1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:18:28.51 ID:4khTNzHz0
アニメ版Anotherのアフターストーリーとして書いてみました。
設定は所々、原作のものが入っている場合もあります。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:23:45.79 ID:B1MsXbMa0
《August》
所々板が軋み鳴る縁側を通り、引き戸を開けて自分の勉強部屋兼寝室に入る。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:24:50.43 ID:P5mUQBZ80
誰かと夏を遊んで楽しもう、などという気になるはずもない。
それからの夏休みは勉強とリハビリに費やすことにした。
一学期は授業をサボっていても、内容は既に前の学校で習っていたところばかりで焦ることはなかったけれど、二学期以降はそうもいかなくなるだろうと予習と溜めてしまった宿題を徹底的に済ませた。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:25:57.76 ID:P5mUQBZ80
《September》
九月一日、始業式が行われ二学期が始まった。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:26:55.18 ID:P5mUQBZ80
全体から切り離されたような感覚さえある三年三組もやはり学校の一部な訳で、学校行事には参加しなければならなかった。
様々な行事がひしめく二学期の最初のイベント、体育祭が九月の終わりに予定されていた。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:28:09.87 ID:zkfB2iWs0
手術したとはいえまだ一ヶ月、100m走、リレー、1600m走と短距離、長距離共に走らなきゃいけないとはどういうことだ。
まあ、勅使河原や水野も同じ様なものだから強く拒否はできないんだけど。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:29:05.31 ID:5jn0hY3K0
授業時間が終わる数分前になって、
「あぁっ!ヒトツダケ決メルノ忘レテタワ。ドウシヨー」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:30:32.65 ID:GOAEv5V/0
「おい、さっきので最後じゃなかったのかよ」
「そんじゃ、長距離は代わりに望月が走る。これでどうだ!」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:31:22.11 ID:5jn0hY3K0
帰り道、鳴と並んで歩く。
「榊原くんとわたしとじゃ身長差あるけど、大丈夫かな」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:32:00.81 ID:5jn0hY3K0
「そういう見崎こそ大丈夫なの?」
「え?」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:32:39.93 ID:zkfB2iWs0
「あ、そうだ」
ふと思い出した。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:34:14.46 ID:P5mUQBZ80
「じゃあ、またかけてもいい?たまに」
「たまには、ね」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:35:09.74 ID:QFUIL0gz0
体育祭前の体育の授業はほとんどがマスゲームの練習になるのだが、それがない三組は各自の参加種目の練習か、フォークダンスの練習になった。
通常二クラス合同でやるはずのフォークダンスの練習は、たった9ペアでは輪も小さく、回転率が高過ぎて余りにシュールな光景だった。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:36:37.54 ID:4khTNzHz0
足を合わせて、一歩二歩と歩いてみる。意識して彼女の歩幅に合わせれば、転ぶことはないだろう。
と思っていたけれど、走り出してみると意外に上手くいかないもので、鳴がつまづいて勢いよく手をついてしまった。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:37:30.58 ID:5dNH/PSf0
「見崎、体育祭の日ってお父さんお母さんは来るの?」
体育祭がいよいよ近づいて、全校練習にも気合いが入り、行進やら行進やら行進やらでくたくたになった体を引きずって帰る途中で、ふと気になって聞いてみた。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:38:51.48 ID:5jn0hY3K0
「じゃあさ、ぼくがお弁当つくってこようか」
「え?」と驚いて、こっちを見る。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:39:52.00 ID:5jn0hY3K0
そして体育祭当日、空は見事に快晴で適度に風も吹き、絶好の体育祭日和だった。
午前中の競技が滞りなく終了し、昼食時間になる。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:41:14.37 ID:4khTNzHz0
鳴は、唐揚げをひとつ小皿にとって食べた。
「おいしい」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:42:06.84 ID:TpJlL/yh0
「望月には悪いことをした」
「ホント。疲れてないみたいだし、榊原くんが走ってあげればよかったのに」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:43:20.73 ID:zkfB2iWs0
閉じたまぶたから生える睫毛は長く、少し開いた唇は淡いピンクをしていて、脱力して投げ出した肢体はさながら〈工房m〉で見た人形の様でしなやかで美しく………。
「…………」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:44:48.74 ID:zkfB2iWs0
フォークダンスの輪をぼーっと眺める。
勅使河原はしゃぎすぎだ。望月は相手の女子に振り回されている。多々良さんは相手が赤面してしまっている。有田さんは……普通だな。
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