過去ログ - 真宵「これも、また、戯言ですかね」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:46:35.63 ID:4VTMtEH9o
戯言シリーズと物語シリーズをクロスさせるssです
よかったら見ていってください
この作品を、木賀峰約、円朽葉、匂宮理澄、紫木一姫に捧げます
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:47:15.91 ID:4VTMtEH9o
戯言×化物語 アダシノプロフェッショナル
チ ュ ー ス ト ゥ ー ス
まよいマイマイ 甘 い 曖 昧 少 女の戯言
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:48:40.58 ID:4VTMtEH9o
登場人物紹介
戦場ヶ原ひたぎ (せんじょうがはら・ひたぎ)――――――――――蟹。
八九寺真宵 (はちくじ・まよい)―――――――――――――――蝸牛。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:49:17.76 ID:4VTMtEH9o
井伊遥菜 (いい・はるかな)―――――――――――――――????
玖渚友 (くなぎさ・とも)――――――――――――――――????
想影真心 (おもかげ・まごころ)―――――――――――――????
西東天 (さいとう・たかし)―――――――――――――――????
哀川潤 (あいかわ・じゅん)―――――――――――――――????
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:50:00.47 ID:4VTMtEH9o
人間は、努力するかぎり迷うものである――ゲーテ
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:51:09.04 ID:4VTMtEH9o
「真宵ちゃんは、死というものをどう定義する?」
「なんとなく、ネタバレの予感がするのですが……まあ、いいでしょう。読んでいる方の
ほとんどが、戯言も物語も、読んでいるでしょうし……そうですね、わたしは――みんな
に死んだと思われたときだと思います」
「……どういう意味?」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:52:28.39 ID:4VTMtEH9o
とにかく、僕がなかなか死なないとはどういう意味だろうか?
「本当に鈍いですね阿良々木さんは、いや、わかってて無視しているのかもしれませんが…
…あなたに何が遭っても、私はあなたを忘れないということです」
「……そりゃ嬉しいな」
「ええ、何が遭っても。例えば、アメリカのテキサス州ヒューストンあたりから刺客がきて、
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:53:45.08 ID:4VTMtEH9o
「今の突っ込み、なかなか、元の阿良々木さんぽかったですよ」
「それじゃ、駄目だろう」
とは、言わない。
正直、真宵ちゃんにぼくの事情がどれほど知られているのかはわからないけれど。
・ ・ ・ ・ ・ ・
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:55:20.69 ID:4VTMtEH9o
000
無から人は有を学び、有から人は無駄を学ぶ。
001
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:56:10.09 ID:4VTMtEH9o
そんな日。
そんな日の、午前九時。
僕は見知らぬ公園のベンチに座っていた。馬鹿みたいに青い空を、馬鹿みたいに見上げな
がら、疲れた身体を休めるため、見知らぬ公園のベンチに座っていた。見知らぬどころか聞
いたこともない、そこは、公園だった。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:57:00.02 ID:4VTMtEH9o
結構広い公園だった。
といっても、それは絶対的に遊具が少なく人間がいない所為だろう。広く見えているだけ
なのだ。端っこの方にブランコと、猫の額ほどの砂場があるだけで、他には、シーソーもな
ければジャングルジムもない、滑り台すらない。僕としては、公園というその場所は、本来
もっと思い出深い座標なのだが……まあ、いい、語る必要のない戯言は、語るべきではない。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:57:39.59 ID:4VTMtEH9o
それにしたって、日曜日の公園に、僕しかいないだなんて、まるで世界に僕一人しかいな
いみたいじゃないか。とても孤独だ。とてもとても孤独だ。しかし、この状況こそが僕には
ふさわしいのかもしれなかった、こんな――生きているだけで――他人を殺してしまうよう
な――できそこないの僕には――独りこそふさわしい。
「戯言なんだろうけどな、ったく」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:58:29.77 ID:4VTMtEH9o
002
「あらあら、これはこれは。公園のベンチの上に犬の死体が捨てられていると思ったら、阿
良々木くんじゃないの」
人類史上恐らくは初めての試みになるであろう奇抜な挨拶が聞こえた気がして、地面から
顔をあげると、そこにいたのは、見知らぬ可愛い女の子だった。ポニーテイル風に結わえて
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:59:03.25 ID:4VTMtEH9o
「それとも何。うぶな阿良々木くんは、私のチャーミングな私服姿に見蕩れちゃって至福の
瞬間ということ?」
そんな、面白くも何ともない駄洒落を聞きながら、必死に考える。誰だこの子は……クラ
スメイトなのだろうか。
「それにしても、見蕩れるの蕩れるって、すごい言葉よね。知ってる?草冠に湯って書くの
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:59:59.85 ID:4VTMtEH9o
「……」
「……」
「……」
「……」
き……気まずい……これは……この状況は何だというのだろうか……
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:00:36.38 ID:4VTMtEH9o
「……」
「……」
「……」
なんだこれ……まじで何だこの状況…………
「ところで、阿良々木くん。隣、構わないかしら?」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:01:35.73 ID:4VTMtEH9o
「いや、お礼だなんて」
「謙遜しなくてもいいわ。阿良々木くんがいなかったら、私、あの蟹に殺されていたのかも
しれないし」
「蟹?」
あっ!
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:02:54.89 ID:4VTMtEH9o
「私――阿良々木くん。私は、阿良々木くんのこと、親しく思ってもいいのかしら?」
「そりゃ、勿論。この戯言遣い、あなたに危害を加えないことを約束しましょう」
「……そういう意味じゃないのだけれどね」
「というかそのキャラは何?」と、突っ込まれたが、詳細は僕にもわからない。
「そう……そうね、お互い、弱みを握り合った仲だものね」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:03:21.55 ID:4VTMtEH9o
「とにかくね、阿良々木くん。阿良々木くんがなんと言おうと、私は、あなたに、お返し
がしたいと思うのよ。そうでないと、私はいつまでも、阿良々木くんに、引け目のような
ものを感じてしまうと思うの。仲良くやっていくというなら、それが終わって初めて、私
達は、対等な友達同士になれると思うの」
「友達……」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:03:57.36 ID:4VTMtEH9o
「いきなりこんなことを言われても、阿良々木くん、やっぱり戸惑っちゃうかしら?だっ
たら、そう、ああいうのでもいいわよ。ほら、その一つの願いを百個に増やして欲しいと
か」
「…………え?それありなの?」
絶対服従宣言みたいなものじゃないのか?
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:04:39.56 ID:4VTMtEH9o
「仮にそんなような交渉が成立してしまったら、僕達の間に、その後の友情はありえなく
なると思うんだよ」
「成立しなくても、あなたはその後の友情とやらを育むつもりはないように思うけれど」
「そんなことはないよ」
多分。
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