過去ログ - 猫耳パーカーとフーセンガム
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30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 18:19:59.09 ID:OIe+ZWtGo
流れに飲まれた大岩の上で、雨に濡れて細くなった猫が震えている。
少女はそれを見てすぐにでも飛びつこうとしたが、僕は何とかそれを押さえる。
無策に飛び込めば、まず助からない流れの速さだ。
しかし、もちろんこのまま放っておくと今度は猫が危ないわけで。
僕は鞄の中に使えそうなものが無いかぶちまけてみるが、特に何もなく
以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 18:24:05.96 ID:OIe+ZWtGo
これに捕まって!

言葉が通じているかなんて知ったこっちゃないが、僕はそれを猫に直接当たらないように投げる。
流れが鞄を押し流そうとするが、うまい具合に岩の窪みに引っかかってくれた。
少女が固唾を飲んで見守る中、猫がそれに爪を引っ掻けるのを確認すると、僕は鞄を手繰り寄せた。
以下略



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 18:28:53.25 ID:OIe+ZWtGo
雨でびしょ濡れの僕らは、流れと雨の直接届かない位置まで移動して一旦座った。
本当は早く家へと帰ったほうがいいのだろうが、クタクタで動く気力が沸かない。

「……くしゅんっ」

以下略



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 18:37:50.49 ID:OIe+ZWtGo
パトカーの中で渡されたタオルでとりあえずは髪を拭きながら、僕は少し思慮を巡らせていた。
少女のためとはいえ、両親を大分心配させてしまっただろう。
後悔はしていないが、申し訳ない気持ちは大きい。
少女の方はと言うと、胸に抱いた猫をタオルで拭きながら俯いている。
警官が来た時、一瞬たじろぐような仕草を見せたのが気がかりだった。
以下略



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/18(水) 18:38:41.36 ID:OIe+ZWtGo
お腹空いたのでご飯


35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 20:13:25.93 ID:OIe+ZWtGo
なんとなくそんな気はしていたけれど、次の日も、その次の日も、少女は現れなかった。
誰もいない河川敷でガムを膨らませて、しばらくして帰る。
明日は、明後日は、明々後日は、と。
僕には彼女を忘れる事なんて、出来なかった。


36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 20:19:11.92 ID:OIe+ZWtGo
気付けば苦手だったフーセンガムも、かつて少女が膨らませていたよりずっと上手く膨らませられるようになり、僕の背も大分伸びた。
僕がいつものように、河川敷に仰向けになりながらフーセンガムを膨らませていると、スッと僕の視界を影が覆った。

「……」

以下略



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 20:32:40.99 ID:OIe+ZWtGo
……誰、ですか?

僕の返答に、女の子は呆気に取られた表情で固まる。
そんなに変な事を言っただろうか?と首を傾げた僕の視線、斜め下の辺りに見たことのある猫の姿。

以下略



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 20:35:17.11 ID:OIe+ZWtGo
猫耳を外した少女はなんだか恥ずかしそうで、正直僕的にはあのパーカーの方が恥ずかしいと思うのだが。
二人でガムをはむはむとして、ぷくーっと膨らませる。
猫がそんな僕らを、遠目に見て「ニャー」と鳴いた。

「……あ」
以下略



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 20:40:22.69 ID:OIe+ZWtGo
僕のものだったフーセンガムをはもはもしながら、少女がこちらを向く。
ほんのり染まった頬が、さらに愛らしさを加速させる。

「……今年からよろしく、先輩」

以下略



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/18(水) 20:50:23.80 ID:OIe+ZWtGo
まったり続かない


41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/18(水) 20:56:41.63 ID:yZYLUtpzo
えんだああああああああああああ

続けて下さい


42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/18(水) 21:31:24.66 ID:HpMhXfoz0
あれ?終わり?


43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/18(水) 23:13:19.18 ID:wFq314NJo
え?


44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/18(水) 23:18:49.01 ID:+a+dFPdrO
こっからだよな!


45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/19(木) 01:23:00.67 ID:YW5toWG5o
こっからは蛇足なので、読みたい方だけどうぞ


46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/19(木) 01:27:22.78 ID:YW5toWG5o
少女と……いや、彼女と感動的とも言えない再会をした後も、僕らは河川敷へ通っていた。
あの猫は彼女の飼い猫になったようだし、別にここで会う必要はないのだけれど、彼女にとっては特別な場所らしい。

学校はどう?慣れた?

以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/19(木) 01:40:29.49 ID:YW5toWG5o
あれからしばらく会えなかったのも、そのおばあちゃんから外出を禁止されていたらしく、きちんと学校へ行くことを条件に解放されたらしい。
あの時パトカーによるのを嫌がっていたのはそう言う事だったのだ。

でも、あんな学校でよかったの?

以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/19(木) 01:42:09.40 ID:YW5toWG5o
説明しきれなかった部分の補足終わり
イチャラブはまあ別の作品で機会があれば
ではいつかまた会いましょう


49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/19(木) 02:03:52.10 ID:3u+SPp/Xo
乙、良かった!


50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/20(金) 00:08:44.53 ID:uV/C2Ehko
乙。いい雰囲気の作品だった


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