過去ログ - マインドスイーパー
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94:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:05:25.90 ID:CGXDMCHp0
 *
 
汀は、ハワイの白いビーチに座っていた。
白い水着を着て、波打ち際で足をぶらぶらとさせている。
そこがハワイだ、と分かったのは、彼女が好きな女の子達のユニットが歌っている歌のPVを、事前に見ていたからだ。
以下略



95:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:06:29.76 ID:CGXDMCHp0
「そうだよね。一人でいると、不安だよね。私も、圭介がいてくれなきゃ、おかしくなってると思うんだ」

足元の砂を、ぐりぐりとつま先でほじり、汀は呟くように言った。
「圭介には、感謝してるんだ……」

以下略



96:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:07:07.53 ID:CGXDMCHp0
無限回廊のように立ち並ぶ椰子の木に、次々と炎がついていく。
次いで、空に浮かんでいた太陽が、ものすごい勢いで沈み、あたりが暗くなった。
空に、赤い光がともる。
しかしそれは太陽の光ではない。
何かが燃えている。
以下略



97:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:08:12.38 ID:CGXDMCHp0
「圭介!」

居もしない保護者の名前を呼んで、汀は泣きながら、はいつくばって逃げ始めた。

「やだ、来ないで! こっち来ないで!」
以下略



98:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:10:15.40 ID:CGXDMCHp0
そこでドクロマスクの男は、たいまつを脇に投げ捨て、チェーンソーを振りかぶって小白に切りかかった。
化け猫の眉間にチェーンソーが突き刺さり、回転する。
しかし、小白はそれに動じることもなく、額から血を噴出させながら、頭を振り、巨大な足で、男を吹き飛ばした。
人間一人が宙を舞い、燃えている椰子の木の群れに頭から突っ込む。
小白はニャーと鳴くと、震えて動けないでいる汀のことをくわえて持ち上げ、男と逆方向に走り始めた。
以下略



99:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:11:14.84 ID:CGXDMCHp0


「汀、起きろ。大丈夫か、おい、汀!」

切羽詰ったような圭介の声が聞こえる。
以下略



100:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:11:59.15 ID:CGXDMCHp0
「この猫……!」

噛まれたところから血が出ている。
しかし汀は、小白を弱弱しく抱いた。

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101:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:13:24.66 ID:CGXDMCHp0
 *
 
次の日、汀は頭をふらふらさせながら、車椅子に乗っていた。
それを押しながら、圭介が半ばノンレム睡眠状態に入っている汀を、息をついて見る。
赤十字病院の入り口には、多数の報道陣が待ち構えていたため、裏口から入って、今、施術室へと向かっているところだ。
以下略



102:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:14:21.06 ID:CGXDMCHp0
「……精神世界で殺されると、現実の肉体にも多大なる影響が及ぶ。あの子達は、もうマインドスイープ出来ないかもしれない」

「無駄話をしている暇はない。早く準備に取り掛かかってください」

圭介は大河内の声を打ち消し、固まっている周囲に向けて、淡々と声を上げた。
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103:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:15:13.88 ID:CGXDMCHp0
「できるさ。秘策を持ってきた」

「秘策?」

圭介はそこで、車椅子の後ろ部分に取り付けてあった小さなケージをあけ、中から小白をつかみ出した。
以下略



104:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:15:57.95 ID:CGXDMCHp0
そう言って圭介は、汀の手首に、小白の首に繋がっているリードを結んだ。
そして小白を彼女に抱かせる。
猫はすぐに汀の膝の上に丸くなると、顔を上げて、ニャーと甘えた声を出した。
それを見て、とろとろとした表情だった汀が、笑顔になる。

以下略



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