過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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2013/09/28(土) 14:01:12.32 ID:KVRRLmPoo
いつもは親密さすら感じる部室という空間が、ひどくよそよそしく、冷たいものに思えた。
居心地が悪くなったので、荷物を持って帰ろうとした。空間にすら軽蔑されているような気がしている。
部室を出るとき、机の上にシャープペンを見つけた。
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2013/09/28(土) 14:01:38.98 ID:KVRRLmPoo
◇
もう外は暗かったけれど、まだ帰る気にはなれなかった。
俺は自販機で烏龍茶を買ってその場で口をつけた。喉の渇きはそれでどうにかなった。
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2013/09/28(土) 14:02:05.76 ID:KVRRLmPoo
◇
屋上から見る空は鮮やかだった。雲は青紫で、空は橙で、夕陽は黄色。絵に描いたような光景。
風が少し強かった。こんなところにいたら、また風邪を引いてしまうかもしれない。
以下略
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2013/09/28(土) 14:02:47.28 ID:KVRRLmPoo
「おまえは彼女を傷つけたんだ」と俺は俺に向けて言ってみた。
「そしてもう二度とやり直すことはできない」
言ってしまうと後は簡単だった。同じ言葉を頭の中で何度も唱えるだけだ。
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2013/09/28(土) 14:03:29.10 ID:KVRRLmPoo
◇
「何してるの?」と彼女は言った。
直前に口にした言葉を忘れたみたいに自然な声音で。
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2013/09/28(土) 14:03:59.24 ID:KVRRLmPoo
「……ごめん。嘘かも」
彼女はそう言って肩をすくめた。俺はその言葉をうまく理解できなかった。
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2013/09/28(土) 14:04:32.89 ID:KVRRLmPoo
俺はそれ以上深くは考えずに、適当に言葉を返そうとしたけれど、思いつかなかった。
「きみに謝るべき?」
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2013/09/28(土) 14:05:28.24 ID:KVRRLmPoo
「だってそれ、いまさらなんだもん。それに、覚えてなかったのはべつにあんたの責任じゃないでしょ。
そりゃショックだったけど、だからってあんたを責めるのは違うでしょう?
そんなのは、もうわたしは一年以上前に通り過ぎたし、とっくに納得してたんだよ」
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2013/09/28(土) 14:06:42.89 ID:KVRRLmPoo
俺は枝野の顔をじっと見つめた。彼女も負けじと俺の顔を見た。でも結局、目を逸らしたのは枝野が先だった。
必要とされたかった、のだろうか、俺は。
よくわからない。そんなふうに逃げ出そうとする俺の思考を、
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2013/09/28(土) 14:07:09.35 ID:KVRRLmPoo
「中学のとき、俺のことを好きだと言ってくれる人は一人しかいなかった。
ひょっとしたら、一人いたというだけでも、十分すぎるくらい幸福なのかもしれない」
「そうだよ。存分に後悔したまえ」
以下略
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