過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
↓ 1- 覧 板 20
31:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:00:39.52 ID:FkLb1xlW0
「お姉ちゃん!!」
「なっ!?」
マートの表情からは驚きが隠しきれていない。
「……主人公ならこの程度のピンチは跳ね返してくれるだろう?」
「できると思うんですか? 本格的にアニメの見すぎですね」
32:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:01:17.28 ID:FkLb1xlW0
「さて、そろそろ本題に入ろう」
「少しは反省してくださいね?」
メロがアレックを鋭い目つきで睨みつける。
「ははは、エラメクちゃんよりメロちゃんの方が怖いんじゃないかなぁ……」
アレックの額からは微かに冷や汗が垂れていた。
33:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:01:54.13 ID:FkLb1xlW0
月中盤の仕事だ。平日昼間。
さすがに得物は一目につかないところへ隠している。
今回は、予定のあう魔術士がいなかったため、一人。
ともかく、マートは『町』の中へ入っていった。
相変わらずのガレキの山だ。
34:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:02:22.77 ID:FkLb1xlW0
さて、大型合成獣は見つかった。
周囲も、崩壊していない建物が多めで、戦いやすい場所と言えるだろう。
しかし、どうも合成獣のパーツの中に、見たことも無い生物が混ざっている。
それはまるで、漫画の中から飛び出してきたかのようなパーツだった。
――竜だ。
35:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:02:56.51 ID:FkLb1xlW0
だが、震えてばかりもいられない。
戦わなければ、待っているのは死、あるのみ。
……とはいえ、いくら合成獣のパーツといっても、攻撃するのには抵抗がある。
マートはわずかな望みにかけて他のパーツも探すことにした。
36:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:03:28.41 ID:FkLb1xlW0
無数に生える腕の動きは、まだ生あるものを、竜の体内に取り入れようとするかのようなものだった。
当然、マートにはあんな化物に取り込まれてやる気はない。
スゥ―と、一度深呼吸してから覚悟を決める。
人間の手を斬りおとす覚悟を。
37:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:04:02.81 ID:FkLb1xlW0
消耗している状態の時、人は思わぬミスをする。
今のマートの場合、それはガレキにつまずいたことだった。
推進力を増していた彼女の体は、盛大に転倒した。
同時にそれは、大きすぎる隙となった。
竜の尻尾が振り下ろされる。
38:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:04:33.00 ID:FkLb1xlW0
救援にきた魔術士は、槍を持った女性。
可愛いというよりは、綺麗と言った方が似合うだろう。
その槍は、竜の尻尾に深々と突き刺さっている。
自身の体長以上の尻尾を軽々と受け止めている。
それが魔術によるものであることは、誰が考えてもわかることだろう。
39:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:05:02.76 ID:FkLb1xlW0
爆ぜたのだ。
竜の尻尾が跡形もなく。
しかし、マートの鼻には、火の臭いは届かない。
届くのは、生臭い竜の血の臭い。
竜は尻尾を失った痛みで闇雲にのたうち回った。
40:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:05:37.98 ID:FkLb1xlW0
「……報酬は、全てあなたのものでかまいません」
「え? ……でも」
「いいんです。お金には困ってませんから」
「はい……」
今回の戦いで自分はほとんど役に立たなかった。
41:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:06:07.25 ID:FkLb1xlW0
ウィッチはもう少し残るらしい。
マートは足取り重く、帰路につく。
そして、『町』を越え、街に戻った時、視界に先日の魔導士・スケアクロウが映った。
「あ、エラメクさん、こんにちはっす!」
スケアクロウはこれから仕事なので、気持ちを上げようとしているのか、テンション高く挨拶する。
69Res/65.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。