過去ログ - 千早「不器用な私と不器用なプロデューサー」
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1:投下 オリキャラ注意[saga]
2012/08/30(木) 09:16:58.22 ID:r7/tUdvr0
千早「わ、私とアメリカに来てくれませんか……?」

 アイドルとしてラストコンサートを終えたその日、私は新しいスタートをきると同時にある相手に頭を下げた。
 その相手は私のプロデューサー、私をSランクアイドルまで育ててくれた恩人だ。

 新米アイドルと新米プロデューサー、こんなコンビでSランクまでいった私たちを周囲は奇跡だって言ったけれど、
私としては、結果はあくまで結果であるから、くだされた評価に何も言うことはないし、つもりもない。
 それに私とプロデューサーに関しては、これ以上はない組合せだったと今では思えている。

 でも、そんな私達だったけど最近仲が落ち着きすぎたせいなのか空気がよどんでいき、
伸び悩みに苦しみ、ある種の限界も見え始めてきていた。

 だから私たちは解散することを決め、今まさにこの数時間前に私はお別れライブを済ませてきたところであった。


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2:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:18:01.45 ID:r7/tUdvr0
千早「……プロデューサー、何か言ってください。
   たとえプロデューサーの答えがなんであろうときっと受け入れてみせますから……」

 顔を上げ、いつものくせで右手の肘を左手で抑える。
 もう日は完全に落ちていたからお互いの姿ははっきりとは見えないけど、
以下略



3:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:19:30.21 ID:r7/tUdvr0

千早「うん、私は大丈夫だから……気にしないで。
   ううん、おせっかいなんかじゃないわ。春香には感謝している……」

 夏の日の早朝、私はある人物と電話で話していた。
以下略



4:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:20:11.43 ID:r7/tUdvr0

P「今日から君をプロデュースすることになった。よろしく」

 ふと、プロデューサーとの出会いを思い出す。
 約一年前、レッスンを終えた私にプロデューサーはそう挨拶してきた。
以下略



5:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:20:47.08 ID:r7/tUdvr0

P「もしもし。千早か? おはよう。何の用だ?
 ……そうか、今日も無理か。……手伝いに行こうか?
 ……それならいい、人手が欲しくなったら呼べよ?
 じゃあな」
以下略



6:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:21:21.77 ID:r7/tUdvr0

小鳥「……プロデューサーさん、一回千早ちゃんの様子を見に行ったほうがいいんじゃ……」

 小鳥さんがそう言うのは今回が初めてではない。
 千早が来なくなってからことあるごとに千早の様子を見に行くことを進めていた。
以下略



7:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:22:07.54 ID:r7/tUdvr0

千早「もう、私のことは放っておいてください……!」

 夢をみた。
 それが夢だと分かった理由はそう言った覚えがあるからで、
以下略



8:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:22:55.33 ID:r7/tUdvr0


千早「歌えない今、プロデューサーと話すことはありません。
   帰ってください。お願いします」

以下略



9:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:23:28.62 ID:r7/tUdvr0

千早「どうしてあんな夢を……」

 本当は理由なんてわかりきっている。
 私の今の状況が当時のそれに似通っているからだ。
以下略



10:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:24:08.70 ID:r7/tUdvr0
千早「着信……春香かしら……?」

 しばらく時間が経ち、太陽の傾きを感じ始めた時。
 ふと携帯をみると光が点滅していて、着信があったのを教えてくれた。

以下略



11:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:24:35.87 ID:r7/tUdvr0
 また大丈夫と言うの? 嘘なのに?
 心配いらないって言うの? そんな言葉には何の意味もないとわかっているのに?

千早「……私、何を考えているのかしら。
   まだ春香と決まったわけじゃないのに」
以下略



12:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:25:12.17 ID:r7/tUdvr0
千早「今更……何を……っ」

 言葉とは裏腹に、頬の筋肉が緩んでいる自分に辟易する。
 プロデューサーに捨てられたと嘆き、責めていたくせに、
プロデューサーからの連絡が入るやいなやだらしなく喜んでしまう。
以下略



13:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:25:44.39 ID:r7/tUdvr0
千早「……これは…………」

 なるべく無関心に、なるべく無感動に。
 そう釘を刺しながらプロデューサーからの着信を確認すると、どうやら着信はメールのようだったのけれど、
そこに書かれてある内容に眉を顰める。
以下略



14:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:26:15.89 ID:r7/tUdvr0
P「ようやくきたか」

 数時間後、私はプロデューサーと一緒に都市郊外の駅にいた。

千早「プロデューサー、いったいどういうことですか? 説明してください」
以下略



15:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:26:41.18 ID:r7/tUdvr0

千早「……でも私、もうアイドルじゃありません」

 自分で言っておきながら、ああそうなんだと再認識する。
 私のアイドル活動は、少なくとも日本では、あのラストコンサートで終わった。
以下略



16:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:27:10.92 ID:r7/tUdvr0
「あなたが如月千早さん? 初めまして、今日はよろしくね。
いやー本物はやっぱり違うわね。なんというか、オーラが溢れているみたいな……」

千早「は、はあ、ありがとうございます」

以下略



17:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:27:48.06 ID:r7/tUdvr0

千早「あの、二人はお知り合いなのでしょうか?」

 女性は私の後ろで作業をしていた。
 二人の様子から黒なのは明白だったけど、とりあえず礼儀としてたしかめる。
以下略



18:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:28:26.59 ID:r7/tUdvr0
「え? その反応……もしかして千早さん、ここがあいつの故郷だってことも聞かされてない?
 ……ちょっと、自分の地元ぐらいしっかり紹介しなさいよ!」

P「うるせえ、何が悲しくてこんな何もないところを紹介しなくちゃいけないんだよ」

以下略



19:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:28:52.28 ID:r7/tUdvr0
「千早さん……?」

千早「は、はい……?」

「ぼうっとしているように見えたんだけど大丈夫……? 疲れちゃった?」
以下略



20:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:29:21.48 ID:r7/tUdvr0
「はーい、見張りお疲れさま。もう入ってきていいわよ」

 女性の許可がおりるとプロデューサーが入ってきた。

「どうよ」
以下略



21:投下[saga]
2012/08/30(木) 09:29:48.05 ID:r7/tUdvr0
千早「プロデューサー、無理に言わなくても……」

 元々、プロデューサーはお世辞がうまいタイプではない。良いところは良いといい、悪いところは悪いとはっきりと言う。
 人によってはそれを厳しいと感じる人もいるかもしれないけど、
そんな甘くないプロデューサーと一緒だったからこそ私は高みに立てたのだと思う。
以下略



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