過去ログ - キョン「戯言だけどな」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:23:56.94 ID:IClwZiHj0
「……アンタ、何モンだ?」

俺の問いかけに、ソイツは鼻を鳴らす。今、俺は何か面白い質問をしただろうか。そんなつもりはないのだが。
しかしてよくよく自分の発言を思い返して、それは確かに漫画かアニメのような気取った発言に聞こえなくも無い。やっちまったか、俺? 自意識過剰か非日常にどっぷり肩まで浸かり込んで日常パートにまでそういうのが侵食してきたのだとしたらコイツはもう笑えない話だ。
アンタ、何モンだ?
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:25:20.37 ID:IClwZiHj0
「あの……スマンが話がさっぱり掴めんのでこの辺で俺はお暇させて頂いてもいいだろうか?」

言いながらも俺は後ろ足に重心を掛け始めていた。男に隙を見つけたらその時点でマイケルばりのムーンウォークでもって逃げ出す気は満々だ。

「いや、ぼくは別にいいけどね。ただ、ここでぼくとの間にフラグを立てておかないと多分、君の友達はみな死んでしまうと思うけど」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:27:12.19 ID:IClwZiHj0
一通り話が終わった後で、戯言遣いは俺に向けて何かを投げて寄越した。

「長話で体が冷えただろう?」

それを受け取って、手の中の温もりに愕然とする。缶コーヒー。それはいい。これ自体はどこにでも有る市販のものだ。だが、今コイツはこれを懐から出したんだぞ? たった今!
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:28:54.49 ID:IClwZiHj0
「こんな事は驚くに値しない。それよりも、こういった事を平気で行えるような人間が君の前に現れた、その事をこそ君は驚愕するべきだとぼくは思う」

「どういう意味だよ」

「君は知らないのかな? それとも知っていて考えないようにしているのか。別にどちらでもぼくはいいけれどね。『鍵』。宝物の鍵。それは宝物に次ぐ優先順位で守られるべきものだ。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:30:55.59 ID:IClwZiHj0
……なんだ? 今のブラなんとかっていうのはもしかして古泉の事を指してんのか?
しまった。もっとちゃんと聞いておけばよかった。あの似非スマイルをおちょくる材料を聞き逃すなんてあるまじき失態だぜ、チクショウ。

「……彼一人では狐さんの相手は難しいだろうな。とは言え、壱外の人間がのこのこと出て行けば玖渚機関における火種になりかねないとか、ああ困ったものさ。そうは思わないかい?」
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:32:15.64 ID:IClwZiHj0
「彼は敵じゃない。彼は世界の……敵じゃない」

俺の喉、そして背中から違和感が消える。それと同時に目の前に有った人の形をした夜も、見回せば背後に確かに居たであろう少女の姿も正しく言葉通り影も形もなくなっていた。
奇術集団かよ、お前らは。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:36:25.92 ID:IClwZiHj0
「十三銃士」

戯言遣いに促されるままに道を歩く。その俺に向かってソイツは肩口にそう言った。

「じゅうさん……じゅうし? 突然数を数えだして何がしたいんだよ、戯言遣い」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:38:44.83 ID:IClwZiHj0
「さっき」

戯言遣いは話し出す。

「君の喉にナイフを突き付けていた娘、居ただろう?」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:41:04.87 ID:IClwZiHj0
悪役のアジトを話が始まった途端に強襲する正義の味方サイド。
そんな話聞いた事ねえよ。

「よお、よく来たな、俺の敵」
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:43:48.03 ID:IClwZiHj0
はてさて、お分かり頂けたとは思うだろうが、それとも読み飛ばされただろうか。悪の秘密結社と言って俺が連れてこられたのはどこにでも有る二十四時間ファミレスである。
最近の流行か知らんが喫茶店を拠点にする正義の味方は聞いた事が有っても、流石にファミレスに寄生する悪役ってのは前代未聞だ。
少しづつではあるが、もしかしたらそんなにシリアスな話でもないのかもなと思えてきた。
そんな俺の醸し出す気だるい空気など最初っから、存在すらも無かった事にしてしまいかねない勢いでいーさんと狐面の男のやり取りは続く。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:46:01.18 ID:IClwZiHj0
「……敵同士、って!?」

「おうおう、動揺してる姿も可愛いねえ、いーちゃん。だが、幾ら可愛くても今回ばっかりはダメだ」

赤いウェイトレスさんはそう言って、狐面の男の隣にどかりと座り込む。え? 店員さんじゃないの?
以下略



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