、というか真面目に迫られたら更にNOよ」

心理「いい?冗談という形で、私は美琴をいじっているの」

心理「それが本気になれば愛になるわ」

心理「私はすでに垣根と愛を誓っているの、浮気なんてまっぴら御免よ」

美琴「えっ・・・」

心理「えって何よ・・・」

上条「も、もしかして美琴ぉ!?」

美琴「ち、違うわよ!?」

垣根「ははははは!!百合じゃないんだってさ、心理定規はよぉ!!」

心理「結論としては、百合はネタよ・・・私の場合は」

黒子「そうですわね・・・」

心理「それに、美琴だって私には迫らないわよ」



742 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 14:26:31.14 ID:4TslUKMY0
テクパトル「・・・そうだな、これは面白い質問だ」


じゃあ、組織に居た時下の処理はどうしてたんだよ!
やったことないってのは無しだかんな!
 

テクパトル「・・・そりゃ、何度かはな」

テクパトル「だがそれは特定の人物ではなく背中というものを意識しての行為だった」

テクパトル「幼い子供がなぜ親に恋をするかしっているか?」

テクパトル「それは、親の顔が好きとか、性格が好きとかいう理由ではない」

テクパトル「そこにある漠然とした心地よさ、愛、溢れる温もりに恋をしているのだ」

テクパトル「それと同じさ、俺は組織にいた頃女で抜いたことはない」

テクパトル「だが女の背中で抜いたことはあった」

テクパトル「それは女にやましい気持ちを抱いていたのではなく、背中に・・・ってなんでみんなは距離を置いてるんだ?」


上条「お前とは分かり合えないよ」

エツァリ「若干引きました」

ショチトル「テクパトル、友達にならないか?」

テクパトル(な、なんなんだこの疎外感は)


743 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 14:53:03.82 ID:4TslUKMY0
今日はここまでです

バイト、風邪のときはだるいねだるいねw


質問とかは引き続きどうぞ

背中の魅力を熱く語れるヤツはおらんか!?


では

744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/04(日) 15:12:32.25 ID:VPyQSi6h0
>>1乙!!
上条さんはよくラッキースケベにあっていますが
実際何回くらい遭遇しましたか?
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/04(日) 15:15:51.59 ID:Qnf1eev0o
>>744
今までに食べたパンの枚数聞くのと一緒だろ
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/04(日) 20:08:06.15 ID:IDuTI0qAo
一番新しいのだときんのたまおじさんが双子で横に並んでて2つくれるんだぜ…

それはそうと、質問です。
ある朝起きたら突然性転換して居ました。
皆さんはまず何をしますか?
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 20:24:13.83 ID:KCnRD1pDO
>>1乙である

今、各カップルがお互いに不満を感じている事を教えてほしいのである。
ないという回答は可能な限り無しでお願いするのである。


皆がもっと仲良くなってくれると我輩が嬉しいのである。
748 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 23:14:52.35 ID:4TslUKMY0
上条「えっと・・・」


上条さんはよくラッキースケベにあっていますが
実際何回くらい遭遇しましたか?
 

上条「そうだな・・・数えてないけど・・・心理さんは一回か二回あったよな」

心理「私が垣根に着替えさせてもらってるところを覗いたのよね」

上条「不幸ですから・・・」

美琴「・・・へぇ」

上条「ぐ、偶然なんだって!!マジで!!」

垣根「他のメンバーは?」

上条「そうだな・・・白井は下着姿見たことあるし・・・」

削板「なにぃ!?」

上条「こ、拳を振りかざすなぁ!!!」

黒子「・・・殺しますの」

上条「怖い怖い!!」

垣根(みんな、ラッキースケベはやめようぜ)



749 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 23:17:25.33 ID:4TslUKMY0
上条「そうだな・・・」


それはそうと、質問です。
ある朝起きたら突然性転換して居ました。
皆さんはまず何をしますか?


上条「夢じゃないかって思うか・・・右手で自分に触れるか」

美琴「当麻に相談」

垣根「110番」

心理「・・・絶望して飛び降りるかもしれないわね」

エツァリ「オ(ry」

ショチトル「オ(ry」

黒子「・・・多分、ウソだと思ってもう一度寝ますの」

削板「性別が変わろうが俺は俺だ!!」

一方「知るかよ・・・てか、俺は女かもしれねェって噂もあるからなァ」

番外「ミサカは案外そういうの、好きだよ」

テクパトル「背中を確認する」

19090「えっと・・・テっくんに泣きつきますね」

打ち止め「ミサカは一方通行に自慢する!!ってミサカはミサカははしゃいでみたり!!」


750 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 23:22:24.73 ID:4TslUKMY0
上条「うーん・・・」


今、各カップルがお互いに不満を感じている事を教えてほしいのである。
ないという回答は可能な限り無しでお願いするのである。


上条「・・・美琴は男勝りでいいと思うけど・・・あんまりすぎると、ちょっと乱暴者っぽいかな」

美琴「当麻は・・・ちょっと女の子に優しくしすぎかな、それもいいと言えばいいんだけどさ」

垣根「心理定規は・・・たまにものすごく冷たい、そしてたまに怖い」

心理「・・・垣根は・・・すぐ誰かの胸を揉んだり心を奪ったりするわね」

一方「・・・こいつはとにかくわがままだ・・・それが好きな俺もどォかしてるけどな」

番外「一方通行は素直じゃないしロリコンだけど・・・ま、悪くはないか」

削板「黒子は無理をしすぎだな!!もうちょっと女の子らしく、大人しくしていいと思う!!」

黒子「軍覇さんは・・・そうですわね、元気すぎてたまに暴走してますの」

エツァリ「ショチトルはすぐ咥えます」

ショチトル「エツァリはすぐに入れたがるな」

テクパトル「・・・19090号はたまに天然で人を傷つけるかな、それがなけりゃ完璧だ」

19090「テっくんは・・・とにかくミサカ誑しです」

垣根「こんなもんさ、不満はいくらでもあるが・・・それよりも多い好きなところがあるから、付き合ってるんだな」


751 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/04(日) 23:23:55.89 ID:4TslUKMY0
今日はここまで

早く寝て早くよくなって、早くサトリナで(ry

筋肉動画はこちら

http://www.youtube.com/watch?v=N94Kzh8y21c


メルビンさん、踊ります

ではおやすみなさい
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/05(月) 00:03:10.73 ID:0GTHdW6j0
>>1乙!!
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 04:55:47.78 ID:RAzTWHoSO
>>479
さすが変態カップルぶれないなww
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 05:06:52.33 ID:RAzTWHoSO
>>749だったorz
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 09:00:23.61 ID:1bgeps5vo
おつん
756 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 11:44:12.83 ID:HD4OV39s0
上条「・・・ひな祭りだし、甘酒でも飲みますか・・・」

美琴「う・・・私はいいわよ」

上条「なんだよ、いつもなら喜んで飲みそうなのに」

美琴「酔ったら・・・当麻に迷惑掛けちゃうから」

上条「あぁもう可愛いな!そうやって気を遣える美琴さんが大好きですよ!」

美琴「な、何大声で言ってるのよ!?」

上条「俺がお内裏様、美琴がお雛様だな!」

美琴「わ、私がお雛様・・・」

上条「美琴ってお姫様みたいだからな!」

美琴「にゃ・・・」

上条「?にゃ?」

美琴「にゃぁぁぁぁ!ふにゃぁぁぁ!」

上条「うわぁぁ!ビリビリを撒き散らすなぁ!」

美琴「ふにゃっ!?にゃっ!?」

上条「戻ってこい!」


757 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 11:44:57.40 ID:HD4OV39s0
心理「あらあら・・・仲良しで羨ましいわね」

垣根「妬けちゃうぜ二人とも」

上条「いやいや!今はちょっと困ってるんだけどなぁ!」

削板「ははは!賑やかだなぁ!」

上条「賑やかで片付けていい問題じゃ・・・あっぶね!」

上条が右手で電撃を打ち消す

しかし美琴はまだ暴走している

美琴「お・・・お姫様!?お姫様ってにゃによ!?」

上条「まだ猫っぽいですよ!?」

美琴「わ、私がお姫様なら当麻は・・・た、助けに来てくれた騎士さん!?」

エツァリ「上条さんが馬に乗って助けに来るんですか」

テクパトル「似合わないことこの上ないな」

上条「言わないでくれよ・・・」

19090「白馬に乗ってるのは王子様ですよ?」

垣根「はぁ?そんな訳あるかっての、王子様は国民の背中にのしかかるもんだろ」


758 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 11:45:59.86 ID:HD4OV39s0
心理「夢が無くなるからやめなさい」

一方「・・・番外個体、飲みすぎだ」

番外「あっはは!一方通行が二人いるぅ!」

一方「・・・こいつ、目の焦点が合ってねェ」

打ち止め「ミサカ、いい気持ち!ってミサカはミサカはおもむろに服を脱ぎ・・・」

一方「おォォォ!?脱ぐな脱ぐな!いや脱いでほしいけどォ!」

上条「何やってんだよ・・・ちゃんと管理しろよな」

一方「こいつらが勝手に飲ンだンだよ!」

垣根「そうやって他人に理由を求める人生、お前は楽しいのかよ!?」

一方「うるせェ!上条みたいな台詞をお前が吐くンじゃねェ!」

垣根「へへっ!いいぜ、お前が他人に失敗の理由をなすりつけようなんてしてるなら!」


垣根「まずはそのふざけた幻想をぶ」

心理「みんな、甘酒飲みましょう」

垣根「」


759 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 11:46:54.27 ID:HD4OV39s0
上条「心理さん・・・たくましくなったな」

心理「あら、私は昔からたくましいわよ」

19090「そ、そうなんですか?」

ショチトル「何しろ色々なものをありとあらゆる穴に入れてきてるからな」

心理「あら、それはあなたじゃないの?」

ショチトル「な、なぜばれた!?」

黒子「ショチトル・・・あなた、そんなことをしていると友達が減りますわよ」

美琴「ふにゃっ!?黒子が言えることじゃにゃいでしょ!?」

黒子「わたくしはもう軍覇さん一筋ですの!それと猫っぽいですわよ!」

美琴「にゃっ!?」

削板「黒子、よく言った!」

垣根「・・・お前ら静かに」

上条「な、なんだよ」

テクパトル「・・・垣根、そげぶを邪魔されたからって怒るなよ」


760 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 11:47:48.14 ID:HD4OV39s0
垣根「そんなんじゃねぇやい!」

テクパトル(明らかにそうじゃねぇか・・・)

垣根「今日、なんでお前達はここに来た!?」

心理「なんでって・・・」

19090「ひな祭りを祝うためです・・・」

番外「甘酒を飲むため!」

打ち止め「そしていい気分になるため!ってミサカはミサカは笑いながら答えてみ」

垣根「ふざけんじゃねぇよクソガキがぁ!」

打ち止め「」

垣根「違うんだよ!今日はメルヘンになるためにここに来たんだよ、ひな祭りを祝ってメルヘンになるためになぁ!」

心理「・・・メルヘンになるためだったのね」

垣根「あぁ・・・ひな祭りを祝うことで、女の子はより健やかに育つ」

ショチトル「私のアソコは健やかに育ってるぞ」

垣根「ガバガバのゆるゆるじゃねぇか」


761 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 11:57:28.42 ID:HD4OV39s0
ショチトル「じゃあ・・・試してみる?」

エツァリ「ショチトルぅ!?」

垣根「やだ、ヤリマンには興味ありません!」

ショチトル「ちっ」

心理「・・・それで?具体的にはどうするのよ」

垣根「健やかに育つにはやっぱり、周りの協力が必要だ」

美琴「にゃ・・・にゃるほど」

上条「やっと落ち着いた・・・」

美琴「・・・そ、そそそそれで?」

垣根「・・・つまり、仲間との連携、愛情、友情、信頼が必要だ」

美琴「うんうん」

垣根「・・・そこでだ、ロシアンルーレットをしたい」

ショチトル「・・・は?」

垣根「聞こえなかったか?ロシアンルーレットだよ、地獄の円盤、黄泉への階段、ロシアンルーレットだよ」


762 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 12:48:23.50 ID:HD4OV39s0
美琴「な、なんでそれを?」

垣根「・・・ここにおもちゃの鉄砲がある」

心理「いつの間に用意したのよ・・・」

エツァリ「そ、それで・・・どうするんですか?」

垣根「これは、ちゃんと弾を発射することが出来る」

19090「は、はい」

垣根「でもな・・・この中の6発中、5発は空砲だ」

一方「・・・だからなンだよ」

垣根「そして残りの一発は、ハバネロエキスの入った目潰し弾だ」

一同「」

垣根「・・・誰が引き金を引く?」

削板「待て待て!!それは目にまずいんじゃないか!?」

垣根「知るかよ、ハバネロなんだから目もやられるかもねぇ」

黒子「適当すぎますの!!」

テクパトル「・・・それで・・・的は誰だよ」

垣根「・・・それも、お前達で相談しろ」


763 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 14:59:39.29 ID:HD4OV39s0
19090「・・・だ、誰が行きますか?」

上条「・・・分かった、一人は俺だ」

美琴「と、当麻・・・」

上条「俺が行けば・・・一人でも犠牲者は減るんだ」

美琴「そ、そんなのイヤよ!だったら私が・・・」

削板「よーし、俺も行こう!!」

黒子「ぐ、軍覇さん・・・」

削板「上条だけにカッコイイことはさせられないからな!!」

エツァリ「・・・自分も行きましょう」

一方「ちっ・・・俺も行くかァ」

テクパトル「はぁ・・・俺も行くが・・・垣根が撃つなら、あと一人的が必要だな」

ショチトル「ふん・・・仕方ない、私が行こう」

美琴「ショチトル・・・」

心理「いいの?もしかしたら当たるかもしれないわよ?」

ショチトル「そ、それはそれで興奮しそうじゃないか?」ドキドキ

一同(ダメだこいつ)



764 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 15:17:30.09 ID:HD4OV39s0
垣根「・・・さぁ、並べ並べ!!」

上条「・・・いいぜ、お前が俺にハバネロエキスを撃てるなんて言うなら、まずはその幻想をぶち殺す!!」

テクパトル「・・・あぁ、神よ・・・」

エツァリ「自分に少しの勇気を・・・」

削板「さぁ・・・来いよ、垣根ぇ!!」

一方「・・・だりィ・・・」

垣根「まずは上条からだ!!」



スナイパーは垣根

標的は上条、削板、エツァリ、テクパトル、一方通行、変態

ハバネロエキスは一発


そして、それが当たったのは>>765だった


765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/05(月) 15:20:31.25 ID:IPLR4t2Zo
心理定規ちゃんかわいいよ
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 15:23:30.86 ID:cn7oVMhIO
一方通行さん、反射使えないの?
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/05(月) 15:23:34.07 ID:IPLR4t2Zo
ごめん更新忘れてた
768 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 15:26:28.54 ID:HD4OV39s0
垣根「上条、さらばじゃあ!!」

上条「っ!」


垣根「ちっ・・・セーフだな」

上条「よ、よかった・・・」ホッ

垣根「・・・削板、覚悟は出来たかぁ!?」

削板「さぁ来いぃぃぃ!!」


垣根「・・・またセーフか」

削板「ははは!!これが根性だぁぁ!!!」

垣根「エツァリぃぃぃ!!」

エツァリ「!?」


垣根「・・・セ・・・セーフ・・・!?」

エツァリ「よ、よかった・・・」

垣根「ショチトルぅ!!」

垣根が引き金を引く

何か、手ごたえのようなものがあった

そう、それはハバネロエキスが発射される手ごたえだった


769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/05(月) 15:28:56.85 ID:0GTHdW6j0
まだ質問受け付けてる?
770 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 15:33:37.43 ID:HD4OV39s0
ショチトル「だがしかし!!私の後ろには心理定規がいるんだなぁ!!」

ショチトルが体を後ろに反らす

上条「マ・・・」

美琴「マトリックス!?」

垣根「あ、まずい」


心理「・・・」

心理定規の顔面にハバネロエキスが当たる

垣根の作ったものだ、容赦などない

かなりの濃度だ

垣根「メ・・・心理定規・・・さん?」

心理「・・・いいわね・・・いいわよ、垣根・・・」

19090(オ、オーラがまずいです!!)

心理「そう・・・へぇ、そうそうそう!!!」

垣根「こ、怖い怖い怖い!!!」



771 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 15:39:10.71 ID:HD4OV39s0
>>769 もちろん


心理「・・・垣根、ごめんなさいは?」

垣根「ごめんなさい、もうしません」

上条「ショチトル・・・なんで避けたんだよ!?」

ショチトル「・・・>>765を見てみろ、それが理由だ」

美琴「?765って何?」

垣根「ナムコだと!?」

心理「あぁ?」

垣根「ごめんなさい」

心理「ねぇ、目が痛いのよ、私の目を返してよ」

垣根「そ、それも一応痛みはしばらくすれば引きますから・・・」

心理「ねぇ、壁一面が緑の部屋に人間がいるとどうなるか知ってる?」

垣根「あ、赤を見たくなる・・・」

心理「それでね・・・その部屋に自分とただのスプーンしか無かったらどうするか知ってる?」


心理「目を抉り出すのよ」

垣根「」


772 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 15:43:56.28 ID:HD4OV39s0
心理「たしか・・・アメリカのラッパーでスプーンを使って目を抉り出した人がいたわね」

垣根「な、何をおっしゃってるの?」

心理「血が見たくなるのに、目を抉り出すなんて・・・ふふ、面白い矛盾だと思わない?」

垣根「それ拷問や!!!」

心理「垣根・・・緑の部屋、行ってみる?」

垣根「赤い部屋みたいに言わないで!!」

黒子「お、落ち着いてくださいな心理定規!!」

心理「あなたは黙ってなさい・・・ねぇ、目が痛いのよ」

垣根「め・・・目薬、いりますか?」

心理「・・・そんなものでこの痛みが治まると思う?」

垣根「ショチトルぅ!!お前のせいだぞぉ!!」

ショチトル「もっと・・・もっと罵倒して!!!」

垣根「もうイヤだこいつらぁ!」


773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 15:47:52.77 ID:cn7oVMhIO
女性陣につけてもらいたい簡単なコスといえば?(猫耳とか…etc)
また、男性陣につけてもらいたいのは?
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/05(月) 15:48:17.47 ID:0GTHdW6j0
しつもんです!
一方通行さんは黒翼が出てから魔術に近づくと体に異変があるようですが
垣根さんも同じ症状があるのですか?
775 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 15:55:33.98 ID:HD4OV39s0
上条「おぉ!!これはいい質問だな!!」


女性陣につけてもらいたい簡単なコスといえば?(猫耳とか…etc)
また、男性陣につけてもらいたいのは?


上条「美琴にはピカチュウを!!」

美琴「な、何よそれ・・・当麻なら、燕尾服とかかな」

垣根「心理定規にはなんでも似合います!!だから許してぇ!!」

心理「そうね・・・垣根には真っ白な服が似合うかしら」

ショチトル「エツァリには・・・ご主人様の服を」ハァハァ

エツァリ「ショチトルには何も着ないで欲しいですね」

テクパトル「19090号には背中のぱっくりと空いたドレスを」

19090「テっくんなら・・・そうですね、ヴァンパイアとか似合いそうです!!」

削板「黒子なら・・・そうだな、ウェディングドレスとかかな!」

黒子「軍覇さんなら・・・戦隊物とかでしょうか」

一方「こいつには・・・犬耳だな」

番外「あっひゃひゃ!!一方通行にはセロリっぽい格好を・・・」

一方「ねェよ!!」

打ち止め(・・・一方通行には女の子の服を着て欲しいな、ってミサカはミサカは心の中でつぶやいてみたり)



776 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 15:59:47.04 ID:HD4OV39s0
垣根「これは中々面白いな」

しつもんです!
一方通行さんは黒翼が出てから魔術に近づくと体に異変があるようですが
垣根さんも同じ症状があるのですか?


垣根「俺の考えだと、人間の体でありながら天使レベルの力を手に入れた人間にその症状は現れるんだと思う」

垣根「そして、もちろん一方通行はその領域に片足を突っ込んだ・・・」

垣根「俺も、一方通行の黒翼を見たときに何かしらのおかしな感覚を覚えた」

垣根「・・・それが何なのかは分からないが、恐らく魔術的なものの干渉だろう」

垣根「・・・俺はまだそこまでしっかりとした違和感じゃない、恐らくまだまだ一方通行には届かないのかもな」

垣根「・・・つまり、俺にはほとんどそういうのはない」

垣根「でも、なんだか今は左足が痛い」

心理「ほら、痛いでしょ?私はこれより痛いのよ」バキバキ

垣根「音がおかしいからやめてぇぇぇ!!!!」


777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海) [sage]:2011/12/05(月) 16:46:15.83 ID:16TrfQnAO

皆さんが生きてきた中で一番恥ずかしかった事を教えて下さい!!
778 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 17:00:36.52 ID:HD4OV39s0
上条「あぁ・・・これは忘れもしない」


皆さんが生きてきた中で一番恥ずかしかった事を教えて下さい!!


上条「・・・全校生徒の前で思いっきりこけたことがあったな・・・」

美琴「・・・水着姿が街の大型ディスプレイに流れたわ・・・」

エツァリ「・・・コンドームの裏表を間違えたことですかね」

ショチトル「その裏表の間違いに気づかなかったことかな」

テクパトル「・・・電柱に思いっきりぶつかったことだ」

19090「・・・ケーキと思ってスポンジに噛み付いたことです」

削板「ははは!!コンビニの自動ドアに思いっきり突撃したことだ!」

黒子「・・・眉間を股間と間違えたことですの」

上条「どっかで聞いたなそれ」

一方「・・・ロリと思ったらロリだったことだ・・・あれは忘れねェ」

番外「・・・ミサカが一緒にお買い物に行ってあげる事件かな」

打ち止め「・・・一方通行に毛布を奪われたこと、ってミサカはミサカは恥ずかしがりながら・・・」

美琴「一方通行!!」

一方「あれは神が俺に命じたンだァ!!」

垣根「・・・恋したあの子と二人して街を出ようと決めたのに駅のホームで捕まって力任せに殴られたことだな」

心理「車掌さん、ここで降ります、って台詞をしゃしょうしゃん、ここでおりましゅって言ったこと」


779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 17:56:21.00 ID:R4hVA13Ho
今までで、恋人にされて一番幸せを感じたことは何ですか?
780 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 18:10:40.84 ID:HD4OV39s0
上条「そうだな・・・色々あるけど」


今までで、恋人にされて一番幸せを感じたことは何ですか? 


上条「キスかな、一番幸せって感じだし」

美琴「抱きしめられることね・・・ずっと守られたかったから」

エツァリ「・・・愛していると言われる事でしょうか、自分はそこまで愛されるような人間ではないので」

ショチトル「自分自身を認めてもらえることだ、それが一番だろう」

一方「・・・こンな俺のために料理を作ってくれたことだな、アレは効いたぜェ・・・」

番外「そりゃ、ミサカのことを好きだって言ってくれたときだね」

削板「弁当を作ってくれたことだな!」

黒子「その弁当を残さず食べてもらえたことですの」クスクス

テクパトル「・・・そうだな、仕事が終わるまで待ってもらえたことか」

19090「・・・ミサカを助けてくれたことです」

心理「・・・手を繋がせてくれたこと、ずっとそれが夢だったから」

垣根「ただいまって言える場所を作ってもらえたことかな」


打ち止め(・・・リア充が羨ましい!ってミサカはミサカは世の中の方々の意見を代弁してみたり!)


781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 18:37:53.60 ID:G7oUDhWIO
>>778
http://www.youtube.com/watch?v=OGX4Cac_q0A&feature=youtube_gdata_player

こういうのは余計な事でしょうか?
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 18:41:35.11 ID:RAzTWHoSO
>>778
実は御坂さんの恥ずかしい事は上条さん見てましたww
本人は記憶破壊のため覚えてませんが
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/05(月) 18:43:05.25 ID:0GTHdW6j0
上条さん!
美琴さん以外で気になっていた女性をおしえてください
科学側、魔術側両方一人ずつお願いします
784 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 18:59:47.68 ID:HD4OV39s0
>>781 いい歌です、本当に


上条「うーん・・・」


上条さん!
美琴さん以外で気になっていた女性をおしえてください
科学側、魔術側両方一人ずつお願いします


上条「そうだなぁ・・・恋心ってほどじゃないけど、オルソラはいいと思うな」

美琴「ふーん・・・どうして?」

上条「こう・・・一緒にいて落ち着くだろ?」

垣根「あぁ、分かる分かる」

上条「俺って不幸だけどさ、なんだかああいうタイプの人と一緒だとそんな不幸も忘れられそうだろ」

心理「科学側は?」

上条「御坂妹かなぁ・・・あいつもわりとまともだったし」

美琴「な、何よそれ・・・」ムスッ

上条「でも、あんまり気になってたって人はいないかもな、そういうのには疎かったし」

垣根「その分その気にさせまくってたけどな、お前は」


785 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします [sage]:2011/12/05(月) 19:52:49.39 ID:18A/59UM0
大阪新市長になった橋本さんについて皆さんどう思いますか?
786 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 19:59:36.49 ID:HD4OV39s0
上条「・・・垣根はオルソラがお気に入りなんだっけ?」

垣根「あぁ、あれはすごいよな」

心理「どうしてそんなに気にいってるのよ?」

ショチトル「心理定規とは全くタイプが違うけどな」

垣根「うーん・・・こう、ああいう不思議な感じの女性にも惹かれるんだよ」

美琴「だから・・・■■さんも気にいってるの?」

上条(あ、あれ?■■・・・■■の名前が出ない!!)

テクパトル「・・・不思議な人はたしかにいいけどさ・・・なんか掴みどころがなくて大変そうじゃないか?」

垣根「それがいいんじゃねぇか」

一方「理解できねェな」

打ち止め「一方通行はロリが好きなんだもんね、ってミサカはミサカは断言してみたり!」

美琴「一方通行!!アンタ打ち止めに何吹き込んでるのよ!?」

一方「うるせェ!!ロリは正義だ!!」

心理(・・・何なのかしら、このくだらない争いは)


787 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 20:07:13.84 ID:HD4OV39s0
上条「うーん・・・」


大阪新市長になった橋本さんについて皆さんどう思いますか?


垣根「こりゃ一概には言えないが、公務員の給料をカットとかは必要だと思うな」

心理「そうね・・・市民のことはちゃんと考えてそうだから」

テクパトル「問題はそれをしっかりと実行できるかだな」

黒子「あと、あまりにも独裁的になりすぎることにも注意しなければならないですの」

垣根「ま、完璧に真っ白な政治家はいないのさ」

心理「真っ黒な政治家は山ほどいるけどね」

垣根「・・・そういうもんだな」

上条(と、とにかく俺は市民が幸せに暮らせるならそれが一番だと思うぞ!)


788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府) [sage]:2011/12/05(月) 20:17:25.53 ID:WYUgHmJ/o
垣根さん、これまで一番メルヘンだと思った人は?(自分は無しで)
789 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 20:24:10.43 ID:HD4OV39s0
垣根「・・・これは悩むな、リアルな芸能人かそうでないか」


垣根さん、これまで一番メルヘンだと思った人は?(自分は無しで)


垣根「まず・・・芸能人なら稲川淳二だ、ある意味で」

垣根「・・・俺の知り合いなら・・・ステイルだな」

上条「ステイル?なんで」

垣根「よく考えろ、そもそも頭がメルヘンだ」


垣根「魔女狩りの王!!」

垣根「なんて平気で言ってるんだぜ?」

垣根「バーコードだし2Mだし14才だし」

垣根「あんなもんメルヘンなんてもんじゃねぇ、ぶっちゃけオカルトだよあれ」

ショチトル(お前が言うか・・・)

上条(ひどい言われようだな)


790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 21:03:21.41 ID:RAzTWHoSO
みなさんヤキモチ焼くときはどんな時ですか?
791 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 21:23:15.95 ID:HD4OV39s0
上条「そうだな・・・」


みなさんヤキモチ焼くときはどんな時ですか?


上条「っていうか、恋人が他の人をよく言ってるときだよな」

垣根「あと、自分との思い出を楽しそうに語ってるときも」

美琴「?なんで?」

垣根「こう・・・昔の自分にヤキモチとかさ」

心理「あら、可愛いじゃない」

垣根「うるせぇな・・・」

テクパトル「・・・自分の恋人が、他人からちょっかい出されててもヤキモチ妬くよな」

19090「あ、分かります!!」

削板「自分のものなのに、って思うよな!!」

上条「・・・異性と仲良くしてるだけでもイライラしちゃうよな」

垣根「それはカルシウムが足りない」

上条「ちげぇよ・・・」

エツァリ「バイブとかにヤキモチ妬くことがありません?あぁ、自分も突っ込み」

一同「黙れ」

エツァリ「」


792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/05(月) 21:33:22.42 ID:oiZ4RrBho
皆さんの怖いものはなんですか?
793 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 21:36:46.23 ID:HD4OV39s0
上条「あぁ・・・そうだな、なんだろう?」


皆さんの怖いものはなんですか?


上条「・・・金欠かな、やっぱり」

美琴「お化け!!あんなの無理!!」

心理「・・・雷」

垣根「自分自身のかっこよさ」

エツァリ「饅頭ですね」

ショチトル「ムカデ」

19090「・・・20000号です、なんだか時々狙ってきます」

テクパトル「背中だな、いろんな意味で怖い」

一方「電池切れ」

番外「キレた一方通行」

打ち止め「お化け!!ってミサカはミサカはお姉様と同じ答えをしてみたり!」

黒子「寮監ですの」

削板「怪我だな、あれが一番怖い!!」

垣根(誰も、ツッコんではくれない・・・)


794 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/05(月) 21:40:34.78 ID:HD4OV39s0
今日はここまで

筋肉動画はこちら

フィル・ヒースがオリンピアを獲得したあとのゲストポーズ

http://www.youtube.com/watch?v=WQYT69wibZY  

ドリアン、ロニー、ジェイ

近年のミスターオリンピアはバルクは素晴らしかったですが、どうもシンメトリーに欠けていました

2008年にデクスターがミスターオリンピアになったときは少し嬉しかったですが、やはり翌年はジェイが返り咲き

最近はバルクばかりが重視されている気がしていました

しかし、フィルは素晴らしいシンメトリー、カットの持ち主です

なおかつデクスターよりもバルクがある

唯一の弱点は幅が少し小さいことですが・・・

これは骨格の問題ですから仕方ありませんね

腕の筋腹の長さは圧巻です

背中も、相当なものですよね

こんな才能に溢れた選手は久々に見ました

お気に入りの選手の一人です

ではおやすみなさい




795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 21:45:18.40 ID:5IEnjdFv0
皆さんは自分の体で一番自信が持てるところはどこですか?


心理さん諦めよう…もうボケでいいよww
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/05(月) 21:45:30.17 ID:0GTHdW6j0
乙ですの
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/05(月) 21:59:58.76 ID:oiZ4RrBho
乙乙
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/05(月) 22:17:50.55 ID:IPLR4t2Zo
まさか心理定規が喰らうとは……
ごめんなさい


でも痛がってる心理定規ちゃんもかわいいよ
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 23:17:10.03 ID:R4hVA13Ho
雷が怖い心理タソ…ゴクリ
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 23:45:12.50 ID:ZVHGXaKEo
乙なんだよ!
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/12/06(火) 02:20:40.85 ID:uua3nSKfo
心理ちゃんは雷が怖いのか…
美琴さん!今こそ日頃のからかいの反撃するときだと思いませんことよ?
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/06(火) 15:17:37.63 ID:g25Ay844o
>>733
美琴も可愛いよ
ツンデレだったところとか貧乳なこと気にしてるところとか
髪がショートなのも俺的には高ポイントだし男勝りな性格も良い
時たま見せる乙女チックなところなんかも大好き







でも心理定規ちゃんの方がもっともっと好きだけどね!
803 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 15:37:42.24 ID:IBzZQmZi0
女一同「・・・」


でも痛がってる心理定規ちゃんもかわいいよ

雷が怖い心理タソ…ゴクリ

美琴も可愛いよ
ツンデレだったところとか貧乳なこと気にしてるところとか
髪がショートなのも俺的には高ポイントだし男勝りな性格も良い
時たま見せる乙女チックなところなんかも大好き







でも心理定規ちゃんの方がもっともっと好きだけどね!


ショチトル「これが男性に媚びた結果だよちくしょう!!」

黒子「なに!?なんですの!?」

打ち止め「ボケもツッコミも出来て怖がりででも時々怖くて見た目も美人ならそりゃ人気も出るよね!!ってミサカはミサカは地団駄を踏んでみる!!」キーッ!!

番外「あぁあぁ!!これだから清純派気取りは便利だね!!」

心理「あら、私は何も悪くないわよ?」

19090「お、お姉様気を確かに・・・」

美琴「わ・・・私の面目はもうないの!?ツンデレだって心理定規にも出来るから・・・」

心理「頑張りなさいよ、美琴」

美琴「上から目線!?」


 
804 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 15:42:08.90 ID:IBzZQmZi0
美琴「・・・なるほど、雷を落としまくれば・・・」ブツブツ

上条「み、美琴さん?何一通のはがきを抱えながら呟いてるんですか・・・?」

美琴「これ」


心理ちゃんは雷が怖いのか…
美琴さん!今こそ日頃のからかいの反撃するときだと思いませんことよ?


上条「いやいや!!待てって!!」

美琴「・・・ふ、ふふふふ!!!」

上条「壊れました・・・」


ゴロゴロピッシャーン!!!


心理「はわぁっ!?」

黒子「さ、さっきまでピーカン(死語)でしたのに!?」

エツァリ「お、おかしいですね・・・外はまだ晴れですよ?」

美琴「さぁ、なんでかしらね」ツーン


ゴロゴロドッカーン!!

心理「にゃぁぁぁぁ!!!か、垣根ぇ!!」

垣根「お前・・・マジで雷苦手なのな」

心理「に、苦手じゃないわよ全然怖くないけど甘えたいだけなのよだから精一杯守って頂戴よそれを所望してるの!!!」

垣根「饒舌じゃねぇか」

ゴロゴロドーン!!!

心理「お、落ちた!?今の絶対どっかに落ちたと思わない!?」

垣根「知るかよ・・・」


805 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 15:46:53.19 ID:IBzZQmZi0
心理「ねぇねぇ!この建物って高かったわよね!?」

上条「えっと・・・たしかこの辺りじゃ一番高い・・・」

心理「避雷針じゃないの!?街を守るために私達は犠牲になるの!?」

垣根「・・・避雷針があるなら建物には雷は落ちない、第一このビル自体は高いけど俺達がいるのはたった3階だぜ?」

心理「雷は建物を真っ二つにするのよ!?上から下まで真っ二つなのよ!?」ブルブル

垣根「」

心理「そ、そそそそそそうなったら私達のいる階まで・・・」


ドッカーン!!!


心理「光った!!!光ったわよめちゃくちゃ光ったじゃないの!!!」

垣根「なぁ、こいつってこんなに面白かったっけ」

テクパトル「最近狂ってるんだよ、きっと」

美琴(・・・で、でもこういう怖がりなところを見せる心理定規を、きっと男性はまた可愛いって持て囃す・・・)


垣根「お、雷止んだな」

心理「・・・へ、へそは出してないから大丈夫よ・・・」

垣根「お前、ボケだろもう」


美琴「・・・いいもんいいもん、どうせ私は落ち目の女ですよ・・・」ビリビリ

上条「前髪から静電気を出してホコリを集める遊びはやめなさい」


806 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 15:50:28.60 ID:IBzZQmZi0
垣根「・・・落ち着いたならお便り答えるぞ」


皆さんは自分の体で一番自信が持てるところはどこですか?


上条「腕・・・っていうか右手かな」

美琴「脚だけど、どうせ心理定規には敵いませんよ」ケーン

心理「顔」

垣根「顔」

ショチトル「胸」

エツァリ「・・・そうですね、自分も脚でしょうか」

番外「胸だね!!他のミサカにはないもん!!」

一方「・・・髪の毛の色だな」

黒子「くびれですの!」

削板「ははは!!俺は背中だ!!男は背中で語るんだ!!」

テクパトル「背中は女の特権だ!!俺は胸だな!!」

19090「正確には胸板ですよね・・・ミサカは・・・背中でしょうか」

打ち止め「ミサカはアホ毛!!ってミサカはミサカは答えてみたり!!」

さだのり「芽」

エツァリ(誰ですかあなた)


807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(鹿児島県) [sage]:2011/12/06(火) 15:55:21.01 ID:9t3wnYBT0
遭遇ひゃはああああああああ!!!
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 16:16:57.60 ID:e7o+f4mko
埃まみれの美琴ちゃんもいいと思うんだ。
嫁入り修行のために埃まみれになった蔵を掃除する美琴ちゃん…
みたいな妄想もできるしね
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/06(火) 17:38:01.76 ID:g25Ay844o
一方さんもトレやってたはずだけど今どれくらいになってるの?
810 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 17:54:22.75 ID:IBzZQmZi0
美琴「そ、そういう設定だったのね!?」


埃まみれの美琴ちゃんもいいと思うんだ。
嫁入り修行のために埃まみれになった蔵を掃除する美琴ちゃん…
みたいな妄想もできるしね


美琴「よ、嫁入り・・・」


上条「おーい美琴、そっちの掃除もしてくれよ」

美琴「あなた、ちょっと汚しすぎよ・・・」

上条「仕方ないだろ・・・仕事の道具がいっぱいなんだよ」

美琴「もう・・・だらしないわね」

上条「でもさ、そしたら美琴が片付けてくれるだろ?」

美琴「そ、それは・・・」

上条「こんな優しいお嫁さんがもらえて、上条さんは幸せです!!」

美琴「!」



美琴「え、えへへ//」

垣根「怖い怖い」

上条「み、美琴・・・一人で笑うのは不気味だぞ」



811 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 17:56:29.71 ID:IBzZQmZi0
一方「あ、あァ・・・」


一方さんもトレやってたはずだけど今どれくらいになってるの?


テクパトル「違うんだ・・・こいつ、すぐサボるから一進一退なんだよ」

削板「ちょっと重量が伸びたと思ったらすぐ休むからな・・・」

一方「・・・筋肉痛が辛いンだ」

テクパトル「それがいいんじゃないか!!」

削板「あぁ、昨日のトレも上手く効かせられたんだ!!」

テクパトル「こうやって、体の中では破壊と再生が行われているんだ!!」

削板「まるで、世界の縮図!!!」


テクパトル・削板「それが、トレーニングなんだよ!!!」

一方「ついていけねェ」

心理「・・・おかしいわよ、あなたたち」


812 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 17:57:25.94 ID:IBzZQmZi0
心理「・・・私、ボケになっちゃってるのかしら」

垣根「どう考えてもそうだろ」

心理「・・・イヤよ」

垣根「はぁ?」

心理「イヤなのよ、ボケなんて」

美琴「い、いいんじゃない?心理定規だったらきっとなんでも人気・・・」

心理「私はね、人気が欲しいわけじゃないのよ」

一方「その割には若いヤツに媚びてるよォなこと言うよな」

心理「黙りなさいよモヤシ」

一方「」

削板「うーん・・・心理定規はボケじゃなくてツッコミがいいのか?」

心理「当たり前じゃない、私はクールなイメージでしょ?」

上条「イメージなんて壊すためにあるようなもんじゃないか」

黒子「そうですの、わたくしなんて常に壊しまくりですの」

ショチトル「私だって色んな意味で壊れてるぞ」


813 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 17:57:56.14 ID:IBzZQmZi0
番外「あひゃひゃ!いいじゃんいいじゃん、楽しければオーケー!」

心理「あなた達はそうかもしれないけどね・・・」

上条「じゃあ・・・これからはボケないでいくのか」

心理「当たり前でしょ、私は諦めないわよ」

美琴「諦めないで」

心理「それは若干不謹慎なネタになるわよ」

垣根「あなたの肌」

心理「私の忠告聞いてた?」

垣根「はっはぁ!ボケはイヤだ!?クールなイメージ!?」


垣根「そんなもん、俺には通用しねぇ!」

エツァリ(して下さい)

垣根「他人からの評価なんてどうだっていいんだよ!似合ってないとかなんか違うとか、そんなことを他人に言うヤツなんて大抵暇人だ!」

テクパトル「・・・一理あるかもな」

19090「・・・心理定規、ミサカはどんなあなたでも好きですよ!」


814 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 17:58:23.78 ID:IBzZQmZi0
打ち止め「ミサカも!」

心理「・・・ありがとう」

エツァリ「自分もです」

心理「変態は黙っていてくれるかしら」

エツァリ「」

一方「・・・お前、そォいうとこがもォボケなンだよ」

垣根「そうだそうだ!」

心理「あら・・・私はボケてるつもりじゃないんだけど」

上条「素でボケなんじゃねぇか!」

心理「そ、そんなことないわよ!私は昔からずっとクールじゃない!」

削板「ははは!慌てるなんて情けないぞ!」

黒子「心理定規・・・あなたはボケでいいんですの」

心理「う・・・」

上条「な、なんで涙目になるんですか!?」


815 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 17:59:00.16 ID:IBzZQmZi0
美琴「ほ、ほら!心理定規がボケってすっごく可愛いわよ!?」

心理「・・・ホント?」

ショチトル「似合ってないぞ」

テクパトル「てめぇぇぇ!」

心理「・・・美琴の嘘つき」

美琴「こ、これは・・・」

心理「ふん」

美琴「・・・当麻ぁ!」

上条「美琴まで泣きそうになるなよ!」

垣根「いいじゃねぇか、どんな心理定規だって可愛いんだから」

心理「な、何よそれ・・・」

垣根「・・・大体な、お前のボケは鋭い、お前はボケもツッコミも出来るごく稀な人間なんだよ」

心理「そうなの?」

垣根「あぁ、ボケもツッコミも出来ないエツァリを見てみろ」

エツァリ「えっ・・・」


816 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 17:59:41.00 ID:IBzZQmZi0
垣根「そのくせ特定のキャラがあるわけでもない、イケメン枠は俺に奪われ、熱い枠は上条に、一途枠なら削板に奪われてる」

心理「か・・・可哀相」

垣根「あいつに何があると思う?何もないんだよ」

エツァリ「」

垣根「心理定規、お前は選ばれた人間なんだ、ボケもツッコミも出来て可愛い」

上条(ただのベタ惚れだな)

19090(ビックリするくらい甘いですね)

垣根「エツァリみたいな可哀相なヤツとお前のような選ばれた人間、共通点は二足歩行と肺呼吸だけだ」

心理「そ、そうだったのね・・・」

番外「あひゃひゃ!エツァリ涙目!」

黒子「エ・・・エツァリさん、気にすることありませんの!」

一方「お前はどォにかやっていける人間だ」

エツァリ「・・・自分には、何もありません」

上条「いやいや!お前はイケメンで一途で変態じゃないか!」


817 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:00:07.53 ID:IBzZQmZi0
美琴「そうよ、変態なんて最高のインパクトじゃないの!」

ショチトル「まぁ私には敵わない変態だがな」

上条「フォローをしろよ彼女だろ!?」

エツァリ「・・・」

垣根「だがな・・・エツァリ」

エツァリ「は、はい」

垣根「そんなお前が・・・俺は最高の友達だと思ってるぜ」

エツァリ「!」

美琴(上手くまとめた)

テクパトル(上手くないぞ)

心理「・・・ねぇ、私はボケでいいの・・・?」

垣根「お前はボケでもツッコミでもねぇ、心理定規だ」

心理「垣根・・・」

垣根「これにて、一件落着!」

上条「ちげぇよ・・・ていうか、ひな祭りひな祭り言いながら何一つひな祭りらしいことしてないじゃねぇか!」


818 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:00:54.30 ID:IBzZQmZi0
打ち止め「そうだよ!ってミサカはミサカは文句を言ってみたり!」

垣根「あぁ、そういえばひな祭りのために集まったんだったな」

テクパトル「忘れてたのかよ」

垣根「いやぁ・・・すっかり忘れてた」

一方「・・・なァ、ひな祭りって何するンだよ」

19090「えっと・・・みんなでお内裏様やお雛様の格好をしたり」

心理「ここのホテル、貸し出してくれるみたいよ」

美琴「へぇ・・・記念だから着てみない?」

上条「そうだな・・・いい思い出になるし」

番外「ミサカも今日からお雛様ぁ!」

削板「酔ってるな、番外個体!」

番外「酔ってないよーん!」

打ち止め「もう、しっかりしてよ!ってミサカはミサカは自分を棚に上げて叱り付けてみたり!」

垣根「・・・じゃあ、着替え終わったらすぐさまこの部屋に集まるぞ!」

一同「はーい!」



819 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:01:56.04 ID:IBzZQmZi0

垣根「・・・へぇ、サイズも一通り揃ってるんだな」

上条「テクパトルと削板は大きいサイズなんじゃないか?」

削板「そうだな・・・」

テクパトル「大きすぎると丈が余るけどな」

エツァリ「大変ですね・・・」

一方「やっぱりお前達は筋肉質なンだなァ・・・」

テクパトル「・・・お前、最近またサボってるんだろ」

削板「継続は筋肉なり、だぞ!」

一方「分かってるけどよォ・・・」

上条「今はずっと能力使えるわけじゃないんだし、鍛えたほうがいいぞ」

垣根「はん、スキルアウトに絡まれても30分しか戦えないなら意味ねぇぜ」

一方「うるせェな、てめェみたいなヤツだって30分もあれば片付けられるンだ、スキルアウトなンてどォでもねェよ」

垣根「言うじゃねぇか・・・やろうってか?」

一方「これだから雑魚は困るンだよ、すぐ吠えやがる」


820 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:02:58.40 ID:IBzZQmZi0
垣根「相方だからって容赦しねぇぞ」

一方「容赦なンてしてたらすぐ死ぬぞ、てめェ」

上条「はいはいストップ!」

削板「お前達、平和というものを目指せ!」

テクパトル「こんなめでたい日に喧嘩なんかするなよ・・・」

エツァリ「そうですよ、今はお内裏様の格好に着替える時間です」

上条「そうそう!」

垣根「・・・命拾いしたな」

一方「安心で胸でも撫で下ろしたいンじゃねェのか?」

垣根「そっちは今すぐ息でも吐きたいんだろ、あぁ?」

削板「だから喧嘩はやめろ!」

一方「ちっ・・・ジョークだジョーク」

垣根「・・・そういうこった」

文句を言いながら、垣根が着物を着る

元々スタイルがいいため、着物はかなり似合う


821 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:03:51.06 ID:IBzZQmZi0
上条「おぉ・・・なんかどっかの正月特番に出るアイドルみたいだな」

垣根「だろ?似合うだろ、俺!」

テクパトル「そういうふざけた所を無くせば完璧だな」

エツァリ「自分やテクパトルはやはり少し違和感がありますね」

テクパトル「日本人ならではだからな・・・一方通行も少しおかしいな」

一方「俺は日本人だ」

削板「うーん・・・髪が白いからかもな」

上条「細いから似合うと思ったんだけどな」

垣根「上条と俺以外、なんか微妙だよな」

エツァリ「削板さんも少し・・・」

テクパトル「体がごついと着物は似合わないからな」

削板「そうか?結構似合ってると思うんだけどな」

テクパトル「若干無理して着てるみたい・・・かな」

垣根「一番はお前だけどな」

テクパトル「日本人じゃなくてごつい・・・マッチョなアメリカ人が着物着てるのと同じだからな」


822 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:04:43.57 ID:IBzZQmZi0
一方「・・・とにかく着替え終わったンだ、さっさと行こうぜ」

上条「あぁ、そうだったな」


美琴「・・・心理定規、着付け頼んでいい?」

心理「はいはい・・・着物は一人で着られないから大変よね」

ショチトル「お、美琴は胸が大きくなったな」

美琴「ちょ、ちょっと!プニプニしないでよ!」

黒子「ショチトル・・・それは心理定規の役目ですの」

心理「だからあれは冗談だって言ったでしょ」

美琴「ん・・・」

ショチトル「お、もしかして胸が弱いのか?ん?」

美琴「やめなさい!」

19090「じょ、女性同士でいけませんよ!」

番外「あはは!レズだレズ!」


823 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:05:26.45 ID:IBzZQmZi0
打ち止め「ミサカも胸が大きくなりたい!ってミサカはミサカは願望を吐露してみたり!」

心理「そうなったら一方通行が泣くわよ」

黒子「・・・お姉さま、さすがに着物もお似合いですの!」

美琴「うーん・・・でもちょっとおかしくない?」

ショチトル「身長の割に胸が小さいからサイズが無いんだよな」

美琴「・・・何か言った?」

ショチトル「いやいや、成長途中なんだから気にしなくていいさ」

心理「胸が無くたって、美琴にはスレンダーな脚があるじゃない」

黒子「そうですの!スラリとしたスタイルはお姉さまの魅力ですわ!」

番外「ミサカもそのおかげでスレンダーだからね!」

19090「番外個体は一人だけ胸がでかいです・・・」

打ち止め「そういう19090号だって一人だけダイエットしたりするんでしょ?ってミサカは」

19090「な、なんで知ってるんですか!?」

打ち止め「MNWで話題になってたよ、ってミサカはミサカは報告してみたり!」

心理「・・・なんだか楽しそうなネットワークよね」


824 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:06:43.50 ID:IBzZQmZi0
ショチトル「ピンク過ぎるな」

美琴「アンタが言わないの」

打ち止め「でも情報交換には便利なんだ!ってミサカはミサカは胸を張ってみたり!」

黒子「・・・ですが考えたことが駄々漏れになりそうですの」

19090「改良が加わったので、好きな時に離脱したり好きな時に参加したり出来ますよ」

美琴「なんか便利ね・・・」

番外「ふっふーん!お姉様は出来ないもんね!」

美琴「な、何よ!?」

番外「やーい!仲間外れ!」

美琴「う・・・」

心理「気にしないの・・・下手したら、あなたの妄想がばれるかもしれないのよ」

美琴「そ、それは困るわね」

心理(あら、本当に妄想なんてしてたのね)

打ち止め「・・・たまにネットワークで冷やかされることもあるよ、ってミサカはミサカは苦笑してみたり」


825 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:07:41.62 ID:IBzZQmZi0
番外「最近、他のミサカ達にストレスが溜まってるみたいで・・・ミサカにはキツイね」

心理「たしか、ネットワークから負の感情を拾いやすいのよね」

番外「そうそう・・・嫉妬ばっかりで疲れちゃうよ」

美琴「ネットワークから切断すればいいのに」

番外「ミサカの存在意義が無くなっちゃう!」

ショチトル「大変だな・・・ん、これは胸元がキツイな」

心理「私はちょうどかしら・・・胸元は無理矢理でいいんじゃない?」

番外「でも無理矢理だとタプンタプン揺れるよ?」

心理「大丈夫よ、不特定多数に見られるわけじゃないんだから」

美琴「・・・いいわよね、胸がでかい人は」

黒子「全く羨ましいですの」

19090「胸なんて脂肪の塊です・・・く、悔しくなんかありません!」

打ち止め「ミサカだって悔しくないもん!ってミサカはミサカは内心と裏腹なことを口にしてみたり!」

ショチトル「悔しいなら悔しいって言えよ、あぁ肩が凝る」


826 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:08:44.08 ID:IBzZQmZi0
心理「やめなさい、あなたのそれはダイナマイトなんだから」

ショチトル「ふん、エツァリに毎日揉まれてるからだ」

19090「それは自慢になりません・・・」

心理「さ、みんな着替え終わったんだから行きましょう」

美琴「はーい・・・」


上条「・・・女の子ってなんで着替えに時間掛かるんだろうな」

垣根「見たことあるんだから分かるだろうが」

上条「・・・そりゃ色々収めなきゃいけないのは分かるけどさ」

テクパトル「その表現はおかしいが・・・そういうことだな」

削板「黒子はあんまり待たせるタイプじゃないけどな!」

一方「ちっ・・・惚気てンじゃねェよ」

エツァリ「まぁまぁ・・・ショチトルの着物姿、楽しみです」

垣根「ショチトルは胸がきつそうだな」

上条「心理さんと番外個体もじゃないか?」


827 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:10:37.54 ID:IBzZQmZi0
一方「・・・そォだな」

削板「あはは!なんか会話が高校生みたいだな!」

エツァリ「年齢はみなさんその辺りですよ」

上条「・・・なんかドキドキしてきた」

垣根「御坂がなんだかんだ一番似合いそうだな」

テクパトル「・・・でも栗色の髪じゃないか」

上条「可愛いんだよ、美琴は!」

垣根「惚気んな!心理定規が可愛いんだよ!」

エツァリ「あなたも惚気・・・あ、来ましたね」

番外「ばっばーん!ヤッホー!」

一方「おォォォ!?お前、胸!」

番外「いっやぁ、いいサイズがなくてさ・・・」

一方「もォ少し隠せ!谷間まる見えじゃねェか!」

打ち止め「ねぇねぇ、ミサカは似合ってる?」

一方「あァ・・・お前は天使だ」


828 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:11:26.04 ID:IBzZQmZi0
打ち止め「//」

上条「美琴ぉ!似合ってる、似合ってるし胸もなんだか更に大きくなってる気がする!」

美琴「そ、そうかな?」

上条「おぉ・・・顔を赤くする着物姿の美琴!携帯携帯・・・」

美琴「写真はダメ!な、なんか恥ずかしい・・・」

垣根「いいじゃねぇか、お内裏様とお雛様で並べよ」

美琴「・・・」

垣根「あぁ?なんだよ驚いたような顔しやがって」

美琴「・・・アンタ、どこのアイドルよ」

上条「だよな!?俺も同じ感想だったよ!」

垣根「ははは!イケメンってのは何をしても得するんだなぁ!」

心理「全く・・・はしゃぎすぎよ、垣根」

男一同「・・・」

心理「何よ」

上条「・・・な、なんか・・・生け花してそう」

一方「・・・どこの令嬢だ」


829 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:12:25.54 ID:IBzZQmZi0
エツァリ「似合ってますね・・・」

テクパトル「・・・極妻か?」

削板「和風だな!」

心理「ありがとう、あとテクパトル君の感想にはイラってしたわよ」

垣根「見ろ見ろ!俺と心理定規が最強のお内裏様とお雛様!」

テクパトル「・・・お、俺と19090号に決まってるだろ!」

19090「負けました・・・テっくんとミサカがベストカップルなのに負けました!」

ショチトル「はぁ?私とエツァリがベストカップルだ」

美琴「私と当麻よ!」

番外「私と一方通行だしぃ!」

一方「赤だしィ」

削板「白だしぃ!」

垣根「昆布だしぃ!」

心理「三段ボケはやめなさい」


 
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/06(火) 18:23:34.73 ID:g25Ay844o
ツッコミでもボケでも心理定規はちゃんかわいいよ

突っ込まれてる心理定規ちゃんもかわいいよ
831 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 18:35:47.83 ID:IBzZQmZi0
心理「あら?」

ツッコミでもボケでも心理定規ちゃんかわいいよ

突っ込まれてる心理定規ちゃんもかわいいよ


美琴「さ、最後は・・・」

上条「・・・そういう意味なのか?」

垣根「貴様ぁ!!いつの間に見ていたのでごじゃりますかぁ!?」

一方「誰だよ」

19090「つ、突っ込まれてる・・・」カァッ

テクパトル「赤くなるな・・・・」

心理「ありがとう、でも可愛いってのは美琴にぴったりな言葉よ、私はクールなの」

美琴「最近はボケじゃないの」

心理「何か言った?」

美琴「当麻ぁ!!」ビクビク

上条「お、おう!!」


832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 18:42:11.86 ID:e7o+f4mko
心理ちゃんはぼけクールかわいい
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 19:06:15.90 ID:VG2UYtDIO
美琴っちゃん!心理ちゃんに脅されたら雷や!
834 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 19:26:33.43 ID:IBzZQmZi0
心理「これは喜ぶべきなのかしら」

心理ちゃんはぼけクールかわいい


垣根「・・・新しいジャンルだな」

上条「むしろジャンルを飛び越えてるぞ」

一方「・・・ロリが入ってねェなら興味ねェな」


美琴っちゃん!心理ちゃんに脅されたら雷や!


美琴「えい!!」

ドカーン!!

心理「にゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

美琴「き、効いた・・・」

心理「ムダに雷打ってんじゃないわよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!」ゴゴゴ

美琴「ふにゃぁぁぁ!!!!!!!」ビリビリ

心理「きゃぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

美琴「にゃぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

垣根「今日も平和です」

ショチトル「ねーよ」


835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/06(火) 20:50:48.70 ID:2AZEW9QS0
皆さんの考える理想の平和って何ですか?
836 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 21:02:17.00 ID:IBzZQmZi0
上条「・・理想、か」


皆さんの考える理想の平和って何ですか?


上条「そうだな・・・なんだろう、戦争のない世界かな」

垣根「戦争のない世界なんてありゃしねぇさ」

心理「・・・それに、戦争のない国でも平和とは言えないじゃない」

上条「そうだな・・・」

垣根「カインが殺人を犯した時点で、人は憎しみを隠すことができなくなったんだよ」

ショチトル「聖書だな」

垣根「・・・縄文時代とか、そういうのがよかったんだろうな」

美琴「でも・・・私は当麻がいればそれだけで平和よ」

上条「・・・結局、大切なものだけ守れるのが平和なのかもな」

垣根「平和を乱すヤツは、守りたいものが多すぎるのかもな」


837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 21:11:09.57 ID:TA9H5saoo
自分の恋人の思わずドキッとする仕草を教えてください!
838 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 21:17:35.75 ID:IBzZQmZi0
上条「そうだな・・・」


自分の恋人の思わずドキッとする仕草を教えてください!


上条「枕をぎゅっと抱えることかな」

美琴「う、腕まくりかな」

エツァリ「前かがみですね」

ショチトル「鞭を持つ」

一方「・・・ウトウトして頭がクラクラしてンのはいいよな」

番外「コーヒーを飲んだあとに、缶を捨てに行く仕草!!」

削板「髪をきゅって結う仕草だな!!」

黒子「ハチマキを巻く仕草ですの!」

テクパトル「・・・せ、背中がチラっと見えることだな」

19090「腕を組むときの、モッコリとした胸板が・・・」

垣根「頬杖かな、あれは可愛い」

心理「首を鳴らすクセかしら、垣根の場合はなんだかカッコイイのよね」


839 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/06(火) 21:52:31.76 ID:IBzZQmZi0
今日はここまで

筋肉動画はオービル・バークを

http://www.youtube.com/watch?v=RmS3Y4oPbKA  

背中の広さが恐ろしい・・・

手術中に昏睡状態に陥ったものの今は普通に生活できていて、ジムにも通えているそうです

ですが話に聞くと、ビルダーだった頃の記憶がなくなってしまい、ジムで握手を求められると不思議な顔をするそうです

少し残念ですが・・・でも、生きていてよかったです


ではおやすみなさい

840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 22:02:48.18 ID:4Ts0MyYDO
>>1乙である
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 22:18:33.97 ID:Nh6Oot3Vo
乙なんだよ!
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) :2011/12/06(火) 22:37:51.51 ID:2AZEW9QS0
乙です
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/12/07(水) 00:46:45.25 ID:4Wh/jWXHo
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 04:39:22.92 ID:Qs0lROISO
記憶が壊れるってどんな感じなんだろ
845 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:48:28.12 ID:E+2qJdzW0
上条「そうだな・・・」


記憶が壊れるってどんな感じなんだろ


上条「正直な話・・・そんな記憶があった、ってことのほうが信じられないんだよな」

テクパトル「へぇ・・・」

上条「たとえば、世の中のどこかにボブっていう人がいるとするだろ?」

一方「はァ?」

上条「そのボブさんは12歳で初恋をして、14歳で初めて彼女が出来て・・・」

上条「そのボブさんは、実はあなたなんです!!って言われても正直信じないだろ?」

美琴「う、うん・・・」

上条「それと同じさ、あなたはどういう人だった、こういうことをしていた、こんな過去を過ごしたって言われても・・・まるで他人事に感じるんだ」

美琴「・・・そっか」

上条「でもさ、その過去を忘れてはいても・・・結局、その過去を過ごした事実は変わらない」

上条「自分が忘れてしまっても、心のどこにも見つからなくても、誰か大切な人が覚えていてくれるなら・・・きっと、昔の自分はその人の心の中で生き続けているんだ」

垣根「かっけぇ」


846 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:50:27.22 ID:E+2qJdzW0


19090「はぁ・・・垣根はなんだかハイテンションですね」

テクパトル「・・・着物なんてあんまり着ないから、テンションも上がるんだろ」

19090「・・・テ、テっくんは着物、似合ってますよ!」

テクパトル「いや・・・似合ってないだろ」

テクパトルが近くにある鏡を見つめる

どこかのコント番組にでも出てきそうな出で立ちだ

テクパトル(・・・はぁ、やっぱり着物は日本人の専売特許だよな)

打ち止め「ねぇ、テっくん!」

テクパトル「テ、テっくん!?」

19090「上位個体・・・どうしたんですか?一方通行は向こうですよ?」

打ち止め「違うの・・・テっくんに相談があるんだ、ってミサカはミサカは思いを伝えてみたり!」

テクパトル「待て待て!なんでお前までテっくんって呼ぶんだよ!?」

打ち止め「?だってみんなそう呼んでるよ、ってミサカは・・・」

テクパトル「テっくんって呼び名は正直イヤなんだよ!」


847 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:52:15.39 ID:E+2qJdzW0

打ち止め「そうなの?ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

19090「ですがもう定着してしまっていますよ?」

テクパトル「そうなんだよ・・・俺は名前で呼び捨てにされたほうが嬉しいんだけどな」

19090「!?」

打ち止め「でも、テっくんって言い方が一番可愛いよ?ってミサカはミサカは・・・」

テクパトル「可愛さなんて求めてないんだよ・・・」

打ち止め「ふーん・・・?19090号、なんで固まってるの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

19090「テっくんは・・・呼び捨てのほうがいいんですか・・・」

テクパトル「ん?いや、お前にはテっくんって呼ばれても構わないけどな」

19090「で、ですが・・・」

テクパトル「お前だけは特別なんだから、構わないんだよ」

19090「//」

打ち止め(羨ましい、ってミサカはミサカは心の中で呪詛を唱えてみたり)

テクパトル「・・・そういえば、テっくんなんていうニックネームを付けたのは20000号だったな・・・」


848 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:53:24.57 ID:E+2qJdzW0
打ち止め「そうなの?ってミサカはミサカは興味津々で話を聞いてみる!」

テクパトル「俺が初めて会ったのが20000号だったんだよ」

19090「・・・それから、ミサカ達の巣に連れて来られたんですね」

テクパトル「まさに巣だよな・・・」

打ち止め「ふーん・・・って、それはどうでもいいの!ってミサカはミサカは自分がしたかったことを思い出してみたり!」

打ち止めがぶんぶんと腕を振る

打ち止め「相談を受けてほしい、ってミサカはミサカは・・・」

テクパトル「あぁ、そうだったな・・・なんか悩み事でもあるのか?」

打ち止め「・・・一方通行のことなんだけど、ってミサカはミサカは・・・」

19090「もしかして、恋の悩みですか?」

打ち止め「ううん、あの人が最近ジムをサボってる件について、ってミサカはミサカは最近流行りの言い方で伝えてみたり」

テクパトル「それがどうかしたのか?」

打ち止め「・・・あの人、今までこれといった趣味も無く生きてきたんだ、ってミサカはミサカは肩を落としてみる」

テクパトル「グサリとくる一言だな」


849 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:54:10.13 ID:E+2qJdzW0
打ち止め「だから、テっくんや削板に誘われた時は楽しそうだったんだ、ってミサカはミサカは説明してみる!」

19090「でもサボっているんですよね?」

打ち止め「・・・きっと、二人が誘ってくれなくなったからだよ、ってミサカはミサカは・・・」

テクパトル「・・・そうだな、あいつを最初に誘ったのは俺だったんだよな・・・」

打ち止め「!」

テクパトル「分かった、あいつのことも今度呼んでみるよ」

打ち止め「ホント!?ってミサカはミサカは嬉々として確認してみたり!」

テクパトル「あぁ、お前に言われたら仕方ないだろ」

打ち止めの頭を優しく撫でながら、テクパトルが笑う

打ち止め「//」

19090「・・・テっくんもロリコンですか」

テクパトル「あぁいやいや!?これは家族としての愛情表現だからな!?」

19090「愛情なんですね!?」

テクパトル「一部をピックアップするのはマスコミの専売特許だ!お前は真似するな!」


850 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:55:03.16 ID:E+2qJdzW0
19090「テ、テっくん!そんな過激なネタを言ったらゲ○ダイとかに消されますよ!」

テクパトル「お前のほうがよっぽど過激だよ!」

19090「ミ、ミサカは・・・そんなに激しくないです!」

テクパトル「意味が違う!」

打ち止め(最近、19090号も壊れてきたなぁ・・・ってミサカはミサカは不思議に思いながら苦笑してみたり)


上条「・・・美琴・・・可愛いな・・・」

美琴「な、何ジロジロ見つめてるのよ・・・」

上条「その扇って、衣装の中に入ってたのか?」

美琴「うん、扇もお雛様の必需品でしょ?」

上条「そっか・・・なんか、本物のお雛様みたいだな」

美琴「と、当麻こそ本物にお内裏様みたいよ!」

上条「そうか?俺は五人囃子が似合いそうだけどな」

美琴「ううん!カッコイイわよ!」


851 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:56:16.44 ID:E+2qJdzW0

上条「ありがとな、美琴」

上条が笑ってから、もう一度美琴を見定める

胸は着物のせいで目立つことはない

綺麗に着こなしているからか、胸元がはだけることもない

だがうなじや鎖骨など、若干見えている肌色が嫌というほどに色気を放ってくる

上条「・・・これはかなり扇情的ですよ」

美琴「な、何恥ずかしいこと言って・・・」

上条「・・・みんなは互いに夢中で、周りのことまでは気になっていない」

美琴「と、当麻・・・あっ!」

上条がそっと着物の上から美琴を抱きしめる

美琴「こら!急にされたらびっくり・・・」

上条「この中に可愛い胸が収まってるんですね・・・」

美琴「ツンツンするなぁ!あ・・・」

上条「ん?もしかして、こんなに分厚い着物の上からでも感じちゃうんですか?」


852 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:57:34.49 ID:E+2qJdzW0
美琴「ち、違うわよ・・・」

上条「ふーん・・・」

美琴「あ、あっ・・・んっ・・・」

上条「しっ、周りに気づかれたらどうすんだよ」

垣根を始めとする、全員が自分の恋人の着物姿に夢中になっている

だからこそこんなにも大胆な行動が出来るのだ

美琴「や、やめなさいって・・・ね、そういうのは帰ってから・・・」

上条「ところが・・・着物姿の美琴さんを目の当たりにして感情を抑えられる上条さんではなかった!」

美琴「バ、バカ!ダメだってば!」

上条「ジタバタしない・・・直接はさすがにダメか」

美琴「!?当たり前でしょ、前がはだけちゃうじゃないの!」

上条「・・・でも、そのリスクが・・・」

美琴「変態!アンタ、変態よ!」

上条「変態でもいいって・・・美琴が相手の時限定で変態さんだ」


853 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:58:51.90 ID:E+2qJdzW0
美琴「にゃっ・・・」

上条「さて・・・じゃあ直接・・・」

美琴「ダ、ダメ・・・みんなに見られちゃうよぉ・・・」

上条「見られないって・・・みんな相手の着物姿に夢中・・・」


垣根「上条くゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」

上条「」

垣根「いい度胸だ!まさかこの人混みに紛れて御坂を抱きしめたり、ちょっとセクハラしたりするなんてなぁ!」

上条「ご、誤解・・・」

美琴「車掌さんこの人です!この人、今から私の胸に直接触ろうなんて言ってました!」

上条「美琴ぉ!?」

美琴「ふん!暴走した罰よ!」

垣根「覚悟はいいか上条!」

上条「待て待て!話せば分かるんだって、どうして心理さんは十字を切ってるのかな!!」


854 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 16:59:52.54 ID:E+2qJdzW0
心理「アーメン、神よ・・・今からそちらに哀れでスケベな子羊が向かいます」

上条「ボケないで!あなたまともな人なんだからボケないでくださいよ!」

テクパトル「上条、さすがに人前ではダメだ」

番外「あっはは!中々いい度胸じゃん、さっすがヒーロー!」

一方「打ち止め、見ちゃいけませン」

打ち止め「?」

削板「上条!そこに立てぇぇ!」

黒子「ジャッジメントですのぉ!」

垣根「ジャッジメントデイですのぉ!」

上条「メスじゃね・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」

垣根「いいぜ!!お前がメルヘンまでをもぶち壊そうなんて言うなら!!」


垣根「まずは、お前の頭蓋を叩き割る!!」

上条「割らないでぇぇぇぇ!!!」


ショチトル「今日も平和です」

エツァリ「違うぞ」


855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/07(水) 17:08:26.92 ID:ztiJaCmao
ショチトルとエツァリはすっかり落ち担当だな
856 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 17:18:02.39 ID:E+2qJdzW0
ショチトル「ふ・・・ふふふふふ!!!」

エツァリ「ど、どうした・・・」


ショチトルとエツァリはすっかり落ち担当だな


ショチトル「ははは!!いやぁよかった、最近変態キャラも薄まってきてたところだ!!」

エツァリ「そういえばそうですね・・・」

上条「いや・・・それは薄まって正解だろ」

ショチトル「し!か!し!とうとう、我々にも立派な役目が出来た!!オチ担当だとさ!!」

削板「おぉ!!」

ショチトル「地味キャラは■■に奪われ、変態さは最近隠れていたが・・・とうとう、とうとう我々に日の目が差してきたな、エツァリ!!」

エツァリ「ひ、日の目というか・・・」

心理「でも所詮はただの付け焼刃じゃない」

ショチトル「」

心理「元々ボケだった人間がオチなんてつけてもあんまり変わらないわよ、私とか19090号とかがオチをつけたら変わるけど」

ショチトル「・・・」


ショチトル「あーあーああああああーあ」

心理「どこの国からよ」


857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海) [sage]:2011/12/07(水) 18:43:40.71 ID:hlsD5DjAO

皆可愛いけど特に心理定規さんが可愛くみえるのは何故だろう
858 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 19:23:19.59 ID:E+2qJdzW0
心理「あら、またお便りね」

女一同「・・・」


皆可愛いけど特に心理定規さんが可愛くみえるのは何故だろう


心理「そうね・・・どうしてかしら?」

美琴「否定しなさいよ!!」

心理「あら、ここまでみんなに言われてるなら事実かも、って思わない?」

美琴「うぅ・・・」

19090「み、皆可愛いって書いてますよ!?」

番外「あはは!!そりゃ心理定規は見た目がもう可愛いもん!!!」

打ち止め「あぁそうやね!!ってミサカはミサカは関西弁で答えてみたり!!!」

ショチトル「誰か、私が可愛いというヤツはいないのか!?」

エツァリ「自分が・・・」

ショチトル「お前はすっこんでろ!!」

エツァリ「」


859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/07(水) 20:20:00.43 ID:UU25tFZu0
誰がなんと言おうと一番かわいいのは心理定規なんだよ!!!
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/12/07(水) 20:21:18.75 ID:N3UqlzbT0
変態エツァリへ
 いままでにショチトルへ行なったプレイのなかで一番過激なプレイはどんなのかにゃー?

是非とも教えて欲しいぜよ!
861 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 20:30:54.16 ID:E+2qJdzW0
女一同「おぉぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

心理「あらあら」


誰がなんと言おうと一番かわいいのは心理定規なんだよ!!!


心理「ありがとう、でもそんなに言い過ぎるとみんなが泣いちゃうわよ」

上条「み、美琴・・・」

美琴「ふん・・・ふん!!」

黒子「これが美人の特権ですのね」

心理「あら、あなた達も可愛いわよ」

上条「・・・そ、そうだぞ美琴」

美琴「・・・ふん!!」


862 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 20:44:39.52 ID:E+2qJdzW0
エツァリ「土御門さんですか」

上条「言ってやるな・・・」


変態エツァリへ
 いままでにショチトルへ行なったプレイのなかで一番過激なプレイはどんなのかにゃー?

是非とも教えて欲しいぜよ!


エツァリ「そうですね・・・」

ショチトル「そうだな、何があったか・・・」

エツァリ「全裸で電柱にくくりつけて、自分は遠くからそれを眺めるというのがありましたね」

一同「」

ショチトル「しかも、バイブ突っ込んだままだぞ」

エツァリ「遠くに車が見えたときのショチトルの慌てぶりときたら」

ショチトル「無理もないだろう、あれはまずかった」

エツァリ「結局別の方向に向かう車だったんですけどね」

ショチトル「ちなみに、昼間な」

上条「もうイヤだこいつら!!」



863 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 20:49:46.21 ID:E+2qJdzW0
垣根「ていうか、そんなにヤって飽きないのかよ」

エツァリ「垣根さんはあまりしないんですか?」

垣根「うーん・・・最後にヤったのっていつだっけか」

心理「もう一ヶ月くらい前じゃないの?」

美琴「そ、そんなにしないんだ・・・」

削板「なんだか意外だな・・・」

一方「一番遊ンでそォな見た目なのによ」

垣根「見た目で決めるな・・・」

エツァリ「・・・よくそれでイヤになりませんね」

心理「いいのよ、それが私達の恋愛なんだから」

テクパトル(・・・見習おう)

上条「?どうした、テクパトル・・・」

19090「な、なんでもないですよ!?」

美琴(・・・この子達、結構な頻度なのね)

ショチトル「・・・私じゃ堪えられないな」

垣根「これだからガバガバは・・・」

ショチトル「・・・試すか?」

心理「やめなさい」


864 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 21:00:41.41 ID:E+2qJdzW0

垣根「・・・っと、そろそろ帰らないとな・・・」

上条「ん、もうそんな時間か?」

心理「早いわね・・・」

垣根「いやぁ、わりと楽しかったぜ・・・久々にみんなと集まれたし」

19090「そうですね・・・」

テクパトル「はぁ・・・仕事はキツイけど、こういうのがあるからやめられないよな」

黒子「わたくしも、また明日から頑張りますの!!」

打ち止め「ねぇ、最後にみんなで記念写真撮ろう!!ってミサカはミサカは提案してみたり!!」

上条「お、いいな」

垣根「よーし!!みんな雛壇の前に並べぇ!!」

一同「おう!!」


垣根「よーし・・・じゃあ、撮るぞ!!」

垣根がシャッターを切る

タイマーが掛けられているため、彼も映ることができる

垣根「最高の笑顔で!!せーの!!」


一同「ピース!!」


865 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 21:04:21.82 ID:E+2qJdzW0

後日

上条「・・・」

美琴「?どうしたのよ、ずーっと写真見て」

上条「あ、いや・・・なんでもないよ」

美琴「もしかして目閉じてたの?」

上条「いや・・・ちゃんと開いてた」

美琴「ならいいじゃない」

上条「・・・そ、そうだな」

美琴「?」

美琴が写真を覗き込む

上条が持っている一枚の写真

着物を着た全員が映っている

上条「・・・これ・・・さ、テクパトルの肩に手が乗っかってるだろ」

美琴「・・・」

上条「・・・」

美琴「・・・」


上条「・・・不幸だ」

美琴「にゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」



866 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 21:06:18.19 ID:E+2qJdzW0
早いですが今日はここまで

僧帽を痛めたみたいで頭が若干痛いです

お便りは一旦終了とさせていただきます


筋肉動画は、ちょっと今回は注意かも

女性のビルダーです

http://www.youtube.com/watch?v=dxnpxjaVAK4

これで女性かよ・・・

すごいですね、世界って


ではおやすみなさい


867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/07(水) 21:13:41.33 ID:UU25tFZu0
乙です!
その手はいったい何なんだ?
868 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/07(水) 21:20:28.52 ID:E+2qJdzW0
>>867 ミサカ達の亡霊が・・・

一緒におひな祭りしたかったんですよ、きっと


ダークマターってサプリ、買おうか検討中なんですがいいのか、そのネーミングセンスは

マジで気になりますよね


869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/12/07(水) 21:59:13.80 ID:UU25tFZu0
>>1
それを飲めばきっと常識の通用しない体になれるぜ
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 22:44:16.31 ID:r45MZt9IO
サプリがアプリに見えたの
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 23:15:59.40 ID:ud0RfzX/o
乙なんだよ!
872 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:11:24.86 ID:j6JKBXw90


ゴーグル「はぁ・・・」

ゴーグル男が毎朝味わうのは、柔らかい感触だった

フレンダが寝ている間に、彼に抱き着いてくるのだ

イヤというわけではないが、傍から見ると誤解されてしまいそうな光景

二人は決してそういう関係ではない

だったらなんで同じ部屋で寝ているのか

答えは簡単、他に部屋がないからだ

ゴーグル(いいですよ・・・もう慣れました)

胸が当たったり、脚が絡まったりしてるがそれにときめくこともない

毎朝毎朝そんなことをされていると慣れてしまう

むしろ、されていなかったほうが違和感を覚えるだろう

ゴーグル「・・・にしても、幸せそうな顔で寝ますね」

フレンダ「・・・ん」

ゴーグル「あ、おはようございます」


873 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:12:12.64 ID:j6JKBXw90

フレンダ「おはよう・・・また抱き着いてた訳よ」

ゴーグル「フレンダさんの癖か何かですか?」

フレンダ「うーん・・・一人ぼっちがイヤだからかな」

ゴーグル「へぇ・・・なんか変わってますね」

フレンダ「そう?」

ゴーグル「それはそうとして・・・放してもらっていいですか」

フレンダ「あぁ・・・ゴメン」

フレンダがゴーグル男の体を放す

先程まであった温もりが無くなると、途端に寒く感じる

3月の半ばであるというのに、まだ空気は肌寒い

家の中でも上着を羽織らなければならないほどの寒さだ

フレンダ「うぅ・・・寒い・・・」

ゴーグル「そうっすね・・・ほら、起きてコタツにでも行きましょう」

フレンダ「・・・寒い」


874 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:13:08.49 ID:j6JKBXw90
ゴーグル「フレンダさん・・・駄々こねないで下さい」

フレンダ「・・・だって・・・なんか体が寒い」

ゴーグル「・・・はい?」

ゴーグル男が眉をひそめる

彼女は寒いのがそこまで苦手だっただろうか

もちろん得意というわけではない

だが決して苦手ではなかったはずだ

ゴーグル男が起きたら、それに合わせるようにしてノコノコと布団から出る

そんなフレンダが、なぜか今日はやけに駄々をこねている

ゴーグル「・・・ちょっと失礼しますよ」

フレンダの頭に触れたゴーグル男がため息をつく

ゴーグル「熱あるじゃないっすか」

フレンダ「そっか・・・どうりで寒気がする訳よ・・・」

ゴーグル「布団被って・・・ちょっと待ってて下さいね」


875 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:14:09.72 ID:j6JKBXw90
ゴーグル男が押し入れからもう一枚、掛け布団を取り出す

フレンダ「・・・ゴメンね」

ゴーグル「いいっすよ・・・でも、全く気づきませんでしたよ」

フレンダ「あはは・・・そんなに暖かかった?」

ゴーグル「・・・はい、布団掛けますよ」

フレンダ「うん・・・」

フレンダが布団に体を埋める

ゴーグル「・・・俺はみなさんにフレンダさんが風邪だって伝えてきますから」

フレンダ「・・・ありがと」

ゴーグル「・・・すぐ来ますから、ちょっとだけ待ってて下さいね」

フレンダ「うん」


浜面「フレンダが風邪?」

ゴーグル「はい・・・だから、みなさんに言っておこうと思って」

絹旗「やっぱり・・・フレンダ、昨日風呂上がりにめちゃくちゃ寒そうな格好してましたから」


876 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:14:56.04 ID:j6JKBXw90
麦野「しかも髪も乾かさなかったからね、あの子」

滝壺「仕方ないといえば、仕方ない」

ゴーグル「・・・それで、風邪薬とかないのかと思いまして」

麦野「一応あるわよ」

麦野がキッチンを指差す

麦野「皿の入ってる棚の・・・下のほうだっけ」

浜面「そうだったっけ?」

絹旗「そうですよ、浜面は超記憶力が悪いですね」

浜面「悪かったな・・・」

ゴーグル「あぁ、これっすか?」

滝壺「うん、そうだよ」

ゴーグル「それじゃ・・・おかゆ、作ってもらっていいですか?」

浜面「あぁ、出来たら持っていくからな」

ゴーグル「お願いします」



877 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:16:03.26 ID:j6JKBXw90



フレンダ「・・・あ、お帰り・・・」

ゴーグル「浜面さんがおかゆ作ってくれてますから、待ってて下さい」

フレンダ「・・・うん」

ゴーグル「あと、風邪薬とスポーツドリンクっす」

フレンダ「・・・飲ませて」

ゴーグル「・・・いいですけど、起きてもらわないと」

フレンダ「うん・・・」

フレンダが体を起こす

相当体がだるいのか、ふらついている

自業自得とは言ってもさすがにそれは可哀相だった

ゴーグル「・・・大丈夫ですか?」

汗でべたついているフレンダを抱えながら、ゴーグル男がスポーツドリンクのキャップを開ける

フレンダ「・・・ちゃんと、風呂上がりに暖かくしとけばよかった訳よ・・・」

ゴーグル「・・・仕方ないっすよ、そういうのってめんどくさい時もありますから」


878 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:17:13.06 ID:j6JKBXw90
フレンダ「あ・・・分かってくれる?」

ゴーグル「はい・・・口、開けて下さい」

フレンダ「うん」

フレンダが素直に口を開ける

そこに錠剤を優しく入れてから、スポーツドリンクを飲ませる

フレンダ「・・・ゴメンね」

ゴーグル「いいっすよ・・・そんなにしょげないで下さい」

フレンダ「・・・ねぇ、ゴーグル」

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「・・・今日、どっか出かける予定とかあるの?」

ゴーグル「・・・」

ゴーグル男が少しだけ口を閉じる

フレンダの言いたいことは分かっている

だから、彼女を安心させられるようなことを言う

ゴーグル「今日は何も予定なんてないっすよ・・・だから、フレンダさんの看病にあてます」


879 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:18:11.58 ID:j6JKBXw90
フレンダ「あ、ありがと」

ゴーグル「・・・にしても、弱々しいフレンダさんなんて新鮮ですよね」

フレンダ「な、何言って・・・」

ゴーグル「ほら、暴れない・・・ったく、あんまり無茶したらダメっすよ」

フレンダ「わ、分かってる訳よ」

ゴーグル「・・・フレンダさん、なんか頼みたいこととかないっすか?」

フレンダ「えっと・・・おかゆはもう作ってるんだっけ」

ゴーグル「はい・・・だから、なんか他に食べたいものがあるとか、読みたい漫画があるとか・・・」

フレンダ「着替えたい訳よ」

ゴーグル「着替えるって・・・麦野さんでも呼んできますか?」

フレンダ「麦野は絶対嫌がりそう」

ゴーグル「じゃあ、絹旗さんか滝壺さん・・・」

フレンダ「アンタが着替えさせてくれればいいじゃない」

ゴーグル「いや・・・それはダメでしょう」


880 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:18:58.92 ID:j6JKBXw90
フレンダ「・・・下着見られるくらいだったら構わない訳よ」

ゴーグル「まぁ・・・たしかにそうっすね」

ゴーグル男がため息をつきながら、フレンダの服を用意する

同じ棚に入っている下着に一瞬目を奪われるが、幸いフレンダにはバレなかったようだ

フレンダ「?どうしたの・・・」

ゴーグル「あぁいや・・・」

フレンダの隣に座り、ゴーグル男がもう一度息を吐く

ゴーグル「・・・それじゃ、脱がせますよ」

フレンダ「うん」

ゴーグル男がフレンダのTシャツを上に引っ張る

やってみれば分かるが、汗をかいている人間の服を脱がせるのは中々難しい

自分が脱ぐときと全く勝手が違う

おかげで、Tシャツだけを着替えさせるのにずいぶん時間が掛かった

フレンダ「・・・ねぇ、見た?」

ゴーグル「出来る限り見ないようにはしてましたよ」


881 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:23:19.84 ID:j6JKBXw90
フレンダ「さすがゴーグルな訳よ」

ゴーグル「褒めてるならありがとうございます・・・下は自分で脱いで下さい、布団の中で」

フレンダ「うん」

おとなしくフレンダが従う

どうにか着替え終わったフレンダが満足そうに横になる

ゴーグル「・・・他には、何かないっすか?」

フレンダ「・・・うん、大丈夫」

ゴーグル「そうっすか」

ゴーグル男がスポーツドリンクと風邪薬をフレンダの枕元に置く

フレンダ「・・・病院、行かなきゃいけないのかな・・・」

ゴーグル「熱、測りますか」

体温計を受け取ったフレンダが熱を測りだす

ゴーグル「・・・」


882 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:31:30.21 ID:j6JKBXw90
フレンダ「・・・37度6分」

ゴーグル「うーん・・・微熱ですかね」

フレンダ「寒い・・・」

ゴーグル「えっと・・・カイロとかいりますか?」

フレンダ「・・・いらない・・・」

グルグル布団を体に巻きつけながら、フレンダが小さく答える

ゴーグル「・・・」

フレンダ「・・・ねぇ、冷えピタある?」

ゴーグル「いや、寒いんじゃ・・・」

フレンダ「熱いから・・・」

ゴーグル「あぁ・・・本格的な風邪ですね」

フレンダ「だから風邪な訳よ・・・」

ゴーグル「ちょっと待っててくださいね」


883 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:37:48.78 ID:j6JKBXw90
フレンダ「・・・あぁ、気持ちいい・・・」

ゴーグル「・・・上手く貼れましたね・・・」

フレンダ「上手く貼れると気持ちいい訳よ・・・」

ゴーグル「・・・寝なくて大丈夫ですか?」

フレンダ「・・・寝られない訳よ」

ゴーグル「・・・じゃあ、何かしますか?」

フレンダ「何かって・・・だるくて出来ない訳よ」

ゴーグル「あぁ・・・それもそうっすね」

フレンダ「・・・アンタ、あんまり私の傍にいすぎると風邪移る訳よ」

ゴーグル「いや、俺は風邪ひいたことないんすよ」

フレンダ「うっわ・・・バカな訳よ」

ゴーグル「あ、そこに繋がるんすか」

フレンダ「・・・でも、羨ましい」

ゴーグル「そりゃそうでしょうね」

884 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 10:43:57.92 ID:j6JKBXw90
フレンダ「・・・ねぇ、今日って何か面白い番組あったっけ・・・」

ゴーグル「は、はぁ?」

フレンダ「ヒマだからテレビ見たい・・・」

ゴーグル「ダメっすよ、ちゃんと大人しく・・・」

フレンダ「うぅ・・・」

ゴーグル「なんで涙目なんですか・・・」

溜め息をつきながら、ゴーグル男が携帯の昨日で番組表を検索する

大した番組はやっていない

昼間に家にいる主婦向けのドラマかつまらない予定調和のバラエティーだけだ

ゴーグル「・・・そうそう面白い番組なんてないっすよ」

フレンダ「・・・そっか」

ゴーグル「・・・あ、動物特集は午後の2時からやりますけど」

フレンダ「そ、それは見たい訳よ!!」


885 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 11:26:39.23 ID:j6JKBXw90
ゴーグル「・・・じゃ、解熱剤も飲みますか」

フレンダ「・・・うん」

ゴーグルが解熱剤を差し出す

だがそれは、錠剤ではなく粉末状のものだった

フレンダ「げ・・・」

ゴーグル「?げ?」

フレンダ「ふ、粉末状・・・」

ゴーグル「あぁ、もしかして苦いのは飲めない人ですか」

フレンダ「こんなもん、絶対飲むべきものじゃない訳よ!!」

ゴーグル「はぁ・・・我慢してくださいよ、いい歳じゃないですか」

フレンダ「無理無理!!」

ゴーグル「はい、口あけて」

フレンダ「だ、だから無理・・・」

ゴーグル「あけて」

フレンダ「うぅ・・・」

しぶしぶ、フレンダが口を開ける

ゴーグル男が半ば無理矢理、粉末状の解熱剤を流し込んだ

フレンダ「うぇ・・・苦い・・・」

ゴーグル「・・・とりあえず、番組が始まるまでは絶対安静ですよ」

フレンダ「はーい・・・」


886 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 15:21:45.31 ID:j6JKBXw90
ゴーグル「・・・フレンダさん?」

フレンダ「うん、何?」

ゴーグル「・・・その、他に何か・・・」

フレンダ「大丈夫だって・・・ゴーグル、ちょっと心配しすぎな訳よ」

ゴーグル「そ、そうっすか」

フレンダ「・・・でもありがと、ちょっと嬉しい訳よ」

ゴーグル「そりゃ心配ですから」

フレンダ「なんで?」

ゴーグル「いや・・・だって家族みたいなもんじゃないっすか」

フレンダ「・・・そっか」

ゴーグル「それに、フレンダさんが元気じゃないとヒマっすよ」

フレンダ「・・・ゴメンね」

ゴーグル「・・・だから、早くよくなってほしいんすよ」

風邪薬をじっと見つめながら、ゴーグル男が笑う


887 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 15:29:28.39 ID:j6JKBXw90
フレンダ「・・・そういう台詞は、アンタに似合わない訳よ」

ゴーグル「・・・メルヘンは俺には無理っすか・・・」

はぁ、とゴーグル男が息を吐く

彼は若干、メルヘンを夢見ている

しかしそれは似合わないと言われているのだ

そんなことを言われたらへこんでしまう

フレンダ「・・・ねぇねぇ、スポーツドリンク・・・飲ませて」

ゴーグル「あぁ、いいっすよ」

スポーツドリンクをそっとフレンダの口に含ませる

母親の気分が味わえるな、とゴーグル男が感じる

いや、父親なのかもしれない

ゴーグル「・・・そろそろおかゆも出来るかもしれないっすね」

フレンダ「・・・浜面が作ってくれてるんだっけ?」

ゴーグル「はい、そうっすよ」


888 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 15:43:22.95 ID:j6JKBXw90
フレンダ「・・・期待できるかな?」

ゴーグル「どうっすかね・・・あ、来たみたいっす」

カツカツ、と階段を登ってくる音がする

ゴーグル「・・・浜面さんっすか?」

浜面「おう・・・どうだ、フレンダ?」

ガチャリとドアが開かれる

エプロンをつけて、おかゆの乗ったお盆を片手に抱えている

まるでどこぞのパパのようだ

ゴーグル「ありがとうございます・・・」

浜面「いいっていいって・・・調子、どうだよ?」

フレンダ「まぁまぁかな・・・大人しくしてるから」

浜面「そっか・・・安静にしとけよ?」

フレンダ「見たい番組があるから、それまではね」

浜面「えぇ・・・なんだよそれ」


889 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 15:43:22.95 ID:j6JKBXw90
フレンダ「・・・期待できるかな?」

ゴーグル「どうっすかね・・・あ、来たみたいっす」

カツカツ、と階段を登ってくる音がする

ゴーグル「・・・浜面さんっすか?」

浜面「おう・・・どうだ、フレンダ?」

ガチャリとドアが開かれる

エプロンをつけて、おかゆの乗ったお盆を片手に抱えている

まるでどこぞのパパのようだ

ゴーグル「ありがとうございます・・・」

浜面「いいっていいって・・・調子、どうだよ?」

フレンダ「まぁまぁかな・・・大人しくしてるから」

浜面「そっか・・・安静にしとけよ?」

フレンダ「見たい番組があるから、それまではね」

浜面「えぇ・・・なんだよそれ」


890 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 15:57:07.71 ID:j6JKBXw90
ゴーグル「・・・ほら、フレンダさん・・・食べてください」

フレンダ「食べさせてほしい訳よ」

浜面「おいおい・・・あんまりゴーグルに迷惑掛けるなよ」

フレンダ「ゴーグルは好きでやってる訳よ!」

浜面「そ、そうなのか?」

ゴーグル「いえいえ・・・んなわけないでしょ」

フレンダ「そ、そこはノッてほしかった訳よ」

浜面「・・・ゴーグル、俺が代わろうか?」

ゴーグル「うーん・・・でも、結構大変っすよ?」

浜面「じゃあ、二人でやるか」

フレンダ「浜面も看病してくれるんだ・・・ありがと」

ゴーグル「って言っても、大抵は話し相手になるだけっすけどね」

浜面「話せる元気があるならマシかな」

ゴーグル「そうっすね」



891 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 16:34:22.22 ID:j6JKBXw90
フレンダ「・・・ねぇ、浜面」

浜面「ん?なんだよ」

フレンダ「・・・滝壺のこと、ちゃんと大事にしてあげてる?」

浜面「?あぁ、してるけど・・・」

フレンダ「それならいい訳よ」

浜面「どうしたんだよ、急に」

フレンダ「・・・滝壺にも、ちゃんと居場所が出来たんだなってさ」

浜面「?」

ゴーグル「・・・フレンダさんにもあるじゃないっすか」

フレンダ「まぁそうだけどさ・・・滝壺って、そういうのを自分から積極的には求めないでしょ?」

浜面「そうかな?結構グイグイ来るぜ?」

フレンダ「へぇ・・・なんか意外」

ゴーグル「人なんて簡単に変わりますよ」


892 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 16:47:25.67 ID:j6JKBXw90
浜面「・・・フレンダも、居場所が出来たことだし・・・平和になったもんだな」

ゴーグル「そうっすね・・・」

フレンダ「もっともっと、これから幸せになってみせる訳よ!!」

ゴーグル「あはは・・・そりゃいいっすね」

フレンダ「まずは、見たい番組を見て・・・」

ゴーグル「風邪を治すことっすね」

フレンダ「うん、そういうこと」

浜面「・・・にしても、フレンダたちも風邪ってひくんだな」

ゴーグル「・・・AIMの集合体なんですけどね、この体」

ゴーグル男が首を捻る

AIMとは、物質というよりは概念だ

その体が、風邪を引いたりするのだろうか

ゴーグル「・・・うーん、事実は小説より奇なり、ってやつっすね」

フレンダ「?何のこと?」

ゴーグル「なんでもないっすよ」


893 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 16:58:18.56 ID:j6JKBXw90
浜面「さて・・・フレンダ、お前はもうちょい大人しくしてろよな」

フレンダ「?どっか行くの?」

浜面「今度はみんなの飯も作らないといけないんだよ」

ゴーグル「あぁ、そういえばもう昼ですね・・・」

フレンダ「・・・二人とも出ていっちゃうの?」

浜面「仕方ないだろ・・・俺達だって飯食わないと」

フレンダ「うぅ・・・」

ゴーグル「・・・はぁ、仕方ないっすね」

ゴーグル男が布団ごと、無理矢理フレンダを持ち上げる

フレンダ「うわっ!」

浜面「お、おい・・・」

ゴーグル「大丈夫っすよ・・・みなさんに移さないようにしてくださいよ?」

フレンダ「あ、ありがと・・・」

ゴーグル「どういたしまして」

フレンダ(ちょ、ちょっと強引すぎる訳よ・・・)


894 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 17:01:03.14 ID:j6JKBXw90

麦野「・・・つまんない番組ばっかりやってるわね・・・」

絹旗「なんでC級映画を流さないんですか・・・」

滝壺「数字が取れないからだよ、きぬはた」

絹旗「そんな現実的なことを言う滝壺さんはいやです・・・」

滝壺「・・・あ、ゴーグルとはまづらと・・・」

麦野「・・・あれ、フレンダも来たの」

フレンダ「お、おはよう・・・」

ゴーグル「みなさんといないと寂しいらしいっすよ」

浜面「・・・ほらフレンダ、コタツの中に・・・」

絹旗「来ないでくださいよ、移ります」

麦野「自業自得なんだから大人しくしてろって」

フレンダ「ひ、ひっどい!!」

ゴーグル「まぁそうなんですけどね」

フレンダ「フォローしなさいよ!!」


895 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 17:08:39.78 ID:j6JKBXw90
ゴーグル「・・・それで、昼飯は何を?」

麦野「シャケ弁」

絹旗「適当に何か」

滝壺「美味しいものがいいな」

浜面「・・・そんなニーズに応えろっていうのかよ・・・」

ゴーグル「はぁ・・・麦野さん、いっつもシャケ弁だと健康に悪いっすよ」

麦野「えぇ〜?」ジロリ

ゴーグル「な、なんでもないっす!!」

フレンダ「・・・私のためにも、あんまり美味しいものは食べないで・・・」

浜面「そ、それは」

絹旗「みんな、超豪華で美味しいものでも用意しましょう」

浜面「絹旗ぁ!?」

滝壺「楽しみだね、きぬはた」

浜面「滝壺ぉぉぉ!!俺のエンジェルがぁぁ!!」

ゴーグル(壊れましたね)


896 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 17:39:09.78 ID:j6JKBXw90

フレンダ「・・・で、結局野菜炒めな訳よ」

ゴーグル「仕方ないっすよ・・・質素なもの、ってフレンダさんが・・・」

麦野「ゴーグル君!!さっきの流れを聞いてなかったの!?」

絹旗「そうですよ、ここは超豪華なものを作るべきでした!!」

滝壺「大丈夫、そんなゴーグルもちょっとは応援してあげる」

ゴーグル「無理に決まってるでしょ!?俺にフランス料理のフルコースが作れると思いますか!?」

滝壺「イタリア料理なら出来るの?」

ゴーグル「そういう問題じゃないっす・・・」

浜面「まぁまぁ・・・いいじゃねぇか、フレンダもこれならそこまで悔しくないだろ」

フレンダ「そりゃ、いつでも食べられるし」

ゴーグル「ほら、食べましょう」

絹旗「超普通ですね・・・」

麦野「あ、でも味付けは美味しいわね」

ゴーグル「はぁ・・・よかったです、どうにか満足してもらえたみたいで」


897 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 17:43:08.10 ID:j6JKBXw90
浜面「・・・そういやさ、ゴーグルは垣根たちとどうなったんだっけ」

ゴーグル「?あぁ、スクールは解散ですよ」

浜面「そうだけどさ・・・あれから、垣根とは会ってないのか?」

ゴーグル「えっと・・・そうですね、まだ」

麦野「ふーん・・・なんか淡白な関係ね」

絹旗「ずーっと一緒に行動していた私達とは超違いますね」

ゴーグル「互いに距離を近づけすぎるとあれですからね」

滝壺「でも、寂しくないの?」

ゴーグル「うーん・・・ここで垣根さんの名前を呼んで、それで来るなら話は」

ゴーグル男が野菜炒めを頬張ったとき、勢い良く玄関が開けられた

鍵を閉めていなかったのだが、一体誰だろうか

いきなり開けてくるのは宅配便などではなく


垣根「飛んで呼ばれてじゃじゃじゃじゃーん!!」

心理「お邪魔するわよ」

ゴーグル「」

垣根と心理定規だった


898 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 18:12:11.13 ID:j6JKBXw90
ゴーグル「なんでこのタイミングで来るんですか!?おかしいですよアンタ!!」

垣根「あっれ、昼飯中か・・・」

心理「ごめんなさいね、垣根がどうしてもアイテムの面々に会いたいって」

絹旗「ど、どうしてですか」

垣根「決まってるだろ、今日が何の日か知ってるか!?」

麦野「・・・ホワイトデーまではあと3日あるわよ、何の日なのよ」

垣根「なんでもない!!」

滝壺「・・・かきね、頭大丈夫?」

垣根「・・・お前に言われるとへこむぞ」

フレンダ「・・・わざわざ暇つぶしに来たわけ?」

垣根「あれ、冷えピタなんか貼って・・・お前、風邪か」

フレンダ「今更気づいたの・・・」

ゴーグル「そういうことっす、垣根さん、心理定規さん・・・」

心理「あ、ミカンがあるじゃない」

ゴーグル「話聞いてましたか!?」


899 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 18:59:33.77 ID:j6JKBXw90
心理「はぁ・・・コタツは暖かいわね」

麦野「ちょっと・・・何勝手に上がりこんで来てるのよ」

心理「何よ、寒いんだからいいじゃない」

フレンダ「・・・私・・・風邪なんだけど」

垣根「そうやってリビングにいる元気はあるじゃねぇか」

浜面「いやそうだけど・・・」

滝壺「風邪、移るかもしれないよ?」

垣根「ワクチン打ってますから」

麦野「ないわよ」

絹旗「・・・それで、一体なんで来たんですか」

垣根「だから暇つぶしだよ・・・みんな真面目に学校行ってるか、仕事行ってるかだし」

浜面「あれ、お前って学校通い始めたんじゃなかったっけ」

垣根「今日は休んだ、めんどくさかった、悪気はなかった」

ゴーグル「・・・ちゃんと行きましょうよ」


900 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 19:08:38.87 ID:j6JKBXw90
垣根「・・・で?フレンダはなんで風邪になってんだよ」

フレンダ「・・・昨日、湯冷めした訳よ」

心理「ちゃんと風呂上りは暖かくしないとダメじゃないの」

フレンダ「わ、分かってるけど・・・」

絹旗「・・・でもまぁ、ホワイトデー当日に風邪じゃなくてよかったですね」

ゴーグル「あれ、でもフレンダさんってあんまりチョコ渡してなかったじゃないですか」

垣根「いんや、俺にも届いたぜ」

浜面「へぇ・・・って、届いた?」

垣根「こいつ郵送してきやがったんだよ」

フレンダ「垣根のお返しは、かなり高いチョコかお菓子がもらえるとふんだ訳よ」

麦野「計算高いわね」

垣根「そういうお前は、誰かにくれてやったのかよ」

麦野「・・・浜面とゴーグル君に」

心理「二人だけ?」


901 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 19:28:03.42 ID:j6JKBXw90
麦野「・・・そうよ」

浜面「本当は、もう一人渡したいヤツがいたんだっけ?」

垣根「へぇ、誰だよ」

麦野「いいでしょ、気にしないで」

滝壺「むぎのが恋をしてるの」

麦野「し、してないわよ・・・」

フレンダ「む、麦野が恋!?誰!?誰・・・はっくしゅん!!」

ゴーグル「ほら、落ち着いて・・・」

垣根「それで?誰なんだよ」

麦野「・・・ちょっと話し相手になってくれた人よ」

心理「へぇ・・・名前は知らないの?」

麦野「・・・青髪君だったかしら、変わった名前よね」

垣根「あぁ、青ピのヤツかよ」

麦野「え、知り合い?」

心理「・・・というか、私達のクラスにいるのよ」

麦野「へぇ・・・世界は狭いわね」

垣根「だが心は広すぎる」キリッ

ゴーグル「キリッじゃないっす」


902 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 20:13:08.96 ID:j6JKBXw90
垣根「・・・へぇ、にしてもお前が青ピの野郎に恋ねぇ」

麦野「恋じゃないわよ」

フレンダ「麦野がそう簡単に恋に落ちるわけないじゃん!」

浜面「やけに自信があるな・・・」

絹旗「フレンダは麦野大好きですからね」

滝壺「フレンダ、その恋は報われないよ」

フレンダ「ちっちっち!!麦野は経験豊富な女な訳よ!!」

垣根「へぇ・・・どうかねぇ」モミモミ

麦野「」

浜面「な、なんでそこで胸を揉んだんだ!?」

ゴーグル「垣根さん!?な、なにやってんすか!?」

垣根「へぇ、そうやって固まるってことはやっぱお前初心だろ」


903 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 20:26:14.73 ID:j6JKBXw90
麦野「な、ななななななんで胸揉んだのよクソ垣根!!」

垣根「ありゃ、もしかして男の子にタッチされたのは初めてか」

麦野「アンタ・・・なんで無理矢理!!」

フレンダ「垣根ぇぇぇ!!!」

垣根「なんだよ、大げさな」

心理「はぁ・・・麦野さん、気にしないで良いわよ」

麦野「するわよ!!」

垣根「ほらフレンダ、こいつは初心だ」

フレンダ「う・・・」

滝壺「そっか、じゃあその人に恋をしても不思議じゃないね」

絹旗「麦野も初心だったんですか・・・」

垣根「もうババァなのにな」

麦野「と、とにかく!!違うんだって、チョコなんて渡すつもりじゃ・・・」

垣根「ふーん・・・ま、ホワイトデーも近いな」

浜面「は、話を変えたな」



904 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 20:34:00.55 ID:j6JKBXw90
垣根「ホワイトデーは、絹旗以外にはちゃんと返してやるよ」

絹旗「ど、どうして私・・・」

垣根「お前、今海原光貴と仲良くしてるだろ」

絹旗「!?」

浜面「情報が早いなおい」

滝壺「かきねの情報網は怖いよ」

垣根「だからよ、変な誤解はされたくないだろ?お前達が上手くいくのがメルヘンだぜ?」

絹旗「な、なるほど・・・」

垣根「その代わり、滝壺に多めに渡しとくからあとで分けてもらえよ」

絹旗「あ、ありがとうございます」

麦野(・・・何よこの気遣い)

浜面(こ、これがイケメンの気配りか・・・)

滝壺(南南西から信号が・・・)

心理(ビビビビビ)

ゴーグル(・・・心理定規さん、なんか変わりましたね)


905 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 20:37:53.96 ID:j6JKBXw90
垣根「・・・フレンダ、風邪薬とか飲んでるのか」

フレンダ「うん、ゴーグルに飲ませてもらった」

垣根「・・・」

ゴーグル「な、なんすか?」

垣根「お前・・・なんでそんなことが平気で出来るんだ!!童貞のくせに!!」

ゴーグル「ど、童貞は」

浜面「童貞の何が悪いんだよ!?」

ゴーグル「は?」

垣根「ん?」

浜面「あ」

麦野「・・・滝壺、アンタは偉いわよ」

滝壺「?」

心理「はぁ・・・?フレンダさんはなんで赤いのよ」

フレンダ「な、なんでもない・・・」


906 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 20:50:02.95 ID:j6JKBXw90
垣根「フレンダも初心か、だったら揉んでやるよ」

フレンダ「も、揉まないで・・・」

ゴーグル「垣根さん、そりゃダメっす」

垣根「お、なんだよヤキモチか?」

ゴーグル「・・・フレンダさんは風邪なんすよ」

心理「そうよ垣根、やめなさい」

垣根「ちっ・・・麦野、お前胸でかいよな」

麦野「・・・さっき自分で確認したでしょ」

絹旗「麦野・・・超落ち込まないでください」

麦野「・・・はぁ、なんで揉んだのよ・・・」

垣根「悪い悪い、俺のも揉ませるから」

麦野「ないじゃない」

垣根「キン」

心理「やめなさい」



907 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 20:53:54.52 ID:j6JKBXw90
麦野「・・・フレンダ、アンタの見たい番組ってどれ?」

フレンダ「えっと・・・今1でやってるやつ」

浜面「お前って可愛いものとか好きだよな」

フレンダ「女の子だもん!」

絹旗「年甲斐もなく若作りして・・・」

フレンダ「今青春真っ盛りな年齢な訳よ!」

ゴーグル「・・・あ、犬ですね」

女一同「可愛い!!」

垣根「・・・」

浜面「む、麦野・・・お前」

麦野「つ、ついノリだったのよ!!」

垣根「お前も可愛いの好きなんだな」

麦野「う・・・」

心理「いいじゃない、女の子なんだから」



908 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 21:10:49.88 ID:mDKnfNOIo
むぎのんは叔母さんじゃない!!行ってても高3程度だ!!どストライクなんだよどちくしょぅ!!
909 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 21:11:41.37 ID:j6JKBXw90
垣根「・・・そういや、お前達ってペットとか買わないのか」

麦野「・・・世話なんてめんどくさいじゃない」

絹旗「ノリだけで飼って世話をしなくなるくらいなら、飼わない方がいいですよ」

垣根「忙しないから世話しない、こりゃ上手いな」

滝壺「・・・」

垣根「お前の冷めた目ってアイテムの中で一番怖いよな」

浜面「お前!!滝壺になんてことを!!」

フレンダ「・・・うるさい、浜面」

浜面「は、はぁ!?」

ゴーグル「風邪の人の傍で騒がないでください」

麦野「これだから童貞は」

絹旗「超キモイです」

心理「浜面君、がんばりなさい」

浜面「こ、今回は俺がイジられ役なんだな!?」


浜面「不幸だぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」


910 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/08(木) 21:21:23.90 ID:j6JKBXw90
今日はここまで

筋肉動画はオリンピアの1992年、つまりドリアン初優勝のときを

ケビンがこの年にオリンピアデビューなんですが、すごいですね・・・

正直、ドリアンよりケビンが上です

背中以外、どこも負けていなかったでしょう

この大会から、いわゆる「モンスター」ばかりになってしまいました

腹部のせり出し、全身が信じられないほど肥大したビルダー

憧れだった対象から、なんというか畏怖の対象になってしまいましたね

ダブルサイズのオリバ、腕のピークの素晴らしいアーノルド、伝説の背中のバヌー、究極のカットのゼーン、ミスターパーフェクトのヘイニー

そういった美しい選手はもう見られないんでしょうね・・・


http://www.youtube.com/watch?v=P7UwcrA_ydE

最初の演出最高ですね

でも、ドリアンってそんなにでかいですかね?

トータルはでかいけど、なんか細かい精度がイマイチな気が・・・

素晴らしい選手ですが、どうも他のオリンピアに比べるとちょっと個人的に微妙です

ではおやすみなさい


筋肉動画を見るときは、後ろに家族がいないかを確認してからね!!




911 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 22:12:52.17 ID:j7U15vi4o
>>1乙!

いろいろ手遅れだぜ!
親戚が甥に会わせてくれないんだぜ!
912 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 22:51:35.69 ID:S1wSdkldo
乙なんだよ!
913 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 23:07:50.21 ID:EFNuUPLp0
>>1乙!!ってミサカはミサカは(ry
914 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 23:11:32.03 ID:zW38SWPDO
>>1乙である。

フレンダとゴーグルの絡みが見れてほくほくである。
915 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:28:05.37 ID:LEi3pRIu0
垣根「にしても・・・お前達、よく同じ家に住んでられるよな」

絹旗「アイテムの仲間なんですから、超当たり前です」

浜面「それに今更どっかで暮らすのもな・・・」

心理「素敵な絆ね」

垣根「ちっ、善人的で反吐が出る」

麦野「そういうアンタ達も二人で暮らしてるじゃない」

滝壺「それと同じ感覚だよ」

垣根「・・・フレンダとゴーグル馬鹿はよく堪えられるな」

フレンダ「・・・何が?」

麦野「命を奪った張本人が目の前にいることだろ」

フレンダ「!」

ゴーグル「・・・別に俺は構いませんよ」

垣根「へぇ・・・中々いい度胸じゃねぇか」

ゴーグル「度胸なんて大したもんはないっす・・・ただ、ここにいるのが当たり前なんですから」


916 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:28:58.66 ID:LEi3pRIu0
垣根「・・・フレンダは」

フレンダ「そ、そんなこと話す必要・・・」

麦野「いいのよ、誰も自分の罪を忘れるつもりはないから」

フレンダ「む、麦野まで・・・」

絹旗「・・・垣根、忘れないでほしいんですが・・・あなたも、私やフレンダ、浜面や滝壺さんを襲いましたよ、もちろん麦野も」

垣根「忘れちゃいないし悪かったとも思ってる、だが後悔なんてしてねぇ」

麦野「・・・後悔はしていない、ね」

垣根「お前だってそうだろ?フレンダがいなくなったことは後悔しても、自分の罪を後悔はしていない」

心理「どうかしら、麦野さんは」

麦野「・・・フレンダやゴーグル君を殺したのは私よ、でもあの時はあれだけが私の考えだったの」

ゴーグル「当たり前っす、敵を殺すのも裏切り者を処罰するのも」

フレンダ「・・・ちょっと怖かったけどね」

滝壺「フレンダは帰って来てくれた、麦野との再会を怖がらないで」

絹旗「それは、ここだけが居場所だったからじゃないんですか?」


917 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:30:00.93 ID:LEi3pRIu0
フレンダ「うん・・・結局、ここ以外に帰りたい場所なんてなかった訳よ」

浜面「いいこと言うじゃねぇか・・・感動するぜフレンダ」

フレンダ「・・・だから、私はここで暮らしてる」

垣根「ホント、仲が良いんだな・・・お前達は」

ゴーグル「垣根さんはどうなんすか」

垣根「何がだ」

ゴーグル「心理定規さんと暮らしてる理由っすよ」

垣根「・・・そこにいるのが当たり前なんだからどうこう言う必要もねぇよ」

滝壺「かきねは心理定規にベタ惚れだもんね」

垣根「うるせぇ・・・悪いかよ」

ゴーグル「・・・垣根さん、いつになったらその愛の巣に帰ってくれるんですか」

垣根「なんだよ、さっさと帰れって言うのか?」

ゴーグル「当たり前っす、第一フレンダさんは風邪なんですよ」

垣根「なんだよ・・・やけにフレンダのこと気にするんだな」


918 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:30:47.08 ID:LEi3pRIu0
ゴーグル「悪いんすか?俺が何を気にしようが勝手でしょう」

垣根「ちっ・・・俺がせっかく来てやったんだよ、感謝しろよな」

ゴーグル「ありがとうございます、さようなら」

垣根「なんかお前、冷たくなったよな」

ゴーグル「あなたがいると落ち着けないんですよ・・・」

垣根「あぁ?どういう意味だよ」

ゴーグル「垣根さんは何するか分からないから怖いんですよ」

垣根「・・・ムカつくな、てめぇ」

ゴーグル「とにかく今日はお引き取り下さい、フレンダさんだって本調子じゃないんすから」

垣根「だから、やけにフレンダのことを気遣ってるな・・・なんだよ、なんだ?」

ゴーグル「・・・」

心理「垣根、からかわないの・・・帰るわよ」

垣根「でもよ・・・」

心理「いいから帰るのよ・・・大体、目的もなく押しかけたのはこっちなんだから」


919 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:32:03.34 ID:LEi3pRIu0
浜面「な、なんだか悪いな・・・」

滝壺「フレンダが元気になったらまた来てね」

心理「えぇ、そうするわ」

垣根「誰が来るかよバーカ!お前の母ちゃん、俺の母ちゃん!」

心理「兄弟なんじゃない、帰るわよ」

心理定規が垣根の手を引っ張る

垣根「くそぉ!」

垣根がジタバタと暴れながら引きずられていく

アイテムの家には、しばし沈黙が訪れる

それを破ったのはフレンダのくしゃみだった

フレンダ「うぅ・・・なんか鼻が詰まって声が変になる訳よ・・・」

浜面「大丈夫か?」

滝壺「結構ひどいみたいだね・・・」

フレンダ「ゴーグル・・・風邪薬取って」

ゴーグル「はいはい・・・」


920 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:32:47.97 ID:LEi3pRIu0
ゴーグル男が風邪薬を手に持つ

なぜかそれだけは、他の風邪薬とパッケージが違った

粉末の色も若干違うような気がした

だが、これといっておかしな店はない

粉末の色は、パッケージが違うせいで違って見えているのだろう

パッケージだって、何かの間違いと言えばそれまでだ

風邪薬と一緒に置かれていたのなら、危険なものではないだろう

ゴーグル「はい、どうぞ」

フレンダ「ありがと・・・?なんかちょっと味が違う気がする訳よ」

麦野「気のせいじゃない?浜面が朝に持ってきたのと一緒にあったんでしょ」

浜面「あぁ、多分そうだけど・・・そんな色のパッケージだったっけ?」

絹旗「超どうでもい・・・あぁ!番組終わってるじゃないですか!」

麦野「ホ・・・ホントだ!垣根の野郎が来たから集中して見られなかったじゃない!」

滝壺「・・・かきね、今度会ったら電波送ってあげよう」


921 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:33:21.92 ID:LEi3pRIu0
浜面「なんだか分からないけど地味に怖いぞ、滝壺」

ゴーグル「・・・はぁ、番組も終わりましたし、フレンダさんをまた部屋に連れていきますね」

麦野「あぁ・・・ゴメンね、世話任せっきりになっちゃって」

ゴーグル「いいっすよ、こっちも好きでやってるんですから」

絹旗(そういう台詞を言うくせに、全くの無自覚なんですよね、ゴーグル)

滝壺(フレンダがなんとなく可哀相)

ゴーグル「じゃ、フレンダさん・・・ちょっと持ち上げますよ」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「?フレンダさん?」

フレンダ「あ、あぁ・・・うん」

ゴーグル「よいしょっと・・・それじゃみなさん、またしばらく二階にいますね」

浜面「あぁ、フレンダを頼んだぞ」

フレンダ「ゴーグルに任せれば大丈夫な訳よ・・・」

ゴーグル「はいはい・・・」


922 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:34:17.82 ID:LEi3pRIu0
ゴーグル男がフレンダを二階に連れていく

気のせいか、先程までより更に口数が減っている

ゴーグル「・・・さっきの薬、違ったんですかね」

フレンダ「・・・おかしい訳よ・・・体が熱い」

ゴーグル「?」

部屋の床にフレンダを寝かせたゴーグル男が、ふと自分の携帯が光っているのに気づく

心理定規からメールが届いていたのだ

ゴーグル「何でしょうか・・・」

「垣根が悪ふざけで媚薬を置いていったみたい、粉末状の薬みたいなのは絶対に飲まないように」

ゴーグル「」

ゴーグル男が無言で携帯を閉じる

さっきからフレンダの目がトロン、としているのはなぜか

風邪だからか、いや違う

フレンダ「ゴーグル・・・ね、ゴーグル」


923 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:35:14.99 ID:LEi3pRIu0
ゴーグル(垣根さぁぁぁぁあん!アンタはぁぁぁぁ!)

フレンダ「はぁ・・・なんか、あ・・・」

ゴーグル「フ、フレンダさん?」

ゴーグル男がフレンダに近づく

だが、フレンダの枕元にたどり着いた瞬間、無理矢理布団の中に引きずり込まれた

ゴーグル「おわぁ!」

フレンダ「あはは!ウソな訳よー!」

ゴーグル「ちょ、ちょっと・・・!」

フレンダ「あ・・・ゴーグル、なんか困ってる?」

ゴーグル「当たり前っす、あなたがさっき飲んだのは媚・・・」

フレンダ「ん・・・なんかね、体がおかしい訳よ」

ゴーグル「ど、どういう風にですか」

フレンダ「・・・なんか、ジンジンする」

ゴーグル「は、はぁ」


924 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:36:08.72 ID:LEi3pRIu0
フレンダ「なんか・・・脚が濡れてきた」

ゴーグル「それは脚じゃなくて股なんですね分かりますよ一応!」

フレンダ「どうしたの?さっきから大声出して」

ゴーグル「そ、それだけで済んでるんですよね!!」

フレンダ「・・・ゴーグル・・・ね、ちょっとだけ私の胸・・・」

ゴーグル「触らない!触らないですから!」

ゴーグル男が無理矢理体を放そうとする

だが、フレンダの力は予想以上に強かった

フレンダ「・・・ゴーグル、なんか・・・」

ゴーグル「わ、分かりますよ変な気持ちなんですよね!?」

フレンダ「うん・・・」

ゴーグル「そ、そりゃ仕方ないですけど俺とフレンダさんはそういう関係じゃないっす!」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「!?」


925 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:37:06.65 ID:LEi3pRIu0
フレンダがゴーグル男の手を取り、無理矢理自分の胸に当てた

フレンダ「はぁ・・・こうしてると落ち着く」

ゴーグル(俺は落ち着きません)

フレンダ「・・・なんかね、アンタに触ってもらえてると・・・こう、変な感じが無くなるんだ」

ゴーグル「は、はぁ」

ゴーグル(アンタに触られたら萎えるってことっすか・・・めちゃくちゃ失礼っすね)

フレンダ「・・・あ」

ゴーグル「はい?」

フレンダ「・・・」

フレンダがゴーグル俺の脚に、自分の脚を絡ませる

つまり毎朝なっているような状態を演出したのだ

ゴーグル「どうしたんすか?」

フレンダ「こうしてたらピッタリくっついてられるから」

ゴーグル「はぁ・・・なんか妹みたいっす、フレンダさん」


926 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:37:43.51 ID:LEi3pRIu0
フレンダ「・・・アンタ、妹なんていない訳よ」

ゴーグル「フレンダさんも・・・」

フレンダ「私は妹いるし」

ゴーグル「あれ、そうでしたっけ」

フレンダ「・・・ってそうじゃなくて・・・もっと他に感想はないの?」

ゴーグル「・・・若干汗でべたついてますね」

フレンダ「他には」

ゴーグル「風邪、移さないで下さい」

フレンダ「それ以外に」

ゴーグル「うーん・・・胸から手、放していいっすか?」

フレンダ「ダメ」

ゴーグル「・・・あの、寝たら・・・」

フレンダ「・・・ね、私の脚って綺麗?」

ゴーグル「は、はい」


927 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:38:28.74 ID:LEi3pRIu0
フレンダ「・・・触りたい?」

ゴーグル「」


ゴーグル「フレンダさん、勢いだけでそんなこと言ったらあとで後悔しますよ」

フレンダ「・・・イヤなの?」

ゴーグル「イヤじゃないっすけど・・・俺達、そういう関係じゃないですし・・・あなたは風邪ひいてるじゃないですか」

フレンダ「・・・分かった」

くるり、とフレンダが寝返りを打つ

汗でうなじにくっついた髪の毛が妙に色っぽい

フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・あの」

フレンダ「何?」

ゴーグル「・・・早く風邪、治して下さいね」

フレンダ「うん」

ゴーグル「・・・じゃあ、俺は漫画でも読んどきますから、何かあったら言ってください」


928 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:39:29.22 ID:LEi3pRIu0
フレンダ「うん」

ゴーグル男が適当に棚から漫画を取り出す

垣根がイチ押ししていた漫画だ

なんでも、彼の好きなアニメの漫画らしい

ゴーグル(び・・・美形だっ!)

ゴーグル(なんすかこれ・・・カオス過ぎますよ)

ゴーグル男が漫画を読み進めていたその時

フレンダ「あっ・・・んっ、はぁ・・・」

フレンダが何か少し息を荒げていた

ゴーグル「ど、どうかしましたか?」

フレンダ「あっ・・・な、なんでも・・・」

ゴーグル「なんでもって・・・顔が赤くなってますよ」

フレンダ「・・・ん・・・」

ゴーグル「・・・」

怪しがったゴーグル男が、フレンダに近寄る


929 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:45:19.85 ID:LEi3pRIu0
ゴーグル「なんで右手を脚のところに持って行ってるんですか」

フレンダ「う・・・」

ゴーグル「・・・一つ聞きます、何してるんですか」

フレンダ「あ、えっと・・・」

ゴーグル「・・・もしかして、ヤってるんですか」

フレンダ「!!ち、違う!!」

ゴーグル「じゃあ右手、さっさと出してくださいよ」

フレンダ「う・・・」

ゴーグル「はぁ・・・あのですね、フレンダさん」

フレンダ「な、なに?」

ゴーグル「いや・・・そういうのは仕方ないですし・・・」

ゴーグル男が溜息をつく

媚薬を飲んだ、男が近くにいる、そして布団の中

そんな恰好の状況はなかなかないだろう

ゴーグル「でも、俺が近くにいるときはダメっすよ・・・っていうか、男がそばにいるときはアウトっす」

フレンダ「・・・な、なんで?」

ゴーグル「いや、倫理的に」


930 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:51:33.82 ID:LEi3pRIu0
フレンダ「・・・でも、なんかムズムズする」

ゴーグル(垣根さぁぁぁん!!アンタどんだけ強力なヤツ持ってきたんすか!?)

フレンダ「・・・」

ゴーグル「わ、分かりました!!妥協策、これが妥協策っすよ!!」

フレンダ「妥協策?」

ゴーグル「俺は一階に行きます、その間に終わらせててください!!」

フレンダ「・・・何分くらいで帰ってくる?」

ゴーグル「えっと・・・10分くらいっすかね」

フレンダ「分かった」

ゴーグル「そ、それじゃ」

ゴーグル男が飛ぶようにして部屋から出る


浜面「あ、あれ?ゴーグル・・・」

ゴーグル「ちょっとベランダ借りますよ」

麦野「タバコ?」

ゴーグル「電話したい相手がいるんです」

絹旗「電話?」


931 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 10:57:49.87 ID:LEi3pRIu0
ゴーグル「ちょっとだけ大声になりますけど、気にしないでください」

滝壺「う、うん」

ゴーグル「・・・」

ベランダに出た瞬間、ゴーグル男が携帯を取り出す

もちろんかける相手は垣根である


ゴーグル「もしもし」

垣根『お前のところに2年生の息子がおるやろ!!』

ゴーグル「は?」

垣根『うちには6年生が』

ゴーグル「垣根さん、アンタ言うことがあるんじゃないですか?」

垣根『・・・』

ゴーグル「媚薬の件ですよ」

垣根『許してくれ、心理定規にはきつく言っておくから』

ゴーグル「アンタがやったんでしょうが」


932 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 11:14:08.26 ID:U0feaREio
俺んとこの息子がおらへん…(´;ω;`)
933 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 11:14:25.61 ID:LEi3pRIu0
垣根『でもな、あれはマジで解熱作用もあるんだぜ』

ゴーグル「・・・そうなんすか」

垣根『副作用が性欲の増強ってだけだぜ、メーン』

ゴーグル「ちょっと黙ってください」

垣根『電話で黙っちゃダメだろ』

ゴーグル「・・・それで?あれの効果はどれくらい続くんですか」

垣根『そんなには続かないって、安心しろ』

ゴーグル「・・・心理定規さんは」

垣根『あいつ・・・副作用だけ伝えやがったんだ!!』

ゴーグル「副作用が重要じゃないですか」

垣根『お、お前は心理定規の肩を持つつもりか!?』

ゴーグル「当たり前っす、男は常に美人の仲間ですから」

垣根『名言じゃねぇか』

ゴーグル「黙っててください」

垣根『・・・そんでそんで?フレンダはどうなってんだよ』

ゴーグル「・・・部屋で一人ですよ」


934 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 12:20:05.70 ID:LEi3pRIu0
垣根『なんだよ、相手してやればいいのに』

ゴーグル「いや、おかしいっすよそれ」

垣根『とりあえず、俺に悪気はなかったんだよ』

ゴーグル「もう一回言ってもらえますか」

垣根『俺に悪気はなかったんだよ』

ゴーグル「黙ってください」

垣根『・・・まぁまぁ、フレンダだって女の子だぜ?お前に隠れて今までもやってたんだろ』

ゴーグル「はぁ・・・いや、それ自体は別に構わないですけどね・・・」

垣根『・・・ま、いいじゃねぇか』

ゴーグル「よくないっすよ・・・生々しいのは苦手っす」

垣根『・・・そうかい』

ゴーグル「風邪が治るなら構わないですけどね」


935 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 12:47:44.21 ID:LEi3pRIu0
垣根『んでんで!?トローンとなっちゃったフレンダを見た感想は!?』

ゴーグル「うーん・・・めんどくさかったです」

垣根『お前・・・なんて性欲のないやつなんだ』

ゴーグル「ないわけじゃないですけど、あんな状況じゃ湧かないですよ」

垣根『真面目だなお前・・・』

ゴーグル「はぁ・・・第一、フレンダさんはそういう対象じゃないっす」

垣根『フレンダ、泣くぜ』

ゴーグル「い、いや・・・付き合ってもいないのにそういう対象として見るのは間違ってるでしょ」

垣根『きゃー!!なんだお前、めちゃくちゃ初心だなおい』

ゴーグル「いや・・・普通っすよ」

垣根『まぁいいや・・・とりあえず、俺は誤るつもりは無い』

ゴーグル「いや、謝ってくださいよ」

垣根『ごめんちゃい』

ゴーグル「切りますよ」

垣根『あ、マジ・・・』

プツリ、と通話を終わらせる


936 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 12:51:39.88 ID:LEi3pRIu0
ゴーグル「はぁ・・・」

まだまだ寒い冬の空気に耐え切れず、ゴーグル男がすぐさま家の中に入る

浜面「あ、終わったのか」

ゴーグル「はい」

麦野「じゃあ、またフレンダをよろしくね」

ゴーグル「分かりました・・・」

ゴーグル男がフレンダの部屋に向かう

そういうことをした後のフレンダと会うのは、なぜか緊張する

ゴーグル(はぁ・・・なんか、ちょっとイヤですね・・・)

肩を落としながら、ドアをノックする

フレンダ「はいはーい」

ゴーグル「お邪魔し・・・」

ます、という言葉を言う前にゴーグル男が口をぽかんと開ける

なぜか、たくさんの人形が部屋の中に散乱していた

ゴーグル「あ、あの・・・」


937 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 12:55:03.04 ID:LEi3pRIu0
フレンダ「あ、見て見て!このウサギ、可愛いでしょ!?」

ゴーグル「・・・あの、なんで・・・」

フレンダ「それがね、なんか急に体が軽くなって・・・」

ゴーグル(か、垣根さんの薬って本当に風邪薬だったんですね・・・)

フレンダ「・・・あ、そういうことは結局しなかった訳よ」

ゴーグル「は、はぁ・・・」

ゴーグル(・・・媚薬の副作用はすぐに切れる、ですか・・・)

フレンダ「にゃっはっは!!まさか期待してた!?ちょっと色っぽい私を・・・」

ゴーグル「安心しました・・・なんか、そういうことをしたフレンダさんと話すのはキツイですから」

フレンダ「ひ、ひっどい!」

ゴーグル「違いますよ・・・フレンダさんには分からないっす」

フレンダ「な、何よそれ・・・」

ゴーグル「ほら、人形で遊ぶヒマがあるなら一階に行きましょう」

フレンダ「あ、待ってって!!」



938 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 12:58:29.72 ID:LEi3pRIu0
ゴーグル(・・・でもよかった、今更女を振りかざされても困っちゃいますからね)

フレンダ「ねぇ、私が女だとイヤなの!?ねぇってば!!」

ゴーグル「あはは、違いますよ」

フレンダ「じゃ、じゃあ何な訳よ!?」

ゴーグル「うーん・・・」

ゴーグル男がくるりと振り返ってケラケラと笑う


ゴーグル「だって、俺が巻き込まれたら困るじゃないですか」

フレンダ「は?」

ゴーグル「だから、手伝わされたりとか・・・流れでそういうことするヤツって、俺嫌いなんすよ」

フレンダ「・・・こ、この・・・」

ゴーグル「この?」


フレンダ「甲斐性なし!!!」

ゴーグル「はい!?」

フレンダ「最低!!やっぱアンタ最低!!」

ゴーグル「な、なんで人形を構えて・・・こ、ここ階段!!俺が後ろにこけたらまず・・・」

フレンダ「知らない訳よぉぉぉぉ!!!」

ゴーグル「ぎゃぁぁぁぁ!!!」

階段をゴロゴロと転がりながら、ゴーグル男が叫ぶ


ゴーグル「不幸だぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」



939 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 15:45:51.85 ID:LEi3pRIu0

10033「ん、何見てるんですかテっくん?」

テクパトル「・・・」

10033「テっくん?」

テクパトル「あぁ、悪い悪い・・・」

10033「・・・不動産のチラシですか」

テクパトル「あぁ・・・家を買うのを決めたのはいいけどさ・・・」

10033「ミサカとテっくんの愛の巣ですもんね」

テクパトル「違うぞ」

10033「もう少し面白みを持たせながらツッコんでほしかったです」

テクパトル「あぁそうかよ・・・」

10033「・・・真剣に悩んでるんですね」

テクパトル「あぁ、真剣だよ・・・こればっかりは簡単に買い換えられないからな」

10033「・・・真剣に悩んでるんですね」

テクパトル「なんで二回言ったんだ」

10033「でも、せっかくですから他のミサカの意見も聞きましょう」

テクパトル「・・・そうだな、その通りだ」


テっくん家を買う編


940 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 15:58:40.72 ID:LEi3pRIu0
御坂妹「では、第一回、家をどれにしようかな、チキチキ不動産・・・」

テクパトル「第一回って、何回もするつもりかお前達は」

19090「そうですよ、ちゃんと一回で決めましょう」

テクパトル「はぁ・・・お前だけはまともだ・・・」

御坂妹「お前ら甘ったれてんじゃねぇ!!テっくんが一回で決めるって言ったら決めるんだ!!」

13577「おぉ!!全てはテっくんとミサカとアレイちゃんの明るい未来のためです!!」

14510「アレイちゃんは若干影が薄いですが!!」

17600「・・・それで?どういう風な家にしたいんだ」

テクパトル「そうだな・・・フローリングでいいよな」

20000「和室なんて一個あればいいさ、それよりSM部屋を」

10039「となると、必然的に洋風の家になりますね」

テクパトル「そうか?最近は外観は和風で、中がフローリングとかもあるぞ」

御坂妹「なるほど・・・」

19090「・・・ローンで払うんですか?」

テクパトル「まぁそうなるな・・・さすがに一発では払えないさ」



941 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 16:27:16.08 ID:LEi3pRIu0
20000「・・・ねぇ、何階建てにするの?」

テクパトル「そうだな・・・みんなは何階がいいんだ?」

御坂妹「三階建てが・・・」

19090「ぜ、贅沢は言えませんよ」

10033「現実的なら二階建てくらいでしょうか」

テクパトル「そうだな・・・」

17600「なんで10032号は三階建てがいいんだ?」

御坂妹「高い位置から、人々を見下して人がゴミのようだと言ってみたいんです」

テクパトル「やめろ・・・」

御坂妹「冗談ですよ・・・屋根裏部屋に憧れているだけです」

10039「あぁ、それはなんとなく分かりますね・・・」

14510「ですが、まるでアンネのようですよ?」

御坂妹「ミサカはやっぱり、二階建てでいいです」

テクパトル(・・・切替えが早いな)


942 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 16:55:28.71 ID:LEi3pRIu0
10033「・・・それで、土地はどこらへんなんですか?」

テクパトル「えっと・・・第七学区にいい土地があるんだよ」

御坂妹「たしか・・・学生寮なんかも多い学区ですよね」

20000「ま、賑やかなのはいいことだよ」

テクパトル「俺の職場からもわりと近いし・・・」

19090「ですが、そこだとミサカ達が目撃される可能性が・・・」

17600「あ、そうだな」

テクパトル「しまった・・・ついそれを考えてなかった」

10039「・・・となると、そこは無しになりますが・・・」

20000「いいんじゃない?外に出るときは17600号が特殊メイクしてくれれば」

17600「おいおい・・・結構大変なんだぞ、あれ」

19090「で、では外に出るときは細心の注意を払うということで」

14510「な、なんだかドキドキしますね・・・」

テクパトル「悪いな・・・住宅を建てるとなったら、そこしかないんだよ・・・」


943 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 17:34:11.61 ID:LEi3pRIu0
19090「仕方ないですよ・・・それより、デザインを考えましょう!!」

御坂妹「展望台をつけましょう」

10039「内装はピンクで統一ですよね」

14510「もちろん、庭には花壇を作って・・・」

20000「鳥の巣とか木に置いたりね」

17600「・・・お前達、テっくんの顔を見てみろ」

ミサカ一同「はい?」

テクパトル「・・・」ゲンナリ

19090「ど、どうしたんですか!?」

テクパトル「あのなぁ・・・お前達がそういうファンシーな子供趣味なのは知ってるけどさ・・・」

10033「こ、子供とは失礼な!とミサカは久々にアイデンティティである語尾をつけながら反論します!!」

13577「そ、そうですよ!!可愛いじゃないですか、そういうの!!とミサカは10033号に援護射撃を・・・」

17600「現実的に考えろよ・・・」

テクパトル「・・・花壇くらいならいいけどさ・・・」


944 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 19:03:41.31 ID:LEi3pRIu0
19090「・・・そうですね、じゃあシンプルな外観で・・・」

20000「ちょっと待って、誰に建ててもらうの?」

テクパトル「なんでも、そういうことまでやってくれる不動産屋がいるんだってさ」

10033「不動産屋が建設まで請け負ってくれるんですか?」

テクパトル「垣根から言われたんだよ」

14510「・・・か、垣根の言うことを信じて良いんですか?」

17600「・・・垣根の言うことは冗談かもしれないぞ」

テクパトル「・・・信じてみることから、始めてみよう」

御坂妹「テっくん、何言ってるんですか」

13577「・・・そうですね、じゃああとは・・・」


13577「・・・みんなの部屋の位置を考えましょう!!」

ミサカ一同「おぉ!!」

テクパトル「」



945 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 19:08:11.97 ID:LEi3pRIu0
10033「ミサカは日の差す部屋が良いです!!」

御坂妹「ミサカは明日を見れる方角がいいです」

20000「ミサカはたくさんの人から覗かれちゃうようなリスキーな部屋が・・・」

テクパトル「待て待て!!」

14510「なんですか?」

テクパトル「ひ、一人一部屋なのか!?」

10039「あぁ、テっくんと19090号は二人で一部屋でも構いませんよ?」

テクパトル「そこじゃねぇよ!!」

10039「じゃ、じゃあまさかミサカと!?」

テクパトル「そういう意味じゃねぇ・・・あのな、一人一部屋って相当大きな家になるぞ・・・」

17600「・・・資金の問題だよ」

御坂妹「テっくん、頑張って働いてくださいね」

20000「期待してるよテっくん」

テクパトル「待てってば!!おかしいだろお前達!?」

19090「テ、テっくんと一緒の部屋・・・」カァッ

テクパトル「話を戻すなぁ!!!」


946 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 19:11:26.72 ID:LEi3pRIu0
14510「・・・じゃあ、せめて二人に一部屋でいいですか?」

テクパトル「・・・まぁ、それなら大丈夫かもな」

10033「では、ミサカは14510号とがいいですね」

14510「分かりました」

13577「ではミサカは10039号と」

10039「20000号の被害にあったミサカの会ですね」

20000「ミサカは17600号がいいね」

17600「頼むぜ相棒」

御坂妹「・・・ミ、ミサカは・・・一人?」

テクパトル「ほ、ほら!!自由に一部屋使えるぞ!?」

19090「そ、そうですよ!!」

御坂妹「・・・」ウルッ

テクパトル「だ、大丈夫だって!!!」


947 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 19:16:28.49 ID:LEi3pRIu0
17600「・・・じゃあ、ミサカたちと一緒にいるか?」

御坂妹「!!いいんですか!?」

20000「3P出来ちゃうね」

御坂妹「・・・17600号、守ってくださいね」

17600「任せろ」

テクパトル「はぁ・・・一件落着か、あとはキッチンにリビングにトイレに風呂に・・・」

20000「SM部屋に・・・」

テクパトル「それはねぇよ・・・」

10039「テっくんはトレーニング部屋はいらないんですか?」

テクパトル「ジムで無料でやらせてくれるからいらないかな」

17600「・・・でもサプリを置いたりする部屋は?」

テクパトル「・・・」


テクパトル「ち、小さい部屋でいいかな」

ミサカ一同「どうぞどうぞ」


948 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 19:19:23.14 ID:LEi3pRIu0
テクパトル「・・・さて、じゃあ部屋の数は決まったから垣根に電話でもしてみるか」

17600「あいつに任せて大丈夫なのか?」

テクパトル「いいんだよ・・・」

テクパトルが垣根の携帯に電話を掛ける

コールが3回鳴ったあと、通話が始まった


心理『・・・何』

テクパトル「あ、あれ・・・?心理定規か」

心理『・・・テクパトル君ね、さようなら』

ツーツーツー


テクパトル「おぉぉぉ!?人力着信拒否だ!?」

19090「ど、どうしたんですか?」

テクパトル「おかしい・・・何かあったのか?」

もう一度、テクパトルが垣根の携帯に掛ける

次はなぜか、木魚っぽい音が聞こえてきた

テクパトル(いや・・・そもそも葬式じゃないよな、携帯使ってる時点で)


949 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 19:24:51.80 ID:LEi3pRIu0
垣根『・・・も、もしもし・・・』グスッ

テクパトル「コントごっこならやめてくれ・・・」

垣根『心理定規が死んじゃったぁぁ!』

テクパトル「さっき俺と話してたんだけどなぁ!?」

垣根『ちっ、ノリの悪いヤツだな』

心理『ホントね』

テクパトル「・・・心理定規、俺の中でのお前のイメージがどんどん崩れていく」

心理『気にしないで、私はいつでもクールよ』

テクパトル「・・・まぁいい、垣根にちょっと話したいことがあってな」

垣根『んだよ』

テクパトル「・・・家、間取りとか簡単なのは決めたんだけどさ」

垣根『おう、ちょっと待っとけ・・・そっち行っていいか?』

テクパトル「あぁ、いいけど」

垣根『じゃ、後でな』



950 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 19:28:01.41 ID:LEi3pRIu0

テクパトル「・・・来てくれるってさ」

17600「はぁ?今からか」

19090「・・・でも、本当にそんな不動産屋があるんですか?」

テクパトル「さぁな・・・」

御坂妹「・・・どうせ冗談なんじゃないですか?」

10039「垣根は常にふざけてますからね・・・」

テクパトル「・・・ま、信じてみようぜ」

20000「ねぇ、バイブとローターどっちを持っていけばいいかな?」

テクパトル「遠足じゃなくて引越しだから、どっちも捨てればいいと思うぞ」

20000「ひっでぇ」

テクパトル「常識だ!!」

14510「・・・20000号、そんなものを使っちゃいけませんよ」

13577「そ、そそそそそそうですよ」

テクパトル「怯えるな・・・」



951 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 19:30:56.64 ID:LEi3pRIu0

垣根「じゃじゃじゃじゃーん!!」

心理「あなたとの距離を縮めたい、司会は私心理定規と」

垣根「ていとじゃなくて帝督だ、垣根帝督がお送りします!!」

テクパトル「・・・あの、いきなり意味不明な登場はやめてくれ」

垣根「待たせたな」

17600「それはミサカだけが言っていい台詞だ」

垣根「俺のはリーダーだ」

17600「よし、ならば構わない」

御坂妹「・・・ずいぶんと速かったですね」

垣根「速さこそが文化の基本法則だぜ」

10039「・・・テっくん、こんな人を信じてもいいんですか」

テクパトル「・・・あぁ、信じてみるよ」

952 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 19:35:07.34 ID:LEi3pRIu0
垣根「・・・それで、間取りは?」

テクパトル「こんな感じだけど・・・」

垣根「・・・へぇ、二人で一部屋ねぇ・・・」

心理「このサプリメントを置く部屋って・・・何?」

テクパトル「・・・言わないでくれ」

垣根「・・・なるほどな、これなら多分オーケーだぜ」

テクパトル「あとは土地の件・・・」

垣根「土地は俺のほうで上手くやってやるよ」

テクパトル「あ、いや・・・金くらい俺が」

垣根「そうじゃなくて、不動産屋に頼むんだよ」

テクパトル「?そこまでしてくれるのか」

垣根「あぁ、俺の仲良しなヤツだからな」

テクパトル(なんとなく分かったよ)


953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/12/09(金) 19:35:44.65 ID:qeINgXi+0
心理さんのイメージがだんだん変わっていってるww
954 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 19:36:34.76 ID:AinWkmAWo
久々に来るか!?
955 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 19:58:53.57 ID:JvWkEwWQo
奴か
956 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 20:22:07.42 ID:LEi3pRIu0


さだのり「チャンーバーラーチャンーバーラーたましーよーたましーよー」


垣根「おいこら!!ジャガイモは茹で上がってるかいベイベー!?」

さだのり「あれ、何しに来たんだお前」

テクパトル「・・・」

さだのり「そっちに兄ちゃんは・・・なんだっけ、たしか俺がタクシードライバー役の時に乗ってきたお客さんだったな」

テクパトル「役ってなんだ・・・っていうか、お前不動産屋にまで手を出したのか!?」

さだのり「まるで不動産屋の女に手を出したみたいな言い方だぜ、トムソン」

垣根「はっはっは!!こりゃ上手いや、建物だけにどーだいこりゃ!」

さだのり「土台とどーだいを掛けたんだな、上手いぜボブ」

テクパトル「呼び名が変わってるぞ・・・」

さだのり「さて、みんないらっしゃい、ここはさだのり不動産だぜ」

テクパトル「ちっ・・・火事にでもなっちまえ」

さだのり「それはタマネギの役目だぜ」


957 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 20:25:36.69 ID:LEi3pRIu0
心理「それより、物件を建てて欲しいのよ」

さだのり「俺が建てるのは死亡フラグだけだぜ」

垣根「ダメじゃねぇかそれ」

19090「あ、あの・・・土地も用意していただけるんですか?」

さだのり「お、そっちはあの時の姉ちゃんだな」

19090「は、はい」

さだのり「相変わらずおっぱいちいせぇなぁ」

テクパトル「てめぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!」

さだのり「冗談だよ・・・マイケル・ジョーダンだ」

垣根「運命よそこをどけ、俺が通る」

心理「それより、早く話を進めなさいよ」

さだのり「えーっと・・・?第七学区に建てたいのか」

テクパトル「・・・あぁ」

さだのり「・・・あ?お前、女いっぱいと一緒に住んでるのか」

テクパトル「イヤな言い方をするな」


958 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 20:28:39.06 ID:LEi3pRIu0
さだのり「ハーレムねぇ・・・そういうのってどうかと思うぜ」

テクパトル「だから違うんだって」

さだのり「・・・で?俺に土地と建物とジャガイモ畑を用意しろってか」

テクパトル「最後のはいらねぇ」

さだのり「ちっ・・・久々の出番なんだからボケさせろよ、風化しちまうだろ」

心理「そういうネタは嫌われちゃうわよ」

さだのり「・・・ちっ、じゃあどうすればいいんだ」

垣根「まともになってみればいいと思うよ」

さだのり「あーそうかい・・・で?予算はいかほどで」

19090「え、えっと・・・ローン・・・」

さだのり「そういうことじゃねぇんだよクソビッチ」

19090「」

テクパトル「お前、ちょっと表に出ろよ」


959 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 20:34:19.62 ID:LEi3pRIu0
さだのり「お前、たしかスポーツジム勤務だったな」

テクパトル「あぁ・・・お前も来たんだっけか」

さだのり「そうだな・・・じゃあ、あんまり金の掛かりすぎる内装はまずいか」

テクパトル「金の掛かる?」

さだのり「シャングリラとか」

テクパトル「シャンデリラだ、そして必要ない」

さだのり「・・・そうだな、じゃあ六畳一間・・・」

テクパトル「マンションじゃねぇんだから」

さだのり「・・・なぁ垣根、こいつってどんくらいの財力なんだ?」

垣根「そうだな・・・俺が5財力だとしたら、こいつは0.03財力だ」

さだのり「ちっ・・・二階建てまでしか無理なのかよ、もっと搾取してやろうと思ったのに」

テクパトル「コントしてるだけなら帰るぞ」

さだのり「うるせぇよ巨根、ここ以外に善意的な不動産なんてないぜ?」

テクパトル「ある意味一番ここが善意的じゃねぇよ」


960 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 20:38:14.20 ID:LEi3pRIu0
19090「あ、あの・・・それで、出来るのでしょうか」

さだのり「・・・3000万だ」

19090「・・・は、はい?」

心理「さ・・・3000万!?」

さだのり「払えますか?」

心理「は、払ってみせます!!一生掛かっても!!」

さだのり「その言葉が聞きたかった・・・」

テクパトル「19090号、帰るか」

19090「そうですね」

さだのり「悪い悪い」

垣根「・・・心理定規、お前のイメージがどんどん変わってるみたいだぜ」

心理「可愛ければいいのよ」フンス

垣根「・・・なんだろう、この虚脱感」


961 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 20:52:00.94 ID:LEi3pRIu0
次スレはこちら
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1323430856  


さだのり「・・・そうだな、まぁローンで構わないけどさ」

垣根「・・・ローンだとどれくらいの年数で返せるんだ?」

さだのり「一生搾取するつもりです」

テクパトル「冗談は置いといて・・・建設は何日くらい掛かる?」

さだのり「5日かな」

テクパトル「・・・は?」

さだのり「土地を買うのに一日、お弁当のメニューを考えるのに一日、わら人形を打ちに行くのに一日、やる気を出すためにエロ本を読むのに一日、そして建てるのに一日」

19090「実質一日じゃないですか・・・」

テクパトル「ま、待ってくれ・・・どうしてそんなに早く出来るんだよ」

さだのり「なんだよ、遅いほうがいいか?」

テクパトル「そうじゃねぇ!!そうじゃないけど、耐震強度とか大丈夫だろうな!?」

さだのり「俺はヅラじゃないから、安心しろ」

テクパトル「そういうネタはいいんだよ!!」

さだのり「・・・土地は高いが、まぁ建設には金もそこまで掛からないから」

テクパトル「・・・人件費とか機材費とか、かなり掛かるだろ」

さだのり「一人でやりますので」

テクパトル「」


962 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 21:00:24.75 ID:LEi3pRIu0
さだのり「だから、土地代と木材代と」

テクパトル「おかしいだろ!!それで一日だと!?」

さだのり「おいおい、信じられないか?」

テクパトル「信じられるか!!大体、水道、電気、ガスやその他!!エトセトラだよエトセトラ!!」

さだのり「それも出来るんだよ、俺っていろんな仕事をしてるからな」

テクパトル「おかしいからなてめぇ!!あぁそうか、お前もグルで垣根とドッキリしてるんだろ!!」

心理「じゃあ私は何なのよ」

テクパトル「お前だって最近ボケだろ、おかしくなって・・・」

心理「あ?」

テクパトル「心理定規がいるならまともな話だよな、そうだそうだよ!!」

19090「テ、テっくん!!心理定規とそういう関係だったんですか!?」

テクパトル「違うから!!怖いんだよ!!」


963 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 21:04:37.08 ID:LEi3pRIu0
心理「・・・本当に一日で出来るのね」

さだのり「あぁ、その間の描写なんてカットされるくらいに早くしてやるよ」

心理「そういうネタはやめなさい」

さだのり「じゃ、細かい金の話はまた今度な」

テクパトル「い、いや・・・土地の税とか」

さだのり「お前の家、統括理事長がいるんだろ?っていうかあるんだろ?」

テクパトル「な、なんで知ってるんだよ!?」

さだのり「さってっと・・・じゃあ木材の調達に・・・」

テクパトル「怖い怖い!!教えてくれよ、なんで知ってるんだ!?」

垣根「さーて、じゃあ帰るか」

心理「そうね・・・テクパトル君、よかったわね、マイホーム」

19090「テっくん、帰りにどこかでお菓子でも買いましょう!!」

テクパトル「な、なんなんだこの環境適応力・・・」


テクパトル「そんなに俺がおかしいのか!?」

さだのり「答えはCMの後!!」

テクパトル「ねぇよ!!!」


964 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 21:32:55.04 ID:0BNXjwIAO
シャンデリラもちが(ry
965 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/09(金) 21:54:54.98 ID:LEi3pRIu0
>>964 シャンデリアだったのに、何をとち狂ったのか

今日はここまで

筋肉動画はデクスターさん

http://www.youtube.com/watch?v=Vps87WXORac 

この人はバランス抜群ですね

ただ、フィルが出てきましたからこれからトップを狙うのはきついかと

ではおやすみなさい


966 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 22:00:08.01 ID:iwX5qI3M0
>>1乙なんだよ!!
967 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 22:06:43.72 ID:5EgPwpuzo
         *、 *、      。*゚    *-+。・+。-*。+。*
        / ゚+、 ゚+、   *゚ ・゚    \       。*゚
       ∩    *。  *。    +゚    ∩    *
   (´・ω・`)       +。   +。    ゚*     (´・ω・`)
   と   ノ      *゚  *゚    ・     。ヽ、  つ
    と、ノ     ・゚  ・゚     +゚    *  ヽ、 ⊃
     ~∪    *゚  *゚      *    +゚    ∪~   ☆
          +′ +′      +゚   ゚+。*。・+。-*。+。*゚
968 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 10:28:20.57 ID:REzuqigu0
一方「・・・」

テクパトル「よく来たな」

削板「ははは!!お前がジムに来てくれるなんて久しぶりだな!!」

一方「・・・てめェらが無理矢理誘ったンじゃねェか」

削板「いいじゃないか!!みんなもお前がサボってること、心配してたぞ!!」

テクパトル「はぁ・・・寒いからとか言い訳するなよ?」

一方「眠いですゥ」

テクパトル「・・・じゃあ、頑張るか」

一方通行はジムにいた

周りにはあまり客はいない

テクパトルや削板が気を利かせてくれたのだ

一方「・・・なァ、なンでそこにサプリメントをこれ見よがしに置いてンだ」

テクパトル「CMだ、これも売らなきゃ俺は出来高が下がる」

969 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 10:33:05.12 ID:REzuqigu0
一方「・・・どォでもいい、さっさと・・・」

削板「すごいなテクパトル、これは一体何なんだ!?」

一方(こいつCMに協力しやがった)

テクパトル「まずこちらはプロテイン!!たんぱく質含有量80%以上を基準として選ぶべきです!!」

削板「ほうほう!!」

テクパトル「筋トレが終わった後の30分前後はゴールデンタイムと言われます!この時間の間にたんぱく質を摂取できるかできないかで、回復の仕方が全く違うとさえ言われている!!」

削板「でもお肉なんか筋トレのあとには飲めない!!」

テクパトル「あぁ!!でもたんぱく質をたくさん摂らないと筋トレで傷ついた筋肉は治らない!!」

削板「そんなときにプロテイン!!」

テクパトル「水に溶かして飲むだけで、25gものたんぱく質を摂取できます!!」

削板「本格的なトレーニングをしているなら体重1kg当たり2g以上のたんぱく質を摂取するべきです」

テクパトル「さぁ、プロテインならそれが可能になりますよみなさん!!」

一方(だりィ)


970 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 10:42:44.99 ID:REzuqigu0

テクパトル「さて、CMはどうせカットされるだろうし、一方通行の筋トレに移るか」

一方「なら最初からやンな」

削板「よぉし!!今日は胸の筋トレだ!!」

一方「・・・あれかァ・・・」

テクパトル「さて、まずは念入りにアップしようか」

テクパトルがダンベルをゴロゴロと転がしてくる

一方「・・・お前、他の客の指導はしなくていいのか」

テクパトル「お前だって客じゃねぇか」

一方「・・・ちっ、そォだけどよ・・・」

テクパトル「アップはベンチプレスだろうがダンベルフライだろうが関係ないぞ」

削板「ただし、絶対に軽い重量、高い回数でアップしような」

テクパトル「なんならシャフトだけで構わない」

削板「俺も今日は胸だし、一緒にやるか!!」

一方「あちィな・・・」


971 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 10:47:39.94 ID:REzuqigu0
テクパトル「さて、アップも終わったしメインの種目にいくか」

削板「ベンチプレスからだな、これは6回程度反復できる重量で十分と思われるぞ」

テクパトル「もちろん、個人差もあるけどな」

削板「12回やる人もいれば3回で十分という人もいるしな」

テクパトル「出来る限り丁寧なフォームでやってみよう、わざわざ重量だけを求めるのは間違いだ」

削板「伝説のビルダー、サージ・ヌブレでさえたった70kgから100kgの間でめちゃくちゃ丁寧に効かせていたんだからな」

テクパトル「初心者にとって、まずは自分の体重が一つの境目に・・・」


一方「ふォォォォォォ!!!」←20kg


テクパトル「・・・ベンチプレス20kg・・・か」

削板「一方通行・・・昔に戻ったな」


972 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 10:52:10.82 ID:REzuqigu0
テクパトル「ちなみに、俺はなぜか1セット目より2セット目のほうが同じ重量でも多く回数こなせるんだよな」

削板「なんでだろうな?」

テクパトル「体が重さに慣れるからかな?」

削板「うーん・・・そうかもな」

一方「ぐァァァ!!」ガシャーン

テクパトル「お、おい!!」

削板「ま、まさかシャフトだけで潰れるとは・・・」

テクパトル「一方通行・・・お前、もう少しジムに通えよ」

一方「・・・うるせェ・・・」

削板「ちなみに、ベンチプレスが関節的に無理という人は、ダンベルベンチプレスがオススメだ」

テクパトル「ダンベルベンチプレスのほうが効かせやすいからな」

削板「ベンチプレスが、たとえば60kg出来たとしてもダンベルベンチプレスは片手30kg出来るわけじゃないぞ」

テクパトル「多分片手25kgずつくらいかな」

削板「可動域が広がるし、筋肉に効くからかな」

一方「・・・くっそ・・・重い・・・」


973 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 10:56:28.08 ID:REzuqigu0
テクパトル「・・・ベンチプレスは5セットもすればいいかな」

削板「もちろん、これも個人差があるな」

テクパトル「体重の1.5倍も上げられるようになれば胸板も大分盛り上がるだろうな」

削板「そうだな、2倍上がれば相当なもんだぞ」

一方「・・・早く次の種目行こうぜ・・・」

テクパトル「次はダンベルフライだな」

削板「これは、若干軽い重量で丁寧に効かせるべき種目だ」

テクパトル「10回〜8回反復できる重量に設定するのがセオリーかな」

一方「・・・これ、肩痛くなるだろ」

削板「なる人とならない人がいるぞ」

テクパトル「胸のストレッチ感でこの種目に勝るものはないと言ってもいい!!」

削板「肘は直角から120度辺りの角度で固定しよう!!」

テクパトル「さぁ!!一方通行!!」


一方「おォォォォォ!!・・・あァァァァァァ・・・」

テクパトル(・・・2.5kg・・・)

削板(・・・いや、これはさすがにちょっとおかしいぞ)


974 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 11:00:25.36 ID:REzuqigu0
テクパトル「・・・これで、胸の中央のトレはおしまいだ」

削板「次は、下部のトレだな」

テクパトル「ディップス、もしくはデクラインでの種目に入る」

削板「デクラインというのは、ベンチを地面と平行より下に傾けて行う種目だ」

テクパトル「デクラインのほうが、フラットより重い重量が扱える」

削板「まぁ、今まで2種目してるから当然それほど重いのは扱えないけどな」

テクパトル「・・・デクラインならプレスのほうがいいかもしれない」

削板「ただ、デクラインプレスは結構三頭に刺激が逃げることもある」

テクパトル「俺はデクラインフライがいいかな」

削板「なるほど、俺はデクラインベンチプレスで高重量を扱うな!!」

テクパトル「それも人それぞれとしか言いようが無いな」

一方「あァァァァァァ!!!!!」

テクパトル(・・・デクラインベンチプレスも20kgか・・・先は長いな)


975 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 11:05:30.99 ID:REzuqigu0
削板「次は上部のトレだ」

テクパトル「インクラインならプレス、フライのどっちでも構わないぞ」

削板「デクラインは必要ないという人も多いが、インクラインは絶対に必要とされている」

テクパトル「フラットベンチプレスでは、下部もある程度鍛えられるからな」

削板「下部と中央だけで、上部が鍛えられていないと下向きに垂れた胸筋になってしまう」

テクパトル「上部を鍛えると、長くてカッコイイ筋肉の形に鍛えられる」

削板「インクラインは軽い重量を扱うことになるな」

テクパトル「・・・この種目は肩に負担が掛かりやすい、出来る限り気をつけるべきだな」

一方「あァァァ・・・」

削板「ほら、補助するからあと二回!!」

一方「くっそ・・・重い・・・」

テクパトル「・・・ちなみに、こうやって補助がいる場合は便利だが一人のときだってあるだろう」

削板「ホームトレーニングとかはそうだな」


976 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 11:11:10.99 ID:REzuqigu0
テクパトル「そうなると、いくつかの方法を使うことが出来る」

削板「まず、パーシャルレップだな」

テクパトル「上から下まで丁寧に下げるのがトレーニングの基本だが・・・もう一回もフルでは上げられないと思ったら、チョコチョコ上のほうで上げ下げするだけでも追い込みになるぞ」

削板「最初からパーシャルなら重い重量が扱える」

テクパトル「パーシャルレップってやつだ、これは一番簡単な追い込みかもしれないな」

削板「・・・その代わり、ちょっとフルレンジにこだわりたい人は合わないな」

テクパトル「そういう人は、ドロップセットがあるな」

削板「100kgでベンチプレスを限界までしたとしよう、普通ならそこでもうおしまいだ」

テクパトル「だが、それは100kgが扱えないだけで60kgならまだ持ち上げられる」

削板「すぐさまプレートを外して、間髪いれずにさっきより軽い重量でまた同じ種目をする」

テクパトル「・・・これ、かなり便利なセットだぞ」

削板「肩や脚なんかの、効きにくい部位に使ってみればかなり効かせられるぞ」

テクパトル「ドロップセットなら、4段階くらいがいいかもな」


977 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 11:15:51.57 ID:REzuqigu0
削板「あと、もう一つオススメがあるな」

テクパトル「ダンベルフライで限界までやってみよう、しかしそこからプレスに切り替えるとあと2、3回出来るんだよ」

削板「さらに、そのプレスが出来なくなったらパーシャルでやってみる、だな」

テクパトル「これ、すぐに出来る割にかなり効くぞ」

削板「肩の負担が半端ないけどな」

テクパトル「・・・一方通行、お疲れ様」

一方「・・・くっそ・・・今日はこれで終わりか・・・?」

テクパトル「うーん・・・背中もやりたいし、あと他の胸の種目も宣伝したいな」

一方「俺を実験台に使うな・・・」

テクパトル「まぁまぁ、試しにやってみようぜ」

削板「そうそう、物は試しだ!」


978 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 11:20:56.25 ID:REzuqigu0
テクパトル「ペックフライだ」

削板「筋トレって言ったらこれを思い出す人が多いよな」

テクパトル「スポーツ選手とかよくやってるからかな」

削板「うーん・・・とにかく、フライだから胸に効かせやすいぞ」

テクパトル「・・・でも、これはそこまで言うべき種目でもないな、ダンベルフライで代用できるし」

一方「おォォォォ!」

削板「頑張れ、一方通行!!」

一方「がァァァァァァ!!!!」


テクパトル「次はダンベルプルオーバーだな」

削板「大胸筋ではなく、小胸筋も鍛えられるトレーニングだ」

テクパトル「背中の種目に入れる人もいるが・・・ま、どっちでも構わないさ」

削板「これはストレッチ感がたまらないな」

テクパトル「・・・ただし、スタートポジションまで持って行くのが大変だな」

一方「・・・もォ無理だ・・・」

削板「よし、次は背中だな」


979 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 11:26:01.54 ID:REzuqigu0
テクパトル「まずはデッドリフトだな」

削板「これは、背中の全体に刺激を与えられる」

テクパトル「なおかつ、全てのトレーニングの中で一番重い重量を扱うことになる」

削板「・・・これをメインにするか、ラットプル系をメインにするかだな」

テクパトル「デッドリフトは広背筋はもちろん、僧帽筋や脊柱起立筋にも効くぞ」

削板「ロニー・コールマンは375kgを二発上げてたな」

テクパトル「しかも減量期に、な」

一方「・・・これ、腰痛くなるンだよ」

削板「仕方ないな」

一方「・・・ちっ、分かったよ・・・」

削板「ビルダーみたいに効かせたいなら、脚幅は狭くしような」

テクパトル「・・・フォームを正確にしないと、腰とか脚とか首を痛めるから気をつけような」

一方「ぐェェェェェ!!!」

削板(40kg・・・か)


980 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 11:42:22.22 ID:REzuqigu0
テクパトル「・・・次はラットプルダウンだろうな」

削板「もちろん、チンニングでも替えが効くな」

テクパトル「・・・これは、背中の広さをつけるのにはもってこいだ、俺が一番好きな背中の種目でもある」

削板「大事なのは、あまりチーティング・・・反動を使わないことだ」

テクパトル「肩甲骨を動かすことで、腕ではなく背中に効かせなければならない」

削板「慣れるまでは試行錯誤だろうな・・・」

テクパトル「だが、慣れたらかなり楽しいぞ」

削板「グリップを変えたり、ビハインドネックにしたり・・・可能性は無限大だ!!」

一方「・・・お、重いンだけどよ・・・」

テクパトル「・・・20kgだぞ・・・」

一方「俺の筋力の無さをナメるなよ」キリッ

テクパトル「キリッじゃねぇよ・・・」


981 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 11:50:39.52 ID:REzuqigu0
テクパトル「最後はベントローかな」

削板「ドリアンローにしてもいいけど、どっちもやるのがベストだ!!」

テクパトル「・・・問題は、腰に結構負担が掛かることかな」

削板「その代わり、これは背中の厚みをつけるには非常に重要な種目であり、なおかつパンプも素晴らしく感じられる」

テクパトル「・・・ロニーはこれを220kgでやってたな」

削板「化け物だよな・・・」

テクパトル「ドリアンローは、その名の通りドリアン・イェーツが考案したと言われている種目だ」

削板「ドリアンは、色々物議をかもす選手だったな」

テクパトル「だが1993と1995はあの人が優勝で間違いなかったな、1992はケビン、1994はショーン、その後はナッサーやロニー、ケビンやショーンが優勝でもよかったが」

削板「背中のトレーニングなら、ドリアンかロニーを見習うことをオススメする」

一方「・・・お、重いンだよクソ野郎がァァ!!」

テクパトル「おぉ、頑張れ」


982 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 11:58:42.69 ID:REzuqigu0
削板「背中・・・なら、最後はワンハンドロウかな」

テクパトル「ベントロウのあとの、追い込みでやる種目かな」

削板「これは若干のチーティングを使用して、重いのを扱ったほうがいいかもしれない」

テクパトル「背中は目で見られないからな・・・意識するのが難しい」

削板「しかし!!スーパーパンプを摂取すればパンプが感じられるぞ!!」

テクパトル「スーパーパンプというのは、筋トレ中に感じられる筋肉の張った感覚、パンプをより強くしてくれるサプリメントだ!!」

削板「そのため、効かせたい筋肉をより意識しやすくなる!!」

テクパトル「みなさんもお買い求めを!!」

一方「・・・CMやってるヒマがあるなら手伝ってくれ・・・」

削板「おっといけない・・・」

テクパトル「背中の種目は、リストストラップを利用しような、握力の補助になるぞ」

一方「お前も手伝ってくれ・・・」


983 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 12:03:44.47 ID:REzuqigu0
テクパトル「・・・さて、お疲れ様」

一方「・・・プロテイン飲まないとダメなのか」

テクパトル「あぁ、それがトレーニングというものだ」

削板「トレーニングは楽しいけど、栄養摂取が難しいんだよな」

一方「・・・めンどくせェ・・・」

テクパトル「にしても・・・一方通行、お前しっかり通いに来てくれよ」

一方「・・・分かってンだよ」

削板「打ち止めと番外個体はどうだ?応援してくれるか?」

一方「打ち止めは応援してくれてるけどよォ・・・」

テクパトル「なんだ、番外個体は応援してくれないのか」

一方「ちげェよ・・・あいつ、怪我しないか無性に心配してくンだよ」

テクパトル「・・・番外個体ってツンデレなんだな」

削板「みんなといるとツンツンしてるのにな」

テクパトル「ツンデレは本来の意味はそうじゃないけどな」


984 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 12:06:47.66 ID:REzuqigu0
一方「・・・なァ、トレーニングってしていいことあるか?」

テクパトル「あるぞ、自分に自信が持てる」

削板「自分の成長を感じることが出来る!!」

一方「・・・でもよォ、リスクもでかいだろ」

テクパトル「まぁ・・・そうだな」

一方「・・・はァ、なンで俺はこンなことしてるンだろォな」

削板「いいじゃないか、イヤならやめてもいいんだぞ?」

テクパトル「そうだな・・・いやいややるべきじゃないからな」

一方「・・・分かったよ、明日も来てやる」

テクパトル「お、マジか」

一方「・・・別に楽しいンじゃねェけどよ、やることもないからな」

削板「そうか・・・そりゃよかった」

テクパトル「じゃ、俺は他の人の指導に行くからな」

削板「おう、またな!」


985 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 12:10:31.12 ID:REzuqigu0
テクパトル「・・・アックアさん、お疲れ様です」

アックア「お疲れなのである・・・あの少年は久々であるな」

テクパトル「一方通行もだんだん楽しんできてるみたいですから」

アックア「そうであるか」

テクパトル「・・・やっぱり、トレーニングはいいもんですよね」

アックア「・・・もちろん、それ以外の趣味にも素晴らしいものはあるのであるが」

テクパトル「はは・・・そりゃそうですね」

アックア「・・・テクパトル君、あまり鍛えすぎると怖いと言われることもあるのである」

テクパトル「・・・よくあることですけど、なんか今日のアックアさん暗いですね」

アックア「・・・第三皇女から怖いと言われたのである」

テクパトル「・・・」

アックア「・・・」

テクパトル「頑張ってください」

アックア「・・・頑張るのである」


986 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 12:13:11.16 ID:REzuqigu0

こっちはこれまで

セロリってまだトレーニングしてんのかよ、という意見があったものでちょっとだけ

でもセロリはいつまでもセロリでいいと思う

だってセロリだもん


こっちは、昨日のラピュタの感想でも語りながら埋めてください


面白いですね、やっぱり


987 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 12:41:49.59 ID:lTZBa0PSo
ふははははは!人がゴミのようだ!
988 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 13:07:25.84 ID:REzuqigu0
>>987

ムスカ「見ろ、人がゴミのようだ!!」

パスカル「人は考える葦である」

これらから分かるように、ゴミ=考える葦であるとされる

しかし葦というのはすだれなどに使われることから分かるとおり、雑草ではなく立派な材料である

それをゴミというにはいささか無粋ではなかろうか

人間も同じである

たしかに傍から見ればただの雑草であり、ゴミのようなものだろう

だが姿を変えれば、誰かを夏の暑さ、冬の寒さから守ってくれる大切な温もりになるのだ

そして何より、あの流れ星もゴミである

ムスカの言った「人がゴミのよう」というのは、ただ人が塵のようであるという意味ではなく、儚く一瞬で散るものではあるがそこにはたしかに一筋の輝きがあったということではないだろうか


引用:週間「ジャガイモ」 さだのり氏に訊ねた日本に根付く人々の考えとその過ち

989 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 14:17:33.81 ID:D9FbucvO0
バルス!
990 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 15:11:59.40 ID:REzuqigu0
>>989 祭りに参加しようとしたらすでに鯖が落ちていたという

991 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 18:24:03.32 ID:duwD3wseo
週刊「ジャガイモ」定期購読お願いします
992 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 20:18:08.22 ID:REzuqigu0
>>991 いやいやいやwwww
993 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 20:38:38.37 ID:hnFKWcYXo
私からもお願いします
994 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/10(土) 20:48:55.60 ID:gNIQ3SqJ0
俺からもお願いします
995 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 21:43:30.99 ID:REzuqigu0
週間「ジャガイモ」 背中の魅力

背中とはつまり心である

背中合わせは心を合わせる、背中を預けるのは心を預けること

背中に背負うのは心に追うからであり父親の背中が偉大なのは、その心が偉大だからである

しかし最近の女性というのは脚や胸が美しければよいと考えている

そこだけを磨き、背中、つまり心を磨いてはいない

見返り美人図を思い出して欲しい

あの背中は、あの心は、まさに日本人の美しさではなかったのか

今の女性は背中が真っ直ぐとはしていない

ただ背中を磨かず、外見だけを磨いているのではないか

背中の美しさというのは、古来から重要とされていた

ドレスというのは背中が開いている

それは、心を開き会話をするためだったのだ

あの肩甲骨のくぼみ、横から見たなだらかなカーブ

そして何よりもそこにある美しい肌

人の体の中で最も美しい曲線を描いているのは背中ではなかろうか

それを人々はもう一度思い出すべきなのである


996 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 22:00:40.32 ID:REzuqigu0
こちらは埋めてもらっていいです、さぁどうぞ!

筋肉動画をこちらにも


最強の脚は誰?

トム・プラッツかこの人

「クワジラ」 ポール・デマヨ

クワド、つまり太ももの前面である大腿四頭筋の厚みが異常な選手でした

残念なことにステロイドの副作用で、若くして亡くなりましたが

この脚、ご覧ください

http://www.youtube.com/watch?v=BJuBrtEZzRM


しかも上半身もでかい

これは・・・

信じられないですね


997 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 22:10:29.18 ID:lh4tgxvjo
乙なんだよ!
998 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/10(土) 22:34:29.87 ID:REzuqigu0
もう寝るんで1000取りなんて出来ないから代わりに!!

>>998なら俺はサトリナの背中に顔を埋めながらクンカク(ry


999 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 22:48:04.36 ID:1lIQnLqIO
>>999なら心理たンげッと
1000 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 22:51:32.02 ID:nG5X52300
>>1000なら心理たンget
1001 :1001 :Over 1000 Thread
                     __|_____|___!__}
             ___     |_          }      }
          ,. :'´:::::::::::::: ̄`ヽイィ_ ̄「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「 ̄ ̄ ̄!
        、ゝ-'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::´r┴―――――‐┼―┬ー'
  __、_>':::::::::::::::::::ト、l:、: :: ::. :.. ..: .:. ::::{_______l____{
  `ヽ:_..::::::::::::::::::::::: .:|-''´}:.:.:..:l::;i::、l、::::::::( | ̄| ̄「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l
   ,>:::::::::::::: ::: .: .::.|  /:;:::::;ハ{ム_‐トハヘ::ゝ|  |  |          |
   '⌒ァ::::::::..::. :::.::::;lヘ‐ ´ヘハi´'´jハY 「|「 ̄ ̄ ̄ ̄ 「 ̄ ̄ ̄ ̄「 ̄
     ̄7;.ィ::{::::l::l::ljレr=、ヽ,rヘ ゞ-' _,j !|______l____j__    / ̄ ̄ ̄ ̄
     ∠ハ:::ヽハl:{' {!´};リ } 、 ` ̄´   !::::|            |.    | |    |   今度は貴方のお話、読ませてくださいね
      'イ::`:::lヘハヽ.__´/  ヽ_    j___!________|___!__j   .ノヘ.____
      {;.イ/::!:::::::lヘ      く_,)  ,ィ:|      r、   /)!   {
       ' !::::|:::::::|`^ヽ .___ /,ノrー――― ノ } ///)一'
       /::::::!::::::::!:::::::::_r' ー--、fr、|      / '-' / ' /ノ
       イ:::::::!:::::: :ヽ'´:.{    ト.ゝく!___  /      ´/l
       'イ:::;rヘ:::..::. :ヽ:.:ヽ.  |イヘ:;イ     /      _二つ
        |::/:.:.:.ヽ::::::::::`ー-ヽ.|rー┼― ,、/     / |:.:.:.|        
         |::!:.:.:.:.:.:.:\::::::::::::::::::|   !   /:.:ヽ.   /   j:.:.:.:.!        SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
          |::{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:` ー-- 、 ̄「 ̄/:.:.:.:.ヽヽ/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l       http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
皆既月食だとよ皆既月食 @ 2011/12/10(土) 22:22:26.83
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1323523346/

そろそろ年末だし、まとめにのりたいやつ集合 @ 2011/12/10(土) 22:15:46.85 ID:2q+p6YvIO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1323522946/

恋人はアルパカ 同人ゲーム「パカプラス」 @ 2011/12/10(土) 22:08:46.22 ID:BR8QcOT7o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1323522526/

男「これなんてエロゲなの?」 @ 2011/12/10(土) 21:37:25.23 ID:/1T/BWjF0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1323520645/

内柴表彰取り消しに石原痴事「もし無罪だったらどうするんだ。一種の人権侵害」 @ 2011/12/10(土) 20:58:03.19
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1323518283/

VIPポケモン大会運営スレ16 @ 2011/12/10(土) 20:56:45.91 ID:W6558v7oo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1323518205/

VIPポケモン大会運営スレ16 @ 2011/12/10(土) 20:56:10.83 ID:YMhmlDVd0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1323518170/

上条「安価で休日をエンジョイ!」 @ 2011/12/10(土) 20:52:19.98 ID:gkG/Gedr0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1323517939/


Powered By VIPService http://vip2ch.com/

746.53 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)