過去ログ - モバP「見えた今に絶えぬ未来を」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 22:48:22.00 ID:dbLyof+Po


「Pさんも見るんですね」
 彼女が微笑む。
 その度、チクリ、と胸が痛んだ。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 22:50:03.27 ID:dbLyof+Po


「気にしないでください、Pさん。残念ですけど、それはPさんのではなく私の力不足ですから」
 翠はそう続け、困ったように首を傾げて笑った。
「それでも謝らなくちゃいけない。口ではどうとでも言えるが、実現できなかったのは俺の責任だから」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 22:51:44.67 ID:dbLyof+Po


  *

「お疲れ様です、プロデューサーさん」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 22:53:32.12 ID:dbLyof+Po


 ――それにしても、今年も残念でしたね。
 カタカタと乾いた音を共に奏でて十数分経った頃、ふとちひろさんは呟いた。暖房で暖める必要のなくなった最近では息が白くなることも過去になりつつある。
 作業の手を止めた瞬間、何のことだ、と一瞬漏らしかけたものの、すんでのところで息を抑える。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 22:56:25.40 ID:dbLyof+Po


「Pさんはいるかしら?」
 黒く長い髪を大きく流しながら入り込んできた女性――黒川千秋はドアを開けるや否やそう尋ねる。
 私服こそ綺麗に着こなしているものの、その動きは大雑把なものだ。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 22:57:50.37 ID:dbLyof+Po


 だが、昨日と今とで顔を合わせているにも関わらず、打って変わって態度を変化させてそこまで言い詰めるのはどういう意味なのだろうか。
 今もなお見えぬ彼女の本意にただ困惑していると、千秋は先程よりも――日常で見られるものではない、ずっと真剣な表情で俺に冷たく言い放った。
「だったら、何故あなたは自分の担当の子すら見てやらないのかしら。あなたにとって……翠さんはただの練習台とでも言うつもり?」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 22:59:30.46 ID:dbLyof+Po


 だが、俺がわからないのはそこだ。
「翠のことを忘れた日なんて一度もない。掛け値なしにな。昨日の結果のことだって、本人も理解して切り替えてくれている」
 今日の昼の会話を脳裏に映す。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:00:30.24 ID:dbLyof+Po


「私も翠さんも、例え欠けていようとも努力で補い進んでいく覚悟はあるわ。ただ、彼女は少し難儀な覚悟みたい。……言い方が悪いのはわかってるわ、ごめんなさい」
 千秋はそう答えると、小さく謝罪してからそのまま踵を返して俺達に背を向けて去ってしまった。

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:02:07.19 ID:dbLyof+Po



  *

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:03:58.43 ID:dbLyof+Po


 まさか、そんな事が起きるなんて。
 俺は何をすればいい? どのようにすれば助けられる?
 幾重にも重なる病気のような不安の波が脳内に押し寄せ、即座に頭を混乱させた。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:06:01.88 ID:dbLyof+Po


 体内から沸騰し噴出していたはずの血液が何事もなかったかのように沈静化し、動転していた意識が元の鞘に収まってゆく。
 一気に周りが見え始め、今の事態について再び考察し始めた。

以下略



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