過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:17:17.92 ID:eYA5xb04o

 そもそもわたしは、自分がなんなのかすら、よくわかっていない。
 何が起こっているのかも、まったくわからない。

 考えるな、とわたしは思った。忘れるんだ、何もかも。
以下略



87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:17:51.21 ID:eYA5xb04o



 夕食を食べ終えて、シラユキが食器を片づける。
 部屋に戻る気にもなれなかったけれど、シラユキを追いかける気にもなれなかった。
以下略



88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:18:54.16 ID:eYA5xb04o

 シラユキが洗い物を終えて戻ってくる。彼女は食事を作るのも片付けるのも、手際がいい。
 もっとも、二人分なのでそう手間がかからないだけかもしれないが。
 今日は買い物に行かなかったから、明日、シラユキは街に行くのだろう。

以下略



89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:19:23.07 ID:eYA5xb04o

 彼女は少し困ったような顔になる。わたしは少し後悔した。
 
「わたしには直接、何かが起こったわけではありませんから。上手く実感できないのかもしれません」

以下略



90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:21:52.24 ID:eYA5xb04o

「いくつか、理由を言うことはできます」

 ゆっくりと口を開いたシラユキの表情は、どことなく考えをまとめるのに苦労しているようにも見えた。 
 
以下略



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:22:59.57 ID:eYA5xb04o

「それから、この屋敷に人を呼んで見張りをしてもらうこともできません。
 街にはあまり人がいませんし、ここは丘の上ですし……。
 ましてや、そうなると寝ずの番か、それに近いことをしてもらうことになります。
 証拠もなしにそんなことをしていただくわけにはいきません」
以下略



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:23:30.54 ID:eYA5xb04o

 けれど最後に、ひとつだけ、わたしは訊ねることにした。

「本当に大丈夫だと思う?」

以下略



93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:24:37.21 ID:eYA5xb04o

「だめかな?」

「子供じゃないんですから」

以下略



94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:26:11.81 ID:eYA5xb04o



 それからわたしたちは一緒にお風呂に入って、シラユキの部屋で一緒に眠った。
 不思議と、穏やかな夜だった。雨の音がとても優しく聞こえるような。
以下略



95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:26:41.47 ID:eYA5xb04o

 手のひらの感触。
 わたしが触れた瞬間、彼女の指先がぴくりと動いた。
 でも、それだけだった。目を覚ますこともなかったし、握りかえしてくれることもなかった。

以下略



96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:27:23.79 ID:eYA5xb04o



 夢を見ている。

以下略



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