6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 04:59:51.10 ID:jqkpcgGC0
聖來「な、何?どうしたの凛ちゃん?」
呆気に取られた表情で私を見つめる聖來さん。
当然だ。彼女は臭いの元凶であるこの靴下を片付けようとしていた。
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2013/08/08(木) 05:01:18.46 ID:jqkpcgGC0
私は、靴下を持ち帰る、などという野暮なことはしない。
厳密には既に何度か実行したのだが、どれもこれも違うのだ。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:02:56.77 ID:jqkpcgGC0
ふと、今の自分の姿を考えて思う。
今の私は、まるで犬だ、と。
…ハナコだったら、この匂いを嗅いだらどう思うだろうか。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:04:16.73 ID:jqkpcgGC0
瞬間。私の足は、別の生き物のように光り輝いて見えた。
勿論それは目の錯覚だったのだろうが、私の足は、まるでプロデューサーと1つになったかのようで。
それを、とても喜んでいるように見えた。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:05:24.10 ID:jqkpcgGC0
そして、私は思った。
1日だけでは、洗濯したらこの匂いはリセットされてしまう。
ならばいっそのこと、一週間ほど履き続けてみるのはどうだろうか、と。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:07:20.93 ID:jqkpcgGC0
凛「ねぇプロデューサー、今日のスタジオここから近いでしょ?」
あれから数日後。
今日は次の収録についての軽い打ち合わせ等があり、一応スタジオまで出向くことになっている。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:09:54.18 ID:jqkpcgGC0
今日はいつにも増して気温が高く、この夏の最高気温を更新しているとTVで言っていた。
しかし、そんな中で私の足元は、分厚いブーツに包まれている。
こんな暑い日に何故わざわざこんなものを履いているのかというと、それは勿論、プロデューサーの靴下の匂いを包み隠す為だ。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:11:58.33 ID:jqkpcgGC0
帰り道。
プロデューサーが先を歩き、私が後を着いてゆく。
まるで主人に着き従う犬みたい。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:14:11.03 ID:jqkpcgGC0
凛「ふうぅぅ、ぅ…」
――事務所。誰もいない、会議室。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:16:17.70 ID:jqkpcgGC0
だが。
そんな幸福は、長くは続かない。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:18:38.85 ID:jqkpcgGC0
沈黙。
どれぐらいの時間が経ったのだろう。
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