過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
1- 20
876: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:40:25.73 ID:Y8k0m8hzo
「あ、ところで話は変わるんだけど」

会話の熱も冷めて椅子に座り直したネリーから、ふと話しかけられる。

「きのう頼んだ手紙、あるじゃない?」
以下略



877: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:41:33.80 ID:Y8k0m8hzo
「ちょうど部活の時間と重なるかも。たぶんだいじょうぶだけど、もし部活に遅れたらそのこと伝えといて!」

ネリーに頼まれる。こういうとき、遠慮がちに『〜してもらってもいいかな?』とある種迂遠な訊き方をしないのはネリーらしさが出ている気がする。こういった話し方にはさっぱりとした印象があって、咲としては話しやすい。

「わかった、もし遅れたら監督や辻垣内さんとか……上級生の人に伝えとくね」
以下略



878: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:42:54.12 ID:Y8k0m8hzo
「よかったら今日一緒に打とうよ。ネリーじゃないとってわけじゃないでしょ?」

質問の意味を察して、目をしばたたかせる。

「留学生四人と辻垣内さん、私のメンバーで交代に卓を囲む練習があるんじゃ?」
以下略



879: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:45:35.08 ID:Y8k0m8hzo
「……ネリーとは、仲がいいね」

だから、躊躇いがちにハオが言った言葉は胸に刺さった。

「……」
以下略



880: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:47:33.76 ID:Y8k0m8hzo



それは部活が始まってから一時間ほどした頃のことだった。

以下略



881: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:50:01.98 ID:Y8k0m8hzo
「あっ!」

そんな中、ネリーが何か重大なことを思い出したように声をあげる。

「どうした?」
以下略



882: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:53:53.41 ID:Y8k0m8hzo
二〇一〇年代から続く美徳で、日本人は落とし物をしっかり届け出をするので、日本で滞在する間に失せものをした海外の人間はその失せものが思いがけず戻ってきて驚く、といった話を聞いたことはあるけれど。

そもそも、盗られたという話だ。盗難では話が変わってくる。

「ま、なるようにしかならないよね」
以下略



883: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:54:44.87 ID:Y8k0m8hzo
姉に勝つという目的に向かって邁進する……邁進しようとしている自分にとって、この行動は熱意を中途半端なものにする。

自分は本当に、中学で麻雀していた頃と違って、強くなるために全力を注いでいるか。

胸の奥から染みだした不安や迷いを振り払って、智葉に頭を下げる。慇懃に。
以下略



884: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/15(火) 23:57:03.30 ID:Y8k0m8hzo
「ええと、それでは現金書留の方は五〇万……」

「五〇万一六〇〇円! 一六〇〇円忘れないでよねっ!」

そう念押しするネリーが印象的だったが、悪く感じるものは咲の中にない。部室の部員たちではないが、いい意味で妙なおかしさがある。そう思った。
以下略



885: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/16(水) 00:01:07.28 ID:PozYXDL3o
「どういたしまして……っていいたいところだけど、本当に何もしてないよ」

「それでも」

と、ネリーは強調して言うと、
以下略



1002Res/901.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice