22: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:25:35.22 ID:EnRHzSex0
  
 一週間。 
  
 なぜ、一週間なんだ。今はゴールデンウィークでも、なんでもないはずだ。 
 なら、なぜ。僕は、記憶を辿っていく。今のこと。少し前のこと。少し前? 
23: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:26:06.83 ID:EnRHzSex0
  
 一週間後。正確には七時間後に、僕は起こされた。 
  
 外はまだ暗いようだ。「今日は夜か」と呟く父に頭を抱えた。 
 となると、いずれ、朝も昼も来るということになるのだろう。 
24: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:26:39.36 ID:EnRHzSex0
  
 僕は、あまりの驚きに声も上がらなかった。 
  
 何度も見た顔。幼少期より、ずっと大人びて、綺麗になったと思う。 
 男子は一斉に笑顔になり、女子は苦々しいような表情であると見た。 
25: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:27:09.17 ID:EnRHzSex0
  
 僕たちは、教師陣の紹介を終え、教室に戻っていた。 
  
 僕のクラスの担任である先生は、威厳を撒き散らしていた。 
 気持ちは分からなくもない。美人が二人も増えたのだから。 
26: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:27:39.48 ID:EnRHzSex0
  
 「はい、今日はこれで終了。解散だ」 
  
 先生はいつもより張り切っている。隣の副担は面倒そう。 
 何のために教職員になったのだろうか。よくわからない。 
27: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:28:09.56 ID:EnRHzSex0
  
 「君なら、もっと頭のいい所に入れたと思うんだけどな」 
  
 「それもできた。けど、なんて言うか。理由があるのよ」 
  
28: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:29:23.08 ID:EnRHzSex0
  
 家に戻ると、やはり温厚な父と母が僕を迎えてくれた。 
  
 父は、今日は早くに仕事が終わったらしい。読書をしている。 
 母は、本当に楽しそうに料理を作り、僕におかえりを告げた。 
29: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:29:51.00 ID:EnRHzSex0
  
 「二十四時間」 
  
 父と母は、揃ってその言葉を反芻し、目を丸くしていた。 
 すぐに笑い出したが、僕の表情から、何かを察していた。 
30: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:30:17.83 ID:EnRHzSex0
  
 件名 : あなたは 幸せ です。 
 件名 : あなたは 幸せ です。 
 件名 : あなたは 幸せ です。 
 件名 : あなたは 幸せ です。 
31: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:30:49.10 ID:EnRHzSex0
  
 「はい」 
  
 たった二文字の無機質なメールは、さらに不安を助長させていた。 
 これ以上探ろうとしても、僕は、何の答えも得られない気がした。 
32: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:31:15.93 ID:EnRHzSex0
  
 あなたは 幸せ です。 
  
  
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