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2014/04/15(火) 05:42:46.61 ID:fX5a1w8N0
1995年6月7日午後。
修学旅行も何事もなく最終日を迎え、神奈川県平沢市立菊谷中学校の3年生たちは、帰りのバスに乗り込み、学校へ帰る途中だった。
もちろん、3年A組の生徒40人もだ。
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2014/04/15(火) 05:43:42.92 ID:fX5a1w8N0
背後でドスのきいた声が聞こえ、良樹たちはビクッと体を震わせ振り向いた。
そこには、クラスの不良問題児ペアの井上稔(男子2番)と坂出慎(男子5番)が眉間にしわを寄せて良樹たちを睨みつけていた。
「ごごご…ごめん!」
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2014/04/15(火) 05:44:17.16 ID:fX5a1w8N0
「そーいやぁ…」宗がトントンと良樹の肩を突いた。
「彼女、もう苛められてないみたいだな」
「ああ、よかったよな」
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2014/04/15(火) 05:45:31.17 ID:fX5a1w8N0
堤良樹(男子10番)は違和感を感じて目を開けた。
壁を見ると、この部屋には1つも窓がついていない。
周りを見ると、クラス全員がパイプ椅子に腰掛け、机に寄りかかって寝ている。
良樹の前には、男子委員長の高橋良太(男子9番)、右隣は大人しい感じの徳永礼子(女子11番)、左隣はいつも暗い国本弘美(女子4番)…この並び方は、出席番号順、テストとかの時の並び方だ。
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2014/04/15(火) 05:46:01.91 ID:fX5a1w8N0
親にも伝えたということは、それに反抗した親は既に逝っているはずだ。 政府の連中は気に入らないことがあると、すぐに発砲するから。 カルシウム不足?
「あの…」
麻保が再び口を開いた。先ほどより弱々しい声だった。
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2014/04/15(火) 05:46:49.79 ID:fX5a1w8N0
「よし、じゃあ、ルールの説明だ!
至極簡単なことだ、最後の一人になるまで殺しあってくれたまえ!
反則などない!
仲間を作るもよし、殺し歩くのもよしだ!
建物に入るのも自由、物も取っても構わない!
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2014/04/15(火) 05:47:27.58 ID:fX5a1w8N0
「え…? な…何だよ…何だよ、この音……」
近くにいた、廣岡誠(男子14番)と目があった。 誠は目を見開き、体を震わせていた。 邦康はゆっくりと誠の方に歩み寄った。
「ねぇ…なんでそんな顔するんだよ…ねぇ…廣岡ぁ…」
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2014/04/15(火) 05:48:03.27 ID:fX5a1w8N0
「えー…1番最初は…君だ!
男子16番、皆川玉樹君!」
生徒達の視線が進藤の指差した先、玉樹に集中した。
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2014/04/15(火) 05:49:04.40 ID:fX5a1w8N0
男子6番・閑谷邦康(しずたに・くにやす)
卓球部。いつも大人しく自己主張をしない。
門脇吉孝(男子4番)の自慢話の聞き役。
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2014/04/15(火) 05:49:37.26 ID:fX5a1w8N0
麻生咲(女子1番)は、一人ずつ教室を出始めてから24分後、デイパックをもらい部屋を出た。
時計を見ると、3時24分を指していた。かなりの時間、寝ていたらしい。
生まれて初めてだ。 人間の死体を見たのは。 それも身近な人間の。
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2014/04/15(火) 05:50:11.73 ID:fX5a1w8N0
咲は大分落ち着いてきた。フウ、と一つ小さなため息をついた。
「咲、気分は大丈夫?」
「あ…うん、ゴメンね。 こんなところで…こんな場合じゃないのに…」
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