過去ログ - QB「魔法少女の軍事利用だって?」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:24:43.53 ID:12Scx6eE0
●スレタイこそ魔まマですが、魔まマの登場人物はQBしか
登場しません。私にとっても残念ですがマミマミさんも居ません。
期待なさった方はごめんなさい。
●魔まマの「魔法少女」や「魔女」といった設定を下敷きにし、
スレタイの通りのお題を筆者が自分に課して作ったSSです。
原作の物語と交わる部分は、皆無です。
オリジナル作品のようなものだと、お考え下さい。
●兵士となって戦場を駆けるマミマミさんや、戦災孤児になった
マミマミさんの存在など、原作設定に激しい矛盾を生んでしまう事は
禁止しました。そのため、登場人物はQBを除き全員オリジナルです。
●国家が「魔法少女」や「魔女」という存在を認識していたら
どうなるのだろうか?誰得な物を書いたという自覚はありますが、
それでも読んで頂ければ幸いです。
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2011/06/06(月) 01:26:13.50 ID:12Scx6eE0
「魔法少女 ナイマ☆マギカ」
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2011/06/06(月) 01:27:02.18 ID:12Scx6eE0
その日は、妹のラビアが四歳になる誕生日だった。
異国の土地では誕生日を祝うことが習慣であるらしい、とは知っていたが、
私の住む土地にはそれがない。しかしながら、私は妹が一つ大きくなった事を、
お祝いしてあげたかった。
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2011/06/06(月) 01:27:38.87 ID:12Scx6eE0
その思考は、耳をつんざく轟音にかきけされた。
激しい音と共に、目に見えているもの全てがぐらぐらと揺れる。
テレビアニメで見た、建物が爆発するシーン。
それが私の脳裏を駆け巡る。
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2011/06/06(月) 01:29:11.96 ID:12Scx6eE0
次に気づいた時には、私は水溜りの中にいた。
衣服が濡れる感覚のせいでそう錯覚していた事に、
私はすぐに気づいた。
言い直せば、私は血の池の中にいた。目の前には、
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2011/06/06(月) 01:30:11.20 ID:12Scx6eE0
視線を落として妹を見ようとしたら、彼女に乗っている瓦礫の上に、
動物が乗っていた。それは、これまで私が見た事のない動物であった。
「苦しそうだね。でももう大丈夫!僕は君が願う望みを、
何だってかなえる事ができる。」
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2011/06/06(月) 01:30:40.47 ID:12Scx6eE0
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2011/06/06(月) 01:31:22.73 ID:12Scx6eE0
ここはアメリカの、どこにでもある小さな田舎。今年で五歳になったエマは、
彼女が誕生日のプレゼントに貰ったばかりの、任天堂のゲームボーイに
夢中になっていた。
両親はずっと部屋でゲームを遊び続ける彼女を見て、プレゼント選びを
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2011/06/06(月) 01:31:51.72 ID:12Scx6eE0
しょぼくれて階段を下りていくエマ。
軍人である父はただ座ってにこにこと、エマと母が食卓に来るのを
待ってくれていた。彼はその職業からイメージを持たれるような
厳しさや怖さを、微塵もエマに見せた事がなかった。
だから、彼を待たせた事をエマは申し訳ないとは思わなかった。
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2011/06/06(月) 01:32:19.03 ID:12Scx6eE0
少し期待していたのだが、残念ながら今は友達が誰も来ていなかった。
遊ぶ約束などはしていないが、この田舎で子供が遊ぶ場所、といったら
幼稚園の近くにある公園か、見晴らしが良く風の気持ちいい、この丘だった。
「誰もいないんだ。つまんないの。」
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2011/06/06(月) 01:32:45.71 ID:12Scx6eE0
(猫じゃない・・・?)
その動物は真っ白い猫のようでありながら、兎のような真っ赤な瞳を持ち、
垂れ下がる長い耳のようなものを持っていた。
大人から見れば謎の動物。しかし、その愛らしい姿が気に入ったエマは
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:33:13.66 ID:12Scx6eE0
少し考えた。母に取られたゲーム機の事も考えたが、そんなものは
魔法の力を借りずとも何とかなりそうだ。迷う彼女が空を見上げると、
そこには二羽の鳥が羽ばたいていた。
(そうだ、私は自由に空を飛びたかった。鳥のように、ピーターパンのように!)
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2011/06/06(月) 01:34:19.86 ID:12Scx6eE0
その様子を目撃してしまい、手に持っていたおもちゃを落とす少女達。
彼女達もまた、エマと同じ考えを持ち、誰かが友達がいないかと
ここに遊びに来ているところだったのだ。止められなければ、
彼女達はエマを見て、すごいわエマ!と声をかけていた事であろう。
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2011/06/06(月) 01:35:12.82 ID:12Scx6eE0
「ねえエマ、あなたは悪魔なの?」
次の日の幼稚園で、友人から最初にかけられた言葉はそれだった。
「ひどいわダイアン。なんで私が悪魔なの?」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:35:43.81 ID:12Scx6eE0
「やっぱり悪魔なんだ・・・」
「ひどい事言わないで!」
エマは振り返って、声の主を探す。人ごみのなかに隠れる少女。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:36:10.97 ID:12Scx6eE0
次の日には、家のポストに、手紙が入っていた。
すぐに町から出ていけ、という内容の手紙。
両親は何か心あたりがないか、お互い話し合った。
エマは何も喋らなかった。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:36:38.03 ID:12Scx6eE0
エマと母親は、父親を見る。何を言っているのか分からない、
という様子の母親であったが、エマは小さく頷いた。
「分かった。エマ、お前は悪魔なんかじゃない。天使だよ。」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:37:05.86 ID:12Scx6eE0
「どういう事なの?」
「ああ、説明するよ。本来は重要機密であり、君にも話せない事なんだ。
誰にも言わないと誓えるかい?」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:37:39.49 ID:12Scx6eE0
その研究施設は、刑務所の塀のようなものに囲まれていた。
見るからに警戒の厳重な入り口にさしかかり、父親は通行証を歩哨に見せる。
すぐに閉ざされていたゲートは開き、彼の運転する車は、
ひたすら続く荒野の中を通る一本の道路を走り出した。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:38:10.58 ID:12Scx6eE0
そして両親は、車に詰めただけの荷物を降ろし始めた。
エマは自分の宝物の入ったリュックを背負い、家の中に入った。
父親が時々ここに寝泊りをしていたため、テレビや冷蔵庫などの
家電用品は皆揃っていた。エマは背負っていた荷物を置き、
椅子に腰掛けた。しかし、すぐに立ち上がり
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:39:10.63 ID:12Scx6eE0
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