過去ログ - さやか「愛に腐りし円の御剣」
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5: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:10:52.00 ID:piabdirRo
自分から訪れたくはない。
だが、訪れなければならない理由がそこにはあった。

そろそろこんな所で立ち尽くして時間を無駄にするのも終わりにしなければならない。

以下略



6: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:16:23.81 ID:piabdirRo
「さやか」

恭介は部屋に入って最初に部屋の主の名前を呼ぶ。
それが引き金となって、さやかの目が恭介に向いた。

以下略



7: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:19:27.24 ID:piabdirRo


「恭介」


以下略



8: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:22:57.57 ID:piabdirRo
本当に酷かった。

正気を失った当初のさやかは、
恭介と仁美以外の手が身体に触れると猛然と怒り狂った。

以下略



9: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:24:30.04 ID:piabdirRo
顔を合わせたさやかに、特に異常は見受けられない。
ちゃんと薬も効いているはずだった。

まず、仁美がさやかに優しく触れて、反応はなかった。
ニコリともせず、無表情に見返していた。
以下略



10: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:26:11.03 ID:piabdirRo
医師と看護師、さやかと恭介の父親がどうにか彼女を止めようと躍起になる。

恭介の隣で、顔を蒼くした仁美が腰を抜かして尻餅をついている。
倒れた椅子。人を呼びに行ったさやかと恭介の母二人。

以下略



11: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:34:06.01 ID:piabdirRo
薬がしっかり効いている、仁美たちがそれを見てショックを受けないように、
そんな理由で面会前に念入りな拘束をしなかったのは、結果的に大失敗だった。

そんなさやかも今となっては嘘のように大人しいものだが、
あんな騒動を一度起こした上で、こんなにも居心地のいい個室をずっと与えてもらえているのは、
以下略



12: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:38:59.51 ID:piabdirRo
この人なら、自分も心から好きになれるだろう。
そう思った。だから付き合った。

日に日に好きになっていく途中だった。
だから今、正直、恋人でなくなったことを残念に思う気持ちは湧いてこない。
以下略



13: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:40:26.28 ID:piabdirRo
自分が誰かをここまで愛することは生涯絶対に不可能だろう。
恭介はさやかを見ながらそう考える。

今のさやかが何より異常なのは、
恭介以外の他の物に極端に関心を向けないことだ。
以下略



14: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:43:02.36 ID:piabdirRo
「恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介――」

さやかの声、腕を撫でる仕草、表情。全てに恭介への一途な想いが詰まっていた。
むしろ今のさやかにはそれ以外何もなかった。

以下略



15: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:45:20.79 ID:piabdirRo
「恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介――」

さやかが行方不明になった。
それを知った日、恭介は特別彼女を心配していなかった。

以下略



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