1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/21(木) 20:58:32.15 ID:JO1JEfB90
・番外→通行止め、麦→浜滝前提の番外崩し
・完全に平和な数年後設定
・捏造、自己解釈多数
・拙い地の文あり
・超スロー投稿
以上が大丈夫だという方、お付き合い戴ければ幸いです
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/21(木) 20:59:15.26 ID:JO1JEfB90
満開の桜は、人の心を狂わせる。
そう言ったのは、何という作家だっただろう。
そんな言葉も、思わず信じてしまいそうな薄紅の下。
目の前に、一人の男が立っていた。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/21(木) 20:59:52.77 ID:JO1JEfB90
『えーと、何て言ったらいいのかなって、ミサカはミサカは…』
「あ?何モゴモゴ言ってンだ?さっさと言わねェなら帰…」
『わー!ちょっと待って待って!ってミサカはミサカはあなたに縋りついてみたり!』
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/21(木) 21:00:27.30 ID:JO1JEfB90
『好きです。付き合って下さい。ってミサカはミサカは偽らざる本心を告げてみる』
「……………」
『って、あれ?無反応?ってミサカはミサカはまさかの事態に戸惑ってみたり』
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/21(木) 21:01:23.85 ID:JO1JEfB90
「……おい」
『どうしたの?ってミサカはミサカは耳まで真っ赤なあなたに問い返してみる』
「……分かってンだろォが。言わなくても」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/21(木) 21:01:54.58 ID:JO1JEfB90
脳波の共有というのは、つくづく厄介なシステムだと番外個体は思った。
知りたくない記憶だろうが、受け止めたくない感情だろうが、全てお構いなしに流れ込んでくる。
番外個体が例の記憶を『見た』のは、今日の日没前のことだった。
それ以来、彼女はすっかり塞ぎ込んでいる。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/21(木) 21:02:31.93 ID:JO1JEfB90
それでも、番外個体は家を出た。
行くあてなどはない。
ただ、一人の部屋にいたくなかっただけだ。
そして、体を動かしている方がマシだと思った。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/21(木) 21:03:04.35 ID:JO1JEfB90
学園都市の夜は早い。
ただでさえ人通りの少ない夜道を、番外個体は意図的に路地裏を選ぶようにして歩いていた。
容姿の美しい、若い女性が一人きりで。
何も知らない人間が見れば、どうぞ襲って下さいと言っているように見えただろう。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/21(木) 21:03:36.23 ID:JO1JEfB90
カツン、カツン。
少し離れた場所から、誰かの足音が聞こえてくる。
その音は一定の速度で近付いてきたかと思うと、番外個体の前で歩みを止めた。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/21(木) 21:04:11.57 ID:JO1JEfB90
「ね、立てる?」
そう言って、麦野は番外個体に手を差し伸べた。
その声は、何だか唐突なくらいに優しい響きをしている。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/21(木) 21:04:49.35 ID:JO1JEfB90
麦野のマンションまでは、ゆっくり歩いても五分ほどだった。
カツン、カツン、と一歩踏み出す毎に、鈍い頭痛が番外個体を襲う。
その痛みは、耐えられないというほどではないが、やはり本調子ではないことを思い知らされる。
12:1[saga sage]
2011/04/21(木) 21:05:32.69 ID:JO1JEfB90
以上で本日の投稿は終了です
次は一週間以内に来れれば…という程度のスローペースで参ります
よろしければお付き合いください
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage saga]
2011/04/21(木) 21:40:40.97 ID:TsvyD7gN0
ほう…期待
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/04/21(木) 21:49:04.91 ID:995QBoQio
待ってる
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/04/23(土) 13:21:57.53 ID:XmmMWlQE0
楽しみにしてる
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]
2011/04/27(水) 02:10:47.43 ID:ftGozKUAO
舞ってるよ
17:1[saga]
2011/04/29(金) 18:29:53.73 ID:LQAp/KUE0
レスを下さった方、ありがとうございます
微妙に一週間を過ぎましたが、戻って参りました
少量投下ですが、お楽しみいただければ幸いです
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/29(金) 18:32:17.86 ID:LQAp/KUE0
麦野の部屋は、ごく普通の間取りをしている。
玄関を入って、すぐの場所にキッチン、その脇に浴室とトイレがあって、
キッチンを抜けた先に、リビングと寝室が続いている。
「うわ、きったない部屋!」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/29(金) 18:33:12.95 ID:LQAp/KUE0
「お待たせしましたー」
飲み物の準備を終えて、麦野はリビングへ戻った。
「待たされましたー」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/29(金) 18:34:39.04 ID:LQAp/KUE0
「さて、お話を伺いましょうかって言いたいところだけど」
ティーカップを手に取るなり、麦野はそこまで言って言葉を区切った。
番外個体は、不思議そうに麦野の顔を見つめている。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/29(金) 18:36:57.00 ID:LQAp/KUE0
数分後。番外個体は、麦野の寝室で横になっていた。
彼女が身につけている寝巻は、薄ピンクの些か少女趣味な代物だった。
それは、麦野の趣味ではない。
「ミサカにも、『お母さん』がいたらこんな感じなのかねえ」
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