1:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:35:20.86 ID:dTPiuG0Wo
改編後の小話です
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:36:10.81 ID:dTPiuG0Wo
時間が止まればいいと。
そう思った昔は、はるかに遠い。
誰だって一度は、そんなことを願うはずだ。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:36:47.33 ID:dTPiuG0Wo
「……ふう」ぼんやりと空を見上げる私は、今日もまた同じようにため息をついた。
嘆息の想いは何に向けてのものだろう。
あまり頭を使いたくなかったので、さっさとその疑問を頭から追いやった。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:37:20.23 ID:dTPiuG0Wo
私はそっと、目元に手をやる。
眩しすぎて直視できないから。
その輝きはまだ、私には刺激が強すぎるから。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:38:07.17 ID:dTPiuG0Wo
◆
6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:38:44.33 ID:dTPiuG0Wo
「ほむら、なんか印象変わったよな」いつだったか、佐倉杏子がそう言った。
あなたほどじゃないわと言おうとしてどうにか堪えた記憶がある。
……まあ、今は逆にあっちが塞ぎこんでいるけれど。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:39:23.07 ID:dTPiuG0Wo
待ち人はすぐに来た。
「ごめんなさい、待たせちゃって」声を投げかけてきたのは、巴マミ。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:39:53.73 ID:dTPiuG0Wo
「何か、用があるのよね」埒が明かないと思って、口を開く。
ただ、なんとなく何かは把握していたから。
それがどういう意味を持っているのかも理解していたから。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:40:43.75 ID:dTPiuG0Wo
「佐倉さんのことなの」予想通りの言葉を皮切りに、巴マミは話し始めた。
「その……最初は、意外と気にしてる風でもなかったんだけど。
カラ元気だったって言うのかな。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:41:51.73 ID:dTPiuG0Wo
改めて思う。
ああ、お人好しだった。この人は。
自分だって少なからず堪えているのだろうに。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:42:23.65 ID:dTPiuG0Wo
「ひと雨来そうね」
ふと、そんな言葉が口をついた。
匂いがしたのだ。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:42:58.68 ID:dTPiuG0Wo
「そう長くは降らないと思う」
「夕立みたいだから、それはそうかもしれないけれど」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:43:55.83 ID:dTPiuG0Wo
◆
14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:44:42.65 ID:dTPiuG0Wo
「……そんなに気を遣わなくても。部屋を汚さない程度に拭ければ私はそれで」
「ダメよ。風邪引いちゃうでしょ」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:46:04.51 ID:dTPiuG0Wo
何回か咳払いをして、ちゃんと声が出せそうなことを確認して。
そっと、呼び掛けた。
「入っていい?」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:47:00.91 ID:dTPiuG0Wo
「ふーん。それマミの服?」
「ええ。借りた……というか、半ば強引に借りさせられたというか」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:48:27.35 ID:dTPiuG0Wo
「おおかたアンタが来たのも、アイツのお節介の一環だろ」
「私が勝手に来ただけよ」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:49:08.16 ID:dTPiuG0Wo
部屋の中心に居る彼女とドアを塞ぐように座る私。
それなりの距離はあるが、彼女の表情はよく見える。
どう話をしたものだろう。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:50:12.11 ID:dTPiuG0Wo
「驚かないんだな」
「ええ」
20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:50:52.63 ID:dTPiuG0Wo
「マミの奴にはそういや話してなかったな」
思い出したように、そう言う彼女。
どうして、と聞き返した。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:51:33.11 ID:dTPiuG0Wo
「まあ、誰かが分かっててやればいいと思うんだ。
それがあたしじゃないのは残念だけど、アンタなら理解できる」
あたしはあたしなりに、あいつのことを忘れないようにするよ。
190Res/93.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。