132:1
2011/12/24(土) 23:35:18.11 ID:MsIdTHw00
右ストレート、左足の回し蹴りから返す刀の横蹴り、足払い。軸足を変えての後ろ回し蹴り。
型も動きも出鱈目そのもの。
だが、トレインの驚異的な身体能力が、それを恐るべきラッシュへと変貌させる。
133:1
2011/12/24(土) 23:36:00.89 ID:MsIdTHw00
(――――折られるっ!)
理解するとほぼ同時に、黒子はトレインの袖口を掴んだ右手を離し後退する。
「逃がさねーぜっ」
134:1
2011/12/24(土) 23:36:39.12 ID:MsIdTHw00
トレインの追撃は無い。
それを確認して、黒子は彼のとった二つのリアクションを思い返す。
黒子が袖を掴んだ時。眼前に空間移動した時。
135:1
2011/12/24(土) 23:37:10.24 ID:MsIdTHw00
その時、黒子の身体はトレインの背後にあった。
全ては、布石。
直前の攻防で、黒子は全ての空間移動をトレインの視界内で行った。
136:1
2011/12/24(土) 23:39:03.86 ID:MsIdTHw00
まさに黒子の指は触れようとしたその刹那、トレインの身体が前方へ倒れ込む。
「――――っ!?」
伸ばした手が空振りした事に驚きながら、黒子は倒れ込んだトレインが地に手を着き、限界まで負荷をかけられたバネのように身体を縮めるのを見て、咄嗟に腕を身体の前で交差させ、ガードの体勢を取った。
137:1
2011/12/24(土) 23:40:15.20 ID:MsIdTHw00
「……随分と余裕ですわね」
身体中に纏わりつく葉を叩き落としながら、黒子は低い声で言った。
それに対し、トレインが笑う。
138:1
2011/12/24(土) 23:40:44.90 ID:MsIdTHw00
「当たりかい?」
その一言で、黒子は戦慄した。
やはり読心能力者なのだろうか。
139:1
2011/12/24(土) 23:41:18.28 ID:MsIdTHw00
「……あなたこそ、わたくしの能力を低く見過ぎですの」
言って、黒子の身体が消える。
トレインが身構えるが、黒子は姿を見せない。
140:1
2011/12/24(土) 23:41:49.95 ID:MsIdTHw00
トレインの姿を視認できるギリギリの位置を保ちながら、黒子はそれを追い掛ける。
目に付いた物を転移させて、攻撃の手も緩めない。
電柱、街灯、ベンチ、ゴミ箱。
141:1
2011/12/24(土) 23:42:33.34 ID:MsIdTHw00
「……ふぅ」
美琴は当初の目的であった清涼飲料水を飲み干し、息を吐いた。
空になったアルミ缶をゴミ箱に放り込みながら、何とは無しにトレインの去って行った方向に視線を向ける。
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