過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:01:10.08 ID:CL7Y8+DEo

時は、十月の終わり。

秋の心地よい空気が、学校中から溢れ出し、街全体、広くはこの国全域を包み込んでいた。開け放たれた窓の向こうから、部活動に勤しむ生徒たちや、野生を生きる鳥や虫、そんな無数の生命の営みが、ざわめきやせせらぎとなって、室内に流れ込んでくる。

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:02:06.90 ID:CL7Y8+DEo

「ふうん」

どうやら、俺の返答は、朝倉の興味を引いたらしい。パイプ椅子から腰を上げた朝倉が、机を離れ、団長席の内側に回りこみ、ディスプレイを覗き込んで来た。石鹸の香りがして、思わずドキっとすると同時に、諸事情があって、一瞬ヒヤッともする。

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:03:04.99 ID:CL7Y8+DEo

「こちらへ向かっている途中」

「いまさら? 涼宮さんがこんなに掃除に時間をかけるなんて」

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:04:06.73 ID:CL7Y8+DEo

「それって……小さな問題はある。っていう事ですか?」

俺が口にしようとした言葉を、ほぼそのまま奪い取っていったのは、未来人にして、SOS団専属のマスコット、団員ナンバーその三・朝比奈みくるさん。年齢は禁則事項。 いつのまにか、茶葉を混合する作業を中断し、俺たちの会話に耳を傾けていた。

以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:05:06.12 ID:CL7Y8+DEo



………

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:06:03.24 ID:CL7Y8+DEo

「ここは……」

浅く、きめの細かい眠りと、ぼやけた現実の間を漂っているような、奇妙な感覚がして、俺は目覚めた。視界の中に、いつもの天井はない。星もない、灰色の夜空が、でかいドーム球場の天井のように、俺の視界を覆っていた。
体を起こすと、周囲の空気が冷え切っていることに気づき、小さく身震いする。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:07:04.21 ID:CL7Y8+DEo

「逃げてっ!」

目の前の状況を把握しようとする俺の意識の中に、新たに飛び込んできたのは、女性の声だった。その声を受けたかのようにして、床に転がった髑髏が、グルリと回転し、その落ち窪んだ眼窩で、俺を見た。
その視線と、俺の視線が、真正面からぶつかり合う。何だ―――これは。何が起きているんだ?
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:08:06.45 ID:CL7Y8+DEo
……あれ? 何かが引っかかる。
この少女には……以前、会ったことがあるような気がする。いや、気がするというよりも、この感じは、最近。非常に最近に……

「あ、ありがとリセチャン。クマ、ちょっとガンバった……」

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:10:11.30 ID:CL7Y8+DEo
呆然とする俺を他所に、目の前の奇妙な二人組は、俺を賑やかに責め立てる。
なぜこんなところにいるのか。
ようやく、クマの言葉の意味が、俺の脳に染み込んでくる。イコール、知らん。俺が聞きたいくらいだ。なぜ、俺はこんなところにいるのか? いや、それよりも……むしろ。

「お前たちこそ、どうして閉鎖空間の中にいるんだ?」
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11:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:11:07.59 ID:CL7Y8+DEo
俺の体から溢れ出した、青白い光が、視界を埋め尽くし、髑髏の姿をぼやけさせる。光に染まった視界の中に、一枚のカードが現れた。

『0』と刻まれたカード。

タロットカードによく似たそのカードには、俺の記憶の中でそうだったのと同じ様に、赤黒い肌の、巨大な羽ペンを携えた男の姿が映っていた。
以下略



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