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2011/08/03(水) 02:10:02.68 ID:UwF03LhUo
「……ッ、はッ……、まっ……、待って!」
酸素を求めて互いの唇が離れた隙に、ぐい、と両手で彼女の肩を押し上げた。
腕の長さぶんだけ二人の唇が遠のく。
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2011/08/03(水) 02:11:00.59 ID:UwF03LhUo
「それと……、制服も皺になるし……暑いし……。汗、かいてるし……」
「うん?」
「……先に、シャワー浴びない?」
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2011/08/03(水) 02:12:22.43 ID:UwF03LhUo
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2011/08/03(水) 02:13:47.35 ID:UwF03LhUo
「あ、自分じゃ見えないだろ。塗ってあげるからあっち向いて」
澪はそう言って、
スクールバッグから取り出したスティックタイプの痒み止めを私の前に掲げてみせた。
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2011/08/03(水) 02:14:53.87 ID:UwF03LhUo
予鈴が鳴って、クラスメイト達がおしゃべりしながらそれぞれの席に向かう。
ふと用事を思い出して、澪を呼び止めた。
「軽音部、また書類出し忘れてるわよ」
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2011/08/03(水) 02:15:56.73 ID:UwF03LhUo
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2011/08/03(水) 02:17:04.97 ID:UwF03LhUo
「……もう。全然反省してないでしょ」
反省してるよ〜?と応えた彼女の頬を軽くつねってから、栗色の髪に触れる。
指をゆるゆると滑らせて後ろ髪を束ねる山吹色のリボンをつまんだら、
駄目だよ和ちゃん、と彼女は笑顔のまま私の手首を掴んだ。
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2011/08/03(水) 02:18:36.20 ID:UwF03LhUo
私の呼吸に合わせて上下する彼女の頭をやんわりと撫でる。
彼女は少し身じろぎして首を捻ると、右耳と頬を私の胸に押し当てた。
「……ねえ、和ちゃん」
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2011/08/03(水) 02:19:33.98 ID:UwF03LhUo
「ねえ。フツーの幸せって、たとえば?」
「え……。みんなとおんなじように、フツーに色々できること、かな」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/03(水) 02:21:21.97 ID:UwF03LhUo
「……私はね、」
「んー?」
「私は、誰かを基準にしないと計れない幸せなんて別に欲しくないわ」
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2011/08/03(水) 02:22:13.92 ID:UwF03LhUo
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