172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:34:00.08 ID:S3TlNWjd0
まゆと同様の愛を持っていて、だけどアイドルや仲間との良好な関係性を捨てる気もさらさらなかった。
どちらかを捨てず、どちらも取る。全部取る。
彼女はそれを成す覚悟も、頭脳も、ポテンシャルも、全部を手に揃えていた。
173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:34:28.11 ID:S3TlNWjd0
でも、だ。
いつか、みくが見た、男とちひろが抱き合っていた、あの時。
174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:34:56.46 ID:S3TlNWjd0
しかし、時間が産んだのは、全てを終わらす祝福の鐘だった。
175:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:35:25.24 ID:S3TlNWjd0
リーダー格である少女は、変わりなくいつもの彼女だった。
いつも眠そうな少女は、それでもきちんと、全てを大切に思っていた。
件の女と男は、どうしようもなく互いを求めていて、だからこその突然の懐妊だった。
176:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:35:58.54 ID:S3TlNWjd0
「な……」
177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:36:26.04 ID:S3TlNWjd0
押し殺していた泣叫が。
なかったことにするつもりだった悲しみが。
見せるつもりがなかった弱さが。
178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:36:58.51 ID:S3TlNWjd0
しかし。
「うん、うん……ごめんね、気付けなくて、ごめんね。苦しかったね……」
179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:37:24.28 ID:S3TlNWjd0
みくが必要だったのは、これだ。
可能かどうかと言えば、心中の闇から抜け出すのは出来た。
しかし、彼女の矜持がそれを許さなかった。
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:37:52.50 ID:S3TlNWjd0
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:38:23.48 ID:S3TlNWjd0
それは、アイドルを気遣う想いで、同時に逃げでもあった。
彼もまた、時の解決を祈るしかない、無力な人間であったのだ。
182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:38:53.72 ID:S3TlNWjd0
幸子は、みくの様に軽いステップを踏み。
卯月の様に真っ直ぐ進んで。
智絵里の様に、美しく、華が咲く花壇の前に立ち。
まゆの様に、凛と姿勢を正し。
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