95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:08:11.18 ID:lh9psmHso
そしてさやかの番になった。さやかは青ざめていた。まどかはテーブルの下で手を組んで祈ってた。
帽子はまたも頭にふれるかふれないうちに、「グリフィンドール!」と叫んだ。
まどかはみんなと一緒に大きな拍手をした。さやかはまどかの隣の椅子に崩れるように座った。
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:09:38.36 ID:lh9psmHso
帽子が杏子の目の上に落ちる直前まで杏子が見ていたのは、広間中の人たちが首を伸ばして杏子をよく見ようとしている様子だった。
次の瞬間、杏子は帽子の内側の闇を見ていた。杏子はじっと待った。
「フーム」低い声が杏子の耳の中で聞こえた。
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:11:17.57 ID:lh9psmHso
最後の「ザビニ・ブレーンズ」はスリザリンに決まった。マクゴナガル先生はクルクルと巻紙をしまい、帽子を片づけた。
杏子は空っぽの金の皿を眺めた。急に腹が減っていることに気づいた。かぼちゃパイを食べたのが大昔のような気がした。
アルバス・ダンブルドアが立ち上がった。腕を大きく広げ、みんなに会えるのがこの上もない喜びだというようにニッコリ笑った。
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:13:38.70 ID:lh9psmHso
三人はあっけにとられた。目の前にある大皿が食べ物でいっぱいになっている。
こんなにたくさん、杏子の食べたい物ばかり並んでるテーブルは見たことがない。
ローストビーフ、ローストチキン、ポークチョップ、ラムチョップ、ソーセージ。ベーコン、ステーキ、ゆでたポテト、グリルポテト、フレンチフライ、ヨークシャープディング、豆、にんじん、グレービー、ケチャップ、そしてなぜか、ハッカ入りキャンディ。
孤児院では餓え死にこそしなかったが、一度もお腹いっぱい食べさせてはもらえなかった。
杏子は全部少しずつお皿に取って猛烈な勢いで食べはじめた。どれもこれもおいしかった。
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:15:09.34 ID:lh9psmHso
「おいしそうですね」
まどかがステーキを切っていると、ひだ襟服のゴーストが悲しげに言った。
「食べられないの?」まどかが聞いた。
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:16:54.61 ID:lh9psmHso
「しかしほむらが腐れスリザリンに入るとはね」さやかが思い出したように言った。
「腐れなんて言っちゃだめだよ……ショックだけど」
「寮には入るべくして入るのよ。つまりそういう人ってことよ」マミが冷たく言った。
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:18:18.76 ID:lh9psmHso
食べると体が暖かくなり、眠くなってきた。まどかが来賓席を見上げると、つられて杏子も来賓席を眺めた。
ハグリッドはゴブレットでグイグイ飲んでいた。マクゴナガル先生はダンブルドア先生と話している。
バカバカしいターバンを巻いたクィレル先生は、ねっとりとした黒髪、鉤鼻、土気色の顔をした先生と話していた。
突然何かが起こった。杏子とまどかの頭に痛みが走った。
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:19:54.21 ID:lh9psmHso
杏子とまどかはほむらをしばらく見つめていたが、ほむらは二度とまどかたちの方を見なかった。
とうとうデザートも消えてしまい、ダンブルドア先生がまた立ち上がった。広間中がシーンとなった。
「エヘン――全員よく食べ、よく飲んだことじゃろうから、また二言、三言。新学期を迎えるにあたり、いくつかお知らせがある。
103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:21:17.54 ID:lh9psmHso
「おおまじめさ」キュゥべえが答えた。
「へんね、どこか立入禁止の場所がある時は必ず理由を説明してくれるのに……森には危険な動物がたくさんいるし、それは誰でも知っているわ」
マミがしかめ面でダンブルドアを見ながら言った。
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:22:54.61 ID:lh9psmHso
突然みんなが止まった。
前方に杖が一束、空中に浮いていた。監督生が一歩前進すると杖がバラバラと飛びかかってきた。
「ピーブズだ」と監督生が一年生にささやいた。
105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/02(火) 11:25:31.51 ID:lh9psmHso
「ピーブズには気をつけたほうがいい」
再び歩き出しながら監督生が言った。
「ピーブズをコントロールできるのは『血みどろ男爵』だけなんだ。僕ら監督生の言うことでさえ聞きゃしない。さあ、着いた」
180Res/135.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。