21:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:44:17.43 ID:nYXsbXrS0
アスカのような恐ろしい人間とは早く袂を分かとうと思っていたけれど、それもうまくいかなかった。
自室にこもる僕を訪ねてくるのは、アスカだけだったからさ。
○
22:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:44:45.98 ID:nYXsbXrS0
「そうだ……」
僕は思わずつぶやいた。
アスカは、たったひとりの僕の親友だったんだ。
23:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:45:12.82 ID:nYXsbXrS0
その人物をはっきり認識した瞬間、心臓が止まりかけた。
何か言おうとしても、ぱくぱくと魚のように口が動くだけで、声が出てこない。
僕は何とか最初の一言を絞り出した。
24:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:45:44.16 ID:nYXsbXrS0
「言葉で説明するよりも、見てみる方が早いんじゃないかなぁ。ちょっとついて来て下さい」
そう言って、彼女と一緒にユイさんのいる部屋へと歩いて行った。
○
25:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:46:22.85 ID:nYXsbXrS0
「ちょっと荒療治だったわね。80日間も部屋をさ迷わせる事になっちゃったから。
でもあなたはきちんと気付いたわ。自分自身で殻を破った」
僕は母を誤解していたのかもしれない。こんなにも深い愛情に包まれたのは初めてだった。
26:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:46:51.14 ID:nYXsbXrS0
良く見るとメガネケースのように見える。
彼女は別段、目は悪くないはずだ。
誰かの持ち物なのかな。
僕は単純な好奇心から、彼女に訊ねた。
27:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:48:29.24 ID:nYXsbXrS0
元の世界に戻ってから、父に言って欲しい事があると、伝言を預かる事になった。
母は僕の耳に手を当て、ぼそぼそと伝言を伝える。
それを聞いた僕も、ニヤリと笑みを浮かべた。
28:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:49:01.21 ID:nYXsbXrS0
対岸の壁面に、赤くて汚いスルメのようにわだかまっているものがある。
あれはアスカじゃないか。
彼女は手足をばたつかせ、水に流されまいと溺れていた。
欄干を人々がびっしりと埋め尽くし、
29:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:49:56.77 ID:nYXsbXrS0
芦ノ湖のほとりには、大勢の人がウロウロしている。
二号機が暴走したのも相まって、相当の騒ぎになった。
人混みの中に冬月副司令の姿を見たような気がして僕は怯えたけれど、
もはや怯える理由は何もない。
30:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:50:34.88 ID:nYXsbXrS0
だから手短に済ませるよ。
碇司令と加持師匠は昔から小競り合いを続けていた。
今年の一月、愛車を桃色に染められた加持師匠は手下のアスカに報復を命じた。
そこでアスカは碇司令に一矢報いるために、ユイさんを盗み出した。
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