過去ログ - インデックス「当方に迎撃の用意あり」
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236:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:00:22.95 ID:3keTbGPj0

得も言われぬ視線を首筋のあたりに感じて、思わず振り返る。
しかし猫の子一匹見当たらず、インデックスは軽く首を傾げてから深呼吸をして、目の前のドアノブに手をかけ直した。
両開きの大扉は一見して真新しく、大した音も立てず左右に別たれる。
踏み入れた脚を十歩ほどで一旦止めて、ゆっくりと周囲を見回した。
以下略



237:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:01:39.99 ID:3keTbGPj0

神父の笑みの種類が、その一言を境に如実に変化した。
右手が唇の前で空を切り、ありもしない煙草を掠めとる。
おなじみの仕草の後、その肩口が大きくすくめられた。

以下略



238:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:02:55.14 ID:3keTbGPj0

ぷい、とそっぽを向いて用件を短く告げる。


「今日は、あなたのことが知りたくて、来たんだよ」
以下略



239:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:04:08.74 ID:3keTbGPj0

「私は、忘れられないから」


ポツリ。
以下略



240:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:05:33.07 ID:3keTbGPj0

空気がぴり、と音を立てたような気がした。


「そんな昔話に大した意味はないな」
以下略



241:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:07:37.06 ID:3keTbGPj0

「彼女を失ったら、僕は生きてはいられないんだろうな、と思ってた。そのぐらい、大事な人だった」


遠かった。
以下略



242:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:08:06.01 ID:3keTbGPj0

男――いや、そういえば彼は十五歳なのだった、ならば少年――の長い睫毛の内側で、そっと目が伏せられる。
昔話が、本当に好きではないらしい。


以下略



243:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:08:50.97 ID:3keTbGPj0

「苦しいよ」


口をついたのは、誰の心の内容物を言い当てたものだったのか。
以下略



244:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:10:05.77 ID:3keTbGPj0

痛い。
静かな一声が、どんな刃物よりも鋭利に胸を切り裂いて、消えた。


以下略



245:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:11:03.62 ID:3keTbGPj0

有無を言わさぬ口調が外見に似合わず真摯なもので、面喰って頷いてしまう。
こう見えても馬鹿がつくほど真面目な少年なのだ、とインデックスにもだいぶ理解が及んできた。
今よりももっと幼い時分から仕事一辺倒で生きてきたであろう、彼の生の在り様。
その片鱗を垣間見た気がした。
以下略



246:人の上に咲く花など[saga]
2012/05/12(土) 23:12:28.36 ID:3keTbGPj0

頭部から激突してステイルを悶えさせたのは、頭のてっぺんからつま先まで全身桃色で固めた学園都市の生ける神秘こと、合法ロリ教師月詠小萌。
耳元で囁いてインデックスを震え上がらせたのは、時代錯誤の巫女装束に艶やかな黒い長髪が冴える、ステルス巫女こと姫神秋沙。
両名ともに、インデックスが日頃から友誼を結んでいる親しい友人だった。

以下略



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