42: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:27:27.93 ID:3Ri8fxGZo
――王都
翌朝、呪術師は俺を連れて王都へと向かった。
俺が付いて行きたいが為に彼女を離そうとしなかったのもあるが、呪術師なりに王都に赴くのは一人では不安だった様だ。
43: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:28:17.17 ID:3Ri8fxGZo
犬勇者(けっ。天下の勇者パーティの一人、魔法使いの姉に対して結構な扱いをしてやがるんだな)
兵士「ん、犬を連れているのか。呪術の生贄か?」
44: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:28:43.86 ID:3Ri8fxGZo
――王城内・謁見の間
王「よく来てくれた……呪術師よ」
45: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:29:15.33 ID:3Ri8fxGZo
思わず勢い良く見上げてしまった。ち、ちちち、父上……!?
王「久方ぶりにそう呼ばれるのは、こそばゆいな」
46: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:29:49.16 ID:3Ri8fxGZo
呪術師「……今は、私はこの力で、冒険者ギルドを通して……平和を、求めたいから……ダメ」
「魔法使いが勇者と魔王を倒す様に、私は彼らに出来ない事をする。だから、まだ捨てられない」
王「そうか。まったく、頑固であるな」
47: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:30:17.68 ID:3Ri8fxGZo
王「残念ながら。彼らにかけた強制帰還の魔法が発動したわけではないらしい」
「勇者たちが最後に確認されたのは、最果ての街……魔王城の近く、らしいが……」
呪術師「では、魔王に敗れた……? そんなはずない。だったら、妹たちが……生きているワケがない……」
48: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:30:57.95 ID:3Ri8fxGZo
呪術師「驚いた?」
王城の廊下で、呪術師は俺に笑いかけて言った。
49: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:31:31.86 ID:3Ri8fxGZo
神官「随分と遅い到着ですね、呪術師殿」
一人の神官が呪術師を確認すると、少し嫌味ったらしく微笑む。
ちらり、と俺を見るとやはり嫌味ったらしく目を細めやがる。
50: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:31:58.25 ID:3Ri8fxGZo
犬勇者(まあ、呪いだと仮定するなら、そのうち目覚めるか……良かった、本当に……)
思わず、吠えてしまいそうになる。あー、感情が昂ぶると吠えたくなるのが犬の性だね。
51: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:32:24.38 ID:3Ri8fxGZo
神官「それでは遅いのですよ……! 魔族による危機は今、正に我々が直面している問題だ!」
「呪術による現段階で成し得る到達点に、魔術ではいつ到達出来るかわからない! ならば、呪術を知るものが……っ!」
呪術師は溜息をついて、神官の口に手を添える。その仕草は妖艶で、あまりにも緩やかな動きで、見るもの全てが止まったかの様に思えた。
52: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:32:50.75 ID:3Ri8fxGZo
――王都・郊外
呪術師はあの後、神官たちから更に嫌味を追撃されつつも、さらりと流しながら三人の状態について再度述べて帰路についた。
どうやらやはりあの三人は昏睡の呪いにかかっていると見て良い様だ。使用者と波長が違うから、解呪は不可能だとかなんとか。
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