過去ログ - 貴音「月光Cage」
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1: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:02:13.59 ID:gz+5vwBbo
ミステリSS
オリキャラ多いのでご注意を
長いです
よろしくお願いします

SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:09:15.21 ID:gz+5vwBbo
――気が付くとわたくしは、暗闇に包まれておりました。

暗く、狭く、固い……箱の中でした。

手足を伸ばすこともできないほどの密閉された空間。箱の蓋は固く閉じられ、内側からはとても開くことができませんでした。
以下略



3: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:12:53.29 ID:gz+5vwBbo
――2月某日

P「はぁ。寒……」

事務所への階段を昇りながら一人つぶやく。立春はとうに過ぎたというのに、寒さはまったく衰える様子を見せない。近頃は異常気象のニュースもよく耳にするが、これ以上寒くなるのだけは勘弁してもらいたい。
以下略



4: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:15:33.55 ID:gz+5vwBbo
雪歩「おはようございます、プロデューサー」

P「おはよう。今日は早いんだな、雪歩」

雪歩「はい」
以下略



5: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:17:27.60 ID:gz+5vwBbo
一週間前の朝、事務所の扉に一通の手紙が挟み込まれているのに気がついたのは、たまたま一番早くに出社してきていた俺だった。

手紙には、彼女がアイドルを辞めるということと、それをその時が来るまで黙っていたことへの謝罪の言葉が綴られていた。謝っても許されないことは承知の上だが、それでも謝ることしか出来ない、ということも。

その日以来、貴音は765プロからその姿を消してしまった。いや、それどころではない。事務所に記録されているマンションからは既に彼女は退居しており、携帯電話も通じなくなっていた。
以下略



6: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:22:12.24 ID:gz+5vwBbo
雪歩「あの日から何度も考えるんです……四条さんがどうしていなくなってしまったのかってこと」

P「俺だってそうだよ」

多分、事務所の全員がそうだ。
以下略



7: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:24:32.05 ID:gz+5vwBbo
こんこん、とノックの音がした。

「すみません」

入り口の扉が開いて、声の主が姿を現す。男だ。
以下略



8: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:28:37.03 ID:gz+5vwBbo
小鳥「……ご用件はなんでしょう?」

黒田「だからさ、ちょっとその話に混ぜてほしいんだけど」

小鳥「え……?」
以下略



9: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:31:02.98 ID:gz+5vwBbo
小鳥「お茶です、どうぞ」

P「ありがとうございます」

黒田「お、どーも」
以下略



10: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:32:01.11 ID:gz+5vwBbo
小鳥「そんなこと言って、嘘……じゃないでしょうね?」

小鳥さんが黒田へ訝しげな視線を送りつつ言う。

黒田「嘘だって?」
以下略



11: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:39:30.78 ID:gz+5vwBbo
P「……実家?」

俺と小鳥さんは思わず顔を見合わせる。

黒田「そう、実家。……その様子だと、やっぱりあんたたちも知らないんだね。四条貴音の実家の場所は」
以下略



12: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:41:18.36 ID:gz+5vwBbo
P「…………」

小鳥「プロデューサーさん……」

悔しいが、この男の言うとおりだった。ここで黒田を告発したところで、なんの解決にもならない。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/03(日) 21:42:59.46 ID:xHfUfXVNo
ふむふむ


14: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:45:17.15 ID:gz+5vwBbo
P「……なるほど」

そこで聞いた話を記事にしようという考えか。

黒田「なぁに、別にあれこれと騒ぎ立てるようなスクープを書こうってんじゃない。むしろ、俺としては早めに記事にしてしまったほうが彼女のためでもあると考えてる」
以下略



15: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:46:42.61 ID:gz+5vwBbo
黒田「……で、どうだ? あんたにとっても悪い話じゃないだろう?」

P「…………」

小鳥「プロデューサーさん……どうするんですか?」
以下略



16: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:51:32.69 ID:gz+5vwBbo
小鳥「私も、それでいいと思います」

P「小鳥さん」

小鳥「私だって知りたいですから、どうして貴音ちゃんがいなくなってしまったのかってこと。貴音ちゃんは隠しておきたかったのかもしれないけど、それでも……理由も聞かされないままお別れなんて、悲しすぎます」  
以下略



17: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:54:12.87 ID:gz+5vwBbo
小鳥「ちょっと……! いくらなんでも急じゃないですか?」

P「なんていうか、その……居ても立ってもいられなくて……」

小鳥「えぇー……」
以下略



18: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 21:56:24.76 ID:gz+5vwBbo
黒田「それじゃあ一時間後に出発だ。それまでに準備しといてくれよ」

P「待ってくれ。まだ重要な事を聞かせてもらってないぞ」

黒田「あ?」
以下略



19: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:06:07.82 ID:gz+5vwBbo
事務所の人間で貴音と最後に話をしたのは、たぶん自分だ。

あれは、貴音がいなくなってしまう前日の夜だった。

――仕事を終え戻ってきていた彼女は、事務所の屋上で手すりに身を寄せながら月を眺めていた。
以下略



20: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:08:45.58 ID:gz+5vwBbo
P「最近、少し元気が無いみたいだけど」

貴音「……わたくしが、ですか?」

P「ああ」
以下略



21: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 22:11:33.22 ID:gz+5vwBbo
貴音「まこと、密度の濃い一年でした。経験する何もかもが、未知のきらめきに満ちていて……」

P「楽しかったか?」

貴音は深くゆっくりと頷いた。
以下略



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