過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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123:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:21:37.56 ID:EaOumZa8o

「別に」
 僕は平板に答える。
「君のことは関係ない。僕はあいつが大嫌いだったから」
「ごめん」
以下略



124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:22:09.42 ID:EaOumZa8o

 僕の身体の震えがおさまって落ちついてから。
 僕は彼女に一つの提案をした。
 彼女はそれを黙って聞いていた。

以下略



125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:22:51.93 ID:EaOumZa8o

「もう大丈夫なのか?」
 フロントの男は怪訝そうな顔で僕たちを見た。
「うん、もう平気だよ」
 血色の良くなったヒナが笑って答えた。
以下略



126:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:23:32.52 ID:EaOumZa8o

「それじゃあ僕も」
「ちょっと待て」
 フロントの男は僕に何かを放った。
 僕はそれを不格好にキャッチした。
以下略



127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:24:14.72 ID:EaOumZa8o

 古いセダンに乗り込みながら彼女にそのことを言うと、ヒナはくすくすと笑った。
「知ってる? あの人にも昔娘がいたんだって」
「へえ」
「小さい時に病気で亡くなったらしいんだけど。名前がヒナコちゃんだとかで」
以下略



128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:25:03.48 ID:EaOumZa8o

 車のラジオからはニュースが聞こえてきた。
「夜九時ごろ通り魔事件がありました。――さんがナイフのようなもので刺されて軽傷。命に別状はなく……」
 僕は窓を開けた。
「なんか潮の匂いがしない?」
以下略



129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:25:44.36 ID:EaOumZa8o

 彼女は不格好に海水を掬っては舞い上げていた。
「ショコラ!」
「うわっぷ!」
 僕の顔に海水が掛かる。しょっぱい。
以下略



130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:26:25.03 ID:EaOumZa8o

 ひたすらはしゃいでいるうちに水平線が明るくなってきた。
 僕たちは立ち止まってそちらを見た。
 どちらともなく座り込む。
 並んで肩を寄せて、明るさを増していく空を見上げる。
以下略



131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:27:22.95 ID:EaOumZa8o

 考える間をおいて、彼女は答える。
「まあまあかな。人生の前半はいまいちだったけど、後半の追い上げがすごかった」
「奇遇だね、僕も同じだ」
 深呼吸する。
以下略



132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:28:57.14 ID:EaOumZa8o
『吸血少女と待つ夜明け』
終わり


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