過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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2012/08/06(月) 21:53:31.01 ID:4DOG5YTr0
多々良恵。
チビで色黒、おまけにショートヘアを茶髪に染めたアタシに対して、
恵はすらっとしたお嬢様って感じで、色は肌白く、
長い黒髪も一度も染めたことはおろか、基本ドライヤーは使わず自然乾燥という、
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2012/08/06(月) 21:55:25.53 ID:4DOG5YTr0
「奈緒美ー、大輔君から電話よー」
「へーい」
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2012/08/06(月) 21:56:02.13 ID:4DOG5YTr0
「オッス。どうしんだよ、こんな夜遅くに」
「ああ、奈緒ちゃん。明日、東京に行くんだっけ?」
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2012/08/06(月) 21:58:54.66 ID:4DOG5YTr0
◆No.5 Makoto Ohji
運命の8月8日当日。
僕たちは、合宿場となる咲谷記念館に向かって足を進めていた。
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2012/08/06(月) 21:59:32.49 ID:4DOG5YTr0
僕と猿田は吹奏楽部で知り合った。
クラスで一緒になったのは今年からだけど、
同じクラリネットのパートなので、チューニングなど一緒にいる機会が多く、
今では良き相棒といった存在だ。
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2012/08/06(月) 22:00:14.62 ID:4DOG5YTr0
先月の事件で僕が休み続けていた間も、
猿田と多々良さんは翌日にはもう部活に復帰して、練習も再開していた。
二人とも、僕よりずっと前の席だったし、
血しぶきが飛んだ時は、返り血を相当浴びている。
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2012/08/06(月) 22:01:16.69 ID:4DOG5YTr0
「王子ー、着いたぞな!」
猿田の声に、はっと意識が戻った。
長いことぼんやり考えている内に、目的地の咲谷記念館に到着した。
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2012/08/06(月) 22:01:46.88 ID:4DOG5YTr0
◆No.22 Manabu Maejima
その晩の食事ほど、味気ないものはなかった。
管理人さんが持ってきた料理が、まずかったわけではない。
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2012/08/06(月) 22:02:19.35 ID:4DOG5YTr0
「違う!」「やめてよ!」「意味ねぇよ!」
榊原君、望月、そして勅使河原の三人が同時に声を荒げる。
三人は久保寺先生が死んだ後、見崎さんと親しくなっており、
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2012/08/06(月) 22:02:54.42 ID:4DOG5YTr0
僕は小さい頃から、背が低いことがコンプレックスだった。
いつも背の順は最前列、周りの男子や女子を見上げなければいけない。
おまけに童顔なので、いまだに小学生と間違えられることもしばしば。
中3の男子にとって、これはある意味屈辱である。
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2012/08/06(月) 22:03:25.56 ID:4DOG5YTr0
ふと我に返る。なんで今になって昔のことを思い出したんだろう?
ここは咲谷記念館一階のフロント。
みんなが自分の部屋に戻ってしばらく立った後、喉が乾いてた僕は、
一階にある自販機でジュースを買って飲み、
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