過去ログ - P「始原のiDOL」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:02:52.66 ID:y8XKonFyo
 その数日後、事務所へ向かう途中、響はとある路地に目をやった。

 通りを行きすぎる人は誰も気にする者などないような細い道。

 彼女はしばらくその入り口を眺めるようにしていたが、ふらりとそこに入っていく。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:04:35.68 ID:y8XKonFyo
「お前ら、ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ!」

 真と響が世間話のように気軽に話しているところに、男たちの一人が騒がしい声をたてる。

 どうやら、彼も、その他の男たちも、いきなりの響の出現に気を取られていたようだ。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:05:41.20 ID:y8XKonFyo
 彼女がなにかをしたというわけではない。
 真はただその拳が襲い来るところからその体を移動させたにすぎない。

 空振りとなった拳を壁に叩きつけて自爆したのはあくまで男の方だ。

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:06:50.97 ID:y8XKonFyo
 その体をがっちりと掴んで、出来ることならば引きずり倒すつもりであった。
 倒してしまえば、あとは皆で蹴りつければいいだけだ。

 だが、その指は真の体はおろか、衣服にもかすることはない。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:08:52.59 ID:y8XKonFyo
 逃れる場所は無いはずだった。

 どちらに避けようと、誰かの拳は当たる。
 誰かが体をとらえれば、そのまま抱きついてでも動きを止めてしまえばいい。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:10:06.15 ID:y8XKonFyo
「やるなあ。でも、真なら、もっと簡単に片付けられたんじゃないか?」
「やめてくれよ。本当にボクは暴力が嫌いなんだってば」

 響がからかうように言うのに、真は妙に情けない顔で応じる。

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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:11:56.07 ID:y8XKonFyo
「ありゃりゃ、そっちは響のお仲間だったか」

 真が頭をかきかき言うのに、響が口を尖らせる。

「こんな『雑じり』と一緒にしないでよ。ひどいなあ」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:13:15.24 ID:y8XKonFyo
「ぐっ」

 体をひねってよけても、巨猿の拳は、響の体をかすめた。
 直接に衝撃を受けずとも、ひっかけられた形で、彼女の体は先ほどよりさらに高い空中に放り出される。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:14:22.24 ID:y8XKonFyo
 彼女の背後で、ビルの壁にびしびしとひびが走り、何本もの配管がはがれ落ちていった。

「ぐわふ」

 響の動きを目で追った巨猿が奇妙な声をあげる。
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:15:45.56 ID:y8XKonFyo
「ほっといてもいいのかなあ」

 巨猿は上を向き、口をぽかりと開けてだらだらと血泡混じりのよだれを垂れ流している状態だ。

 響が手刀の一撃で心臓を抜き取った胸は、分厚い筋肉が反射的に盛り上がって傷が埋まってしまっている。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:16:45.17 ID:y8XKonFyo
 この手で心臓を握りつぶしたはずの相手が、真の背を滅多打ちになどできるはずがない。

 だが、実際には巨猿は顔自体をどこかあらぬ方に向けたまま、真の背にその手のかぎ爪を打ち付けているのだった。

 その鋭く汚らしい爪が真の背を打つ度、鮮血が飛び、響にまで衝撃が届く。
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