過去ログ - 紬「飼猫のころしかた」
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1: ◆Rqkr/iCaBpzw[sage saga]
2015/06/30(火) 22:31:10.15 ID:Ql0JQwjz0
季節は冬。
物語は梓の何気ない一言から。

梓、純、憂の3人は既に軽音部を卒業しており、メンバーは菫と直だけ。
そんな2人に気を遣って。あるいは、単純に心地がいいからという理由で、梓達3人は部室によく遊びに来ていた。

その日は後輩2人組が談笑中。
横で梓が菫の淹れた紅茶を飲みながら勉強していた。話題は巡り、2人の会話は菫のお姉ちゃんこと琴吹紬の話に――。
そんなとき梓の口からふと漏れた。

「ムギ先輩かぁ、久しぶりに会いたいなぁ」

「そういえばお姉ちゃん、今帰ってきてますよ」

「ん、そうなんだ」

「会いますか? それならお姉ちゃんに聞いてみますけど」

特に考えてした発言ではなかったので、梓は少し戸惑う。
でも、特に断る理由もないように思えた。
会いたいと思ったのはほんとうなのだから。

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2: ◆Rqkr/iCaBpzw[sage saga]
2015/06/30(火) 22:35:29.11 ID:Ql0JQwjz0
「いいよ、自分でメールするから」

「そうですか、お姉ちゃんきっと喜びます」

直との会話に戻る菫を横目に、梓はメールを打ちはじめる。
以下略



3: ◆Rqkr/iCaBpzw[sage saga]
2015/06/30(火) 22:38:44.54 ID:Ql0JQwjz0
土曜日。
図書館に先にきていたのは紬だった。
梓が来たことに気づくと、彼女は軽く微笑みながら近づいてくる。

「梓ちゃん。久しぶりね」
以下略



4: ◆Rqkr/iCaBpzw[sage saga]
2015/06/30(火) 22:39:58.71 ID:Ql0JQwjz0
英語、国語、地理。予定していた三科目について勉強が終わった頃には、とっくに正午を過ぎていた。

「お腹すいたね」

「はい、それにちょっと疲れました」
以下略



5: ◆Rqkr/iCaBpzw[sage saga]
2015/06/30(火) 22:42:00.30 ID:Ql0JQwjz0
軽く雪の積もった道を、おしゃべりしながら歩く。
こうやって二人でおしゃべりしていると梓は少しくすぐったい感じがする。
紬の純真すぎる部分に触れると、なんだか落ち着かないのだ。


以下略



6: ◆Rqkr/iCaBpzw[sage saga]
2015/06/30(火) 22:42:28.35 ID:Ql0JQwjz0
つづく。


7:名無しNIPPER[sage]
2015/06/30(火) 22:46:09.80 ID:XfHc4YheO



8:名無しNIPPER[sage]
2015/07/02(木) 18:20:55.32 ID:DzU0emjAO
頑張って


9: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga]
2015/07/11(土) 22:52:00.00 ID:if7sMFiq0
動物病院に着き、急患だと告げ、黒猫を預け、待つことしばらく。
獣医の先生に命の別状はないと告げられ、2人はほっと胸をなでおろした。

診断の結果は栄養失調と老化からくる衰弱だった。
獣医が言うにはこの猫は軽く10歳を越えているらしい。
以下略



10: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 22:56:07.03 ID:if7sMFiq0
動物病院からの帰り道。

「助かってよかった」

「はい」
以下略



11: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 22:59:26.60 ID:if7sMFiq0
「梓ちゃんが?」

「はい」

「ダメよ。梓ちゃんは受験生だし。それにあの子は老猫だから」
以下略



12: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:01:58.59 ID:if7sMFiq0
次の日。2人は動物病院へ。
猫を引き取り、昨日買ったキャリーケージへ入れる。
診察料を払った後、公園へ立ち寄った。

「それじゃあ出すね」
以下略



13: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:04:26.72 ID:if7sMFiq0
頭をゆっくり撫でた後、そっと手を這わせて今度は喉元を撫でる。
すると黒猫は気持ち良さそうに喉を鳴らした。

「やっぱり猫さんはここを撫でられるのがいいんだ」

以下略



14: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:06:35.90 ID:if7sMFiq0
再び紬が撫でると猫は抵抗しない。

「むぅ、こいつぅ」

梓が不満を漏らす。
以下略



15: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:13:22.73 ID:if7sMFiq0
餌を食べた後も猫は梓の手をぺろぺろ舐めていた。

「梓ちゃんの手、おいしいのかしら」

可笑しそうに笑いながら紬が言う。
以下略



16: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:17:27.21 ID:if7sMFiq0
そうして遊んでいるうちに紬は気づいた。

「この子のヒゲ、変わってるね」

紬の呟きを聞いて、梓は猫をまじまじと見る。
以下略



17: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:18:04.87 ID:if7sMFiq0
つづく。


18:名無しNIPPER[saga]
2015/07/12(日) 09:50:56.48 ID:KYUJqWZPO



19: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/08/10(月) 04:39:36.78 ID:yyMNkMTx0
春。
N女子大学入学式の数日前。
寮の一室に琴吹紬と中野梓はいた。

「それで、梓ちゃん、本当によかったの? 唯ちゃん達と同じ寮じゃなくて」
以下略



20: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/08/10(月) 04:41:25.48 ID:yyMNkMTx0
黒猫を飼うことを決めた当時、実家で預かってもらう予定だった。
唯達と一緒に暮らしていた寮はペット禁止だったからだ。
しかしその後調べて見ると、N女子大には寮が4つあり、そのうち一番古いこの寮だけはペットを飼えることが判明した。
紬はすぐに転寮手続きをとり、こちらの寮に越してきた。
唯達と離ればなれになるのは辛かったが、大学で毎日のように会えるので、我慢しようと決めたのだ。
以下略



21: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/08/10(月) 04:42:12.06 ID:yyMNkMTx0
「梓ちゃんが隣に来るって、ユズ。よかったね」

紬は膝の上に陣取っている猫の背中を撫でながら話しかける。
ユズと名付けられた黒猫はくつろいだ様子でそれを受け入れる。

以下略



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