552:1[saga]
2012/03/04(日) 15:57:09.75 ID:7s5pwasZ0
  
 「も、もう……。ほむらちゃんってば……。 
  からかわないでよ……」 
  
  そう言いながらまどかが、弁当と三人分のリンゴジュースを手に、モジモジとしながら部屋に戻ってきた。 
553:1[saga]
2012/03/04(日) 15:58:12.16 ID:7s5pwasZ0
  
 「……何となく思ったのだけど、もしかしてさっき話してくれたあの子のこと? 私に似ているとかかしら?」 
  
  さやかはまどかの言葉を、笑い飛ばしたりはしなかった。 
  まどかから直接聞いてはいないが、ほむらのこの反応から、まどかの『散歩』の原因となった夢のことを言っていると察したのだ。 
554:1[saga]
2012/03/04(日) 15:59:15.68 ID:7s5pwasZ0
  
 「そんなにそっくりなの? じゃあ----」 
  
  ほむらはまどかに微笑みを向ける。 
  
555:1[saga]
2012/03/04(日) 16:00:09.54 ID:7s5pwasZ0
  
  ほむらとさやかの説得に、まどかは頷いた。 
  
 「……うん。じゃあ、ちょっとだけやってみようかな……」 
  
556:1[saga]
2012/03/04(日) 16:01:10.33 ID:7s5pwasZ0
  
  気がつけば、まどかは涙を流していた。 
  それはもはや演技や練習といったものを飛び越えた、本心からの謝罪の言葉であった。 
  
  とにかくやめさせなければ! ほむらとさやかは同時にそう思った。だがどうすればいいのか---- 
557:1[saga]
2012/03/04(日) 16:02:09.86 ID:7s5pwasZ0
  
  まどかは、体の奥底から瞳へと、何かが汲みあがってくるのを感じた。 
  頬を何かがつたう。 
  手で拭ってみると、それは涙だった。 
  まどかの瞳から、大粒の涙が零れ出ていたのだ。 
558:1[saga]
2012/03/04(日) 16:03:09.37 ID:7s5pwasZ0
  
 * 
  
  それから数分が経過した。 
  まどかの泣き声が止んだのを見計らい、ほむらが口を開く。 
559:1[saga]
2012/03/04(日) 16:04:11.55 ID:7s5pwasZ0
  
  さやかが思い出したように言う。 
  
 「そういえばまどか、今日はいいの?」 
  
560:1[saga]
2012/03/04(日) 16:05:10.33 ID:7s5pwasZ0
  
 「……ほむらってさ、なんてゆうか----犬みたいだよね。それも、よく飼いならされたヤツ。 
  飼い主のまどかにどこまでも尻尾振りながらついていって。 
  そんで撫でられれば喜んで。 
  きっとこの調子なら、外敵が来れば吠え立てるんだろうし----」 
561:1[saga]
2012/03/04(日) 16:06:10.23 ID:7s5pwasZ0
  
  ほむらは思う。 
  
  犬みたい、か。 
  確かに、今までの自分の行動を振り返ってみると傍から見たら……まるで犬のようね……。 
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