61: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:26:03.32 ID:pTDUJrKx0
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後輩「先輩先輩せんぱーい!」
新聞部の部室を開ければ、大声ととも後輩が突進してきた。ポニーテールがぴょこぴょこ跳ねる。全くいつもどおりうるさくてかわいい後輩だ。そして我が新聞部唯一の部員でもある。
62: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:39:22.59 ID:9NO0r5n60
後輩「都市伝説ですよ、都市伝説!」
腕章「都市伝説ゥ?」
63: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:40:48.44 ID:9NO0r5n60
とあるビルとビルの隙間に存在するという『二つの太陽』。
深夜に這い出るという『マンホールの住人』。
全身を原色に彩った『鮮烈な彩人』。
コンビニやファストフード店にやってくる『ゴリラのライダー』。
64: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:41:37.04 ID:9NO0r5n60
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そのまま直帰するため、鞄の類は全部持って、あたしたちは件の『進めない門』へと向かっていた。町はずれの屋敷。あたしも場所だけは知っている。確か、大きくて古い日本家屋があったはずだ。
オカルト好きの間ではそこそこ有名なのに、どうしてさほど話題になっていないのか。それもまた怪しい。まるで何らかの力が働いているかのようじゃないか。
例えば、宇宙人とか。
65: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:42:35.43 ID:9NO0r5n60
後輩「で、音がして、門が閉まりました。自動で。おかしいんですよ。風もなかったし、開くときはわたしが開けたのに」
腕章「もう一度試した?」
66: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:53:14.89 ID:9NO0r5n60
後輩「なんですかなんですか、水臭いなぁ! わたしたちの仲じゃないですか!」
まぁ、いろいろとあるのよ。
そう言おうとしたとき、あたしの視界を真緑が横切っていった。
67: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:53:50.44 ID:9NO0r5n60
後輩「ね、先輩、先輩? 先輩!」
後輩があたしの手を引く。
邪魔だ、やめろ。早くあんたはどっかに行け。お願いだから。巻き添えになるから。そんなの嫌だから。
68: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:54:48.76 ID:9NO0r5n60
なんだ。なんだこれ。一体全体なにがどうなっている。
車が突っ込んで来た――それはわかる。それにしたってタイミングがよすぎやしないか。絶妙に彩人を避けて、あたしだけを轢殺するこの角度。
邪気眼と同じようなサイコキネシスか? けれどそれなら、ブレーキ音がするのは聊か理解に苦しむ。事実邪気眼が車をぶん投げたときはブレーキ音なんてしていなかったはずだ。
69: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:58:00.84 ID:9NO0r5n60
彩人「二位の私に勝てるかな!?」
きんきん声で彩人は叫んだ。こちらの目を覗き込むように、その澄んだ瞳が見開かれている。
同時に流れ込んでくる、こいつの全て。
70: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 01:03:13.48 ID:9NO0r5n60
銃弾は逸れていった。彩人は流石に銃を見て分が悪いと判断したのか、迷いなく後ろへ逃げ出す。
腕章「逃がさない。逃げらんないわ」
71: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 01:03:46.45 ID:9NO0r5n60
と、あたしはそこで、自分が門の内側にいることに気付いた。
気づいてしまった。
と言うべきだったかもしれないけれど。
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