過去ログ - 八幡「真のぼっち」
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:30:00.83 ID:KKdbAala0
初投稿。地の文有り。長い。
十中八九エタる。

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2:名無しNIPPER[sage]
2015/06/21(日) 13:31:04.61 ID:m0BzUI1/O
いいSSだった!
次回作も期待してる


3:名無しNIPPER[sage]
2015/06/21(日) 13:31:20.23 ID:IPvbo1XaO
なら削除依頼、出さなきゃな


4:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:31:35.87 ID:KKdbAala0
「で、君はどうしてここに呼ばれたのか理解しているかね?」

 対面に座った女性が口に咥えた煙草に火を点けながらそう尋ねた。俺からの答えは当然

「いいえ。そもそも問題を起こさないよう日々大人しく過ごしているつもりですから、今回の呼び出しは完全に予想外でした」
以下略



5:名無しNIPPER[sage]
2015/06/21(日) 13:31:50.13 ID:30o9VpSAO
>>十中八九エタる

!?!!!!!?!?


6:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:32:55.13 ID:KKdbAala0
「提出を義務付けられた書類は全て提出している筈です。直近の進路希望調査書には進学と記入して提出しました。学費だって確認はしていませんが両親が収めているでしょう。それとも授業態度の事ですか? それもこうして呼び出されるような事はしていない筈です」

「そうじゃない。確かに君は我々教師から見て何の問題もない生徒だ。今君が言った様な事は何も私は懸念していない。確認した訳じゃないがな。今回こうして呼び出したのはこれについて聞きたい事が有ったからだ」

 強気に発言してみたものの、彼女はそれをあっさりと受け流し、カウンターのパンチを浴びせる代わりに一枚のプリントを懐から出して俺と彼女の間に横たわるテーブルの上においた。提出した書類でなければ彼女が差し出したプリントは一体何なのか。彼女俺の方にグッと指で突き出したそれを前のめりになりながら確認すると、意外や意外それは先日現代国語の授業で提出したプリントだった。確かに今俺の前に座っている女性は国語教師、それも俺の居るクラスも担当している人だ。彼女がそれを持っていても全く何の不思議もない。が、しかし彼女がそれを理由に俺を呼び出すことには疑問以外の何物も生じなかった。この授業中に提出した一枚の紙切れの為に態々放課後この様な呼び出しが行われるなど聞いたことがなかったからだ。
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:34:03.23 ID:KKdbAala0
 それはそうだ。そもそも他人が読むことを前提とした文書に、あからさまに他人を貶すような表現を用いたり、批難を書いておきながら何の関心も持たれないと考える事はおかしい。もしもそう考える人が居たとしたら、それは相当考えの浅い人間であり、相当な馬鹿だ。もしも明らかに常識的な振る舞いから逸脱した行動を見せる(重要なのは逸脱した行動を行う事ではなく、そうと分かるように他者にその行動を見せつける事だ。)者が居たとしたらそれは何らかのメッセージとして受け止めるべきだろう。そしてもしも、そのメッセージを発した上で何の問題を感じさせない者がいたら、それは余程の問題を抱えた者かでなければただの構ってちゃんだ。

「深刻って何ですか。友達が居ない位今時珍しくないですよ。ネットを見ればどこにでも居ますし」

「そういった者も心の中で友人を欲している。君のように心底から友人を欲していない者はかなり稀だろう」
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:35:07.95 ID:KKdbAala0
「ふ、そうだろう。まだまだ私は若手だからな。しかし、そうだな高校教師としてのそれで不足なら私の人生全てで見ても君のような奴はレアだと言わせて貰おう」

 何故か先生は一瞬嬉しそうな顔を浮かべ、念を押してきた。若いと言われたのがそんなに嬉しいのだろうか。それはまあいい。この程度で納得する俺ではない。

「それは先生が見た目にかなり美人だからです。いいですか? 美男美女の周りには往々にして人が集まりますが、俺のような人種は賑やかな場所は苦手ですから自然とそういう人や場所から距離を取ります。おまけに賑やかな場所からちょっと離れたそれなりに活気ある場所も嫌いで、教室の隅っこで細々と地味に穏やかな生活を送るものですから、自然人を集める先生の様なタイプの人とは知り合いにならないものです」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:37:26.88 ID:KKdbAala0
「君は自分の言い分が苦しいと理解した上で、理解していることを匂わせながら発言するのを止めたまえ。やる気が削がれる」

 あー、と呻き声を上げながらソファに背中を凭れさせる先生。今の俺の発言はそこまで脱力を誘うようなものだっただろうか。

「もういい、君は君で君の問題点を自覚しているようだし、私も君に対する介入を諦める気は無い! ついてきたまえ」
以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2015/06/21(日) 13:39:35.90 ID:C12SjF3jO
静ちゃん貰っちゃえばすべて解決


11:名無しNIPPER[sage]
2015/06/21(日) 13:41:04.54 ID:War+W+IHO
オリジナル主人公モノ?


12:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:42:43.57 ID:KKdbAala0
 千葉市立総武高校には正確に言えば部活という物はない。
有るのは教室棟と特別棟、そしてそれらとは独立する形で視聴覚棟が有るだけだ。
部活動に所属していない生徒にとっては理科の実験等でしか利用しない馴染みの薄い場所、部活動に、特に文化系の部活動に所属している生徒に取っては部室の有る場所という意味で、生徒達の間では特別棟は専ら部室棟と呼び習わされているのだ。

 放課後、とうに部活動が始まっている時間なので他に生徒の姿のないその廊下を、ヒールでかつかつと言わせながら歩く平塚先生の後を追う。
以下略



13:名無しNIPPER[sage]
2015/06/21(日) 13:42:45.44 ID:i6PkMCZaO
よしエタったな!依頼出さなきゃ(使命感)


14:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:43:31.71 ID:KKdbAala0
 俺自身放課後の部活棟に足を踏み入れるのは初めてで、授業の有る日中とは全く違う様相を呈する部室棟に探検しているような感覚を味わっていた。

 というか俺はここに連れて来られて何をさせられるのだろうか? 
先程の先生の言動で殆ど正解というか、目的は分かっている。要は俺に友達を作らせる気なのだろう。
しかしだ、友達を作らせる為に部活動? 
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:44:03.93 ID:KKdbAala0
 だが、先生はその怒りを爆発させる事もなく俺から視線を切ると、ノックもせず教室の扉を開いた。
 中を見た感想は普通の空き教室だった。
教室の後ろ半分には机と椅子が積み上げられている所だけを見ると、使われていない備品の倉庫の一つだと思った事だろう。
しかし、それらの荷物に占領されていない教室の前半分には長机が置かれており、それと窓際に座る一人の少女がここが何かの部の部室である事を示していた。

以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:46:42.15 ID:KKdbAala0
「あ、ああ、そういえばそうだったな。スマンスマン、次から気をつけよう。それでだな、今回はコイツを」

 そう言って先生の声が途切れた。俺は顔の前に手を翳して恐る恐る目を開いていく。
窓際の少女の美しさが瞼の裏側にまで焼きついたかと思ったが、どうやらそんな事は無かったらしい。
詩人か俺は。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:55:06.60 ID:KKdbAala0
 え? 先生もしかして結構バイオレンスな方だったり? 
それにこの少女もそういうダーティな方法を認めないで欲しい。
特に俺が対象の時は。

「私だってそうしたいのは山々だが最近は五月蝿い連中が多くてな。肉体への暴力は許されていないし、こいつは厄介なメンタルの持ち主でな」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:55:48.42 ID:KKdbAala0
 そう言って先生の体が動く、と言っても動いたのは肩から先だけで、動きもせずに触れる物といったら俺の体位のものでって。
先生の手が俺の顔に近づいた所で反射的に飛び退く。

「この通り肉体的接触に抵抗が有るようだからな、その辺も心配いらないだろ」

以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:56:24.17 ID:KKdbAala0
 そう言って先生は颯爽と教室から去ってしまった。
いや去り際にチラッとこちらを見たような気もするが、とにかくそれ以上何も言う事なく帰ってしまったのだ。

 先生はそれで良いだろう。
元々ここに居た少女もそれで構わない筈だ。
以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:56:53.70 ID:KKdbAala0
 そのまま長机を挟んで少女と対称的な位置取りになるように椅子を設置して腰を下ろした俺に少女が冷たい目を向けてくる。
廊下の冷気よりも冷えきったそれは初対面の相手に向けるものにしては厳しすぎるような気がしたが、もしかしたらあれか殴ったり蹴ったりとかそういう事が日常茶飯事な女の子だったりするんだろうか。
だからあの時パッとそういう手段を思いついたし、先生も俺をここに連れてきたのだろうか。
だとしたら入部を希望したのは早まった選択だったかもしれない。
見たところ少女の肢体は一般的な少女のそれよりも華奢な位だったが、こちらもただの素人だ。
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:58:13.97 ID:KKdbAala0
話しかけられた少女は不快な気持ちになったのだろう。
隠しもせずにそれを表情に浮かべた。なんだろうこれって彼女なりの攻撃だったり?
そう考えると話しかけにくくなるのでこれは攻防一体の一手となり、殴ったり蹴ったりされるんだろうか。

「何故そう及び腰になるのかしら。別に手を出したりしないわ。少なくとも何もされない限りはね。それとここが何部か、ね。……そうね、ゲームをしましょう」
以下略



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