桃「シャミ子を走らせてたらシャミ子が倒れた」
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4:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:47:48.59 ID:06K62MaI0
「終わったら、休憩がてら商店街でお茶でもしようかっ」
 
思い立ったらすぐ行動。シャミ子に少し近づいて、後ろから話しかける。
 
「シャミ子?」
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:48:38.14 ID:06K62MaI0
シャミ子の体を横にする。顔は真っ青だし、冷や汗も凄い。
 
「うっ……」
 
シャミ子が吐いた。これ、もしかしなくてもだいぶヤバい……!
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:49:27.69 ID:06K62MaI0
「シャミ子、シャミ子……頑張って」
 
シャミ子はもう言葉も話せなくて、ずっと必死に呼吸しているだけだった。すごく痛いんだという事だけが、嫌というほど伝わってきた。
 
他人を癒す力なんて都合の良いモノは、魔法少女には備わっていない。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:50:24.93 ID:06K62MaI0
──────
 
せいいき記念病院。
シャミ子が運び込まれた病院は、偶然ながらもシャミ子が昔入院していた所だった。
 
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:51:39.29 ID:06K62MaI0
を持ってくれた。
 
「どうか、気に病まないでくださいね」
 
気を、つかわれている。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:52:32.93 ID:06K62MaI0
「千代田桃さん。あの子は、いつもたくさん貴方の事を話してくれます。魔法少女でありながらも、シャミ子と仲良くしてくれて、守ってくれている。私にとっても、それはとても嬉しい事なんですよ」
「そ、そんな事……いや、それより……その、シャミ子のお母さん、あなたは……」
「吉田清子と言います。名前で呼んでもらって構いませんよ、千代田さん。聞きたいこともたくさんあるだろうけれど、今はあなたもどうかゆっくり休んで」
 
清子さんは、柔らかな微笑みを崩さずにそう言って立ち上がり、良ければお家まで送りますと一言添えた。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:53:22.52 ID:06K62MaI0
「……千代田桜さんには、返しきれない恩があります」
 
唐突に出てきたその言葉は、私の思考を完全に止めてしまうのに十分な威力を持っていた。
思考と一緒に時間すら止まってしまったかのような静寂。
 
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:54:22.53 ID:06K62MaI0
────

あの日から、何日か経った。

私は、清子さんとも、シャミ子とも、連絡を取っていない。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:55:09.88 ID:06K62MaI0
 数日前に聞いたシャミ子の入院した病室は場所が変わったりはしておらず、以前聞いた通りの場所に、「吉田優子」のネームプレートが入っていた。四人部屋だけれど、今はシャミ子しか部屋に入院している患者がいない様で、実質貸し切り状態らしい。

「あっ!桃!」

 寝ていたら申し訳ないから、なるべく音を立てないように入室してゆっくりカーテンを開けると、何やら本を読んでいるらしかったシャミ子とすぐに目が合った。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:55:59.63 ID:06K62MaI0
 シャミ子は不敵な表情を作ってそう言うと、床頭台に置かれたノートを広げて見せた。そこには、強くなる為の作戦と銘打った、何やらアホっぽい発想がびっちり羅列されている。とりあえず、シャミ子の横に椅子を置いてそこに座ると、シャミ子ベッドに座る形になって、自然に面と向かう様になった。あれから体に異常はないみたいで、動きにくかったりもしない様子で、本当に良かった。

「えっと……ちょっとそれは置いといていいかな。「置いとかれた!」まずは、本当にごめん、シャミ子。私が事情も知らずに振り回したせいで、こんな事になっちゃって」
「へ? ああ……それは気にしないでください! ああいう事、たまにあったんです。最近はめっきりなかったんですけど、あそこまでひどいのは本当に稀で……桃が居てくれて、とても助かりました……ってそうだ!私吐いたらしいじゃないですか!桃が汚れなかったか心配です!その節は本当に」
「ごめん、本当にごめん」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:56:42.02 ID:06K62MaI0
「もうちょっとで、シャミ子を殺しちゃうと思った……私のせいでシャミ子が死んじゃったって思ったら、辛くて辛くて仕方なかった……!」
「も、桃、泣かないで、私元気ですから」
「うん、うん……ごめんね、シャミ子……ごめん……」

 シャミ子が困っている。きっと、この子自身も、こういうときどうすればいいのか分からないんだ。底抜けに優しくて、人を憎む事なんて全然できないんだから。
以下略 AAS



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