過去ログ - 八幡「贈り物には想いを込めて」
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1: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:24:53.61 ID:7IXBXgnJ0
・俺ガイルSS
・地の文有り
・キャラの心情に関しては自分なりに解釈しているところがあります

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2: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:29:51.93 ID:7IXBXgnJ0
まだ薄暗い部屋の中で目が覚めた。
脚だけが熱を帯びているようなじわりとした倦怠感がある。。
擦りむいた傷口の違和感と筋肉の張りはまだ残り、疲れが取れていないことを知らせていた。

布団の中で暫くウダウダしていたが、起床時間が迫ってきたので仕方なしに重たい身体を起こす。
以下略



3: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:32:44.70 ID:7IXBXgnJ0
そそくさといつも通り教室に入り、そっと椅子を引いて腰掛け、自分の机に腕を枕にして突っ伏す。
あー学校来た途端に帰りたくなるぐらいダルイなー、もうダメだ。一歩も動きたくない。

朝から自堕落な念にかられていると、ふと左側に気配を感じた。
おもむろに顔を上げると、そこには天使がいらっしゃった。
以下略



4: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:34:50.69 ID:7IXBXgnJ0
「そっかぁ。八幡頑張ってたもんね。疲れてるときは無理しちゃダメだよ。ちゃんと
身体のケアはしてね」

「おう。戸塚も……なんていうか、ありがとな。感謝してる」

以下略



5: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:36:41.94 ID:7IXBXgnJ0
そんな朝の出来事でちょっとだけ元気をもらったわけだが、授業をこなすにつれてパワー切れを起こす我が肉体である。
結局授業ではほとんどの内容を聞き流し、午後の数学は完全に寝て過ごして放課後となった。

本日も社畜よろしく、決まった場所に決まったルートで決まった時間通りに向かう。
もはや身体に染みついてしまった事に今更驚くことなど何もない。
以下略



6: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:38:51.77 ID:7IXBXgnJ0
ものの1分ほどでガラリと扉が開けられ、きょろきょろと周りを見ながらパタパタとした
足取りで教室から由比ヶ浜が出てきた。

待っていたこちらと目が合うと、花が咲いたような笑顔でこちらに近づいてくる。

以下略



7: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:41:27.81 ID:7IXBXgnJ0
「今日は依頼くるかな?」

右隣を歩く彼女がこちらを少し覗きこむように、身長差のせいもあり上目遣い気味に話しかけてくる。

「さあな。来ない方がいいんじゃねえの?」
以下略



8: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:43:54.91 ID:7IXBXgnJ0
「こんにちは」

「うす」

雪ノ下と短い挨拶を交わし定位置の、彼女の対角線上に置かれた椅子に腰かける。
以下略



9: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:47:05.18 ID:7IXBXgnJ0
つーか、ゆるゆりしてるところ悪いが俺もいるんだけど。

完全においてけぼりにされているが、よく考えずともいつも通りのことなので
俺もいつものように鞄から文庫本を取り出し挟んでいた栞を抜く。

以下略



10: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:48:27.13 ID:7IXBXgnJ0
「由比ヶ浜。どうでも良いけどふいんきじゃなくて、ふんいきな。ふ・ん・い・き」

「へっ?あっべ、べつに間違ったわけじゃないし! それに意味は通じてるからオッケーだもん!」

「由比ヶ浜さん。正しい日本語を覚えましょう?」
以下略



11: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:51:03.33 ID:7IXBXgnJ0
バレンタイン。
2月14日に女性が親愛の情をこめて男性にチョコレートを贈る、というのが一般的だろうか。
現在は義理チョコ、友チョコなどと範囲は広がり、今では男性から女性に贈る逆チョコなんてものもあるらしい。

日本国内の年間のチョコ消費量の2割がバレンタイン近辺に集中することから、各製菓会社が義理チョコや友チョコ、逆チョコといった
以下略



12: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:53:44.24 ID:7IXBXgnJ0
とは言ってもだな……。俺も雪ノ下も多弁な方ではないから、基本的に話を振られて会話をするタイプだ。
それに加えて話題はバレンタイン。そんなリア充イベントに縁があると思うか?いや、ない!(反語)

その事に関しては雪ノ下も同様だろう。彼女の優れた容姿に魅せられた異性から好意を寄せられはしても
雪ノ下が誰かに好意を寄せるところはまったく想像ができない。
以下略



13: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:55:22.56 ID:7IXBXgnJ0
「ゆきのんは毎年バレンタインは誰かにプレゼントとかするの?」

「そうね……昔は家族にしていたけれど、最近は特にないわ。毎年クラスメイトの女子からいただいてばかりね」

「女の子から貰うんだー。ゆきのんモテモテだね! あたしもチョコあげるからね!」
以下略



14: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:57:22.97 ID:7IXBXgnJ0
「今年は……誰かにあげるの?」

由比ヶ浜が少しおずおずした、様子を窺うような調子で尋ねる。
相手の出方をみるような、自信のない事柄に対する確認作業のような、そんな口ぶりに聞こえた。

以下略



15: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 22:00:16.96 ID:7IXBXgnJ0
「ひとつだな」

「え、ウソ! もらったの!? 誰に!?」

答えた瞬間由比ヶ浜は驚愕の表情を浮かべ、その向こうの雪ノ下の肩がピクリと跳ねた後に
以下略



16: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 22:02:23.06 ID:7IXBXgnJ0
「まぁよくある話だ。中学の時にバレンタインデーの放課後、誰もいない教室に呼び出されたんだよ。
そこでクラスメイトの女子からチョコを貰ったってだけだ」

「ほえー……。そこで告白されたとか?」

以下略



17: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 22:05:35.93 ID:7IXBXgnJ0
貰った時はちょっとじゃなく勘違いして浮かれたが、冷静になると、いや冷静にならずともただの罰ゲームです。本当にありがとうございました。

てか泣いちゃうほど辛いのかよ俺とのふたりきりの空間って?
そんな罰ゲームを強要する女子のほうがよっぽどヒドイと思うんだけど?

以下略



18: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 22:08:08.93 ID:7IXBXgnJ0
「今日はここまでにしましょうか」

いつもどおりに雪ノ下の合図で部活は終わりの時を迎えた。

バレンタインの話のあとは雪ノ下の淹れてくれた紅茶を嗜み、いつも通り読書をして活動時間のほとんどを過ごした。
以下略



19: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 22:10:41.96 ID:7IXBXgnJ0
目指すはグラウンド近くに設置されている自販機コーナー。部室棟にも近いからか、運動部の練習後であろう連中が
たむろしているのが遠目から見えた。

サントリー、キリンと並んでおっ、あるぞあるぞコカコーラ。やっと出会えたぜ。心の友よ〜。
大長編のジャイアンってなんであんな良いやつなの?普段はバットで殴りかかってくるんだぜ?
以下略



20: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 22:14:54.34 ID:7IXBXgnJ0
「……先輩?何シカトしちゃってるんですか?」

「……一色、奇遇だな」

MY自転車の荷台に一色いろは、わが校の生徒会長が両手でしがみついていた。
以下略



21: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 22:17:10.49 ID:7IXBXgnJ0
「先輩は今から帰りですよね? よーし一緒に帰りましょー」

「待て一色。俺チャリ。お前歩き。OK?」

「いや……それはわかってますけど。どうしたんですか先輩?輪をかけて変ですよ?」
以下略



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