過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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509:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:35:47.72 ID:TcbpP0uzo

 額を抑えて考え込んでいると、不意に物音が聞こえて顔をあげた。
 てっきりもうみんな帰ったのかと思っていたら、後輩がまだ帰っていなかったらしい。

「帰らないの?」と俺は訊ねてみた。
以下略



510:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:36:14.05 ID:TcbpP0uzo

「ああ、いや、やっぱりいい」

 俺がそう言ったとき、後輩の表情は目に見えて変わった。
 さっきまでの、どこか怯えたような表情から、驚いて声も出せないというようなものに。
以下略



511:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:36:40.00 ID:TcbpP0uzo

「……あ、そう?」

 結局でてきたのはそんな間抜けな反応だけで、

以下略



512:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:37:07.08 ID:TcbpP0uzo

「あの、よく分からないけど、今俺、傷ついていいところだよね?」

「はい。でも、せんぱいは傷つきませんよね?」

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513:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:37:50.55 ID:TcbpP0uzo

 思わず溜め息が出た。「すみません」と後輩が謝る。謝るくらいなら最初から言うな。

「何を考えているのか分からなくて、ずっと、怖かったんです。せんぱいのこと」

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514:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:38:29.85 ID:TcbpP0uzo

「何を考えてるか分からない人だと思ってたんです。たぶん何も考えてないんだろうなって。
 ときどき友達と一緒に騒いでるところを見かけると、本当にそんなふうに見えたんです」

「きっと本当に何も考えてなかったんだよ」
以下略



515:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:39:33.21 ID:TcbpP0uzo

「想像力の欠如だな」

「……」

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516:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:40:16.57 ID:TcbpP0uzo

「いいよべつに。きみが悪いんじゃないよ。ただそういうふうに出来てるんだ」

「そうじゃなくて、無神経なことを、言ったかなって」

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517:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:41:11.99 ID:TcbpP0uzo

「書いてくれませんか」と、長い沈黙の後、後輩は言った。
「なぜ?」と俺は訊ねた。
 もう書くことなんてできそうにない。俺は気遣う余裕を失うほどに混乱していたし、疲れていた。
 
以下略



518:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/26(木) 19:42:16.19 ID:TcbpP0uzo

「……いや、違う」

 俺は拳を作って自分の額を軽く小突いた。それから溜め息をついた。

以下略



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