森嶋帆高「俺は、そんな夏美さんが好きですよ」須賀夏美「へっ?」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:09:57.67 ID:jYVo7zbZO
「あれ? 誰も居ないのかな……」

帰社を告げても返事が返って来ず、無人なのかと思い、それにしては鍵がかかっていなかったことを無用心に思いつつ、以前は飲み屋であったらしい事務所のバーカウンターの前を通過すると、不意に。

「むぎゅっ」
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:12:54.29 ID:jYVo7zbZO
「ダメじゃないですか、こんなとこで寝ちゃ」
「だって床、冷たくて気持ちいいんだもん」
「風邪引いちゃいますよ」
「へーきへーき……くちゅん」

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:16:04.76 ID:jYVo7zbZO
「立てますか?」
「たぶん、平気……おっとっと」
「な、夏美さん、しっかりしてくださいよ!」

立ち上がろうとして、夏美さんがよろける。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:18:27.36 ID:jYVo7zbZO
「どうしたの、帆高くん。へっぴり腰だよ?」

わかってる癖に。
僕がこうなるように仕向けた癖に。
思わず頭にきた僕は、きつい皮肉を返した。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:20:16.03 ID:jYVo7zbZO
「夏美さん」
「なに……帆高くん」

俯いたままの夏美さんに何を話すべきなのか、何を伝えるべきなのか、僕には正解なんてわからないけれど、でも、それでも、だからこそ。

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:22:42.62 ID:jYVo7zbZO
「やれやれ、帆高くんも隅に置けないなぁ」
「なんですか、いきなり」
「あやうく惚れてしまうところだったよ」

言われて気づく。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:25:09.51 ID:jYVo7zbZO
「少年、いま女の子のこと考えてるでしょ?」
「えっ!? な、なんで……?」
「わかるんだよ。そういうのはさ。だからくれぐれも、陽菜ちゃんの前では気をつけなよ?」

妖怪か、この人は。まあ、一応気をつけよう。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:26:57.46 ID:jYVo7zbZO
「じゃあ、聞き方を変えよう」
「なにがなんでも追求するんですね……」
「当たり前じゃないの。じゃあ、そうだな……」

まるで大阪のおばちゃんの如く詮索好きなお姉さんは顎に手をやって暫し考え、こう尋ねた。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:29:13.71 ID:jYVo7zbZO
「それで、答えは?」
「む、難しすぎて、よくわかりません」

思い当たる節は多々あるのだが、どれも違うような気がして、そのひとつでも言葉にすれば不正解であることが判明しそうで、怖かった。

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:31:35.40 ID:jYVo7zbZO
「ん? どうしたの、ポカンとして」
「いえ、ちょっと認識を改めようと……」

目の前で首を傾げるこの綺麗なお姉さんは。
これまでどんな道を歩んできたのだろうか。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:33:46.15 ID:jYVo7zbZO
「夏美さん」
「なにかな、少年」
「早くトイレに行ってきてください」

真顔でトイレの方を指し示すと駄々を捏ねた。
以下略 AAS



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