過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:24:21.67 ID:xe0Bkj3eo

 物語の中では、悲惨な虐待と監禁の末にひとりの女の子が死につつあった。
 体調のせいか、あるいは訳に変な部分があるせいか、いまいち小説に没入できない。

 現実は柔らかな風が吹き込む夕方の文芸部室で、俺は空想とのギャップに目が眩むような思いがした。
以下略



93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:25:15.92 ID:xe0Bkj3eo

「あの、わたし、あなたにどこかで会ったことありますか?」

「……」

以下略



94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:25:54.51 ID:xe0Bkj3eo

 いずれにしろ、俺に心当たりがない以上は、あちらから何か言われないかぎり分かりようがなかった。
 彼女との話はそのまま途切れてしまった。

 それから、十分も経たずにシィタ派が現れた。
以下略



95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:27:25.51 ID:xe0Bkj3eo

「窓、閉めていいですか?」

 肌寒さに堪えかねて、俺は全員にそう訊ねた。特に異論のある人はいないらしい。
 窓辺に立つと、また少しの間咳が止まらなくなった。本格的にひどくなってきた。
以下略



96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:29:16.32 ID:xe0Bkj3eo

 部室を出たときには四時二十分を過ぎていた。
 後輩はたぶん部活を休むのだろう。たいして珍しいことでもない。

 どちらかというと気になるのは、編入生の視線の方だった。
以下略



97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:30:34.63 ID:xe0Bkj3eo



 家に帰ってからすぐに自室のベッドに横になって眠った。
 結構深い眠りだったけれど、目が覚めたときに時計を見ると、帰ってきてから二十分と経っていなかった。
以下略



98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:31:42.90 ID:xe0Bkj3eo



 昔から、文章を書くのは嫌いだった。作文や感想文なんて大の苦手だった。

以下略



99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:32:30.99 ID:xe0Bkj3eo

 そうした文章を書くときに俺が目指したのは、ただ「前に書いたよりもマシなものを」ということだけだ。
 何がどうなっていれば「前のものよりマシ」だと言えるのか、それは自分でもよく分からなかった。

 苦痛な作業だった。得るものは何もないし、書けば書くほど自信を失っていく。
以下略



100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:33:36.79 ID:xe0Bkj3eo



 目が覚めたときには夜中の十時過ぎで、体調はいくらかマシになっていた。
 まだ軽く咳が出たが、夕方頃よりはだいぶマシだった
以下略



101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 16:34:08.38 ID:xe0Bkj3eo
つづく


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