38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 12:56:25.99 ID:ZhA2i8PA0
柏木先生は女性でありながら、女子からの人気がとても高い。
中肉中背。たれ目が特徴で、丸みを帯びたショートカットがさらなる幼さを醸し出している。
しかし、外見からは分からない冷静さと生真面目さを持つ。
朝の依頼主の一年生も、柏木先生に全てを捧げんばかりだった。
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 13:29:13.16 ID:ZhA2i8PA0
昼になり、私は一人誰もいない空き教室へと移動した。
多少声を慣らしてから、携帯を取り出して番号を打ち込む。
暗がりの教室は埃っぽかった。
土臭い匂いの中、電話がつながった。
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 13:43:48.23 ID:ZhA2i8PA0
「私、あんたのこと好きだったし、分かりたかった。分かってあげたかった。でも、あんたは私のこと分かろうとした?」
『そんなこと……当たり前じゃん!』
「そっか、やっぱり分かってないんだ。分かってないこと、分かってない。ごめん、もう疲れたわ」
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 13:59:26.41 ID:ZhA2i8PA0
面倒なことを受け持ってしまった。
私は教室を出て、職員室へと向かう。
早退させてもらおう。
教師も、今の私には腫物を触るみたいな対応しかしないだろうから。
動きやすいと言えば、そうだ。
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 14:08:04.46 ID:ZhA2i8PA0
面倒くさい人種だ。
ならば、一緒に来てもらおうか。
駅と、私の家まで。
「分かりました。では、お願いします」
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 14:32:24.51 ID:ZhA2i8PA0
ひな子のことだから、この車が先生のだと知っていたに違いない。
今頃、嫉妬で怒り狂っているかもしれない。
私は運転する先生の横顔を見ながら言った。
「すいません、駅の方へ行ってもらってもかまいませんか」
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 14:45:56.71 ID:ZhA2i8PA0
壁に押し付けられるようにして、胸ぐらを掴まれて、私は息苦しさを覚えた。
腕力があるのか、振りほどけない。
「梨奈さんからッ……聞きましたよね?」
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 15:14:52.98 ID:ZhA2i8PA0
「梨奈の目を覚ましてやんないと……」
彼女はぼそりと呟いて、次に私の鳩尾を殴ってきた。
「ぐッ……」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 15:38:00.03 ID:ZhA2i8PA0
窓ガラスに映った顔を見て、私は頬の赤みに気が付く。
「……」
柏木先生への言い訳を考えている内に、
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 15:44:19.11 ID:ZhA2i8PA0
それならば、ひな子の欲望でも叶えればいいのに。
私は先生の横を通り過ぎて、車へ向かう。
「みどりさん!」
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 15:57:44.12 ID:ZhA2i8PA0
車に乗り込んだ途端、携帯に電話がかかってきた。
母だった。
「先生、母から電話がかかってきたので出て構いませんか」
382Res/247.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。