過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:43:02.52 ID:h7sEMOtHo
夜
身に刺さるような寝藁の上、惰眠を貪る「彼女」。
その寝顔は、囚われの身とは思えぬほどに、美しく見える。
以下略
52
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:43:28.16 ID:h7sEMOtHo
気付けば、昨日と同じように、天井の滑車から下がるフックに吊り下げられていた。
伸びきった体は尋常ではない寒さに震え、少しでも体温を上げようと試みる。
サキュバスA「どうかしら?気が変わった?」
以下略
53
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:44:34.71 ID:h7sEMOtHo
試すような言葉を投げかけ、すぐにサキュバスAの眼は嗜虐を帯びて輝く。
真っ赤に焼けた鏝の先端は、ワルキューレの胸から下腹部にかけて彷徨う。
その度に反応を示し、明確な恐怖に瞳孔が広がっている。
今、彼女は何に震えているのか。
冷えた地下室で、それでも寝ているところに冷水を浴びせられた事にか。
以下略
54
:
◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:45:18.78 ID:h7sEMOtHo
サキュバスA「心配なさらないで。……単なる目隠しですわ」
再び、ぱちんと指を鳴らす。
すると、魔力のコウモリが実体化し、アイマスクとなって顕現した。
ぴったりと張り付き、ワルキューレの視界を奪うそれは、もはやどうやって外すのかさえ分からない。
以下略
55
:
◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:45:58.90 ID:h7sEMOtHo
サキュバスA「……情けないわぁ。戦乙女というのは、目を塞がれるだけで戦意喪失してしまうようですわね。
全く、何が『戦乙女』なのやら。恥ずかしくないの?貴女」
ぴしゃりと冷たく言い放つと、ワルキューレの体が僅かに揺れた。
最後に残っていたプライドの欠片すら、踏み潰されたかのようだ。
以下略
56
:
◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:46:33.50 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「嫌、あぁぁーーーっ!!」
割れ目の上に異物を感じた瞬間、体が大きく反れ、鎖を揺らし、伝わった振動で滑車が軋んだ。
最悪の想定が、現実になってしまった。
絶望、いやその先へと到達してしまった事に喪失感が心を埋め尽くす。
以下略
57
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:47:01.67 ID:h7sEMOtHo
簡単で、そして心底意地の悪いトリックだ。
要するに――焼き鏝からは、熱など失われていたのだ。
裾をめくり上げ始める直前から、焼き鏝から熱を奪った。
本来ならば不可能な技ではあるが、そもそもサキュバスAの魔力を注入していたからであり、
その気になれば一瞬で冷却する事ができる。
以下略
58
:
◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:47:31.53 ID:h7sEMOtHo
最後の言葉で、ワルキューレは静かに泣き始めた。
それと同時に、かぶせられていたアイマスクが溶けるように消える。
視界を返してもらった事に、彼女は気付けない。
涙で揺らぐ視界は、地下室の闇しか映さないから。
以下略
59
:
◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:48:12.47 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレの痴態を眼にした時、その嗜虐心は最高潮へ達した。
「虐めを加える者」から、「虐めを被る者」への心理の変換。
鏡合わせの快感が、相乗しながらサキュバスAに襲い掛かったのだ。
その感覚は、ワルキューレが味わったものより大きかっただろう。
以下略
60
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:49:11.82 ID:h7sEMOtHo
サキュバスA「あっ……は、……へ、陛……下……ぁ…!」
絶頂に達する直前、言葉を発してしまう。
何を望んで耽っていたのかが暴かれる、一言。
以下略
61
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:50:18.55 ID:h7sEMOtHo
寝室に辿り着くまでの間、使用人とすれ違うたびに興味の視線を浴びた。
彼女を知る者なら、思わず振り返って見てしまうような、意外な光景だからだ。
珍しいものを見るかのような視線に晒され続け、寝室に着いた頃には、
肌は赤みが差して顔を俯かせていた。
以下略
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